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1964-09-30 第46回国会 参議院 大蔵委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年九月三十日(水曜日)    午前十時二十七分開会   —————————————   委員異動  六月二十六日   辞任      補欠選任    大谷 贇雄君  村松 久義君  六月二十七日   辞任      補欠選任    久保 勘一君  川野 三暁君    長谷川 仁君  林屋亀次郎君    金丸 冨夫君  田中 茂穂君  七月十三日   辞任      補欠選任    田中 茂穂君  上林 忠次君  七月十四日   辞任      補欠選任    上林 忠次君  田中 茂穂君  八月十九日   辞任      補欠選任    新谷寅三郎君  太田 正孝君  九月二日   辞任      補欠選任    渋谷 邦彦君  二宮 文造君  九月七日   辞任      補欠選任    川野 三暁君  増原 恵吉君  九月十九日   辞任      補欠選任    太田 正孝君  古池 信三君  九月二十八日   辞任      補欠選任    古池 信三君  太田 正孝君  委員長異動  六月二十六日新谷寅三郎委員長辞 任につき、その補欠として村松久義君 を議院において委員長に選任した。   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     村松 久義君    理事            柴田  栄君            西川甚五郎君            天田 勝正君    委員            大竹平八郎君            太田 正孝君            岡崎 真一君            栗原 祐幸君            田中 茂穂君            鳥畠徳次郎君            林屋亀次郎君            日高 広為君            堀  末治君            木村禧八郎君            柴谷  要君            野々山一三君            野溝  勝君            二宮 文造君            原島 宏治君            鈴木 市藏君   事務局側    常任委員会専門    員       坂入長太郎君   説明員    大蔵政務次官  鍋島 直紹君    大蔵省主税局長 泉 美之松君    国税庁長官   木村 秀弘君    食糧庁業務第一    部需給課長   羽場 光高君    労働省職業安定    局失業保険課長 道正 邦彦君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○派遣委員報告に関する件   —————————————
  2. 村松久義

    委員長村松久義君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る八月十九日、新谷寅三郎君が辞任され、その補欠として太田正孝君が、九月二日、渋谷邦彦君が辞任され、その補欠として二宮文造君が、同七日、川野三暁君が辞任され、その補欠として増原恵吉君が、同十九日、太田正孝君が辞任され、その補欠として古池信三君が、同二十八日、古池信三君が辞任され、その補欠として太田正孝君が、それぞれ選任されました。   —————————————
  3. 村松久義

    委員長村松久義君) 派遣委員報告につきましておはかりいたします。  去る六月二十六日の本委員会決定に基づきまして、租税及び金融等に関する調査のため、第一班として渋谷邦彦君、大竹平八郎君及び鈴木市藏君を宮城県及び秋田県に、第二班として村松久義君、柴田栄君及び成瀬幡治君を愛知県、京都府、大阪府及び兵庫県に、第三班として川野三暁君、堀末治君及び野々山一三君を広島県及び山口県に、それぞれ六日間の委員派遣を行ないましたが、これら派遣委員報告は、便宜、会議録に掲載しごらん願うことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  4. 村松久義

    委員長村松久義君) 御異議ないと認めまして、さように取り計らいます。  なお、この際、派遣委員から今回の調査に関して関係当局に対し質疑を行なうことにいたしたいと存じます。お申し出もございますので、順次御発言を願いたいと存じます。
  5. 柴田栄

    柴田栄君 この際、先般の国政調査において問題になりました問題について、数項目にわたって御質問申し上げたいと存じますが、第一に、昭和三十八年度産米に対する酒造用原料米は、御承知のとおり割り当て量が二百八十七万石ということになっているようでございます。そのうち約十万石を加州米割り当てられたのでございます。しかし、御承知のとおり、清瀬は日本の独特の技術日本米という特有の、特に日本米のうちでも優秀な米を選定して使用せられて、これを対象として今日まで技術を練摩せられ、いわゆる芳純な資質を育成せられてきたものではないか、さように考えまして、外国産米が不適当であるかどうかということは別問題でございまするが、直ちに加州米をもって従来の優秀な日本米で醸造いたしてまいりました清酒と同じような風味、芳純さを確保することはなかなか困難のようでございます。したがいまして、昭和三十九年度は、御報告等によりますると、まれにみる豊作ということになっておりまして、おそらく酒造用原料米の判り当て等の御検討をいただいたことと存じまするが、この際米の需給計画等について一応御脱出をいただき、将来にわたっての酒造米需給の見通しをお聞かせいただきたいと存ずるのでございます。
  6. 鍋島直紹

    説明員鍋島直紹君) ただいま柴田委員からの御質問でございますが、来年度の酒造米につきまして、最初の加州米の点でございます。御指摘のとおり、約三%、十万行近い米が酒造米として売り渡されて、三十八年度はそれを使ったわけでございます。この点につきましては、品質が実際日本のお酒をつくるのに適するかどうかという点で、その後醸造試験所によってそれぞれ研究をいたしておりますが、やはり歩どまりあるいはその品質に及ぼす影響等々、やはり多少の疑問はあるようでございます。まだ精細な調査という点頭で至っておりませんが、どうも内地米と比べて全く同様であるというようなことは言えないよう状態かと存じます。したがいまして、いろいろな御要望もございまして、三十九年度の酒造米につきましては、全部内地米といいましょうか、日本産米を使うように目下食糧庁と交渉中でございます。  なお、酒造米の詳細につきましては、国税庁長官よりお答えいたします。
  7. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) ただいま政務次官から答弁申し上げましたように、三十八酒造年度におきましては、八万八千石ばかり加州米を使用いたしました。その結果は、やはり精米歩どまりが悪いということ、あるいは初めてのことでもございますので、製造操作が非常にむずかしいというよう業界からの批判がございまして、三十九年度におきましては、ただいま政務次官から御答弁申し上げましたように、全量内地産米を充ててもらいたいということで、月下食糧庁折衝中でございます。現在の段階では、昨年度の実績程度内地米が支給せられるであろうというよう状況でございますが、なお、業界要望もございまするので、でき得れば全量ということで現在折衝中でございます。
  8. 柴田栄

    柴田栄君 農林省としてはどんなふうにお考えでございましょうか。
  9. 羽場光高

    説明員羽場光高君) 私、需給課長でございますが、御説明申し上げます。  ただいま政務次官、それから国税庁長官からお話がございましたように、昨年度加州米を若干使ったわけでございます。これは、昨年度におきましても、当初計画に比べまして実行上非常に数量がふえたというよう関係から、急にふえたものにつきまして一部加州米を使うということにしたわけでございますが、従来、過去の実績からも、これはだいぶ前でございますけれども加州米を入れたこともあるというようなことから、加州米ならだいじょうぶじゃないかと思ったのでございますが、一つは、入れました時期が、そういう数精をきめました時期が非常におそかったよう関係もございまして、加州米がこちらへ到着いたしましたのがだいぶ、二月ごろになりました。そういうようなことで、掛け米として使うかうよな場合におきましても、なかなかこなし切れないようなこともあったのではないかというふうにも思っておるわけでございます。  それから、今後の問題でございますが、これは実は八月十五日の見込みでございますと、御承知ように、千三百二十九万トンというようなものが一応推定されておりますけれども、その後の天候のかげんとか、それから八月十五日の推定は前平の面積にことしの見込み反収を掛けておりますので、相当生産量のズレがあるのじゃないかというようなことも考えられますので、いままでのところでは、まだ本年産米買い入れ数量見込みが確実なところが立っておりません。そういったよう関係で、さしあたり昨年度程度の米であればこれは十分まかなえると思いますけれども、それ以上のものにつきましては、今後さらに検討させていただきたいというふうに思っておりまして、先ほど長官からもお話がございましたが、国税庁からの御要望の数字は十分私ども承知いたしております。ただ、それにつきましては、もう少し検討させていただきたいというふうに考えております。
  10. 柴田栄

    柴田栄君 将来にわたっても、やはり加州米を相当酒造米割り当てるという考え方はあるのでございますか。まあただいまのお話だと、たいへん三十八年度は時期が悪かった。——時間が悪かったということは、あるいは質が悪かったということにもつながるかもしれませんが、加州米でも、時期がいい、質がよければ、酒造米に使えるというお見込み割り当てられようという考え方はあるのですか。
  11. 羽場光高

    説明員羽場光高君) これはその年年の生産量の問題じゃないかと思うのでございますが、千三百万トンを上回って生産が順調に進むということであれば、これは内地米で十分まかなっていけるのじゃないかというふうに思います。ただ、昨年度は生産も悪かったというよう関係一つございまして、加州米を使ったということでございますが、今後の問題としましても、酒が順調に——順調といいますか、私どもが思っている以上に非常に伸びていくというようなことになりますと、なかなか内地米だけではまかなえないということがあろうかと思います。だけれども、私ども、まあ五%とかあるいは適当な程度で伸びていくのであれば、生産のほうも順調に伸びていくとすれば、その分はまかなえていくのじゃないかというふうに思っております。
  12. 柴田栄

    柴田栄君 ただ、ただいまちょっとお話がありましたが、時期が悪くて不適当な加州米が回されたというようお話ですから、加州米でも、あるいは質がいい米ならば、酒に使われるというお見込みかどうかという点はどうですか。
  13. 羽場光高

    説明員羽場光高君) まあこれは私は専門でないのでわかりませんけれども、掛け米として使う分にはある程度使えるのじゃないかと私は思うのでございます。というのは、一つ配給米にいたします場合に、加州米は四等米に準じたもので配給米にいたしておりますので、そういったことからいいましても、大体玄米で買っておりますし、四等米としての値打ちはあるのじゃないかというふうに思っております。  それから、酒米のほうも約三百万石需要がございますが、その中で好適米は大体七十から百万石の間でございまして、あとは掛け米でございまして、掛け米は主として一、二等のいいものが出ておりますが、三、四等も使ったことはあるわけでございまして、したがって、掛け米として薄くする分には使えないことはないというふうに思います。ただ、それが望ましいかどうかということになると、必ずしも酒米として外国米を使うことが望ましいとも思いませんし、これは絶対量の問題で、生産が順調に伸びればまかなえるし、非常にそれが少ないというようなことであればやはりある程度加州米に限らず、もしほかの外国米があれば、そういったものも使っていく、掛け米として使っていくということは、研究に価するのではないかというふうに思っております。
  14. 柴田栄

    柴田栄君 この問題は将来の米の需給関係等とも関係すると思うのですけれども大蔵省としては一体、外米が酒造米として使えるか使えないかということについての御検討をお進めいただいておるかどうか、その点をひとつ。
  15. 鍋島直紹

    説明員鍋島直紹君) 昨年度の加州米漸進用に適当かどうかということにつきましては、その後試験所等におきまして詳細に調査中でございますが、まだ的確な結論は出ておりません。ただ問題は、いろいろ業者方等の御希望もあり、不適当という断定には至っておりませんけれども、願わくは内地産米のほうがよろしいというような意向になっております。的確な結果ではございませんけれども、そういった気持ちを持っているわけでございますので、内地産米のほうが業者としては非常に喜ばれるのではないかというふうに思います。
  16. 柴田栄

    柴田栄君 その問題については、さらに大成当局としても、酒造米としてなお研究をして、使えるか使えないかという御検討を積極的にお進めをいただいておくという必要があるよう感じがいたしますので、それはお願いを申し上げておきます。
  17. 堀末治

    堀末治君 関連して。いま政務次官長官も多少ということばをお使いになりましたけれども、実際今度加州米でつくった酒、あなたはごらんになりましたか。
  18. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) 今年度加州米を入れましたときに、醸造試験所におきまして試験的に若干つくってみました。私、それを一応ためしてみました。私の感じでは、内地産米からつくった酒と比べて目立って劣るとは思っておりません。ほとんどわからないといったほうがいいかと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、非常に精米の際にくずれるので歩どまりが悪うございます。それにやはり業界としてもなれておりませんので、使いなれておりませんので、やはり製造操作上むずかしいという声がございます。ただ、将来とも、先ほど食糧庁のほうから御答弁ございましたように、いつまでも豊作が続くということを期待するわけにもまいりませんので……。
  19. 堀末治

    堀末治君 それはいい。いまあなたから聞いたからけっこうです。  そこで、もう一ぺん申しますけれども、それなら、あなたの御意見だと、醸造試験所でつくったのはまずまずだとおっしゃるが、私は、実は醸造試験所のものは見ない。われわれ三人で出かけて山口県で見せられた。これが酒かと。野々山君なんかおりますが、全くこれは問題にならない。加州米というのは、古い話をすると何ですが、私、よく使って経験があるから、まさかあんなものではなかろうと思ったのだが、実際見せられて実はびっくりした。ほんとう加州米かといって向こうに反問したのです。先生、間違いございませんよと言う。とにかく酒ではないね。そこで、あなた方の認識がはっきりしていないと、あと農林省に押されるかと思ってこれを言うのですよ。実際、一ぺんそちらのほうの、試験所のほうのやつがまずまずだと思うならば、山口県に言うて、山口県から取り得せてみてください。これは技術の相違があるかもしれませんけれども、とにかく酒でもなんでもない。番茶よりまだひどい。(笑声)いや、全く。笑いごとでないですよ。酒のことになれば、失礼ですけれども、私はあなた方から見ればよく知っている。実際、酒でないですね。ほんとうかと思って私は尋ねたのですから。いや、先生、うそなんか申しません、と言うほどのひどいものなのだ。これなら問題にならない。  そういうわけですから、ただ醸造試験所のほうをごらんになったのではだめだから、わざわざわれわれは山口県で見せられてきたのですから、それを一ぺん取り寄せてごらんくださって、認識を深めておいてください。その上でないと、いま言ったような、さっき言ったふうな、多少とか、これならまずまずというようなのとは全然違う。もしもそれがいい、山口あたり技術が悪いのなら、それはまたそれで別な方面から、醸造試験所あたりから指導してやらないとだめだと思います。それはあたりまえのやり方でやるならば、とにかく問題にならないですよ。それをしっかり認識を深めておいて、ことしは大体米は足りるかもしれませんけれども、足らないときにまたあんなものを押しつけられたら始末が悪い。あれから税金を取るなんて、取れっこありゃしませんよ。とにかく御注意申し上げますから、取り寄せてごらんくださって、はっきりした認識をもってひとつ米についてお考えおきください。どうぞお願いいたします。
  20. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) ただいま御指摘の点は、十分今後考えてまいりたいと思います。先ほど私、醸造試験所でためしにつくったと申し上げましたけれども、もちろん各地でつくられたものを醸造試験所へも集めております。それも私、拝見いたしました。中には、いま堀委員が御指摘になったように、非常ににおいの強いものであるとかあるいは色が濃いものであるとかいうものもございました。ただ、醸造試験所専門家の言では、はたしてこれが加州米から来るものであるか、あるいは製造過程において一般の内地産米を使ったときでもそういうできそこないの酒もあるわけでございますから、どちらから来るものであるかということは、もう少し検討してみなくちゃいかぬというようなことでございます。  なお、御指摘の点は十分慎重にかまえて、できれば全策内地産米をもって充てたいと思います。
  21. 柴田栄

    柴田栄君 次に、もうすでに酒造時期に入ってまいりまして、新しい米の割り当てをいただきたいという状況になっておるようでございます。そこで、酒造原料米価格の問題でございますが、去る二十五日の閣議かあるいはどういう形式だかよくわかりませんが、正式に酒造米価格決定されたというよう新聞紙上で承っております。これは消費者米価問題等もございまするし、どういう経緯でこういう御決定になったか、その辺のことをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  22. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) 御承知ように、今年度の政府貰い上げ価格石当たり一万五千一円というふうに先般きめられまして、それでまいりますというと、大体酒造米として千七百九十七円ばかり機械的にいえば上がるわけでございます。ただ、私たちといたしましては、その中に含まれておる時期別格差、あるいは臨時特別加算、あるいは金利等について食糧庁のほうといろいろ協議をいたしまして、でき得ればこれらの要素についてはもっと合理的な値段を出してもらいたいというようなことで、いろいろ検討協議を重ねたわけでございますが、やはり従来酒造米払い下げ価格コスト主義によっておりますので、原則はくずせないということで、先般閣議石当たり千六百二十円の値上げということにきめられたわけでございます。
  23. 柴田栄

    柴田栄君 これはもう暫定ではなしに、決定でございますか。
  24. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) 私たち食糧庁との協議の際には、いろいろ暫定——一応一般消費者米価がきまるまでの間暫定にしてはどうかという議論もその過程ではございました。しかしながら、最終的にはやはり決定ということで、できるだけ早く、一つ消費者のほうに、製造者のほうに米、現物を受け取っていただく、それからいつまでもそういう浮動の状態に置くということはよくないということで、決定ということに相なった次第でございます。
  25. 柴田栄

    柴田栄君 消費者米価の基本の決定の際にあたりましてはどうですか。
  26. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) ただいまの千六百二十円上げという点につきましては、最終の決定でございますので、消費者米価いかようにきまりましても、ただいまの酒造原料米価格は変えないということでございます。
  27. 柴田栄

    柴田栄君 そういたしますと、この原料米によって清酒生産されるということになれば、清酒値上げ問題等についてはまた論議が出てくると思うのでございますが、醸造業者としては、コストの中に占める割合等からして、清酒値上げの問題が相当要望されておるようでございます。これに対する政府考え方はどういうことになるわけですか。
  28. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) 先ほどの、石当たり千六百二十円上がりまして、結局一万六千二百九十五円に相なります。それで、これだけの値上げということになりますと、酒、清酒価格に及ぼす影響は、大体一弁当たり七円程度かと存じます。したがって、今回のこの値上げが直接すぐそのまま清酒価格影響するということになりますと、その程度値上げということになるかと思いますけれども、しかし、一方においては製造数量が相当上がると思います。そうすれば稼働率も向上いたしますので、それで若干の値下がり的な要素も起きるのじゃないか。  それから、もう一つ問題は、御承知ように、現在清酒は、特に業務用におきましては、かなりの値引きリベートをメーカーから出されております。あるいは一弁当たり二十円ないし三十円リベートが出されておるという事実もございます。したがって、値上げということになりますと、やはり一般消費者に及ぼす影響を無視できませんので、われわれとしては、できるだけ公正な取引をしていただいて、こういう値引きリベートをもできるだけ圧縮していただきたい、それによって値上げをできるだけ抑えていただきたい、こういう希望を持っておるわけでございます。
  29. 柴田栄

    柴田栄君 一応米の問題については以上にいたします。
  30. 村松久義

    委員長村松久義君) 関連して。国税庁長官に聞きますけれども、あなたはさっき時期別格差とかあるいは予約奨励金特別加算金ですか、こういうものはなるべく価格から除いてものを考えたいよう発言があった。これは非常に重要な問題だ、私もそう思うんですよ。特に特別加算金のごときは、これは特殊な臨時の処置なんです。したがって、われわれとしては、特別の目的を持ったそういう加算金価格として、価格構成要素にはなっていないという考え方を持っている。食管会計の出費があるという現実は、これは認めますよ。また、酒造米価格決定とか、あるいは消費者米価決定というものは、いずれもみな原則が違う。したがって、酒造米に対しては価格という考え方でひとつ価格をきめてほしいのだが、払い下げ価格を。そういたしませんと、これは非常な混同になると思いますので、この点をひとつ検討をしてほしい、こういう希望を申します。御意見は。
  31. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) この臨時特別加算米価コストに入るかどうかという問題は、非常にむずかしい問題と存じます。従来時期別格差がやはりそういう何と申しますか、奨励金とは申せませんが、それに近いような性格を若干持っておったのじゃないかと思いますが、これがやはり従来は米のコストとして酒造川原料米価格構成部分をなしておったわけでございます。まあ私たちといたしましては、食糧庁との協議段階におきましては、やはりこの臨時特別加算については若干の考慮を願えないかというよう議論もありましたけれども、しかし、やはりこれが政府買い上げ、米の買い上げ価格の一構成要素をなしておるという点から見まして、やはりこれをはずすということは非常に無理がある。従来はこの酒造用原料米価格につきましてはコスト主義を貫いてきております。そこは一般消費者米価と違う点かと思いますけれども、従来の経緯から見ましても、これはどうもむずかしいということで、最終的には先ほど申し上げました千六百二十円上げということに落ちつき、その中にはこれらのものを含むということが最終的にきめられたわけでございます。
  32. 村松久義

    委員長村松久義君) もう一言だけ言いますが、私の言っているのは、あなた、食管の赤字問題にもしこだわって価格決定するとなると、これは合理性を貫いておらないのではないか。あなたの発言の趣旨からも、私それを察するのです。したがって、酒造米はこれはいわゆる純正のというか、適正の価格ということが中心になって払い下げ価格をきめるのが相当である、こういうよう意見もあなたに申し上げて、大いにひとつ考えていただきたい、こう思います。
  33. 柴田栄

    柴田栄君 次に、酒造関係従業員失業保険の問題でございますが、御承知のとおり、最近二、三年間失業保険の加入率が相当高まってまいりまして、現在は相当数の者が加入をしておるようでございます。先般の閣議失業保険の受給資格取得期間について再検討されるような御意向が示されたのでございますが、酒造業に携わる季節労務者、特に杜氏につきましてはこの問題をめぐって非常に動揺いたしておるという状況は御存じでございましょう。このために、ほとんど就労する者はないというよう状況の地域もあるようでございます。現在の失業保険の運用の状況、それから今後検討されていく方向について、政府当局のお考えを承りたいと思います。
  34. 道正邦彦

    説明員(道正邦彦君) 三点に分けまして御説明を申し上げたいと思います。  第一点といたしまして、ただいま御質問の失業保険がどういうふうに運用されて、概況はどうか、こういうことでございますが、特に季節的労務者が失業保険を受納している状況は、統計的に申し上げますると、二十八年度以来三十八年度に至りますまで、景気変動に関係なく一貫して増加の一途をたどっています。さらに具体的に申し上げますると、二十八年度におきましては十一万六千人、全受給者の中に占める割合は一四・四%程度でございました。これが着実に増加いたしておりまして、三十八年度は四十八万人、全体の受給者に占めます率は三〇・七%ということでございます。これは杜氏だけじゃございませんが、そのほかの季節的労務者も含みますが、こういうことでございまして、失業保険全体の財政にとりまして、このままの傾向が続きます場合には、ゆゆしき事態になるということでございまして、再検討を何らかの形でなさなければならない段階でございます。  さらに、具体的に御理解いただきますために付言いたしますると、通常季節的労務者が保険金を受給いたします場合は九十日分を受給いたしますが、これは本人の保険料の二十二・五年分に相当するわけでございます。したがいまして、この傾向で季節的労務者が増加をするといたしますると、保険として当然成り立たなくなるわけでございます。そういうことでございますので、失業保険全体といたしまして問題だということは御理解いただけようかと存じます。  さらに、第二点といたしまして、日本経済の波は若干いろいろございまするけれども、全体といたしまして、一ころに比べまして雇用情勢は好転いたしておることも御承知のとおりでございます。そういたしますると、いままで季節的労務者に対しまして、失業の状態になる、その場合に就職をあっせんしようもないということもあったわけでございます。したがって失業保険を支給せざるを得ない、こういうことになるわけでございますが、最近のように求人と求職のバランスがまあ次第に好転をしてまいっております場合には、就職のあっせんを申し上げるということで、適職があればそちらのほうにごあっせんを申し上げ得るように、一ころに比べますればなりつつある、こういうことでございます。  第三点といたしまして、しかしながら、先生ただいま御質問のように、杜氏であるとかそのほかの季節的労務者の皆さんが従来まで失業保険を受給しておったということは動かしがたい現実でございますので、最初に申し上げました二つの問題はございまするけれども、あわせて、やはりいままでの運用の実績というものも十分に考慮しなければならないということは、これまた当然のことかと存じます。そういう意味で、現在の大蔵省あるいは農林省、あるいは業界直接の御意見、行く行くは審議会の御意見等も十分に拝聴いたしまして、成案を得たいと思っていますけれども、改正の内容等につきましては、いろいろ問題も非常にございますので、現在目下鋭意検討中の段階でございます。
  35. 柴田栄

    柴田栄君 まあお話ように問題点も相当あるとは思っておりますが、いよいよ仕込みの時期に入って突然この問題で杜氏が就労しないということになりますれば、酒造の趨勢あるいは酒造業界等は、どう対処すべきかということで、非常に現実の問題として悩んでおります。これについては一体大蔵当局では、どういうふうにお考えになっておるわけですか。
  36. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) この失業保険制度を季節労務者に対しまして打ち切るという問題が出ましてから、相当杜氏さんの間でも動揺が起きたということは、ただいま御指摘のとおりだとわれわれも認識しております。御承知ように、杜氏その他の酒造工の雇用条件というものは非常に前近代的な形が多うございまして、最近の企業の近代化計画におきましても、酒造工等の雇用の問題は非常に大きな問題になるわけでございます。そこで、単に失業保険という形だけでなく、やはり賃金体系を整備する、あるいは雇用条件、就労条件を改善する、あるいは社会保障、福利厚生施設を充実するというような、あらゆる角度からこの問題をながめていく必要がございますので、私たちといたしましては、調査会のようなものをつくりまして、そこへ関係の労働省の方と、それから酒造組合中央会の力と、それから杜氏の代表の方、学識経験者を入れて、そうしてそこで至急成案を得たい、したがって、その成案を得るまでの間は失業保険を打ち切らないでいただきたいということを、労働省に強く要請をいたしております。とりあえず中央会を通じまして、下部の各地の酒造組合には、心配がない、いますぐに打ち切るというような態勢でないから、とりあえず成案を得るまでの間心配ないから、就労してもらいたいということを、中央会から各地の酒造組合を通じて、情報として流してございます。今後はそういう意味で、調査機関をつくって至急検討を進めてまいりたいと存じております。
  37. 柴田栄

    柴田栄君 まあ当面の問題としては、そうすると、まあことしの酒造作業には差しつかえないように、就労できるような対策を考えていただくということに了解してけっこうでございますね。
  38. 木村秀弘

    説明員木村秀弘君) そのとおりでございます。
  39. 柴田栄

    柴田栄君 次に、洋酒の問題でございますが……。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 失業保険の問題について一つ簡単に、関連して。いまの失業保険の季節労務者に対する打ち切りの問題ですね、これはいま直接は杜氏の問題として質問されておりますが、いまお話聞きますと、これは杜氏だけでなく、全体としての季節労務者の失業保険打ち切りの問題についてお話あったわけですが、先ほどの御説明ですと、季節労務者が非常に激増してきているわけですね。これはオリンピックとか、あるいは国鉄新幹線の建設とか等々もあり、最近兼業農家が非常にふえてきて、出かせぎが非常にふえてきておりますね。そういう問題とも関連してくるのですがね。もし打ち切った場合、これは非常に影響が広範だと思うのです。そこで、もう少し具体的に、なぜ季節労務者が、さっきの統計でお示しになったように激増してきたのか、その根本の原因は一体どこにあるのか、そうしてそれは今後日本の経済情勢の変化によって雇用の条件が変わってきた、求人数が多くなってきたから、職業補導あるいは就職あっせん等によって一体解決がつくのかどうか。解決のめどがつかないとたいへんな問題です。その辺のこと。それから、その答申があったから、次の国会あたりに打ち切りの法案を出してくるのか、いま労働省で考えている案ですね、たとえば受給資格とか、もっと長期に就労した人でなければ失業保険を支給しないとか、その期間についての制限ですね、そういうものもある新聞には出ておりましたが、その三つの点についてお伺いしたいのです。
  41. 道正邦彦

    説明員(道正邦彦君) 季節的労働者が激増をしてきた、これは失業保険の面からだけの問題でないことは御指摘のとおりでございまして、またいろいろな原因等が考えられると思います。私ども失業保険の面からこの問題を扱って感じますことは、一つには、業者が休業補償の肩がわりを失業保険に求めるという傾向がありはしないだろうか、こういうことが実態調査等の面であるわけでございます。それからまた、農村の生産性の関係で、農家経営をやるよりも出かせぎでやったほうがいいということで、そういう所得格差の肩がわりを失業保険が現実に受け持たされているというような面もあろうかと思います。いずれにいたしましても、いろいろ複雑な問題がからんでおりまして、したがいまして、先生ただいま御指摘ように、この問題はそう簡単にいかないわけでございます。したがいまして、どういう方向でこれを改正するかということを考えます場合におきましても、日本のそういう現実というものを無視してとうてい考えられないことは御指摘のとおりであります。したがいまして、私どもといたしましては、諸外国の立法例等も参酌しつつ、日本の現状というものを十分考慮いたしまして、慎重に検討いたしております。現在のところ、どういう方向でしからば検討しているかということは、申し上げ段階に立ち至っておりません。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 先ほどのお話ですと、このままでは失業保険の財政はもっていけなくなるだろうというのですが、それは大体わかっていたことだろうと思うのですけれども、いまの時点でどうして急にそういう問題を具体的に考えだしたか。これはやはりぼくはオリンピックとの関係があるのじゃないですか、具体的にはですよ。これが済んで——どんどん一時的にオリンピック関係に農家からずいぶん大ぜい来ましたね、出かせぎに。東海道新幹線も、あれもオリンピックの一環ですからね。一環として考えればですよ、もしそういう人たちに全部適用するということになればこれはたいへんだというので、そういう問題を、いまのようなことをいまの時点で考えるようになったのじゃないか。直接の最近の動機としてはそこにあるのじゃないですか。
  43. 道正邦彦

    説明員(道正邦彦君) この季節的失業者に対する失業保険の適用の問題は、私どもといたしましてはかねての懸案でございまして、オリンピックとは直接関係がないと考えております。で、需給状況がこのままに放置できないという現実、また人が一方で足りない足りないといいながら失業保険がふえていく一方だということは矛盾だという認識等で、これはかねてより、現行法のワク内での行政指導はかねてやっておるところでございます。したがって、直接オリンピックがあって急にふえてきたと、そういう面、若干東京等へ季節労務が出てきたということは理由としてあろうかと思いまするけれども——大きな理由であり一つの原因ではあるにいたしましても、それだけではないということが言えるかと思います。  ただ、オリンピックとの関係で申し上げますると、オリンピックのあとどういうことになっていくか。これは、私どもといたしまして非常に現在関心があるところでございまして、季節労務者が出てまいりますのは、十一月からあと、以降の問題でございますが、それにオリンピック関係、まあかりに雇用条件がオリンピックの終わったことによって悪化するというよう状況でもからみますと、これは拍車がかかるわけでございまして、その点は非常に関心を持っておりますけれども、季節労務・イコール・オリンピックということは必ずしもないように思います。
  44. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もうこれだけでいいんですが、オリンピックが済んだあとですね、もうそろそろ工事としては終わってきていると思うのですけれどもね、さっきお話ししたように、十月、十一月ごろにオリンピックの仕事が済んだあとで仕事がなくなる人が今後必ず出てくる、重大だということ、そういう場合にどういうふうにこれを措置しようとしているのですか。そういう場合に、いままでより短期の就労者には失業保険出さない、あるいは打ち切る、こういう線を出してくるとい5ことが予想されるのですよ。その点を聞いておるわけです。
  45. 道正邦彦

    説明員(道正邦彦君) 現在検討はいたしておりまするけれども、現行法は現行法で生きておるわけでございます。いままでの運用の実績もございます。行政指導で、雇用条件が改善いたしましたことに伴いまして、就職活動を強化する、したがいまして、適職があればそちらのほうへごあっせんをするということはございまするけれども、いま直ちに打ち切るということは申し上げていないつもりでございます。
  46. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 次の国会あたりにそれを提案するということはないんですね。
  47. 道正邦彦

    説明員(道正邦彦君) その点につきましては、先ほど申し上げましたように、どういう成案を得ますか、それはひとつ、いま検討中でございまして、成案を得れば国会に提出を申し上げることになろうかと思いますが、いまその点も含めまして検討中でございます。
  48. 柴田栄

    柴田栄君 洋酒の問題でございますが、これは御承知ように、ただいま洋酒についてはウイスキー、ブランデー、ジンの三品目を除いて自由化されているということでございますが、近くこの三品目についても自由化の方向で検討されているというお話も聞いておりますが、これは現在どんな方向にあるのでございましょうか。まあ日本の洋酒業界は、御承知のとおり非常に歴史が浅いということと、まあ特に洋酒については、たいへん困ったことでございますが、日本では舶来尊重といいますか、崇拝といいますか、そういう傾向が強いということで、この際洋酒の自由化を実現するといたしますれば、せっかく伸びつつある日本の洋酒業界に相当大きなショックになるのじゃないかという気がするのでございます。西欧諸国の中にも洋酒の自由化にはまだ踏み切っていないところが相当あるようでございますが、これらの点を十分御勘案をいただいて、慎重な態度で臨んでいただくことがしかるべきじゃないか、かよう感じがいたしまするが、ただいま自由化の方向についてどんな検討が進められているか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  49. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 洋酒の自由化につきましては、御承知のとおり、他の品目を含めまして、昭和三十五年に自由化大綱というのがつくられまして、その後その線に沿って各種の品目の自由化がはかられてきているわけでございます。酒類につきましては、いまお話しのとおり、ウイスキーとブランデーとジン、この三品目のほか、原料用アルコールとブドウ酒、リキュール類がまだ自由化されておらない品目に入っておるのであります。もっとも、そのうちブドウ酒とリキュールにつきましては、それほどきついものでなく、自由化されていると言っても過言でないような制度になっております。  で、問題なのは、これらの洋酒のうち、まあジンにつきましてはそれほど、問題が少ないのでございますが、ウイスキーとブランデーにつきましては、いろいろ問題があるわけでございまして、これはただいま御指摘のとおり、たとえて申し上げますと、ウイスキーについて申し上げますと、原料である大麦につきまして自由化がされておりません。国産の大麦は相当コストが高い。また、貯蔵の金利も御承知のとおり諸外国に比べまして高うございます。そういった関係で、コストがかなり高くついておるわけでございます。また、ブランデーにつきましても、原料ブドウの糖度が低うございまして、その上に諸外国に比べて値段が高い。そのほか、また貯蔵金利の問題も高い。こういった点もございまして、ウイスキー、ブランデーにつきましては、三十五年の自由化大綱決定以来、各業界におきましてそれぞれ合理化を行ない、品質の向上などにつとめてきておられるのでございます。しかし、まだ現状におきましては、御承知のとおり日本人の舶来品崇拝の思想も強うございまして、いま直ちに自由化するということはいろいろ問題があるというふうに考えられております。  私どもといたしましても、その現状を認識いたしました上で——まあ外国のうちでも全部が全部自由化いたしておるわけではございません。関係の通産省その他と打ち合わせながら、自由化につきましては慎重な態度をもって対処いたしたい、かように考えておるのでございます。
  50. 柴田栄

    柴田栄君 わかりました。  次に、実は輸出振興税制の問題でございますか、先般も瀬戸へ参りまして陶磁器の輸出業者と懇談したのでございますが、どうもあまり評判がよくないという意見ばかりでございました。と申しますのは、まあ一つには固定資産の割り増し償却の問題が措置されております。また、海外市場開拓準備金の措置が講じられておりますが、固定資産については、特に中小企業では割り増し償却を認められても償却する資産がないということで、ほとんど意味をなさないという議論が非常に強いわけでございます。なお、海外市場開拓準備金の制度が認められましたが、実は現在の輸出の状況から利潤が非常に低下しておりまして、ほとんど積み立てもできないという状況であるようでございます。来年度の税制改正等について本格的な御検討をいただく段階ではないかと思われるのでございますが、これらの実情を十分御把握をいただいて改正方向が検討されるということでないと、またせっかく制度をつくっていただいてもさっぱり適用されない、力になれない、喜ばれないという実情のようでございますが、その点の実情把握あるいは今後の方針等御検討いただいておりましたら、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  51. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 陶磁器の輸出振興につきましては、御承知のとおり、本年輸出関係の、輸出振興のための税制を立案いたします際にいろいろお話を承りまして、その上でただいまお話しのとおり特別償却の制度、これはまあ中小企業でございますと、償却資産があまりないので、その恩典におそらくあまりあずからないといった事情はあるかもしれませんが、そのほかに海外市場開拓準備金制度を設ける。特にこの陶磁器の場合でも、中小企業の場合には中小企業海外市場開拓準備金ということで、一般の場合におきましては輸出取引額の一・五%しか積み立てられないのでございますが、それを二・五%まで積み立てることができるというふうにいたしまして、優偶措置を講じたのでございますが、中小企業海外市場開拓準備金の制度を設けましたのは、ほとんどこの陶磁器関係の御主張をいろいろ検討いたしましたあげくそういう制度を設けたのでございます。  この制度が、実際に利益がなくてその準備金が積み立てられないというようお話でございますが、税の減免をいたします際に利益がなくてはいかんともしがたいのでございまして、税金がかからないものに設けようもございません。それはやはり何としても利益を生み出すような方策をとっていただかないと、制度を設けましてもそれが活用できない。これはいかなる制度を設けるといたしましても活用できないわけでございます。まず、何と申しましても、利益を生むような方策をとっていただきたいと思います。  なお、御質問の点につきましては、私どもといたしましても業界の実情を十分調べまして、どうしてこの制度がうまく活用されないか、それらの点は十分今後検討いたしたいと存じます。また、それによって是正すべき点がございますれば、是正いたしたい、かように考えます。
  52. 柴田栄

    柴田栄君 ありがとうございました。ごもっともな御答弁でございますが、実情は全く、せっかくありがたい制度を特に認めていただいても積み立てる余力が全然ないということだというお話でございますので、その点等もひとつ御検討をいただきたいと、かように考えます。  最後に、実は乗用車の物品税の暫定税率の問題でございますが、現在は一五%適用ということになっておるようでございますが、これが四十年の三月末で期限が切れるということで、自動車業界は御承知のとおり自由化にいろいろ準備を進めております。したがって、技術的に品質的にはかなりあるいは輸出の方向にも向かいつつあると思うのだが、価格の点でなかなかまだ問題が多いという時期のようでございます。これは通産政策に関係する問題でございますが、日本の自動車製造業界は非常に小さなのがたくさんございまして、車種等もやや乱雑にわたっていやしないかということで、この辺の点はまた政府御当局としていろいろお考えをいただかなければならぬと思うのだが、ちょうどいろいろな準備を進め、量産を進め、輸出振興に対処しようという気がまえのときに暫定税率が停止されるということになるのは、特に小型自動車については検討を要する問題ではないか、かように考えるわけでございますが、それらの点について税制改正についてどういうお見込みでございましょうか。
  53. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 物品税につきましては、三十七年の改正のとき附則で暫定怪減税率を適用した品目が相当ございまして、本年も税制改正の際に暫定軽減税率の適用期限の到来する品目につきまして、それぞれ延長なりあるいは延長しないというような措置を講じたのでございますが、来年に期限の到来するものが、いまお話しの小型自動車、それから小型カラーテレビの受像機、写真用のフィルム、それから小型レコード、この四品目が暫定軽減税率の適用期限が到来するのであります。そのうち小型乗用車につきましては、本則の二〇%の税率を一五%に軽減いたしております。他の三品目につきましては、二〇%のものを一〇%に軽減いたしておるのでございます。これらの四品目につきまして、この軽減税率の適用期限が到来した場合にどうするかということは、まだ目下検討中でございまして、現在どういう処置をするという方向は出ておりません。  ただ、乗用車につきましてお話がございましたのでその点だけについて申し上げますと、この暫定軽減税率をとりましたのは、国内で自動車の売れ行きがふえ、それによって大量生産が行なわれ、コストが低下するという方向をねらって、昭和二十九年以来設けられておるわけでございますが、最近御承知のとおり国産車の生産が非常にふえてまいりまして、昭和三十九年当時は一万七千台の生産であったものが、本年度におきましては約五十万台の生産見込みでございます。その意味では軽減税率の目途といたしておりました量産の効果は大いにあがっておるのではないかというふうに見られますし、またその性能におきましても相当優秀になってまいったことは御承知のとおりでございます。したがって、軽減税率につきましては、その本来の目的はもう相当程度達成されたのではないかというふうにも考えられるのでございます。  ただ、ただいまお話しのとおり、明年四月に乗用車の自由化を行なうというようなことがきめられております。ちょうどその際に物品税の暫定軽減税率を廃止すべきかどうかということになりますと、いろいろ業界の受ける影響もございましょうし、それらの点を含めまして、今後慎重に検討いたしたい、かように考えておるのでございます。
  54. 堀末治

    堀末治君 主税局長にお尋ねいたしますが、この間、これは私もやっぱり、さっきお聞きのとおり、ずっと中国のほうに行って酒屋さんといろいろ会ったのですが、そのときにこういう問題が出て、何とかひとつ心配してほしい。それはおそらくあなたも業者の陳情をすでに受けられておることだろうと思いますが、問題は、いまの清酒業者並びにしょうちゅうの乙類の業者に対して、中小企業近代化促進法を適用しよう、こういうわけですね。これには私ども会った業者が中国支部の御連中十二、三人であったと思うのですが、非常にこの問題には熱意をもって賛成していました。しかし、困るのは、せっかくこういう法律ができても、なかなかいままでのような小さい石数ではわれわれ酒屋として立っていけないと思うから、この機会に政府の方針に協力してやめてしまおうかと思う。ところが、やめてしまうということになってくると、それは所得にかけられるということになるわけです。これはあなたもお聞き及びのことだろうと思いますが、それで、どうもせっかくやめて、実際酒屋の石数を譲渡する、それで譲渡してやめようと思うけれども、手に残るものはほとんどない、こういうことで、実は政府の方針に協力しようと思うけれども、どうもそういうことになってくると要するに協力できない、踏み切れないと思うから、何かいわゆる租税特別措置法ということもあるのだから、こういうことにして全部譲ってやめるというものに対しては何か特別の保護というか、措置を講じてもらいたい。一面税金を下げると同時に、何回かあるいは分割払いにするとか、こういうふうなことをぜひ考えてくれ。現にその人は、いわゆる中国のことですから、塩業関係のこともたくさんあるので、塩業関係などの整理のときの例なども引いて、ぜひこれをやってもらいたい、こういうことを切に頼んでおりましたが、いかがですか、お考えは。
  55. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 清酒業者が既存施設を譲渡いたしました場合の譲渡の所得税に対して何らか軽減措置をとってほしいということは、かねてから御要望があるのでございます。ただ、これにつきましては、一般のそれでは商売をやっている人が事業をやめるために営業権を売ったという場合、その営業権について軽減措置を講ずるかといいますと、その点からいたしまして、清酒業者のときにだけ特例を認めるわけにはいかぬではないかということからいたしまして、従来はたとえば塩業整理のように基本法規がございまして、その法規によって強制的に廃業させられるという場合には、自分の意思によらずして強制的に廃止されるのだから、そういった場合の譲渡所得は軽減しようという考え方でやってまいっておったのであります。  で、お話ように、今度清酒及びしょうちゅう乙類につきまして、近代化計画が立てられまして、それに従ってやっていくということになりますと、まあ法律上強制という点ではないのでございますけれども、事実上行政官庁の指導その他によってまあやめていくということになりますので、その意味では従来自分がってにやめた場合とは多少性格が違うのではないかというふうにも考えられるわけでございますが、何ぶんにもいままでとの関連からいたしまして、どこに線を引いて、これは適用する、これは救う、これは救わないというようなことを区別できるか、そういったまあ実行問題がいろいろございますので、目下それにつきましてはいろいろ検討をいたしておるのでございますが、従来からのいきさつからいたしますと、既存施設を譲渡した場合にその課税の特例を認めるということは、一般の場合と明確な線が引けるような方法がございませんと、なかなかむずかしいのではないかというふうに考えておるのでございます。  この問題は、堀委員承知のとおり、だいぶ長い間いろいろ問題になっておるのでございます。いよいよ今度ことしから近代化を行なうということになりまして、近代化を行なう際やめていく業者があるいは相当出てくると思います。それに関連して、この問題を従来の経緯にこだわらずに何らか考えなければならぬ点があるのではないかということで、私どもとしてもいろいろ検討はいたしております。なかなかむずかしい問題でございます。まだまだ結論を得ておらないような次第でございます。
  56. 堀末治

    堀末治君 これはね、ひとり酒屋ばかりでないと私は思うのですよ。いわゆる近代化促進法ということになってくると、いまの中小企業の例から考えると、やはり同じケースがこれからどんどん生まれてくると思う。特に中小企業がそれほど悩んでおるときですから、幸いこういう法律ができたのだから、何か要するに、いまのあなたのお説はよくわかるけれども、そこにどこかいい線を見つけて、いま言ったとおり合理化しやすい、ひとり酒屋ばかりでなく、全部の中小企業がそれならばやろうというふうに、喜んでいわゆる政府の方針どおりに持っていって、自分らが生きていくいという方向に行きやすい道にぜひやる必要がある。ですから、これはいま酒を主体としていまあなたがおっしゃったことですけれども、まず、酒は酒でけっこうですけれども、何かこれは至急に検討して、できれば今度の国会あたりにこれらが出るというと、これは中小企業、酒ばかりではない、全体非常に助かると思う。それでなくても、中小企業はばたばた倒れているのはあなた方御承知のとおりです。ですから、これは私は単に酒ばかりではなく、全体の中小企業の問題として、政府は大きく取り上げるべき問題だと、私はこういうふうに思っておるのですが、どうかそういうつもりで、なかなかお忙しいことでしょうけれども、できれば今度の国会で何とか成案を得るように、大蔵省も率先して検討していただくことを切に希望しておきます。  もう一つ、このついでだから申し上げますが、これはなかなかめんどうだから、言うてもいいかどうかわからぬけれども、要するに二級酒の税金を下げてもらいたい。これは私言わなくてもあなた方わかると思うが、私も業者から切々と頼まれたけれども、それはおれに頼むよりも君の親分の池田さんのところに行って頼めと、実は答弁もできないものだから、私はそういうことを言うて逃げてはきましたけれども、要するに、実情をよく調べてみるというと、とにかくああいういなかの酒は、何ぼいい酒をつくっても二級酒より売れないんだな、実際。一級酒には売れないんです。特級酒はもとより売れない。二級酒にばかりたたき込まれてしまう。その税金がわりあいに値が高いので、さっきお話しのとおり、究極要するに販売業者にたたかれて、リベートをよけい取られているというのは、二級酒ばかりに来る。これはなかなか酒の商習慣から来ることで、非常に業者の弱いところから来ることだけれども、しかし、業者が弱いからといってやっぱりほうっておくべき問題ではないと思うのだ、実際見れば。一方にこういうような促進法などというて進めると同時に、やはりそういうことも真剣にひとつ、骨の折れることだけれども研究をしてあげてください。ことしは減税はなかなか骨の折れる年だろうけれども、骨が折れるからといってふっ飛ばしておくべき問題でもないと思う。実はこういう私ども陳情を受けてきたのでありますから、どうぞ、この機会に申し上げておきますから、御研究のほど切にお願い申し上げます。
  57. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 最初の、中小企業が倒産その他の場合の譲渡の所得税の問題、これは先ほど申し上げましたように、任意に譲渡する場合と、やむを得ずして譲渡する場合と、どこに線をうまく引くことができるか、この技術的にむずかしい点がございますので、その点をどういうふうにして区別できるかということを目下検討いたしておるのでございます。  それから、清酒二級の減税の問題でございますが、これにつきましては、堀委員承知のとおりに、昭和三十七年に大幅な軽減、合理化を行ないまして、まあ間接税としては全体としてはわりあいいいところになっておるんではないかと思うのでございますが、まだまだもちろん酒の税金が相当高いものであることは私ども承知いたしております。できる機会がございますれば、そういった点について軽減をはかりたいと思いますが、さしあたりの問題といたしましては、減税財源の関係、それからまた減税を行なう場合におきましても、何と申しましても所得税の減税が優先的に考えなきゃならぬ、こういった点がございますので、酒のほうの減税を明年行なうということはとうてい困難ではないかと思っております。しかし、私どもとしてはできる限り早い機会に、いまお話しのような点を考慮いたしまして、酒につきましてもできれば減税の方向に持っていきたいというふうに考えまして、将来に検討を続けたいと考えておるのでございます。
  58. 野々山一三

    野々山一三君 私ども中国へ参りましたその調査の中から、問題として提起されておりますことを一、二この際質問をしておきたいと思います。  先ほどちょっと触れられた塩業整備に関する問題でございますけれども、実情をちょっと申し上げ関係当局考え方を伺いたい。それは三田尻の塩田跡地地主組合から提起された問題でありますが、この三田尻塩田跡地地主組合というものは、製塩業廃止後の塩田を県、市当局から、工場用地にしたい、だから分散することなく確保してほしいという要望を受けておるのです。この塩業整備後も、したがいまして組合がつくられまして、周南工業地帯工業整備地域の一環としての協力を行なっておるのであります。  この地方の塩業組合なるものは、組合員が実は昭和十八年には非常な大きな災害を受けたり、壊滅的な状態になりましたために、いわゆる自力更生ができない。そこで、協力して復旧に当たるために、土地を無償で組合に全地主が提供いたしまして、そして組合の指導のもとに回復をはかったんであります。そういうまあ歴史的な状態があるのであります。でありますから、その土地は全部組合の所有になっておるのであります。ところが、問題の塩業整備によりまして、組合は解散をすることになり、生産を結了するにあたりまして、組合としては塩田、土地を売却するかもしくは地主に返却するかするしか方法がない。そこで、去年各地主、もとの地主にそのまま返したのであります。つまり、去年地主は新しくその土地を取得したことになるわけであります。そのために、ことし工業整備に協力して売却をいたしますと、それが本年の例の所得税法の改正によりまして、三年以内の単期所有の資産譲渡として扱われますために、税上の処置はこれは雑になるわけであります。いわゆる譲渡としての所得の取り扱いを受けないわけですね。三年以内にもし——去年取得したのでありますから、ことしなり来年なりに市や県の計画に基づいてそれを工場用地として売ったといたしますと、三年以内でありますから、これはいわゆる譲渡所得にならないわけでございます。高い税金を取られてしまう、こういう不利な結果にあるために、非常に売ろうにも実は困る、売らなきゃ困るというような、非常な問題になりまして、祖先伝来の土地でありますし、国策によって廃止はするものの、普通の不動産の売買と同じような扱いをされてしまうんでは、これはとてもつらくてかなわない。  こういう問題がございまして、何か伺うところによると、これを指導いたしました現地の専売の地方機関にいたしましても、これはどうも普通の不動産売買というふうに扱われたんでは気の毒だし、われわれもまた歴史的な事情を知っておるので、何とかしてもらいたいものだという気持ちを現地の当局も持っていらっしゃるようでありますが、これはどうも私どもが考えてみましても、非常な大きな打撃を受けてしまって立ち直りはできない。したがって、やむを得ず便宜処置として組合の財産に所属させて、そして組合としてやってきた塩業整備の結果、これを売る。売るといいますか、個人のところにまた戻ってきましたけれども、今度売ろうとしたらえらい税金をふっかけられてしまうというような問題でございまして、これは特殊なケースだと思う。本来ならば、たとえば、いまちょっと主税局長が答弁の中で触れられたかのごとく思いますけれども、ああいう国が強制的にやった処置であるから、これは多少好条件は与えておるつもりであるというふうに言われたんだけれども、どうも法律では、この春通ったやつではそういうことにならないので、一体これをどういうふうに処置をしようとお考えになっていられるだろうか、お考えを伺いたいのであります。これは何とかしてやらなければ、やっぱりこれは単なる不動産所得として税金をかけられたんじゃどうにもならない。歴史的にそうならざるを得ないようにさせられておって、実は高い税金をかけられる、こういう問題でございますから、あなた方のお考えを伺いたい。
  59. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) ただいまの三田尻の塩業組合の土地の問題、これは実は群実関係があまりはっきりいたしませんので、目下その事実関係を確かめるように手配いたしておるのでございますが、御承知ように、本年、短期譲渡の場合の譲渡所得税につきましては二分の一の軽減をしないということにいたしましたのは、まあ短期間の間に土地の値上がりを目的として土地を取得し売買するということが土地の値段を相当つり上げる結果になりますので、そういう場合には譲渡所得税として半額課税するのは適当でない、普通の売買でもうけたのと変わりないじゃないかというようなことから、短期譲渡の場合には二分の一課税をしないということにいたしたのでございます。  ただ、お話ように、この塩業組合の場合には、昭和十八年に組合ができまして、それからまあ塩業の整備ということで塩業組合としては解散する、それが昭和三十四年に行なわれた。ただ、その解散が行なわれた後にその土地を買却するのか、あるいはもとの地主に返すのかという措置の処理がおくれまして、昨年来返したということでございますが、返したときの坪当たり価格は著しく低いようでございますので、これは一体どういう意味でこの低い価格で返されたのか、本来の時価で返すべきものであったのをそうでないようにしたのかどうか、それらの辺を十分調査いたしてみませんとわからないのでありますが、いまの低い価格で戻したということからいたしますと、いわゆる短期譲渡の所得として全額課税しなければならぬ実態のもののようにも思えないのでございます。したがいまして、それらの実態を十分調査いたしました上で、なるほど登記は、去年地主に返っておりますけれども、はたして塩業組合の解散したときに実質上所有権は地主に返っておったのかどうか、それらの辺も調べました上で措置をとる必要があるのではないかというふうに考えておるのでございます。それらの実態がはっきりいたしませんと、現段階におきましては、短期譲渡の適用があるかないか、明確にちょっと申し上げかねる状況でございます。
  60. 野々山一三

    野々山一三君 私ども承知した限りでは、先ほどもちょっと触れましたように、この法の適用を受けて整備に入る、県や市が、これを個人にばらばらにしてしまったんでは工業整備地域としての整備ができないので、それをばらばらにしないでくれという非常に強い要望もあり、また関係者もその県側の言い分というものもわかるのでということで、ばらばらにしなかった。これがまず一つの大きな理由だと思います。そこで、しかし、法律の日限が参りますから処理をしなければならぬ、しかしまだ県のほうの作業が進まないし、それかといって、ばらばらにしてしまうというのは困るということで、去年まで持ってきている。そこで、一応個人の、もとの全くの地主の符っておった地面を、そのままもとの地主に返して、しかもこれは個人名義が登記されていながら、しかも何か組合長の名前で全体を仮登記して、しかも県や市の企画に協力しておるということは、とりもなおさず工場用地として計画が進んでくればそのまま引き渡していくことが十分できるという態勢を整えておるというのでありますから、善意に見れば、私は県や市の施策にまるきり協力しておる、協力した結果、ぼこっと法律ができて、これは短期譲渡所得でやられるという新しい形ができてきたのでは、これはまるきり正直者がはかをみるという気持ちなんだというふうに言われるのです。これはまさに私も事情を見てみて、関係者の言われること、全くよくわかるのであります。  そこで、まあいまあなたのおっしゃるのは、実情をもっと調べてみてということでありますが、これは法律でこの春やるときに直しておけば済んだかもしれません。あるいはもっとこの種のものは、もっとやり方が私はあるのじゃないかと思うので、調査をよくしていただいた結果、すみやかにこれがごく常識的に悪意を持ってもうけようなんという根性でやってきたんじゃないので、善意を生かしてやるような処置を関係当局でひとつとってやってもらいたいということを、私は特に要望しておきたいと思う。  第二の問題は、当局にひとつ資料を要求をいたしたいのでありますが、私どもが現地へ参りまして調査をしておる段階に、八月の全国における企業倒産の実情が新聞で公表されました。それによると、戦後最大の企業倒産、負債額も、また件数も同様であるということが公表されました。中国地方の実情を新しく資料を求めまして調べてみましたが、中国地方としてはちょっと先月に対比して見るとダウンしておる。しかし、全国的に見ると戦後最大ということであります。ことし、中小企業の倒産というものを新聞の面で見ますと、戦後最大という倒産が毎月毎月ずっとあって、五、六回戦後最大という数字が出ております。私はこの際、第一の問題として資料要求をいたしたい。去年の九月決算期からことしの九月まで——間に合いませんから八月まででけっこうですが、この一年間の全国の業種別、資本別、規模別、態様別の企業倒産の実情が一体どうなっておるかということを、正式にこの委員会に出していただきたいということが一つであります。  それから、第二の問題は、一体このようにことしになってから戦後最大と、オリンピックの記録ではありませんので、これは好ましくないことでありますが、一体政府当局として、かくも世間を不安におとしいれるよう状態にある企業倒産というものに対して、特に中小企業の倒産というものに対して、どう考え、どう対処するかという対処のしかたをお持ちでありましょうが、お考えをひとつ聞きたい。もちろん、あした当局の皆さんから、大臣なり関係の皆さんから根本の対策を聞けると思いますが、きょうこの段階で国の考え方を聞きたい。けさの新聞によりましても、公定歩合の引き下げをやらないんだというようなことで、このままさらに乗り切るということでありますから、私はさらにさらにことし戦後最大ということばが使われるんじゃないかと思われるので、非常に抽象的な話でありますが、現地調査段階でも非常に深刻にこの問題は関係の向きから注目されておるときでありますから、この際一般的な傾向なり対策についてお伺いをしておきたい。
  61. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 野々山君に関連して、資料をお願いします。倒産件数のほか、廃業、これは倒産件数に入っていない、自発的にやめる、これもふえてきているんじゃないかと思う。わかりましたら、この倒産件数に廃業件数、これがわかるかどうかわかりませんが、これもあわせて資料を出してもらいたい。
  62. 鍋島直紹

    説明員鍋島直紹君) いま野々山委員のほうから資料の要求がございましたし、この点につきまして、中小企業の倒産の状態、及びその業種別、規模別、あるいは廃業等のあれ、それからその原因あるいは対策はおもに金融関係でございますし、銀行局関係の問題だと思います。これは非常に重大な問題だと思いますので、ここで私からお答えいたしますよりも、帰りまして資料を整えて、そして御提出申し上げる、しかもその企業の倒産した、あるいは廃業したような原因の問題、あるいはその対策をいたしたいと思いますが、よろしく御了承を願いたいと思います。
  63. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 資料要求をいたしたい。資料要求でひとつお願いしたいのは、先ほど出かせぎ失業保険の問題も出ましたけれども、一体この出かせぎの実情というものがほんとうに把握されておるのかどうか。私ども三人で東北地方の調査に行きまして、これを聞きましたけれども、どこでつかんでいるのかさっぱりわからない。だから、県別ですね、できたらその県別、さらに出かせぎのつまり職業別、現地でどういうところで働いているのか、どのくらいの程度でまた戻るのか、こういうことをひとつ資料としてぜひ出していただきたい。これがないと実情がわかりませんから、失業保険が何のかんのと言ったって、実際雲をつかむような話ですから、ぜひひとつこれも出していただきたいと思います。
  64. 鍋島直紹

    説明員鍋島直紹君) いま県別の出かせぎ実情と、それからそれのできるだけわかる範囲における職業別ですね、それともう一つ……。
  65. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それから、出かせぎの期間。
  66. 鍋島直紹

    説明員鍋島直紹君) わかりました。
  67. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 あしたの質問とも関連するのですが、証券局のほうに資料をお救いしたいのですが、それは株価の推移、これは第一部の上場株の推移、それは時期は一番の高値だった三十六年七月ですね、あそこを境にして、あの辺から最近までのダウ平均と単純算術平均、両方ですね、その推移の資料を出していただきたい。それから、第一部だけでいいのですけれども、出来高の推移、取引高、これも月別の一日平均を出してください。これは三十六年七月以降でいいです。それから、昨年七月五日に大蔵省が証券業者に対して財務比率の通達を出しているのですね。それで、株の手持ちが多過ぎると。そこで、純資産のワク内に押えるべきだという通達ですが、純資産以上に、四大上証券でいいですが、どのくらいの株を持っておったか、七月五日現在において。これはいわゆる過剰株といわれるものだと思うのですが、その他最近新聞に過剰株が二千億とか三千億とかいろいろいわれるのですが、この過剰株というのは当局はどういうふうに理解し、それでどのくらいあるのか。いろいろ株価対策というものはしょっちゅう大蔵省等でも言っております。大蔵大臣言っておりますが、そういう過剰株の処理とかたな上げとかいわれているのですが、過剰株というものを当局は、大蔵省はどういうふうに理解しているのか。何が過剰株であって、それが二千億とか三千億とかいわれている、その内訳です。どういうふうになっているか。たとえば証券業者が純資産のワク以上に持っているのを過剰株というのか。あるいは投資信託にも過剰株というのがあるでしょう。あるいはいろいろな株の持ち持ちもやっていますから、そういうもので年末あたり配当支払いとかボーナス支払いで換金しなければならないときに市場に売り出されているような過剰株もあると思うのです。ですから、過剰株についての調査です、どの程度が過剰株か。それがはっきりわかりませんと証券対策が立たぬと思うのですよ。ですから、どういうものを過剰株とみなされ、それがどのくらいあって、どういうところにあるかということ。それから、投資信託への株の組み入れの割合ですね。これは四大証券でいいのです。それと諸外国の例ですね。それからもう一つ、来年二月以後増資をストップするということが伝えられているのですが、二月以後の増資計画ですね。どういう増資計画が予想されているのか。これは増資ストップするとどういうことになるのか、産業金融がどうなるのかわかりませんから、そこで来年二月の増資ストップ以後にすでに予定されている増資計画は大体どのくらいあって、そのおもなものとして新聞では街上とか、日立とか、東芝、東京電力、いろいろなものが伝えられておりますが、そのおもなるものについてどういう増資計画があるのか、ストップした場合にはどうするのか。これはまた質問でいたしますけれども、その資料を出していただきたいと思うのです。それから、できたら四大証券について投資信託の中で鉄鋼六社の株をどのくらい組み入れているか。四大証券について鉄鋼六社の株をどのくらい組み入れられているか。それだけです。
  68. 鍋島直紹

    説明員鍋島直紹君) できるだけ資料を整えます。
  69. 村松久義

    委員長村松久義君) ほかに御質疑ございませんか。  なければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分散会    ————————