○阿部竹松君
椿先生の発言に関連してお尋ねするわけですが、いま
局長さんの御答弁を承ったのですが、なかなか納得できない。ということは、これは
局長さんの答弁が悪いのでなくて、
業界といっても千差万別で、なかなか一本にならぬところに問題がある。私
どもが知っている
ミシンの例をとって会社の名前をあげてみますと、リッカー・
ミシンもあれば、ジューキもあれば、蛇の目もあれば、シンガーもあれば、三菱
ミシンなどという大会社から始まって小さい会社がたくさんある。ところがこの会社をまたこうよく調べてみますと、リッカーのように何千人という従業員を置いて流れ作業的工程で
ミシンをつくっている会社もある。それから三菱の会社のように、三菱
ミシンという会社はあるのだが、部品は全部下請工場にまかせて、自分のところは組み立て工場、これは全然
ミシン会社であって、天下に尤たる会社であるに違いないけれ
ども、それほどシステムが違うわけです。この
法律が五年前にできた当時、記憶に誤りがなければ当時の
局長は小出さんだったと思うが、小出さんともいろいろ論争しました。その過程において、いま
椿先生がおっしゃられたような御
質問がなされたわけですが、当時大阪等に
商工委員会から
委員派遣ということで視察していろいろと
業者の方に会ったときに、大阪では大体
ミシンは十六ドル五十セントから十七ドル、今度それからしばらくたって
アメリカに行って、サンフランシスコに
ジェトロの駐在員がいる。ここに行って聞いてみたら百二十五ドルですよね。もちろん輸送費もかかりますし、マージンもかかるから。片や十六ドル五十セントから十七ドルで、
アメリカに行って百二十五ドルで、一人の人が百ドルもうけたとは申しませんけれ
ども、そういうことで
過当競争を防がなければならぬということでその
法律を作ったわけです。ところが当時からも論争になりましたが、この
法律というものは既得権を確保するにすきないわけです。いままで三菱が
輸出一万八千台、そのほかの人に絶対
ワクはやりません。ジューキにしてしかり、シンガーにしてしかり、蛇の目にしてしかり、リッカーにしてしかり。ですからそういうことになって、この
法律はとにかくいままで出しておったお互いの既得権を権益として守って、
過当競争をやらないということで出発しておるから、椿
委員の
質問になってあらわれる。そこら辺すっきりしないわけですね。ですからそこら辺はたして椿
委員のおっしゃるように筋を通せるかどうか。
国会答弁用語としては
局長さんおっしゃられるかもしれませんけれ
ども、あの伏魔殿のような、とにかく軽工
業界ですか、
業界ですか、なかなかこれは
局長さんうまくいかぬと思うんですがね。当時は
業界の人は既得権確保、これはわしの既得権だということで乾杯をしたそうですが、それをいま破れというので、工業新聞に出たので、椿さんが
質問の過程で出されたと思うんですが、とうてい不可能だと思いますが、うまくできますか。