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1964-02-18 第46回国会 参議院 地方行政委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月十八日(火曜日)    午前十時十九分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     竹中 恒夫君    理事            西田 信一君            松本 賢一君            市川 房枝君    委員            井川 伊平君            石谷 憲男君            沢田 一精君            館  哲二君            松野 孝一君            占部 秀男君            鈴木  壽君            千葉千代世君            林  虎雄君            松澤 兼人君            基  政七君   国務大臣    国 務 大 臣 早川  崇君   政府委員    警察庁長官   江口 俊男君    警察庁保安局長 大津 英男君    文部省体育局長 前田 克明君   事務局側    常任委員会専門    員       鈴木  武君   説明員    厚生大臣官房審    議官      河角 泰助君   ————————————— 本日の会議に付した案件 ○風俗営業等取締法の一部を改正する  法律案内閣提出)   —————————————
  2. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  風俗営業等取締法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言願います。
  3. 市川房枝

    市川房枝君 ただいま議題となっております風俗営業等取締法の一部を改正する法律案につきまして、国家公安委員長にちょっと伺いたいと思います。  今度の改正案で、深夜喫茶禁止し得るようになったことはたいへんけっこうだと思います。ただ、その禁止都道府県条例によって禁止場所を決定するようになっております点が少々心配なんでございますが、なぜこの法律の上ではっきりと深夜喫茶禁止することを規定されなかったのか、その理由をまずお伺いしたいと思います。
  4. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 実際上、深夜喫茶の場合に、駅なんかで喫茶が必要な場合もありましょう、あるいは温泉場で特にそういう何といいますか、娯楽的にやって妥当と認められるようなものがあるかもしれません。そういったことを一々国でこれを画一的にやるということも困難でございますので、自治体にこれをまかせよう、こういうことになったわけであります。
  5. 市川房枝

    市川房枝君 たとえば東京都をとりますというと、一体東京都内ではどの程度禁止されるか、これはまあ、もちろん都議会で決定することになりましょうけれども公安委員会としてはどんなふうなお見通しを持っておいでになりますか、伺いたいと思います。
  6. 早川崇

    国務大臣早川崇君) この立法趣旨は、青少年非行から防止していくという法の趣旨でございますから、その趣旨によって処置されるものと期待いたしております。
  7. 市川房枝

    市川房枝君 まあ、それは抽象的に御返事いただくとなると、そういうことになるかもしれませんけれども、それではせっかく深夜喫茶禁止なさる趣旨が徹底しないんじゃないか、その禁止を、ことに家庭母親たちは、そうなればとたいへん喜んでいるのですけれども、しかし結局きめても事実上あまり禁止にならないというようなことであっては、目的も達しられませんし、また一般の期待も裏切ることになりますけれども、その点はいかがですか。
  8. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 事務当局といたしましては、たとえば東京の場合は各二十三区全域にわたりまして広範囲に禁止するような意向でございますので、御心配の点がないものと確信いたしております。
  9. 市川房枝

    市川房枝君 二十三区だけ禁止されても、あと都内の市もありますし、また町村もありますし、そうすると今度は、そちらのほうで深夜喫茶が開かれる、そっちのほうが繁盛するということになりますけれども、それはいかがですか。
  10. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 具体的な問題でございますから、警察庁長官から。
  11. 市川房枝

    市川房枝君 けっこうです。
  12. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) 市川先生初めにおっしゃったように、最後的には議会できめることではございますが、われわれというか、こういうことを立案いたしました者の考えとしては、そういう場合は必要な市にも同様の規制をかける予定で作業を進めております。
  13. 市川房枝

    市川房枝君 この問題は憲法の問題にも関係があると実は伺っておりますが、委員長の時間が十分おありになりませんから、これはあとの別な機会にいたしまして、続いて公安委員長に伺いたいと思いますが、昨年の十月、都議会議長小山さんの名前で公安委員長初め関係大臣に「深夜喫茶等営業についての法的措置に関する意見書」というものが出ておりまして、これはごらんいただいているかと思うのですが、その中で深夜喫茶をはじめ、トルコぶろ及びヌードスタジオ、最初に深夜喫茶と書いてあるのですが、「深夜喫茶トルコ風呂およびヌードスタジオなどが、青少年の悪の温床となり、あるいは、都民生活上に著るしい悪影響をおよぼすにいたっている」と、こういうふうに書いて、そしてその「トルコ風呂ヌードスタジオにいたっては、なんらこれを規制する法的措置がなされず、全くの野放しのまま放置されている状態であることは、まことに遺憾にたえない。政府においては、社会環境を浄化するとともに青少年非行化防止および健全育成、婦人の転落防止並びに都民生活の保全をはかるため、すみやかに有効適切なる法的措置を講ぜられるよう要請する。」と出ておりますが、今度の風俗営業改正案にはヌードスタジオトルコぶろについては何らの法的措置がなされておりません。あるいはほかのほうで、これを考慮されているかどうか、それはどういう理由か。それから、このままそういう問題を放置しておおきになるつもりかどうか、それをちょっと伺いたいと思います。
  14. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 今回の法改正は、全国的に非行青少年たまり場となっております深夜喫茶というものが世論の批判の対象になったわけでございまして、この深夜喫茶規制するという最小限度に問題をとどめたわけでございます。御指摘のとおり一般風俗、あるいは青少年にも悪影響があると思いますが、トルコぶろ及びヌードスタジオ等につきましては公衆浴場法興行場法と、それぞれ法律に基づいて措置することが適当であると考えております。また現状におきましても、トルコぶろ売春行為というようなことが実際具体的に見つかりましたならば、売春禁止法、また児童福祉法労働基準法その他の関係法令で取り締まることもできるわけでございます。一挙にこの深夜喫茶以外も含めてやるという段階ではないと、かく考えましては必要の最小限度にとどめた次第でございます。
  15. 市川房枝

    市川房枝君 トルコぶろは、御承知のとおりにごく最近といいますか、ここ二、三年来非常にふえてきて、もうどんどんふえていくわけです。それについては、いまの都議会意見書にもありますように非常に問題になっておるわけなんですが、私どものちょっと耳にしたところでは、このトルコぶろ取り締まりについて、現地の警察はずいぶん心配をしておられる。それで何とかこれを取り締まりたいという御希望がある。まあこの風俗営業等取締法の中に入れれば、ある程度取り締まりができると、こう希望されていたらしいのですけれども警察のほうといいますか、政府のほうといいますか、上のほうでその御賛成がない、そうして公衆浴場法のほうでこれを改正したい。いま委員長もそうおっしゃいましたが、これは厚生省所管なんであって——というようなことで、両方でこの問題を逃げておいでになるというか——これは厚生省のほうのこの問題に対する御意見あとで伺いたいと思っておりますけれども、そういうふうにちょっと私ども聞いておるのでありますけれども、そんな事実はありませんか。政治的な考慮といいますか、圧力といいますか、そういう点からトルコぶろが除かれたということについてはいかがですか。それがうわさであればたいへんけっこうです。
  16. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 実は深夜喫茶を特に廃止しようと考えましたのは、警察庁で各界の非行青少年問題懇談会というのを開きましたときに、異口同音に青少年非行化には深夜喫茶たまり場になって、睡眠薬遊びになり——特に築地の補導員補導関係に非常に熱心な方からは、具体的に深夜喫茶実情を御説明いただいて、この禁止を要望されました。そのときにトルコぶろとか、あるいはヌードスタジオとかという問題は全然出ません。したがって、われわれといたしましては、深夜喫茶という最少限度のものを、何も夜おそくまで四時、五時までやる必要がないじゃないかと考えまして、これを禁止することにいたしたわけでございまして、ヌードスタジオとかトルコぶろとかいう問題で業者がどうこうということは全然関知いたしておりません。
  17. 市川房枝

    市川房枝君 もう一つちょっと伺いたいのですが、トルコ浴場協会というものがあることを御存じだろうと思います。つまりトルコぶろ一つの組織なんですが、そのトルコぶろ名誉会長自民党の副総裁大野伴睦氏がなっておられます。それから顧問には自民党の村上さんと稻村さんがなっておいでです。稻村さんはトルコぶろ建設業者といいますか、何か社長もかねておられるらしいのですが、大野さんがその名誉会長になられました。ここに私、トルコぶろ協会報を持っております。大野さんとトルコ協会会長とが握手するところが載っておりますが、これは大野さんに名誉会長になってもらったことについて、こういうことを書いておるのです。業界に対するきびしい世評は取り締まり強化のための立法措置の要請となってあらわれており、この面では業界は高い政治力が必要となってきたのである。このときに生粋の政党人であり、人情にもろく道義に徹し、実力者として大きな包容力とたくましい政治力を持った自由民主党副総裁大野伴睦先生東京トルコ浴場協会名誉会長に就任されたことは、きわめて意義深いものがある。これを読みますと明らかに大野さんの政治力に期待しているというか、取り締まりがきびしくなって、規制措置が行なわれそうだからというので、そういう方法を見つけたということになりまして、どうも今度特にこのトルコぶろについては何にもお触れにならないで、風俗営業等取締法改正が行なわれるということについて、何らかそういう政治的な圧力があったのではないかという感じが、これを読むと実は出てくるのですけれども、いかがですか。
  18. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 全然関知を私はいたしませんが、公衆浴場法というのは厚生省所管になりまして、その法律の中でトルコぶろというものの基準条例で定めると、こういうのですが、その条例ができてないのだそうです、聞いてみますと。その問題に関連したのかもしれませんが、警察庁当局としてはトルコぶろを扱うというのは所管違いでもありますし、われわれはトルコぶろを利用して売春行為をやっておればどんどん摘発できる法律的根拠も、ございます。法改正の日程には全然のぼったことはございません。
  19. 市川房枝

    市川房枝君 予算委員会のほうからのあれが来ておりますそうですから、私としては委員長にまた別の機会にお伺いしたいと思いますが、きょうはけっこうでございます。ありがとうございました。
  20. 千葉千代世

    千葉千代世君 関連して。公安委員長にお伺いいたしますけれども委員長はいま問題になっておりますトルコぶろ、それからヌードスタジオ、それから深夜喫茶ボーリング場等ごらんになったことがございますか。御自分でいらっしゃったことがございますか。
  21. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 深夜喫茶は、私の友人が経営しておったことがありますので——いまでもやっておるかもしれませんが、一ぺん深夜でないときに行きました。トルコぶろは、銀座裏で十年ほど前、朝、汽車で着きまして、あれは非常に便利なところですから、ふろへ入ったことがございます。ボーリング場は行ったことがありません。
  22. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは要望で恐縮ですけれども、やはり公安委員長ともあろうものが、いま問題になって法案を提出して、しかも御自分意見として風俗営業法のほうではこれは改正できなくて、たとえばトルコぶろ浴場法であるが、売春警察官現場をつかまえれば摘発できるかということもおっしゃっていますが、しかし、やはりごらんになる必要があると思うのです。私も初めてこの間拝見いたしまして、やはりトルコぶろ現場を見て、風俗的な心配がかえって高まったということ、それから廊下などが非常に狭く、階段も狭いし急で、非常の場合には避難の方法ども非常に心配です。トルコ嬢の部屋などは——一番高いところの狭いところを入ったところにたむろしていると、こういうふうで、はっきりいえば屋根裏ですね。ああいうような中におるということは、やはりごらんになって、公安委員長ですからやはり心配のないようにするのが、公安委員長の役目だと思うのです。そういう音心底で、たいへんあつかましいのですけれども、これはぜひ見ていただきたいと思うのです。公安委員長が行くといったら、おそらく深夜喫茶だって明るくなるでしょうし、その点は御留意いただきたい。現に私どもが見ましたときにも、私が聞いております範囲では、たとえば深夜喫茶照明度でございますが、もっと暗いのだそうですが、その日はかなり明るくて、これなら普通だと、検査する機械でおはかりになった方がおっしゃっておったわけですけれども——そういう意味で、これはぜひごらんになっていただきたいということ、それからこの深夜喫茶条例規制するというお答えの中に、駅であるとか温泉場等、特別のところがあるから、やはり条例のほうがいいんだという御意見でおっしゃったわけですね。私は、これは憲法論は別にして、やはり法律規制して、その中にただし書きであるとか、あるいは例外であるとか、そういう内容を盛って——そして、駅、温泉場は別に何も深夜喫茶でなくたってかまわないわけですから、駅はやはりこれはおそい場合もございますけれども、そういう点なんかについてのお考えはいかがでしょうか。法律に盛って、その中でただし書きなり例外を認めるほうがいいんじゃないかと、こう思うのですが、いかがですか。
  23. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 基本的には法律自治体にそういうことを委任するかっこう法律になっておりますし、自治体というものには個々の具体的な各府県の実情もございますから、そうするほうがかえっていいんじゃないかと考えまして、法律で委任したかっこう立法いたしたわけでございます。
  24. 千葉千代世

    千葉千代世君 それからお答えの中に、やはり非行少年温床になっているので心配だから時間を規制する、規制する理由の中にそういうことをおっしゃられておったんですけれども、この深夜喫茶ができた当時と、それからいまと、非行少年の数の関係など、どのようにおとらえになっていらっしゃいますか。
  25. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 深夜喫茶ができたころから比べまして、非行少年がどんどんふえているということは統計上明らかですが、それが深夜喫茶だけに関係しておるという因果関係は、もちろん科学的には出てまいりません。
  26. 千葉千代世

    千葉千代世君 それはわかるんです。非行少年のできます原因については、いろんな原因があげられておりますけれども、少なくともその一つにこれがあげられたということは、相当大きな要素を占めていると思うのです。したがいまして、やはりこの非行少年増加ということについて私ども非常に心配いたしますので、この点についてやはりはっきりした数字ですか、原因一つと数えられる点について、やはり究明なさった何か資料がございましょうか。
  27. 大津英男

    政府委員大津英男君) 非行少年関係につきましては、先ほど大臣からもお話がございまして、いろいろ原因もあるわけでございますが、まず少年非行の現在の状況と、その前のこの法律改正1この前に風俗営業法改正いたしましたのが、昭和三十三年でございまして、それ以後また同様に深夜喫茶非行少年たまり場になるとか、その悪影響というようなことが三十三年の改正にもかかわらず、なおかつ、そういう状況がある、こういうことで今回の改正をまたお願いをしておるわけでございまするが、非行少年の数自身を見てまいりますると、まず刑法犯少年の数の推移は、終戦以後だんだんふえてまいりまして、昭和二十六年が十六万余でございます。さらにそれが次第に減ってまいりまして、二十九年まで刑法犯少年の数が減少してまいったのでございまするが、三十年から再び増加をしてまいりまして、三十四年に非常に数が圧倒的に多くなったのでございますが、さらに三十七年におきましては二十二万人という刑法犯少年、これは触法少年も含んでおる数でございますが、二十二万人という圧倒的に戦後最高の数を記録しておる、また三十八年の数字はまだ最後的な数字統計上出ておりませんが、三十七年をさらに上回るというような数字が出ておる次第でございます。なお……
  28. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ちょっと局長、待って下さい。分科会のほうから矢の催促だそうですから、大臣に対する御質問はこの次にして……。
  29. 千葉千代世

    千葉千代世君 もう一点だけちょっと聞かして下さい。
  30. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) じゃもう一点だけ、重ねていまの……。
  31. 千葉千代世

    千葉千代世君 いまの問題は、それじゃ大臣が御退室になったあと、もう少し詳しくあなたのほうから説明をしていただくということにして……。大臣、さっきトルコぶろ取り締まり、たとえば売春行為等取り締まりについては警察官のほうの任務であって、どしどし処罰できるようになっているから安心だという、非常に安心感的なことをおっしゃったんですけれども公安委員長として具体的にトルコぶろでいま売春等について検挙されたものを御存じですか。ございますか。それだけ聞かしていただきます。
  32. 大津英男

    政府委員大津英男君) 統計的には非常に数は少ないのでございますけれども、ございます。
  33. 千葉千代世

    千葉千代世君 わかりました。それでやはり非常に安心感を持っておいでのようですけれども、これは私直感として安心感が持てなくて、検挙をされている数が少ないその裏には、やはりこれは検挙できにくい状態があるということをいろいろな方面で察知しているわけなんです。その方面についても特に公安委員長として御研究をわずらわしたということで、まあ私の質問は次に譲りたいと思います。
  34. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) いまの保安局長の答弁、途中だったのでしょう。
  35. 大津英男

    政府委員大津英男君) 統計的にはそういうようなことで、刑法犯少年の数も三十七年、三十八年と、またふえておる、こういう状況でございまして、その原因一つとしては、やはり環境がそうさせておるという面も否定はできない。しかも、その環境の問題につきましては、御指摘のような問題がいろいろあるわけでございまするが、特に昨年非行少年対策懇話会を開催いたしまして、民間の方、教育者、学者の方、いろいろな方から御意見を伺いました際も、深夜喫茶につきまして非行少年の非常なたまり場になっておるとか、大臣からお話しになりましたようないろいろな事象が見られるのでございまして、まず環境浄化措置をとっていく必要がある、こういうことで今回の改正法案お願いするというような次第になったわけでございます。なお、この少年非行原因そのものにつきましては、大臣からもお話がございましたが、いろいろな要素がからんでおるわけでございまして、それについて一々統計的に取り上げておるということも非常に困難なことでございまするが、私ども調べました限りにおいて考えられますることは、やはり少年の成長において肉体的な発育というものが非常に早くなっておる。しかしながら、精神的な面とのやはりアンバランスがあるというようなことが一つでございまするし、あるいはまた、環境問題——環境浄化の必要な問題、あるいはマスコミの影響とか、あるいは消費景気によるところのいろいろな問題が、そういう非行を刺激しておるというようなこととか、いろいろそういう点が出てきておるわけでございまして、したがいまして、その少年非行の傾向といたしましても、だんだんに低年齢層にそういう非行が移ってきておる。あるいはまた、学校の生徒についてそういう少年非行が非常にふえてきておるということ、あるいは家庭的に見ましても、今まで貧困家庭少年に多かったというものが、だんだん中流家庭少年にも非行が浸透してきておるというような点、あるいはまた暴力的な犯罪、あるいはそういう享楽的な原因に基づくところの非行がやはり増加しておるというような点、また、少年非行が次第に集団化してきておる、グループによるところの少年非行がふえてきておる。こういうことが、いろいろ調査をしてまいりますと、統計の上にもだんだん出てくるというようなことでございまして、私どもはその対策としていろいろな措置を並行して進めていかなければならないと思っておるわけでございますが、その一つとして、社会環境浄化措置をこの法律においてもお願いをする、こういう状況でございます。
  36. 千葉千代世

    千葉千代世君 関連ですから、私これで終わります。
  37. 市川房枝

    市川房枝君 警察庁長官にお伺いしたいのですが、一体ヌードスタジオ状況ですね、警察当局が、こらんになる状況をひとつ伺いたいのです。
  38. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) 私は残念ながら不勉強でございますが、ヌードスタジオを見たことがございませんけれどもヌードスタジオ自身については風俗営業に取り入れるという余地はないと思います。それが極端なものであれば、現行法の普通の刑法でちゃんと取り締まるべきものだと考えまするし、これを風俗営業に入れるとなると、ある程度どういうものならよろしいということになるんで、ございまして、これならば一種の興業でございますから興業場法に入れなければいかぬと、こういうふうに考えております。
  39. 市川房枝

    市川房枝君 興業場法というと、これは厚生省所管ですね。
  40. 大津英男

    政府委員大津英男君) そういうわけです。
  41. 市川房枝

    市川房枝君 厚生省公衆衛生局長おいでになっておりますか。
  42. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 審議官が来ておられます。
  43. 市川房枝

    市川房枝君 厚生省に……。ヌードスタジオは、いま警対庁のほうでは興行場法、これで取り締まれるのは取り締まるのだと、それは厚生省だということですが、厚生省ヌードスタジオをどういうふうにごらんになって、これについてどんな取り締まりをしておいでか、お伺いしたいのです。
  44. 河角泰助

    説明員河角泰助君) ヌードスタジオにつきましては、興行場法適用になるものと、適用にならないものとが現在あると思います。たいへん恐縮でございますけれども、一口に言いますと、公衆に見せたり聞かせたりする、いわゆるお芝居の場所でございますとか、スポーツ観覧所でございますとか、そういうようなものは興行場法適用になるわけでございます。私どもといたしましては、さしあたりのところヌードスタジオの中で、いま言いました興行場法適用のありそうなところ、これを都道府県調べてもらっておりまして、適用のあるものはまず興行場法適用をしていこう、こういう方針でやっております。現在のところでは、三十八年の四月でございますけれども、私ども調べではヌードスタジオの数が全国で、これは警察のほうの調べのほうがもっと多いかもしれませんけれども、百七十六くらい。で、許可を受けた件数が三十四件ほどでございます。
  45. 市川房枝

    市川房枝君 興行場法取り締まりとしては、別に風紀の問題は中に入ってないのですね。風紀の問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  46. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 特に入ってございません。風紀の裏づけは特に入ってございません。
  47. 市川房枝

    市川房枝君 そうすると、厚生省は百七十六のうち三十四だけは興行場法によって取り締まっておる。しかし、あとはもうそのまま野放しになっておる。それから取り締まっているのも、それは風紀の問題については全然関係はない、こういうことですか。
  48. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 仰せのとおりでございます。
  49. 市川房枝

    市川房枝君 警察は、法の取り締まりがないといいますが、しかし全体として風紀の問題はやっぱり警察所管だと思うんですけれども、このヌードスタジオに対しては警察はどんな取り締まりといいますか、どういうふうにしておいでになりますか、具体的にそれを伺いたいのです。
  50. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) 私の申し上げましたのは、ただいま厚生省からお答えございましたように、正規の差しつかえのないヌードスタジオであるならば、これは興行場法で正規な許可になるべきものだと、こういう考えと、それから興行場でなくて、ヌードスタジオという文字どおり、写真の愛好者が集まって、一人なり二人なりのモデルを共通に写すというような、特に限られた形の、ほんとうの意味の芸術といいますか、そういうものであるならば、これは許可も何も要らない、こう考えます。そのどちらにも入らない、はみ出したものにつきましては、仰せのとおり風紀上の問題として一般刑法に照らし、われわれのほうは、わいせつ物陳列罪というような条文に照らして取り締まりを厳にやっております。その数字等については保安局長から……。
  51. 大津英男

    政府委員大津英男君) ただいま長官から申し上げましたのでございまするが、検挙の状況につきまして申し上げますると、ヌードスタジオの、三十八年の七月から九月までの二カ月間において全国的に、計画的な取り締まりをやってみたのでございますが、全ヌードスタジオの約三〇%の六十軒が公然わいせつ、その他の事犯によって検挙せられている。こういうようなことでございまするし、総検挙件数はその間に二百三件、二百十名というような状況でございます。公然わいせつ罪あるいは職業安定法違反あるいは興行場法違反、入場税法違反あるいは児童福祉法違反等の罪名によって検挙をいたしている、こういうような状況でございます。
  52. 市川房枝

    市川房枝君 いま御報告ですが、そこで相当いろいろな犯罪が行なわれているようなんですけれども警察庁長官どうですか、これは風紀上何も取り締まりをしておいでにならない。厚生省といいますか、あるいは大部分は野放図にほうってあるのですが、いまのまま野放しにしておいてかまいませんか。警察庁長官の御意見をちょっと伺いたい。
  53. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) ヌードスタジオに限って申し上げますと、私は野放しじゃいけないと思いまするし、さらにヌードスタジオのみならず、野放しじゃいけないものがそのほかにもたくさんあると、私自身考えております。
  54. 市川房枝

    市川房枝君 審議官のほうにお伺いするのはいかがかと思いますけれども厚生省当局はいまのままでいいとお思いになりますか、ヌードスタジオについて伺っておきます。
  55. 河角泰助

    説明員河角泰助君) やはり、いまのままでは好ましくないと考えております。
  56. 市川房枝

    市川房枝君 何か具体案はありますか。
  57. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 実は先ほど申し落としたのでございますけれども、三十八年の四月に、先ほど申し上げましたような数字が一応調べられまして、ヌードスタジオと称しておりながら興行場法にいう興行に該当するものがあるわけでございます。これは無許可でやっておるということになりますので、まずそういったようなものを許可にかからしめていくということで、先ほど申し上げましたようにできるだけ指導をして許可をとるように、まず役所で把握するようにという措置をしたわけでございます。現在におきましても県におきましてそのような指導をしておると思います。しかしながら、興行場法は衛生関係の法規でございますので、またこれを担当いたします職員は保健所の職員で、ございまますので、風紀その他に関しましては適切な指導が困難である関係で、ヌードスタジオにつきましても善良な風俗を保持するために必要な措置ということにつきましては、警察当局のほうにおいて行ないますそれに協力をするようにという通牒を流している次第でございます。以上でございます。
  58. 市川房枝

    市川房枝君 ヌードスタジオにも問題はまだありますけれども、あまり時間を取っても何でございますから、トルコぶろの問題について伺いたいと思います。  警察当局からトルコぶろの現状を一通り御報告願いたいと思うのですが、保安局長ひとつお願いします。
  59. 大津英男

    政府委員大津英男君) トルコぶろにつきましては、私どもが調査しておりまするのでは、現在全国で三百九十軒ほどのトルコぶろ営業所がございます。大体従業員が七千二百名程度おるということでございます。このトルコぶろのうちにおきまして公衆浴場法の許可を受けておるもの、それから旅館に付随しておるというようなことで旅館業法の許可を受けておるもの、こういうものがあるわけでございまするが、その営業に関しましてまあ御指摘のような問題も中に起こっているというようなことで、これに対しての取り締まりということも、警察としてはいろいろ苦心をして行なっておるという状況でございます。ただ先ほども申しましたように、売春防止法違反というものを検挙いたしまするにつきましては、個室の中において行なわれるということで、非常に立証がむずかしいということで、その件数もまことにわずかしかないわけでございますが、その他の、先ほども話が出ましたが、婦女子に対して心身に有害な行為をさせたというような意味で児童福祉法違反とか、あるいは有害業名の職業紹介をしたというような職業安定法違反、あるいは公衆浴場としての許可を受けていないというようなことでの法違反、あるいは労働基準法違反、こういうようなその他の法律も活用いたしまして、警察としては取り締まりをやっている、こういうような状況でございます。
  60. 市川房枝

    市川房枝君 トルコぶろは、さっき申し上げましたように、公衆浴場法適用を受けているので、警察はその所管ではないわけです。全般的な風紀問題としてはお考えになるのでしょうが、これは厚生省所管なんですが、厚生省当局はトルコぶろについてどんなふうにお考えになっておるか、厚生省当局のごらんになったその状況を伺いたいと思います。
  61. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 現在公衆浴場法適用になっております公衆浴場は、約二万一千くらいございます。そのうちトルコぶろといいますのは、これはトルコぶろといいましても非常につかまえ方がむずかしいと思いますけれども、いわゆるトルコぶろということでお考えいただきますればけっこうでございます。これは三十八年の三月の調査でございまして二百四十。東京でそのうち百十四。これは最近のあれでは百五十くらいに東京ではすでになっているというふうに聞いておりますが、当時の状況はそういうことでございます。全般的にいいまして、いわゆるトルコぶろの半数以上が東京都にございますので、いろいろ東京都と相談をしながら規制方法をはかっているわけでございます。現在、公衆浴場法で許可をいたします場合に、施設の構造につきまして都道府県知事が設定いたしました構造に合うかどうかという点について許可をいたしているわけでございますが、その方面からトルコぶろにつきましても、たとえば部屋に対して、かぎを置かないとか、あるいは見通窓をつくっておくとか、あるいは上、下を何といいますか、若干間隔をあけておくような仕切りをするとかいうような規制を加えております。なお、今後、そういった構造設備の面で、いわゆる中の、先生方御心配のような行為が間接的にではございますけれども、押えられるような、有効な構造設備の基準というものが得られますように、ただいま都のほうと検討いたしているわけでございます。
  62. 市川房枝

    市川房枝君 警察庁厚生省のいまのトルコぶろの数がだいぶ違っている。警察庁は三百九十とおっしゃった、厚生省は二百四十とおっしゃるのですが、これはどういう——計算の基礎が違うからかもしれませんけれども、ちょっとそれは私どもとして少しおかしい。
  63. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 警察のほうは、いま大津局長お話のように、たとえば旅館の内湯のようなものが入っておると思います。私どものほうは、公衆浴場法による許可を得たものでございますので、数の食い違いがあろうかと思います。それから私のほうは、たとえばヘルスセンターというようなものは別に計算してございますので、あるいはその辺が食い違いの原因かと思います。
  64. 市川房枝

    市川房枝君 施設の構造で、トルコぶろについては、部屋にガラス窓をつけるとか何とかいうような規制をしているとおっしゃいましたが、それは法律にはもちろんないし、それから条例にもないですね。それは公衆浴場法の取り扱い基準に関する営業三法運営協議会内規と、こういうものですね。そうすると、それは何ら法的な根拠といいますか、あるいはそれに違反したって一向かまわないのですね、それはどうなんですか。
  65. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 市川先生のおっしゃるとおりでございます。それで、いま基準を検討いたしまして、でき得べくんばこれを、都でございますれば条例にあげようかということで検討をいたしております。
  66. 市川房枝

    市川房枝君 それから公衆浴場法には、第三条でもって「浴場業を営む者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない。」と、この「風紀」というのがあるのですが、これはどういうふうに御解釈になっておりますか、どの範囲というか……。
  67. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 風紀につきましては、この法律が施行になりました昭和二十三年に次官通牒が出ておりまして、それの解釈によりますと、たとえば男女混浴を差しとめるというような、いわゆる何と申しますか、社会風俗上の一般風紀というような限度であるという解釈に一応なっております。
  68. 市川房枝

    市川房枝君 この間、厚生省のある方に私ちょっとあらかじめこの点のお話をしたのですが、そうしましたら厚生省というのは、結局保健衛生の観点だけで、風紀というのはいまお話しのように、男女混浴だけの問題であって、そこでいわゆる風紀を乱すとか、売春が行なわれるおそれがあるとかというようなことは、自分のほうは関係はない、たとえば保健所が直接には監督しておいでになりますけれども、保健所がトルコぶろへ回っていって検査するときには、結局お湯が濁ってはいないかどうかということだけ検査するのであって、風紀を乱すおそれがあるかということは、自分のほうの関係じゃない、こうおっしゃいましたが、さっきあなたの御意見を伺うと、もう少し広く解釈しておいでになるみたいなのですが、この風紀ということですね、これは二十三年、この法のできたころにはトルコぶろというようなものはなかった。そこでトルコぶろにおいて風紀を乱すおそれのあることについては、何ら法は考えていないわけです。こういうことも言えるのですけれども風紀というものに対するはっきりした厚生省としての考え方というものを伺いたいのです。
  69. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 原則的に申し上げますと、ただいま市川先生がおっしゃいましたような線が出るわけでございますけれども、私どもといたしましては、まあ私どものほうでいろいろ考えまして、中の行為が規制できるような方法といいますと、従来内規ではございましたけれども、やっておりました構造基準——構造の問題だけでございます。中で行なわれまするいろいろな個々の行為の規制につきましてはおのずから限界がございますので、私どもの手には負えないと思いますけれども、そうした施設構造の部面から間接的なりとも規制が及び得るような有効なものが考えられますならば、そうした面で規制をしてまいりたい、こう現在のところ考えておるわけでございます。その点で三条の解釈は、先生おっしゃいましたように、二十三年当時より幾らか広がっておるじゃないかと言われれば、まことにそのとおりでございますけれども、ただこれにはおのずから限度があろうかと思います。
  70. 市川房枝

    市川房枝君 もう一つ風紀の問題に関連して旅館業法というのがありますね。これもやはり厚生省所管なんですけれども、旅館業法では前には風紀ということが入っていなかったのです。それが何年でしたか売春防止法が制定されるころに新たに目的の中に風紀を維持するということが入って、そして部屋の構造についてあまり小さい部屋はつくってはいかぬということを法の中にはっきり規定してあったと思うのですが、その風紀というのはもっと広い解釈ですね。だからそれとの関連において、公衆浴場法に幸いにして風紀ということばが入っておるので、その点までも考慮していただけるというか——それはどうなんですか、この旅館業法との相違点は。
  71. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 中川先生のおっしゃいます旅館業法並みの風紀の点では、私は公衆浴場法のほうを考えます場合には限界があろうかと思います。旅館業法の場合に、この法律改正せられましたときにございましたのは、やはりたしか、人の話でございますけれども風俗営業法で取り扱ったらどうかというような問題もございましたけれども、どだい旅館業自体がかなり何といいますか、風俗常業関係要素を持ったものでございますので、かたがたこの法律に規定いたしますことによって、戦前のいわゆる臨検その他の行き過ぎた問題等を制御し得るというような関係で、旅館業法の改正に相なったと記憶いたしております。それと同列に公衆浴場の場合にこれを論ずるのは無理であろう、こういうふうに考えるわけであります。
  72. 市川房枝

    市川房枝君 いまの御答弁ですと、旅館業法のほうは風俗営業に入れるというか、含めてもいいような状態なんだとおっしゃいましたけれども、いまのトルコぶろは、現状は風俗営業というか風紀の問題が相当問題になってきておるということは、お認めになりますかどうですか。
  73. 河角泰助

    説明員河角泰助君) ある程度認めます。といいますのは、いろいろ、また聞きばかりでございまして、自分の目ではっきり確かめたわけではございませんので、あれでございますが、おっしゃるとおりだと思います。
  74. 市川房枝

    市川房枝君 警察のほうは、トルコぶろは、これは警察風俗営業ではなくて、公衆浴場法で取り締まってもらいたい、こういう御意見のように伺ったのですが、そのいわゆる風紀問題に関連して、厚生省の当局とこの点でお話し合いになったのでしょうか、どういう話し合いか、その内容をおききしたい。
  75. 大津英男

    政府委員大津英男君) トルコぶろの問題につきまして、前に、厚生省環境衛生局長と御相談を申し上げたことがあるのでございますが、このトルコぶろ風俗営業として取り扱うという考え方がないわけではないと思います。しかしながら、現在公衆浴場法という法律によって許可を受け、しかも現在の法律において風紀に必要な措置条例で定められ、しかもその条例に違反した場合においては行政処分をもって営業の取り消しあるいは営業の停止を命ずることもできる。こういう条文がありまする以上は、やはり厚生省の御当局において本来のこの法律の運用によって解決をする、面が非常にあるのではないか、かように考えまして、そういう面からひとつ御研究をいただく。なお構造、設備の面につきましてもいろいろと厚生省自身御許可になっておるのでありますから検討の余地があるのじゃないかということで、環境衛生局長とも御相談いたしまして、厚生省で御検討いただく、こういうことで実は話し合いをしたことがあるのでございます。
  76. 市川房枝

    市川房枝君 今度の法案で問題になっております深夜喫茶、あれは本来の厚生省所管の食品衛生法で取り締まったわけなんです。ところが、それが風紀問題上、非常な問題があるというので、四、五年前の改正のときに風俗営業とはしない、しかしながら特に深夜喫茶等については、深夜の営業についてはある程度規制を加えるということで、いまの照度を明るくする、それからいすの高さについてある程度の制限をする。そしてそれに対しては警察の権限といいますか、それで違反の者はもちろん処罰ができる、こういう二つの法律にまたがっていたわけですね。だからいわゆる公衆浴場法適用ではあるけれどもトルコぶろについては特に特別なそういう規制をして、風俗営業ではないけれども、あるいは風俗営業法の中で、今の深夜喫茶と同じようにある特定のことに関して制限を加えるという行き方は、深夜喫茶の例でできると思いますけれども、それはいかがですか、その点はどうお考えになりますか、警察庁厚生省と両方から伺いたい。
  77. 大津英男

    政府委員大津英男君) 深夜喫茶の場合は、実は風俗営業法の中にありまする昭和三十三年に改正になりました当時のように、飲食店営業のうちで風俗営業たる業態と外見上も実質上もほとんど変わらないようなものが非常に多いということから、照度を十ルクス以下として行なうもの、あるいは見通しの悪い小さい所に席を設けて行なうもの、こういうものを昭和三十三年の法律におきましては風俗営業に加えたのでございますが、これはすべてそういう営業が飲食店の営業であるということで食品衛生法で根本的に許可を受けておる。それが風俗営業と同様のことをしておるということで風俗営業に取り込む。それから今度お願いをしておりますのは、そのほかのいわゆる食品衛生法によるところの飲食店営業としての許可を受けておる者が、なお昭和三十三年に改正された照度の問題その他に該当しないということで、飲食店営業のままで、なお風俗営業と同じようなことをしておるというようなものがございまして、これを今度の法律におきまして深夜における問題について条例規制をするようになっておりまするが、それが飲食店営業風俗営業との関係が非常に実態的には一体化しておるというようなことから、今度の法律改正お願いいたしまして、行政処分につきましても公安委員会が直接行なうことができるというふうに実はお願いをしておるようなことでございますが、これはやはりその営業自身がほとんど変わりがない、こういう実態から行なわれたものでございまして、トルコぶろにつきましてはトルコぶろと同じような業態が風俗営業の中に実はございませんので、この点につきましてはやはり公衆浴場法措置考えていただくのが当然の措置ではなかろうか、かように私ども考えておるようなわけでございます。
  78. 河角泰助

    説明員河角泰助君) ただいまの市川先生トルコぶろその他につきまして、片方で公衆衛生上の公衆浴場法があり、他方風俗営業関係規制をやっていく、ダブルプレーでやっていくことがいいではないかというお話でございますが、私ども考えまするに、風俗営業法等によりましてそういった規制をやりますことは法律的に可能である、こういうふうに考えます。それから確かに公衆浴場法の中で、あるいは所管警察と一緒になるかもしれません、共管という形になるかもしれませんけれども規制をするということも不能ではございません。法律的に不能ではございません。ただ、純粋に厚生省管の公衆浴場法の中でそういった規制を、風俗的な見地に加えて規制をいたしますと、これは保健所の職員が現実にはやるということになります。そういった面で保健所の職員が風俗関係の違反にタッチするということは、おのずから限度があろうというふうに考えるわけでございます。したがいまして、私どもの気持ちといたしましては、ここまで申し上げるのはあれでございます。けれども公衆浴場法の中で風俗関係規制をお加えになるということは、立法政策的に私どもとしては好ましくない、こう申し上げるわけでございます。
  79. 鈴木壽

    鈴木壽君 関連して。警察のほうの考え方と厚生省のほうの考え方と、いまの風俗関係のことの取り締まりにおいて、あるいは立法措置において考え方がちょっと違うようですね。大津さんのお話では、公衆浴場法、そちらのほうでやったほうがいいというふうなことで、そっちのほうの見当でやってもらう、そのほうがいいのだ、こういうふうに先ほど来の話し合いの中でも、そういうことであったということでお述べになったと思うのですが、いまのお話ですと、それじゃどうも取り締まりのほうで問題があるし、むしろ風営のほうでやってもらったらいいのじゃないかというふうに考えるというふうにおっしゃったように私は聞きました。そうしますと、大事な問題で現在食い違いがあるのじゃないかと思うのですが、こういうところにああいうものが的確に取り締まれないという問題の根本があるのじゃないですか。それはともかくとして見解がちょっと食い違うようでございますが、それはそれなりでいいのか。私はいいとは思いませんけれども、そこら辺どうですか。私がいま申し上げたように、保安局長とそれからあなたと違っておるということについて、あなた方はお認めになるのですか、なりませんか。どうですか、その点は。大事な問題だと思うのです。
  80. 大津英男

    政府委員大津英男君) 確かにいま二人が答えたことは、少しずつ食い違っておるようにおとりになれるようなことではなかったかと思うのでございますが、私どもも、これは風俗営業として考え考え方が全然ないわけではないかもしれません。しかしこれは、いままでの風俗営業とは非常に変わった形のものを、この中に取り込むということになることが一つございます。それからもう一つは、現在の公衆浴場法条例措置というものをもっときちんと都道府県においておきめになれば、その措置に違反したものについてもっとぴしぴし行政処分がやれる、こういう余地があるにかかわらず、まだそれがやれておらないのじゃないか。こういうことで、まず公衆浴場法によるところのいろんな措置、こういうものが先行すべきではないか、こういうことも考えて御答弁を申し上げておるわけでございまするが、厚生省のほうでその点を御検討になった上で、保健所がやるので手足が十分にいかない。しかし公衆浴場法改正をすることは全然考えないのだというふうに御答弁になったのではないのだろうと私は考えるのでございますが、そのようなつもりで私は申し上げておるのであります。
  81. 鈴木壽

    鈴木壽君 厚生省の方が、さっき私聞くには、風俗営業のほうで取り締まったほうがいいのだ、実際の問題として公衆浴場法等によってやるとすれば、現場のいわゆる取り締まりなり指導というものは保健所で行なうのだ。保健所のほうで何といいますか、警察的なと言っては少しことばが——あなたはそういうことばを使わなかったと思いますけれども、受け取り方は警察的なそういう取り締まりなんかは不適当だ、こういうこともお述べになったようで、したがって結論としては公衆浴場法によることもさりながら、風営のほうでやったほうがいいのじゃないかと考えると、こういうふうにおっしゃったように私は聞きましたものですから、その点をひとつはっきり見解を、厚生省のほうからもう一度聞かしてもらいたいのです。
  82. 河角泰助

    説明員河角泰助君) いま先生のおっしゃいましたようなことで申し上げたわけであります。意見の食い違いといいますか、突き詰めればあるいはそういうことにもなろうかと思いますけれども規制の必要ということにつきましては別に反対を唱えているわけではございません。
  83. 鈴木壽

    鈴木壽君 関連で済みませんが、ちょっと。これは双方とも何らかの規制を加えなければならぬのじゃないだろうかという、いま現実にいろいろ起こっていることからお考えになっていることは、あなたのおっしゃるとおりだと思います。双方とも認めると思いますし、われわれも何らかの規制というものが必要じゃないかと思う。その場合に一体どっちで——風営のほうでやるのか、あるいは従来からの所管で、公衆浴場法の中にある風紀というような問題に入れて、立法当時の風紀という解釈なりあるいは内容を——それについてはさっき、あなたから御答弁のあったように通達があるでしょうが、もう現在ではそれをはみ出しているいろいろのものがあるから、そういうものを風紀というものの中に入れて、そっちのほうで取り締まるのだ、こういう考え方も私はあると思うのです。だからそこら辺ですね、一体どっちがいいのか、どっちがほんとうに規制なり取り締まりなり、そういうものができるのか、実態に即して。そういう問題になってきておると思うのです。ですからその場合に、いや、一方では風営のほうでいいのだ、一方では従来のような公衆浴場法でいいのだ、こういうふうになってきておるからというふうに、お二人の答弁の中から聞きましたものですから、それでは一体どっちなんだ、いわば政府部内で意見の一致を見ない、そういうことで現在のようにいろいろ問題が出ている、それを何ともできないでおる。そういうのが一番大きな問題になっているのじゃないかというふうに私は聞きましたものですから、そこをひとつ、これはやっぱり何とか統一した考え方を示していただきたいというふうに思うのです。これは委員の方々にもそれぞれの考え方があるだろうと思いますけれども、少なくともあなた方の段階で、一体どうなさることがいいのかということの、いま言ったように統一された見解というものが私はあってしかるべきじゃないかというふうに思いますが、そういう意味でお聞きしておるのです。
  84. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) 今度の御審議をお願いしました風営法の改正というものは、毎々申し上げておるとおり、少年非行化原因の除去というものに何が一番さしあたって役立つかということで、まず深夜喫茶ということを取り上げたのでございまして、ヌードスタジオとか、いまのトルコぶろの問題はたまたまそのときに出なかったものですから、突き詰めた政府部内の統一した見解というものをつくるところまで至っていないので、お互いに係官同士で話をしておるというようなことでございますが、私たちの考え方としては、事いやしくも風紀に関することは風営的な感覚で警察がタッチすべきものだというふうに全部なりますならば——これは労をいとうつもりはございませんが、風営法で浴場もやれ、興行場もやれるというようなことになりますれば——しかし、これは戦後の民主的なあり方として、なるたけそういうところは第一義的に警察が出るのはよろしくないということで、こういう法律体系になっておるものですから、それぞれの場所において読み得るだけの法律の読み方をして、風紀の問題も解決してもらい、そのはみ出た分についてどうしても警察が乗り出さなければならぬというようなものについてだけ、われわれやろうというような気持ちを持っておるわけでございます。先生方のお考えで、もっとそれもこれも風俗に非常に関係があるのだから、おまえたち立ち入り権でも何でもつけて、もっとどしどしあげられるようにせいというお話でございますれば、これまた、将来よく研究した上で、私は考えることにやぶさかじゃございません。消極的に権限争議というか、私もやらない向こうもやらないという考え方じゃございません。
  85. 鈴木壽

    鈴木壽君 私も、今回の法の改正趣旨は、少年のいまの非行問題につながるようないわゆる深夜喫茶とか、こういうものの規制にあるということは、これは私もそう思っておるし、それはそれでいいと思うのですね。ただ、いま問題がいわゆる少年非行問題なり、その他いろいろな現在のよくないああいうことに対して、単にこれだけでなしに、ほかにもこういうものがあるのじゃないか、それを一体どうするのだと、こういう問題になってきておると思うのですね。法直接のそれとはちょっとかけ離れたと言っては失礼ですが、直接の問題でないけれども、しかしこういうものはほうっておけないのじゃないかという、そういう意図のもとに規制するならば、あるいは取り締まるならば一体どうすべきであるか、こういうことになってきておると思うのですね。ですから、私いま長官のお答えのように、何といいますか、いまこれだけが問題である、だからあとはほかの問題だ。トルコぶろなりあるいはヌードスタジオなり、これはこれからの問題なんだと、立法なり改正の当時にはそういうことがあまり問題になっておらなかったから、それは手をつけないのだ、これからだと、こういうふうなことで——それでも私はいいと思うのです。しかし、これからだといっても考え方は一体どうなのかということで、いろいろお聞きしておるのですから、それに対するお答えが、どうもこれはちょっと食い違うのじゃないかなというふうに思ったからですね。それからこれは私も簡単じゃないと思うのです。いまトルコぶろなり何かヌードスタジオというものを風営でやるのか、あるいはその他の、それぞれのよりどころになっておる法律に基づいて取り締まるのか。これは簡単でないと思うのです。私も風営では、端的にいえば接待を伴う飲食——こういうものが最初のねらいであったと思う。女の子が出てきたり、いろいろな施設をして、そこにサービスを伴う飲食、特に飲むほうでしょうが、そういうものにからんでのいろいろな問題が出てくるからということで、こういうものができておる。しかし三十三年の法改正のときに、当時の警察庁の刑事局長がはっきり言っておる。端的にいえば女の子が出てきたり、飲ましたり、そういうところに問題があるから、それをひとつやらなければならぬのだと、ただあわせて構造の問題なり、照度の問題なり、われわれの射幸心をそそるところの。パチンコの問題ですか、ああいうような問題もこの中に入れただけであって、ねらいはやはりそういうところにあるのですね。それがいまのヌードのそれ、あるいはトルコぶろというものでは、飲食の問題、肝心のそういうものがなくなっているわけですね。ないところで、いろいろなことが行なわれているのでから、風営にかぶせてやるというようなことについても、はてなというふうに——当時の私は、立法考え方からしますと、あるいはこれを見ましても風俗営業とは一体どういうものかという、この定義からしまもてもなかなか問題がある。まあしかし、それはさりながら、何とかしなければならぬというので、いま問題になっているものにトルコぶろなり、あるいはヌードスタジオなり、あるいはまたボーリング等の問題が出てきているわけですね。しかし、それを何とかしなければならぬというので、そういう規制を加え、あるいは取り締まりをしなければならぬという、そういう場合に、やはり私はさっき言ったように、これはいま、にわかに出てきた問題じゃございませんから、それぞれやはり取り締まる警察のほうなり、あるいは厚生省なり、こちらのほうでもっと私は突き詰めた話し合いがあってしかるべきじゃないだろうか、こういうふうに考えたものですから、どうもそれにしては双方の考え方が違うのじゃないだろうか。違うように私は聞き取ったものですから、それで私ちょっとお聞きしてみたのでありますが、長官がいまお答えになったように、これはいまの時点ではあるいはそこまで検討しておらないとすれば、やはり早急にどっちでやるかはともかくとして、適切な対策をとるように、場合によっては法的な規制なり、そういうものが私必要じゃないかと思うのです。ほうっておけない段階じゃないかと思うのですが、そういうことをひとつ要望しております。
  86. 市川房枝

    市川房枝君 厚生省警察とのさっきの御答弁を伺いまして、私も鈴木さんと同じように、両方の論点がちょっと違っておるということを考えるわけなんですが、これはひとつ浴場法改正——どっちにしても、いまの浴場法改正していただく必要があるのじゃないかと思うのです。それは大臣にでもお伺いしなければいけないでしょうから、その点はこの次の機会にしたいのですが、厚生省当局にトルコぶろの問題でもうひとつちょっと伺いたいのは、あそこに働いております女の人たちですね、さっき警察からの報告ですと七千二百名、こういうお話があったんですが、そういう働いておる人たちの名前といいますか、そういうものの届け出が公衆浴場法でというか、あるいは条例によってちゃんと届け出をさせておるのかどうか、ということはちょっと疑問ですし、それからああいう人たちの待遇の問題、固定給がない。結局サービスによって収入を得るよりほかにしようがないのだというようなことも聞きましたし、それから私どもが視察に行ったときに、女たちのたまり場のところに掲示がしてあったのですが、その掲示の中に、一カ月に十名以上の指名のお客をとらないと首になるということが書いてある。これはどういう意味ですか。これは明らかにかなり売春につながっているという気がするんですけれども、そういうあそこに働いておる女の人たち、ミストルコと称しているんですが、ずいぶん私は気の毒な労働状態ではないかと思うのですけれども、それについてはどんな取り締まりといいますか、どんなふうにしておいでになるか、厚生当局からちょっと伺いたい。
  87. 河角泰助

    説明員河角泰助君) ただいまの御指摘の、従業員の名簿でございますとか、あるいは従業員の処遇等につきまして、公衆浴場法におきまして規制をいたしておるのはございません。公衆浴場法そのものが、要するに浴場の公衆衛生的な見地から施設なり条件なりが適当なものかどうかという規制でございますので、したがいまして、いまのような問題は要求してもありませんし、ないわけでございます。
  88. 市川房枝

    市川房枝君 未成年者があれに従事しておると、私どもやはりそういうふうに見てとったのですけれども、それも何にも規制してないんですね、未成年者を使っても違反にならないんですね。
  89. 河角泰助

    説明員河角泰助君) おそらくそれは児童福祉法になると思います。別の法律関係になってくると思います。
  90. 市川房枝

    市川房枝君 これは、ああいう風紀上非常に危険なところに働いておる女の人たち、そういう人たちに対する保護といいますか、取り締まりといいますか、労働時間の問題もあるし、深夜業の問題もあると思うのですけれども、そういうことを私は当然やはり考えなくちゃならないし、そういうことも風紀の問題と含めて、やはり現実の情勢に適するような法の改正をされなければ、条例もそれに従ってつくるわけですから、条例だけできびしい取り締まりというものは、これはできないと思うのです。まあ、その法改正の意思があるかどうかという問題はあなたにはちょっとお伺いしても無理かと思いますから省きますけれども、それはひとつお考えを願いたいと思います。
  91. 河角泰助

    説明員河角泰助君) ただいまの市川先生お話でございますと、たとえば興行場法なり公衆浴場法にいたしましても、いわゆる業法、公衆浴場業法ということになるかと思いますが、そういたしますと、あらゆる問題につきましてそうい5業法の制定ということになりますけれども、ちょっとことばが足りませんけれども、現在のところ公衆浴場法であり興行場法でございますので、そういった規制は無理ではないかと、こう考えております。
  92. 市川房枝

    市川房枝君 そうすると、一体そういう女の子たちのことはどこで心配しているのか、どこで一体考えているのかという問題になりますが、これはあなたの問題だけじゃないかと思いますが……。
  93. 河角泰助

    説明員河角泰助君) たとえば、そういうような問題は、あるいはそういった従業員を使っております料飲店の問題でもあり、あるいはトルコ浴場の問題でもあり、場合によってはボーリングの問題でもあるわけです。そういう予防の問題は、おそらく労働省におきまして従業員関係規制という基本的な問題で規制されておるわけだと思います。
  94. 市川房枝

    市川房枝君 その問題はまた別の機会に伺うことにいたします。  警察に対してもう一つ伺いたいのは、トルコ、これはヌードもそうかもしれませんが、トルコについてはさっき申し上げましたトルコ協会の会報なんかを見ますと、オリンピックがくるに際して大いにかせ、こうといいますか、もうけようといいますか、外国人も引っぱろうというような意図が出ているわけです。これが健全な営業ならそれはまことにけっこうなんですけれども、現状のトルコぶろ状態でそういうことになっては非常に困るのではないか。いわゆるオリンピックと関連してのそういう問題、風俗営業の問題、まあトルコぶろだけではないのですが、どういうふうにお考えになって御計画になっておりますか。長官から伺います。
  95. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) トルコぶろ自体のことにつきましては、いろいろ御論議になっているとおりでございまして、風紀上いかがわしい点があるという点は、今後の設備なりあるいは、私たちの解釈では風紀とい5ことばで読めると思いますけれども、いろいろそういう弊害を伴う点を除去して、何か健康にはいいという話でございまするから、トルコぶろ自身を否定するものじゃございませんが、なるたけそういう弊害は、どちらの所管であれ、何とかして除去していくという方向に導かなければいかぬと思いますし、また一般的にオリンピック目当てにいろいろな風俗上いかがわしいものが出てくるということは、私は聞いておりませんけれども、もしもそういう風潮でございますれば、風俗犯についての取り締まりを一そう厳重にして、そういう日本に来た外国人に対していい印象を与えないというか、わが国の恥辱になるようなものが、もしも続々と出るような状態になれば、警察当局も総力をあげてこれを防止したい、そう考えております。
  96. 市川房枝

    市川房枝君 トルコぶろについてはなお御質問したいと思いますが、これは時間がありませんので一応ここで打ち切りまして、文部省の体育局長おいでをいただきましたので、ボーリング場のことをちょっとお伺いしたい。実は、私の住んでおります隣にボーリング場のすばらしく大きいのが、いま建築中なんですが、私の住んでおるところは文教地区に指定されておる。それで安心を実はしておったんですが、その土地を買った人は、最初そこにホテルを建てようとした。ところが文教地区だというのでホテルは許可にならない。そこで高級アパートでも建てるのかと思っておりましたら今度ボーリング場を建てることになった。どうしてボーリングが許可になったかというと、ボーリングはスポーツなんだ、こういうことで許可になったというんですが、一体ホテルはいけないでボーリングなら文教地区として教育上かまわないというのか。一体現在のボーリングというものを文部省のスポーツ関係を担当しておいでになる体育局長としては、どういうふうにお考えになっておりますか、それをお伺いしたい。
  97. 前田克明

    政府委員(前田充明君) ボーリングは体育かどうかということでございますが、私どもも実はこの問題は一体どうかということについてかねて考えてまいりまして、二度私どもも方々のボーリング場を見て歩きましたのでございますが、非常にむずかしい、ちょうどボーダーラインのところのものじゃないかという感じが目下いたしております。体育とは、スポーツと申しますか、スポーツとは一体どこまでのものかと、こういう問題でございますが、法律のほうで申しますと、スポーツ振興法というのがございまして、スポーツ振興法におきましては、「運動競技及び身体運動(キャンプ活動その他の野外活動を含む。)」と書いてございます。「身体運動であって、心身の健全な発達を図るためにされるものをいう。」というのでございまして、まあ運動競技かどうかということになりますと、現状ではボーリングは運動競技の中にはまだどうもちょっと入っていないのじゃないかと考えます。  次に、身体運動かどうかということになりますと、これは非常に解釈がむずかしくなるわけでございまして、例が適切かどうかわかりませんが、屋内の非常に小さい場所でやるものとしては卓球というものがございますが、卓球は現在いろいろな運動競技大会にも参加いたしておりますし、それから日本体育協会へも連盟として参加いたしております。したがって、これは確実にはっきり入っておるわけでございまして、これは運動競技とももちろん言えるわけです。それでボーリングは身体運動かどうかというと、身体運動のようでもあるけれども、ちょっと現状だけで申しますと、一体そうはっきり言ってしまっていいかどうかという感じがいたしておりまして、現在までのところでは、ボーリングの団体があるということはちょっと伺っておりますが、日本体育協会にも加盟いたしておりませんので、一応私どもとしてはスポーツの中には入れておりません。しかし、将来ということになりますと、先ほど申しましたように、私ボーダーラインのところだろうと思っておりますので、検討を要する一つの何といいますか、運動というと語弊がございますが、一つの競争するものと思っております。
  98. 市川房枝

    市川房枝君 文部省はそれをスポーツとお考えになっていないという、しかし建築局あたりでは建築の許可をするときには、それをスポーツとして許可をしておる、こういう現状で、解釈が政府関係で違うという点が一つあるわけですが、現在のボーリングについては青少年非行の問題と関連して考えてどうお考えになっていますか。とにかく、いまのポーリングは何にも法の適用がない、自由にやっているわけです。値段についても規定もなければ時間もない、徹夜で朝までやっている。値段もなかなか高い。こういう状態なんです。そしてわりあいに入りいいので、いわゆるチンピラといいますか、暴力団といいますか、そういうのなんかもそこにたむろする危険があって、それで相当の犯罪が行なわれているということなんですけれども青少年非行の問題と関連してどういうふうに文部省はお考えになっておりますか。
  99. 前田克明

    政府委員(前田充明君) 青少年非行の問題につきまして、私どものほうで担当いたしておりますのは社会教育局でございますので、私ははっきりと担当という立場では申し上げかねますのでございますが、現在のボーリング場におけるボーリングが非常に非行関係があるかどうかということでございますが、おっしゃるとおりの点もあるようでございます。ただ中には非常にちゃんとしておってやっておるということも聞いております。各種各様だというような現状のように伺っております。それからボーリングに行く場合、これは非常に気持ちとしては健全であるというものも相当にあるようでございます。と申しますのは、私どもの伺った話でございますが、子供さんがボーリングをぜひやりたいということで、お母さんが、それじゃ私が行ってやってみるということで何度かいらっしゃいまして、そして、これならいいから、自分の態度さえしっかりしておればいいんじゃないかということで、かえって気分転換という意味にもなる、勉強をする場合の気分転換にもなるからいいんじゃないかということで、子供さんにやらせておるような場合もあるそうでございます。そこで、ボーリングそのものは私はたぶん悪質なものではないんじゃないか。ボーリング場全体の雰囲気と申しますか、そこいうようなものが結局非行少年に利用されたり、あるいは仲間入りをだんだんさせるような状況になるので、そういうことから申しますと、そういう点について今後おやりになるボーリングの業者が十分覚せいなすって、そういう悪い人の入りにくいようになさることを期待することを私としていたしておるわけでございます。
  100. 市川房枝

    市川房枝君 警察はボーリングはどういうふうにごらんになっておりますか。あれはそれこそ、どこの所管でもないというか、何ら法の規制はないわけなんですが、しかし風紀問題という点からいうと、広い意味において警察心配をある程度していてくださると思うのですけれども、その実情をどの程度——一体心配な弊害があるのか、それをひとつお聞きしたい。
  101. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) ボーリングというのは、実は私のほうの公安委員長も一度取り上げられたことがございまして、実情をいろいろ調べたのでございますが、いまのところ数が非常の少ないということと、それからごく特殊なものを除きますというと、この際相当の規制を加えられては困るという気持でしょう、自粛的にやっていくという段階に現在ございまして、ただその自粛にどうしても応じないという、一、二はみ出したものがあるというのが現状でございます。  将来の問題といたしましては、ポーリングに限らず、スケート場でありましても、ただいま文部省からお答えになりましたように、その競技自体というものは弊害のないものがあり、あるいは体育上推進しなければならぬようなものもあるかと思いますが、ただ集団的にやりまする際のムードといいますか、そのあり方及び時間の規制というような点については自粛とか——十分いきませんければ、将来は法的な規制をしなきゃいかぬのだろうか、こういうふうに考えております。
  102. 市川房枝

    市川房枝君 ボーリング・センターが、スポーツとしては健全という点も私はあると思うのですよ、けれどもいまお二人からお話しのように、雰囲気といいますか、時間といいますか、それから値段が非常に高いということはひとつ問題じゃないかと思う。これはアメリカがこのボーリングの本家なんですが、そのアメリカで一体ボーリングがどういうふうになっているのか、アメリカ大使館について調べてみたのですが、そうしますと、アメリカでは特に年齢の制限はしてない、各州で取り締まりをしている。それでアメリカでは日本のように高くない、一ゲーム二十五セントないし三十セント、といいますと、百円前後ですね、日本では一ゲーム二百五十円、くつの借り代が要りますから三百円とか——一ゲームといっても十分か十五分で済んじゃうから、一ゲームではどうしても満足できないから続いてやる、口もかわくから飲みものを買うというと、じき千円、二千円すっ飛んじゃうわけでして、それで非常に違うのですが、アメリカでは一人で遊びに行くというのでなくて、家族で一緒に行って楽しむ。そういうような状態で、まあそれから夜なんか、もちろん深夜は営業していないと思うのですが、健全な娯楽としてならいいけれども、どうも日本のは、そういう点でも、値段の点なんかでも少し問題があると思う。それでボーリングが近所にできたという洲崎のほうの婦人会の幹部の人が、お母さんたちが困っているんだ、子供たちがボーリングに行きたいので小づかいをせびられる。それでしょうがないから出すんだけれども、それもしょっちゅうで金高も大きくなるし、それをやらないと、それこそ、どろぼうしたりすることになっては困るというので心配しておる。この間の十六歳の三人組強盗も、あのとき新聞を拝見しますと、ボーリング場に行って金を使っちゃって、金が足りなくなったからああいう強盗をしたというのですが、そういう点も私は問題がある。それで、これを何とか健全なスポーツにするように自主規制といいますか、これは警察心配なさって、十一時まで——十一時以後は未青年者は入れないという自主規制があるらしいのですが、たまたま私たちが見に行ったところでは午前三時までやっている。しかも三時というのは、受付を締め切るのが午前三時、それまでに入った人たちは朝までやっているわけなんでして、それでそこには私たち見たところ目の鋭い、変な少年たちがやっぱりいたと思うのですが、やはり自主規制だけではできないのじゃないか。また、そのボーリングは実は持ち主がアメリカ人なんだ、持ち主はアメリカに帰っちゃって、組合から自主規制の通知が来て、警察からあとで、まだ三時までまっているというので、警告があったらしいのですが、社長がいないからどうもしようがない。われわれは社長の命令を守るよりしようがない、こう言っていたのです。社長が帰って来たらどうだろうか、社長はちゃんと守ってやるだろうかと言ったら、いや、うちの社長は言うことを聞かぬでしょうと言うのです。それは、やはり朝までやるでしょうというのですが、それはやはり法がないと、そういうことになるので、やはり、それは弊害があるとすれば、法でちゃんと規制していいわけなんです。しかし、いまは法がないので、これは法は私つくっていただく必要があるのじゃないか。これはスケートなんかも私はやはりその中に入れて——民間のいわゆる営業としてやっているスケート場なんかも健全な家庭の子供は、そこにやるとすぐ悪くなっちゃうからやれないのだということも話題に上っているのですけれども、これもいまのボーリングと同じことで、何らの法の規制がなく、野放しという状態のようなんです。だからここはどこが一体主管になるのか、私はもう健全なスポーツとすれば、それこそ風俗営業といいますか、警察のほうでなく、これはやはり文部省といいますか、スポーツを所管している文部省あたりにやはり考えていただくべきことじゃないか。もう一つ申し上げれば、私はこんなに高いのでなくて、なんで国なり自治体——子供たちはあの遊びはおもしろいと言いますが、そうしたら、そういうのをあんなに自動的に金のかかるのでなくていいと思うのです。やはりいろいろ各区や都なんかでも体育館なんというものをこしらえているのですけれども、そういう中にあれの類似の設備というようなものを奨励して、そうして子供たちを遊ばせるということを考えてもいいのじゃないかと思う。それをやはり私は文部省に——もうそれは体育局でなく社会教育局になりますか、どっちになりますか、とにかく子供たちの健全な育成はやはり文部省の任務だと思うのですが、それはいかがでしょうか。
  103. 前田克明

    政府委員(前田充明君) そういう規制を文部省でやるかどうかということにつきましては、もう少し検討さしていただきたいと思うのでございますが、さしあたって考えますれば、地方の——都道府県条例等でやっていただくのが最も適切ではないかと、私ただいまお話を伺いまして考える次第でございます。
  104. 市川房枝

    市川房枝君 なお質問はありますけれども、一応お急ぎのようでありますので——ありがとうございました。ほかの方々の御質問のとき、また関連して伺わせていただくかもしれませんが、一応終わらしていただきます。
  105. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ほかに御質疑ございませんか。
  106. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま、ボーリング関係はどなたが所管ですか。
  107. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 体育局長が主としていま答弁しておりましたけれども警察当局で答弁してくれますか。
  108. 千葉千代世

    千葉千代世君 とにかく、だれが答弁してくれますか。
  109. 大津英男

    政府委員大津英男君) できる範囲で……。
  110. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま市川委員からたいへん詳しく御質問いただいたんで、私も全く同感なんですが、私どもが視察いたしましたところの一つボーリング場にはたいへん若い方、いわゆる未成年者が多かったということと、それからその中で一ゲーム二百五十円というか高いから、一体そんな高い料金を取らなければだめなのかと聞いたら、それでもつり合わないのだと、こう言います。それでは具体的に設備するのにどんなにお金がかかったかと聞いたのです。そうしたら一レーンつくるのに——全部ボーリングは日本ではつくらないそうです、みんなアメリカから来るんだと、そうすると、一レーンが六百万円かかるそうです。私ども見ましたのは五十レーンもございましたから、これを勘定しますと三億でしょうか、幾らになりましょうか。そうすると、建物から設備からいろいろな人件費等考えますと膨大なものになっているわけなんです。その資本の出先についても、市川委員から説明があったように、これは大体アメリカとそれから日本の合作が多いようなんです。そうしますと、一ゲーム早いのが十五、六分で終わるし、おそいのは三十分くらいだと。そうしますと、一ゲームで帰る人が幾らあるかと聞いたのです。そうしたらこれは、いま末成年が来ているのは、試験が終わったのでストレス解消に来ているのだから、時間がわからないと言うのです。それでもう長いのは半日も一日もがんばっている。短いのは十五、六分で帰るけれども、そういうのはまずほとんどないくらいだと、そういうふうに答えられた。その見たところで案内の若い人に聞いたんです。そうしたら、やはり自分のほうは−私ども行きましたのが十一時過ぎだったと思いますが、もうそろそろ入場券を売るのを締め切ると、こう言っていました。けれども、入場券を一たん買ってしまって入れば、これは時間は競技している間は追い出すことはできないのだと、こういうことでした。それを考えていきますというと、資本を回収するために高い料金を取らなければならない、入場料を取らなければならない。そうすると、それを多く回転しなければならない。そうすると非常に、一レーンで一日どのくらいの収入がありますかと聞いたんです。そうしたら口を濁しておったから、私どもは別に税務署じゃないから、ほんとうのところを聞きたいのだからと言ったら、一日一万円、一レーンであげなければ商売にならないのだと、こういうことです。一日一天円あげるためには——平均ですから、土曜日とか日曜日とか、ふだんの日で違うと。そこでは土曜日の日にはサラリーマンが多くて、ふだんの日は未成年者が多い。それも試験になりますというとほとんど来なくなって、終わるとどっと来て、こういうふうに奪い合うようになってくる。五十レーンありましたのが私ども見ましたら全部満員でありました。まだたくさん控えておったわけです。かように考えていった場合に、やはりこの商業政策のペースの中で青少年がむしばまれていくのです。一番問題は金銭的な問題で、やはりそこへ来るお子さんたちの御家庭というものを調査した実例はないそうですけれども、年齢がそうであるということ、自分でかせいだお金で来てないということは事実ですから、そうなってきた場合、やはりこれはその値段が高過ぎるとは思いませんか。入場券が高くて、これは全然スポーツではないですね。スポーツはこんなお金をたくさん払って、一日千円も二千円も使ってスポーツをやらなければならないというのは健全なスポーツではないわけですから、その点についてはどのようにお考えになっていますか。商売だから知らないというわけにはいかないと思いますけれどもね。
  111. 大津英男

    政府委員大津英男君) 実は私どものほうからお答えしていいかどうかという感じもするのでございますが、東京のボーリング協会の人たちに私ども行政的な措置で自粛を求めておるという形でございまして、その人たちがお話しになるのは、やはり午前の二時、三時までやるものを十二時、十一時でやめるということは、一日に何十万かしりませんが、そういう損害ではあると。しかしながら、長い目で見て青少年の問題とかいろんなことを考えたときは、やはりお話のような点について協力をしていくということでなければならないと思いますと、こういうことをおっしゃっておられるわけであります。そういう意味で、私どもの申し入れましたことにつきましては、原則的に賛成をしていただいて、大部分の業者の方は自粛をしていただいておる。ただお話にありましたような一、二のものにつきましては、大体申し合わせをしたときから何か留保しておるというようなことで、午前三時までに受け付けた場合は、その者は必ずしも拒まないというような条件をつけて申し合わせに入っておると、こういうような状況もございまして、この点はたいへん遺憾なんでございますが、そういうようなことで業者自身も非常に資本がかかるという意味で一回の遊戯料金も相当高くなければならない。それを回収するためには終夜営業してまでも収益を上げなければならないという考えの人もおるのでございますけれども、一面やはり長い目で見て、こういうボーリングが協力を得られて一般に親まれていくと、悪い環境のものではないということで初めて長続きする営業になるのだと、そういう意味で業者の大部分の人は申し合わせを守っていこう、こういうようなお話がございまして、私どもはそういう点について期待をしているというと、何でございますが、法的規制をもう少し模様を見て考えてもいいんじゃないかというような感じを実は持っているわけでございます。こういう次第でございます。
  112. 千葉千代世

    千葉千代世君 先ほど市川委員からトルコぶろですか、その名誉会長さんが大野伴睦さんということを伺ったのですが、私もこんなにすばらしいボーリング場をつくるについてはなまやさしい資本ではできない。ちょっと小屋を建ててやるというわけにいかない、たいへんな設備と資本がかかるわけです。そうすると、その会長さんは一体どなたですかと聞いたら、前田久吉さんという方がいるそうですが、その方だということを聞いたんです。そうしますというと、どうして、それだけの資本を投下すれば、それを埋めていくということに力が入ってしまうのじゃないか。私、ボーリングそのものについては、おもしろいな、ちょっとやってみたいなという気も起きますから、たいへんいいなと思いますが、これが公営であるとか何かであって、入場券もほとんど整理券程度のものであるならば、それならわかるわけです。ああいうスポーツというものとのボーダーラインということを聞いたのですけれども——私も市川先生のところに伺って、隣りのボーリング場を建てているのを見表した。これは何ですかといったら、こうだということで、市川先生たいへん心配しておられたのですけれども、ああいう堂々たる建物を建てられて、あの中でがちがちゃって非常に刺激が強いんです。大ぜいおりまして、しかもぴかぴか光ったところで、こんな丸い玉をぶっつけてみる、倒れるか倒れないか神経を集中して、ストレス解消だというのですけれどもボーリング場で言ってたんですが、私はむしろそのときに解消するかもしれないけれども、ああいう強い刺激のところに青少年がおりますというと、今度はかりに屋内体操場でピンポンをやって健全なあれするということと、たいへんな違いになってくるわけです。ああいう刺激になれますと、より強い刺激を求めていくということが、都会に住んでいる者、特に青少年の一番危険な要素だと思うのです。そういう点で考えました場合に、これはやはり様子を見まして規制するのではなくて、ちゃんと公営なら公営でやる方法とか、それからあるいは業者については、これこれのやはり一応の基準を早急にきめていただきませんと、なかなかこれは害を除去できないのじゃないかというふうに考えますが、いかがでしよう。
  113. 大津英男

    政府委員大津英男君) なかなかそういうことで、ボーリング場の与える影響と申しますか、そういう点はやはりあるのではないか。こういう感じがいたすのでございますが、ただ、これを法律的に規制するという場合において、時間の規制、あるいは青少年の入場についての制限とか、いろいろな形が考えられるわけでございまして、特に先ほど文部省の局長から条例ではどうかというようなお話もございましたが、法律に根拠を置いて条例規制するという方法、あるいは県によりましては、青少年の保護条例というか、こういうもので何時以後は青少年はそういうところへ行っちゃいけないとかいうような規制をしているところもあるということを聞いているのでございますが、東京都では青少年保護条例もまだできておらないという関係もございますので、全く何ら措置することができないということでございましょうが、全国的に見ますと、五十七のボーリング場がございまして関西方面では終夜営業はしておらない、大体、午後の十一時あるいは十二時程度で全部やめております。それから東京周辺がいままで問題になりましたように、午前二時、三時までやっている。それも一部のものを除きましては自粛措置をとって協力するという態勢を示しており、いま終夜営業をしているものについても何とか働きかけて、ボーリング協会として何らかの措置をとって、その協定に従っておらないような業者に対して勧告をしてやっていきたい、こういうことをボーリング協会自身でも言っておるという段階でございますので、まず私どもは、その措置がどうなるかということを見守っている、こういう状況なんでございますが、どうしてもそういうことで解決しないという場合においては、条例によるか、あるいは法律によるか、何らかの方法考えていかなければならない、かように考えております。
  114. 千葉千代世

    千葉千代世君 もう一点だけ一つヌードスタジオの件ですけれどもヌードスタジオを許可する条件というものがございましょうか。たとえば、その場所の広さでありますとか、カーテンとか設備とか敷物とか、そういうふうな何か条件がございましょうか。それからヌードを撮影したり、かきますね、娘さんのいらっしゃる場所と、それからかく場所の距離とか、そういうようなことは何かございましょうか。
  115. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 興行場法の規定の適用になりますヌードスタジオでございますと、興行場法に規定しております基準に合うかどうかということで都道府県知事が許可するわけでございますけれども、それはもっぱら公衆衛生上の見地からでございまして、いまおっしゃったようなモデルさんとの距離だとか何だというようなことは規制してございません。
  116. 千葉千代世

    千葉千代世君 全然規制がないのですか、すぐそばへ寄ってかいてもいいのですか。
  117. 河角泰助

    説明員河角泰助君) それは、さくか何かあるのじゃないかと思いますけれども興業場法上の許可基準の中には、このようなことは規制がないと思います。
  118. 千葉千代世

    千葉千代世君 さくか何かって、さくをやることがあるのですか、規制の中に。あなた、ごらんになったことありますか。
  119. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 都道府県知事にゆだねられておりまして、したがってさくと申しましたのは、何かそういう手当てがあるのじゃないかという程度でございまして、見たことはありません。
  120. 千葉千代世

    千葉千代世君 たいへん恐縮ですけれども、あるのじゃないか——想像ではなくて、そのために私どもは調査してきたわけなんです。私ども見ましたうちでは、たとえば、ちっちゃい階段の下のところに営業主ですか、その人が一緒にいって、そこに娘さんがいて半分もホックをはずしてしまって、そしてさっと脱いでしまって、さっと横になってしまって、そして入っていった方が面くらっちゃう。林委員とか松本委員とか温厚な紳士が面くらって、あわてて画用紙を取り上げるといった、こういう中で、私も距離をはかってみたのです。そうしたら、ここで言うべきじゃないですけれども、やはり大事な法律をつくるのですから、ここでちゃんと資料を明らかにしないと、これはできないのですよ、法律をつくったり改正したり、だてにやっているわけではないのですから。そうしますと、おりますところとモデルさんのいる場所と、はかってみたのです、これは一メートルありません。私は、ママさんいちゃいやだね、と言われたのですけれども、いや、私もむすこがここへ来るから一ぺん見たいと思いましてと、こちらも恥ずかしい思いをして、ほんとうに飛び出したいような気持ちを押えておりました。まん中にすわったらほんとうに一メートル、しかも腰かけておりますから、モデルさんのおりますところはずっと下のほうです。しかも敷いてあるものはあんまりよくない、しわだらけの何かタオルみたいなものをずっと敷いてあって……これ以上を説明するのに私は忍べませんけれども——やっぱりそういう中へ、これは酒でも飲まないと、あそこへ入っていけませんよ、普通の神経を持った者であれば行かれない。そうすると、みんな紳士がいらっしゃった、自民党の沢田先生なんかもいらっしゃったものですから、恥ずかしいものですから——あそこでウイスキー要りませんかという、お酒でも飲んで入れということで——ウイスキーをただで飲ませるわけではない、おそらく飲んだら高いお金をとられると思います。だからあの場所というものは、ほんとうに芸術的な意味とか、あるいは趣味で行って写真をとるとか、絵をかく場所というものでないことは一見してわかると思う。そうすると、やっぱり神経を麻痺させるには業者はウイスキーをすすめているということになる。これは全く健全なあれではないと思うのですが、そういう点について興行場法の中にヌードスタジオでは酒を売ってはいけないとか、いいとかいうことはあるのでしょうか。この問題、われわれ婦人から見れば侮辱され切っている。酒を飲んで張り切って、絵をかくもないもんだと思う。
  121. 河角泰助

    説明員河角泰助君) 興行場法の中に規制してございますのは、「興行場営業を営む者は、興行場について、換気、照明、防湿及び清潔その他入場者の衛生に必要な措置を講じなければならない。」こういう規制でございますので、いま先生のおっしゃったようなことについての規制はございません。  それから私が申し上げましたのは、ヌードスタジオの中に、先ほど来申し上げておりますように、興行場法規制に引っかかり得るものの数が非常に少のうございます。それについての話でございまして、そのほかのものにつきましては当然何も規制されるあれはないということになるわけでございます。
  122. 千葉千代世

    千葉千代世君 で、私まあ一生懸命そこでかいておって、向こうは何か会社の宴会くずれか何かと思ったんでしょう、非常に気分をあれするような場所をつくり、たとえばこちらで絵をかいているのを見ているとします、そうすると今度営業主の方ですか、男の方がしきりに外におって、おい、サービスしなよという声かけているのです。それだけれども、行った方がみな紳士ばかりなものだから、うんともすんともいわずかちかちになっている。時間は幾らですかと言ったら、三十分です。一組三十分です。とても、三十分いられる神経をだれも持っていないのですね、いらっしゃった方は。だから約五分か十分でお出になって、かわりが入って行った。こういう中におりますから、これはやはり取り締まるとか何とかよりも、もっと前時代的なものではないかということを考えたわけなんですけれども、そういう点について、やはりもう少し御調査をいただいて、これは何か法で規制しないというと、あそこに働いていらっしゃる方は、一緒に行った警察の方、あの人が言ったんですよ。これはみんなひも付きだと言うんですよ。たいてい、あそこに働いている方はひも付きが多い、女の方は。そうすると、風紀の問題からも、労働基準法の問題からも、人権の問題からも、あらゆる面からやはりこれは解明していかないというと、問題は解決しないのではないかと、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
  123. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) おっしゃるとおりだと思いますが、さしあたりは、先ほど来私たちと厚生省との間に、多少ああいう物の考え方の差はございますけれども、少なくともいまの公衆浴場法みたいな文句を興行場法にも入れられて、そうして解釈も、そういう風紀も含むということにされ、しかも、その取り締まりが保健所で適当でないならば、風俗営業的な意味合いにおいて警察と共管にされるとか、何とかいうような作業をやっていかなければならぬ問題だと思います。ただいま先生のおっしゃったようなことから、もう一歩出ますれば、先ほど保安局長が申し上げたように、刑法その他の罪名で年に何百件とあげておるわけです。だから、私たちとしますれば、健全なヌードスタジオというようなものがあり得るのかないのかということについて、私個人としてはヌードスタジオというものは興行場であるという考え方については、もう少し検討しないと、許可し得るものと、許可し得ないものとが区別されるということについても、私自身としては多少の疑問がございます。
  124. 千葉千代世

    千葉千代世君 最後にひとつ、こういう実態が明らかになったわけですけれども警察庁長官としては近いうちに、早急にやはりお調べいただいて、何らかの措置を講ずるようなお考えはございませんか。
  125. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) 承知のように、本年の警察の目標というものを、暴力の一掃と交通事故の半減ということに、二つの柱を立てておりますが、その暴力というのは、単に町でけんかをするということだけではなしに、ただいまおっしゃったようなものも含めて、ひも付きであるとか、あるいはだれかに強制されて、そういう状態になったとかというようなことであれば、それもやはり暴力の一環でございますから、オリンピックまでというわけではございませんが、オリンピックというものを目標にして、そういうものをもっと強力に取り締まっていきたい、これは全国的にそういう考えであります。
  126. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 本日は、この程度にいたしたいと存じます。  次会は二十日(木曜日)午前十時、地方税法の一部改正案風俗常業等取締法の一部改正案について開会の予定でございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十六分散会    ————————