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1964-05-26 第46回国会 参議院 逓信委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月二十六日(火曜日)    午前十時四十三分開会    ———————————  出席者は左のとおり。    理事            鈴木 恭一君            寺尾  豊君            松平 勇雄君            野上  元君    委員            郡  祐一君            白井  勇君            最上 英子君            谷村 貞治君            安井  謙君            永岡 光治君            横川 正市君            白木義一郎君            須藤 五郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 古池 信三君   政府委員    郵政政務次官  金丸  信君    郵政大臣官房長 武田  功君    電気通信監理官 畠山 一郎君    電気通信監理官 野口 謙也君    郵政省電波監理    局長      宮川 岸雄君   事務局側    常任委員会専門    員       倉沢 岩雄君   説明員    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君    日本電信電話公    社総務理事   金光  昭君    日本電信電話公    社営業局長   千代  健君    ———————————   本日の会議に付した案件 ○電波法の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○日本電信電話公社法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)    ———————————   〔理事野上元委員長席に着く〕
  2. 野上元

    理事野上元君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  本日、委員長所用のため欠席されましたので、私が委員長委託を受けて、委員長の職務を代行いたします。  電波法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑は、前回すでに終局いたしております。  これより直ちに討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。(「なし」と呼ぶ者あり)  別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 野上元

    理事野上元君) 異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  電波法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  4. 野上元

    理事野上元君) 多数と認めます。よって、本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 野上元

    理事野上元君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。    ———————————
  6. 野上元

    理事野上元君) 次に、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(閣法第六七号)を議題といたします。  本案は、去る四月十六日、本付託となっております。  政府から提案理由説明を聴取いたします。古池郵政大臣
  7. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) ただいま議題になりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。  日本電信電話公社の行なう公衆電気通信業務の一部につきましては、その内容等において必要があるときは、公衆電気通信法規定に従い他に委託して行なうことがあります。この公社委託を受けて行なう公衆電気通信業務は、公社の行なう公衆電気通信業務と一体となって運営されなければならないものであり、また、その公益性を確保するため、その経営がいたずらに投機の対象となることなく安定して行なわれる必要があるのであります。公社の行なう公衆電気通信業務運営と特に密接に関連する事業につきましても同様のことが言えるのであります。  このような理由により、公社がこれらの事業投資することにより、よりよき公社業務運営に資することが肝要と考え日本電信電話公社法に新たに一条を追加し、公社がこれらの事業投資できる道を開こうとするものであります。  法案のおもな内容を申し上げますと、公社は、公社委託を受けて公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業及び公社公衆電気通信業務運営に特に密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする事業投資することができるようにしようとするものであります。  なお、この事業範囲は、政令で定めることになっております。  また、実際に投資するにあたっては、予算で定めるところに従い、かつ、郵政大臣認可を受けることになっております。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  8. 野上元

    理事野上元君) 以上で提案理由説明は終わりました。  本案に対する質疑を行ないます。質疑のある方は、順次、御発言を願います。
  9. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 ただいま提案になっております日本電信電話公社法の一部を改正する法律案は、提案理由ですべて尽きておるように私は感じます。もっともの改正と存ずるのでありまするが、簡単に一、二質問を申し上げたいと思います。  お話にありましたとおり、今日、電電公社といたしましては、郵政大臣認可を得て、公衆電気通信業務の一部を他に委託することができるのでございますが、投資の問題については、非常に幅が狭められておりまして、国際電信電話株式会社の株を保有することができるということにとどまっておるのであります。今回、それを拡張されようとするのでありますが、これに対しましては、いろいろ、公社法の第一条をもって見ましても、また、電波法の第四条を見ましても、国内公衆通信はすべてこれを電電公社において行なうのだというような意味からして、こういう投資範囲を拡大するということは一元的運営を阻害するのではないかというような意見もあるようでございます。そこで、私は、むしろ、こういうことをすることによって一元的運営ということがいよいよ強化されるのだというふうにも考えられるのでありますが、この点に対する根本的な考え方に対して、この際、大臣の御意見を伺いたいと思います。
  10. 古池信三

    国務大臣(古池信三君) 御指摘のように、わが国の公衆電気通信につきましては、国内に関する限り、日本電信電話公社が一本になってそれを実行するたてまえになっておるわけでございます。しかしながら、特に事情がありまして、特別例外の場合には、やはり他に委託することもあり得るのでございまして、しかし、あくまでもこれは例外の場合に限るわけであります。したがって、かような場合に、他にその業務の一部を委託しましたとしても、全体の制度の精神、趣旨というものをそこなうわけではございません。あくまでも公社中心になり、これが一本になって国内公衆電気通信を実行していく、そのたてまえは変更しないものと考えております。
  11. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 まさに私もそうであろうと思うのでございますが、今日までずっと、この投資というようなことに対して法は消極的であったのであります。今回踏み切られたわけでございますが、これは、国鉄とか専売公社にも同じような規定があるわけでございますが、今日までそういうような状態であったのは、どういうわけでそれが消極的であったわけでございますか。
  12. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 国鉄及び専売には、御指摘のとおり、従前から投資に関する規定がございますが、専売につきましては、現実投資した例はございません。国鉄につきましては、相当額投資現実に行なわれております。電電公社につきましては、国際電電に対する投資以外には、さしあたり現実の必要がございませんでしたので、そのまま法律上は措置をしなかったわけでございますが、このたび、いままで公社の手が及びませんでした海上無線電話につきまして急速に拡充する必要が起こりまして、それに対応する業務を行なっております日本船舶通信株式会社に対して投資をする必要が起こりましたので、このような投資条項の新設につきまして御審議をお願いいたしたわけでございます。
  13. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 いや、私が言っているのは、その点もわかっておるのでありますが、そういう点について必要ないのだというようなお考えが従来あったのか。いろいろ、見れば、こういうふうな仕事投資できると、こう言われておるのでありますが、こういうふうな仕事というものは従来もあったわけでございますね。ところが、これまでそういうことをしなかったということについてお尋ねしているのです。
  14. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 従前、お説のとおり、公社委託を受けて公衆電気通信業務を行なっておりますような事業、あるいは公社業務に密接な関連のあります事業はございましたけれども現実投資する必要が起こらなかったということではないかと思います。
  15. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 おそらく、委託はできるのだけれども現実投資してまでやる必要はないのだ、しかし、今日そういう状況が参った、こう了解いたします。  そこで、この投資条項がきまるわけですけれども、ただいま大臣が言われましたように、乱に流れてはいけない、いろいろ制約をしていかなければならないのだというようなことで、私もそうだろうと思うのでありますが、これにはどういう配慮をなされておりますか。
  16. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) この法律案規定におきまして、乱に流れないようにいろいろの制約規定を置いております。もちろん公社法の中でございますので、公社法の第一条の目的を達成するために必要であるということが根本の考え方になると思いますが、手続的なものといたしましては、事業範囲政令で定めるということ、それから予算で御審議をお願いして、次に郵政大臣認可を必要とする、そういうふうに三つ制約条項を置いておりまして、乱に流れないように措置をいたしております。
  17. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 そこで、やはり制約はいま三つだということもよくわかるのでありますが、しかも、事業範囲そのものについても、私はやはりいろいろの制約を持っているんだろうと思うのであります。そこで、この「公社委託を受けて公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業」の「主たる」ということばも非常にあいまいでありますけれども、これはどういう仕事をお考えになっておりますか。
  18. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 「主たる」ということば意味の御質問でございましょうか。
  19. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 と同時に、これはどういうことを想定されているか。その次の密接な業務も聞きたいと思っておりますが。
  20. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 投資対象事業といたしましては、「公社委託を受けて公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業」、こういうのと、もう一つは、「公社公衆電気通信業務運営に特に密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする事業」、二種類に分けておりますが、具体的にはどういうことかと申しますと、現実計画にのぼっておりますのは、前段の公社委託を受けて公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする日本船舶通信株式会社のみでございます。考えられるものといたしましては、いろいろあろうかと思います。単に考えられるものということで、具体的に計画にのぼっているわけではございませんが、たとえば現在実験中でございますベルボーイサービスとか、あるいは無線による自動車公衆電話でございますが、そういったものとか、あるいは電話番号簿会社とか、そういったものが考えられるわけでございます。
  21. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 ただいまの三つあげられましたが、そういうものが考えられるというだけで、いままだ、これに投資するというふうな具体的なお考えはないわけでございますか。
  22. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) いまのところ、具体的な計画はございません。
  23. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 ベルボーイというのはどういう意味ですか。
  24. 金光昭

    説明員金光昭君) 簡単に御説明申し上げます。  ベルボーイと申しますのは、大都市等無線基地局をつくりまして、そこから一定の電波を出すわけでございます。そういたしますと、たとえば町を歩いている人、あるいはビルの中にいる人でも差しつかえございませんが、簡単な受信機を、ポケットに入るくらいのものをいま考えております。一名、ポケットベルボーイと申しますが、こういうポケットの中へ無線受信機を入れております。それが特定の番号と申しますか、周波数の呼び出しの選択装置を持っておりまして、基地局から送られます電波をキャッチいたしまして、ブザーが鳴る。そのブザーが鳴りますと、自分が呼ばれているということがわかるわけでございますから、自分の事務所なり、あるいは自宅に、もよりの電話から電話かけて、何か用があるのかということを尋ねるということで、外出中でも緊急の用務等の場合に、本人を呼び出すことができるということで、アメリカ等の都市でも現在一部実行しております。それを日本でも将来やったらどうかということで、現に電波の伝搬の試験をいま郵政省の御認可をいただいて実施いたしております。
  25. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 そうすると、そういうふうなことはただ考えられるということで、具体的にベルボーイとか、あるいは自動車無線とか、あるいは電話番号簿とか、そういうものをいま投資対象として考えておるというわけでございますね。
  26. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 御質問のとおりでございまして、いま具体的に考えておりますのは、船舶通信会社だけでございます。
  27. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 船舶通信会社のことについては、私も承知してないわけではないのでありますが、先般七千万円の予算が成立しておるわけでございます。その七千万円を投資なさるために、今度の改正を必要とする、そう解釈してよろしいわけでございますね。
  28. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 具体的なものとしては、そのとおりでございますが、国鉄にも専売にも、やはり一般的に投資できる条項がございますので、それにならいまして、公衆電気通信業務の一部を委託を受けて行なっている事業とか、あるいは公社公衆電気通信事務と特に密接な関連のある事業を行なっております事業とか、そういったものに対して一般的に投資できるような規定を設けようとするわけでございます。
  29. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 この七千万円は、今度、日本船舶通信会社が一億円の資本を倍額増資するということで、そのうちの七千万円を電電公社が負担しようというように私、聞いておるのでありますが、一億円の増資に対して七千万円というのは相当、パーセンテージとしては多いのじゃないか。船舶会社株主でありましょうし、港湾管理者株主でありますが、この際、七割を負担しようということは、どういう関係にあるわけですか。
  30. 金光昭

    説明員金光昭君) お答え申し上げます。  現在の日本船舶通信株式会社株主は、いま先生のお話のように、地方公共団体あるいは船舶会社、その他関係の卒業をやっておりますような会社株主になっておりますが、主としてこの船舶会社でございますが、現在、御承知のように、日本船舶業界というものは非常に不況の状況にございますので、なかなか追加の出資という面につきましても、いろいろな問題があるということが第一点と、それから今後、新たに沿岸船舶サービスを拡張し、日本沿岸全体をカバーするように計画しておりますが、それによって恩恵を受けます船会社は、主として小型船舶業者でございます。現在の株主に比べますと、さらに零細な業者が多いわけでございます。そういうところに新規に株を引き受けてもらうということもなかなか困難でございますので、今回は、倍額増資の一億のうちの七割を公社で引き受ける。その他の三割につきましては、既存の株主あるいは新規サービスを受けます中小の船舶業者等に引き受けてもらうということにいたした次第でございます。
  31. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 従来は港湾サービスであるとか、港湾無線仕事であるとか、あるいは岸壁電話だとかいうことですが、今日でも、沿岸無線電話でございますか、そういうものはおやりになっておるのでありましょうが、最近、電電公社としては、沿岸無線電話サービスを画期的に行なうというようなことも聞いておるのですが、この建設計画というものはどんなふうな状況でございますか。
  32. 千代健

    説明員千代健君) 現在、船舶とおかとの電話サービスをいたしておりますのは、御案内のように、横浜、東京、清水、四日市、それから堺、大阪、神戸、瀬戸内一帯、それと洞海湾、長崎−五島間、この海域に限られております。それが、昭和三十八年から三年計画日本の全海域にこのサービスを拡充しよう、したがいまして、その三年間に、第一年度に十五局の陸上基地を整備いたしまして、引き続き今年度十五局の基地を整備いたします。来年度は残りの九局を整備すると、こういった方法で、まず現在ありますところのものを中心として、太平洋沿岸から九州の西沿岸、ここいら、主として船の一番ひんぱんに往復します海域をまず初年度にやる。それから、おいおいとそういった以外の残る海域をこの三カ年間にやると、こういうことで準備を進めております。
  33. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 三年計画でどのくらいの局になりますか、海岸局が。
  34. 千代健

    説明員千代健君) 現在のところ、三十九陸上基地でやる予定でおります。場合によっては、もう一、二局追加しなければその海域をおおえない問題が起こるかと思いますけれども、現在の電波の到達その他のテストで具体的にやりましたところははっきりしておりますが、それ以外は、私どものほうの全国にばらまかれておりますマイクロウエーブの基地とか、あるいは海岸局基地と、こういったところを想定して、図上においていろいろな計算をしておりますので、現実の場合に、それをテストした場合に、万一そういったところに欠ける点がありますと、それを充足する意味で一局とか二局ふえることがあるかもしれませんが、現在のところ、三十九基地でやる、こういうぐあいに考えております。
  35. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 予算の額はどのくらいになりますか。
  36. 千代健

    説明員千代健君) 三十八年度は三億九千二百万円でございます。それから、三十九年度が四億五千九百万円、四十年度が二億五千万円、トータル十一億百万円と、こういう予算でございます。
  37. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 そうしますと、三年計画で約十一億のお金を使って三十九局も海岸局をつくられるわけでございますが、そうすると、この船舶通信会社は、倍額増資して、七千万円投資してやれば、この全海域にそういうサービスができたときでも、いわゆる機器の整備というようなものはできるわけでございますか。またさらに、将来これを整備するために増資しなければならないというふうな事態も起こり得るのではないかと思うのですが、いかがでございますか。
  38. 千代健

    説明員千代健君) いま考えておられる会社倍額増資、それでこの全海域がやれるかどうかという御質問でございますが、来年度、非常に外部からの御援助等があって、わりあいに融資というものが期待できるような事態が来れば別でございますけれども、現状をもっていたしますと、この一億の倍額増資をもって、来年度あるいは再来年度においてさらに増資をしなければならない、こういう予想になっております。
  39. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 それで、この十一億のお金を使われるわけでございまするが、それに対する人件費等も、相当維持費もかかると思うのですが、実際の利用する船舶というものは、どのくらいをお見込みになっておりますか。
  40. 千代健

    説明員千代健君) 現在、私ども専門の方にお願いしてこれの発達調査等いろいろやってみました。それから関係の運輸省、その他御案内の造船の拡充計画、こういったものも全部参考にいたしまして、ただいま私ども考えておりますのは、およそ十年後に三千隻になるのじゃなかろうか、ただ、この問題は、非常に現在は少ないものですから、ほんとうにそうなるのかという念を押される場合は、従来いろいろあるわけでございまするけれども、私どもの予測が、従来、事、電話に関しましては、いずれの場合も低きに失しておるというような点がありました。従来の考え方と同じような場合でございますので、大体十年後に三千隻になるといいましても、あるいは、それ以上になるといたしましても、大体三千隻は固いところだと、こういった考え方で、いま、ものごとを進めておるところでございます。
  41. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 電電公社は広く国民に、ここにもありますとおり、公益性の確保という、国民公衆通信サービスを提供するわけでございまするから、これがペイするかしないかというようなことはまず問題の外に考えなければならない。ことに、これは私個人の意見でございますけれども、今日は、電電公社としましては、海上通信サービスに対して少し粗略に扱ってこられたのではないか、もちろん、それには超短波開発発展というものが基礎になるわけでございますが、陸上における電話利用通信利用というものと、海上における、ことに沿岸における通信利用というものは、全く同じ、しかも、海上におきましては、御案内のように、保安通信というものも必要である、人命の安全というものも考えなければならないというようなものが、やや等閑に付せられたというふうなきらいがあって、今日、二メガサイクルのいわゆる集団方式と申しまするか、漁業無線のような形で、相当の船が自分海岸局を持って、自分たち通信利用しておる。しかも、その組合員はほかのほうの組合にも加入して、海岸局も十二あるというふうなことを聞いておりますが、これこそ、私は、いわゆる通信の一元化を阻害するということも考えられる。専用線というものにも限度があるのだろう。今日、沿岸無線電話というものを、ペイする、しないにかかわらず、公社がこれのサービスに踏み切られたということは、私は喜ばしいと思うのでありますが、いまの専用無線等につきましては、どういうふうに郵政省としてはお考えになっているのでしょうか。電波監理局長にお伺いいたします。
  42. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 漁業無線以外の、沿岸を航行しております船につきましては、従来、電信電話公社公衆通信設備がございませんでしたので、そういう沿岸を航行いたします船の通信といたしましても、相当需要があったのでございますが、それに対しまして、公衆電気通信設備が整備いたしますまでの間におきまして、組合を認めまして、それによりまして、二メガサイクル帯によりましての通信ということを現在までに認めてきておったわけでございます。ただ、何分にも、二メガサイクル帯は波が非常に少ないものでございますので、現在、これ以上に船舶数をふやすということはなかなか容易でないのでございまして、もちろん、波をふやすというようなことは至難のわざであるわけでございます。そういうわけで、百五十メガサイクル帯という超短波を、今後大いにこれを開発していくべきものと考えまして、このたびの公社沿岸無線電話といたしましては、この百五十メガサイクル帯を考えているわけでございます。もちろん、この百五十メガサイクル帯の波は、必要なだけは用意する所存でございますが、これが実際に建設が終わりまして通信が開始されました場合におきましては、やはり二メガサイクル帯と百五十メガサイクル帯とは、おのずから一長一短もございます。そういうようなところで、おのずからその使用のしかた等は違ってまいると思うのでございますが、そこら辺の実態を見ながら、現在の二メガサイクル帯によりますものは、その実情を勘案しながら、できれば漸次沿岸無線電話のほうへ吸収をしていくように指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
  43. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 最後に一つ海上陸上と違いまして、人命安全の問題があるわけですが、人命安全の保安通信というものは、この場合、どういうふうにお取り扱いになるのか。公衆通信と一緒に取り扱われるものですか。それとも、保安通信というものは、船のこの機械と別に備えつけられるわけですか。
  44. 千代健

    説明員千代健君) 私どものほうで用意いたしますものは、一般に海上保安関係で、船舶安全法に基づきます強制船舶、あるいはその他一切の船を網羅して考えております。現在の機器ではそういうことができませんけれども、最近開発した機械には、一般の通信のほかに、わずかなアタッチメントをつけることによって、保安庁からの指令とか、そういう保安上の通信ができるような準備をいたしました。その利用者である船のほうからお求めがあれば、それをつけて保安上の用も達し得る。もちろん、保安上の、陸上のほうは、海上保安庁が御担当になりますが、それも本年度いろいろ陸上機器の準備をする予算も成立したように聞いております。さしあたっては、あるいは大阪、神戸、東京、横浜、こういうようなところでございますけれども、そういう保安専用線関係のことも、保安庁と打ち合わせておりまして、もしそれが実現しますと、私のほうの機器で、わずかなものを取りつけることによって、保安通信もできる。ただ、これは、先ほどちょっと触れましたけれども通信設備を強制的に船につけよというものが法律できまっておりますけれども、それのあるなしにかかわらず、私どもは全般的にどれでもつけられると、こういう考え方に立っております。
  45. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 非常にこまかい話をして相すみませんけれども、いま一つ。まあ陸上の場合には、簡単に電話機の取りつけということが考えられるんですが、これは私お聞きしたいんですが、海上では——岸壁電話などは、これは電話機がいく、臨時加入電話。ところが、船にこの無線機を取りつけるというのは、やっぱり無線局の開設ということになるんですか。その無線局と電電公社とが話をするということになるのか、あるいは、そうじゃなくって、もうその無線機——無線電話の機器というものがすでに、電電公社の移動無線局といいますか、そういうもので認められておるものでそれを利用すると、こういうことになるんですか。と同時に、いま一つ、これはこまかいんですが、自営でやる船もあるでしょう、この公社のものを借りてないで、自分で備えつけてやる場合があるでしょう。これは一つ船舶局ができるわけですね、そこにも。それとこれとは、どういう法律関係になるのか。まあ法律関係ですから、研究すればわかるんでしょうが、質問しておきます。
  46. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) この公衆電気通信は、日本電信電話公社がこれを行ないますことに相なっております。公衆電気通信に関します限り、ただいまの電波の問題につきましては、日本電信電話公社がこれは免許人になるわけでございます。われわれといたしましても、公衆電気通信優先の立場において電波の配分等を考えてまいりたいと、こう考えておりますが、この免許人が実際の機器をどういう形でこれを所有するか、あるいは、これを人から借りるか、こういう点につきましては、公社のほうから御説明があると思います。
  47. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 自営の場合は。
  48. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 現在行なわれておりますような公衆通信組合をつくりましてのものは、これはいままでの二メガサイクル帯の方針によって免許を、もし波がありますならばこれをやってまいりますけれども、ただいまの御質問の自営につきましては、原則といたしましては、やはりそういう公衆通信は、電信電話公社に認めるようにいたしたい、そういうふうに考えております。
  49. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 そうなんですか。私はちょっとそうでないようにも思うのだが。
  50. 千代健

    説明員千代健君) いま電波監理局長から、一つの原則をお話しになりましたが、現在の機器でやっております実情は、自営のものがたった一つございます。この分の将来の取り扱いは、電波監理局とも御相談申し上げておりまして、あるいは、いまの監理局長のようなお話になるかとも思いますが、まだ決定いたしておりませんけれども、現在、船舶通信会社でやっておりますのは、公社自体が免許を受けまして、公社の移動無線局、こういう解釈でございます。  それから長崎——五島列島間では、あれは九州商船と申しますか、この会社が免許を受けて自営の機器をお持ちになって、私どものほうと接続契約をいたしましてやっております。  なお、御質問にない点でございますけれども、それは客船でございますので、一般の乗客からも使い得るように、やはり公衆電気通信契約もあわせて私どものほうが行なって、乗客の御便宜をはかる、こういうかっこうになっております。
  51. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 そうすると、将来、この船舶無線の施設を借りないで、私は、自営にしていく船が多くなるのじゃないかとも想像される。そうした場合には、要するに、接続契約と、それから公衆通信契約ですか、そういうものを結ぶわけですか。
  52. 千代健

    説明員千代健君) 先生のおっしゃるとおり、接続契約と、さらに客船のような、多くの人が利用するというような場合には、公衆電気通信契約というものを結ぶ、こういうわけでございます。
  53. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 わかりました。私の質問は終わります。
  54. 野上元

    理事野上元君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にし、これにて散会いたします。    午前十一時二十六分散会    ————・————