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1964-04-09 第46回国会 参議院 商工委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月九日(木曜日)    午前十時四十三分開会     —————————————   委員異動 四月八日   辞任      補欠選任    安井  謙君  小林 英三君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     前田 久吉君    理事            上原 正吉君            近藤 信一君            田畑 金光君    委員            川上 為治君            岸田 幸雄君            剱木 亨弘君            小林 英三君            豊田 雅孝君            八木 一郎君            吉武 恵市君            阿部 竹松君            大矢  正君            椿  繁夫君            中田 吉雄君            藤田  進君   国務大臣    通商産業大臣  福田  一君   政府委員    通商産業政務次    官       竹下  登君    通商産業省通商    局長      山本 重信君    通商産業省公益    事業局長    宮本  惇君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○電気事業法案内閣送付予備審  査) ○日本貿易振興会法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、電気事業法案提案理由説明を聴取しました後、日本貿易振興会法の一部を改正する法律案質疑を行なうことになりましたから、御承知願います。     —————————————
  3. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、委員異動について御報告いたします。  昨日、安井謙君が辞任され、その補欠として小林英三君が選任されました。     —————————————
  4. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、本日予備審査のため本委員会に付託されました電気事業法案議題といたします。政府から提案理由説明を聴取いたします。福田通産大臣
  5. 福田一

    国務大臣福田一君) 電気事業法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  電気事業は、国民生活及び産業活動に欠くことができず、しかも代替性の著しく乏しい基礎エネルギー供給するものであり、国民経済発展密接不可分の関連を有するきわめて公益性の高い基幹産業であります。  近時、国民生活高度化近代化産業活動の目ざましい進展に伴って、電力需要は著しく伸長し、総エネルギー需要に占める電力の比重は非常に高まってきております。これに伴い電気事業には、豊富、低廉、良質な電気供給することによって、日本経済の成長をエネルギーの面からささえていかなければならない重大な使命を課せられているのであります。また、電気事業は、その生産する電力が直ちに消費され、この間に通常の商品のような在庫調整ができず、このため、常にピーク時の需要に応じ得るだけの設備を開発しておかねばなりません。一方その送配電技術的特質から重複設備によるむだを排除する意味地域独占産業になっております。このような特質を持つ電気事業をして、前述の国家的要請に応じて、常に適正なる電気供給を行なわせるためには、電気事業運営を適正かつ合理的ならしめることによって、電気使用者利益を保護し、電気事業の健全な発達をはかることが必要であり、このためにはいわゆる公益事業規制措置がとられねばなりません。世界各国においてもその方法において若干の相異はあれ、いずれも政府による法的な規制を行なっているのであります。さらに、電気はその物理的性質上、その取り扱いいかんによっては相当の危険ないしは障害を伴うものでありますので、保安面から電気工作物規制を必要といたします。  このような電気事業に関する法的規制は明治四十四年電気事業法が制定されて以来、事業規制保安規制の両面にわたって続けられてきたのであります。ところが戦後、占領終了時における特殊事情のため、昭和二十七年にいわゆるポツダム勅令である旧「公益事業令」が失効し、一時的に無法律状態となり、これを救済するため、「電気及びガスに関する臨時措置に関する法律」が制定され、これによってすでに失効した旧公益事業令規定の例によって法規制を行ない、また、電気工作物に関しては、昭和六年制定の旧電気事業法規定の例によって規制するという法形式的には全く類例を見ない特異なものとなっております。しかも、その後十余年を経た今日に至っては、その内容においても目ざましい発展を遂げた電気事業実態に適合しない多くの点が生ずるに至っております。すなわち、電力の需給は、かつての不均衡から来る混乱状態から脱却し、国民経済発展正常化とともに相当供給予備力を持つまでに安定し、電気事業に対する要請電気の量を確保することから、電気の質を向上すること、あるいは電気使用者に対するサービス改善することへと大きく変わってきております。また、電気事業内部においても、発送変電技術の著しい進歩に伴う設備の大容量化、新鋭大容量火力の開発による火主水従への転換、企業間における格差の発生などの変化が生じ、設備を広域的に運用する必要性が非常に高まってきております。  このような電気事業の内外の情勢の変化に対応して現状に適合するようその法制を整備する必要性が生じたのであります。政府といたしましては、現行法制が前に申し上げたとおり特異な法形式をとっている関係上、その一部を改正することは立法技術的に非常に困難でありますので、現在の暫定的な法律を廃止し、新しい電気事業法を制定することが最も適切であると考えた次第であります。  なお、政府におきましては、電気事業法案の作成について昭和二十八年より検討を進めてまいったのでありますが、戦前に統合した公私営電気設備の復元問題を初めとする諸般の事情のため成案を得て国会で御審議をお願いするまでに至らなかったのであります。これらの問題もようやく解決しましたので、昭和三十七年五月に電気事業法案策定に関する基本方針を検討するため、電気事業審議会を設置し、広く各界の有識者によって一年半にわたる審議を行なった結果、昨年十月にその答申を得たのであります。政府といたしましては、その答申を尊重して事業許可供給義務料金規制保安規制等の従来の法的規制に対し、第一には、企業経営能率化と行政の合理化簡素化見地から事業規制及び保安規制合理化するとともに、公益的の立場から必要とされる監督権限を整備すること。第二には、設備の建設、運用における合理性確保企業間における格差是正等電気事業の課題を解決する方途として、広域運営を推進するとともに、これに関する国の監督権限を整備すること。第三には、電気使用者利益を保護し、サービス水準を向上させる規定を整備することの三つ見地を加味して、この電気事業法案を作成いたしたのであります。  次に、法案の概要を説明させていただきます。第一は、電気事業について、その事業の開始から廃止に至るまでの間、所要の事業規制を行なうことであります。これらの規制につきましては、旧公益事業令規制とほぼ同様といたしておりますが、それと異なる点は、事業地域独占規定を削除し、電気事業許可基準一般電気事業に関する過剰設備防止のための基準電気事業総合的立場からする合理性確保のための基準等を加えたこと、兼業規制対象一般電気事業者に限定したこと、特定供給について規制を加えたことであります。  第二は、電気供給業務規制に関することであります。旧公益事業令と同様に電気事業者に対し供給業務を課し、料金その他の供給条件認可制といたしておりますが、新たにその認可基準において電気料金原価主義を明らかにしております。また、電気使用者サービス向上をはかるため、電圧、周波数の維持義務、その改善命令業務方法改善命令電気事業に対する苦情処理等規定を整備しております。  第三は、電気事業の今後進むべき方向である広域的運営に関することであります。これにつきましては、電気事業者に対し協調運営義務規定するとともに、施設計画及び供給計画提出義務を課し、これらの計画について変更勧告権を設け、計画の段階から広域的運営見地が取り入れられるよう配慮いたしております。さらにこの変更勧告によっては、広域的運営による公共の利益確保されない場合、または非常の場合において、電気供給等について公益命令が発動できることとしております。このほか、広域的運営円滑化をはかるため、一般電気事業者間の電気融通料金については、原価主義をとりながらも弾力的に料金決定ができるようにいたしております。  第四は、会計及び財務規制についてでありますが、電気事業現状に即してその規制簡素化するとともに、電気事業経営健全化をはかるため、減価償却引き当て金及び積み立て金に関する命令権を設けております。  第五は、公益事業見地から、、電気事業者に対し、他人の土地の一時使用等についていわゆる公益事業特権を与えていることであります。  第六は、電気工作物保安に関することであります。この点につきましては、電気工作物電気事業用自家用一般用三つに分け、それぞれその実態に即した保安規制を加えることとしております。すなわち、電気事業用自家用電気工作物につきましては、工事維持運用に関して保安確保するため旧公益事業令とほぼ同様に工事計画等についての認可を必要とすることとし、また検査に関する規定を整備するほか、自主保安体制を確立するため保安規程及び主任技術者に関する規定を設けております。なおこれらの規制に関しましては、保安確保上支障のない限り、認可対象の大幅な整理等により簡素化合理化をはかることとしております。  一般用電気工作物につきましては、設置者に対する改善命令規定を設けるとともに、設置者電気的知識に乏しいことを考慮し、電気供給者に対し、一般用電気工作物に関する保安上の調査義務を課することとしております。また、この調査業務の能率的な実施を確保するための措置として、この調査業務についての専門的受託機関に関する規定を設けております。  その他、公益事業である電気事業特殊性にかんがみ、監査、公聴会等規定を整備するとともに、電気事業に関する重要事項調査審議するため、附則において通商産業省電気事業審議会を設けることとしております。  以上が本法案趣旨でございますが、政府におきましては、今後法の施行を厳正適確にし、電気使用者利益を保護し、あわせて電気事業の健全な発達に一意努力する所存でございます。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  6. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 以上で提案理由説明は終了いたしました。自後の審査は後日に譲ることといたします。     —————————————
  7. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、日本貿易振興会法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  8. 阿部竹松

    阿部竹松君 法案内容お尋ねする前に、これは通商局長さんにお願いしますが、いままでジェトロのあがった成果等について資料を出していただきたい。国の金を数十億も使ってなおかつ相当数補助金が出るわけですから、その成果というものがあろうかと思います。したがって、これだけではジェトロが何をやっておるかということしかわからぬので、中味が全然わかりませんから、そういう明細な数字をあげてひとつ参考資料をいただきたい。  次にお尋ねすることは、いまいただいた「JETROの歩み」という資料ですが、法案審議参考までにお尋ねしておきたいわけですが、私ははっきりわかりませんけれども、この役員の方は全部国家公務員高級公務員だった方ばかりですね。このジェトロ性質から見て私民間の方が半分くらいおられるものかというように考えておりましたが、いまいただいた資料を拝見しますと、副理事長の長村さんは通産、それから村上さんも通産、木村さんは大蔵ですか、藤瀬さんは農林、鈴木さんは外務、それから横山さんは行管、富岡さんは経済企画庁ですね。こういうお役人ばかりで、一人も民間の有益なこの種の権威者が入っておらぬということは、ちょっと理解に苦しむわけですがね、その点がまず第一点。  その次に、理事長の杉さんですね。これはりっぱな御人格を持たれた方で、私も承知しておるので、理事長にはけだし適任な方だということは十分わかるわけですが、大阪におられるわけですね。大阪におられて、なかなかこれは専門理事長をなさってやられても容易でないのに、こちらのほうが本業かアルバイトかわかりませんけれども、いかに優秀な人でもこれはもう相当年配の方です。数十億の金を運用するこの協会が、本気になってやる気があるかどうかということは疑わしい。この点をまずお尋ねいたします。
  9. 山本重信

    政府委員山本重信君) 最初お尋ね資料の点でございますが、これは後刻調製してお届けいたしたいと思います。  それから次に役員の中に官庁からの出身者が多いという御指摘でございます。御指摘のとおりでございまして、現在おります役員の中で過半数役所出身者でございます。もともとこのジェトロは本来の性質から申しまして、まあ役所との関係相当必要であることは申すまでもございませんけれども、同時に、できるだけ自主的な運営をしていくことが必要である点はお説のとおりでございます。人選にあたりましては、発足当時そういう点も十分考慮いたしまして、とりあえず当時の状況としては現在のような体制が一番いいのではないかということで、こういう体制になっておる次第でございます。特に理事長には役所出身者でなく、やはり民間の方がいいだろうということで、特に当時大阪商工会議所の会頭をしておられました杉さんに御出馬を願った次第でございます。それから理事の六名の中の四名は官庁出身者でございますが、二名はただいまも民間出身者になっています。これは役所との関係連絡等がどうしても必要な面がございますので、ある程度役所出身者がおるほうがジェトロ運営自体にとって便利な点もございます。しかし、自主的な運営民間の創意くふうを活用するという点からは、今後長期的な観点からは漸次そういう面の改善も考えていく必要があろうかと思います。  それから杉理事長でございますが、御指摘のように、杉さんは大阪出身の方でございまして、大阪財界とはいろいろなお仕事もおありでございます。それから民間の会社とも若干の兼務、兼任をいたしておられます。しかし、ほとんどもう無給あるいはそれに近い程度の関係でございまして、ジェトロ仕事本務としてあられます。大阪におられると申しますけれども、実際には月のうちの約半分、あるいはそれ以上、しょっちゅう東京へ来てジェトロ仕事をしておられるのでありまして、ジェトロ本務として仕事をしていただいておる次第でございます。まあ非常に御高齢でございますけれども、御存じのようにたいへんお元気でございまして、多年にわたります経済界における経験を非常によく活用していただいておりますので、私たちといたしましては、まあいまのところ杉理事長には非常によく仕事をしていただいておるというふうに考えておる次第でございます。
  10. 阿部竹松

    阿部竹松君 通商局長さんのあげ足をとるわけじゃないが、交渉する相手役所だから役所の人が多く、過半数とあなたおっしゃるけれども、全部お役所の人だと言っても過言でない。あなたのおっしゃる、その役所交渉関係があるといっても、ジェトロ仕事は諸外国へ出かけていって、相手が全部民間相手でしょう。それは向こうの外務省なり、貿易省というものがあれば、そこを通してやるかもしれませんけれども、最後の取りまとめは商社でしょう。役所関係あるというのはあなた何か勘違いしているのじゃないでしょうか。大蔵省から行かれれば、予算でも折衝するのにぐあいがいいから大蔵省から一名入れておけというふうに、そういうふうな頭が潜在意識として残っているのでそういうことをおっしゃるのかもしれないけれども、全部お役人、こういうべらぼうなことはないです。少なくともジェトロ外国商社と取り引きするのに、民間の人を半分ぐらい入れてもよろしいと私は思う。  その次に、この運営審議会委員ですね、これも十二名を十五名以内にするというのが法案内容ですが、これを見せていただくと、三菱レーヨンの賀集さんとか、日立の倉田さんとか、あるいはまた日本商工会議所高城さんとか、あるいは丸善の司さんとか、こういう大企業社長さんばかりですね。本来であれば、これは大企業貿易商社のあっせんをするのもけっこうですが、国の政策の一つとしてやるのですから、中小のほうを多くめんどうを見なければならぬわけです。この大会社社長連中が集まって審議会を開いて、それで自分のほうをほうり出して中小のほうを考えてくれますか。まず自分であり、その次は人ということになるでしょう。これは自由主義経済ですから当然です。こう見ると、とても理解いかぬです。今度三名ふやすというのは、そういう観点から中小代表でも入れるために三名ふやすことになったわけですか。
  11. 山本重信

    政府委員山本重信君) 運営審議会は、このジェトロ運営をなるべく民間達識者学識経験も活用しようという趣旨からできているのでございまして、現在の構成員の中には、できるだけ各方面の人を網羅したいという趣旨から人選をいたしております。中には大企業の方もおられますけれども、同時に中小企業関係の人もおられるのでございます。たとえば財界代表という意味では、経団連の堀越さんが一応大企業関係代表されるとしますと、それに対して商工会議所代表といたしまして高城専務理事にお願いをいたしております。それから貿易関係では地方の中小貿易業界代表も必要であろうということから、名古屋の貿易会会長、あるいは関西の貿易協会会長等もそのメンバーとしてお願いいたしております。特に先般おなくなりになられましたけれども、神戸の安田虎光さんは、非常に中小企業立場をよく代表して、いろいろ御発言を願っておったわけでございます。  それから、今回三名の増員をお願いしておりますが、実はいままでこの運営審議会業界代表といたしましては、雑貨と繊維と、それから機械、それから農林水産、これだけの業界代表をお願いいたしておりましたが、最近化学製品の輸出もどんどん伸びてまいっておりますが、そちらの関係代表者がおられませんので、一人適当な方をお願いいたす。それからもう一つは、貿易に関連いたしまして金融問題が最近非常に重要になってまいっておりますので、金融関係の方を一人お願いして、貿易金融問題等についての御意見等を拝聴したらどうか。それからもう一つは、ジェトロPR活動を今後さらに推進してまいります上から、プレスの関係の人をどなたか一人お願いしたい。こういうことで三名お願いしておる次第でございます。
  12. 阿部竹松

    阿部竹松君 さいぜんのお役人ばかりで理事さんになっておられるということに対して、あなたのほうは、お役所関係ということで答弁されたわけですが、実際にあなたのところでやっておらぬで、各国マーケット調査等は、外国にあるそれぞれの機関を使っているわけでしょう、依頼して。実際そうおっしゃっても、現実の内容というのはあなたの御答弁のとおりになっておらぬ。全部外国商社に依頼してやっているのじゃないですか。
  13. 山本重信

    政府委員山本重信君) ジェトロ海外におきます活動は、調査事業宣伝事業、それから見本市参加等々がございますが、ただいまお話し市場調査につきましては、これはいろいろな方法で実は調査をいたしております。あるものは現地でいろいろ資料を集めまして、それを分析するというような方法もございますし、それから非常に特殊な問題、あるいは現地での調査網を活用したほうがいいような場合には、便宜お話しのように現地調査機関に頼みまして、委託調査をいたしておる例もございます。それはただ特殊な場合といいますか、そういうこともいたしておりまして、そうでない調査もいろいろといたしております。
  14. 阿部竹松

    阿部竹松君 調査を依頼することもあるとおっしゃるが、依頼することばかりで、百二十か百三十の商社に依頼しておるばかりでしょう。こともある——でなくて話が逆です。  それからそれに関連してお尋ねいたしますが、ことし政府補助金が二十六億三千万円ぐらいついておるわけですが、このジェトロ発足以来、大体補助金として国から幾ら出ておるのですか、合計して。
  15. 山本重信

    政府委員山本重信君) 毎年の補助金の金額はわかっておりますので、いまここですく計算いたします。——あとで正確な数字は申し上げたいと思いますが、三十三年以降で約九十億になっております。
  16. 阿部竹松

    阿部竹松君 次にお尋ねいたしますが、大手と俗に中小と称せられるところと、そのジェトロにお世話になったパーセンテージをお示し願いたい。
  17. 山本重信

    政府委員山本重信君) 最近、大企業のほうは自分の力で現地活動をするようになりました関係で、中小企業利用率が逐次増加する傾向にございます。最近のジェトロ中小企業利用率を申し上げてみますと、たとえば国際見本市につきましては出品者のうちの約七〇%、それからトレード・センターの展示会利用者の中で中小企業出品者が約八〇%、それから貿易相談所利用につきましては、事項によりまして若干の差はございますけれども、平均いたしますと大体七〇%ないし八〇%ぐらいになっております。それから資料室閲覧者のうちの中小企業者が約七〇%、それから在外施設への委託調査利用が七五%というふうになっております。
  18. 阿部竹松

    阿部竹松君 最後の七五%は何ですか。
  19. 山本重信

    政府委員山本重信君) 在外施設への委託調査利用——業界のほうで海外事情調査したいという希望があります場合に、業者のほうからその調査費を大体半分出してもらいます。それで、あとの半分はジェトロの費用で、現地で特殊な項目についての調査をするということでございます。
  20. 阿部竹松

    阿部竹松君 そこがよくわからぬのですね、その意味が。ぼくの理解力が足りないのかもしれませんけれども、特殊とか言われても、どういうものが特殊に該当するのか、たとえば具体的にこうこうこういうものであるということをお示し願いたいわけです。
  21. 山本重信

    政府委員山本重信君) 委託調査と申しますのはいろいろございますけれども、たとえばある業者自分の直接の商売の関係で、ヨーロッパにおけるめがねのデザインを調べたい——こういうのはジェトロは一般的な調査はいたしておりますけれども、そういう個々のことまで全部常に計画的に調査いたしておりませんので、そういうものは業界からの要望によりまして、特別に現地ジェトロ機関に特別な調査をさせる、こういうような調査でございます。
  22. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうすると、それは微微たるものであろうと思うわけですが、それが七五%のウエートを占めるというようには考えられないのですがね。これはきわめて常識的なお尋ねになるわけですが。
  23. 山本重信

    政府委員山本重信君) 最初の私の説明がちょっと足りなかったと思いますけれども、いま申し上げましたパーセントは、その委託調査利用者の中で、中小企業がどれだけのウエートを持っているかという意味でございまして、それが七五%ということでございます。したがいまして、全体のジェトロ事業活動調査の中で、この委託調査というものがどれだけのウエートを占めているかと申しますと、これはそんなに大きなウエートではございません。
  24. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、このように理解してもいいわけですか。局長の御答弁は、一件一件という件数のパーセンテージであって、あとで取りきめになった場合の金額のパーセンテージではない、つまり大手一社で調査していただいて取引ができた、大企業ですからあるいは五千万ドル、一億ドルという取引も成り立つでしょう。中小でしたらそんな取引は成り立たんわけですね。これが二十件、三十件になっても、五千ドルとかあるいは一万ドルとかいう金額のもので、なかなか億単位のドルはかせげない。あなたのお示しになったのは金額でなくて、依頼された件数ということですか。
  25. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいま申し上げておりますパーセントは件数のパーセントでございます。それからなおこれは調査の段階のことでございますので、はたしてその調査を基礎にいたしまして、どれだけの取引ができるか、その取引高がどれだけ大きくなるかということは、これはまた別の問題でございます。
  26. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、それに関連してお尋ねしますが、調査が十件あったということになりますと、今日まで大体、平易な言葉でお尋ねすると歩どまりですね、大手の場合はその十件調査をお願いして三件の成立を見た、中小の場合は十件委託調査をやっても二件しか成立を見なかった、こういうようなのはやはりお調べになっておるでしょうね。
  27. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいまのお尋ねでございますが、ジェトロといたしましては、特定の業界から委託調査がございますと、それに基づいて調査をいたしまして、そのわかった範囲で資料業者に提供する。それを使いまして、あと業者が具体的な取引においてどの程度にそれを発展さしていくかというところまでは一々チェックいたしておりませんので、歩どまりがどのくらいかということの調査はいたしておりません。
  28. 阿部竹松

    阿部竹松君 そうしますと、調査する場合における委託調査料ということになるか、名称はわかりませんが、一件に対して幾ら取る、あるいは成立した場合に幾ら取ると、こういうような点について少し詳しく御答弁をいただきたいわけです。
  29. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいまの委託調査の費用は、大体一件三十ドル見当でございまして、半額を委託者から出してもらう、あとの半額はジェトロから出す、こういうことでございます。
  30. 阿部竹松

    阿部竹松君 それは一件幾らということで、調査する対象物が物によって違うということにはならぬわけですか。
  31. 山本重信

    政府委員山本重信君) 御指摘のように調査内容によりましては、調査費が非常にかかる場合もあろうかと思いますけれども、いままでのところは一応この委託調査につきましては、そうした基準を一応きめておりまして、この範囲でやれる程度のものを従来取り扱っておるというのが実情でございます。
  32. 阿部竹松

    阿部竹松君 ジェトロでは調査を依頼してもなかなか引き受けてくれないという話を聞いたことがありますが、委託調査をあなたのほうに申し入れすると、いかなる場合でも調査していただけるわけですか。
  33. 山本重信

    政府委員山本重信君) ジェトロの本来の使命から申しまして、特にその委託調査の委託がございましたときは、当然できるだけ便宜をはかるべきでございますので、従来もそういうつもりでジェトロとしては努力してやっておるようでございまして、具体的に調査を依頼したけれども引き受けてくれなかったというような件数は、もし御存じでしたらおっしゃっていただければ、私のほうではできるだけそういうことのないようにいたしたいと思います。
  34. 阿部竹松

    阿部竹松君 三年前にここで山本さんではなかったが、お尋ねしたことがあるのです。そのときの御答弁は、なかなか人手も足らないことであるし予算も膨大にかかるから断わることも——これは本来の使命に反するようだけれども断わることがあります。こういうなよう明確な答弁だったのです。私どももこれはなるほどジェトロの人員構成から見て、予算から見て、どなたが申し込んできても全部お受けできることはできなかろう、こういうような判断をしたが、今日ではそれが解消されたわけですね。
  35. 山本重信

    政府委員山本重信君) おそらく以前はいまよりも在外の人員も少のうございましたので、なかなか委託調査の申し出がありましても、事実上できなかったようなことがあるいはあったのじゃないかと思います。最近、おかげさまで人員もふえてまいっておりますので、現地調査をいたします体制も、以前よりはやや充実してまいっておると思います。ただ、必ずしも現在の体制で一〇〇%完ぺきというふうにまでまいっているとは思いませんが、今後も現地体制を充実させながら、そういう依頼がございました場合にその希望に沿うようにしてまいりたいと思っております。
  36. 阿部竹松

    阿部竹松君 次にお尋ねしたいことは、さいぜんも触れましたが、この理事になられた方、あるいは職員として各省から派遣されておりますね。これが出向社員ということで行かれるそうですね。おやめになって行かれる方もその中にはあるかもしれませんけれども、出向社員ということで行かれるわけです。その人方は全部出向社員であるということかどうかということ。  それからもう一つ海外に派遣されてその駐在員としてお仕事をなる場合に、ニューヨークでもワシントンでも、あるいはロンドンでもブラッセルでも、一緒におられる方々が同じ外務省関係の人でもその給与が違う、こういうのですね。三割から四割安い。ですから、ジェトロの駐在員になって外国へ行って、安い自動車を一台買って、そうすると二カ年たったら国へそれを無税で持って帰ることができるから、自動車一台残すことが楽しみですよという、まことに素朴な情けない話をしているジェトロの駐在員もおりましたよ。今日の段階でどういうことになっているか、私の話は、これは外国の例は四年前の話ですから当てはまるかどうかわかりません。外務省から出向されている人は、外務省の領事あるいは書記官等と同じベースかもしれませんが、その出向の場合どういうことになるか。これは大臣がおられればよかったのですが、大臣はおりませんから、政務次官でも局長でもけっこうですから、ひとつ御答弁いただきたいのです。
  37. 山本重信

    政府委員山本重信君) とりあえず私からお答えいたします。第一の出向者でございますが、ジェトロ発足当時から各官庁からの出向者がかなりジェトロに入っております。いまお話しのように、ある人はそのままもうジェトロに残りまして、ジェトロで今後ずっと勤務するという人も中にはおりますし、また中にはある任期がたてばまた本省へ戻ってくる、こういう人もありまして、現在その両方がございます。具体的にだれがそれに該当するかということは必ずしも実は明確ではないのでございまして、そのときの情勢によりまして、やはりジェトロにずっといたほうがジェトロのためにも必要であるし、また本人もそのほうがいいというような人は、なるべく適材適所主義でジェトロに長く残ってもらう、それからどうしてもやむを得ないものは、適当な時期に交代をするというふうになっております。  それからお尋ねの第二の海外勤務の場合の給与の問題でございます。これは率直に申しまして、私たちジェトロに関連した問題としては最も従来頭を痛めておった問題でございます。現在におきますジェトロの在外職員の給与を外務省の在外公館の人と比較いたしますと、たとえばニューヨークに駐在する参事官を例にとってみますと、約七割程度の給与になっております。幸いにして、今回予算のほうでお認めをいただきました改善案が実施されることになりますと、それが約八割見当にまで改善されるという程度でございまして、私たちとしては、現段階においては一応やむを得ないけれども、今度ももっとこれは改善をしていかなければならないのじゃないかというふうに考えております。具体的には、たとえば同じ通産省の出向者でございまして、同級生が、一人はニューヨークの総領事館に領事として勤務をしておる、それから一人はジェトロのニューヨークのトレード・センターにおるという場合に、いま申し上げましたような給与の差が出てくるのでございまして、これは今後も改善には努力をしなければならないというふうに考えておる次第でございます。
  38. 近藤信一

    ○近藤信一君 ちょっと関連して。いま阿部委員から海外駐在員の問題でお尋ねがございましたが、私一点お尋ねしたいことは、この「JETROの歩み」という本の中の「海外商品見本の収集」というところにずっとございまして、「繊維、家具、陶磁器、雑貨、軽機械など多くの種類」云々とこうあるのです。こうした商品を日本でデザインや何かをあれすると同時に、機械のあっせんなんかもやると、こういうことになるわけなんですが、私は実は東ベルリンにある機械で非常に優秀な機械、それがぜひ買いたいからということで、すぐその調査、買う方法、こういうことをジェトロお話しした。ジェトロで、ではすぐ向こうに駐在員がおりますから、すみやかに方法を講じましょう、こういうことでございましたけれども、これは一年有半になってまだ何とも話がないわけです。実際その駐在員の方々が海外に駐在はしているけれども、自由な活動ができないということは、待遇上の問題があるのか、それともほかに何か原因があるのか。私はそういう点でどうも駐在員というものに疑問を持つわけなんです。そのときのお話では、これは特にドイツの話では、東ベルリンとの商品の売買はいまはやっていないけれども、やはり西ベルリンのほうと東ベルリンのほうとやっておる。日本の商社もあるから、これは一たん西ベルリンのほうに買い取って、そうしてそれを日本に送ることはできるであろう、こういうお話だったから、こういう話を私持ちかけたわけなんですけれども、一年有半、もういまにも二年になろうとするのに何の返事もない。こういうことでは私は駐在員の役割りといいますか、果たしておられないのじゃないかと、こう思うのですが、こういう点はどうお考えになりますか。
  39. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいまヨーロッパには相当数の駐在員が行っておりますが、近藤先生お話しの東ベルリンには実は駐在員は行っていないのでございますが、どこかほかのところでは……。
  40. 近藤信一

    ○近藤信一君 西ベルリンのほうです。
  41. 山本重信

    政府委員山本重信君) ハンブルグ、ジュッセンドルフ等にはいるのでございますが、ドイツでもベルリンには駐在員は行っておらないのでございます。具体的には案件私たちまだ実は聞いておりませんので、具体的内容をお聞きいたしまして、至急に御返事をいたしたいと思います。
  42. 近藤信一

    ○近藤信一君 西ベルリンに駐在員がおるとかおらぬとかいうのじゃなくて、いまハンブルグにいるんでしょう。ハンブルグのほうの駐在員にこちらのジェトロのほうからすぐ連絡をして、そうしてそういうことができるかどうか、とにかく買えても買えなくても連絡だけは一ぺんいたしますという返事だったのです。それきりで一年有半になるけれども何ら連絡がないわけなんです。
  43. 山本重信

    政府委員山本重信君) さっそく調査いたして、結果を御報告申し上げたいと思います。
  44. 阿部竹松

    阿部竹松君 ただいま局長さんから、七割程度の給料で、今度この予算措置を認めていただければ一割ほど上がるというのですが、それにしても二割の差がある。そうすると、同じ海外に派遣させられて、同列同級の年配、職業歴等も同じなんですから、二割も差があっては、とてもなかなかまじめにやろうにも金がかかることですから、できないのじゃないのですか。   〔委員長退席、理事上原正吉君着席〕  それからもう一つお伺いしたいことは、このジェトロができ上がった当時、政府が新しく金を出して、てこ入れをしてやろうとしたときに、通産大臣はいまおなくなりになった高碕さんです。通産省からお役人をどんどん派遣するのはけしからぬじゃないか、こういうことを申し上げた。ところが高碕さんいわく、政府で金を出しててこ入れをしたのだから、通産省の優秀な役職員を送らなければならぬというのが高碕さんの御意見で、私どもも賛成したんです。ところが、行ったら行きっぱなし、戻ってきたという人は聞かないのです。かえって、ますます行く人がふえているんですね。そのとき高碕さんと一緒に来られて政府説明員であったのがいまの中小企業庁長官の中野さん、これが総務課長です。高碕大臣の答弁に補足して、その人たちの辞令は一切通産省の大金庫の中に預かっております。御心配要りません、こういうことです。ところが高碕さんもおなくなりになった人ですから、これ以上高碕さんとのやりとりは申し上げませんけれども、全然逆のほうへいっているんですね。方針が変わったのですが。
  45. 山本重信

    政府委員山本重信君) ジェトロの職員の数も、設立当初から比べますと、倍近くにふえております。適当な人を得るのになかなかおいそれといい人もおりませんので、その間のポストに応じまして、必要に応じて、役所からの出向者も使うことになったわけでございまして、結果におきましては、出向者の数は当初から比べるとある程度ふえてまいっております。しかし私たちとしましては、その後ジェトロに大学卒業生から入るいわゆる正式のジェトロ・プロパーの人たちがだんだん育ってまいれば、その人たちの適当なポストは一応優先的に考えて登用をはかってまいりたいという気持ちでおります。そういう人たちが大体課長の中堅クラスのところまでまいっておりますので、そういう人たちの集まってまいるにしたがいまして、出向者の数もある程度は減らしていくことが可能になろうかと考えております。
  46. 阿部竹松

    阿部竹松君 通産省から行かれているのは、最前申し上げました長村さんとか、村上さん、それから今度やめて木下商店へ行かれたのですが村田さん、こういうふうにたくさん行かれているんですが、そのほかに理事でなしに、部長という名称でも行かれているんですね。何名通産省から派遣されておるのですか。
  47. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいま部長のポストがジェトロで十六ございます。その中で通産省から現に行っておりますものが五名でございます。その中で大体ジェトロのほうに、そのままジェトロの人として置いてもらったほうがいいものもございまして、いわゆる出向者というのでまた本省へ帰ってくることが予想されるものは大体そのうちの三名程度だというふうな状況でございます。
  48. 阿部竹松

    阿部竹松君 この際大臣に一つお尋ねしますが、さいぜん通商局長に承ったのですが、理事長の杉さんですね、杉さんという人はさいぜん申し上げたとおりりっぱな方で、理事長としてはふさわしいでしょうけれども、これはもうなかなか通商局長のおっしゃるように仕事が多忙なんです。それだけ専任しておっても容易じゃないのですね。特に杉さんは朝鮮に行ったり来たりしておる、日韓会談の日本の主席全権ですから。これは国をあげての大問題を背負っておるのですから、この際かえていただいたらどうですかね。
  49. 福田一

    国務大臣福田一君) 先ほど局長からもお答えいたしましたし、あなたも人柄その他については認めておるというお説であったと思うのであります。率直に申し上げますと、ただいまかえる意思はございません。というのは、仕事を統轄する人はその素質が十分であれば、私は必ずしも朝から晩までそこにいなければならないという種類のものではない。やはり大将でございますから、偉い人をみんなうまく使えれば一番いい。使えるか使えないかというところが一番問題ではないかと思う。大きな方針を示しつつ、大事なときに出て行って、また大事な会議にだけは出るというくらいでもりっぱにおやりになる方もあります。それからまたやはり朝から晩までやっていてうまくやられる方もあって、二通りの人がおありだと思いますが、杉さんは前者のほうのお方だと考えております。そういう意味でただいまのところやめていただかなければならないとは考えておらないわけであります。
  50. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連して。福田大臣が遠慮して言われておることはわかるのですがね。四十六億も金を使って五百人の職員をかかえ、もう十三年目ですか、ですから、やはりそういうまあ名誉職とはいいませんが、大阪におられて——というようなことでは、ほんとうにこれはもう大臣も副業でやれというのと私はあまり変わらぬと思うのです。これはもうそういう意味では、やはり日本の至上命令であります輸出振興のためには、八日ですか、大蔵省が通関の発表をしていますが、十六億ドルも入超というような、あとで質問したいと思うのですが、そういう際に、やはりもうアジア経済研究所の小林さんですか、やっているようなわけにはいかぬと思うのです。だから私はこれはもっと実務に関係した面が多いと思うので、やはり阿部委員が言われたようなことを真剣に考えて、もう副業ではいけないし、出向とかいうようなことも暫定措置としては必要でしょうが、やはり課長の中堅クラスがだんだん育っていくのですから、ここに生涯を傾ければ十分やれるというようなことがとれると同じように、やはり杉さんがそういうことでやっておられることが、職員にもずっと影響してきていると思うのです。だから私はまあ設立当初過渡的な措置としては必要であったかもしれぬが、もうこの辺で変えるべきじゃないかというように思うのですが、くどいようですが、いかがですか。
  51. 福田一

    国務大臣福田一君) 先ほど阿部委員にお答えをいたしたところでございますが、私がそういうような問題に関係している限りでは、やはり杉さんはうまく各理事等を統轄しながら、仕事自体はやっていっていただいておると思っております。ただまあいろいろ老齢のことでもあられますから、そういう意味で御本人がそういうことはもういいというようなことであれば別でございますが、ただいまのところ私はすぐかわっていただかなければ、非常にこの仕事をやっていく上で支障があるというような考えはございません。  それから、先ほど来阿部委員からも御質問があって応答がございましたが、通産省から、あるいは役所から人が入っていくということは、これは私はほんとうはあまり望ましい姿ではないと思っております。ただしかし、実際問題となると有能な民間人はなかなか来ないのですね。ジェトロなんかに来てあとでどうなるのか、待遇がどうなっていくのか、退職金もどうなるのか、非常にそういう点不満もある。そこで実は今度出資ということをやったのは、あれは出資をするということによってやはりジェトロは恒久化されて、そこで皆が働いて、これはもう恒久的な機関として残るのだというような精神的な激励をジェトロの人たちに与えるという意味がかなり含まれておるのであります。そんなことじゃいかぬじゃないかというお話もわかるのでありますが、なかなか優秀な人を集めるというわけにいかない。  それからもう一つは、まあこれは役所で講義を聞いて申し上げるのではないのですが、私の見ておるところを申し上げるのですが、やはり民間の方の中にも優秀な方がおられまして、方々ずいぶん見ておられる方は、ジェトロに来て働こうというようなことはあまり希望されない。ただ、役所でありますと、かなり広範にわたって海外に出ておらなくても、経済全般についての視野を持っておるものが相当多いと思うのです。そういう意味ではわりあい仕事に向いておる人があるわけです。お役所の人間でもジェトロに行くのを何も皆喜んでいやしません。   〔理事上原正吉君退席、委員長着席〕 ほんとうはやはり役所で上のほうにずっと進んでいったほうがいいのでありますけれども、しかし役所のほうとしては、まあ交流も考えるんだからということで、ジェトロに人を出しておるというように私は見受けておるわけであります。本来からいえば、これはもういい人が育ってくれればどんどんやはり登用をしていくという姿に持っていかなければならない、こう私は考えております。ただ遺憾ながら非常に育った人がいなかったから、最初のうちはやはりどうしても役所の者が行ってやらざるを得なかったと思うのであります。今後は優秀な人が出てくれば、私はそういう登用ということも十分考えていったらいいんじゃないか。先ほど部長の話がございましたけれども、部長でもやはり十六名のうち五名ばかり通産省から行っておる。あと通産省外、役所外のものがやっておるということであります。せめて部長までそういうものが育ってきたということは、好ましいことではないかと私は思っておるのであります。
  52. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 この前アジア経済研究所の理事をふやすというときに私申し上げたのですけれども、大臣ちょうどおいでにならなかったので、大臣の所見をただすことができなかったのですが、アジア経済研究所は経済の調査、その国々における経済関係法律調査とか何とかいろいろやっておられるようですが、このジェトロの事務所なりトレード・センターの設置されておりまする地域、中近東は別にいたしましても、純粋のアジアと呼ばれる地域でも十近いセンターや在外事務所があるわけですが、アジア経済研究所というふうなのは、別にたいしたこともやっておられぬ、出版物を四百ほど出しておられるだけのように審議の際に伺ったのですが、これなんか通産省としてこういうものを一本にして、そうして内容を充実して、そうして日本経済発展のために寄与をさせるというふうなことをお考えになってしかるべきじゃないかという考えを私は持っておるのです。もっとも臨時行政調査会がいまいろいろ重複するような行政組織などの改廃について答申はあるのでしょうけれども、ジェトロとアジア経済研究所でやっておられる仕事なんというものは、厳密に言えばそれは違いますけれども、一緒にして仕事がやりにくいということにはならぬ。むしろ包括してやったほうが私はだいぶ国費のむだづかいを省くことができるという感じを持っておるのですが、大臣どういうふうにお考えになりますか。この前は賛成して通したのですよ。通したのですけれども、どうも屋上屋の感なしといたしません。そういう点について大臣の御所信をお聞きしたい。
  53. 福田一

    国務大臣福田一君) お考えのような考え方もあり得ると私は考えます。ただしかし、ジャパニーズ・トレード・センター、ジェトロというのはいわゆるトレード・センターでございますから、商売を、商売といいますか、貿易をどんどん進めていきます場合に、一応商社その他が出にくいようなところへでも出て行きながら、その先兵としてどんどん貿易を開拓していくという意味が当初の設立の目的であり、さらにまた貿易を今度は振興する、宣伝する、日本の宣伝もやるというようなこと、商品の宣伝もやるというようなことが中心の仕事でございまして、これは世界のどこということを目標にしないで、そういういわゆる貿易中心、こういうことだと思います。一方アジア経済研究所のほうは、貿易ももちろん含まれますが、日本が特に東南アジアとの深い関係にありますので、民俗、風土、政治、経済、あらゆる面にわたって特別に深い研究をしておくことが必要である、そういう意味調査を進める、こういうところがアジア経済研究所の私は目的であると思っておるわけであります。したがって、目的の一部は重複いたしておりますけれども、そこに一つジェトロというのは一般的な問題、アジア経済研究所というのは一つのここにまた大きなアクセントをつけたものになっておると私は思っておるので、そういう場合においても、統合してやれるかやれないかということになれば、統合してやれないことはないのであります。たとえばジェトロ調査機関というようなものにして、特にその点のアジア経済の問題を研究する、そういうやり方もあり得ると思いますが、しかし片一方は貿易が中心ということでありますと、本来の性格からいえば、地理、風土、その他あらゆる人文等々、そこまでそう深く研究しないでもいいんじゃないかというような矛盾面も出てくるのじゃないか、こう考えられるわけでありまして、一応私たちとしては、今日のアジア経済研究所とジェトロが二つある姿で、日本の貿易経済あるいはその他の面における発展をはかっていくことがいいのではないか、こういう考え方で法案をお願いいたしているわけでございます。
  54. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 三年前ラテン・アメリカ諸国を回りました際に、ジェトロのこういう在外事務所の人たちにいろいろ仕事内容について報告を聞きました。貿易関係のたとえばその他におけるエージェントの紹介をやるとか、そういう実際の貿易に役立つようなお仕事よりも、報告を受けましたのは、ほとんどその国の経済の動向というようなものの報告を受けたおけです。そこへこの間アジ研の理事増員の法案が出ました際に伺ってみますと、主として経済調査ということ、それならこれはジェトロ機関と合体して、そうして国の力というものをやはり一つのところに集中したほうがだいぶ能率化するということを私は感じたものですから、まあ一方は杉さん、一方は東畑さんというなかなか簡単にやめてもらうことができぬ人がそれぞれ代表者でありますから、大臣もそう簡単には御答弁はいただけないとは思いますけれども、やはり仕事が同じようなものを、そうして一緒にしようとすればできるというような問題については、行政調査会の答申を待たず、積極的にお考えになるほうが私はいいと思うのですが、まあしかし即答をいただこうとは思いません。  そこで、ジェトロが三十三年発足以来、ジェトロプロパーでやってきた人も、もう五、六年になりますから、だいぶ人はふえてきたに違いない。同時に山本局長が言われるように、通産省から出向する者の数も、ジェトロプロパーが成長してくるに従って少しく漸減していくようになるだろうということでありますから、まあそうでなければいかぬと思います。そこで、現在海外駐在員で通産省が圧倒的に多くあることはこれは言うまでもありませんが、大蔵省とか、あるいは農林省などからもジェトロの出向にはどの程度出ておられますか。これは大臣でなくて、局長さんでけっこうですが……。
  55. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいまジェトロ海外派遣員が百六十六名おります。そのうち通産省からの出向者が三十三名、大蔵省から八名、農林省から六名、経済企画庁から一名、合計いたしまして四十八名になっております。
  56. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 こういうように出ていただいておるわけですが、なかなか出ておられる人は有能な人がたくさん出ておられますことは認めます。そこで、海外駐在の平均、一体どのくらい駐在しておられるわけですか、何年ぐらい。
  57. 山本重信

    政府委員山本重信君) 平均いたしまして、普通の健康地で三年程度というのが一応の目安になっております。場合によれば、人によりましてもっと長くおる人もございますし、また、不健康地等であまり長く勤務することがむずかしい場合、それより短い期間で帰っておるものもございます。平均して三年というのが一応のめどでございます。
  58. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 発足以来まあ大体この程度通産省から出ておられるものとして——三年として、出ておった人が帰ってこられる、かわりの人が出ておられるわけですが、出ていてお帰りになってから貿易関係——通産省として貿易関係にとどまっておられる人が多いとは思いますけれども、ほかのところへかわっちまうんじゃないですか、これは、あまり貿易そのものとは関係のないところへ。二年なり三年なりの在外経験というものが、お帰りになって生かされる部署についておられる人は少なくて、ほかのところへ転勤あるいは栄転をされるというようなことになって、在外中の経験、知識というものが、国内の貿易政策の発展の上にどのように生かされておるだろうかということがちょっと気になる。その推移をひとつ御説明いただけませんか。
  59. 福田一

    国務大臣福田一君) 具体的の数字のことは、あるいは調べて局長からお答えをいたすと思うのでございますが、私は通商産業省におりまして非常に痛感いたしておりますことは、どういう局においても海外事情に通じた者をできるだけ多く置くようにしなければいけない、もっと海外へ出ていけということをいつも言っておるのでありまして、もう日本の経済がだんだんと国際的になるというか、開放経済に向かったといいますか、そうなりますと、いかなる部局におきましても、よほどやはり海外事情を知ってる者がおりませんというと、非常に不便でございまして、そういう意味において人事のやり方は、必ずしも海外におった者だから通商局関係というような配置はいたしておらぬようで——上のほう、よく来るのを見てますと、そういうふうになっておるようでございます。
  60. 山本重信

    政府委員山本重信君) ジェトロ勤務者、それから在外公館における勤務者を通じまして、これは人事当局のほうで考えることでございますけれども、できるだけ本人の経験を生かすようにという考慮は当然払っておるわけでございます。現に、最近まで、たとえばニューヨークのトレード・センターにおりました人が通商局に来ておるような例もございます。しかし、まあ全般としましては、いま大臣が御答弁申し上げたようなことでございまして、最近は通産省全体が外との接触が非常に多くなってまいっておりますので、原局でも、たとえばそれぞれの原局の輸出課がございますので、とりあえずそういうところで活用するとか、まあできるだけそういう考え方は人事当局が十分考慮しておるように思います。
  61. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 私が申し上げましたのは、こういうふうにジェトロ発足当時で、ジェトロ海外駐在をさせて、そうして、その国の政府なり経済界などに接触して、ジェトロの目的を達するというような人材が最初から集まっていないということはよくわかるのです。したがって、通産省から多数の人が海外駐在員に出られる、これはもうやむを得ないことであります。で、二年なり三年なり在外経験を持ってお帰りになり、それが日本の貿易政策の発展に、その経験なり知識なりが活用されるというふうになっていなければならないと、こう思う。あるかないか存じませんけれども、三年なり四年なりの在外経験を持って帰ってこられると、その人が防衛庁のほうへ行かれるというようなことが——あるかないか知りませんよ、そういうことでは、あまり在外経験というのが、日本の政治のために役に立たぬのじゃないか。そういうことがもしあるとすれば、ひとつ改めてゆくべきではないだろうかということをお聞きいたしているわけです。  で、この機会に、ひとつ大臣おいでになりますからお伺いをいたしますが、大きい商社ですと、自分の力で海外調査なりエージェントの選択なんというものはできる力がもうできていると思います。したがって、国の援助によってこのように振興会のような組織ができております以上、自分の力で海外市場調査なりあるいは取引なりが直接できにくいようなところに役立つ機関にならなければいけない、こう思うわけです。先ほどから阿部委員指摘されておりますのは、日本の中小企業が輸出方面においては相当ウエートを占めているのに、実際、ジェトロの在外機関というものをどの程度に中小企業が活用しているだろうかということについて御心配があるから、先ほどのような御意見があったのだと思います。ジェトロというのは、私はそういうところに活動の力点が置かれなければいけない、こう思うわけです。ところが、この市場調査——先ほどは、めがねのデザインの調査などまでやっているところもあるようですけれども、向こうの国における市場調査はもちろんでありますが、こちらの物を紹介するだけではなく、実際の取引をするエージェントなどまでこちらのほうにしてあげる、しかもその紹介は、個々の中小企業がやっていたのじゃなかなかこれは応じ切れないことになろうと思いますから、国内の中小企業の組織化ということも、ひとつあわせ考えまして、協同組合などが中心になって、そうしてジェトロにどの国の何々の調査を依頼する、その調査の回答をしてやる、進んでこのエージェントの紹介まで、ジェトロがその役割りを果たしてあげる、こういう仕事をやられてこそ、ジェトロの使命を達することができるし、また、国内の中小企業の組織化、協業化ということについても力になると、こう私は思うのですが、そういう指導をやってもらいたいと実は思っております。いずれ、ジェトロ発足以来の業績について資料を出していただけますれば、そのことがわかると思うのです。その際に譲りますけれども、私はいま申し上げるようなことを、大臣、ひとつ基本的なジェトロに対する考え方として打ち立てられる必要があるように思いますが、いかがでしょう。
  62. 福田一

    国務大臣福田一君) 非常にけっこうなお考えでございまして、ぜひそのような問題を実現させるようにいたしたいと思います。
  63. 阿部竹松

    阿部竹松君 さいぜん通産大臣から御答弁がございまして、私の発言した民間団体から理事なり職員を採用せよということについては、なかなか優秀な民間人が集まってきませんという御答弁でございました。それに加えて、大臣から、各省においても有能な方々はなかなかジェトロに行きませんというようなお話がございましたが、まあそのとおりかもしれません。  そこで私、くどいようですが申し上げたいことは、なるほど通産大臣のおっしゃるとおり、通産省、大蔵省あるいはその他の各省においても、有能な方は八幡に行ったり、あるいは富士製鉄に行ったり、日本鋼管に行ったり、神戸製鋼に行ったりするのですから、また衆議院議員になったり、参議院議員になったりして、大臣のことばをかりると、大臣は私のように表現が悪くありませんから、とにかく、うまい答弁用語を使いましたがね、結論的に端的に表現すると、内容は私と同じで、あまり優秀なのは行かぬということになる。そこで椿委員は、いま御答弁は無理でしょうという発言がありましたが、いまこそ、私ども、理事が六名じゃいけません、七名なければ運営できませんというのであれば、それは一名増員するに賛成するのに何らやぶさかではございません。委員十二名が十五名でなければいけませんというのであれば、十五名にするのに何らやぶさかではない。しかし、無能な方々が集まると言ったら、これはあとで問題になりますから、そういう表現は使いませんけれども、とにかく、そういう方々のお集まりであっても、道を得ればやはり有能なお仕事をなさるわけです。そのためには、シンボルでありバックボーンである理事長が、毎日出勤せよということは私は言いませんけれども、やはり中心になって歯車を回さぬ限りにおいては、なかなか理事の増員あるいは委員の増員等によっては問題が解決しない。特に杉さんは、これはさいぜん申し上げましたとおり、りっぱな方であることは認めるけれども、いまや自民党池田内閣の輿望をになって日韓会談の全権大使である、ジェトロどころではないわけです。こういうお仕事をなさっているから、これは私は片手間な仕事じゃないということで、バックボーンになる方を専門におつけにならなければ、理事増員あるいは委員の増員等によって問題は解決しない、このように判断するのですが、こういうことになりませんか。
  64. 福田一

    国務大臣福田一君) お説のとおり、日韓会談に杉さんが全権として活躍されていることも、私、承知をいたしております。しかし、それじゃ日韓会談が朝から毎日のように行なわれているかというと、そうでもございません。また、これはもう、会議の経過も、新聞でもいつも出ておりますからおわかりのように、そう杉さんが出ていかなければ話がつかないというものでもないわけなんです。いろいろほかの方面での話し合いが進められるという場合もあるわけです。おぜん立ては杉さんがされて、いま細部の問題に入る、また、ときどきは相談に乗るというような仕事をされているように私は見ております。でありますから、日韓会談は別に——まあ別にというか、日韓会談も一つ仕事でございますから、杉さんはいろいろ仕事がおありと思いますが、私どもいま見ているところでは、なかなかよく理事たちを統率されながらジェトロ仕事をやっていただいていると思います。こういう仕事は、それは杉さんのほかにいないというわけでもありませんが、それじゃ、だれがいいか、だれが行けば最もうまくこの理事を統率しながらこの仕事ができるかというと、なかなか人選は非常にむつかしいと思います。いま私の脳裏には、杉さん以上の人が私の頭の中に出てまいりません。もちろん政治というものは、いいほうに、いいほうに持っていかなければなりませんから、何も杉さんは絶対である、今後動かせないというので、私は御答弁申し上げておるのではありませんが、いまの段階においては、うまくやっていただいておりますと、ほかにいい人を私は考えていませんと、こう申し上げる以外にお答えのしようがないかと存ずるのであります。
  65. 阿部竹松

    阿部竹松君 通産大臣のあげ足をとるわけではありませんけれども、うまくいっておれば、優秀な人材がたくさんおるわけですから、民間でもあるいは高級公務員でも集まりますよ。うまくいっておらぬから集まらぬというのが、現実の問題じゃないですか。ですから、それを立て直すということになると、根本問題を解決せぬ限りは、役職員の一名、二名の増員じゃ本末転倒じゃございませんかと、こういうことを申し上げておるので、私は外交問題に暗いものですから、いま初めてわかりましたが、杉さんは全権大使ですから、池田内閣、日本国民の輿望をになって韓国と交渉する、おぜん立てするだけであって、そうすると、アジア局長ぐらいのお仕事をなさるんじゃないかということになると、それじゃたいしたことはないというように判断するわけですが、それはそれとして、いま椿委員の質問に対し、通商局長から、外国におる年数が二年半云々という御答弁がございましたね、平均の在外勤務年数がね。そうしますと、諸外国のことはよくわかりませんけれども、イギリスあるいはオランダ、ベルギー、ヨーロッパ諸国、この国にもジェトロのような性格の機関があります。そこからアフリカなり中近東、南米、こういうところに派遣される方々は、十年も十五年も二十年も駐在しておられるわけですよ。そうして気候風上から、嗜好から、もう思想から何から一切調査なさるわけです。今度は何が必要かということは、その国の人と全く同じ感覚でものを調査できるわけです。ところが日本は、さいぜんも申し上げましたが、三年たったら帰るというようなことなんで、地に足がつかぬのですね。まあ国の状態が違うから別だと言われればそれまでですけれども、たとえば、もう一番早い例が中華飯店、これが外国へ行ってみると、三万ぐらいの人口の都市に必ず一つか二つある、大きな都市ですと、十数あるわけですね。これは終生外国の土になろうとしておる。日本の銀座を見ても、五割以上は第三国人ですね、銀座の経営者は。それが実態なんで、日本も直ちにはそのようにならぬでしょうけれども、少なくとも二年や二年半では完全にその国情をキャッチして本国に報告するということは不可能でしょう。したがいまして、私はもう少し、さいぜんのお話を承ると、二割も賃金ベースが安いというお話なんです。これはまことにお気の毒であり、有能な人でも、そこは人間ですから、なかなか本心を打ち込むというわけには——ことばの上では成り立っても、それはなかなか成り立たぬと思う。ですから、そういう問題を解決するのと、一年に一ぺんということは不可能であっても、二年に一ぺんか、三年に二回とかいうことで本国へ一カ月問くらい有給で帰すというようなことは、これはできませんか。とうてい、この役職員の問題の一名、二各の増員云々で、ジェトロの体質改善になりませんよ。少なくとも、さいぜん承ったところによりますと、政府補助金が今日まで九十億、そのほかに予算として今回五億円ぐらいふえるようですが、数十億の金を使っておる。これで仏をつくって魂入れずということは、私はいかぬと思う。そういうところの見解はいかがですか。
  66. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいまお話しの、現地の駐在期間をできるだけ長くして現地事情をよく把握するようにするということと、それから、そうなりますと、当然適当な時期に内地に帰りまして最近の新しい内地の状況、考え方をまた吸収していくということが必要になるわけでございまして、そういうことにしたらどうかという御意見がありましたが、私もその考えは全幅的に賛成でございますが、ただいまのところ、駐在員の駐在期間でございますが、平均いたしまして大体三年程度がめどになっております。おもなところのトレード・センターの中心になっております所長あたりは、かなり長くおる人もございまして、中にはもう四年、五年になっておるような人もございます。今後、いま阿部先生のお話のような線にできるだけ沿って、そういう実現を見るように努力いたしたいと考えます。
  67. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 他に御発言もなければ、午前の審議はこの程度にとどめます。  午後は一時に再開いたすことといたしまして、これにて暫時休憩いたします。    午後零時二十分休憩      —————・—————    午後一時五十五分開会
  68. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  午前に引き続き、日本貿易振興会法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  69. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この日本貿易振興会法の一部を改正する法律案審議に関しまして、この審議をするに足る関係資料が非常に少ないように思うのです。たとえば改正法律案とからんでジェトロ活動を十分審議するためには、予算がきまったわけですから、これをいただいたのだが、たとえば通産からいただきました「昭和三十九年度一般会計予算要求額重要事項別表」あるいは手に入れました資料等を見ましても、よくわからぬのです。ですからお尋ねしますが、ジェトロに対しまする政府補助金については、提案理由にもありますように、昭和三十九年度は、政府の追加出資の五億円を含めまして三十一億余の支出が予定されているわけですが、この収入の、国のほうのただいま申し上げましたような補助金等はわかるのですが、四十六億円のうち、政府補助金は二十六億二千八百万ですか、あとはわからぬのです。これでは。また、手に入れましたこれに関する参考資料でも、これは全然わからぬのですよ。その辺はどうなっていますか。
  70. 山本重信

    政府委員山本重信君) 補助金の額は三十八年度二十一億でございましたものが、三十九年度には三十一億になる。
  71. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 補助金幾ら。
  72. 山本重信

    政府委員山本重信君) 三十一億でございます。そのうちの出資金の増五億を含めまして三十一億二千八百万円になる予定でございまして、対前年度の比較では九億七千百万円の増額になっております。そういたしまして、その内訳は一応予算要求の段階でつくりましたものがございますので、これは資料にしてあとでお届けいたしたいと思います。実は毎年ジェトロといたしましては、政府の予算が確定いたしましてから、その上で、新年度の予算を早急につくることになっておりまして、その詳しいものがまだジェトロ全体としてできておりません。補助金対象になる部分だけのものは一応こちらでできております。それを資料で差し上げたいと思います。
  73. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 いろいろ本法案が通ってから事業計画をお立てになると思うのですが、三十八年度のこの収入支出予算を見ますると、三十八億一千八百万円のうち、国の補助金は十九億四千九百八十三万一千円ですね。そうして、この事業収入というものが十三億四千四百万からあるわけなんです。三分の一をまあ事業収入に依存しているわけですね。こういう傾向は三十九年度も大体踏襲されるものでしょうか。大体そういう比率になるわけでしょうか。
  74. 山本重信

    政府委員山本重信君) 基本的な考え方としては、三十九年度も三十八年度と同じような考え方で踏襲することになると思います。
  75. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと事業収入にやはり十四、五億依存することになると思うのですが、そういう形態のほうがいいんでしょうか。三分の一も事業収入に依存するというようなことがいいものでしょうか。輸出の重要性からもっと国が補助金をふやして、そういう事業収入に依存せずにやったほうがいいんじゃないかと思うのですが、どうなんです。
  76. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいま事業収入という項目に含めておりますものの内容を申し上げてみたいと思います。大きく分けまして三つございます。第一は、見本市に参加する人の出品料でございます。現在ジェトロの補助が七五%になっております。出品者の負担が二五%ございます。その出品者の負担分がその中に入っております。それから第二は、カメラとかミシン等の軽機械センターが現在海外三つございます。そこの経費はそれぞれの業界が半分負担をしております。ジェトロが半分。その業界負担分が事業収入に入っております。それから第三の項目は、繊維関係でございまして、繊維の海外事業につきましては、業界が全額負担をしております。これがやはりこの収入の中に入っております。大きなものはその三つでございまして、仰せのように、ジェトロの予算が許しますれば、なるべく業界の負担は少なくしていくことが本筋であろうかと思いますので、そういう方向での努力は今後もいたしたいと思いますけれども、当面、三十九年度につきましては、こうした負担率を一挙にあまり軽減することができませんので、今後徐々にそういう方向に努力していきたいと思います。
  77. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 大体の御趣旨はわかりましたが、三十八年度を見ますと、事業収入の十三億四千万円ばかりのうちで、一億八千四百万という特定業種別輸出振興事業収入という一番大きな費用がある。これもやはりそういう見本市参加等にからんで出品したそういう出品者の負担なんですか。
  78. 山本重信

    政府委員山本重信君) 特定業種の関係の収入は、いま申し上げましたこの怪機械とか繊維とか、なおそのほか農林水産物等もございまするので、そうしたものの業者負担分でございます。
  79. 阿部竹松

    阿部竹松君 議事進行。  中田先生が参考にして質問されている資料、これは通商局当局でおつくりになったんでしょう。私どものほうにはだね、全然単行本のような写真入りの本だけだ、資料は。大臣の提案説明しかやってない。この際申し上げておきますが、アジア経済研究所の場合もそうであった。同じ通産省でも、ほかの局は一応こういう損益勘定とか業務内容を盛った資料を午前中に請求しましたがね、いただいておる。そういうのあるんでしょう、あなたのほう。午前中要請しておったにもかかわらずだね、午後劈頭配付がなされるものだと思っていた。いま、できれば配付してください。
  80. 山本重信

    政府委員山本重信君) 午前に阿部先生から御要求ございました資料は、いま、ジェトロの従来の活動成果という話でございましたので、これは後刻作成いたしまして提出いたしたいと思います。それからいま中田先生ごらんになっております資料は、実は私も見ていない資料なんでございますけれども、内部資料として作成したものをこちらの調査室のほうにお届けしたものだそうでございます。資料が不十分でたいへんその点は申し訳ございません。必要な資料は、御要求いただきますれば、できるだけ調製して提出いたしたいと思います。
  81. 阿部竹松

    阿部竹松君 調査室に出せるものであれば、われわれにもいただけるはずだと思うのですがね。調査室からぼくら全然そういうことを聞いておらぬ。まあ調査室が怠慢でわれわれに配付する分をにぎっておるのかもしらぬ。その点は当委員会でなくて議運でやりますがね。しかし、そういうことでは困るのです。必要以外のことを聞くからかえってダブるんです。質問を、時間を短縮して要点を聞くためにも、資料が必要ですね。
  82. 山本重信

    政府委員山本重信君) 今後そのようにいたしますので、よろしくお願いいたします。
  83. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  84. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をつけて。
  85. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま局長から、見本市に参加したカメラのセンターとか、あるいは繊維関係だとかというようなものが事業収入の主たるものだということですが、これはまだ事業計画はできていないかと思うのですが、さきにもお尋ねしましたのですが、十三億という、昨年はまあ約三分の一だったのですが、これの比率は、大体の傾向はどうなりますか。たとえば、いろいろ事業収入をあまり多く予定するために、実際、貿易といいますか、取引をやったりして、バナナを輸入するとか、いまはないと思いますが、そういうこともあったりして、やはり私は、見本市等に参加するのでいろいろ負担させることも意義があると思う。相当理由があると思うのですが、これもあまり多いと、いろいろ過去にうわさされたようなことが起きてもいけませんし、大体事業収入に依存する度合いは、昨年よりふえるようなことはないのですか。
  86. 山本重信

    政府委員山本重信君) 今回、政府予算を編成いたします場合に、出品料の負担等についてもいろいろ議論いたしておるのでございますけれども、比率としては、私たちとしてはふやすことはもう絶対避けたいと思って、おそらく、トータルで大体同じような比率になるのじゃないかということを一応想定いたしております。
  87. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この収入の中に入ると思うのですが、この日本貿易振興会法の第四条によりますと、今度五億円の出資の追加があるわけですね。これはその昭和三十三年の法律第百六十九号の規定によって運用して、そして、その利子を入れるわけでしょうが、この法律関係を少し説明していただきましょう。
  88. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいまジェトロの資本金は二十億円でございますけれども、この資本金につきましては、ただいま中田先生お説のように、経済基盤強化のための資金等に関する法律によりまして、この資本金は基金としてこの運用利子を使う。それから、その資本金は資金運用部に預託するということがきめられておるのであります。したがいまして、現在そのような運用をいたしております。今回、増資になります五億円につきましては、そうした規定を特に置きませんので、これは必ずしもそうした運用をしなくていいわけでございます。ただ、運用の方針といたしましては、基金としてその運用利子を使うという方法運用したいというふに考えております。
  89. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま山本局長から御説明ありましたように、この二十億というのは、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律ですか、これに基づいて運用益といいますか、資金運用部資金として預託してその利子をもらうわけですね。これは国全体の資金計画もあると思うのですが、運用部に預託する金利は非常に安いわけです。ジェトロとしましては、安全投資という点からいえば、これは法律があるので、改正せねばどうにもならぬでしょうが、これをたとえば商工債券のような利付債券でも、これは国の機関ですからそうないのですが、安全性においては、なかなか大きな二十億という金ですから、これはやはり計画的な運用ということがあって、やはり資金運用部資金に預託して、その他の資金運用部資金と全体を、財政投融資としてどうするかというようなことがあると思うのですが、私は、たださえ財政の豊かでないジェトロとしては、少しでもだいぶ違うと思うのです。これは何かそういうことをされるという意思はございますか。
  90. 山本重信

    政府委員山本重信君) 今回増資いたします五億円につきましては、運用益を使っていくという点では同じでございますけれども、法律上の制限がございませんので、なるべく御趣旨のように有効な方法で利子をかせぐようにいたしたいと考えております。それから、いまお話しの二十億円につきましては、これは法律でそのようにきまっておりますので、ただいまのところ、これをいわば解除して、そうして別の方法運用するということは考えておりません。今後の問題として、これはほかのいろいろ基金等もございますので、そういうのとの関連もございます。ほかの問題とも関連いたしまして、今後検討さしていただきたいと、かように考えます。
  91. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは二十億のほうは、ただいま申されました法律第百六十九号によって運用せねばならぬし、五億はそうでないというのは、これはどういうことになるのでしょう、この関係は。
  92. 山本重信

    政府委員山本重信君) 今回お願いいたしておりますジェトロ法の一部を改正する法律案の中に、現在あります二十億円と、それから今度ふやします五億円とは、違う取り扱いをするように書き分けてございまして、前の経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律の直接の規制を受けますのは、現在あります二十億円だけでございまして、あとの五億円はそれとは違う扱いをするということにいたしております。したがいまして、資金運用部資金に預けなければいけないという規制は二十億円だけに限るようになっております。
  93. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  94. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をつけてください。
  95. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 福田大臣にお尋ねしますが、ただいまジェトロの四十六億の予算、収支についてお尋ねしているんですが、今回五億、出資の追加があるわけですが、これまでの二十億は、御案内のように、法律第百六十九号、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律に基づいて、日本労働協会あるいは中小企業信用保険公庫というようなのを、同じように預金部資金に入れて、預託して、その利子を使っている。ところが、今度の五億円は、この基盤強化のためのこの法律によって預金部資金に入れぬでもいいということなんです。そうしますと、先日通りました中小企業金融公庫が百億の債券を発行する。あるいは商工中金が利付債券を発行している。これはまあ安全投資においてはいささかも変わりがない。実は先般、この前の国会ですか、国民生活研究所が企画庁所管でできまして、藤山大臣のときですが、これに国が一億出して、それをどこかに預託して、その利子収入で国民生活研究所を維持するという際に、そういうふうに中小企業金融を援助する一環として、そのときは中小企業金融公庫のそういうのがありませんから、商工中金の利付債券ならあまりそう低いこともないし、やられたらどうだろうということで、たしか数千万商工債券を買った。それは、いまの中小企業庁長官をやっています中野さんがたしか調整局長をしていたときです。そういう点で、これがもし五億円が通りますと、これはもう信託銀行とか銀行とかが預金の争奪に来るわけなんです。そういう際に、やはり安全投資、中小企業金融のてこ入れの一環として、やはり国民生活研究所を、企画庁所管ですらそうされたようなことから、ひとつできるだけそういうふうに、全部そこにするというわけにもいかぬでしょうが、してやっていただくことが非常にいいと思うんですが、その関係はいかがでしょう、御所信を。
  96. 福田一

    国務大臣福田一君) 私、事務的に——この前ちょっと予算のときでございましたか、その問題もあれしたんですが、なかなか何かうるさいようなことを言うておったように思います。ちょっといま事務当局のほうから説明を申し上げさせます。
  97. 山本重信

    政府委員山本重信君) ただいまのお話は、御趣旨としてはたいへんにけっこうな御趣旨なんでございますが、現在、日本貿易振興会法によりまして、二十八条でございますが、余裕金の運用に関する規定がございます。これによりますと、余裕金の運用は四つの方法に限定をされております。一つは、「国債の保有」、第二が「資金運用部への預託」、第三が「銀行への預金又は郵便貯金」、第四が「信託会社又は信託業務を行う銀行への金銭信託」、こうなっておりますので、現行法上は、いまのお説のような方法はとりにくい、とりがたい状態でございます。
  98. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私もよくわからぬのですが、公庫は銀行でないのですか、金の貸し借りをする……。公庫は銀行でないのですか。私もその辺は……。
  99. 山本重信

    政府委員山本重信君) 銀行といいます場合は、普通やはり銀行法に基づくものを銀行と言っておりまして、金融機関の一種であることは間違いないのでありますけれども、ここでいう法律上の銀行には入らないように思います。
  100. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ちょっと関連して。いま中田委員からの質問に関連をいたしまして。  ジェトロについてたまたま問題が出たのですが、中小企業関係の特別法制による、あるいは中小企業指導センターとか、ああいうようなものなどについても、その余裕金がある場合においては、これは銀行だけに預けるのじゃなくて、それこそ、中小企業はさなきだに特別の金融機関、資金源に困っているのですから、そういうところに入れるのが私は当然であるというふうに思っているのであります。しかし、この問題については、かつて私は政務調査会において、出てくる法律案についても片っ端から問題にしたことがあるのですが、大蔵省の金融財政行政の立場から、そこまではいっておらぬということでありますが、しかし、これは真剣に私は検討すべき問題だと思いますので、そういう点について、この際、福田通産大臣の御所見と今後の方針について伺っておきたいと思います。
  101. 福田一

    国務大臣福田一君) この問題については、通商局長がただいまお答えしたように、なかなか困難なことでありますが、趣旨はわれわれとしても大賛成なんで、中小企業に資金が回るようなくふうがあれば、できるだけやりたいと、こう思いますので、一応事務当局をして、大蔵事務当局と交渉をさしてみたいと思います。
  102. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 まあ二十八条を厳密に解釈すれば、ただいま局長の言われたとおり、大臣の言われたとおりかもしれぬですが、この弾力的な解釈といいますか、何かその辺はできないかと思うのです。国民生活研究所のときも、大蔵省の銀行局は、やはり信託会社とか信託何とか、そういうところを主張して、あまりこれに賛成しなかったのです。そのときにも——福田大臣、よく気をとめていただきたいのは、国民生活研究所のときにも、大蔵省の銀行局はそれを、やっぱり運用について、信託会社か銀行等に預け入れることをして、商工債券を買うことをあまり好まなんだわけです。ひとつこれは研究してみてください。
  103. 福田一

    国務大臣福田一君) 実は、それは予算のときにもちょっとあれはあったのです。五億今度つけるについては、事務の経費は金利分だけ落とされたわけです。そのときに幾らでその金利を見ているかというと、六分五厘というのです。商工中金債ですと、あれは利回り商工六分二厘七毛……。
  104. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  105. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記つけてください。
  106. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいま福田大臣の言われた利回りですか、その問題もありましたがね、そのことはやはり商工債券のときも、何か特別に希望に応ずるようなことで解決はついたんです。ただ、この条項の解釈で、余裕金の預託先として適用するかどうかが問題でしたら、そのちゃんと収入を落とした分だけは入るような便法があるということを私は言ってるんです。その点はまあひとつ御研究いただきたい。  次に、ジェトロの主要業務の一つであります市場開拓——マーケッティングの問題ですが、これはわが国の貿易振興にとってきわめて重要な仕事だと思われるんですが、特に日本の商品を相手国の市場にどのようにさばいていくかというような、販売の実効をあげるためにどういう調査や研究をしたらいいかということは、これはまあ相手国によっても非常に異なると思うんですが、そこでまず第一にお伺いしたいことは、ジェトロは、この市場調査の報告を現在までどれぐらい作成し、そして、おもなる調査事項はどういうようなものであったかというようなことをお伺いしたいと思うわけであります。
  107. 山本重信

    政府委員山本重信君) 海外市場調査ジェトロ事業の最も重要な事業一つとして、予算の面でも重点を置いております。三十八年度におきましてこの調査に取り上げました品目は、三十五品目ございまして、それから三十九年度におきましては、それをさらに三十七品目にふやしたいというふうに考えております。それからあと特殊な市場調査、それから商品につきましての調査あるいは信用調査等も含みまして、さらに拡充をいたしたいと思っております。  それから、ただいま申し上げました調査の具体的の内容は、お手元に配付いたしましたこの「JETROの歩み」の四六ページのところに「マーケティング・シリーズ一覧表」というのがございます。ここに従来の調査の項目が載っておりますので、御参照いただきたいと思います。
  108. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この各地においてやられます市場調査方法なんですが、具体的には実際どうしておやりでしょうか。何か伝え聞きますと、外国専門の会社なんかに、ほとんど大部分を委嘱してやっているとかいうようなことが誓われているのですが、実際はどうなんですか。
  109. 山本重信

    政府委員山本重信君) 個々の品目のかなり専門的な調査になってまいっておりますので、ジェトロ現地の駐在員が自分自身でいろいろ調査をするのだけでは、なかなか隔靴掻痒の感もございますので、必要に応じまして、現地専門調査機関に頼みまして調査をしてもらって、その資料参考にしてつくり上げております。
  110. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いずれ、いま理事のほうで御相談をいただいておりますから、ジェトロ運営なり方針等については、杉理事長においでいただいて、その際に、また詳しく伺いたいと思いますが、今回、この改正の四条に対して二項を追加するということになっていますが、この今度の五億の出資を増類するということになりますと、これは本来であれば資本金が改正されるわけですから、この委員会審議を経なければならないと思う。ところが、今度の改正によりますと、「政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、振興会に追加して出資することができる。」、こういうふうに改正されますと、将来出資金を増額するというふうな場合、予算委員会のほうで大ワクがきまってしまえば、この委員会審議にはかける必要がないということになってくると思います。そうしますと、何かこう国会の審議権を自分たちで縮小する内容を持っているように思います。この振興会法だけじゃございません、今回の国会に、私の感づいておりますだけでも、十七、八本大体同様の趣旨の改正案が出ていると思う。これは非常にたいへんな問題だと、こう思うのですが、こういう一連の法律措置をとるにあたって、政府——これは大臣にお聞きするわけですが、何から何まで国会にかけて審議をするというようなことはわずらわしい、できるだけこれは簡単にせにゃいかぬということで、こういう措置をこれはおとりになるのでしょうか。ちょっとそれは大臣からお答えいただきたいと思います。
  111. 福田一

    国務大臣福田一君) これはただいま御質問をいただきましたとおり、この法律だけではないのでございますが、政策決定については、法案審議を、新しいものをつくる場合においては法案はもちろん出さなければいけないことでありますが、その政策を拡充していくというような場合においては、これは予算の措置でできるようにお願いをしよう、こういうことでございましてこの種の法案を出しておるわけであります。これはいま仰せになったように、いままでのやり方ですと、予算総会で一ぺんこの問題を審議をし、この問題というか、この種の問題の審議が行なわれ、なおかつまた法案審議で同じことをするという二重の手続——いわゆる慎重な手続と思いますが、そういうような措置がとられておりますが、今後は政策のきまっておるものであれば——法案は新しい政策をきめるときには、これはけっこうである。実をいえば、ジェトロの場合におきましても、われわれはこれくらいでは足りないと思っておるのでありまして、ほんとうはもっとふやしてもらいたかった。予算も、最初のうちは二十億、三十億といっておったのですが、だんだん小さくなってとうとう十億になり、それがまた五億になったという、実は交渉経緯もあるわけでありますが、もっと多くしたいという要望を持っていたわけであります。したがって、今後、この次の会計年度等においてジェトロのために出資をするという場合には、もちろん予算にこれはのせられるわけであります。その予算審議の際にひとつ御審議を願う。それから一般通産行政の審議ということは、必ず商工委員会を通じて審議がしていただけるのでありますから、法案が出ていようといまいと、なぜこういうものをふやしたか、なぜこういうことをしておるかということは、十分御批判をしていただく機会がある、こういうふうに考えましてこの種の法案を出しておるわけでございます。
  112. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これまで国会の委員会に必ず審議されていたものが、今回のような改正措置がとられることによって、一般通産行政についての質疑はもちろんいつでも随時行なわれることにはなっておるわけですからさしつかえない。ところが、予算委員会などは二百時間とか、やれ二百九十時間とかというふうに時間がほんとうにこれまでは限定されておりまして、なかなかジェトロの増資をするという一部が入っておるということがわかっておりましても、ジェトロ運営なり方針なりについて意見を申し上げる時間というものは限定されるわけであります。そこで、幸い、これは自民党の幹事長もここにおいでになるわけでありますが、この種の法律改正が今回の国会で十何本——二十本近く出ておる、こういうことになりますと、これまでの予算委員会のあり方というふうなものは時間的に根本的に再検討をされるということが、これが前提にならなければ、みずからの審議権を縮小することになると思うのです。ですから、政府もこういうことは、思い切って出される以上、在来の予算委員会審議のあり方というものについて相当なやはり再検討する用意を持って出されておるものとしか思われませんが、そういうことでしょうか。
  113. 福田一

    国務大臣福田一君) 政府といたしましては、そういう新しいやり方で予算審議をしよう、こういう考えではございませんが、そういう機会は、十分審議をしていただく機会がある。もちろん、こういうことでございますから、場合によっては、予算審議の場合にはこういう項目は追加しておりますということを抜き出して、こういう法律に基づいたものは抜き出して、あまりみんなの中に入ってしまいますと、何をふやしたのかわからぬということでは、これは私は審議に非常に差しつかえられると思います。したがって、この種のもので追加いたしたようなものは抜き出して、これとこれはこれだけ予算でふやしておりますというようなことは、これはお教えをすべき義務は当然生じますと考えますけれども、何もこれによって審議のやり方を特別変えるような意思を持ってこの種の措置をとったわけではないのでございまして、先ほど私が申し上げましたように、予算審議のときにも御審議を願えるし、また、委員会審議にあたっても御審議をしていただける、こういうような考え方で措置をいたしたわけであります。もとより本年だけではございません、今度出しましたが、去年の分の法案につきましても、この種の措置をとったものが、石炭関係で二つばかりございます。ほかにも私あったかと記憶しておりますが、自分の所管でないので明らかでございません、たしか三つぐらい商工関係でもあったと私承知をいたしておるわけでございます。
  114. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いま御説明のように、予算書を提出される場合など、お話しのようにぜひ実行してもらいたいと思いますが、こういうことになりますと、予算委員会も、これまでのように三百時間とか二百五十時間とかいうふうなことでなくて、よほど審議の時間を抜本的に再検討し直すくらいの必要があろうかと思います。それからまた、予算委員会商工委員会との連合審査というふうなこともひとつ考えてみにゃならぬような内容を含んでおると思います。なるほど、石炭は特殊な対策、国をあげての対策あるいは緊急を要することなどもございまして、特別措置がとられたことを私もよく承知しております。ところが、今回の国会には、各省からこの種の国会の審議を省略する法律案が非常に多いのであります。これは特に目立っております。こういうことは私どもの承服のできないことでして、せっかく、政府の意思統一をされて出しておられる以上、予算委員会のあり方、あるいは商工委員会と予算委員会との連合審査、各委員会との連合審査というふうなことが当然これは考えられた上でないと、今回のような審議権を縮小するような内容を持つ法案が、一ぺんに各省から出るというふうなことは容易ならぬことだと思いますので、あわせて、そういうことについての御議論があった上でこれはこういう改正案が出されておるのかどうか、お尋ねをいたします。
  115. 福田一

    国務大臣福田一君) 先ほど申し上げましたような事情でございまして、予算審議方法もこれによって変えなければならないかどうかということは、話題になっておりませんでした。
  116. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 閣議の話題にもならないで、国会の従来の審議権を縮小するような重大な内容を持つ法律をぼこぼこ出されることは心外であります。非常に問題ですね。吉武さん、あなたは自民党の幹事長をしておられるわけですから、これは国会のあり方について基本的に考えなければならぬと思います。  大臣お急ぎのようですから、結論を急ぎますが、こんな国会の審議権を縮小する内容を持ったものを、閣内で一ぺんの論議もしないで出されるということについては、重大な反省を求めたいと思います。重ねて所信を承ります。こういうことでいいものでしょうか。
  117. 福田一

    国務大臣福田一君) 先ほど申し上げましたが、予算総会の審議においても御審議を願うことができますし、また一般の商工あるいはそれぞれの委員会においても御審議を願うことができるわけであるから、そういうふうに措置をしようということであったわけでございまして、御了承を賜わりたいと思うわけでございます。
  118. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 了承できません。
  119. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  120. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記つけてください。
  121. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 海外市場の調査外国専門の会社等に委託するというのは、たいへんなまあ調査費が払われておるということですが、やはりタイムリーにやったりして急ぐということもあるでしょうが、ジェトロのほうで苦労して実際調べてものにするというようなことから、できるだけそういう委託を少なくしたがいいと思うのですが、それいかがですか。一番大きな調査費は、どれくらいで委託されたのですか、一件に。
  122. 山本重信

    政府委員山本重信君) 海外市場調査のやり方につきましては、ある年限をかけましてだんだんに経験知識を蓄積してまいる必要があろうかと思います。ジェトロも、今後海外における経験を蓄積いたしまして、自分でも相当程度の調査ができるように、今後育成をしてまいりたいと存じております。  ただいまお尋ねの委託した場合の調査費の支払いでございますが、おおむね一件五千ドル見当のものがまあ多いほうでございます。
  123. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 調査の報告ですね、これはやはり着手したり依頼したりしましてからとれくらいな日数で——まあいろいろな、調査の難易等にもよるでしょうが、そういうことについて。それともう一つは、このシリーズがたくさん出ておるようですが、その活用が非常に問題だと思うのですが、この配付先はどういうふうになっていますか。
  124. 山本重信

    政府委員山本重信君) 仰せのように、業種あるいは向こうの市場の状況によりまして調査期間はいろいろございますけれども、大体四、五カ月というのが普通でございます——平均で申しますと。このシリーズは、大体三千部程度つくりまして、関連した業界に配付いたしております。
  125. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これはアジア経済研究所のときも非常に問題になったのですが、まあ日本の輸出貿易について中小企業の占める比重は非常に高いわけですが、そういう方面についても中小企業者の全体の輸出に占める比率は高いわけですが、かたがた市場調査能力も持たない、そういうところこそ調査結果を知らしてやらなければいかぬのですけれども、そういうことについては遺憾なきを期してあるのですか。
  126. 山本重信

    政府委員山本重信君) 仰せのとおりでございまして、ジェトロも従来なるべく、自分調査のできない中小企業のためにかわって調査をするという方針で運営をしてまいっております。したがいまして、調査対象として選びますものも比較的中小企業の品目が多うございまして、また調査しました結果は、なるべく関連したそういう中小企業にまで渡るようにつとめてまいっております。
  127. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 次にお尋ねしますが、輸出秩序維持対策の事業ですが、今回提案されましたその改正案の提案理由でも述べてありますが、ジェトロ事業一つとして輸出秩序の維持対策の事業があり、その三十九年度の事業予算として政府補助金千五百万を含めて五千三百万が計上されているわけですが、これは主として輸出取引法関係調査ではないかと思われるのですが、その具体的な内容はどうなんですか。
  128. 山本重信

    政府委員山本重信君) 輸出秩序維持対策事業費の予算は、三十八年度が三千八百万円でございまして、三十九年度はただいま一応予定いたしておりますのは五千三百万円でございます。仰せのように、非常に重要な項目でございますので、今後も十分に力を入れてまいりたいと考えております。  この事業運営実態は、たとえばアメリカにおきまして日本品に対する輸入制限の動きが出てまいります。その場合に、日本の輸出がアメリカの市場におきまして市場撹乱を起こすとか、あるいはダンピングのおそれがあるというようなことで、先方の業界が、輸入制限運動を起こしましたり、関税委員会に提訴をしようとしましたり、いろいろな動きをいたしますので、そうした動きが出てまいりました際に、その実態をいち早く現地調査をいたしまして、そうして、もし日本側で、国内でいまのお話しのように取引法によって秩序を維持するようなことが必要であるということになりますれば、そういう手を打つようにいたします。また、先方の輸入制限運動が必ずしも正当な理由ありと思われないような場合には、先方に対しまして、日本側の立場事情をよく説明をしなければならないわけでございまして、現地でまたいろいろな活動をしなければならないわけでございます。そうしたかなり広範囲な事業につきましてこの予算を使うことにいたしております。
  129. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 このただいまお尋ねしました輸出秩序維持対策事業と同じように、提案理由でもお述べになっていますが、業種別の輸出振興対策事業というのがあって、三十九年度に三億五百万が計上されて、これは前年対比で二億二千万という大幅な増額をして、その拡充を期しておられるようですが、これはその軽機械類の輸出振興の関係等以外では一体どういうものを重点的に、一番まあ将来伸びるものとしておもにどういうものに重点を置いてやっておられるか、そういう点をお聞きします。
  130. 山本重信

    政府委員山本重信君) 特定業種別輸出振興事業費は、三十八年度が二億三千二百万円でございまして、それに対しまして三十九年度の一応の予算は三億五百万円を予定いたして、差し引き約七千二百万円の増額になります。そのおもなものは、ただいま仰せのように、軽機械の関係で新しく一つ現地の事務所を設置いたす予定になっておりますのと、そのほか農林水産物の輸出関係でも同じように現地での事務所を一つつくって輸出振興の活動を活発にいたそうというふうに考えております。そのほか、いろいろこまかい雑貨類等々につきましても、きめこまかく事業の網を広げようという計画でございます。
  131. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 次に、この収支予算ですか、退職手当勘定ですね、これは阿部委員その他御質問がありましたように、どうしてもジェトロが十分な活動をしていくためには、ここに優秀な人材を登用しまして、まあここに情熱を傾ければ悔いがない——勤務中もそうです。勤続中もそうです。やめてもそうだというふうなことで、やはり十分な処遇をなされるということが非常に必要なんですが、これを見ますると、退職手当勘定は、収入の部が五千三百四十九万、支出のほうもそうなっているのですが、退職金としてはたった五百万しかないわけですが、一体この程度の退職手当で——これは三十八年度ですが、やられているのでしょうか。そういうことでは非常に問題じゃないかと思うのですが、これはどうなっていますか。
  132. 山本重信

    政府委員山本重信君) ジェトロの職員の待遇改善につきましては、先ほど在外職員の給与の問題について申し上げましたように、今後もできるだけの改善の努力をいたしてまいりたいと思っております。  お尋ねの退職手当でございますが、これは政府関係機関共通の問題でございまして、大体類似の機関と同じような退職手当の規定をつくっております。それによって所要の支払いをいたしております。で、現在のところ、そのための積み立て金は十分ございますので、その規定による支払いにこと欠くようなことはもちろんございません。ですが、これはまあジェトロだけというわけにもまいりませんので、ほかの関連機関と一緒に検討をする必要があろうかと思います。特にジェトロが不利であるというようなことはございません。
  133. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは具体的にはどうなんですか。たとえば、大学を出て、ここに採用されて、いずれ内規で定年退職というようなことがあると思いますが、そういうときにはこれはどういうふうな規程になっていますか、大まかに退職手当というものは。
  134. 山本重信

    政府委員山本重信君) いま退職手当の給与規程のこまかいのを持っておりませんので、後刻資料として提出いたしたいと思います。
  135. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 最後に竹下次官にお伺いしますが、日本経済発展の至上命令であります輸出を振興するために、ジェトロのになうべき役割りは非常に高いと思うのですが、これはもうジェトロができましてからだいぶ日がたっているのですが、これは阿部、椿委員等も申されましたように、やはり各関係省と緊密な連絡をとってやるということは必要だと思うのですが、これが海外市場調査会として発足しましたのが昭和二十六年、ジェトロになりましたのが昭和三十三年で、当初からしますと十二、三年もたっているわけなんです。これは農林省の総合研究所も同じでありますが、当初はやっぱし内地留学と称して、農林省の選ばれた人が行って、そこでいろいろ行政の実務から離れて実践活動と研究活動等をしてまた帰っていくというような意味もあって、なかなか妙味を発揮していましたが、だんだんと年数がたつにつれて、やはりそういう時も済んで、やはり農業総合研究所プロパーの人がやはり実際そこをになっていく。アジア経済研究所の所長になっています東畑さんもそこの所長をやめて、だんだん専門的な研究活動のできる人が行っている。私は、通産省の人が行政をやるためにも、実際貿易の実務なり海外市況をこういう場を通じて調査をされるということも必要ですが、何としても、処遇においてもやはりひけ目のないように、まあ通産省の下風に立っているということのないようにやはりせぬと、所期の効果があがらないのじゃないか。もう相当たっているのですから、そういう一つの転機にきているのではないか、またそうすべきではないかと思うのですが、その点をお伺いしまして、私はこのくらいにして質問を終わります。
  136. 竹下登

    政府委員(竹下登君) 中田先生の御意見のとおりだというふうに私も考えております。ジェトロの議論の中にもございましたが、体質改善という問題も、実際問題として、そういう職員の方々が役所の後塵を拝するという給与ベースの上にあるということが一番いけないことであると私も思っております。そこで、御指摘をいただきまして、やっと局長から御説明申し上げましたような給与水準になりましたものの、まだ給与そのもの以外のいろいろな諸経費等々もとより十分でもございませんし、そうした点を総合して、先生の御意見を体して今後努力を続けたい、かように思います。
  137. 藤田進

    ○藤田進君 本法案審議にあたりまして、直接担当されている杉理事長相当ゆっくり時間をとって本委員会に出席を要求していただきたい。その日時等については、理事会へおまかせをいたします。御相談をいただきたい。
  138. 前田久吉

    委員長前田久吉君) さよう理事会にはかりまして取り計らいたいと思います。
  139. 阿部竹松

    阿部竹松君 これで閉会ですと、参考にひとつ承っておきたいが、ただいまいただいた資料ですから、これから熟読して次回の委員会に質問さしていただきたいわけですが、ジャパン・トレード・センター、これが「JETROの歩み」という小冊子で見ると十一カ所——ただいまいただいた資料には十三カ所ということになっておりますが、これはどちらがほんとうですか。
  140. 山本重信

    政府委員山本重信君) あとで配付いたしました資料のほうが新しい資料でございまして、現在十三カ所になっております。
  141. 阿部竹松

    阿部竹松君 六三年と三十八年度で違うのですか。
  142. 山本重信

    政府委員山本重信君) 実は、パリーのトレード・センターはつい最近に開設いたしましたりしましたので、調査の時点によりまして数字の違いがございます。現時点では十三カ所が正確でございます。
  143. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  144. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。日本貿易振興会法の一部を改正する法律案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないものと認めます。  なお、その日時及び人選等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これをもって散会いたします。    午後三時十三分散会      —————・—————