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1964-06-16 第46回国会 参議院 逓信委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月十六日(火曜日)    午後一時四十三分開会   ――――――――――   委員異動  六月十二日   辞任      補欠選任    鈴木  強君  横川 正市君    二宮 文造君  白木義一郎君   ――――――――――  出席者は左のとおり。    委員長     占部 秀男君    理事      鈴木 恭一君            寺尾  豊君            安井  謙君            久保  等君    委員            植竹 春彦君            小林 篤一君            野田 俊作君            松平 勇雄君            最上 英子君            谷村 貞治君            永岡 光治君            野上  元君            横川 正市君            須藤 五郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 古池 信三君   政府委員    郵政大臣官房長 武田  功君    郵政省監察局長 北脇 信夫君    郵政省人事局長 曾山 克巳君   事務局側     常任委員会専門     員      倉沢 岩雄君   説明員      日本電信電話      公社総裁  大橋 八郎君      日本電信電話公      社職員局長 中山 公平君   ――――――――――   本日の会議に付した案件 ○電話設備拡充に係る電話交換方式  の自動化実施に伴い退職する者に  対する特別措置に関する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○郵政事業及び電気通信事業運営並  びに電波に関する調査(郵政事業の  運営に関する件)    ――――――――――
  2. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  この際、委員異動についてお知らせいたします。  六月十二日、鈴木強君及び二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として横川正市君及び白木義一郎君が委員に選任せられました。    ――――――――――
  3. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案議題といたします。  政府から提案理由説明を聴取いたします。古池郵政大臣
  4. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) ただいま議題になりました「電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案」の提案理由を御説明申し上げます。  加入電話等公衆電気通信役務に対する国民需要の急激な増加に応ずるため、日本電信電話公社におきましては、急速かつ計画的に電話設備拡充改善をはかっていかなければならないのでありますが、その一環として行ないます電話交換方式自動化実施に伴いまして、自動化される電話取り扱い局の大部分の局におきましては、一時に多数の電話交換要員が過剰となり、その数は、昭和四十二年度までで約三万三千名の多数にのぼる見込みとなっております。しかも、これらの者はそのほとんどが女子でありまして、自動化対象となる局が漸次地方小都市等となってくることとも関連いたしまして、過剰となる者の配職転等措置がきわめて困難となります。  そこで、これらの過剰となる電話交換要員退職円滑化をはかるため、その退職について特別の給付金支給する臨時措置を定め、日本電信電話公社の行ないます拡充改善計画遂行促進に寄与し、もって、国民電話普及改善に対する要望にこたえようとするのが、本法律案を提案する理由であります。  次に、法律案内容を簡単に御説明申し上げます。  この特別の給付金支給を受ける者は、電話自動化によって電話交換事務の全部または一部が廃止される電話取り扱い局において電話交換事務に従事している常勤職員であって、自動化実施の日の三十日前までに退職申し出を行ない、郵政大臣または公社総裁によって受給対象者としての認定を受けて、自動化実施の日から七日以内に退職したものとなっております。ただし、配職転が可能な場合、退職日またはその翌日に郵政省または公社職員に採用された場合等の場合には支給しないこととしております。  なお、郵政大臣または公社総裁認定するにあたっては、過剰となる電話交換要員人数から、配職転が可能と認められるものの人数を差し引いた人数範囲内において政令で定める基準に従って行なうこととしております。  次に、特別の給付金の額は、勤続期間五年未満のものに対しては、退職日におけるその者の俸給、扶養手当及び暫定手当の月額の合計額の八カ月分、五年以上のものには十カ月分としております。  また、この特別の給付金は、その支給を受けた者が一年以内に郵政省または公社常勤職員として再採用された場合には、その金額を返還しなければならないこととしております。  最後に、この法律案は、昭和四十八年三月三十一日までの時限立法といたしております。  以上の法律案提案理由及びその内容の概略でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  5. 須藤五郎

    須藤五郎君 議事進行。ちょっと発言させていただきます。   この審議は、いまから始まるわけですが、私は、審議が始まる前に、昨日の新聞に発表された電通委員長笠原委員長大橋総裁との間に話し合われた四点の問題があると思うのです。それをこの席上で明らかにしていただいて、それから審議に入りたいと思います。それでないと、審議に入ることができないと思います。
  6. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  7. 占部秀男

    委員長占部秀男君) じゃ、速記をひとつ……。  以上で提案理由説明は終わりました。  次いで本案に対する質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次、御発言を願います。
  8. 永岡光治

    永岡光治君 郵政大臣質問をいたします。ただいま提案理由説明されたわけでございますが、いま須藤委員からも何か議事進行について発言があったようでありしますが、私はこの際、それは後ほどの問題に譲ることにいたしまして、ただしておきたいことがあるわけでありますが、この第一条の中に「これらの過剰となる電話交換要員退職につき特別の給付金支給に関する臨時措置を定めることにより、」と、こういうことが書いてあるんですね。「特別の給付金」という表現を使っております。そこでお尋ね申し上げたいのは、労働法あるいは公労法のたてまえからいうて当然だと思うのでありますけれども衆議院段階でもこの点は念を押されておりましたから、聞かないでもいいようなものでありますけれども、なお明確にしておきたいと思うんでありますが、退職手当性格は一体何か。これは私は、当然公労法上の「賃金その他の給与」であると、こう理解をいたしますが、大臣はどう考えるか。同時に、したがって、特別給付金性格というものも、「賃金その他の給与」に含まれると、こう理解するのが正しいのではないかと思いますが、念のため、もう一度、参議院の院におきまして、参議院という立場において、大臣答弁を求めたいと思うのであります。
  9. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) ただいまお尋ねの点につきましては、御指摘のとおり、公労法における「賃金その他の給与」というものの中に入ろうと考えております。
  10. 永岡光治

    永岡光治君 それでは、条を追いまして逐条的に二、三ただしてまいりたいと思います。  第二条の第三号は「電話交換要員」、それから「公衆電気通信法第二条第五号に規定する公衆電気通信業務のうち、電話交換に関する事務政令で定めるものに従事する者をいう。」、結局、支給対象になる職種だと私思うのでありますが、これはどういうものを考えおいでになるか、政令というものをどういうふうに考えおいでになるか。
  11. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) お答えいたします。  最初に、私、最近着任したばかりでございまして知識が乏しくて、あるいは御答弁に的確を欠くよらな点がございますれば、その点はあらかじめ御了承願いたいと思います。  ただいまの先生の御質問でございますが、第二条の第三号の、政令で定めますところの電話交換要員職種でございますが、まず第一に、電話交換電話番号の案内、次に交換取り扱いの監査、さらに、これらを通じましての事務を直接監督する仕事でございます。
  12. 永岡光治

    永岡光治君 大体まあ職種の予定されるものを一応理解できたんでありますが、ただ実は、総合服務をしておる郵便局へこれは委託しているということでありますが、個々の場合における問題が、多少私は複雑な問題が起きてきやしないかと思うのであります。いまあげられました業務に、何と申しますか、専念していると申しますか、専務していると申しますか、そういうものは比較的認定しやすいのでありますが、そうでない、たとえば一週間に一回、二回というものも、これはあり得ると思うんでありますけれども、当然これはそういうものも含めた、私の申し上げる極端な場合は除外いたしまして、たとえば一週間に一回とか二回慣行でやる場合は、総合服務でありますから相当あると思いますが、当然これはその対象として考慮すべきではないかと理解しますが、どういうふうにお考えになっていますか、ただしておきたいと思います。
  13. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) ただいま先生指摘特定局におきますところの総合服務の実態にかんがみまして、その局において作成してございます勤務指定表に、たとえば一週間のうち数回欠務がありました場合のあと補充につくというような指定表の作成がつくられておるよらな場合には、先生の御指摘のとおり対象になろうかと考えます。
  14. 永岡光治

    永岡光治君 それでは、次には第三条、「政府又は公社は、政令で定めるところにより、その自動化実施に伴い電話交換要員により行なわれる電話交換事務の全部又は一部が廃止される電話取扱局郵政大臣又は公社総裁指定するものにおいて、」云々と、こう書いてありますが、ここでいうところの「政令で定めるところにより、」というものは、どういうものを予想されておるのですか。これは郵政当局答弁の十分でないものであれば、便宜、公社のほうから補足説明答弁してもらってけっこうであります。
  15. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 補足説明あと公社からお願いすることといたしまして、ただいま御指摘のございました、第三条第一項の本文の政令で定めるところの政令内容でございますが、これは私ども事務的に必要な手続のらち、特に重要と思われるようなこと、たとえば電話取り扱い局指定の時期とか、あるいは自動化実施の日の定め方等を規定いたすつもりでおります。
  16. 永岡光治

    永岡光治君 いま答弁になった二つに限定して考えておる、それ以外のことは一応考えていないと理解してよろしいかどうか。
  17. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 私ども考えております内容は、一応二つ例にいたしましたようなことを主に考えております。
  18. 永岡光治

    永岡光治君 次いで同じく第三条の第一項の第一号、「その者につき配置転換及び職種転換ができないか又は著しく困難であると認められる場合以外の場合」、ここで問題になるのは、著しく困難であると認められる認定、この客観性の問題であります。結局、これはまあ大臣なり電電公社総裁がそういうふうに認めるということになるのだろうと思いますけれども、しかし、それまでの過程ですね、だれもが見て当然だと、こらやっぱり客観性がないと多少問題があろうかと思いますが、その転換が困難だ、著しく困難だという認定について、どのうろに考えておるのか。その認定をするまでの間における客観性を持たせるまでの話し合いと申しますか、何と申しますか、そういう手続客観性というものをどういうようにやろうとしているのか、それをただしておきたいと思います。
  19. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) できるだけ客観性を持たすためにどういうことを考えておるかということでございますが、まず私どもといたしましては、付近局の、たとえば過員を受け入れいたしますところの可能な局の欠員の状況を第一に考えております。さらに第二の考え方といたしましては、先出御承知のように、組合との間に配置転換に関する協約がございますので、あるいは職種転換に関する労働協約がございますので、その協約内容にのっとりまして、私ども組合との間に協議いたしましたところの客観的な困難性についての一応の基準があろうと考えております。したがって、それにのっとってやろうかと考えておる次第でございます。
  20. 永岡光治

    永岡光治君 客観性の持ち方について、いまのお考えはわかりましたが、これは、配転協約は、たしか、公社の場合にも、郵政省の場合にも、それぞれ組合との間に協約があると私、理解いたしておりますが、もとより、これに準拠してやるべきだということはわかるみでありますが、往々にして、同じたとえば通勤時間にいたしましても、まわりの状況にいたしましても、同一条件であっても、その配置をされる人の主体的な条件によってずいぶん私は違うのが出てくるのではないかと思う。そういう点については、協約もあることでありますから、十分相談はしていただけるものだろうと思うのでありますけれども、実情というものを十分把握されまして、いやしくも不当に本人希望がいれられないというようなことのないように措置すべきだと考えますが、その点についての配慮はどう考えおいでになりますか。
  21. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生指摘のございました「電通合理化に伴う配置転換等に関する協約と」いう協約が私どもの省と組合との関係にございまして、その第二条によりますと、「配置転換を行なうに当っては、任命権者は、本人の適性、経験、通勤状況希望および家庭事情等を総合的に勘案するものとする。」とございます。したがって、御指摘のとおり、私どもは、対象になります従業員希望はもちろんといたしまして、家庭事情等を総合的に勘案いたしまして、最も公正妥当な、また、本人希望にもできるだけ沿うように努力してまいりたいと思う次第でございます。
  22. 永岡光治

    永岡光治君 第三条の第二項に移りたいと思います。その二項の末尾に、「政令で定める基準に従ってするものとする。」と書いておるのでございますが、この政令の問題に入るわけでありますけれども、これは一体どういうことをいま、あなた方は考えおいでになるのですか。「政令で定める基準」というものは、どういうものを考えおいでになるか。
  23. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 第三条の二項の基準内容につきましては、退職申し出者が第三条の二項に書いてございます人数をこえるような場合などにおきまして、これらの者について選考する順位規定する予定でございます。
  24. 永岡光治

    永岡光治君 順位はいまのところ、どういうように考えておりますか。そのいまの順位をその基準として考えておるというのでありますが、どういう考えでありますか。
  25. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 一応政令規定します見込み内容といたしましては、退職申し出者が、ただいまの条文によりますところの人数範囲をこえます場合には、勤続期間が長い者から順次に認定しようと考えております。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 そこで、さきに私が申し上げましたけれども政令が三カ条ほど出ておりますし、また、配転についての認定問題等もあるわけでありますけれども、これらのやはり定め方いかんによっては、結局問題になろうかと思うのでありますけれども配転協約を中心にいたします一連の協約事項があるわけでありますが、それにもとるようなことは当然私はないと理解をいたしたいのでありますけれども政令等でそれに関連するものがうたわれれば、全然そういうものは、当然、協約事項と申しますか、協約内容はそれに優先して考えられるべきものだと思います。もとるものはないと思うのでありますが、それは間違いないかどうか。念のためにこれは尋ねておきたいと思います。  なお、この点については、公社当局のほうにも、郵政当局提案者でありますから一括して答弁すればいいようなものでありますけれども公社のほうからも重ねてこの点について御答弁をいただきたいと思います。
  27. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生指摘のように、協約に抵触するようなことを政令規定いたすつもりはございません。
  28. 中山公平

    説明員中山公平君) お答え申し上げます。  ただいま郵政省人事局長からお答えを申し上げたとおりでございます。
  29. 永岡光治

    永岡光治君 そこで、この第三項についてでありますが、特別の給付金支給を四十八年三月三十一日までに限定をいたしております。もちろん、予想されるこの期限において一応完了するという見込みであろうと思うのでありますが、もし、その間において、それまでに予期の成果があがり得なかった場合ですね、どういうことかといいますと、計画どおりいかなかった場合ですね、延期された場合なんか、全くのそういう期限までしか考えていないのかどうかですね、これをひとつ尋ねておきたいと思います。
  30. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 電話設備拡充改善に伴いまして、まず全国の電話自動化をはかることを主眼といたしまして、公社におかれましては、第三次五カ年計画をやられ、昭和三十八年から昭和四十二年度の五年間にわたりまして精力的に計画を推進しておることは、御承知のとおりでございます。したがって、この間におきまして、資金その他の問題につきまして非常に変わった特殊な事情が出てまいればともかく、いまのところは、私ども、この五カ年計画遂行は完全に行なわれると思いますので、その間に出てまいりましたところの自動化に伴う過剰要員に対する救済措置につきましては、おそらくこの四十二年度までで十分だろうと考える次第でございます。
  31. 永岡光治

    永岡光治君 これ、郵政大臣のほうへしたいと思いますからあとへ譲りたいと思いますけれども郵政当局答弁を用意してもらいたいことは、この種特別措置、単に電電公社における自動化実施に伴うものだけに適用されるということになっておるわけです、この精神は。しかし、他の事業において、この種同様の合理化対策が、あるいは機械化なりその他が進められる場合において、同様の措置がやはりとられるのかどうか。郵政大臣でなくて、これほむしろ池田総理か、あるいは官房長官か、責任ある人の意見をもらわなければならぬと思うのでありますが、そのこともひとつ大臣に伝えておいていただいて、答弁ができるようにしてもらいたいと思うのであります。そこで、この計画によりますと、四十二年度末で過剰となる数が大体三万三千ということになっておりますが、資料を見ればわかるのではないかと思うのでありますけれども年度別の見通しと申しますか、その数を御答弁いただきたいと思います。
  32. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生のお手元にあるいはあるかと思いますが、三十九年一月に郵政省からお手元に差し上げましたところの法律案参考資料の一ページに書いてございますので、いかがいたしましょうか、もしなんでしたら、お読みいたしますが、そのとおりでございます。
  33. 永岡光治

    永岡光治君 はい、わかりました。  給付金がこれによりますと、勤続五年未満のときは八月、それから勤続期間が五年以上のときは十月に相なっております。それで、これも資料にあるいはあるかと思うのでありますけれども、大体最高の場合どの程度くらい出るのか。これが実施された暁においての予想される最高、それから最低、その給付金はどのくらいにたるのか、計算されておると思いますか、念のため、これもお尋ねしておきたいと思います。
  34. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 郵政省の場合におきましては、もちろん、勤続の長い者は三十年以上という者もおりますけれども、大多数は五年から二十年の間でございます。したがって、二十年を一応先生指摘の最も多いということに観念いたしますと、特別給付金が三十五万五千七百八十円でございます。さらに、公務員等退職手当法五条によりますところの優遇措置が認められておりますので、これが百六万三千四百四十円でございます。したがって、両者合計いたしますと、百四十一万九千二百二十円ということになるわけでございます。  なお、最低につきましては、一年のものを例に申し上げますと、特別給付金が十万六千九百六十円でございまして、退職手当法五条によりますところの退職手当が四万八千百三十二円、合計十五万五千九十二円ということに相なります。
  35. 永岡光治

    永岡光治君 同じ第四条の第二項になりますか、二項における末尾のほうにあるわけですけれども、「国家公務員等退職手当法第七条第一項から第五項までの規定を準用する。」と、こういう勤続期間計算についての規定があるわけでありますが、「この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。」と、これはどういうことですか、お尋ねしておきたいと思います。
  36. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 四条二項の内容といたしますところの勤続期間計算につきまして、この給与特例法適用職員でございますところのこの交換手等勤続期間計算につきまして、ただいま御指摘ございました国家公務員等退職手当法規定を準用するということでございます。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 事務関係でちょっと中座きせていただき、ますが、私の質問は、一応本日のところ、この程度にとどめまして、次の質問に譲ってけっこうだと思います。
  38. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 それでは、私から簡単に御質問を申し上げます。  まず問題は、この法律をおつくりになった考え方と申しますか、根本的な精神をお尋ねしたいんです。私は、電話自動化というものは、普通の会社の合理化などと違いまして、国民電話のいいサービスを提供するというためには、すなわち、これは電電公社として電話事業を営んでおる以上は、これは最高至上命令だと思うんであります。そういうふうな意味で、どうしても国民にいいサービスを提供しようとすれば、自動化にならざるを得ないんだと思うんです。そういう意味で、今日計画はなされておるわけでございますが、そういう事業のもとにおける人事管理労使関係というようなものが問題になってくると思うのでございますが、その結果、こうした法案ができたと思うのでございますが、その根本的な考え方について大臣にお聞きいたしたいと思います。
  39. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) お説のとおりに、ただいまわが国におきましては、電話拡充計画公社の手によって行なわれておることは、御承知のとおりでございます。これと申しますのも、社会、経済情勢の急速なる発展に伴いまして、また、国民生活の向上に伴って、電話に対する国民的需要というものが非常に増大してまいりました。さらに、これを円滑に疎通するためには、どうしても自動化の推進あるいは即時化の促進ということが絶対に必要なことも、御指摘のとおりであると存じます。さすれば、自動化が急速に促進すれば、当然そこには、従来手動式で行ないました電話交換要員が不要になるということは、これまた理の当然であろうと考えます。そこにおきまして、私どもとしては、自動化は進めなければならない、また、これによって過剰となる交換要員の方に対しては、いかにすべきかという大きな問題が横たわっておるわけでございます。  そこで過剰になりました要員方々につきましては、でき得る限り、同じく電話事業関係する他の職場に配置転換をするとか、あるいは似たような他の職種にかわってもらうとか、かようにいたしまして、そういう方々勤労意欲を満たしていくということは、まず第一に考えねばならぬことと存じます。しかし、それをもってしても、なおかつ余剰ができるということも想像され得るのでありまして、さような場合におきましても、もとより本人の意思に反して退職せしめるということは、私どもとしては、これをとらないのでございまして、さような場合に自発的に退職をしようと、こういうお考えの向きに対しましては、通常の退職手当のほかに、特別にこの事情にかんがみまして、特別給付金を差し上げまして、そうして今日までの御労苦をねぎらい、かつまた退職を円滑にしていこう、こういう次第でごいざまして、この法律立法精神と申しますのは、あくまでもさような方々に対してあたたかい措置を講じよう、こういう点にあることを申し上げたいと存じます。
  40. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 まさにそのとおりであろうと私も思うのであります。この法案全体を通じまして、きわめて思いやりのある法案であるというふうに、私は従来から理解しておったのであります。しかし、御案内のように、二十八年から今日までずっと拡充計画というものは進行しておるわけでございます。従来でも自動化になれば、手動式交換から離れていく人はあったわけでございます。もちろん、その間において調整定員というようなものをとっておやりになっておることも、よく私、承知いたしておるのでありまするが、この第三次五カ年計画になってこの法案が立案されたということは、どういうことに相なるわけでございましょうか。
  41. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) ただいまのような御疑問が生ずるのも、あるいはごもっともな次第かと存じますが、もちろん、第一次五カ年計画の当初からさような問題はあり得るわけでありましたけれども、何しろ、第一次、第二次の五カ年計画は、ともに最も急を要する大都市を中心に自動化が実行されましたがゆえに、かような大都市における大局においては、たとえ過剰要員ができましても、これを職種転換あるいは配置転換によってさらに働いてもらうという余地が十分あったわけでございます。しかしながら、第三次五カ年計画に入りましてからは、これが漸次いなかのほうに回ってまいりまして、地方の小都市あるいは町村などの自動化になってまいりますると、周囲の環境の事情もありまして、どうしても過剰要員を他の配置転換あるいは職種転換によって吸収することのできないような事態が起こってまいった、したがって、かような法律をつくりまして、この場合の措置をより十分にする必要ができた、かように御了解をいただきたいのであります。
  42. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 いまお話のございましたとおり、非常に第三次になって計画がいなかのほうに進んでまいると、過剰定員というものが配置転換あるいは職種転換するのに困難であるということは、よく事情もわかります。そこで、本日ちょうだいいたしました参考資料をもって見ましても、第三次五カ年計画の中でどうしても出てくる過員というものが三万三千人、措置のできるものが一万八千九百人、措置どうしても困難だというようなものが一万四千百人というような計数がここに出ておるのでありますが、この計数の、措置可能な人間というのは、これは今日配置転換がすぐ可能だと見ておられるのか、あるいは、従来もいろいろ各地に問題がございまして、配置転換の、あるいは職種転換の困難な人が相当いたように私、聞き知っておるのでございますが、そういう自発的にやめられた者も私は相当多いと思うのです。そういう人間もこの措置可能の数の中に入っておるのでございましょうか。
  43. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) この点は、詳細な数字はわたりますので、政府委員のほうから答弁することをお許しいただきたいと思います。
  44. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) ただいま先生指摘の点につきましては、総括的に申し上げますと、第三次五カ年計画の期間の中におきまして、この自動化の進展によりまして発生する過員の数は、先生お読みになりましたように、相当多くになるわけでございます。なお、郵政省の内部あるいは公社の内部におきまして、いままでも配置転換あるいは職種転換等に努力したはずであるが、その状況はどうであるか、また、今後はどうかというお尋ねでございますが、数字的に申し上げますと、五カ年計画の中におきまして考えておりますところの郵政省内部における配置転換は、退職も――自然退職と申しておりますが含めまして、二千数百人にのぼります。従来はとかく、局舎が大都市あるいは中都市に近かったところの自動化でございましたので、配転もわりに容易であったのでございますが、今後は、先ほどもお話のございましたように、地方の小都市あるいは農村地帯に及びますために、配転協約できめましたところの内容どおり、基準どおりなかなかいかぬ場合が多いと思います。つまり、通勤時間一時間半以上にわたるという例が多々あろうと思うのでございますが、私ども、そういう場合には宿舎を設置して――一時間半以上にわたる場合には、宿舎を設置してそちらに行ってもらう、もちろん本人の同意を必要とする場合もありますけれども。そのような措置によりまして、できるだけ配転あるいは職種転換実施をスムースにはかっていきたいというぐあに考えておる次第でございます。
  45. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 まあ、そういう措置は講ぜられるでありましょうけれども、この数字は、指揮困難数というのはこれよりも上回っていくと解釈してよろしいんじゃないでしょうか。
  46. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 措置困難数にプラスいたしまして、この給付金対象になるところの人数が出てまいります。先生の御指摘のとおりでございます。
  47. 中山公平

    説明員中山公平君) 電電公社の場合を申し上げますと、お手元の表で、計の欄で措置可能数が一万一千五百名と相なっておりますが、この中で、従来の実績から見て、退職をされる者は三千三百名程度見込んでございます。
  48. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) ちょっと、御審議中ですけれども、緊急に御報告を申し上げたいと存じます。  先ほど私ども感じましたが、あの地震でございます。ただいまの情報によりますと、新潟地方が相当に被害が甚大でありまして、新潟の市外電話局は傾いたものと考えられます。そこで回線は全部ただいま不通になりまして、市外局には水が入り、電源の使用も不可能になっておる。電話交換要員は全部退避したという情報が入りましたから、とりあえず御報告申し上げます。
  49. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 そうすると、電電公社のほうは、措置人員の中に入っているわけですね。計算に入れてあるわけですね。
  50. 中山公平

    説明員中山公平君) 三千三百名分だけは措置可能数の中に入っておりますので、この分が、今度はこの法案の給付金の適用を受ける者がこの中からも出てまいる、こういうことに相なるわけでございます。
  51. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 結局、一万四千百名というのが、もっともっとふえてくる、実際にはふえてくる、こういうふうに了解いたします。  そこで話はちょっと飛ぶのでございますが、先ほど大臣からお話のとおり、この自動化というものはもう必至である。過剰な定員ができたからと言って自動化をチェックするわけにはまいらない。だから、どうしてもこれは進めなければならない。国民のために進めなければならない。そこで、これに協力する人に優遇の道を講じていく。私はもっとものことと思うのでございますが、そして自動化をなるべく促進していこうというお考え、そのとおりだと私は思うのでありますが、ところが、まあ私どもも、皆さんのところにも入っていると思うのでありますが、組合のほうからは、この法案は首切り法案であるというようなことが盛んに言われておるのでございます。法案の内容を見ましても、大臣の御説明からも、別にこの退職を強要しておるというような感じは出てこないのであります。しかしながら、組合員が盛んに首切り法案だと、こう言っておるところには、何らかの根拠があるのじゃないかということも想像されるのですが、その辺の事情はどうなんでございましょう。
  52. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生の御指摘のとおり、また、大臣の本法案提案理由にもございましたように、さらにその後のお話にもございましたように、自動化実施に伴いまして一時に多数出てまいりますところの電話交換要員過剰要員に対しまして、できるだけな優遇措置をとるということに、この法案の本来の趣旨がございますので、何人もこの法案自体には実は賛成をしていただけるものだと私ども考えておるものでございます。特にこの五カ年計画実施にあたりまして特別給付金支給することによりまして、希望退職者が自然に増加してまいるだろうということを期待しておるわけでございますが、私どもはあくまで本人の自由意思を尊重いたしまして、勧奨を強めましたり、いわんや強制したりというようなことは全然考えておらぬのでございます。御指摘のように、組合のほうからこの問題について、この法案について反対があるという、あるいは首切り法案であるというようなことを言っているじゃないかというお話でございましたが、私どもの、あるいは組合に対しますところの説明等がさらにもっと徹底しておりましたらば、そういうことがなかったのではないかと考えますと同時に、今後できるだけ組合側に説明を十分いたしまして、理解を得るような措置を講じてまいりたいと思う次第でございます。
  53. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 ぜひ、その点が私は、人事管理の面において最も必要なことだと思うのであります。いろいろと、こういう法案が出、ますと、誤解というものが生じやすい。そういうふうな誤解を与えぬような措置は、特に人事管理の面から配慮していただきたい。  なお、この第一条に「特別の給付金支給に関する臨時措置を定めることにより、その過剰となる電話交換要員退職円滑化をはかり、」と書いてあるのですね。この「円滑化をはかり、」というようなことばが、何かしらぬ積極的に従業員の離職を慫慂するというような感じが出るのではないかというように想像されるのですが、「円滑化をはかり、」ということは、どういうふうに解釈したらよろしいですか。
  54. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 第一条の「その過剰となる電話交換要員退職円滑化をはかり、」ということの内容でございますが、過剰になる電話交換要員が自発的な意思をもってスムースにその職場から離れていくという趣旨でございます。
  55. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 まさに私もそのとおりであると思って聞くのですが、どうも従業員が、すぐに、こういうふうな法案を見ると、首切り法案だ。同時に、特に一般も、電電公社あるいは郵政省は、そういうふうな合理化に伴って首を切ってくるんだ。また、極端なことをいえば、金でつっていくんだというようなことです。もちろん優遇をして、自発的にやめていただく人に対処していくということは、これはけっこうなことなんで、もちろん金でつるということになれば、これはもう論外でございまするけれども、そういう点に特に私は御注意を願いたい。  そこで特別給付金――先ほども永岡委員からいろいろ御質問がございましたが、ここで拝見いたしますると、まあ五年間といいますと、十八で採用されますると二十二、三ですね、この方が五年で、郵政省で二十八万六千円、電電公社では二十九万五千円というふうなお金がちょうだいできるわけです。こういうふうな計算をきれました基礎、あるいは民間のこういうふうな会社はこの程度の待遇をしておる、だから、こういうふうな場合には、これだけの措置をしなければならないんだというふうな計算の基礎でもおありになってのことでございましょうか。また、民間と比較してどういうふうでございまするか。その点を……。
  56. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生指摘のとおり、本法案におきまして定めておりますところの給付金の額は、民間企業との均衡も考え、また、できれば、それよりもよくしたいという趣旨できめられたものと承知しております。  参考までに申し上げますと、こういう給付金に相似た金を出しておりますところの企業といたしまして、たとえば三菱金属あるいは日産化学、宇部興産というようなところがございます。その金額でございますが、五カ年間つとめた者につきまして、三菱金属の場合は十一万八千円何がし、これは独身者の場合でございます。さらに妻帯者の場合には、十四万三千円ということになっておりますし、十年つとめた者につきましては、独身者が十五万円何がし、妻帯者が十六万六千円何がしということで、ほぼ均衡のとれた、むしろ、この法案によりますと、民間よりもややいいということが言えると思います。
  57. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 公社等――これは国鉄も専売もあるわけでありますが、政府関係機関として、私は、これだけの待遇をいただくということは、非常な政府並びに電電当局に敬意を表するものでございます。私は一つのエポックをここにつくるんだと思うのです。社会党の諸君も、こういう法案でこれだけの待遇をつけるということは、非常に喜んでいただけると私は確信をいたしております。そういう意味におきまして、私は、この法案がきわめて労働行政と申しますか、人事管理における一つのエポックをつくったということすら考えておるのでありますが、この恩典に浴する者がきわめてシビアなんですね。この法律が公布されて初めて発効するわけであります。そのときからその人は該当するわけで、この恩典に浴するわけですが、その前の人たちには全然恩恵がないというのは不公平であるというふうな気持ちもあるのでありますけれども、多少法律自体が機械的にきめておるのではないかというような気持ちもございますが、いかがでしょうか。
  58. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生指摘のような点、つまり、過去の自動化におきまして退職した者との間の不均衡、あるいは、この法律内容をもちまして基準外になる退職者との不均衡等が確かにあるわけでございます。しかし、この給付金それ自体が、国家公務員等退職手当法のいわば特例的な形でありますために、国あるいは国の企業としましての予算の使い方との問題もございますし、また第一に、この第三次五カ年計画から出てまいりますところの要員問題は、特にこの自動化のために困難な目にあいますところの退職従業員に対する優遇措置ということでございますので、私どもといたしましては、省及び公社、ともども感謝の意を込めて支給するといった意味の給付命と心得まして、したがって、いままでの退職者等につきまして、さらに、内部におきまして基準外の退職者等に対する不均衡があっても、いささかしかたのないものであるというぐあいに考える次第でございます。
  59. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 そこで、実際問題としてどういうふうな結果が出るかわかりませんけれども、私は相当希望者もあるのじゃないかと思うのでございますが、かりに配転計画不可能というような人より以上に希望者が出たというような場合、ここにも規定があるようでございますが、政令でその順位をおきめになるようでございますけれども、それはどういう基準でお定めになりますか。
  60. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 政令で定めますところの基準でございますが、退職申し出者が、規定する人数範囲をこえた場合、この場合には、勤続期間が長い者から順次認定していくということにしたいと思いますのと、ただ、退職後直ちに常勤者としてほかの職につけるというような人は、どっちかというと恵まれておりますので、そういった方以外の方を優先して認定するといったようなことを政令にうたうつもりでございます。
  61. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 政令勤続年数だけでいこう、こういう考えでございますか、その他の点について、いろいろやはり条件等もあると思うのでございますが、そういう場合には、団体協約なり、そういうふうな団体交渉でおきめになる、こう理解してよろしゅうございますか。
  62. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生指摘のとおり、先ほど申しました配転等に関する協約がございますので、それを準用してまいりたいというように考える次第でございます。
  63. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 現在でもおやりになっていると思うのでありますが、実際の問題になりますると、ほかの会社等にもごあっせんなさるような機会等もあると思います。特にPBXなんかやっておる会社がありまナれば、その方面にも使ってもらうような配慮もされると思うのでございますが、そうした場合には、この適用を受けるのですか。
  64. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 適用を受けます。なお、私どもも、PBXその他付近の同じような種類の仕事を中に持っておりますところの企業等へのあっせんは積極的にやってまいりたいというように考えております。
  65. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 先ほど永岡さんが聞かれましたけれども電話交換事務で、政令に定めるものというので、非常に電話交換事務というものを厳格に規定されておると思うのです。もちろん、こういうふうな法律は、やはり厳格に私は解釈しないと、非常に乱に流れるということもよくわかるのでありまするが、交換要員というのはどういうのですか。もう一ぺん私に聞かしてください。
  66. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 通常の作業といたしましては、電話交換電話の番号に関する案内、電話交換取り扱いの監査、さらに、これらの業務を直接監督する仕事でございます。
  67. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 交換の仕事をやっている。それから案内ですか。監査をする。そうして直接監督をするような場合と、よくわかるのです。交換室の仕事ですが、しかしですね、さっきは、いわゆる共通服務の問題等もお話しになっておったのですが、統計をやっておるとか、それから苦情を処理しておる人とか、やはりあそこにおるんじゃないんでございましょうか。
  68. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) その仕事が電話交換にずばり当たっておる場合は、先生指摘のような仕事も入ると思いますが、ただ若干の手助けをするというようなものまで含んでまいりますと、先ほど御指摘のございましたように、いろいろと波及いたしますものですから、一応私どもといたしましては、この四つの仕事に限定をいたしておる次第でございます。
  69. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 わかりました。  そこで、いま一つお聞きしたいことは、その五条で、もらったものを返還させる規定がございます。一カ年以内に職場に帰ってきた者は返すというのですが、これはだんだん承っておりますると、この退職金というものは、電話自動化に伴って、それに協力してもらう人に対する優遇なんです。そうすると、一つの謝金的な性格もあるわけでございます。そうした場合に、普通の退職金と同じように、戻ってきて返すというのはどういうものか、そこに多少問題もあるように思うのでございます。やはりそのときに、そのお礼というか、そういう意味で職場を離れてもらうのですから、返すという考え方はどうかというような疑問も多少あるんですが、そういう点はいかがですか。
  70. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 本給付金の目的は、配置転換等によりまして措置できない過員の退職円滑化をはかるために考えられたものでございますので、退職しまして短期日の間に再び戻って再採用できるという者につきましてまで、この措置を適用するのは、ちょっと優遇が過ぎるのではないかというぐあいに考えるのでございます。  なお、さらに、私どもといたしましては、現在におきましても、この一年以内に配転あるいは職転等をやるようなことを考えておるわけでございますので、それこれ勘案いたしますと、やはりこの一年以内に再採用になる者につきましては、支給しないほうが公正だろうと考える次第でございます。
  71. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 私の質問は、これで終わります。
  72. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。    ――――――――――
  73. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 次に、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  74. 横川正市

    横川正市君 最初に、たくさん、あまり問題があり過ぎて、どれからやっていいかわからないくらい、特定局の非違事件というものが頻発しておるように思います。  まず、特定局長という身分を持った者の非違事実について、懲戒の基準というようなものがあらかじめ定められているものかどうか、あるいはまた、その非違事実について、どういう考え方で処分内容について実際上の運用をされているのか、この点が実は私、非常に疑問に思うわけなんですが、そこで、具体的な例をとりますと、たとえば、傷病年金等の受け払いの委託をきれた案格件の証書を改ざんをして、そして傷病手当を横領しておったというような事件で、事件の内容が、金額が少額だから、これを事件とするとかしないとかいう、そういう取り扱いがあるのかどうか。  それからもう一つは、賃金とか超勤とかの不払い事件というのは、これは特定局は日常茶飯事の事件で、そんな毛のは犯罪の中には入らない、こういう考え方特定局の中にあるようでありますけれども、一体、郵政省の懲戒基準の中では、そういうようなものは入るのか入らないのか。  それから特定局長の殴打事件というようなものがあるわけでありますけれども、一体、局長という立場になると、ある程度の暴力行為を行なっても、それは一般職員の行なった暴力行為とは別に差をつけているのかいないのか。大体問題点は、三つの点についてお聞きをいたしたい。
  75. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 当初お答え申し上げましたように、私、新任でございまして、該博な知識をお持ちの横川先生に対しまして、的確な答弁ができますか危惧いたしますけれども、もし貧弱でございましたら、あらかじめお許しを願いたいと思います。  ただいま約三種にわたりましての例をあげられまして、特定局長に対する懲戒処分基準、これは確立されておるかというお話でございますが、私ども特定局長の場合と、あるいは一般職員であるとを問わず、国家公務員法その他人事院規則等に定められましたところの懲戒処分の根拠規定に従いまして、厳正なる処分をやっておるつもりでございます。  第一の、傷病手当でございますか、の横領めいたこと等につきましても、そういうことがございましたならば、これに対して的確につかみ、まして、非違を追及していくつもりでございます。  また、第二の賃金、超勤の不払いにつきましては、これはわかりましたならば、後ほど追及するということはいたしておりますし、決して特定局長なるがゆえに、何らか寛大な処置を加えるということはいたしておりません。  第三の、殴打事件でございますが、この点につきましても、御指摘のような例が東北地方でございましたが、目下私ども監察局をして調べてもらいまして、この報告によりまして十分審査をいたしております。当然追及すべき責任につきましては、厳密に追及していきたい所存でございます。
  76. 横川正市

    横川正市君 本省の局長さんと私とが質疑応答しておれば、いま言ったよらなきわめて厳格な態度で臨んでいるようになっているわけですが、現場に行ってみると、全然別な状態で運用されているんですが、そういうような事実を本省では的確につかむ何らかの機関というものはないんですか。特定局長の非違事実というような具体的な例が、本省のあなたのほうにはあがってこないんですか。
  77. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 私どものほらには地方郵政局を通じましてあがってきております。なお、そういうことにつきまして、一般職員以上に手心を加えろというような指示をしたこともございませんし、また、私どもといたしましては、今後も細大漏らさずそういう非違事件がございましたならばあげるように今後も指導していきたいと思います。
  78. 横川正市

    横川正市君 それから特定局長会には、特権連という業務連絡協議会がつくられているのでありますが、これらの会長職とか副会長職とか等の要職につける者の人選等については、そういう軽微だというふうに判断をされるような案件であっても、犯罪行為が行なわれた者について、それを会長あるいは副会長等に任命をする、こういうことは、郵政省は別に良心的に何ら、いわば普通のことであって、それを任命からはずすとかというような処置はとらない、こういうかっこうで動いているんでしょうか。
  79. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 重いものは当然といたしまして、軽微なものにつきましても、いやしくも犯罪事件に該当するようなものが発生いたしました場合、その当該特定局長が特権連の役職についているような場合におきましては、もちろんこれははずすようにいたしております。例といたしましては、先般、七間の郵便局で起きました事件につきまして、犯人と共犯関係はないということでございましたが、もちろん直ちに役職をはずしております。
  80. 横川正市

    横川正市君 実は、私は、こういうことはこの委員会であまり質疑をして、あなたたちがここで困った答弁をするようなことの起こるということをやりたくないわけなんですがね。実際上、これは日常の業務の中においてやっておいてもらいたいことなんですが、それが非常にたくさんあがってきます。非違事項でこれは一件一件やったら、三日も四日もかかりますから、特殊なやつを二つ、三つやりますけれども、その結論としては、まあ先に前置きをいたしておきますが、組合関係からあがってきた非違事実というものは、あなたのほうのルートの監察その他からあがってきた非違事実と比べてみて、同じ非違事実でも、取り扱いに差をつけますか、つけませんか。
  81. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 非違事実の取り扱いにつきまして、差をつけるというようなことはいたしておりません。
  82. 横川正市

    横川正市君 してないでしょうね、実際上。
  83. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 少なくもしておりません。いままではしておりません。
  84. 横川正市

    横川正市君 たまたま、それじゃ、静岡の安西局の特推連部会長へ任命の問題について聞きますけれども、この安西局というのは、御案内のように、局長の日常業務の中で、少なくとも犯罪に類する行為があった。これは裁判の事実調書を見ますと、その事実調書の中に、取り調べ官がそういう事実のあったということを認めております。ですから、それは大小あることについては、これはまあいろいろ判断もありましょうけれども、そういう犯罪の非違事実が司直の調べの中にもあがったという事実と、組合側がその非違事実を認め、職員側からの訴えがあったので、その事実の調査に行ったという事件が先に起こっております。その案件はすでに公判に入っておりますから、私は触れませんけれども、その安西局長を特推連の部会長に任命したのはどういうわけでしょうか。
  85. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) ただいま先生の御指摘になりましたような事実につきまして、申しわけございませんが、いま手元にそういう報告を受げておりませんし、私、資料を持ち合わせておりませんので、後ほど調べまして御報告いたしたいと思います。
  86. 横川正市

    横川正市君 名古屋郵政局長が、その事実について組合側から指摘を受けているにもかかわらず、部会長に、四月の一日から事務を進め、しかも、これは四月二十五日に事務遂行を始めておりますけれども、四月一日にさかのぼって特推連の部会長の任命が発令されている。一体、こういう事実が行なわれたことが、あなたのほうではっきりしたら、これは即刻部会長をやめさせますか。
  87. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 先生の御指摘の非違行為、いわゆる非違行為等につきまして、十分調査をしました上で決定させていただきたいと思います。
  88. 横川正市

    横川正市君 いま、この組合からの、いわゆる組合の点検闘争というのがありまして、その点検闘争で非違事実が表に出ることを拒んで、そうして、さわったとか、暴力があったとかいう案件で裁判をされているような局長を任命したという、こういう事実が出ておるわけでありますけれども、これはまあ郵政局が組合側の代表を訴えておるわけですから、あなたのほうの事実案件として承知のはずです。そういう事件を起こしておる局長を任命するという、そういったことについては、何か意図があるのじゃないですか。実際上はそういう事実は、事件が起こっているという事実があるなしにかかわらず、任命については行なわれた、こういう態度でしょうか。
  89. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 非違事実の内容につきまして、先ほども申しますように、私よく承知しておりませんので、いま的確にお答えできませんが、少なくとも特定局長の特権連役職員の任命、指名にあたりましては、あらゆる角度から見まして、最もこの局長たちの仲間から尊敬に値する、また、一般職員とも人間関係のいい局長を指名しているのが、全国的な通例だと存じております。
  90. 横川正市

    横川正市君 監察局長に、最近静岡管内は相当大きな犯罪が次から次へとこら出てくるわけです。七間、手越、そのほかいまあげた事件ですがね。実際上、この静岡管内の特定局のいわゆる業務について監察を行なら場合に、どういう方針でもって行なっておったのか。まあ、あなたも任命されたばかりですから具体的にはおわかりにならないかもしれませんけれども、これはどういうことで業務指導をされているのか。あるいは定例の監察業務というのがあると思うのであります。ことに七間の場合は、約半年前かにさかのぼって監察が入って監察をしておるわけですね。その監察を行なったにもかかわらず、これは優良局かなんかの表彰を受けるようなかっこうになっておる。それから半年も出ずして数千万円の使い込み事件が起きておるというようなことでは、これは一体、監察はやっておるのですか、やってないのですか。ことに管内で非常に大きい事件が次から次へと出てくるわけですが、どういう方針でやっておるのですか。
  91. 北脇信夫

    政府委員(北脇信夫君) いま先生の御質問の点でございますが、実は私も三月三十一日に監察局長を拝命いたしまして、その前のことでございますので、その当時のことにつきましては、記録その他、で承知しておりますが、その当時からやはり犯罪の防止ということを、考査におきましては最も重点を置いてやっておった次第でございます。  それで、ただいま御指摘の静岡七間局の問題につきましては、その犯行期間中に、監察官による考査が六回、それから監察官補による考査が三回、合わせて九回やったわけでございますが、非常にその犯行が巧妙でありまして、あるところまでは、犯罪の一歩手前までまいりましたが、その犯人と、それから預金者であるところの相手方とに、口うらを合わせられまして逃げられたまことに残念な事件でございますが、しかし、私、着任以来、そういうことがないように、もっと監察官は単に相手方の話を聞いただけでなくして、必ずその裏づけを自分の目で確認してやれという指導をやっている次第でございます。
  92. 横川正市

    横川正市君 監察が手不足なんじゃないですか、どうですか。現在のあなたの、手勢で、いま次から次へとあがってくる特定局の犯罪事実について、これを国民から信頼できるようなかっこうに直すには手不足なんじゃないですか。
  93. 北脇信夫

    政府委員(北脇信夫君) 実は犯罪捜査の面でも、これは全国で見ますと、大都市に非常に大小の犯罪が集中するとか、あるいは地方の中都市程度でも、ときによっては非常に犯罪がたくさん出る。かと思いますと、地域的にはあまり犯罪が発覚しない、こういうようなこともございまして、一応監察官の定員というものは、受け持ちの部内におけるところの考査の対象の局数、あるいは過去三年間における事故犯罪件数というものによって定数を定めておりますが、時期的には、そういうふうなわけでアンバラができるということで、これは地方監察局、長がにらんでおりまして、ある一つの管内から特に犯罪が続発するということになりますと、他の支局から監察官を動員して応援する、こういう体制でやっております。  ただ、お話しのように、絶対数が足りるか足らぬかというお話でございますが、これは何せ事故犯罪がどれくらい起きるかということが想定できませんし、事故犯罪の捜査が第一でございますので、事故犯罪が発生いたしますと、考査等はしばらくおいてその捜査の任に当たる、かようなことにやっておりますが、いま地方に行きますと、やはり監察官は足らぬのじゃないか、こういうような意見を私も聞いておりますが、これらにつきましては、十分、郵政事業全体というような観点から、大所高所から検討してみたい、かように考えております。
  94. 横川正市

    横川正市君 そこで、監察局長に、あなたのほうで最近頻発をする部内犯罪に、手不足とはなかなか言い切れない点もあるようでありますけれども、より的確な犯罪防止あるいは犯罪捜査、こういったことが必要だと、こういうようなたてまえから、最近、労働組合のいわば大衆行動等に監察官が動員をされて、相当長期にわたって監察の正規業務を放棄をする、こういうようなことは、あなたのほうの指導としてはどう考えてやっておられることなんでしょうか。おそらく、なかなか、それもまた、前任者でないからあれでしょうが、お答えいただきたいと思います。
  95. 武田功

    政府委員(武田功君) 私からお答え申し上げます。  いま労働運動について監察官を動員するではないかというお尋ねでございますが、大体本来、労働運動に対して監察官を動員するということはございません。で、たまたま年末繁忙期にあたりまして、いろいろ年末始の業務運行上これが円滑を欠くというような事態が予想されますし、また、現実にあった場合もしばしばございます。そういう際には、年末の業務運行対策本部というものを臨時につくりまして、それの一員として監察官も郵政局員と同様に、年末業務運行をいろいろと指導し、あるいはまた督励をするという、そういう形におきまして行動しておるのが、従来の行き方でございます。
  96. 横川正市

    横川正市君 だから、日常監察業務を行なうという、そういう監察業務の不徹底ということに結果的にはならないかと、こういうふうに私のほうで聞いているわけです。私は、いま郵政省のとっております、何といいますか、労務管理方式といいますか、これは団交再開闘争からすでに数年経過して、当時から練り直してあったものを新しい形に練り直す必要が随所に出てきているように思うのです。たまたま十一日に私、岩手県の大船渡という郵便局へ行きました。ところが、その大船渡郵便局に、三月末から四月の中旬までの間に郵政局から出張していった係官というのが延べにして約二百人。大船渡郵便局の局員は五十八人です。郵便定員は二十四人というような、そういうような局へ郵政局から二百人の係官。しかも、それはみんな課長とか、あるいは監察官とかという肩書きのついた者ばかりです。そういった者が何をやっているのかというと、ひどいのは、便所へ行って、極所の中へ入っている瞬間が長いというので、ストップウオッチで時間を点検している。こういうことは一体、監獄ではあるまいし、郵政の職場に限って、どうしてそれほどしなければいけないのでしょうか。私はそれがわからないわけなんですがね。まあ案件は、実は別な案件でした。これは公職選挙法違反に該当する案件でした。組合側として一関の検察庁の支所に告訴を提出した事件が起っているわけですが、しかし、それと関連をしてそういうような事件が起こっている。  それともう一つ特徴的なのは、組合側が本格的に局長とか管理者の非違事項というものをあげようとして努力したところに、非常にもう事実、豆を拾うようにたくさんな非違事項が出てきている。そうして組合側がそういう非違事実をあげないというところは、非違事実が全く隠されて表に出てこない。ないのじゃなくて、隠されて出てこない。そうして労使の関係がますます紛糾していって、両者がエキサイトして、お互いに非違事実を――片一方は、便所へ行ったやつを、七分も行っているじゃないか、これは賃金カットだといって出勤簿につけているような、そういうところは非違事実が次々とあがってくる。これはあなた方が三年か五年前から練りに練った労務管理方式というものはいま一番末端のほうへいっているというような、そういう傾向になってきているのじゃないかと思う。  もう一つ、釜石の石山という郵便局長ですが、これなんかは酒に酔って、階段の下から上がってくる者と、階段の上から対峙する。そうして下から上がってくる者に、おまえは文句ばかり言って一つもおれの言うことを聞かないなどとどなりつけている。ところが、その部下の庶務課長は、支部の幹部を殴打をして脳震盪を起こきすような事件が起こって、これも告訴されている。  それから盛岡の郵便局の貯金課長は、貯金の奨励費で職員と一緒に飲もうとしたら、何かお祝いをしようとしたら、職員が、あなたのような者と一緒に飯むのはいやだと言って断わった。そうしたら、その庶務課長は、ほかの課長連と一緒に飲みに行ってその金を使ってしまった。あの金、どうしたと言ったら、おまえらと飲むのはいやだから、ほかの課長を連れて行って飲んでしまったよ、こういうていたらくです。その課長と組合の者と対峙したときに、何ということなしにお互いに言い合って、そこでひっころがして暴力だ暴力だと言って大騒ぎをする。そうすると、郵政から行っていた者が、これは暴力やったのじゃないか、こう言って大騒ぎをする。その局では調べてみると、三分とか五分とかという賃金カットが出勤簿に載っている。一体、これは労務管理ですか。これは郵政省の言っている末端の実情というのは、こういうかっこうで出てきている。おそらくあなたのほうは、岩手県というのはこのごろ非常に飛び上がって闘争をするから、だからひとつ締めつけてやろうと言っているのだと、こういうふうに言うでしょう。飛び上がった闘争をやったら、それだけに、私は、問題というのは別な観点から幾らでも摘出できると思うのです。なぜ、そんなちちくり合ったようなことをして、管理者と職員との間の不信感というのをうんと強めていくのでしょう。  そういういろいろな問題をひとつ背景にして、私は今度岩手へ二日行ってまいりましたが、たとえば大松の郵便局長は、傷病者の証書をごまかして、金額は一万六千円という金額があがっております。その一万六千円のうち、監察が事実上調べてみたら、何か金を一時しまい忘れておったというような、そういうことで一万円は弁償金にしてしまい、あと六千円だけしか非違事実がない、しかも、その非違事実はきわめて微々たるものだから別に犯罪にはならぬ、こういう状態で局務をとって、おります。監察が事実調べて六千円だけであっても、非違事実は認めているのでず。  それから、それからほど近くの局で加納という局長がおりますが、これは自分の局の敷地の中に建ててあった借家を、おばあさんとそれから二十くらいの女の子ですが、そのおばあさんが入院中で、女の子が病院に見舞いに行っているうちに、その家をこわしてしまっている。去年の暮れです。この冬は板べいを張っておばあさんと娘さんが生活をしている。これも事実上非違事実になって表に出たのだけれども、その出た案件について、検察庁はおばあさんを呼び出し、呼び出しを受けたおばあさんはとても行かれないということで行かなかった、そうしたら、示談にしろと言ってその案件の取り調べを中止してしまったという事件があります。  その隣に暴力団の局長が局長に任命されておる。これはもう町の中で蛇蝎のようにきらわれておる暴力団の親玉であります。  まあ行ってみて私はびっくりするのだけれども、一関から大船渡、釜石を通って盛岡に行くまで二十数件という、そういう非違事実があがっておるわけですね。これはもう実に驚くべき案件です。  さらに、私は、自分のことだからあれですが、逓信委員が来たのだから局長お茶でもどうですかと言ったら、飲みたけりゃ来なきい、こういう調子で、おそらく、あなたのほうがそういう指導をしているのではないと私は思うけれども、そういう事実もあります。  最近、私は福島県の選挙応援に行った。あの海岸線をずっと一局一局歩きましたところが、ある局では、局舎の改築を要求する局員側を、これを締めつけている。私が入っていったら、まああまりいい顔はしませんでしたけれども、私の車を運転していった運転手に、あなたは一体だれだ、運転手だ、あなたは局に関係がない、外に出なさい、こういうかっこうで運転手はいずらくて外へ出ていくという事件が起こっております。  その隣の局は、今度は組合員は全部組合から脱退をして、局長は組合に入らせない。局長は何をやっているかというと、保守党の選挙運動を一生懸命やっておる、そういう事実がある。  その隣の局へ行くと、組合二つに分裂して、そうして局務の中で全然融和がとれておらない。  行くところ行くところ、いま一体、数千局ある特定局の中に問題のない局というのは少ないんじゃありませんか。問題というのはうんとたくさんあるけれども、事実上表に出てきていない、そういうことじゃないですか。  その一例が、岩手県の小川という局長です。これは部会長ですけれども、部会長が、賃金の不払いなどというものは、特定局では犯罪にならぬのだ、こんなものはどこの局でもやっているのだ、こう言っております。  もう一つ、その家をこわした暴力局長は、たとえば近親者等の採用について、それはいかぬじゃないかと、こういう指摘を受けたら、いや、おれが郵政局へ電話をかげる、電話をかけてその局長の言いなりにならなかったのは一つもないと、こういう状況です。  こうなってくると、本省、郵政局と特定局の間、この累積する犯罪、一体、これはどういうふうに郵政局は、本省は始末をしておるのかと実は私どもは疑問に思うわけです。どうですか、こういうふうな事実を並べられて、あなたは、それはたいへんだとお思いになりますか、それとも、そういうものはないと否定なさいますか、どうですか。
  97. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 私、着任したばかりであるので、労使関係の姿というようなことでお話しいたしますと、あるいはお笑いになるかもしれませんが、私といたしまして、およそ正常な労使関係は、相互に相手の立場を認めながら、相互信頼の中で、それぞれの企業の持っておりますところの究極の目的を達成していくところにあるのではないかというように考えておるのでございます。  そこで、そういった見地に立って考えますときに、かつて昭和三十五、六年当時、非常に遅配問題が騒がれましたときのいろいろな原因の中に、やはり基本的な問題といたしまして、あるべき正しい意味労使関係が樹立されておらなかったというところに大きな原因があったようにも思うのでございます。その後、私ども労務管理訓練というような訓練をいたしまして、いま先生は、何か全国的に統一しましたいわば一種の締めつけの方策のようにおっしゃいましたが、決してそういうことではなくて、やはり労働の立場にありますところの組合員の勤務、従業員の勤務条件を十分守るように、また同時に、その職場におきますところの規律と申しますか、服務規律等につきましては、しっかりこれを守らせるように、就業規則で定めたとおりの服務で仕事をしてもらうようにという指導をいたしておるわけでございます。  東京都におきましても、私もかつて東京の郵政局長をいたしておりましたので、十分承知しておりますが、若干そういった意味におきまして、厳密な服務に服さない従業員もおるわけでございまして、いわゆるノーワーク・ノーペイの原則に従いまして、賃金カット等も起こっておるわけでございます。ただ、それが行き過ぎまして感情的な問題になってきて、こちら側からも向こう側からも、すなわち、官側からも組合側からも、お互いの非違をあばき立てるというふうな、おそらく先生の御指摘になったような賃金の不払いというような問題は、私どもは十分指導をいたしておるつもりでございますので、そういったことはないと思います。そういったことのないように、また、勤務条件協約に従って勤務時間を守らせるように指導いたしております。  それこれ考えますときに、私はやはり、岩手方面におきましていろいろな問題があるようにおっしゃいましたが、両者それぞれの言い分をよく聞いてみまして、もちろん、特定局長のほうに改むべき点があれば、十分指導いたしまして改めさせたいし、また、従業員側におきましても、約束いたしました協約、それに従って就業規則どおりの服務をしっかりするように指導してまいりたいと存ずる次第でございます。
  98. 横川正市

    横川正市君 たとえば大松の局長の案件を見ますと、佐々木勘造、東海林敏子、佐々木アイ、佐々木幸子、三十六年から三十八年までの間に、雇用関係のない者に賃金を払ったという、そういう一覧表が事実上認定されて出ております。それから同時に、定額貯金を三十三万円貯金をしたものを、それをおばあさんのやつを横領同様に使っているという事実も指摘をされております。それから傷病年金の書類を改ざんして、金を横領したという事実もあります。ところが、これは事実がちゃんと監察の手でもって部分的にも認められておるのに、局長として勤務しているんですよ。監察局で事実上指摘をされておるのに、しかも、局長は何を言っているかといったら、こんなものは犯罪にならないからおれは処分を受けないよというかっこうで仕事をしておる。  それからもう一つ、加納という、これも言うと、政治家をバックにして、のさばり返っておるわけですよ。自由民主党のある大幹部の名をかりて、そしてトラの威をかりていばっておるわけですよ。加納という局長は、電話をかければ、おれの言うことは全部通らないものはないという考え方で仕事をしている。しかもそれは部会長だ。しかもそれが、いま言った親子の住んでいる家をこわして、そして別に、何の暴力行為にも何にも問われないで平然としているという局長にもなるわけですね。だから、私は、そういう事実はこれから具体的に出しますけれども、あなたの言うように、いま出した特権連の会長の任命ですね、ずさん過ぎるのじゃないかと思うのですよ。  この安西局にしてもですね、案件としては公判にかかっているわけですよ、一件で。しかも、その人間が、いわゆる被害者という形で組合の幹部を起訴しているわけですね。告訴しているわけですよ。そして、その局の中に、それじゃ全然犯罪がなかったかといったら、事実上の調査の中に犯罪があったということをこれは認めているわけですね、この調査で。そういうものがなぜ部会長として任命されるのでしょう。だから、私は、郵政局の中に、少しばかり特定局長というものは悪いことをしても、それは悪いことにならないんだという、そういう一連とした流れというものをこれは許しているのじゃないか、こう思うのですけれども、その点はどうでしょうかね、あなたのほうの考え方としては。
  99. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 具体的な案件につきましては、承知しておりませんので、よく調査してみたいとは思いますが、一般的に申しまして、私の経験から申すのでございますが、やはり上に立つ者はみずからを厳にいたしまして、部下の模範となるような者でなければならないということを、おそらくどこの郵政局長もしっかり指導いたしまして、特権連の役職員の指名には当たっておると思うのでございます。したがって、なお決着のついていませんような問題があって、また、白黒はっきりしないような問題があって、あるいは郵政局におきましてその結果を待っておるというような問題もあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、よく調査をいたしてみたいと思います。
  100. 横川正市

    横川正市君 そこで、まあ、あなたのほらの方針としてそういうものが出ているというから、ここで種子島事件というものをお聞きしたいと思うのでありますけれども、あなたのほうでは「事故犯罪防止委員会規程」あるいは「事故犯罪防止対策要綱」などというようなものを、これを上部からずっと下部まで流しているのですか、こういう内容の。これは、名前は種子島か東京中郵かわかりませんが、こういう事実。具体的なものを流しておりますか。これは監察か人事か、どちらか……。
  101. 北脇信夫

    政府委員(北脇信夫君) いま先生のおっしゃった「事故犯罪防止対策要綱」と申しますものを拝見しませんとわかりませんが、私どもとしましては、あらゆる機会に、事故犯罪防止のためには、管理者のためにぜひこれだけのことは見ろとか、その他、また過去においても数回そうしたものを地方の郵政局長あて、あるいは地方の監察局長あてに出しておりますので、それを受けまして、あるいは地方の郵政局から現場へ、あるいは、それにさらに郵政局の創意を加えましたものを流しているのじゃないか、かように考えます。
  102. 横川正市

    横川正市君 これを見ると、「本委員会は種子島郵便局における事業の正常運行と向上発展を阻む素因となる各種事故および犯罪の防止を目的とする。」、三条「委員会の委員長は局長、副委員長は庶務会計課長とし委員若干名、幹事若干名を以て構成する。」、「委員は各課長および局長において指名した主事および主任とする。」、「幹事は庶務担当主事とする。」、こういう構成で、   〔委員長退席、理事久保等君着席〕 そして、やっているのを見ると、たとえば職員の言動に注意し、事故犯罪の防止につとめるという、そういう方針のもとで何をやっているかとうと、「部下は信頼すべきであるが、過信に陥らないよう注意する。」、事故犯罪発生の原因の、過度の遊興、虚栄、貧困等について個別に調査する。それから「職員の思想言動に注意し、」――これは別にカードがありますけれども、このカードに全部記載をして登録をさせる、こういうカードですね、思想調査ですよ。そのほかここに出されているものは、これは私は、どういうつもりで局長がやったのかわからないけれども、その行状調査の中に何を書かれるかというと、「不良の人物と交っている者はないか。」、「酒色に耽っている者はないか。」、「生計貧困にしてその度を超える者はないか。」、「投機的遊戯に耽溺している者はないか。」、「身分不相応の借財をもっている者はないか。」、「身分不相応の物品を身につけている者はないか。」、「購売店、月賦販売等に浪費する者はないか。」、「秩序を乱す者はないか。」、「職員間にふしだらな交際はないか。」、「同僚間の日常の会話に注意する。」、「その他公私を問わず公務員としてふさわしからぬ風評のある者はないか。」、まあ、ここに書かれていることで見たら、何もこれはできませんよ、局の中で。こういうことがやられている。事実知っているのでしょうか、知らないのでしょうか。
  103. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 私も郵政局長をつい最近までしておりましたときの経験では、頻発しますところの事故犯罪、なかんずく、犯罪の防止のために、省をあげて努力をする必要がある関係から、いま先生があげられましたような「事故犯罪防止対策要綱」のようなものをつくりまして、十分現場の管理者に――自分も当然でございますが、部下職員の犯罪誘発についての防止をするようにという指導をしてまいった経験がございます。したがって、あくまで郵政事業の信用を失墜しないために、事業を犯罪から守るという趣旨から出ておるのでございまして、決して部下の思想動向を調査し、いわば憲法に保障されましたところの基本的人権を侵すというようなことについては、これはやってはならぬということもしっかり付言してございますし、また、事実さようなことを絶対に、いままでもいたしてまいりませんでした。おそらく、よその郵政局でありましてもそうでございましたでしょうし、省といたしましても、さよう考えておる次第でございます。   〔理事久保等君退席、委員長着席〕
  104. 横川正市

    横川正市君 そうすると、いまのこの局長のあれで言うと、こういうあれは全部の管理者に渡っているわけですね、内容は。
  105. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) よその全部の、全国の郵政局におきまして同一の方式でやっておるかどらか、それは存じませんけれども、おそらく、それに類したような、部下の事故犯罪防止につきましての諸施策には知恵をしぼっていると思います。あくまで、そういった意味でやっておるのでございまして、その点御了承願いたいと思います。
  106. 横川正市

    横川正市君 それは行き過ぎじゃないですか、実際上は。たとえば、この「同僚間の日常の会話に注意する。」なんてことは、あなたの言うようにいえば、同僚間の会話で、今晩飲みに行こうというような話をしているかもわからない。しかし、一方において、あなたのほうの労務管理対策というものは、これはどういうかっこうで下部へ流しているのですか。ちょっとしたことでもあなたのほうでは、それはもう厳格な基準規定に従って一つの労務管理が行なわれている。片一方では、二人で会って話している内容でさえ会話をメモしておけというような方針が出される。これが一体、自由な職場での、しかも、人権が認められた立場で、管理者と職員とが対等で仕事をする場所になるわけですか。どうですか、これは。
  107. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) さような意味での、つまり、摘発的な意味での調査は絶対にいたしておりません。なお、そういった犯罪の防止対策と、あるべき勤務の、つまり、服務のさせ方とを混同いたしまして、いわば職権をかさに着ての乱用というようなことは絶対にやっておりません。
  108. 北脇信夫

    政府委員(北脇信夫君) 補足して申し上げますが、郵政局でもそういうような防犯関係の対策要綱その他も出しておりますが、やはりそうした趣旨を受けまして、各普通局あるいは特定局でもやっているところはあろうかと思いますが、防犯委員会、そういったような制度をつくってやっておりまして、私いま考えますのに、先生の読み上げられましたのは、若干これは行き過ぎがあるのじゃないか、本来の趣旨はおそらく――まあ最近は、上司といえども、部下基本的人権というようなものを尊重するあまり、一切私生活にわたることは指導しない。ところが実際は、その犯罪の動向を見ますと、何か犯罪をやっておりますと、私生活が乱れる、あるいは競馬、競輪とかに走るとか、あるいは服装が華美になるとか、こういうことが、部下従業員をして怪しませない、あるいは早く犯罪を小額のうちに発見するという、こうした親心ある指導という意味から、おそらく、そうした部下の言動その他についても平素から注意するというようなことを考えたものと思いますが、いま先生がお読みになったことをちょっと拡張解釈しますと、少し行き過ぎの感もなきにしもあらずという、かような感じを私、受けております。
  109. 横川正市

    横川正市君 行き過ぎの感でなくして、行き過ぎですよ。たとえば、家庭訪問カードというのがありますが、何がここに書いてあるかと言ったら、家庭の状況がいいとか悪いとか書くでしょう。宗教とか、それから朝夕礼拝しているかしていないか、それから本人の家族に対する態度はやさしいとかやさしくないとか、何もないとか、厳格であるとか、いたわるとか、何も言わないとか、こういうことも、局長が家庭訪問をして、奥さんとの間にこういうカードをつくってですよ、こんなものは私は、犯罪の防止対策にはならぬと思うのですがね。実際には行き過ぎだと思わないですか、こういうことをやることはどうですか。これは二人の局長がいるんですが……。
  110. 曾山克巳

    政府委員曾山克巳君) 現実の現場の長がやっておりまするようなことに行き過ぎがあれば、これは私ども十分注意しまして指導いたしたいと思います。
  111. 横川正市

    横川正市君 事実これは、あなたのほうで種子島の郵便局長にどういうことをやっておるのか、送れと言えば内容を送ってきますから、私はまあ、きょうは問題の提起という形で、あなたのほうの検討を待って、再度これはやりたいと思うのですが、先ほどあなたが答弁したようないわゆる局長と職員との関係なんというものは、どの職場に行ってみても、対等だということはないのです。そこで、その対等のものをとろうとして、組合がある程度行動を起こす、その行動でトラブルが起こるということが非常にたくさんあるのです、どの局に行ってみても。私は、そういう何といいますか、組合側で全部局長も課長も牛耳っておるというところはないのですよ。実際上やはり局長は局長、課長は課長を立てている。ところが、その課長が酒に酔っぱらってきて、組合に難くせをつけるとか、あるいは不正事項をやるとか、いろいろな問題が起こるから、そこで組合との間にあつれきが起こる、こういう事実ですよ。  そこで、大臣官房の秘書課が出した六十四号の「郵政トピック」というのがございますけれども、この「郵政トピック」の中に、あなたのほうでは、全逓は今日においても、従業員が局長の家の子守だとか、まき割りなどに使われていると宣伝をしていることは、全く誤りというべきである、こういうことで出しております。私は、これはだいぶ前から機会があればぜひこれはやりたいということでおりましたけれども、事実、機会がなかったから、きょうはひとつ問題として、あなたのほうに提起いたしますけれども、石川県に小木事件というのが起こっておりますですね。これは、組合幹部が局長にいびられていびられて自殺した事件なんです。郵政局その他でも、これは本人が何か神経衰弱で死んだように言っておりますけれども本人の遺言その他から見ますと、これは私どもとしましては全く許しがたい世襲からくる大きな悲劇だと、こういうように判断をいたしております。子守やまき割りどころか、自殺者まで出ておるというこの事実もあるわけですよ。  さらに、この局長会で出している文書をちょっとあなたのほうで御参考までに見ていただきたい。これは九州特定局長会が、全逓の特定局近代化に対する反対闘争のために出した文書であります。これによると、不良局舎として摘発されないように、なるべく写真はとらせないように配慮することこれは不良局舎を写真にとりに行った者と、とらせないようにする局長との間にトラブルが起こって、さわった、たたいたという事件が起こったら、あなたのほうじゃどういうことになりますか。あなたのほうじゃ、すぐ告訴するでしょう、たたいたとかなんとか言って、暴力事件だと言って。しかし、不良局舎ならなぜ不良局舎だとこの局長会は言わないのだ。言わせないように、写真をとらせないように、なぜこういう文書を出したか。そのほか十何項目にわたって書いてあるけれども、これは言ってみると、局長がいまのこの特定局制度というものを温存するために、あらゆる手段方法を講じて各局で行なっておる事情というものを端的に表現したものなんですよ、残念ながら。郵政の特定局の職場というものは近代化しておらないのですよ。しかも、民主化されてもいないのですよ。そういう事実というものがあるのに、のこのことあなたのほうで出した文書からは、全く民主化されて、非違事実が一つもないように書かれるということは、これはあなたのほうで手落ちなのか、それとも、ことざらに隠蔽しているのか。まあ、こういう事実を私は、きょうは時間がありませんから、ただ羅列をいたしましたが、なお、これを一つ一つ次の機会に、あなたのほうに実際上やっていきたいと思っておりますが、少なくとも、この地方の監察局や人事部で、実際上非違事実として、こまかなものでも一回あげてもらって、そして、そのあげたもので徹底的に検討してもらいたいと思うのです。私は、前任の局長なんかの中で、きわめていかがわしい問題なんかも承知しておりますけれども、個人的なあれにも関係しますから、それは言いません。言わないけれども、少なくとも、まあ、いわば郵政局長あるいは監察局長として地方に出られる人たちの、そういう問題等にまで、いかがわしいうわさが立つようなことについては、これは厳重に注意してもらわなければいかぬと思うのです。同時に、その人たちがボスに利用される、これは絶対にやめてもらいたい。  それから監察局の下部が特定局長の供応を受けることは、絶対これはやめてもらわなければいかぬと思う。今度の場合も、行ってみると、先日はたいへんごちそうになりましてと、お礼を言っている監察官がいるということがあって、事実を調べてもらったら、ビールを持ってきたとか、どこどこの食堂へ行き、ましたということが出ておりました。ある程度やるのはしかたがないとしても、そんなことは決してよくないと思うのですよ。こういう事実について、ぜひひとつ十分な調査をして、私は少なくとも、郵政の職場に、いわば近代的な労使関係というものをつくってもらわなければいかぬと思うのですよ。同時に、それをはばんでいる、非常に労務管理以前のような、そういうばかげたことが平然と行なわれておるという事実については、これは直してもらわなければいかぬと思う。  それから大船渡のように、五十人名の局に延べ二百人の郵政局の人が行って、それで各局のいわゆる遅配や何かが解消されたかといったら、解消されておらない。こういう事件というものを見たときに、どこか間違っておると思うのですね。どこかがまあ、いわば正常を欠いて、どこかが間違った方針というものを出しておるから、こういうことが末端に幾つも起こってくると思うのですよ。  まあ審議あとですから、以上のような点を指摘をして、まあ安西事件とか、大松事件とか、大船渡事件というものは、これは十分調べていただきたい。  仙台の郵政局長には、私は、これは委員会の正式の資料要求じゃありませんでしたけれども、いまあらためて、仙台郵政局が大船渡、釜石、それから盛岡に、去年の暮れからことしの四月の二十日前後までに、どれだけの人間が出張しているか、ひとつその名簿と出張日数、だれが行ったかということを資料で出していただきたいと思う。  それから、まあこれは、それだけたくさん行った者が昼めしを食ったりなんかしたら、その昼めし代を局長や課長の自腹で払わせるようなむごいことはさせないように、あなたのほうから注意しておいていただきたいと思うんです。局長や課長が一人頭三千円も四千円も自腹を切って郵政局から来た者の弁当代を出しているなんていうのは、悲劇ですよ、これは実際に。そういう点を十分ひとつ調査をして、次のときに明らかに答弁のできるようにしていただきたいと思うんです。念のために私は言っておきますが、最近、岩手地区は労働運動としてはね上がっているからこういう点が起こるんだなどという、そういう抗弁は、私は絶対受け付けません、事実を私は見てきているんですから。事実は事実として明らかにしていただきたいと思う。  それからもう一つ監察局長に、これは実際に調べて報告していただきたいのは、大船渡の期間中の郵便取り扱いについての、私は郵便法違反あるいは公職選挙法違反に該当する案件だと思いますが、それを調べていただきたいと思う。その内容は、当時四・一七のストを前にしての超勤拒否の態勢にあったという状態ですから、非常勤を入れて郵便をさばいたということは、これは日常とられることなので非違だとは思わない。たまたま大船渡は市会議員の選挙があって、その市会議員の選挙用はがきの取り扱いについて問題が起こっているんです。その問題はどういうことかというと、行政連絡員という非常勤発令をやったということが一つ、それから前送集配所四十カ所以上、これを発令したということが一つ、そして、そこでどういうふうに取り扱ったかというと、郵便物を窓口で受け付けると、それを局長室に持っていって町内区分をしたまま前送取り扱い所へ持ち込んで、そして行政連絡員が任命されたものの、いわゆる勢力範囲内の主婦であるとか学生であるとか、あるいは商人であるとか、こういったものに、手づかみで郵便を配達させたという、こういう内容です。まあ局長に非違事実はないかと言ったら、私には非違事実はありませんと言って否定しておりましたが、これはたまたま地元の世論と新聞社が取り上げて大問題になって、その案件になったものなんです。これは全逓の闘争で取り上げた問題じゃないのです。ところが、それを監察局とか、あるいは郵政局、あるいは現地の局長はどういうふうに処理しているかというと、全然非違事実がないと言って始末をしているようです。私は明らかに、これは郵便取り扱いと、それから公職選挙法に該当すると、こういうふうに思います。ことに、行政連絡員として発令された者のうちに、判明した者の中で八名は、特定候補者の推薦人になって行動している。ある事実は、郵便の腕章をし、片方に選挙の運動員の腕章をして、夜中に郵便物を配ったという事実があります。それから取り扱い郵便物を束にして、わからないからといってポストに投げ込んだという、そういう事実もある。行政連絡員や非常勤として発令を受けないで郵便を配った者が、これは少なく見積もって五、六十名、多ければ百名以上あるという事実、ここまで非常措置をとって、そうして選挙郵便物を配送したという、これはあなたのほうでほめるのかもわかりませんけれども、私は、これはやり方としては行き過ぎじゃないかと思うのです。同時に、非違事実についてあるかないかを、事実を私も聞きましたが、全然認めておりません。反省するところは一つもないのです。こまかに私も調査しておりますが、あなたのほうの調査を待って、これはまたひとつこの委員会で論議をしたいと思う。これは実際上、郵便取り扱いとしては行き過ぎだと思うのですよ、やり方が。しかも、いま言ったように、郵政局から行った者が、一万数千円になる昼めし代を払わないで、局長や課長が自腹を切って払おうかといって鳩首協議しておるなんということを仄聞すると、全くあなたのほうの指導というものについて疑問を持ちます。  以上のような点が問題点としてありますので、調査と、資料を出していただくように要求をいたしまして、きょうは……。
  112. 占部秀男

    委員長占部秀男君) それでは、本件については、本日はこの程度にいたします。  これにて散会いたします。    午後三時四十六分散会    ――――・――――