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政府委員(
田中鎭雄君)
保険思想の
普及の面でございますが、これは、ただいま先生のおっしゃられたように、
事業創始当初から、逐次この面に大きな
役割りを果たしてまいったのは事実であります。現在、はたしてどうかということでございますが、まあ
生命保険の
加入の割合というようなものを見てまいりますると、諸外国に
比較いたしまして、まだまだ
日本は低位にあるという点で、これは
官民ともに、現在では、この面に
努力をしておるところでございます。やはり、
簡易保険は
国営であるという点で
国民の
信頼感が非常に強い。もちろん、
民間保険に
信頼がないというわけではありませんが、まあ、
郵便局で扱うという、身近の、しかも国の
機関がこれを扱っておるという点で非常に
信頼され、かつ親しまれておるということは事実だろうと思います。また、
郵便局は、
全国各地、いわゆる津々浦々にまで存在しておるということで、この面では、やはり
民間保険の及ばない力といいまするか、
簡易保険のすぐれた持ち味というものがそこに出てくるということは言えると思います。
保険料の点でございますが、これは、現在表定
保険料は
簡保のほうが安いのでありますが、
配当の面で
民間保険のほうが上回っておりまするために、
実質保険料といいまするか、
正味保険料は
簡保のほうが高いというのは、これは事実でございますが、ただ、
配当というものをしさいに分析してみますると、これも一種の不
確定配当だということでありまして、簡単には
比較にならないと思いまするが、現実の姿はそういう点でありまして、この点は、われわれといたしましても今後
改善いたさなければならないと思うのであります。
その他、
国営であるためにすぐれておるということは、まあ、
国営であるから何でもいいというわけではありませんで、やはりその
契約の内容なり、各種の条件が問題になってくると思いますが、これは、たとえば
福祉施設の面、こういう面では、
かなり簡保のほうは充実しておるのではないかと思っております。それから
契約条項、これは、いろいろ
比較、また
考え方の相違で、こちらがすぐれている面もあり、あるいは劣っている面もあるかとも存じまするが、これは、たとえば
倍額支払いの
条項といったようなものは
簡保のほうがすぐれておる。それから、
保険に入った以上は、
保険金の
支払いということが一番問題になってくるわけですが、これはもう一万五千という
郵便局で即時に支払う、そういう点は、
かなり民保よりも進んだ、すぐれた点ではなかろうかと、以上お答え申し上げる次第であります。