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政府委員(松島五郎君)
広域行政を推進いたしますためには、府県合併のほうが適当ではないかという第一の御
質問でございますが、府県合併、府県連合というような、
広域行政に対処するためにいかなる方式がいいか、いろいろ議論の存するところでございます。しかしながら、今日の府県制度を見ました場合には、確かに御
指摘のとおり明治以来、時代の進展に合わなくなった面もあろうかと思いますが、府県合併あるいは府県連合というような問題を
考えます場合に、現在その可能性のある
地域ということをまず
考えますと同時に、その可能性のない
地域というものも同時に
考えていかなければならない面があろうかと思います。合併も連合も、いずれもできないというような
地方府県も、少なくとも現
段階においてはあり得るわけでございまして、そういったものについてどうすべきかということになりますと、これはできるところは合併する、できるところは連合するというような問題としてでなく、やはり将来の府県制度をどちらの
方向に持っていくかという基本問題として
考えなければならない面が多かろうということでございますので、
自治省といたしましても、いろいろな場合を
考えまして検討を今後続けてまいりたいという
考えを持っております。
それからなお、こういうゆるやかな
会議では利害
関係の対立したものの
解決ができないのではないかという御
指摘でございますが、これも現在のままでは御
指摘のようにいろいろ問題があって
解決がしにくい面もあろうかと思います。しかしながら、府県間に及んで利害
関係が対立している問題を
解決していく
方法というものはどういう
方法があるかということになりますと、府県を越えた第三者によって、権力を持って
調整をするか、あるいは府県同士の間でもって話し合いを進めてお互いに互譲しながら問題を
解決していくか、
考えられる道はこの
二つしかないわけでございます。第三者の権力によって
解決するという
方法は、事柄としては手っ取り早いやり方ではございますけれ
ども、そういうやり方を続けていったのでは、
地方自治というものはやがて消えてなくなってしまう。やはり困難ではありましょうとも、相互の互譲によって問題を
解決していくという
方向をとるべきではないか。そういうことから、これは強制力もありませんし、なかなか話し合いがつきにくい面もあろうかと思いますけれ
ども、先ほど山本参
事官からもお答え申し上げましたように、協議の積み重ねによって問題の
解決をはかっていくという
方向をとっておるわけでございます。
それから道州制の問題、やがて道州制を実施しようとするのではないかという御
指摘でございますけれ
ども、道州制というものをどういうふうに
考えるかということも、
ことばは道州制という
一つの
ことばでも、
考える人によっていろいろ内容が違っていまして、道州制によって例えば前の
地方制度調査会の
答申にありましたように、首長の
公選制をやめてしまう、すなわち
地方自治団体としての
性格を失なわせるというような形の道州制も
考えられます。また、首長の
公選制をとった完全な
自治体としての道州制というものも
考えられると思いますが、いずれにしても、道州制と申しましても、いろいろニュアンスの相違があろうかと思いますが、しかし
自治省の間の
考え方といたしましては、どこまでも現在の
地方自治団体に主体性を持たせつつ
広域行政の問題を
解決していこう、こういう
考え方でございますので、道州制というようなことは、ただいまのところ全然
考えておりません。