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1964-05-14 第46回国会 参議院 逓信委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月十四日(木曜日)    午後一時四十二分開会    ———————————  出席者は左のとおり。    委員長     光村 甚助君    理事            鈴木 恭一君            寺尾  豊君            野上  元君    委員            植竹 春彦君            郡  祐一君            白井  勇君            野田 俊作君            最上 英子君            久保  等君            横川 正市君            白木義一郎君            須藤 五郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 古池 信三君   政府委員    運輸省船員局長 亀山 信郎君    郵政大臣官房長 武田  功君    郵政省電波監理    局長      宮川 岸雄君   事務局側    常任委員会専門    員       倉沢 岩雄君   説明員    運輸省船舶局検    査制度課長   佐藤美津雄君    海上保安庁警備救    難部長     猪口 猛夫君    郵政省電波監理    局無線通信部長 藤木  栄君    日本電信電話    公社営業局長  千代  健君    日本電信電話    公社運用局長  水谷 七代君    ———————————   本日の会議に付した案件 ○電波法の一部を改正する法律案  (内閣提出)    ———————————
  2. 光村甚助

    委員長光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案の審査を進めます。  質疑のある方は、順次、御発言願います。
  3. 横川正市

    横川正市君 安全条約の効力の発効に伴って電波法改正が必要になった、そういう筋合いですが、さき電波法改正のときの審議を調べてみますと、大体六〇年から発効する安全条約、これに基づいて省側答弁というのは非常に明確に関連をさせて答弁されているわけでありますけれども、私は、人命安全条約の問題を中心とした改正法案というのは、これは船舶局無線設備設置場所その他を強化するということよりか、国際遭難の周波数の聴守義務の問題が重点になって改正されたものというふうに考えるわけであります。  今回、この改正案を見ると、まず第一に非常に疑問に思うことは、前回電波法改正当時の当局からの説明に当時社会党側から質疑を行ないました問題等について答弁をした、そういう態度から見ると、この改正法案というのは、本来必要がなかったのではないかと思われる点があるわけなんでありますけれども郵政当局として、船舶局管理基本方針といいますか、これについてどういうふうにお考えになっておられるのか、法案提出された趣旨説明は終わっておりますけれども、まずその点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  4. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 船舶安全法によりまして、船舶の種類によって義務船舶局というものが定められまして、無線電信設備をしなければならないということが定められました場合におきまして電波関係の所管をしております郵政省といたしましては、この目的を達成するように必要な電波を用意いたしまして、また、それに伴います無線設備、また無線通信士の資格あるいは運用時間、聴守の時間というようなものを定める、こういうことによって船舶局無線関係運用を十分にいたしまして、海上における公衆通信と、それからまた、海上における人命の安全ということを確保するように努力いたしておる次第でございます。
  5. 横川正市

    横川正市君 それは電波法の、さき改正要点として出されたものは、社会党側としては、この六〇年から発効される安全条約に基づいて、当時の機器性能等から勘案してみた場合に、改正案というのは、これは条約と照らしてみると、条約に逆行するような結果が出てくるのではないかという、そういうたてまえから、社会党側では反対をしておったわけですね。それに対してあなたのほうは、われわれの心配する点についてはこれは全然ありませんと、こういうありませんという中には、一九六〇年から発効する安全条約というものも含めて答弁をされておったと思うのであります。  その新改正法案が昨年の八月から実施をされておったわけでありますが、当時すでに六〇年安全条約には署名をしておったという、そういう実情から推してみても、これは社会党立場改正をすることに反対であった立場であり、あなたのほうでは改正しても安全を確保することができるといという立場であったわけですから、そういう立場から勘案してみますと、今度の場合のように六〇年の安全条約発効を見たので、安全のために改正しなければならないという言い方は、私どもとしては、ちょっと受け取りがたいわけなんです。  ことに、先般あなたのほうから出された文書を見ますと、ちょっとこれ、当時の説明では、たとえばオート・アラームについては、すでに外国との商品価値においても遜色がない、また、まさった点がある。そういう状態にあると言いながら、三十八年の十二月四日にあなたのほうから出した「無線設備規則」及び「無線機器型式検定規則」の一部改正というようなものが出されて、その後、法案が通ってしまってから出されているということは、どうしても私どもとしては、さき国会審議のときの私どもへの答弁に間違いがあるのではないかと、そういうふうに思うわけなんでありますけれども、その点、監理局としてはどうお考えになっておるわけですか。  まず第一は、郵政省立場というのは、電波法改正について大体態度が二転、三転をしたことを私ども承知をいたしております。さき濱田局長のときには、電波法改正について強い反対意向を持っておりました。その反対意向というのは、人にかわる計器のその能力といいますか、それが安全を保障しない、これが非常に大きな問題だったと思うのであります。その後、計器の持っております性能が人にかわって十分であるという答弁がなされて、さき国会電波法が通過いたしたわけであります。ところが、その通過後に、計器についての検定その他の規格といいますか、について、あなたのほうで改正のための文書通達を出すというようなことは、さき国会電波法審議した立場からすると、いささか当委員会は変なかっこうになるのではないか。ですから、その間の経緯と、電波監理局としては、船舶局管理基本方針というのを一体どういうふうに考えておられるのか、その点が明確でない。すなわち、計器にたよることは非常に危険だけれども、周囲の情勢から電波法改正をしたと、それに加えて、一九六〇年の人命安全条約発効をし、その中にさらに厳格に規制すべき事項があったので、それを機会に、法案改正、さらにまた、機器の厳格な規定、こういったものを行なったというふうに、概略受け取れるわけでありますけれども、それでは、電波監理局としてどうも心もとないのではないかというふうに私は思うのでありますが、そういう点から船舶局、この管理基本方針というものは一体どういうふうにお立てになっておるのか、それを実は第一問としてお聞きしたわけなんであります。
  6. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 今回の改正によりますものは、その中に聴守義務の強化ということはもちろんあるわけでございますけれども、これは昨年の電波法改正の対象といたしましたものと違うものでございまして、この間に考え方の相違があるのではございません。  それから、ただいま御質問の点のオート・アラームの問題でございますが、確かに、先生の御指摘のように、数年前までは、オート・アラームというものの操作方法なり機器性能等が必ずしも十分でなかったということはあったかと思いまするけれども、その後におきまして、その性能が相当に向上してきたというようなこと、それから郵政省といたしましても、それに対する実験等も行ないまして、十分なる自信を持って、そうしてオート・アラームによる聴守によりまして航行の安全がはかられる、それから同時に、船舶通信士の業務の軽減に役に立つということによって、昨年の電波法改正に踏み切ったわけでございます。そのときに経過規定がございますが、その間におきまして、オート・アラームというものに対しまして、従来のオート・アラームは、もちろんそのままそれを信用するものでございまするけれども、なお今後、オート・アラームの使い方というものは多くなるであろうということを考えまして、それに対しましてのその性能をより上げるということを考えまして、設備規則検定規則等を整備いたしました。より十全を期したような次第でございます。
  7. 横川正市

    横川正市君 これは、さき国会電波法の通過したやつの蒸し返しをするわけではありませんが、あなたのほうでは、日本製品は種々の点において遜色なく、受信選択度はむしろすぐれている、こういうふうに、さき国会では、締めくくりとして説明をしておるわけです。しかし、実際に、この機器に絶対にたよれるかという試験内容をずっと見てみますと、今度の内容には、たとえば妨害電波とか雑音等に対処する、そういう性能も兼ね備えるようなこともあるようですが、現在の備えつけられたものについては、試験の結果というのは、混信とか、あるいは妨害電波とか、あるいは雑音等には、実際には、このオート・アラーム性能からは、危険信号と見分けをして判別した正確な警報を出すというふうには、これはまだ至っておらないという、そういう試験の結果から、この検定というのが出てきたんじゃないですか。新たな、より正確な計器性能を業者に対して注文をつける、こういうふうに変わったんじゃないですか。それはどうなんですか。
  8. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) この改正のときにおきまして、オート・アラーム性能において若干の疑問がある、それで今度設備規則をつくったのではないかというような御質問だったかと思うのでございますが、先ほども御説明いたしましたように、この改正のときにおきましても、十分わが国オート・アラーム性能というものが、先ほども申し上げましたように向上している。現に実験いたしました場合においても、誤動作一つもなかったというようなこともございますので、この法の改正に踏み切っているわけでございますが、さらに、使用の状況設置状況というような、そういうようなものを一段と向上させていきたい。これはオート・アラーム自身性能というよりも、むしろ設置状況でございます。そういうようなことも含めまして、設備規則をつくったのでございまして、より人間を入れ、さらに性能を向上させていく。そういう誤動作等が絶無になるようなことを期待してやっておる次第でございます。
  9. 横川正市

    横川正市君 私は、この問題は、安全条約が六〇年に改定された、それに日本も調印をした。こういうことで、今回さらにこの完全に向かって努力をする。そういう方針が出されてきたということについては、ちょっと納得しがたいわけですよ。それはさき国会電波法審議のときに、すでに六〇年のあの安全条約というのは日本で参加しているわけですね。だから、その参加をしておったときに、すでに安全条約はより海上におけるところの遭難とか海難とかに備えて、人命尊重をはかれるようにと、そういうように改正をされておるという点については、おそらく審議過程で知っておったと思うのですね、あなたのほうでは。  だから、これは経過から見ますと、もう何回か審議をしておるわけです前回は三十八年ですが、その前に、新谷委員議員立法で出されてきた経過等から、すでにまあ四、五年経過をしておるんじゃないかと思うのですが、その四、五年経過過程で一番心配されたのは、三名の通信士を乗せなければならないものを、トン数の制限に従って二名にし一名にするという、その人員の削減を行なっていく過程に、人にかわるべき機器としての完全性、その完全性の問題が問題だったから、郵政省電波監理局態度というものは踏み切れなかったのじゃないか。ところが、前回電波法審議過程では完全だと、他の外国製品化されたものと比べてみても遜色がないし、より受信度機能についてはむしろすぐれているんだという判断で、いわゆる人にかわるべき機器というものについて、あなたのほうで踏み切ったんだと思うのです。その踏み切ったあなたのほうが、なお不完全なものというふうに言われているのは、試験の結果から出てきた。たとえば妨害波が事実上、偽信号を構成するときには、これは誤動作があるというような試験の結果とか、妨害波入力信号波入力を上回った場合には誤動作があり得る。こういういわゆる機器の持つ単純性といいますか、人間機能では、ある程度幅を持たせて操作することができても、機器の場合には幅がなくてその単純さがあるからだったというふうに私ども考えていたわけですが、その単純さがあるから、さらによりすぐれた機器というふうに、あなたのほうでは検定基準というものを考えたんじゃないですか。その点どうですか。
  10. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 先ほどお答えしたとおりでございましけれども、なお詳細につきましては、藤木無線通信部長のほうから御説明をさしていただきたいと思います。
  11. 藤木栄

    説明員藤木栄君) お答え申し上げます。  いま宮川局長からの御答弁のとおりでございますけれども、このオート・アラーム性能につきましては、全く従来も誤動作がなく、十分動作するということであったわけでございますけれども前回審議におきましては、いまおっしゃいましたように、一九六〇年の海上人命安全条約というものは、私どもはもちろんよくわかっておりまして、それに規定してありまする設備条件といったようなものもわかっておりましたので、前回電波法改正後にではありますけれども、その一九六〇年の海上人命安全条約に含まれている条件も加味いたしまして、先ほど検定規則設備規則を変えさせていただいたということでございます。したがいまして、性能も、先ほど出来ておりますように向上いたしまして、作もなくなったというようなことであるのでございます。
  12. 横川正市

    横川正市君 新しい「無線説備規則」、それから「無線機器型式検定規則」の改正を行なって後に、実際上のオート・アラームに対する試験を行なって、その行なった結果、オート・アラーム性能については完全なものになったと、こういうふうに答弁されたと心得てよろしゅうございますか。
  13. 藤木栄

    説明員藤木栄君) 昨年の暮れに、実は、今度の検定規則並びに設備規則規定性能にひとしいオート・アラームをもちまして船に載せまして、実際にその動作も測定いたしまして、また、実際の誤動作の原因となりまするいわゆる空電雑音状況も十分調査いたしまして、先般の規則をきめたわけでございます。
  14. 横川正市

    横川正市君 そうすると、私はちょっと事情を承知しておらないわけなんですが、まだ完成された製品というのはっくられておらないのじゃないかというように思うのですが、そうしてまだ、最終的な段階中間段階か、試験段階を終えておらないように思うのでありますが、三十八年の十二月四日に郵政省から出した「無線設備規則」、「無線機器型式検定規則」、この内容についてこれは概略でいいですから、どうだからどういうふうに改正する必要がある、こういうことでこれをきめたのか、簡単にひとつ説明していただきたいと思います。
  15. 藤木栄

    説明員藤木栄君) お答え申し上げます。  オート・アラーム性能の問題、せんだって改正いたしました主要点は、結局、先ほど局長からも説明ありましたように、設備するためのいろいろな条件、たとえばアンテナの実効長と申しますか、そういったものを従来よりも高くして、よい受信ができやすいようにするとか、あるいは、受信におきまする受信機選択特性と申しますか、を狭くいたしまして、あまり妨害が入らないようにするとか、あるいは、このオート・アラームが十分に動作しているかどうかといったものをチェックするための設備をつけ加えるとか、そういったような点を改正いたしたわけでございます。
  16. 横川正市

    横川正市君 そうすると、このおもな改正点として出されたベル起動条件といいますか、信号受信については、第二の中の第一に規定をされたように機器改正が行なわれ、第二の空電雑音等によってベル誤動作が起こらないように改正され、それに次いで三、四、五、六と、いわゆるこの型式検定という合格条件を厳格にした、その厳格な条件が備わった機器がつくられていると、こういうふうに判断してよろしゅございますか。
  17. 藤木栄

    説明員藤木栄君) お答え申し上げます。  現在、この新しい設備規則並びに検定規則に合致するために四社のメーカーがただいま製品をつくりまして、電波研究所におきまする型式検定申請をいたしまして、電波研究所では、それらの機械を現在慎重に試験をしているという状態でございまして、おそらく、今月末あるいは来月には型式検定の合否がきまることと思っております。
  18. 横川正市

    横川正市君 さきにあなたのほうで検査検定を行なった、そういう事実はありますか。いわゆるこの四社といいますか五社といいますか、そういうところから、ある程度機器が完成されて、それを検査した結果、なおかつ不備な点について指摘をし、改正をし、最終的な検定が来月か再来月か行えると、こういう経過検定を行なったものでしょうか。それとも、まあ今回が初めてで、今度おそらく、これは完全なものになるだろうと、こういうことですか、どちらですか。
  19. 藤木栄

    説明員藤木栄君) お答え申し上げます。  現在、検定試験をいたしておりますのは、ことしの二月でございますか、この型式検定が施行になりましてから新しくメーカーがつくりまして、検定申請をしてきた機械でございまして、まあ、これがどうなりますか、その試験結果を見なければわかりませんけれども、おそらく従来の例からしまして、十分に試験検定に合格するのじゃないかと思っております。もちろん、それ以前に旧検定規則申請いたしまして使用されている機械はございます。
  20. 横川正市

    横川正市君 だから、私どもはまあ一〇〇を要求しているのに、あなたたちが八五%程度のものでも一〇〇と言えると、こういう答弁さきに行なわれておったのではないか、こう私どもは、さき審議のときの、完全だと、オート・アラーム実験の結果というのを出しているのですね、あなたのほうで。これによれば完全だ。それから、いま答弁聞いてみても、雑音とか空電とかというものについても対処できると、こういうふうに言うから、そうかと思えば、来月最終的検定だと、こういうふうになるから、もう少しこの実際上のできたものがどうなっているのかということをはっきりしてもらわないと、私ども質問要点は、結局人にかわる計器というものがつくられるのかどうかということに非常に疑問を持っているのです。それを、人にかわるべき計器がありますと、さきの一年前の国会で言っておいて、それからだんだんだんだん聞いてみると、来月にならないと、いわゆるあなたの言う人にかわる計器ができないと、こういうふうになってくると、一体、さきのこの逓信委員会審議をしたときに、同僚の委員がいろいろ質問をしたその質問に西崎君が答えている答弁というのは、どうもおかしいということになるわけですね、実際に。  そういう点で、結論から言いますと、あなたのほうでは、国産のオート・アラーム性能というのは、明確に人にかわる働きをするいわゆる計器である、人命尊重立場から見てもこれは完全である、こういうふうにいまの段階で、いわゆる来月検定するかどうかわかりませんが、それはそういう保証のつけ得るものだと、こういうふうに言えるかどうか、ひとつ、はっきりしておいていただきたいと思います。
  21. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 昨年の電波改正審議にあたりましてのオート・アラーム性能ということにつきましては、そのオート・アラーム性能は十分信頼し得るものであるということでお答えしていると思うのであります。その趣旨といたしますところは、それによりまして、人にかわりましても、そういうことによって、全体が人と機械との調和によりまして、それが国際的な水準にそれで合致する、国際水準並みになるということで、この改正に踏み切ったと思うのでございまして、オート・アラームによりまして、全くこれによって、一〇〇%の信頼がある——機械でごさいますから、何万回に一回とかいうような、やはりそういう誤動作のあれは出てまいると思いますけれども、そういう程度においてのリスクを持ったものとして安全であるという形で、これに踏み切っているわけでございます。しかし、先ほども申しましたように、取りつけ条件とか、試験設備とか、そういったものについて、なおより十全を期する必要があるというようなことから、設備規則改正しておりますし、また、それから、その後の技術的な進歩等も加えまして、新しいものを会社のほうから出してきておりますので、それに対して現在検定をしていく、こういうことでございます。
  22. 横川正市

    横川正市君 いまの御答弁で、三人が二人、二人が一人というふうになった場合に、人を配置しておくほどに機器は信頼できないけれども、第二段階では、大体外国通信社がつくれるようなものは日本通信社もつくれる、だから、ある程度の代替としては、その程度人命尊重、安全の役には立つだろうというふうに聞こえるのですが、実際にはどうなんですか。人にかわって計器がほんとうに動くと、こういうふうに考えているのですか。そうでなくて、大体一つ国際水準といいますか、そういった水準程度には計器を信頼してもいい、こういうことなんですか。どちらですか。
  23. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 先ほども申しましたように、国際的に十分認められている程度に、人にとってかわり得る、こういうことでございます。
  24. 横川正市

    横川正市君 審議過程文書を見ていて非常に私ども奇異に思うのは、安全条約に基づいて国内法を制定する郵政省の姿勢の中には、何人に一人ぐらいは危険があっても、いわゆる一〇〇%でなくても、ある程度ということであればいいというようなことでは、実は、これは審議している私のほうとしては、非常に迷惑な提案になるわけです。だから、完全なものですと、こういうふうに答えざるを得なくて答えたかどうかわかりませんが、私も過去のことですから、いろいろひもといてみますと、そうではなしに、非常にその点不備な点やあいまいな点があったものですから、いろいろ調べてみますと、あなたのほうでは、さらに機器基準とか、あるいは検定規則とかいうものを改正されてつくられている。さらに、その改正されたものが、実際上は五月過ぎでなければ何か決定的な検査の結果が出てこない、こういうふうになってくると、まずもって非常に私が不満に思うのは、さき国会法案を通すときの行政責任者答弁と、その後いろいろ行なわれている点について、食い違いがあるのではないか。こいつはどうも捨てておけないということで、第一問として、あなたのほうの管理基本方針というのは一体何なのか、こういうことでお聞きしたのです。  大体わかりましたが、いまのままでは、私は、これはたいへん問題があると思うので、そこで、運輸省の係官が参っていると思うのでお聞きをいたしますが、二月の二十一日に、海員組合船主団体との間に、通信士の新協定というのが結ばれているわけですが、それを御承知でしょうか。
  25. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 昭和三十九年二月二十一日付で、全日本海員組合船主団体との間に、無線通信士の定員について協定書が結ばれていることは承知いたしております。
  26. 横川正市

    横川正市君 その中で問題なのは、あなたのほうでは、このいわゆる海員組合と、それから船主協会が結んだ協定に対して、どういうふうな意見をお持ちになっているのですか。もちろん、これは当事者能力で結ぶものですから、直接あなたのほうで介入することではないのですが、ふしぎなできごとだと思うのは、団体交渉をやっている二月二十日のときに、突然船主側があなたのほうに招致をされて、そうして帰ってきてからしばらくの間、この問題がごたごたしたというふうに報道されているわけです。この問題で協議をされたか、ほかの問題で協議をされたかはわかりませんが、船主側の意見を聞きますと、あなたのほうから意見が差しはさまれたのでと、こういうふうに言っておりますが、どういうことを意見として差しはさまれたのですか。
  27. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 船主団体と組合との間の交渉過程におきまして、交渉の妥結に至る以前におきまして、私どもは船主側から、交渉の経過について事情を聞きましたのですが、そのときには、もちろん、運輸省といたしましては、労使間の労働条件にかかわる正規の団体交渉でございます。これに介入する意図は、仰せのとおり全然持っておりません。いかなる状況になっているかということを私どもは聴取したわけでございます。なお、その際に、船主団体内部において必ずしも——船主団体が幾つかございますので、その間に、交渉の過程でございますが、若干意見の食い違いもあったような点も見受けられましたので、なおよく船主団体と——相手側は全日本海員組合一本でございますが、その間に報告を個別に聞いたところでは食い違いがあるので、はっきり船主団体の間の意見を統一する。それから、内容につきまして詳細な船主側の説明を聞きました。私どもは、その結果が、やはり自主的に決定せらるべきものでありますので、これに対して、あれがいいだろう、これがいいだろうというふうな差し出がましいことは申していなかったわけでございます。
  28. 横川正市

    横川正市君 国会答弁をして、速記録にはそういうふうに残りますわね。しかし、いまの船の経営状態その他から見て、あなたのほうからのいろいろなお世話をいただいている立場の船主側は、相当これは気をつかったと思いませんか、どうですか。
  29. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) これは仰せのとおり、私どもというわけではございませんで、いろいろな助成措置が講じられておる。それで、海運の再建整備に関する法律の施行に入っておる時期でございますので、日本海運再建のためにという見地から、やはり船主団体としては、運輸省というところにだけ責任があるわけではございませんで、広く言って国全体に対して責任があるという立場で、相当気をつかっておったことは事実でございます。
  30. 横川正市

    横川正市君 そこであなたのほうにお聞きをしたいんですが、この電波法改正さきに論議をされたときにも、おそらくこういうふうな論議はあったんじゃないかと思うんですが、この海運企業の再建方策の一環として電波法改正をするという点に重点を置くのか、それとも日本船舶の安全航行の意味で伝統的な方法としてとられてきている次善の策——最善でなくて次善の策というものを継承すべきか、この二つの論議というものがあったんじゃないかというふうに思うんです。いま運輸省の大体指導方針としては、海運企業の再建方策と勘案してみて、この通信士の持っておりまする特殊な地位とか事情とかというものからくる航行の安全、ひいては一九六〇年に締結をされた人命安全条約、そういう条約のたてまえから勘案してみて、一体さき電波法改正はどういうこと美いまお考えになっておるか。適当だったか、適当でなかったか、その点はどうです。どういうふうにお考えですか。
  31. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 船舶の安全、乗り組み員について言えば職場の安全ということでございますね、このことは、海運再建の最も以前と申しますか、以上にと申しますか、ちょっと問題の場所が違うように私は思っておりますが、安全の面からは、私どもは、前回電波法並びに船舶職員法の改正は、法律をもって要求する安全の限度としては妥当なのであるというふうに考えておる次第でございます。
  32. 横川正市

    横川正市君 それでは、この二月の二十一日に海員組合船主団体との間で団体交渉をきめられた内容承知ですね。その内容と、あなたの話では、大体改正された電波法どおりに通信士の配置その他については行なうべきであるという考え方と、実はいま見ますと差があるわけなんですがね。この差は、暫定期間ないしは労働問題というようなことでやむを得ざるものと、こういうふうな安易な妥協をすることになるのですか。それともさきにきめられた電波法どおりにこれを修正するというこういう考え方に立つわけですか、どちらでしょうか。
  33. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 労使間で定員について話し合いをいたしましたのは、労働条件の問題としてでございまして、船舶安全法あるいは船舶職員法が要求いたします安全の問題として論議されたようには私どもは聞いておりません。雇用の安定という面から、急激な乗り組み定員の減員は好ましくないというふうなことで両者問で話し合いをしたものというふうに考えております。したがいまして、雇用の点につきまして急激に一この協定は来年三月三十一日までの協定でございます。したがいまして、当然この協定の改定交渉が行なわれるであろうと思いますが、私どもとしては、海運の企業の立場として安全性を保持しつつできる限り合理化を進めていくということは、一方において海運企業に期待をいたしますと同時に、組合側が雇用の安定のために要求をするという立場も、これもまた当然なことだというふうに考えております。そういう両者がそれぞれの立場に立って妥結点を見出していくというのが最も正常な労使間の交渉である。その結果については、われわれも尊重をしていくという立場をとっておる次第でございます。
  34. 横川正市

    横川正市君 私はあなたのほうの立場というものをあまりよく承知をいたしておらないわけですから、どういう国会答弁をされたか承知いたしませんけれども、労使問題で話をしたなんというのはおそらく全体のうちの部分だと思いますよ。それは、この電波法改正以前に、日本の大体船舶の無線通信の発展の歴史というのをずっと見てみますというと、それがやっぱり、五四年の人命安全条約に基づいて、日本独特の一つの形でもって発展をしてきておるわけなんです。それと同時に、オート・アラームも発展をしてきたけれども、大体機器性能について、専門的な見地に立っている人の意見では、これは人にかわるべき性能としては信頼しがたいという結論が出されておって、それで、その法案審議については、いわゆる安全条約に基づいて、一体人を減らすことがいいか悪いかということの結論が中心になっておったのじゃないかと私は思うのです。あなたのほうでは、減らされれば、配転の問題とか、再就職の問題とか、それがあるから労使問題だ、こういうことで論議をしたのではないかと言うんでありますけれどもさき法案審議のときには、やはり人命安全条約に基づいての安全をどう保つかということで私は審議が行なわれておったと思うのであります。あなたのほうでは電波法どおりにしたいという気持ちを持ち、それから船主と組合側との交渉の中では、あなたのほうの意見とは違った協約が結ばれたという中には、二つあると思うんです。一つはまあ労使問題で、いわゆる労働問題、それからもう一つは、暫定期間だからということであるけれども、やはり安全条約に基づいて人の配置というものが急激に減らすことができないような状況にある。先ほどお聞きのように、郵政省では、来月か、機器について最終的検定を行なうということですから、そういうような意味で問題というのは一つあったんじゃないかと思うんですね。だから、その機器に絶対に信頼を持って、企業整備の再建方策の一環としてものごとを進み過ぎると、私はそのことによって致命的な問題が起こってこないのか、また、その致命的な問題と関連して、通信士の人員が三名が二人、二人が一人というふうに減らされるということとてんびんにかけて、一体再建整備計画にどれほどの影響力が人件費として影響するのか、こういったことが総合的に実は検討されておらないと間違いを起こす結果になるんじゃないかというふうに思うんでありますけれども、この点はあなたのほうではどういうふうにお考えでしょうか。
  35. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 先ほど私の答弁、ことばがちょっと足りなかったかと思いますが、前回国会審議におきましては、仰せのとおり安全問題が中心をなしておったというふうに記録を見て承知をいたしております。安全問題よりも雇用上の問題が多く論議されたと申しますのは、最近、二月の二十一日に協定いたしました定員に関する協定における労使間の論議がそういう点であったというふうに申し上げたつもりだったのでございます。  で、今後私どもは、安全上の問題といたしましては、法律できめられておる事柄、これはやはり現行法が安全に致命的な影響があるというふうなことは決してないと思っております。ただいままで国会審議をして御決定になりました電波法並びに船舶職員法の改正は、やはり安全上の問題が一応致命的な問題はないという趣旨改正がなされたというふうに了解をしております。ただ、今後雇用上の問題として一挙に——先ほど申し上げましたように法律で最小限度の定員を定めておるわけでございますから、一挙に最小限度まで減らし得るやいなやということは、やはり雇用上の問題として、労使間で論議をし、協定をしていくということは当然のことであるのでありまして、私どもはこれについて圧迫を加えたり干渉をしたりということは考えていない次第でございます。
  36. 横川正市

    横川正市君 まあひとつそういう考え方で進められるように希望いたしますが、あわせて、通信士の離職問題を当面どういうふうにあなたのほうでお考えになって、もしそれに対する対策をされているようでしたら、対策について御説明いただきたいと思います。
  37. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 通信士は現在まで、自然の離職と申しますか、みずから進んで陸上に新たな職場をお求めになる方が、ほかの職種よりも若干いままでのところは多かったように見受けられる次第でありまして、現在大量の強制的な離職という事態は全然起こっておりませんし、またその離職の問題につきましても、労使間で雇用調整協議会というものを持って、相談をしつつやっていくというたてまえになっておりまして、私どもは率直に言って、通信士が離職をして大量の失業者を出すというふうなことは、現在のところ心配はいたしていない次第でございます。
  38. 横川正市

    横川正市君 こういう事情があるというふうに訴えられているのですが、たとえば電波法が通過をし雇用量が減少することを事前に察知して、早目に転身をする、その結果、実は離職者という形ではなしに、現場では定員が需要に応じ切れないという、それほどではないにしても、非常に少なくなってきている、こういう事情は承知でしょうか。
  39. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) おやめになった事情がどうかということは、私も承知いたしておりませんけれども、現場では、個々の船にとりまして、予備員等がある会社にとっては、時期的にある時期に限って非常に逼迫をする、そうして足りない、足りないために次の航海に出航がおくれるというようなことで、相互間に融通が行なわれているということは、私ども承知しております。で、今回の再建整備法によりまして、たくさんの船会社が六つのグループにまあ組織化されまして、そのグループの間では相当の融通——あるところには相当の予備員が余っている、あるところには予備員が不足するというふうな、時間的なズレとか会社の規模の大小による食い違いというふうなものを極力調整をしていくたてまえで進んでおりますので、ときどき摩擦が起こりますけれども、だんだんスムーズな改善が行なわれていくであろうというふうに期待をしている次第であります。
  40. 横川正市

    横川正市君 その場合、国立の電波学校の卒業のときの資格といいますか、それは二級を付与する、こういうふうになっているわけですね。ところが、相次いで事実上この需要のほうはどうなるかというと、一級でなければ需要でなければ需要のほうでは使いものにならない。こういうものは、これは時間的経過をずっと過ぎていきますと、その面から問題が起こってくるのではないかというふうに思われるわけですが、その点はどういうふうに考えられていますか。もし何かもうすでに気づかれて善処されているのでしたら、その内容についてお聞きしたいと思います。
  41. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 時間的な経過によりまして、実は現在計算上は甲種のほうが余剰が大きくて、乙種、つまり電波法でいいますと二級のほうが甲に比べれば不足ぎみであるという事態でありますが、仰せのとおり、もし改正法暫定経過期間を終了いたしました後には、ほとんどの船が、外航船の大型船は、甲だけ——もし一人になりました場合には、甲種通信士による通信長だけということになります。増大していく船腹についての需要は、甲が多くて乙が少ないという仰せのとおりの事情でございます。したがいまして、乙から甲へ進級いたします際に——これはむしろ私どものほうより郵政省のほうの御所管でございますが、昨年船員局と電波監理局のほうとでお話し合いをいたしまして、なるべく経歴を重んじて、その試験については十分考える、学科試験等については有効適切な方法を考えるというふうなお話し合いになっておりまして、まだ具体的にはその実行には至ってないと思うのでありますが、そういうことで、乙種から甲種に上がるのが上がりやすくするというふうなことを私ども期待しているわけでございます。
  42. 横川正市

    横川正市君 私は電波法の提案の説明を何回か見たわけですが、海運企業の再建方策の一つとして、そのスペースあるいは定員等の削減ができれば非常にプラスになるという、こういう話は、事実上そういうことが出た場合には、それに対処する対策というものが立てられてくるべきであり、そのことから海運企業にかえってマイナスの面が出てくれば、実はこの電波法というものはやってみたけれど効果はマイナスであったという、そういう結果になるのじゃないか。そういう観点からこの通信士のこれからの需要の度合いというものを見てみますと、たとえば一級通信士は正式通信士として当然業務につけるけれども、二級の職場は非常に狭隘になり、三級になるとこれはもうほとんど職につく場所というものが非常な零細漁業その他に回って、事実上生業というようなかっこうでの職場というものを持つことができなくなるというような、そういう欠陥が出ておるわけですから、そういったものも含めながら、実はこの対策を立てていかないと、せっかく、私ども反対したのでありますけれども法案が通ってみて、さあ運用してみたら、あっちでもこっちでも法案からくる影響で不備なものが出てくる、こういうふうになるわけで、この点についてはぜひあなたのほうでも真剣に取り組んでいただいて、ことに通信士のいわば離職者対策なんというものは、いまのようなかっこうで決してノーマルな形で転職しておるわけではなくて、相当無理をして転職をせざるを得ないという事情で転職をする、そのことがかえって通信士の不足を来たしておるというような変なかっこうにいまなっておるのですから、これらについてはぜひひとつ対策を立てていただくように要請をいたしたいと思います。  そこで、海上保安庁にちょっとお聞きをいたしますが、保安庁の海難犯罪白書を見ますと、これには海上保安庁の海難救助率は全体の四〇%。あとの六〇%は海難にあえばもう助からない、こういう結果になっておるのだという白書を見て、非常に私ども戦慄をする思いがするわけですが、一体海難白書のこれを出すときの対策といいますか、これは海上保安庁の現有勢力の老朽化を近代化するというようなことだけがこの対策なのか、それとも新たにいろいろな方策を考えておられるのか。その中でも最近の沿岸なんかで起こっております事故については、短波によるところの電波設備公衆通信はできるけれども、海難その他の通信については不向きであるというような装備しか持たないで航行しておる船舶等も非常に多いという点も見受けられますけれども、海難白書の全体から見て、保安庁としてはどういう対策をお考えか、また不備についてはどういう指摘をされておられるのか、この点をまずお聞きしたいと思います。
  43. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) 御質問のありました船舶救助状況でございますが、先ほど六〇%以上何か滅失するようなお話でございますが、海難隻数の大体二四%が全損または行くえ不明でございまして、七六%は、自力入港いたしましたり、海上保安庁以外の僚船の救助等によりまして救われたり、あるいは海上保安庁自体によって救われたりしておるわけでございます。  それから、御指摘のありましたこの海上保安白書は、あながち海上保安庁の既存船艇が非常に老朽であるために、それを代替せんがための一つのPR用のための保安白書ではないかというような御指摘だったように承りましたんでございますが、そういう意図は毛頭ございませんので、ただ海難の実相をこの際一年に一回一般に披瀝いたしまして、むしろその海難の実相によりまして、それぞれの部署によって海難の予防措置なり、海難の防止措置、また私たちは海難の救助施設等につきましてあらためて考えてみたい、あるいは考えていただきたいというようなつもりで、この海上保安白書はつくられている次第でございます。  また、御指摘のございました海難救助等に不向きな電波の問題があるのではないかというお話でございましたが、その詳細につきましては、あるいは技術的な点につきましては、私たちつまびらかでございませんが、御承知のように、私たちは、在港船舶等につきましては、海難救助の見地から、また海上の航行安全の見地から、臨検いたしまして、それぞれ船舶航行上の安全の見地から、法令違反等がありはしないかということでやるのでございますが、三十八年もそれらをやりまして、保安白書にも書かれておりますが、三十八年は合計一万七千九百十一件の違反事項をあげている次第でございます。その各項目について見ますると、電波法上の違反というものは、私たちのほうでは、幸いにも、検挙といいますか、検査の対象にあがっておりません。ただ、この際つけ加えて私たちの感じを申し上げますと、電波法上の問題でとかく、私たちが、海難救助の面、あるいは海難等につきまして、いろいろ研究してみますると、電波法上の欠陥等によりまして問題があるというようなことは、特記すべきものはほとんどないようでございます。ただし、無線設備の問題につきましては、私たち若干問題を持っておりまして、この保安白書の一部にもそういうことを指摘している次第でございます。
  44. 横川正市

    横川正市君 これは、電波監理局長、海難の目立っている三十九トン型カツオ・マグロ漁船なんというのは、これは無線電信の装備については、どの程度のものを持って出かけていくんですか。
  45. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 漁船に対しましては、その行動半径が非常に広いのでございますので、特に従来中短波を使用いたしまして、できるだけ漁船に無線がつきますように、いろいろの普及対策をわれわれといたしましては考えると同時に、電波の割り当てということを行なったわけでございます。ただいまの御質問の漁船につきましては、五十トン以上の漁船は大体一〇〇%無線の設備を持っております。いま御指摘の三十九トン型というのは、二十トンから五十トンのランクに入るかと思いするが、これにつきましては八八%の普及を示しておるようなわけでございます。
  46. 横川正市

    横川正市君 この保安庁の出した白書から見て、無線設備の点については問題があるという、その問題点として指摘された項目をちょっとここで報告していただけませんか。
  47. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) 私たち具体的にこういう問題があるということを技術的に指摘はできませんが、要するに、先ほど申されましたように、三十九トン型等の問題につきましては、白書にも書いてありますとおりに三十九トンの海難が非常に多いわけでございます。結局、何ら通信もなくて行くえ不明、全損になるということがたびたびでございますので、私たちは、先ほども申し上げましたように、そういう設備を強制されております船舶のトン数をもう少し下げて、船舶無線設備の整備をもっとよくやっていただければ少なくとも海難の際に無線通信をやることによってその救助率が高まるのではないか。また、私たちも、海難の救助にあたりまして、その船舶の所在などをはっきり確かめまして、有効なる海難救助活動ができると信じておる次第でございます。
  48. 横川正市

    横川正市君 電波法改正法案では、漁船は除くという項目がありましたね。この漁船は除くというのは、全部を除くわけじゃないでしょうが、事実上電波法の強制範囲といいますか、強制範囲から見て、三十九トン型マグロ船というのはどういう取り扱いをされているのですか。
  49. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 漁船を除くということは、この法律のどこの点をおっしゃっておりますのかちょっとわからないのでございまするが、貨物船と漁船とでは、漁船の操業区域のほうが、貨物船の就航区域に比べまして、非常に上回っておりますので、航行の安全をはかる意味から申しますと、漁船のほうに対しましてむしろ連絡設備であるとか補助設備等の除外例を設けないほうがいいと、むしろ漁船の問題に対して必要性を考えているようなたてまえで法律をつくっておるわけでございます。
  50. 横川正市

    横川正市君 そうすると、五百トン以下で内航船舶については、今度のこの改正条文の安全法四条第一項第三号及び第四号を加えることによって、これは別に省令で定めることになって、強制義務規定をはずしておるようですね。それから三十三条の二で、安全法第四条一項三号の船舶に施設する無線設備については郵政省令で定めるというふうに、改正案をずっと見ていって、それから最後の適用条項のところへいって、商船、それから貨物船等々に大体制限強制規定というものが入っておって、漁船にはこれを除かれるというふうになっておったように記憶しているわけですが、ちょっとこの条文が見つかりませんが、この漁船というのを特別扱いをしているのは、これはどういう理由なのか、その点をお聞きいたしたいわけです。
  51. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) ただいまの御質問は、本改正に伴います三十三条の第三項の連絡設備条件と三十五条の補助設備のただし書きの問題だとそういうふうに解釈いたしましたのですが、船舶安全法の第四条第一項第四号の船舶、これにつきまして従来すべて連絡設備条件と補助設備の備えつけを強制されておりましたのでございまするが、昨年の船舶安全の改正によりまして、無線設備強制の範囲が五百トンから三百トンに拡大されたわけであります。新しく三百トンから五百トンの範囲のものが義務船舶になったわけでございますが条約の緩和規定がございますので、除外例を設けたほうがよろしいというふうに考えまして、除外例を設けたのでございます。それが、郵政省令において、それを除外することができるというふうに定めております。その場合、郵政省令におきましては、三百トン以上五百トン未満の貨物船のものを除外いたしたい、こういうふうに考えているわけでございまして、漁船のほうは除外いたさないように考えております。
  52. 横川正市

    横川正市君 いまの監理局長の答弁によりますと、たとえば漁船の場合に三十トンないし五十トン未満の場合の無線装備については八八%——これは強制されていないから八八%なのですか、それとも強制してあっても八八%しかついておらないのですか、どちらですか。
  53. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) これは強制されていない船種に属しまするが、先ほども御説明いたしましたように、漁船で二十トン以上五十トンまでというのは、八八%これは普及しております。三十九トン級の船につきましてはほとんど一〇〇%普及している、こういうような状態でございます。
  54. 横川正市

    横川正市君 そうすると、この海難白書に出ている、いま保安序から説明のありましたように、大体全損、行くえ不明になる、その多くのものが通信の連絡もとらずに消えてしまうというような不幸な事態が出ているということですが、これはどうでしまうか、保安庁ではこれらが完全に無線の設備をしておった場合にはもっと別なかっこうで救済される率というのは高まるのじゃないでしょうか、その点事実上のこの海難の事態とあわせてみてどう判断をされますか。
  55. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) 御質問のありましたとおりに、現在強制されていない船に全部無線設備が完備いたしますようになりました暁には、先ほども申し上げましたように、海難救助活動というものが私たちの手によって、または僚船による活動が活発になり、したがって全損はいまのような率をうんと下げていくだろうと思います。ただし、御承知のとおりに、全損あるいは行くえ不明等の中には、無線の設備を持っておりましても、それを発するひまもなく全損あるいは沈没をする等の例もございますので、一〇〇%に海難救助活動が完全に行なわれるということは、これは望むこともできないだろうと、私には私たちの経験によりまして察知しておる次第でございます。
  56. 横川正市

    横川正市君 これは、乗っている通信士は三級通信士で、その通信士は魚をとるときには魚をとる網を持って、それから何か雑用をしながら通信に従事するというのは、何といいますか、従的な役割りといいますか、主的な役割りは何か船の中での仕事をする、こういうようなことで、いわゆる魚をとるほうが主になって、その要員として無線の技術もできる、こういうようなかっこうで雇用されておるのじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。運輸省ではそういう実情は御案内じゃないですか。
  57. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 小型漁船におきます船舶職員が漁労に従事するというのは、これは通信士に限らず船長、一等航海士、二等航海士あるいは機関士に至るまで、漁労の形態によってはほとんど全員で網を引く、網を引くというのは、漁船においてはごくあたりまえのことであろうかと思います。きわめて大型の漁船におきましては、漁労設備機械化されておる、その他専門的に職能を分化さしておりますけれども、通常カツオ・マグロ船三百トンくらいまでの船でもやはり機関部の者、甲板部の者を問わず、とりあえず忙しいときは全員で漁労に従事するというふうに聞いております。
  58. 横川正市

    横川正市君 そういう事情をなくするといっても、なくすことのできないような周囲の事情というものもわからないわけではないのですが、私はこれは何かその面では対策があるような気がするのです。ことに自分の命に関する問題を、この連絡をしてくれる人は、いわば一本のわらみたいなものですよ。そういう事情下にあった場合に、また予知できるそういう海上条件というものが出たときには、当然私はそういう任務につくべきだと、こう思うのですが、おそらくついているのじゃないでしょうか。ただ、ついているけれども、強制というようなことがないから、事実上は非常に、何といいますか、機械も不備で老朽化していたり、あるいは独自な通信室などがないから、浸水したりして機能を果たさないというような、いわゆるこの環境の悪さが、事実上は機械を働らかすことができない、こういうようなことじゃないでしょうか、どうでしょうか。
  59. 亀山信郎

    政府委員亀山信郎君) 先ほど船舶職員、小型漁船の場合には、全部の者が漁労に従事するということを申しましたが、これは漁労中でございまして、航海中、つまり漁場からホーム・ポート、あるいはホーム・ポートから漁場までの航海中は、それぞれの職務についておるのが通例でございます。網を引くあるいは綱を引く、はえなわを引くというのは、漁場にあって行なう場合でございまして、遭難のほうは、むしろ漁労中、ほんとうにお魚をとっておるときよりもお魚をとって帰る帰りにもしくは行きに起こる。帰りが一番多いのでございますが、いわゆる航海中ございますので、これは私の想像でございますけれども通信士も、通信の事務をとり得る体制になっておるというふうに通信士が乗っておりますれば、通信ができない——ほかの仕事をしておってできないということは想像ができないわけでございます。
  60. 横川正市

    横川正市君 もう一ぺん、これは電電公社にお聞きをいたしますが、内航船舶電波法によって無線電話の施設を要する、こういうふうに規定されている百トン以上五百トン未満の旅客船の場合、これはいまは強制されておらないのじゃないかと思うのでありますが、事実短波による無線電話の設備が普及されているようで、それはちょうど赤電話のように公衆通信をやっておるようでありますけれども、その現況はどういうふうになっておりましょうか、お答えいただきたいと思います。
  61. 水谷七代

    説明員(水谷七代君) お答えいたします。御質問趣旨とあるいは食い違うかと思いますが、船舶電話は現在超短波によってやっておるわけでございまいまして、電話が主でございますが、同時に、これによりまして電報も扱っておりまして、現在隻数で約百五十隻くらいのように承知いたしております。通数で月間約千五百通くらいの電報を扱っております。
  62. 横川正市

    横川正市君 そうすると、これは強制的に備えなければならぬものではなくて、客船等では、客へのサービスの問題でつけている、こういう自発的なものですか。
  63. 千代健

    説明員(千代健君) 強制的につけますものは、船舶安全法によってつけると、かようになっておりますが、いま私どものほうでやっております船舶通信というのは、強制的につけるものもありますけれども、むしろそれ以外のもの、いまお話しのございました旅客船等はどうだ、これも船舶安全法によりますと、十二名以上を保有、いわゆる定員を有する船舶はつけなければいかぬ、こうなっておりますけれども、私どものほうで具体的に船舶電話をつけております旅客船と申しますと、たとえば東京から大島に出ております船、あるいは瀬戸内を走っております大阪・神戸から別府に参ります船、それから長崎——五島間の船、こういったものにはついております。したがって、御質問の御趣旨と若干食い違うようでございますけれども船舶安全法とは無関係についておるというぐあいに考えるほうが妥当ではないだろうか、かように考えております。
  64. 横川正市

    横川正市君 あんまり実情をこまかに調べておかないで端的に運輸省にお聞きをいたしますが、いま言っているような三十九トン型カツオ・マグロ船というような、これは一般的に総称するので、他にこれと同じようなものが——私もしろうとですから、あるだろうと思うのですが、これに対して、無線電信の義務制といいますか、強制制といいますか、そういう問題を取り上げるべきではないかというように思うのでありますが、その点が一つ。  それからもう一つは、電波法によって無線電信の施設を要するものの範囲に、沿海区域を航行する総トン数千六百トン以上の船舶、それから沿海区域を航行する総トン数五百トン以上の旅客船、これには無線電信を備えつけ、それから総トン数百トン以上五百トン未満の旅客船、これは大体内航でありますけれども、これには無線電話の施設をつけさせる、もちろんこれは、これら電信のついているものはその限りでありませんけれども、そういうふうに船舶安全法の第四条を改正する必要があるのではないかと、第一点、第二点あわせて考えるわけでありますが、責任者ではないからその責任ある答弁はできないかもわかりませんが、あなたの考え方として、この際お答えをいただいておいて、帰られて検討されてもいいのですけれども、その点のお考えを聞いておきたいと思うのです。
  65. 佐藤美津雄

    説明員佐藤美津雄君) お答えいたします。船舶安全法第四条の無線設備の適用範囲の拡大につきましては、無線設備は非常に海難防止上有効でございますので、先生の御趣旨を十分了解してその線で進みたいと存じます。
  66. 横川正市

    横川正市君 これはちょっと問題からはずれますけれども、時事問題ですから海上保安庁に聞いておきますが、あなたのほうの持っている船は、これは公的な船で、その公的な船が、またこれは新聞記事では、おかしいのですが、たった三十何トンかの警備艇に二百七十トンの船が、「ちくご」というのが韓国に連れ去られておるわけなんでありますけれども、実際上、これは業務と関係して、どうなんでしょうか、もっと自衛手段なんというものはないものなんでしょうか。  それからもう一つ非常にふしぎに思うのは、こういう場合の通信連絡はどうやってくるのか。たとえば毎日の記事を見ると、七時間、朝日を見ると、九時間、日経を見ると、十時間、読売も、九時間でありますけれども、抑留された時間がまちまちなんですね。これから見ると、一体、巡視船というのはどういう通信機材を持って行動されているのか。第一の問題は、他の委員会でもいいですけれども、第二は、さしあたっての問題ですからお聞きいたします。
  67. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) 御質問の点お答え申し上げます。御承知のように、私のほうの巡視船は、いわゆる国際法上は公船でございまして、片や韓国側の、小なりといえども、これまた公船であることは間違いないと思う次第でございます。いかにも現象的に見まして、何だか例としては非常に変でございますが、今朝来もいろいろお話がございまして、軍艦「武蔵」が何かどっかのモーター・ボートにパクられたのじゃないかという話がありましたのですが、まさに現象的にはそういう感がいたしまするが、しかし問題は、御承知のように、李ラインというものの存在に関する両国間におきます焦点が非常な問題でございまして、それをめぐってのお互いの公船としてのやりとりであるということでございまして、単なる物理的な船の大小ということではないと思います。もちろん実力行使するという点につきましては、まさに、先ほど申し上げましたように、軍艦「武蔵」とモーター・ボートというような例もあるいは合う問題であるかもしれませんが、実力行使するということにつきましては、先生方も御推測だと思いますが、それから起きます連鎖反応的な相当重大化する問題を考えますと、とうていそういうことは考えられませんし、私たちは、そういうことは厳に漁船保護に従事しております巡視船の船長に戒めておる次第でございます。その点は十分了承していただきたいと思います。  それからもう一点は、通信連絡が新聞紙上でまちまちではないか。まちまちであっても、とにかく長くかかっているではないかということでございますが、通信連絡は決して長くはかかっておりません。詳しく、私、手元にその資料を持っておりますので、御説明申し上げますと、無線といたしましては、長くかかっているかもしれませんが、時間的に申しますと、大体事件の起きました地点から一時間以内で、大体五十分くらいで本庁に到達している次第でございます。無線としては、まあ技術的には少し時間がかかると思われます、私たちも思っているのでございますが、これを察しまするに、そのやりとりの関係とか、あるいは、御承知のように、お互いにこういう問題は、相手国もそうでございますが、私たちも、ある程度の通信秘匿の関係上、暗号等に翻訳するということもございますので、おのずと時間が普通の通信よりも余分に消費されるということは想像がつく次第でございます。ただ、新聞記者が言っておりますように、自分たちが入手した時間が非常にかかったということではないかと思う次第でございます。釈放されるに至ります間の時間は、十二時五十五分に事件が起こりまして、釈放が晩の十時四十分でございますから、約十時間でございますか、十時間ぐらい釈放までにはかかっていることでございますが、通信等について、そんなにはかかっていないことをお答え申し上げたいと思います。
  68. 横川正市

    横川正市君 公船というのは、資格からいくと、たとえば外交官のビザを持って海外を旅行した場合に身分の保障をされるように、公船の場合には、海上でもそういう保障というのはあるのじゃないのでしょうか。これは何か国際航海条約か何かの中に、公船の場合の航行については、何と何とかはいかぬのである、何と何とはいいというので、こういうふうに相当よいほうの範囲というのは広いのじゃないのでしょうか、どうですか。
  69. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) 国際法上、または国際慣習上、公海におきます公船に対するあれは一種の治外法権的な、治外法権とは申しませんが、治外法権的な大体形で従来やりとりをされている次第でございます。
  70. 横川正市

    横川正市君 これは、何といいますかね、自衛というのじゃなくて、こちらに正当な理由があって、こちらに力があったら、向こうの小さいのを引っぱってくるぐらいなことは、引っぱってきても紛争として心配をするということではなしに、何か特別にどうも朝鮮海峡というのは遠慮しているのじゃないでしょうか。あなたのほうの警備体制は普通ですか。
  71. 猪口猛夫

    説明員(猪口猛夫君) これは先ほどもちょっと申し上げましたが、実力を行使するという問題以外にはまあ問題はないいと思いますが、先ほど申しましたように、実力行使をすることが日韓関係においてどういう結果を来たすかということは、重大なまあ国策上の問題だと思われます。実力を行使する段階に至りますれば、その相手国の船の大小いかんにかかわらず、向こうの公船に対して実力を行使したということから起こりますその結果の重大性をある程度まで判断し、それに対する態度をきめてからやるべきではないかと私たちは考えておる次第でございますが、それはとにかくといたしまして、とにかく私たちの立場といたしましては、日韓間に不必要な摩擦を起こしたくない。過去にも約二十件ばかり追跡とか、あるいは銃砲撃とか、あるいは臨検とか拿捕もありましたが、二十件くらいそういう機会があったわけでございます。それを耐えしのんで現在まで来ておるのでございまして、御承知のように、日韓交渉もまた再開されようというときに、ここに相手船が小型であるからというようなことで、簡単にと申しますか、とにかく実力を行使するというようなことはとうてい考えられない立場にある次第でございます。
  72. 横川正市

    横川正市君 割り切れませんが、ここはその委員会じゃありませんから、その問題はまた別のところで審議してもらうとして、先ほど運輸省から答弁のありました点は、ぜひひとつ改正に踏み切っていただくように御努力をいただきたいと思います。  次に、通信士の減員によって海上通信の対策がどうなっていくかという点について少しお聞きをいたしたいと思うのでありますが、最初に、電電公社の設備拡充問題で、海岸局の設備の拡充については、計画的に進められているのだろうと思いますけれども電波法の暫定期間等もありますけれども、それら等を勘案して計画がどう立てられているか、現在までに海岸局の設置をされた局と位置について、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
  73. 水谷七代

    説明員(水谷七代君) お答え申し上げます。電波法改正に伴いまして海上船舶側の通信義務時間が十六時間になったり、あるいは八時間のものも相当ふえますことにかんがみまして、私のほうの短波海岸局の増強計画を実は進めておるわけでありますが、私のほうの短波で沿海海上との通信を担当しておりますのは、御存じのように、銚子無線局と長崎無線局、それに一波、神戸の無線局でやっております。大部分は銚子と長崎でございまして、今回の電波法改正に伴いまして設備の増強を行なわなければなりませんのは、この銚子と長崎の無線局でございますが、さしむきのところは、経過措置もございますし、先ほど船主と組合側の協約問題も伺ったのでありますが、改正前と最近までの時間別の通信状況を見ますと、実は改正前と現在のところほとんど実は変わっておらなかったわけであります。ただ四年間の経過措置を経過するまでに相当変わると予想されますので、私のほうといたしまして、三十九年度予算で銚子と長崎の局舎につきまして、予算額一億三千二百万円を計上いたしまして目下工事に着手いたしまして、この秋、九月、十月ごろまでには、所要の増築工事が完了いたします予定でございます。  なお、これと関運いたしまして、関係の無線機器の増強につきましても、やはり三十九年度の予算に計上いたしまして、総額二億一千万円の予算をもちまして機器の発注を進めておりまして、これもことしの十月には大体入る予定になっております。  その他無線局の通信土の増強等につきまして、ことしの、通信士になる要員の候補者の採用につきましても、従前よりも若干ふやしまして、今後この経過期間終了までには、そういった通信時間の変動に伴いましての疎通が円滑にいくように計画を進めておるわけでございます。
  74. 横川正市

    横川正市君 監理局では、計画としては電波の周波数の増波については持っておられるのでしょうか。この追加割り当てですね、また、それの波の余裕があるのかどうか。波が必要であるとすれば、当然用意しておくだろうと思うのでありますが、実際上どの程度の波の準備があるわけですか。
  75. 宮川岸雄

    政府委員宮川岸雄君) 銚子と長崎の海岸局にそれぞれ二波を増波しておるのでありますが、さらに必要によりましては、これ以上増波を考えて検討を進めております。
  76. 横川正市

    横川正市君 公社側では、いまの水谷さんの答弁によって、まあ銚子、長崎、神戸と設備の増強を、拡充をやられるようでありますが、実際上の通信の積滞について、具体的な数字でもって検討いたしましたか。何といいますか、予定数でいきますと、この前の公社の調べを見ますと、三十七年は二千六百五十二で、実際上はけるのは千八百六十九、積滞は七百八十三と、それから三十八年は積滞が九百十七、三十九年は千五十五、四十年には千二百ぐらいの積滞になるのではないかと、これを経過措置的に勘案してみると、三十七年、三十八年、三十九年については、それぞれ積滞はゼロということにはなるが、四十年には積滞は依然として千二百というものを、これを消化することができないのじゃないかと、こういうふうに一応の調べが出されておりました。この数字はあなたのほうの数字ですから、いまの数字としても間違いないのじゃないかと思うのですが、そこで、この問題はいま言ったような海岸局の設備拡充と、それから短波周波数の追加割り当て、これらをもらって実際上の積滞が消化できる、そういう見通しでこの計画を進められているかどうか、その点はどうでしょうか。
  77. 水谷七代

    説明員(水谷七代君) お答え申し上げます。私、いま手元に具体的なこういった設備の増強の基礎になっております今後の通数の時間別の変動等の資料を持ってまいりませんので、恐縮でございますが、電波法改正が全面的に施行された暁におきまして、八時間運用が相当ふえる、したがいまして、一日のうち二時間ずつ四回に区切ってやるわけでございますから、そういった時間に相当集中されますので、先ほど申し上げること、ちょっと申し落としましたが、こういった設備の増強とともに、必要な周波数の割り当てをいただきまして、私のほうで積算した、電報が円滑に疎通するようなたてまえでこういった増強計画を立てておるわけでございます。ただいまこのこまかい資料を用意いたしておりませんので、もしあれでございましたら、後刻提出させたいと思いますけれども
  78. 横川正市

    横川正市君 だいぶ長くなりましたから、残余の質問は、後日に譲って一応保留しておきます。
  79. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 本日はこの程度にいたします。  これにて散会いたします。    午後三時三十二分散会    ————・————