○
野溝勝君 最後にひとつ、特に誠意ある
大臣に申し上げておきたいと思いますが、こういう状態でございまして、米の
需給はなかなか容易ではございません。でありますから、これも
食管制度を廃止するとか廃止しないとかいうような声をちょいちょい
しろうとが出したり、あるいは
食管制度の
赤字はいかにも
百姓のものだから、
百姓にそれ以上
赤字を国民が負わされちゃかなわぬじゃないかというような
印象まで出ています。こういう
食管制度の
赤字につきましても、私はもう少し
内容を明らかにしてもらいたいと思います。
貯蔵食品の
費用がどのぐらい、あるいは
輸入米倉庫費がどのくらい、あるいは
買い入れの
負担費用がどのくらい、それでこれはどのくらい、こういうことを出せば、
食管制度の
赤字に対して
百姓の取り分はどのくらいあるかということが明確にわかります。いかに本
百姓がぼろいもうけをしているような
印象はまことに困るので、むしろ
赤字だけを
PRしないで、
内容を明確に出していただきたい。そうすることが、
行政上うまくいくことになっていくと思います。さらに
卸売り業者にも御
承知のように百六十億出しておるでしょう、
配給機関に。ああいうものをぴしゃっと出せば、なるほど
食管の
赤字はこれは
百姓のために出すものではないということがわかりますから、ぜひひとつ正直なまじめな
赤城農林大臣に、特にこれを希望しておくものでございます。
さらに、いま問題になっているのは、
臨時行政調査会、あの中で七班は
農林省関係も扱うことになっているのですが、いま申しました
臨時行政調査会で、大事な
農林統計の問題も、
蚕糸局の問題も、これを縮小あるいは廃止しようとかいうような方向にあるらしいんだね。これはとんでもないですよ。日本あたりで農産
関係から原材料として輸出できるというものはほとんど蚕糸くらいのものかと思う、代表的なものは。その掌にある機構や、日本農業の近代化をやっていく上で
基礎となる
統計関係の機構を縮小しようとかやめようとか、これはばかげておると思う。これこそ逆コースだ。こういう動きもありますから、そういうものはおそらく
大臣まだまだ御理解を願えぬかもしれませんが、十分御留意を願いたい。
それから、
大臣は日経にも近代化という論文を出された。確かに私は同感いたします。近代化はけっこうでございますが、あなたの示されておるとおり、
生産構造におきましては第一次産業などといわれておる農業が
昭和三十年には二二・八%を占めておったのですが、それが三十八年においては一四・三%になってきています。ほかのものはずっと第二次産業、第三次産業は上がっています。さらに
所得の面におきましては、驚くなかれ三十年には一八・八%あったものです。それがあなたのお示しになっておるとおり今度は九・九%、こういうおそろしい格差ができてくるのですね。農業基本法というものは格差を強める
法律かと私は言わざるを得ない。これは皮肉じゃございませんよ。こんな状態になっている。池田さんが格差をなくすると言ったって、どんどん格差は開いてくる。ここら辺は、
大臣、ひとつ開き直って、十分農業基本法なりあるいは
所得の格差をなくするということに真剣になっていただかぬと、こういう状態では、これは専業農家どころじゃない。おそらく私は今後農業の就業人口というものはますます減ってくると思うのです。特に就業人口などにおきましても、三十年におきましては三七・一%、それが最近では二七・六%に減っておる。こんな状態でありますから、米の
需給計画などにおきましても、いかに農業が近代化し機械化してきても、とても私は日本の農業におきましてはまだそんなに近代化、機械化というところにはいかぬと思います。やはりある程度農業人口というものがなければ
生産性をかちとることはできない、こういうものでございます。
こまかいことは時間がございませんから省略いたしますが、土地改良の問題につきましても、農業構造改善について
大臣は力を入れておりますけれども、土地改良に対するところの
農民負担が非常に大きなものがございます。福島県におけるところ柳津土地改良区の問題、あるいは成田におけるところの御
承知の地元の問題などにつきましても、負担に対して非常に迷っているわけです。この際にあたって、構造改善などやるにいたしましても、
政府が思い切ったことをやらなければとても
農民の負担は容易でないのでございまして、今後の米の
生産におきましても、あるいはその他農産物の拡大におきましても、非常に問題があるのでございますから、十分
大臣はそういう点に
配慮を願いたい。
農業とか中小企業のために大いに
政府はやるなんというようなことを言いましたけれども、
予算がばかに少な過ぎて問題にならぬ。しかし、
赤城さんだからあれまでいったのだと思いますけれども、今後の運営が大事です。さらに補正
予算の際におきましては、この点を十分にひとつ
赤城さんから力説されんことを特に希望いたしまして、私の
質問は終わります。でありますから、その間、私の論点といいますか、中心のところだけお答えを願います。