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1964-07-31 第46回国会 参議院 逓信委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年七月三十一日(金曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     占部 秀男君    理事            鈴木 恭一君            寺尾  豊君            松平 勇雄君            久保  等君    委員            植竹 春彦君            郡  祐一君            白井  勇君            最上 英子君            安井  謙君            永岡 光治君            野上  元君            白木義一郎君            須藤 五郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 徳安 實藏君   事務局側    常任委員会専門    員       倉沢 岩雄君   説明員    郵政政務次官  服部 安司君    郵政大臣官房長 淺野 賢澄君    郵政省大臣官房    秘書課長    北 雄一郎君    郵政省電波監理    局長      宮川 岸雄君    郵政省電波監理    局放送部長   館野  繁君    郵政省電波監理    局無線通信部長 藤木  栄君    郵政省人事局長 曾山 克巳君    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君    日本電信電話公    社厚生局長   飯森  実君    日本電信電話公    社施設局長   橋本 一郎君    日本電信電話公    社保全局長   鈴木 一松君   —————————————   本日の会議に付した案件郵政事業及び電気通信事業運営並  びに電波に関する調査  (新潟地震並びに北陸山陰地方の  豪雨災害による郵政事業等復旧状  況並びに被害状況について)  (東京オリンピックテレビ世界中  継問題に関する件)   —————————————
  2. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ただいまから逓信委員会開会いたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  新潟地震と、それから山陰及び北陸地方豪雨災害による郵政事業等被害状況及び復旧状況等につきまして、一括して御説明を願います。浅野官房長
  3. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) お手元に新潟地震に対しますもの並びに山陰北陸豪雨に伴います被害状況と、措置いたしました状況をまとめまして差し上げてございますが、それに基づきまして御説明さしていただきます。詳細につきましては、私どものほう並びに電電公社専門の担当の者も参っておりますので、また、御質問によりまして御説明さしていただきます。  新潟地震に対する分でございますが、ごらんのように、非常に被害を受けておりましたが、幸いにしまして各員が努力してまいりまして、大体被害復旧いたしております。  まず、五ページの3のところでございますが、災害を受けられた方に対しましては、救護並びに金融措置をそれぞれいたしております。これに対しましては、郵便はがき無償交付、それからお年玉寄付金配分、これは新潟県に対して八百二十万円、山形県に対しまして百二十万円であります。それから、はがきは一人五枚であります。それから為替貯金業務非常取り扱い、これは被災地郵便局百八十局におきまして実施いたしております。それから保険につきましては、非常取り扱い被災地の二百三十局におきまして実施いたしております。それから事業団のほうから災害医療救護活動といたしまして、それぞれ医者並びに救護班を派遣いたしました。それから被災地域公共団体災害応急対策実施に伴いまして、災害応急融資をいたしております。これにつきましては、二十億円の原資を確保いたしまして、新潟市に対しましては四億円の貸与、その他十九市町村に対しまして八億円の融資をいたしております。  それから公衆電気通信関係でありますが、これも直ちに電電公社におきまして、非常災害対策本部を設置いたしまして、手ぎわよく対処いたしました。  被害状況といたしましては、七ページにございますように、市内電話回線におきまして二万一千八百十八回線、市外電話回線が二千八百九十五回線、電信回線におきまして四百二十四回線、テレビ回線が三回線、これだけの被害を受けたわけでありますが、特にここにおきましては、地震でありますから、地下管路マンホール等主要ケーブル等が非常にいたんでおりましたが、これにつきましても、適確措置をいたしました。その応急復旧状況でありますが、九ページにございますように、電話につきましては、二万二千二百四十三加入のうちで罹障しました分は二万二百四十三、九一%でありましたが、七月上旬には、架設不能のもの二百十一を除きまして、全部復旧を完了いたしております。それから市外電話回線につきましては、六月二十二日に通話不能区域がなくなりまして、二十三日には、これまた応急復旧が完了いたしております。テレビ回線は六月十八日、電信回線は二十三日に、これまた応急復旧を完了いたしております。電報につきましては、六月二十七日に平常に復しております。被害額としましては、大体七十三億円ぐらいになる見込みということで、いまいろいろ対策を練っております。  それから災害を受けられた方々に対しましては、災害を受けられた方が発信いたします災害関係電報料金免除、それから被災地に特設いたしました公衆電話からの通話料金免除、この措置をとっております。  それから電波関係におきましては、NHK並びに民放ともに、これまた適確に対処いたしまして、非常にすみやかに放送を開始いたしました。数分間停波しただけでありますが、開始いたしました。NHKにおきましては、ラジオは終夜放送をやる、また、新潟放送におきましては、社屋が浸水のため非常に困ったようでありますが、一時間半ないし二時間の停波の後に、直ちに応急復旧いたしまして、災害状況実況放送等を行ない、民心の安定に非常に努力いたしております。それから日本放送協会におきましては、受信料免除を、これは災害救助法適用地域に対しまして実施しております。  それから一般無線関係といたしまして、警察庁、気象庁、海上保安庁、建設省、国鉄、電電公社地方公共団体等無線施設でありますが、これは電源浸水のためにとまりましたり、亀裂によってとまったりいたしましたが、予備電源を使いまして、最大限に活動をいたしております。また、アマチュア無線も非常に活動いたしまして、こういった被災地状況把握等に努力いたしました。  以上が新潟状況であります。  それから山陰北陸豪雨に伴うものでありますが、こちらのほうは、被害状況——第一ページにございますが、まず、郵政関係のほうから申し上げますと、郵便局舎関係浸水いたしましたもの、破損いたしましたもの、大体五十二局舎ばかりございます。そうして郵便運送集配、こういった面も一時影響を受けておりましたが、これまた山陰本線は八月三日、木次線は大体三十日ごろまで——きのうあたり復旧したはずであります。それから羽越本線は二十四日午後に復旧いたしております。自動車郵便線路も、これは二十一日に復旧いたしております。  直接の被害額といたしましては、山陰が六百五十万円、北陸が八十六万円、計七百三十六万円。  職員関係におきましては、職員負傷、これが二名出ております。職員住宅被害も相当数出ておりまして、職員の家族二名、まことにお気の毒でありますが、死亡いたしております。  こういった災害に対しまして対処いたしました措置でございますが、広島郵政局は、直ちに災害本部を設置いたしまして、応急措置を十分にとっております。で、災害を受けられた方に対しましては、救援並びに金融措置といたしまして、新潟同様、郵便はがき無償交付、それから為替貯金非常取り扱い、これは百二十三局で実施いたしました。それから保険非常取り扱い、それから事業団のほうから災害医療班を派遣いたしております。それから保険積み立て金災害応急融資、これも実施いたしまして、十五億円を準備しまして、二十九日現在におきましては、島根県に八億、それから県下の市町村に対しまして三億、合計十一億の融資措置いたしております。それから、お年玉はがきのほうの配分でありますが、これは島根県に九十五万、石川県に三十五万、鳥取県に十五万、富山県に十五万、合計百六十万円の配分を決定いたしております。  それから公衆電気通信関係でありますが、これまた、公社のほうにおきまして、適確に処置をいたし、七月二十三日までに応急復旧を完了いたしております。被害といたしましては、ここにございますように、市内電話回線で二千八百六回線、それから市外電話回線で百十七回線、電信回線で十九回線、これは北陸地方であります。山陰地方では、市内電話回線で二千二百三回線の障害、市外回線で二百七十五回線、不通対地十五局、こういう状況でありましたが、ただいま申し上げましたように、七月二十三日までには全部復旧を完了いたしております。  災害を受けられた方に対する救援措置といたしまして、これまた、新潟と同じように、被災者発信災害関係電報は、これは無料、それから特設公衆電話による通話料金免除しております。  被害総額といたしましては、山陰は約五千万円、それから北陸は二千四百万円、合計七千四百万円、こういうふうに考えております。  それから電波放送関係といたしましては、一般無線通信といたしまして、警察庁もこれが全部通っております、十九日十八時二十分、十九日十五時五十分。  放送関係におきましては、日本放送協会におきまして、これまた、新潟同様、災害救助法適用地域におきます被災受信契約者に対しまして、受信料免除を実施しております。  以上でございます。
  4. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 本件について質疑のある方は、御発言願います。
  5. 久保等

    久保等君 いまの被害金額報告なんですが、いずれも何か応急復旧費という被害金額をあげているらしいのですが、いままで応急復旧するために使った経費をさしているのだろうと思うのです。そうじゃなくて、ほんとうに受けた被害総額、これをそれぞれ報告してもらえないですか。もちろん、正確な金額を出すことは困難かと思うのですが、単に応急復旧費という程度では、何か被害額とはだいぶ性格が違うじゃないかと思うのですがね。したがって、そこらあたりのひとつ説明を願いたいのですがね。
  6. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) これは災害復旧全部に対する復旧予定お金でございますが、それの細部につきましては、公社から保全局長が来られておりますから……。
  7. 久保等

    久保等君 たとえば具体的に、新潟なんかの場合について。
  8. 鈴木一松

    説明員鈴木一松君) 新潟地震につきましては、応急復旧が約十億、本復旧が六十三億でございます。山陰地方の七千四百万円のうち、約一千万円が応急復旧残り六千四百万円が本復旧でございます。
  9. 久保等

    久保等君 郵政のほうはどうですか。
  10. 北雄一郎

    説明員北雄一郎君) 郵政の場合でございますが、新潟の場合、約八千万円が応急復旧でございます。あとの三億余というものが、一応原状に戻すための復旧費でございます。それから山陰北陸の場合七百万円余り、これは水害でございましたために、これはいままでに使った金ですから、応急復旧であり、かつ、ほぼそれが金額的にも本復旧とほとんど同じことになると考えております。
  11. 久保等

    久保等君 あまり詳細な質問はやめますが、ただ、本復旧の場合には、一体、本年度内復旧といっても、なかなか新潟なんかの場合にはむずかしいだろうと思うのですが、これは主として公衆電気通信関係電電公社関係になると思うのですが、本復旧は、どのくらいの期間の間に本復旧できる一応見通しなのか、そこらあたりのひとつ説明を願いたいと思うのですがね。
  12. 橋本一郎

    説明員橋本一郎君) お答えいたします。  本復旧六十三億のうち半額の三十億につきましては——三十三億のほうは大体地下ケーブル工事が主体、それから一部小さなものの復旧もございますが、これは相手方道路計画もございますけれども、われわれとしては、道路が始まりますれば、それにむしろ先行してやらなければならぬような立場に立ちますので、できるだけ早くやらなければならぬと思っておりますので、相手方ともまだ話もすっかりついておりませんけれども、急がれれば年度内にもやらなければならぬかと思っております。  それからもう一つ、ああいう残りの三十億ばかりは、これは新潟市外局傾斜しております。それから、その横に新市外局を建てようとして、くい打ちを終わったところでございますが、これがいま検討をしておるのでございますけれども、その傾斜のまま建ち、簡単な防護でとどめ得るということが可能かどうか。可能だという答えが出ますと、この三十億につきましては要らないことになります。ほんのわずかの傾斜をとめる防護工事だけで終わると思うのでございますが、検討の結果、もし、どうしてもこの傾斜をとめることができないということになりますと、これは来年度まで、あるいは再来年度まで続く工事になるかと思っております。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 いま山陰報告を聞きましたが、私もちょうど被害を受けた直後に行ったわけですけれども、七百万円というものは郵政関係だと思うのですが、局舎だけですか。これはちょっと非常に少ないような感じなんですけれどもね。
  14. 北雄一郎

    説明員北雄一郎君) 郵政でございますが、山陰北陸両方で一応七百三十六万円ということに相なっております。これはいわば直接の損でございますから、おっしゃいましたように、局舎関係がほとんど全部でございます。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 それから、これは両方に共通する問題ですが、特に電電公社関係だと、両方合わせまして八十億近くになるだろうと思うのですが、これは予算措置はどうされるわけですか。
  16. 橋本一郎

    説明員橋本一郎君) 御指摘のとおり多額でございますので、補正予算をいただかなければならぬかと考えております。
  17. 永岡光治

    永岡光治君 予備費はどのくらいありますか、いま。
  18. 橋本一郎

    説明員橋本一郎君) それになりますと、実は私のほうの所管ではございませんけれども、いま予備費は三十億あるのでございますが、御承知のように、ベースアップとか、事前にいろいろとその使途についてもすでに計画がございますので、この方面からはまかなえないのじゃないかと思っております。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 私もおそらくそうだろうと思うのですが、単なる予備費だけの支出でこれは当分糊塗するといっても、たいしたことはできないと思うのですが、これは大臣政務次官の今度は関係になるだろうと思うのですけれども臨時国会ほいつごろ大体開かれる予定ですか。
  20. 服部安司

    説明員服部安司君) 臨時国会はまだ別にそういった話も聞いておりませんけれども新聞紙上で伝えられるとおり、大体十月の下旬とかいう話だったのでありますが、しかし、御指摘のとおりに、非常にこの種のことは緊急を要する問題でありますので、十二分に意を体して、何とかこの方法を措置しなければならないわけでありますが、ひとつ緊密に連絡をとって、また後刻でも連絡したいと思います。ちょっと判然としないものですから……。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 これは他に臨時国会開会を必要とする案件もありますが、この問題も一つ私は大きな項目になると思うのですわ。しかも、緊急を要する問題でありますので、早急にこれは開いてもらわなければならぬと思うのでありますが、その臨時国会において補正を組むという方針には変わりないと思うのですが、どうでしょうか。
  22. 服部安司

    説明員服部安司君) 当然、現在、予備費の残高の額からいっても、復旧せざるを得ないわけでありますから、臨時国会には補正予算を組まなければならないと考えております。
  23. 永岡光治

    永岡光治君 その間における措置ですが、当然予備費等でまかなうわけでありますが、これは電電公社郵政当局両方関係するわけですが、本復旧ですね、応急はすぐやるだろうと思うのでありますが、本復旧完成はいつを大体考えおいでになるのですか。すなわち、特に新潟あたり復旧はかなり長期の期日がかかると思うのでありますが、年度内完成を目途にしてやる分もかなりあるのじゃないかと思いますが、そういう関係補正予算との関係等もあると思うのですが、どういう考えを持っておいでになるのか、お尋ねしたいと思います。
  24. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) 新潟につきましては、特に郵政関係におきまして被害の大きいのは、郵便局地方貯金局逓信病院、こういうところのように考えております。いずれも地盤の問題がございます。鉄筋につきましては、いますぐにきめかねておる状況でございます。応急措置といたしまして、仕事がしやすいようにいろいろ手を打っておりますが、一応地方貯金局につきましては、四十年度予算要求をする、こういうことにおきましてただいま取り運んでおります。また、病院につきましては、もう少し基礎的な調査をいたしまして、予算要求をいたしたい、かように考えております。  それから電信電話につきましては、施設局長から……。
  25. 橋本一郎

    説明員橋本一郎君) 先ほどもお話し申し上げましたように、主として大きなものは地下ケーブルでございます。これは相手方の、道路復旧との関連もございます。それで、私どもだけ単独に目標はまだきめかねており、ます。関係方面と緊密な連絡をとりつつやっております。しかし、道路復旧工事完成いたしますれば、早く地下に埋めかえなければならぬものでございますので、むしろ先行的な工事となりますので、年度内にやらなければならぬかという気持ちもしておると、こういうことでございます。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 大体の構想はわかりましたが、早急にひとつ着手してもらいまして、政府当局責任者におきましては、補正予算なり、その他の応急措置を早急にひとつやってもらいたいと思うのです。  それからもう一つ、これは郵政電電当局へひとつお願いをし、善処してもらわなければならぬ問題は、被災者住宅復旧ないし生活の問題があると思うのですけれども、この問題について、もちろん、その府県なりあるいは市町村においてできるだけの措置はされていると思いますけれども、私が現地を見た限りにおいては、期待は持てない状況だと思います。特に調査におきまして、財政は御承知のとおりの状況でありますから、とてもそこまで手が伸びるというわけにまいらないと思うのです。したがって、これはもうその職員をかかえておる郵政なり電電のほうで便宜の措置をひとつとってもらいたいと思うのでありますが、そういう措置について何かお考えを持っておいでになりますか。
  27. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) 新潟につきまして申し上げますが、ただいま御指摘のように、関係被災職員が相当出たわけでございますが、ただいま考えておりますのは、住宅につきましては、必要戸数は大体四十戸と見まして、これを措置するようにただいま検討中でございます。  それから郵政省で建てております宿舎が百四十六棟がやはり災害を受けております。さっきのは自分の分であります。国で建てておりますのは百四十六棟ございますが、これにつきましては、応急復旧をとりあえずいたしまして、なお落ちつきましてから手を加えたい、こういうふうに考えまして、いま準備いたしております。
  28. 飯森実

    説明員飯森実君) 電電公社関係宿舎につきましてお答え申し上げます。  ただいま信越通信局中国通信局のほうと十分打ち合わせ中でございまして、非常に困っている方々住宅については、本年度中すでに住宅予算を流しておりますが、そのほかに何とかして建てたいということで計画中でございます。
  29. 永岡光治

    永岡光治君 いまの住宅を建てることはけっこうなんですが、どういうのですか、郵政省が建てて貸すというのか、金融方面を見てあげるというのか、あるいは電電公社の場合も同様なことが言えると思うのですが、復旧について、具体的にどういう措置をされるのか、お尋ねしたいわけです。
  30. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) 郵政関係におきましては、国で建てまして中へ入れる、こういうふうな方案を考えでおります。それから国の分でいたしましたものは修繕する、こういうふうに考えております。
  31. 飯森実

    説明員飯森実君) ただいま、新潟地方及び山陰地方におきましても、現実に、特に山陰地方においては特別な措置はせずに、何とかほかの親戚とかその他に入っておられる方々がございます。新潟のほうでは、ちょうど工作工場が移転しまして、そのあとがあいておりましたので、そのあとに、とりあえずの仮宿舎をつくって収容しておりますが、そのほかにも親戚その他お世話になっておる方がおるようでございますので、その方々に、十分準備して新しい宿舎を建てるということを計画しております。   なおまた、ただいまお話の中にもございましたように、県その他とも連絡いたしまして、そういうところで建てる住宅につきましても、十分公社職員の入居についてバックアップをしていきたいというように考えております。
  32. 久保等

    久保等君 関連して。この報告書を見ると、郵政関係職員被害についての報告が載っておりますが、電電公社関係については、被害関係は全然載っかっておらないのですが、職員被害状況をひとつ簡単に、ごく簡略に電電公社関係を御説明願いたいのですが……。
  33. 飯森実

    説明員飯森実君) 申し上げます。  まず、新潟地震関係について申し上げます。まず公社職員で、けがはしましたが、なくなった方はありません。けがといっても、ほんとうに休むようなけがではなく、かすり傷程度のことで、けがというほどではございません。  住居被害でございますが、新潟山形、秋田三県を一緒にして申しますと、全壊が二十八戸でございます。半壊が七十戸、三分の一壊が二百九十六戸、小破三百五十四戸、床上浸水百二十センチ以上が十一戸、床上浸水三十センチ以上百五十二戸、床上浸水三十センチ未満六十五戸、床下浸水が百十二戸ということになっております。  それから山陰北陸関係のことを申し上げます。職員負傷が実は六名。鳥取で五名、島根県で一名出ておりますが、いずれも捻挫とか軽いやけど、そういうふうなものが六名。  住居被害につきましては、鳥取島根石川富山、福井各県の合計で申し上げます。全壊が九戸、全水没が二戸、半流失が二戸、半壊が二戸、床上浸水が百五十一戸、床下浸水が四百五十四戸、以上でございます。
  34. 久保等

    久保等君 それで、いまだにどこか応急避難をした状態のままでおる者が相当というか、ある程度いると思うのです。そういったもとのところに帰るに帰れない、何とか家を建てなければ帰れないといったような、非常にお気の毒な人たちがいるように聞いているのですが、そういった問題については、私は、従来いろいろ先例なり慣例はあろうと思うのですが、しかし、先例慣例だけではやはり解決できないような問題、こういったことについては、相当思い切って何とか住居に対しては、自分住居を持っておったのならば、自分住居にはいれるように特別の融資考えてやるとか、何か特例というか、やはり特別の措置考えないと、なかなか立ちのき先から戻ってこられないといったようなお気の毒なところがあるように私も聞いておるし、また、先般私もちょっと新潟に行ったときも、そういう現場も見ているのですが、そういったことについては、本社で特別な考慮を払って措置を講じないと解決しないのじゃないかと思うのですが、そういったことについてどんなふうにお考えですか。
  35. 飯森実

    説明員飯森実君) お答えいたします。  先生のおっしゃられましたように、ほんとうにお気の毒な方が多いわけです。で、共済組合といたしましても、いままで自分住宅を持っておられる方もおりますので、そういう方に対して、自分のうちを復旧するためにいままで借りておったほかにもなお限度以上に融資をする。これは修繕のためのお金融資する。なお、そのほか、住宅だけでなしに、一般に困っておる方に融資するという措置をとりまして、なお、その辺の融資したお金の弁済は、二年間くらいは猶予してやろう、こういうふうな措置をとって、両々相まって住宅問題を解決していきたいというふうに考えているわけでございます。
  36. 久保等

    久保等君 今回の災害で私も痛感したことは、いろいろマスコミが非常に発展をした今日、災害復旧について非常に迅速に、しかも、これが全国民の関心の中で非常に急ピッチに進められたこと、これは私もその労を非常に多とし、関係者の御努力に敬意と感謝をささげたいと思うのです。特に通信関係の場合には、何をおいてもまず第一義として復旧しなければならぬ重要な公共事業であるだけに、そういった事業復旧の問題について、特に近隣といわず、遠くのほうからもいち早く応援にかけつけたりなんかして復旧に当たられた点については、涙ぐましい努力が数々あったことを私も現地でお聞きしたり、あるいはまた報告も聞いたりして非常に心強く感じますと同時に、これらの非常なこういった一朝有事の災害にあたってほんとうに思い切った迅速な措置をとったことについては、心から敬意を表したいと思うのです。したがって、それだけに、また、反面においては、職員そのものが非常に被害を受けられた、それでいまだに落ちつく先がわからない、めどが立たないというような人が、数の上からいえばそうたくさんではないのですが、また、そうたくさんでないだけに、私は、決意いかんによっては、これに対する措置が十分にとれると思うのですが、そういう点で、ひとつぜひ、せっかく、日夜自分の家庭もあまり顧みないで、公共事業の発展、また、こういった災害時の復旧に努力をせられておる職員等についての被災者に対する処遇なり、あるいは住宅等の問題については、これは個人そのもので、どうしゃっちょこ立ちしても解決できない問題であるだけに、当局でひとつぜひ英断をもって早急に解決をするように努力をお願いしたいと思います。  幸い、電電公社の場合には、総裁もお見えになっておりますから、この点について私は総裁に、ただいまも申し上げた感謝の意は総裁に申し上げますと同時に、これら職員の方に対する、ぜひ救済の手は、今回の新潟地震の場合、また、いろいろ変わった事情の中で起きた災害の問題、集中豪雨等で受けた山陰の場合についてもそうですし、山陰の場合には、負傷せられた方もだいぶあるようですが、こういったことについての措置は、従来いろいろ前例もありますし、また、比較的簡単というか、措置が行なわれると思いますが、住宅問題については、なかなか簡単に解決できない面もあると思うのですが、したがって、新潟地震といわず、山陰方面を含めて先般来の災害について職員の受けた被害については、ひとつ最善の御尽力を願いたい。また、従来の前例なり方法だけでは解決できない問題については、ひとつ新しい方法をお考えいただいて、ぜひ善処願いたいと思うのですが、総裁のほうから一言、そのことについでの御答弁を願いたい。
  37. 大橋八郎

    説明員(大橋八郎君) ただいま久保さんからいろいろお話をいただきましたが、先ほど厚生局長から申し上げましたとおり、私のほうとしては、百方方策を講じてできるだけの措置はとりたいと、かように考えております。
  38. 永岡光治

    永岡光治君 引き続いて質問を続行いたしますが、ただいま郵政及び電電のほうからの答弁を聞いたわけでありますが、政府のほうで個人の住宅についても一応建てるようにしておるのだ。これは応急住宅であって、永久に住まえるというか、そういううちのことについて考えおいでになるのかどうか、その点はどうなっておるのでしょうか。
  39. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) 先ほど申し上げました約四十戸を建てますと申し上げましたのは、これはずっと住んでいただける普通の官舎でございます。
  40. 永岡光治

    永岡光治君 電電のもそのように理解していいわけでしょうか。
  41. 飯森実

    説明員飯森実君) さようでございます。
  42. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、家のなくなった人は応急的にそういうことで——応急でありません、恒久的なものが建てられるというわけでありますから、それで一応めどはつくわけでありますが、次の問題は、山陰地方における特にこの水に埋まった、どろや何かで埋まった、たいへん気の毒なうちがあるわけで、職員の皆さんからの応援を得まして、家の中にたまったどろを出すとか、片づけをやっているようですが、ほとんど使えなくなっておるわけですね、畳だとか、その他の問題が。そういうものについて復旧するのに、これもかなり金が要るのじゃないかと思いますが、それぞれに組合等も、共済組合あるいは相互扶助規程等による見舞い金等が出ておるだろうと思うのでありますが、それだけで復旧しないものが考えられると思うのです。そこで、そういう問題については、前例ももちろんあるでしょうけれども、いまも話がありましたように、何しろ特別な災害でもありますししますので、私も山陰地方の加茂というところを見たのですけれども被害が非常に大きいのですね。職員住宅で十五戸以上も完全に使えない水没の状況であるわけです。これの復旧には、かなりの金が要るだろうと思うのですが、したがって、見舞い金等で足りない分が要請される場合には、特別な措置として何かの方法で融資措置考えてあげるというような措置を当然とるべきじゃないかと思うのですが、そういう点について、どういうお考えを持っておられるのかお尋ねしたい。
  43. 北雄一郎

    説明員北雄一郎君) お答え申し上げます。  郵政省の場合も、共済組合の貸し付け制度がございまして、その中で住宅貸し付け最高額百万円だったと記憶しておりますが、あるいは住宅の修繕貸し付け、それから、それらにつきましての災害時の貸し付けの場合の据え置き期間の設定等の制度がございますので、そういった諸制度をこの場合フルに活用して、職員の生活の安定に資したい、かように考えております。
  44. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 速記をとめ  て。    〔速記中止〕
  45. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 速記をつけて。
  46. 永岡光治

    永岡光治君 大体応急措置及び恒久措置のおおよその概略は、私ども承知することができました。要するに、私どもの要望したいことは、こういう緊急事態でもあるし、また、特別の災害でもありますので、法規、典例等いろいろあるでありましょうけれども、特別なやはり措置が必要である。現地からの要望があれば、そういう問題について十分耳を傾けて、適切なひとつ処置を講じてもらいたいということに尽きるわけであります。そのことを特に、大臣も御出席になっておるし、大臣の出身地のまた被害でもありますので、万全を期していただきたい、このことを強く要望しておきたいと思うのです。
  47. 徳安實藏

    ○国務大臣徳安實藏君) ただいま御質問の趣旨、よくわかっておりますので、最善を尽くして御期待に沿うようにいたしたいと思います。
  48. 野上元

    ○野上元君 二、三いまの災害の問題で御質問したいのですが、電電公社の場合には、大体応急復旧費というふうにはっきりしておるのですが、郵政の場合は、応急と本復旧との区別はないのですね。大体ここにあげられておる額がいわゆる本復旧でもあるというわけですね。
  49. 北雄一郎

    説明員北雄一郎君) お答え申し上げます。  郵政の場合は、実は応急復旧と、いわば中間復旧と、それから最後の恒久的復旧と、三つの段階に区別して考えております。  応急復旧と申しますのは、たとえば局舎でございましたならば、とりあえず業務が最低限度やれるという状況まで復旧いたすのを応急復旧といたしております。  それから中間復旧と申しますのは、一応原状に近い形へ持っていくということを考えております。  恒久復旧と申しますと、たとえば新潟逓信病院のような場合でございますが、これは病棟が一メートル五十センチばかり沈下いたしました。こういったものにつきまして、現在それで沈下して傾斜しております、これを完全にそこでまっすぐに建て直してまた持ち上げる、あるいは、それが非常にできないことであれば、いっそ、ぶっつぶしてしまって新しいものを建てる。これがまあ恒久的復旧、そういう実は三段階に考えております。
  50. 野上元

    ○野上元君 郵政の場合は、大体私も新潟を、現地を見てまいったので知っておるのですが、本復旧で最も時間がかかるのは、大体新潟の一部だけでしょう。その他はあまり本復旧応急復旧が大体同時に行なわれると考えていいんじゃないですか。
  51. 北雄一郎

    説明員北雄一郎君) そのとおりでございます。
  52. 野上元

    ○野上元君 電電公社にちょっとお聞きしたいのですが、本復旧応急復旧との差ですね。これはわれわれもわかるのですが、電話あるいは電信のサービスに差がありますか、応急復旧と本復旧との間に。
  53. 橋本一郎

    説明員橋本一郎君) サービスには差がございませんように承知しております。
  54. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、ここで応急復旧というのは、サービスにおいては本復旧だけれども、建物等破損されたものを完全にもとに復する点においては本復旧でない。したがって、サービスにおいてはもう本復旧しておるのだと、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  55. 橋本一郎

    説明員橋本一郎君) おっしゃるとおりに、サービスの状態としましては、もとに戻っておりますけれども、設備的に見ますと、非常に弱いものがあります。臨時措置でやっておりますので、そのサービスを継続していくためには、本復旧をやらなければならぬような状態であるわけでございます。
  56. 野上元

    ○野上元君 先ほど大方針については、御両氏から聞かれてお答えをいただいて、アウトラインはわかったのですが、二、三具体的な問題で質問したいと思うのですが、郵政省及び電電公社から、被害を受けた職員に対する救済資金というものが出ておりますね。その使途の内容を聞きたいのですが、どういうようにそれは使われるのですか、救済資金というものは。
  57. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) 職員に対しましては、住宅に伴います分と、それから生活に伴います分と、二つに分かれると考えております。  住宅に対する分につきましては、ただいま御報告申し上げました形におきまして、できる限り国で建て、または修繕いたします分と、それから、やはり本人で建てることを希望する人が地方は多うございますから、秘書課長から申しましたように、できる限り資金貸与という形で解決いたしまするので、こういった形で宿舎関係は解決いたしております。  それから生活に対する分といたしましては、救援物資としてできる限り送っております。これが、たとえば新潟におきましては食料品、日用品等で二百十五万円を直ちに送っておりますが、トラックで運びまして、できる限り生活に伴います分としまして、食料品、日用品等を送っております。それから災害見舞い金といたしまして、これは俸給の三カ月分以内を、程度に応じ支給いたしております。それから希望者に対しましては、災害貸し付けも別途いたしております。次に、共済年金受給者のうちで年金証書とか印鑑とか、こういったものをなくしました者に対しましても、非常払い、こういったものもいたす、こういうふうな形で災害救助をいたしております。
  58. 飯森実

    説明員飯森実君) お答え申し上げます。  御質問お金をどう使っているかということは、ちょっとまだよくわからないのですが、いま郵政省から御答弁になりましたような範囲で御答弁申し上げます。  私どもでも、災害発生と同時に、それぞれ、とりあえずの救援物資として、食糧衣料品その他をトラックをもって運びました。それから公社といたしましては、こういう場合に見舞い金を出すきめがございますので、それによってお見舞いをいたしました。これはお金でございます。それから共済組合といたしましても、すでに先ほどもちょっと申し上げましたように、災害見舞い金というものが出ることに、これは法律できめられていることは、御承知のとおりでございます。それを出したほかに、共済組合からの特別な貸し付け、これは住宅を建てる場合、あるいは修繕する場合、あるいはまた、まあ災害があったので何だかんだとお金が要る、こういうもの、こういうものにつきましては、一部はすでに郵政の監督官庁とも御相談いたしまして、内々御了解を得まして——実はまだ本年度予算の御認可を得ていないんですが、すでに大体御了解を得ている線で少し増額いたしまして、増額した線でお貸しするというような措置もとっておる次第でございます。  ちなみに、共済組合ですでに——これは中国のほうは実はまだ調べておりませんが、急遽調べました信越関係では、大体そういう貸し付けを受けておられる方——まあ、こういうことを見ますれば、いかに職員自分の生活立て直しに励んでおるかということの一端も御想像できるかと思いますので、御報告申し上げますと、新潟で、いままで大体見込みでは、いろいろの貸し付けで四千七百万円くらいのものを希望しておるというような御報告が来ております。その中には、災害の貸し付けや修繕の貸し付けだとか、あるいはまた、いままでお金を借りてうちを建てたのに、またもう一ぺんその上に、今度これで借りたいというようなものあるいは、何とはなしにお金が要るというようなものを含めて、大体見込みとしましては四千七百万円くらいはあるだろうというようなことが報告されております。職員自身もみずから立ち上がる意欲が非常に強いというように考えられるわけであります。
  59. 野上元

    ○野上元君 私が聞いたのは、衣と食と、それから住とは、別個な対策を立てておる、こういうことを聞きたかったんですが、そうですね。
  60. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) おっしゃるとおりでございます。ただし、総合的にいたしておりますが、両方ともいたしております。それから毛布とか、こういった日用品等も、生活に伴うものも救援物資として差し上げております。
  61. 野上元

    ○野上元君 大体わかりました。  それで、さらにお聞きしたいんですが、新潟へ行ってまいりますと、相当多数いわゆる職員の個人の住宅がやられているわけですね。それで、まあ、これを復旧したいという考え方、当然の話なんですが、それに対して郵政当局としては、先ほど百四十棟に対する応急的な措置を行なうというようなことが言われておるわけであります。それは当然私はやらなければならぬと思うんですが、しかし、それだけでは万全ではないと思うんですよ。したがって、個人でみずから復旧したいという人もおるわけです。だから、そういう人たちには、先ほど来質問がありましたように、強い要望があるわけですから、それにこたえてもらいたいと思うんですが、今日の状況の中で、たとえば共済組合から資金を融通させてもらいたいという要望があった場合には、最限度幾らまで、貸すことになっておるんですか。
  62. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 先ほど秘書課長からお答えいたしましたように、貸し付けといたしましては、災害貸し付け、それに住宅修繕貸し付け並びにいわゆる住宅貸し付け、この三種類があるわけでございます。住宅貸し付けについて申し上げますと、最高額が百万円でございます。三十万円までは無担保でございます。なお、住宅修繕貸し付けの最高額が十五万円でございます。さらに災害貸し付けにつきましては、今回初めてでございますが、従来の単価の倍額を貸し付けることにいたしました。
  63. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  64. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 速記を始めて。
  65. 野上元

    ○野上元君 いまのもう一ぺんお聞きしたいのですが、共済から貸し付ける場合には、いわゆる災害貸し付け金というのがございますね。これは幾らですか。
  66. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 正確な基準は一万、二万、三万という三段階がございます。今回はそれを倍額にいたしました。
  67. 野上元

    ○野上元君 そうすると、家の全壊の場合の復旧に対する融通は、これはいわゆる住宅貸し付けとみなして、三十万のやつを六十万円貸す、こういうことになりますか。
  68. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 全壊の場合につきましては、住宅貸し付けでございますので、百万円まででございます、限度額は。三十万円と申しましたのは、無担保で三十万円まででございます。そういう意味の無担保限度額を申したのでございます。
  69. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、全壊したものの復旧の場合には、無担保で三十万円までは借りられる。しかし、最高額百万円までは、有担保ならば借りられる。その担保物件ですね、それはでき上がった建物を担保にしていいのです一か。
  70. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) そのとおりでございます。
  71. 野上元

    ○野上元君 さらに修繕の費用は十五万円ということにいま言われたのですが、これは三十万円まで貸す、こういうことですか。
  72. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 一応きまっておりますのは十五万円でございます。
  73. 野上元

    ○野上元君 いや、今回それを特別措置として三十万円にするということになったのですか。
  74. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 倍額の措置はいまのところ考えておりません。必要な方は、住宅貸し付けの制度のほうにお移りいただくようにということを勧奨している次第でございます。
  75. 野上元

    ○野上元君 これは新潟被災者のほうから要望があったのですが、いまの災害貸し付け金の三万円が限度になっているが、これを六万にしてもらいたい、こういう要望です。それから住宅修繕資金というのですか、これが十五万円のやつを三十万円にしてもらいたい、こういう要望があるのですが、その要望には応じられますか。
  76. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 第一の災害貸し付けにつきましては、御要望のとおりいたしたわけでございます。第二の修繕貸し付けにつきましては、先ほど申しましたように、しょせん、住宅修繕貸し付けでは間に合わないと見ましたので、いわゆる住宅貸し付けの百万円を限度としますほうへお移りいただくように勧奨する次第でございます。
  77. 野上元

    ○野上元君 その住宅貸し付けと修繕貸し付けとの間に損得はありますか、借りるほうから見ますと。
  78. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 損得はございません。
  79. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、わざわざ倍額にしなくても、住宅資金の貸し付けによってそそことの要求は十分まかない得ると、こういうふうに判断してよろしゅうございますか。
  80. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) そのとおりでございます。
  81. 野上元

    ○野上元君 官房長、急いでいるようですから、お聞きましますがね、この前、新潟に私、行ってきました。それもちょうど、まだ黒煙もうもうとして、石油タンクが火をふいているときに行ってきたのですが、ちょうど逓信病院と貯金局を見てきましたが、非常に損害を受けているわけです。にもかかわらず、患者はあの中にまだおりました。それに、ああいう震災のあとですから、病気も相当出ているし、診察もどんどんやらなければならぬということで、院長も非常に悩んでいました。帰ってきて、さっそく貯金関係の問題については、あなたに話をしておいたのです。逓信病院関係の問題についても、どなたかに私は話をしたと思うのですが、それはどういうふうになりましたか、いま現状をお知らせ願いたいと思うのです。
  82. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) 野上先生から御指摘を受けました新潟地方貯金局につきましては、できる限り配意しなければならない、こういうことにおきまして、貯金局建築におきまして、ただいますみやかに本建築にいたしますよう努力中でございます。昭和四十年度予算要求をいたすということになりました。現在、それぞれの関係局におきまして、ただいま検討いたしております。  それから逓信病院につきましては、御指摘のように、病棟で百五十センチ、それから診療部分で六十センチ埋没する、こういうふうになっておりました。この復元の方法につきましては、やはり同じように根本的に考えなければならない、恒久的復旧考えなければならないということで、現在、建築におきまして、地盤の問題、その他新潟市全体の復旧状況とからみ合わせまして、ただいま検討いたしております。しかし、これにつきましても、御指摘のように、すみやかに本格的な復旧考えなければならない、かように考えております。
  83. 野上元

    ○野上元君 私の聞くところによりますと、燃えた昭和石油は、ついにあの地点を放棄した、地盤があれじゃあぶないから放棄したということが新聞に出ておりました。逓信病院もやはり同じような状態のところにあるわけですね、下は砂ですね。砂が吹き上げてその中に埋没したわけですから、大体同じような状態にあると思います。筋向かいの貯金局も、逓信病院ほどは大きな被害を受けていないのですが、しかし、相当被害をこれも受けておると思うのですが、両者とも、あの場所に建てるということはきめられておるのかどうか、その点をお聞きしておきたいと思うのです。
  84. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) 場所につきましては、まだきめておりません。結局のところ、新潟の地盤の問題、それから今後の町づくり、一緒にあわせて考えなければいけないと思って、おります。病院につきましては、いつも敷地をきめます場合に、職員と家族の通院の距離の問題、それから病院のその他の立地、こういった点考えなければいけないと思います。必ずしも現存の地域にとらわれる必要はないわけであります。御指摘の点等考えながら、今後のあそこの地盤の問題、町づくりの問題とからみ合わせながら検討いたしたい、かように考えております。
  85. 野上元

    ○野上元君 あそこへ建てるか、移転させるかということがきまらないということになると、まだ本格復旧には手がつかないことになるのですね、土台がきまらないのですから。ということになると、逓信病院は、しかし今日開いて開業しておるわけですから、そこでどんどん診察しなければならぬのですから、すみやかに復旧しなければならぬと思うのですが、応急復旧しなければならぬと思うのですが、それはどういう程度復旧をやろうとしておられるのですか。あれを全部地上に上げてやるのか、それとも、一階だけはもう全部埋めてしまって、さらにその上に建て増すというのか、どういうふうな方法でやるのか、そういう点については、まだそれもきまっていないのですか。
  86. 淺野賢澄

    説明員淺野賢澄君) ただいまお話がございましたように、一階の部分につきましては、もうほとんど半分埋まっております。これを一階は捨てまして半地下という形において使う以外方法はない。こういう形で、中間復旧を、復旧工事ということで当面使っていくようになると思います。ただ、全体的な復旧につきましては、主管の人事局長のほうから御説明を申し上げます。
  87. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) ただいま官房長がお答えいたしましたことに付加して申し上げますと、野上先生御心配のように、あの地におきまして完全に建て直すといたしますと、約四億かかるわけでございます。しかし、現在の地盤を、あらゆる建築学的な考えられる方法で補強いたしまして、たとえばセメントを注入するということで建て直しますと、二億五千万くらいかかるというふうに考えております。したがいまして、その資金の効率的な使用等も考えて、それから、先ほど先生のおっしゃいました将来の地盤の問題等を考慮いたしまして、現在、専門家をまじえまして、建築について鋭意検討中でございます。  ただ、当面どうするということにつきましては、たとえ二億かかろうとも、当面はあの場所におきまして補強いたしまして、そうして後にやはり本復旧という形で、官房長申し上げましたような角度から検討いたして、いいところがございましたら、そこへ建てることも一案かと考えております。
  88. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  89. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 速記をつけてください。
  90. 野上元

    ○野上元君 じゃ、人事局長に伺いますが、あそこの貯金局、あれはいま官房長の話によりますと、四十年度において本建築にする、当面は応急措置でやる、こういうふうな発言だったのですが、そのとおりでよろしゅうございますか。
  91. 曾山克巳

    説明員(曾山克巳君) 貯金局は残念でございますが、私の所管でございませんので、的確なことは申し上げられませんが、先ほど官房長の御答弁になったとおりだと思います。
  92. 野上元

    ○野上元君 私の質問も大体そういう程度で終わりたいと思いますが、一つだけ要望しておきたいのですが、これは各委員も要望されたのですが、今後またいろいろと現地から具体的な要望があると思うのですが、不可能でない限り、できるだけひとつ現地の要望に沿うように御努力願いたいと思います。以上。
  93. 白井勇

    ○白井勇君 ちょっとしろうとの質問で恐縮ですけれども、無線局というものは、公共報道を主にするものについては、その場合の許可なり認可事項としまして、電源というものは必ず予備電源というものを持っておって、一般電源がかりに非常事態で切れた場合でも、そういうもので必ず埋め合わせをすることになっておって、少なくも、電源関係の故障だけで報道が中止をされるということのないような姿になっておるのかどうかということが一点ですね。  それからもう一つは、ここにありましたように、アマチュア無線局というものは、今度の災害救援に相当活動したということがありますけれども、私、しろうとで恐縮ですけれども、これはどこまでも救援活動というものを自発的にやるかっこうになっておるものなのか、あるいは、そうじゃなしに、そういう場合においては、警察なりあるいはどこかからの指令によって活動しなければならないかっこうになっておるものなのか。その二点をちょっと教えてください。
  94. 館野繁

    説明員(館野繁君) お答えいたします。  御質問の前半の予備電源の問題でございますが、放送局といたしまして、設備の上で予備電源は法律上の設置義務というものがあるわけではございませんが、業務の関係で、災害基本法その他気象法、そういう災害関係の法律におきまして、放送局は、特にNHK放送局は、警報それから状況の伝達というものの業務上の義務を負っておりまするので、その関係から、ほとんど例外なく予備電源というものを設置してございます。一方、無線局の免許といたしまして放送局の設備を免許いたします際には、多くの場合、申請者自体が予備電源を設置することを申し出てきておりまするが、電波当局といたしましては、法律上の義務にはございませんけれども予備電源の設置を従来慫慂してきております。  それから、第二点の、アマチュア無線でありますが、アマチュア無線の免許の内容、あるいは法律的な義務といたしましては、災害時における通報というものをしなければならないということはございません。しかし、 アマチュア無線以外にも、公共機関、放送局その他公衆通信機関が集まりまして、非常無線協議会というものを形成いたしまして、その中で、アマチュアが災害時における通信連絡の訓練というようなものにも参加いたしておりまして、まあ非常の際には、みんな自発的にこの通報、通信に協力をしてやってもらっているというかっこうになっております。
  95. 白井勇

    ○白井勇君 ちょっと私は思うのですけれども、具体的にまあ許可なり認可します場合にも、自家発電を必ずこういう場合にはしなければならぬぞという、やっぱり一つの法的な制限がないと私はぐあいが悪いのじゃないかと思います。  もう一つは、いまの第二の問題ですけれども、これは協会があって自発的に何か打ち合わせをしておるのかもしれませんけれども、これは逆に妙なデマでも飛ばされればそれきりの話になりますね。これもやはり何か、そこらあたり法的なあれがいいのかどうか知りませんけれども、そういう場合には、こういうような体系でこういう連絡もしようじゃないかというようなことについて、もう少し役所としての指導体制というものがあってしかるべきじゃないかという感じがするのですが、そういう非常事態についてですよ、いまお聞きしますと、何らそういう指導体制がない。ただ、協会があって、自発的に何かしていると、こういうことでいいのか悪いのか、これはまあ私の意見になりますけれども
  96. 館野繁

    説明員(館野繁君) 前段の予備電源につきましては、予備電源がなければその無線局を免許できないという意味では、義務づけられておりませんけれども、設備の審査の内容といたしまして、申請書に記載され、それを審査することになっておりまして、一方、また、特に放送局におきましては、先ほど申しましたように、業務の上で、非常時におきまする通信の放送サービスの義務づけがございますので、その面から予備電源、あるいはそれにかわる、一般の給配電が停電いたしましたときの措置というものは、全部サービス面における義務を遂行するために設備されております。  それから非常無線協議会のことについて、ことばが足りませんでしたけれども、これはきわめて法律論的な面から御説明いたしましたので、これは法律に基づく政府の機関というわけではないという意味で、まあ協議会ということばで申し上げたのですが、実際の運用は電波監理当局電電公社、それから警察、建設、その他関係各省というものが全部もちろんメンバーに入っておりまして、一つの法律に基づくものではございませんけれども、ほとんどそれに匹敵する統制と訓練と連絡をとってやっているわけでございます。
  97. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 本件につきましては、この程度にいたします。   —————————————
  98. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 次に、東京オリンピックテレビ世界中継問題に関する件について、御説明を願います。
  99. 宮川岸雄

    説明員(宮川岸雄君) 東京オリンピックの衛星通信によります中継につきまして、現在の時点におきましての大体の取りきめの模様、あるいは施設の整備状況等について御説明申し上げたいと思います。  なお、あらかじめお断わりいたしておきますが、交渉のこまかい点等につきましては、官房のほうで直接に担当しておりますので、若干その点につきまして説明が不十分になるかと思うのでございます。御了承いただきたいと思います。  前国会におきましても、この問題につきまして、非常に委員の各位からいろいろ御指導、御注意等がありまして、ありがたく思っている次第でございますが、この問題につきましては、政府といたしまして、ぜひオリンピック中継を何とか実現いたしたいという気持ちのもとに、これを各方面を通じまして、主としてアメリカに対しまして働きかけを続けてきたわけでございます。  これを実施いたしますにつきましては、まずシンコムという衛星が打ち上がるということが第一条件でございます。それから第二条件といたしましては、国内にそれに必要な送信機ができておるということが必要条件でありますとともに、アメリカにおきまして、受信装置ができておる、これが必要でございます。なお、それをアメリカ国内にどういうふうに流すかという、その取りきめも必要になるわけでございます。  その衛星の問題でございまするが、これは前にも御説明いたしましたように、すでにアメリカのNASAにおきまして、シンコムを打ち上げる計画がございまして、これは若干おくれておりますが、現時点におきまして、八月十五日以降におきましてこれを打ち上げる計画には変わりはございません。  使いますのはシンコム三号でございますが、シンコム三号を使いました場合には、いま上がっておりますところのシンコム二号よりもややその中継の状態はよくなるのでございますが、必ずしも十分なものだということは言えないかと思っております。それは、いままでにすでに経験済みでございます。これはリレーもしくはテルスターよりも、搭載されております中継器の周波数の帯域が狭いからでございます。しかし、一応シンコム二号の実験によりまして、大体その程度の周波数帯域であるならば、これは送れるであろうということが実験でもって確かめられたわけでございまして、これには、郵政省電波研究所長の上田研究所長も向こうに参りまして、直接これを見ているような状態でございますが、先に、日本側の設備につきましての準備につきまして申し上げたいと思いまするが、これは前国会等におきましても、しばしば御指摘がございましたように、相当長期間にわたりまして準備しなければならない、少なくとも六カ月くらいはこれはかかるということを申し上げておったのであります。したがいまして、この最終的な取りきめが非常におくれました場合には、時間切れになるという心配もあったのでありますが、その後、日本側の送信機を日本電気株式会社におきまして、研究用のものとしてつくっているものを無償で提供してもよろしいという申し出がございまして、これはたいへんいいことである、省といたしましても、予算措置その他が確定していないときにおきまして、機械を発注するというようなことにも難点がございますので、その申し出を受けることにいたしまして、実は目下製作中でございます。  また、それをどこに置くかという問題につきましては、これは技術的な問題でございまするが、たまたま電波研究所の鹿島の三十メートルのアンテナが受信に適当しておりますので、送信、受信を一緒に兼ねる、同じ点でやれるということが、非常にこの中継に都合がよいであろうということを考えまして、そのほか、電波の妨害というような点までも考慮をいたしまして、郵政省電波研究所の鹿島支所におきまして、この鹿島支所を日本側の送信基地とすることにした次第でございます。  そのためには、アンテナをつくらなければならないのでございまして、これは十メートルのアンテナを目下、これも日本電気におきまして建設中でございまして、これも提供を受けることになっております。  なお、それを据えつける部分の土台その他につきましては、電波研究所側におきましてすでに準備を進めておりまして、これは八月中にこの機械ができるということになっております。  次に、アメリカ側の受信の装置でございまするが、これはやはり太平洋岸にあることが望ましいのでございまして、太平洋岸にいろいろな衛星通信の基地がございまするが、いろいろ技術的な点からはロスアンゼルスの近くにございますポイント・マグーというところの基地を使うことが一番よろしかろうということになっておったのでございますが、特にシンコム用の受信装置を考えました場合におきましては、このポイント・マグーの受信装置は、そういう目的のためにつくってございませんので、それに対しまして、やはりそのための受信装置を付加する必要ができてきたのでございます。省といたしましては、あるいは外務省を通じ、あるいは直接に日本側がぜひオリンピック中継を実現したいということをアメリカ側に伝えておったわけでございまして、アメリカ側におきましても、これを何とか実現したいというような気持ちになっておったのでございまするが、最初、この話がなかなか進まなかかったのは、そのポイント・マグーの受信装置を改造する費用をどこが出すかということになったようでございます。その額は二十五万ドル程度と言われておりますが、まあ金の額からいえばたいしたことではございませんが、アメリカの国務省が出すか、国防省が出すかというような点につきましては、アメリカ側の中におきまして相当議論がございまして、アメリカ側の国内事情でございましょうと思いますが、やはり国防省、国務省等においてこの支出をするのはどうも思わしくないというような結論が最初はあったようでございまして、なかなか進んでおらなかったわけでございます。しかし、なお、われわれ、あるいはNHKの当時の前田副会長に行っていただいたり、あるいは当時の政務次官の金丸次官に行っていただいたりしまして、なお強硬にいろいろと説得をいたしておったわけでございまするが、たまたま、話はヨーロッパ関係のほうからほぐれてまいってきたわけでございます。  と申しますのは、ヨーロッパの放送連合におきましては、このオリンピックのテレビ中継というものは、実は全部フィルムもしくはビデオテープを飛行機によりまして輸送するということによってこれをヨーロッパに流すような予定になっておったのでございますが、たまたまこの中継が実現するならば、日本からシンコム三号を使いましてアメリカの太平洋岸に映りました画像をマイクロウェーブによりましてカナダまでこれを電送いたしまして、カナダから飛行機によりましてヨーロッパに運びますというと、全部飛行機で持ってまいりますよりも、だいぶ時間が早くなるということがございまして、この点につきまして、ヨーロッパ放送連合でございますEBUというところが、非常に積極的な関心を示しまして、これは前田副会長、金丸次官等の、直接ヨーロッパに参りましての説得もあったかと思いまするが、ヨーロッパ放送連合におきましては、いい画像が受けられるならば、それに相当するところの金は出してもいいというような話が出てまいったのでございます。そういうことから、アメリカ側といたしましても、ヨーロッパのそういう意向等をあわせましてやはりやらなければならないという方向でますます話が進んでまいったのでございます。  ただ、このヨーロッパ放送連合の支出いたします経費というものは、完全な絵を受けた場合にのみ金を出すということでございますので、もし衛星がうまく上がらなかった場合であるとか、あるいは、何らかによりまして画像がよくいかなかったような場合におきましては、金が出ませんので、やはり最初に、ある程度の金の支出というものを、リスクをおかして出すところがなければならないわけでございます。それで、この点につきまして、日本側といたしましても、若干の用意をやはりするというたてまえにおいて交渉をしなければならなかったのでございまして、大体二十五万ドルと予想しておりましたのでございますが、十万ドル程度のものは、日本側においても支出してもいいから何とかしてもらいたいというような形で話を進めてきたわけでございます。その二十五万ドルという経費はトータルで、最後には運営経費その他を含めまして三十五万ドルということに結局相なったわけでございまするが、その経費はアメリカの分担がどこから出すかということで、いろいろ最後まで話がつかなかったわけでございます。  アメリカは御承知のように、コムサットと申します宇宙通信株式会社がございまして、これが宇宙通信のことを一手に今後建設運営するということで、先ほど世界宇宙通信網の契約等もできたように聞いておりまするが、この会社はこのための運営その他につきましてはやってもよろしい、しかしながら、そういうリスクをおかしたものに対しましての支出はやはりできないというような考えを終始とっておったわけでございます。  また、このオリンピック中継のNHKからの番組を一手にアメリカ国内に流すということに独占契約をいたしておりましたNBCというアメリカのテレビの中継の系列がございまするが、このNBC等におきましても、すでに、飛行機によって送りましたテープをアメリカに流すということの予定ができておりますので、時差の関係その他がございまして、中継によって直接になま中継をするということの利点というものを考慮したのでございましょうか、あまりこれに対して積極的な意図を示さないで、NBCといたしましては、金を支出するというようなことはいたさなかった、どうしてもがえんじなかったのでございます。しかしながら、これの親会社でございますところのRCAという放送会社がございますが、このRCAのほうが、それでは金を出してもいいということに、話が出てまいりまして、ここで最終的に金の出場所が大体ついたのでございます。  そういたしまして、結局、コムサットがこの運営その他を行なう。それから、会社に対する建設その他のこともやる。金につきましては、アメリカ側といたしましてRCAが出す。日本側といたしましては、この十万ドル程度のものは引き受ける。もしこれが完全にいった場合におきましては、そのEBuからの金が入ってまいりますので、実際には支出額はだいぶ少ないことになります。つまり、支出した額に比例いたしまして戻すという約束に最終的にはなったわけでございまして、この支出の金は、もしうまくいけばずっと少なくなるわけでございまするが、日本側におきましては、それでもこの十万ドルを出すというような契約をどういうところがするかというようないろいろ問題があるわけでございまするが、やはり郵政省がこれを契約するというわけにはまいりませんし、日本といたしましては、日本側を代表いたしましてNHKがコムサットと契約を結ぶことがよかろうということになりまして、NHKが一応金に対する同意をいたしました契約を結びまして、これによりまして、最終的な日米間のこの中継の可能という取りきめができたのでございます。もちろん、この中継は、あくまで現在、日米間におきましては、NASAと郵政省との間で結んでおります、実験ということによっての契約しかございませんので、たてまえといたしましては、もちろん、今度のオリンピック中継も当然このデモンストレーション・テストという形において行なわれるのでございますが、ただ、こういう国際的行事でございますので、おそらく、この開会中、一日一時間程度のものは収録しましたものを送るということに相なるかと思っております。なお、できれば開会式等はなま中継で送るというようなことも考えられるかと思っております。  なお、この十万ドルの支出につきまして、NHKといたしましてこれを出すというような場合におきまして、いろいろ現在のNHK放送法上における制約その他もございますので、これにつきましては、慎重に検討の上、この支出の実際の出資をいかにするかということについては、なお未決定でございまして、目下検討している次第でございまするが、まあ、こういうような国際的なことを、しかも日本側からアメリカに非常に積極的に交渉して成功せしめたという経緯などもございますので、そういう未決定の点などもございますけれども、一応出すという形におきまして契約を取り結んだ次第でございます。  なお、この衛星中継に使いますシンコム三号という衛星の中に搭載されますところの中継器、これはトランスポーターと申しておりますが、その周波数のバンドが非常に狭いために、先ほども申しましたように、十分な画像を送ることがおそらく——もちろん、これは、ヨーロッパのほうにおきましては、耐用に供するわけでございまするから、それに適当するだけの画像は送れる見通しはあるわけでございますけれども、音声をそのままに、そのテレビの画像と一緒に送りますと、それだけ周波数の帯域をとられることになりますので、これは太平洋ケーブルによりまして音声だけを別に送るということにいたしましたならば画像が改善できるかということを検討しておりまして、現在、その方向でひとつ技術的な検討を進めております。  それからさらに、NHKにおきまして、世界で初めての、画像の質を改善する方式を、すでに大体の試作を経て現在検討済みのものがございます。これは実は、リレーとかテルスターのように短時間にしか使えない放送の場合を考えまして、十五分間の放送を三十分間に引き延ばすというようなことを考えてつくったものでございますが、これは、周波数のバンドの狭いものを大きくするというようなものにも同時に使える原理のものでございますので、これは現在、NHKのこの設備を、日本側及びアメリカ側においても、NHKがこの受信設備を持っていってそれを置くと、そうして使うという契約の内容になっております。これによりまして、走査線の数を少なくいたしまして一本置きにいたしまして送ると、それを向こう側におきまして大体想定して、その飛び抜けた走査線の信号を電子計算機が大体推測いたしましてこれを再現するというような方式でございまするが、これによりまして相当画質が向上するのではなかろうかということで、この画期的な試みも今回の契約の中にもございまするが、目下、製作会社において製作をいたしております。九月ごろに受信側の装置だけはアメリカ側に送って、おそらく、NHKの要員が向こうに行ってこれが運営にあたることと思っております。  何ぶんにも非常に短期間の間におきましていろいろな設備をいたしておりますので、技術的には相当むずかしい点がございます。八月中に機械が完成いたしましたならば、直ちに鹿島にこれを据えつけまして、同時に、そのころに上がりましたシンコム三号、これは日本においては、もちろん全然いままで経験がないものでございますけれども、これを使いましての実験を行ないまして、ただいま申しましたようないろいろな方式のうち一番いい方式を、直ちにそこで実験の結果、採択いたしまして、その一番いい方法によりまして、少なくとも、この二十日間の間、毎日一時間程度のものをアメリカに送る。同時に、アメリカからは、先ほど申しましたように、これをEBUに送るというような形によりまして、日本の東京のオリンピックの中継が、開会式はなま中継、そのほかのものにつきましては、NHKの収録いたしましたものを、飛行機に乗るよりもはるかに早くアメリカ及びヨーロッパに送ることができる。それによりまして、日本というものの宇宙通信関係の技術というようなものの非常に進歩していることも海外に十分伝えることもできましょうし、同時にまた、日本におきまして行なわれているこのオリンピックの状態というものが、非常に短期間にアメリカもしくはヨーロッパに送られて、茶の間において見られるということは、国際間の親善、あるいは国際感情の交流というようなものにつきましても、非常に意義があるかと思いますので、今後、関係全員を集めまして、これが施設の建設並びにこの運営につきまして万全の対策をとりたいというふうに考えて、目下準備を進めておる次第でございます。  以上でございます。
  100. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 本件について質疑のある方は、御発言を願います。
  101. 野上元

    ○野上元君 一、二点ちょっと聞きたいのですが、オリンピックのテレビ中継に非常に努力されているということはよくわかるのですが、皆さん方は非常に努力されているのだが、このなま中継をやる場合に、これを受けるアメリカは、これは時間から見ると、寝ている時間じゃないのですか。あるいは、ヨーロッパのほうはどうなっておるのか。とにかく、私の聞きたいのは、日本人はそのまま見えるわけですが、日本人と同程度に見える地域というのは、一体世界じゅうどれくらいあるのですか。みんな寝てしまっていたのじゃ、あまり意味がないじゃないですか。
  102. 宮川岸雄

    説明員(宮川岸雄君) 大体——ちょっとお答えが御質問の趣旨に反するかと思いまするが、日本の開会式の時間等は、アメリカにおきましてはおそらく深夜になると思います。それでございまするので、まあ特に開会式というような、非常に画期的なものであるので、期待をしている人は見るということに相なるかと思います。それ以外の者は、大体——一日の状態を収録いたしまして一時間程度に圧縮いたしまして、夜の九時ごろに向こうに送るということに、まあ、いまのところは考えております、決定はしてございませんが。そういたしますと、大体アメリカにおきましては、その日の——その日といいますか、朝、翌日の午前中という時間になりまして、それが向こう側の流すのがはたしてまたいつ流すかは別問題でございますが、少なくとも昼にはもうすでにアメリカで見られる、こういうことでございます。  それから、それをカナダに送りまして、飛行機で運ぶわけでございまして、大体、私、何時ということはお答えできませんが、十数時間、飛行機で送るよりも早くなるというところが、この中継の効果のあるところでございます。
  103. 野上元

    ○野上元君 私も努力されているのはよくわかるのだが、せっかくの努力が結局、送ったけれどもどこも見ていないというようなことであっては、あまり意味がないので、その点ひとつ研究してみてもらいたいということと、それから中継の放送の場合には、一日一時間くらいの予定でしょう。そうしますと、各国ばらばらに要請があると思うのです、要求が。たとえばアメリカは、陸上が強いから陸上を送ってくれという。ヨーロッパのほうでは、陸上よりも水泳がいいとか、あるいは柔道がいいとか、こういういろいろの、こうばらばらになりはせぬかという心配をするのですが、その場合には、一時間というのは、どこも同じように同じものを見るということになるのですか。
  104. 宮川岸雄

    説明員(宮川岸雄君) この点につきましては、NHKのほうから説明を申し上げたほうが、詳しいことがわかるかと思いまするが、アメリカもしくはヨーロッパ側の要望等を事前によく受け入れまして、NHKが責任を持ってそれの番組をあらかじめ大体こういうようなものというふうに編集する方針を立てまして、それに従って一時間分をまとめて出す、こういうことになるかと思います。
  105. 野上元

    ○野上元君 そうしますと、一時間の放送の編成権というのはNHKが握っておるのですか。それとも、オリンピック実行委員会というのが握っているのですか。あるいは国際的なそういう機関が握るのですか。
  106. 館野繁

    説明員(館野繁君) お答えいたします。  オリンピック関係の海外に対しまする放送につきましては、オリンピック委員会からNHKに全権と申しますか、編集権その他諸外国放送機関との折衝、全部NHKにまかされております。したがいまして、編集権もNHKにあると理解してよろしいかと思います。
  107. 野上元

    ○野上元君 本日はNHKがいないようですから、またいずれ日をあらためてお聞きすることにしまして、いま資金の負担の問題が出たのですが、これは当初アメリカが渋っておったのは、夜中に送られてもしかたないじゃないかというような気持ちもあったのじゃないかというような気がするのですが、にもかかわらず、日本の当局が非常に熱心なので、NASAも国防省も国務省も動いて、そして、ついにコムサットが乗り出してきた、あるいはEBUが乗り出してきたということになって、解決のめどがついたと思うのですが、そこで、わずかの額なんではございまするが、十万ドルは、これはNHKが一応持つということになった。それはポイント・マグーにおける受信装置の建設費の一部ということになるわけですか。
  108. 宮川岸雄

    説明員(宮川岸雄君) これにつきましては、NHKが実際に支出いたします場合に、あるいはオリンピック資金財団であるとか、あるいはオリンピック委員会等というようなものが支出するということも考えられますし、それらの支出する側のいかんによりまして若干変わると思います。NHKがもしみずからこれを支出するというような場合におきましては、やはりこの中継における全体の運営ということの一部というふうに考えて支出するのが妥当ではなかろうかというふうに考えております。
  109. 野上元

    ○野上元君 その問題は、後ほどまたお聞きすることにして、先ほど局長説明を聞いておりますと、やはり送受信機は同一場所にあったほうが便利だということで、鹿島の郵政省の研究所内に設置することになったということですが、その送信機の建設費用は幾らですか。
  110. 宮川岸雄

    説明員(宮川岸雄君) 送信機の建設は、最終の段の送信機と、それから先ほど申しましたアンテナでございますが、両方含めまして大体一億二、三千万円ぐらいかと思っております。
  111. 野上元

    ○野上元君 それは郵政省が出すのですか。それもやはり担当のオリンピック関係の資金から出るのですか。
  112. 宮川岸雄

    説明員(宮川岸雄君) 先ほどもこの点につきまして若干御説明いたしましたのでございまするが、これはいまのところは、非常に早く準備をしなければならない関係上、それらのものにつきましては、日本電気からその製作をして提供してもよいという申し出を受けているわけでございます。したがいまして、現在のところにつきましては、日本側のものにつきまして、どういう予算措置をするかということにつきましては、何にも考えていないわけでございます。  なお、ついででございますが、これの費用を——日本電気のこの申し出を受けたということは、今回のポイント・マグーの受信装置というものをつくっておりますのがアメリカのヒューズという会社でございます。これは通信関係の非常に大きな会社でございますが、このヒューズがシンコムの中の装置もつくっておりますし、同時に、ポイント・マグーの改修というようなことも、当然このヒューズがやらなければならないということがわかっておったわけでございます。たまたまヒューズと日本電気との間におきましては技術提携の関係がございまして、早くから準備するということのためには、どうしても日本電気に頼む以外に方法がないということもございまして、たまたま向こうから申し出がございましたので、金の問題は、とにかくわれわれといたしまして決定していないうちに予算措置要求するというようなこともできませんので一応その製作の申し出を受けまして、これを使わしてもらうということで、諸般の準備を進めてきたような次第でございます。
  113. 藤木栄

    説明員(藤木栄君) いまの局長説明を多少補足さしていただきますと、野上先生からの御質問の、鹿島における宇宙通信の送信機その他の設備は、いま申し上げましたように、日本電気でつくっているわけでございますけれども、これを郵政省といたしましては、ある程度の借料を払いまして借りるというかっこうで処置いたしたいというふうに考えております。
  114. 野上元

    ○野上元君 それは恒久的方針ですか、借りるというのは。
  115. 藤木栄

    説明員(藤木栄君) これからの予算措置の問題もございますので、いまのところは、今年度内だけ、とりあえず日本電気から借りるということで考えております。
  116. 久保等

    久保等君 NHKはいっその契約をしたのですか。先ほどコムサットとの間で契約をしたということですが、いつごろやったのですか。
  117. 館野繁

    説明員(館野繁君) 契約の時点をどうとらえるかということによって変わってきますが、NHKの会長の委任を受けましたアメリカ総局長というものがサインの当事者に当方はなっておりまして、それからコムサットの代表者、そのサインは今月の十六日であったかと思います。しかし、これは日本におきまする郵政省その他関係のものの承認と申しますか、が必要ですし、アメリカにおきましては、正式な法律に基づきます連邦通信委員会の承認を得なければ、コムサットとしては効力が出ないということで、その両国内の手続が済みましたのが二十一日でございます。それで、効力が発生したその日に、両国政府から発表されたということになっております。
  118. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 本件については、本日はこの程度といたします。  これにて散会いたします。    午後零時三十七分散会