○天田勝正君 民主社会党は、
国有財産法の一部を改正する
法律案並びにただいま
提出せられました附帯決議案に、いずれも賛成をいたします。
今回の改正は、衆議院の修正を除きましても五点ございます。そのうちで特に私が賛成いたしておりますのは、第五点でありまする、災害発生時における普通財産の無償貸し付けができること、ごみ処理及びし尿処理等の
施設、これは今日各
地方団体とも困っている問題でありまして、これは無償貸し付けもしくは無償の譲与ができる、あるいは行政財産についても、道路、水道、下水道、こういうものに対しまして、これまた無償で貸すことができる、こういうことになっておりますので、この点におきましては、特にいままで問題を起こしました私法
契約によること、これがあったからこそ、なかなか立ちのき等が困難でありましたが、これを排除する意味から、行政
処分による許可にしたことは、何といっても大きな前進であると思うからであります。
しかし、管理面については、すでに各
委員からも言われましたとおり、まことに遺憾な点がありまして、そのゆえに、今日まで多くの論議はこの点に費やされたのであります。私もこの問題に取り組んで以来すでに十余年になりますが、本法案審議中におきまして、いままで指摘いたしました幾つかのこの国会周辺あるいは裁判所等が不法占拠をされておる、こういうようなことについても、解決の糸口が見られたということは喜ばしいことでございます。そういう点から賛成をいたすのでございます。
特に今日、私
どもが、今後においても注意していただかなければならない点として、二つの点においてこの附帯決議が出されましたので、これが通過いたしますならば、より一そう完全になると存じます。
さらに、私は、審議に協力する意味から、特に公社関係あるいは自治省関係を、言及いたしませんでしたので、その点に一言だけ触れてみたいと思います。それは、
国有財産の管理が粗雑でありましたのに見習うかのごとく、公社もしくは
地方自治体において道路あるいはその所有地というものがかなり多く不法占拠をされております。あるいはまた、必ずしも不法占拠でないにいたしましても、戦後の混乱時に戦災者を救済するとか、引き揚げ者を救済するとか、そういうことによって、当初の
目的は確かに善意で貸し付けたものもあるのでございますけれ
ども、それが十九年もたってまいりますると、道路の使用のごときは、道路事情がかくのごとく、その上本来の貸し付けを受けた人は、もはやほとんどそこにおらずして、これが暴力テキヤの支配下に置かれるという事実が発生していることは、どなたも御承知のところである。また、駅の所有地、これは国鉄公社でありますけれ
ども、これも同じように善意でやった貸し付けであっても、その立ちのきのためには、実に天文学的な多額の賠償を要求されまして、これが開放されるならば、住民の
利益、乗客の
利益ははかり知られざるものがあるにもかかわらず、結局思うにまかせない。私の住まっている市においても、このことのために十年間かかっている。それの結果は、市の
負担、すなわち市民税の
負担、こういうようなことになるのでありまして、かようなことからしましても、きょう自治省の方がおられるようでありますから、自治省のほうにおきましても、こういうことについても十分
国有財産にかかわる附帯決議と同じような精神をもってやっていただく、このように希望いたしまして、賛成いたします。(拍手)