○
政府委員(
中野正一君) お手元に
関係資料が配付してあると思いますので、それに従いまして御
説明を申し上げます。
中小企業指導法の一部を
改正する
法律案の
説明を
最初に申し上げたいと思います。
こういう
中小企業指導法の一部を
改正する
法律案という印刷物がございますので、この
法律に従って御
説明をいたしたいと思います。ただこれは
中小企業指導法の一部
改正、特に
中小企業指導センターの
業務の
内容を拡大する、それと同時に、
指導センターに対して来年度一億五千万円の
政府出資をいたしますので、その
関係の
規定の
改正というのがこの
改正点でございます。
したがいまして、
中小企業指導法に基づいていま国の
中小企業指導センター、
都道府県、
五大市等が行なっておりまするいわゆる
中小企業に対する
指導事業というものは、どういう
体系でやっておるかということを
最初に御
説明申し上げますと、今度の
改正でどういう点が追加されるかということで、こういう一枚紙を印刷してお配りしてございますので、これをごらんいただきたいと思います。
これにございますように、
中小企業指導法に基づく
指導事業の
体系といたしましては、上に、左のほうにいま申し上げました
日本中小企業指導センター、
特殊法人、
政府出資の
特殊法人が東京にございまして、その右のほうに
都道府県等がございます。
都道府県と
五大都——都道府県等となっておりますが、それが
中小企業者に対して
指導をやるわけでございますが、それ以外に
小規模事業者、
中小企業者のうちの
小規模事業者に対しては商工会または
商工会議所の
日本経営指導員の
指導もございますので、その
関係を書いてございます。
黒棒が現在やっておることでございまして、点々のほうが今度の
法律改正で
事業を追加しようということでございます。
中小企業指導センターの仕事といたしましては、
都道府県で行ないまする
中小企業に対する
技術指導あるいは
診断指導を行ないまするいわゆる
府県の
中小企業の
指導担当者、それの養成と
研修をやっております。それが下の欄でございます。それから上の欄は、なお、
都道府県がやりまするそういういろいろの
技術関係、
経営関係の
指導事業に対して
協力をするということで、現在
中小企業指導センターには、左の欄にございますが、十五名のいわゆる
コンサルタント、
経営技術面の
コンサルタントの
専門家がありまして、これが随時
都道府県、
五大都市等に参りまして、そういう
指導事業に
協力をいたしております。それが
府県に対する
関係でございます。
それから
府県はしからばどういうことをやるかというと、
府県の下のほうに棒が引っ張ってありますように、第一は
診断指導、それから
技術指導、それから
中小企業の
管理者及び
技術者の
研修、こういうことを
府県が
中小企業者に対してやっております。
それから
指導センターのほうは、いままでは
中小企業者には直接は
指導はやっておりません。ところがこれは各
中小企業者から非常に要望の強いのは、特に
技術関係で
都道府県にありまする
試験所等でいろいろ勉強ができないような高度な
技術、たとえば
機械加工の
自動化というような、いわゆる一番切実に
中小企業者が望んでおりますようなことは、なかなか
都道府県の
指導所なり試験所では教えてくれませんので、これを直接に
中小企業指導センターにそういう施設と建物をつくりまして、
中小企業者に対して直接
都道府県で実施が困難な高等な
技術の
研修をやろうというのが今度の法
改正でございます。
それからもう一つは、商工会とか
商工会議所におります経営
指導員、これは
小規模事業者に対して経営改善のいろいろ
指導をやっておりますが、これに対する今度は
研修を、いまの
法律ではこういうことはできないようになっておりますので、
研修もできるようにしようという、点線が
改正案でございます。
それで、
法律に入っていただきまするというと、そういう
趣旨で第一は、いわゆる予算の定める金額の
範囲内において
指導センターに出資をすることができる、その出資をしますというと、それだけ
資本金がふえる、こういう
規定が第一でございまして、現在
指導センターは五千万円の
政府出資でございますが、来年度は一億五千万円の予算を追加をしたい、こういうことでございます。
それからその次がいま申し上げました
都道府県が
研修を行なうことが著しく困難な
中小企業の高度の
技術に関して
中小企業者とかあるいはその従業者に対して直接
研修を行なうことができるようにする。
それからさらにその次に、第八条の目的を達成するために必要な
業務でありまして、特に
通産大臣の認可を受けた場合には、ここにずっと書いてありますこと以外にできるということで、この
規定によりまして先ほど申し上げました商工会の経営
指導員に対する
研修を来年度からやりたいというのがこの
改正案の
趣旨でございます。
それから次に、
中小企業信用保険法及び
中小企業信用保険公庫法の一部を
改正する
法律案について御
説明申し上げます。
これも
法律案を見ていただくわけでありますが、ごくこれ一部の
改正でございますので、おわかりにくいかと思いますので、一応もとの
法律を、四十六国会
提出の法令集というのがございますので、これをちょっとお開き願いたいと思います。
これの四五ページに
保険法がありまして、今度の
改正のところは四九ページでございます。四九ページの第三条
保険契約、ここに書いてありますことは、要するに
中小企業信用
保険公庫が、地方にありまする保証協会を相手といたしまして、いわゆる保証協会の
中小企業者に対して行ないまする債務の保証、その保証に対してそれを
保険をするという契約をすることができるということが書いてあるわけでございます。ちょっと条文はごちゃごちゃしておりますが、そうしてその種類が、
保険の種類はいわゆるまん中ごろにありますが、
保険額が二十万円までのものは小口
保険と言っております。それから五十万円までのものが第一種
保険、それからその次にあります。百万円までのものが第二種
保険ということで、
保険としては小口
保険、第一種
保険、第二種
保険と三つございまして、どうしてこういう三つに分けておるかと申しますと、小口のものについては
保険料をごく安くする。それから第一種
保険につきましても第二種
保険よりは小口でございますので安くするということで、
保険料が違っておるだけでございます。
そういう
規定を今度
改正するわけでありまして、第一点はいま申し上げました小口
保険の二十万円というのが、最近の
経済情勢から見てちょっと低過ぎやしないかという議論がございますので、これを三十万円に引き上げる。それから第一種
保険の五十万円というのを百万円にまで上げる。それから第二種
保険の七百万円を一千万円に上げる。それから組合の場合は従来から最高限度が一千万円でございましたが、この組合の
保険の最高限度を二千万円に上げる。これがいまの
法律のほうに返りますと、
中小企業信用保険法の一部を
改正する
法律案の後段のほうの
内容、そういうことでございます。
それからもう一点、ちょっと複雑な点は、第三条第一項中「債務のうち当該期間の満了の時までに弁済期」がくるものというのを、全部削ってしまうという
改正をやりたいということでございますが、これもちょっと別に、こういう「特殊保証の
範囲拡大について」という刷りものがございますので、これをごらんいただいたほうがわかりいいかと思います。特殊保証というものは現在の
法律にございますが、これはここにちょっと
説明が書いてございますが、読みながら御
説明いたしますと、
現行の
中小企業信用保険法におきまするいわゆる特殊保証というのは、信用保証協会の保証契約におきまして、期間と限度をきめまして、その期間内に生じまして、かつ期間内に債務が発生し、同時にその債務の弁済期が到来するというような債務について、その元本が限度額に達するまで保証責任を負うというものを、
法律によりまして特殊保証といいまして、そういうものについても
保険ができる、こういう
規定が第三条の
規定になっておりますが、ところがこの特殊保証といいますのは、いま申し上げましたように、当該期間の満了のときまでに弁済期がこなければいけないという制約がございまして、そういう制約がありますと、たとえば四月から九月までの期間というふうにきめておきますと、八月なり九月の初めごろに債務が発生するというようなものは、九月までに弁済期がこないわけです。弁済期は十二月とか一月になる、こういうようなものはこの保証ができない、こういうことになりまして、非常に
中小企業者に不便を与えておる現状でございます。したがいまして、今回の特殊保証の
範囲の拡大は、この当該期間の満了のときまでに弁済期がくるという制約をはずしまして、その期間内に債務が発生すればいい、ということにいたしたわけであります。下に図が書いてございますが、
現行の特殊保証、これが縦のほうが保証の限度、たとえば五百万円なら五百万円という保証の限度をきめまして、保証契約で定める期間というのは、四月からたとえば九月までというふうにきめるわけであります。その間にたとえば手形なんかの割引を保証してもらうというような場合には、この保証限度、五百万円の
範囲であれば、百万円でも二百万円でも、そのつど自動的に保証ができるという形にいたしておるわけであります。それで横の白い欄がそういうことでございます。全部九月までに弁済期がきております。したがって、この弁済期がこないで次期にはみ出すのは、現在では保証あるいは
保険制度に乗らん、こういう不便があるのでございまして、
改正後のほうは、ここに書いてありますように、保証契約で定める期間の外に飛び出しておりますが、この飛び出しておるようなものは、
現行の保証
制度では
保険にかからないという不便がございますが、今後は弁済期がくるという制限をはずしますので、その保証契約にきめた期間内に債務が発生すれば全部保証にかかる、こういう
改正でございます。
これによりまして、特に手形割引の保証を今度拡大したいということの要望がございますので、この要望にこたえ得るのじゃないか。そして現在この不便な方法によりまして、各
府県に五十一の保証協会がございますが、その約半分以上が、三十程度が、この不便な特殊保証ということをやっておりますが、こういうふうに
改正していただくと、全部の保証協会で手形割引の保証ができますし、また従来やっておりましたところも相当
規模を拡大し得るのじゃないかというふうに考えて
改正をお願いしておるわけでございます。
それからその次の第二条でございますが、これは
保険公庫法のほうの
改正でございまして、これは先ほどちょっと申し上げましたが、予算をもちまして出資ということがきまりますれば、自動的に、
法律改正を一回々々やらなくても、それだけ出資がふえたという
規定に直そうとしておりますが、それと同じ
趣旨でございまして、特にここにあります。二ページにありますように、融資基金に充てるために必要があると認められるときは、予算できめまして出資をするということで、来年度は四十五億お願いをしております。融資基金は毎年出資をふやしておりますので、一々
法律改正しなくても出
資金の増加ができるようにいたしたいということでございます。
それから、先ほどちょっと御
説明がありましたが、
監事の権限を
強化するという
規定がその次の
改正案でございます。
それから、次に
商工組合中央金庫法の一部を
改正する
法律案につきまして御
説明を申し上げます。
これもちょっと
法律のごく一部を直しておりますので、その前にこの
法案の要綱というのをお配りしてあると思いますので、このほうで
説明をさしていただきます。
第一点は、
政府出資の増額と
資本金の条文整備の問題で、いまの
保険公庫法で御
説明したのと同じような
趣旨でございます。現在商工組合中央金庫は、
政府の出資が七十七億でございます。それから
政府以外の民間の出資が六十三億でございますが、来年度
政府出資を三十億ふやそう、その際に一々やはりこれも
法律改正をしなくてもいいような
規定にすると同時に、商工組合中央金庫の
資本金の
規定が非常に複雑でございますので、この際わかりやすく整理をしようということでございます。
それから、その次に、準所属団体の拡大ということでございますが、これはちょっとあとで申し上げます。それから、その次に、商工組合中央金庫の
業務に外国
為替業務を追加したい、現在は内国
為替業務はやっておりますが、外国
為替業務ができないような
規定になっておりますので、中小業者に不便を与えておりますので、外国
為替業務をできるようにしようということでございます。それから保護預かりの
制度に貴金属を追加するというこまかい
改正をやっております。
それから
業務代理ということを商工中金がやっておりますが、これを
主務大臣の認可を受けまして、営利を目的としない法人の
業務の代理をする、たとえば、先ほど申し上げました信用保証協会の保証料等を保証協会にかわって受け取るというようなことは、現在の
規定ではできません。そこで営利を目的としない法人の
業務の代理を行なうことができるという
改正にしますと、これも中小業者のために便宜じゃないかというふうに考えております。
それから最後に、役員の任期の変更でございます。現在は金庫の
理事長及び
理事の任期が五年でございますので、ほかの
政府関係機関は四年というような通例になっておりますので、この際その任期を四年にしたい。もちろんこれは経過
規定で、現在
理事長なり
理事であられる方は、従来の
規定が働いて五年の任期ということになるわけでございます。今後、新しい
法律が通ってから新しく任命せられる
委員の方から適用されるということでございます。
それから残しました第二番目の点でございますが、これは
法律のほうをごらんいただきたいと思いますが、この冊子で言いますと、一一四ページに、
商工組合中央金庫法第二十八条の二という
規定がありまして、準所属団体、これは前の既存の
法律でございますので、これをちょっと読み上げますが、現在の二十八条の二の
規定でございますが、御
承知と思いますが、商工組合中央金庫はいわゆる所属団体というものに対して金を貸せる、こういう
規定になっておりますが、その所属団体というのはいわゆる協同組合であるとか商工組合、
環境衛生組合とか、そういうものがたくさんここに資格団体というものがありますが、そういう組合であって商工組合中央金庫に出資をしておるものには、所属団体として金を貸せる、こういう
規定になっておりますが、ここにあります準所属団体、いわゆる所属団体に準ずるものにも貸せるということでございまして、どういうものが準所属団体かと言うと、ここにありますように「
輸出ニ関シ所属団体ノ構成員ノ共通ノ
利益ヲ増進スル為必要ナル施設ヲ行フ法人」でありまして「
主務大臣ノ認可ヲ受ケタルモノハ前条第一項第一号乃至第四号ノ
規定ノ適用ニ付テハ之ヲ所属団体ト看做ス」、この前条第一項第一号ないし第四号というのはいわゆる貸付でございまして、その貸付ができる、こういうことでございまして、これはどうしてこういうことになりましたかというと、いわゆる組合がいろいろな
活動をいたしますが、組合が一つの
活動として、たとえば共同で販売する、原料を共同で購入するということをやっておりますが、その場合に組合でできないことはありませんが、組合では機動的な
活動がやりにくいということで、別に組合員が出資をして
会社をつくり、
会社で共同購入する場合がございます。あるいは共同販売ということがございますが、その場合に、特に
輸出関係については、そういうものも組合と同じように扱って金を貸せるようにしてやろうというのが二十八条の二の
改正、これは過去にやったわけでありますが、そういう
趣旨でございます。
ところが、その後の
状況を見ますと、必ずしも
輸出でなくても、
国内関係でも、そういうものが必要な場合がある。これはもちろん、やたらに広げようというのじゃございませんので、ここの
法律の
趣旨に従って
主務大臣の認可が要るわけですから、商工組合中央金庫が勝手にできるわけではありません。そういうことで例を申し上げますと、なたねを油に加工しておる組合がございますが、これがその製品を共同販売する、あるいは、たとえば原料の大豆を共同で輸入をする、こういうようなケースがあるわけでありまして、その場合には、その
会社は販売
会社でございますので、当該加工の組合に入れない、商工組合中央金庫から金を借りられぬという不便がございますので、そういう場合には、そういうものに金を貸せるようにしてやろうという
改正でございます。ここにもありますように、そういう意味で「
輸出ニ関シ」というのを削りまして、所属団体の構成員の
輸出の
振興または
事業の
合理化をはかり、その共通の
利益を増進するために必要な
事業を行なう法人であって、
主務大臣の認可を受けたものには金が貸せる、こういう
改正をしたいというのが
改正の
趣旨でございます。
以上が簡単でございましたが
改正の要点でございます。