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参考人(
藤井崇治君) ただいまの
お尋ねにつきましては、実は
理事の
増員につきましては、御
承知のように、当初は建設のみを目的にしてこの
会社が設立されたのでありまするが、当時の
情勢として、各
電力会社ともまだ基礎が十分でなくて、せっかく建設した
発電所を各
電力会社にそのまま引き取ってもらうという体制になかったために、引き続いてこの
電源開発会社が
運営までも引き受けてやるということにして推移してきておったのでございますが、次々と佐久間、田子倉、
奥只見、御母衣というような大きな
水力発電所ができますと同時に、
日本の
石炭の
有効利用というようなことも目ざして若松に低
品位炭を処理する
火力発電所を作ったりいたしてまいったのでありますが、ちょうど九分割されましたために、そのよさもありまするが、またそのためのぎごちなさもございますので、
幸い電発というものがありますために、二
地帯間の需給がうまくバランスがとれるというようなことから、六年ほど前から広域
運営をやることになりまして、その広域
運営を
実施する場合に、ちょうどここにおられる岸田先生の御在社当時のことでございますが、
電発が一役買わなければ広域
運営はうまくいかない、こういう業者間の御希望がございまして、広域
運営に踏み切ったのでございますが、間もなく私がただいまの地位を引き受けることになりました。これはきわめてもっともなことだというので、私といたしましては、広域
運営に相当な協力をいたしたつもりでございます。幸いに今日ではそれが一年一年とだんだん程度が進んでまいりました。そうしていまでは各九
電力会社に
電発が加って十
電力会社の協調によってあれほど一時窮屈であった需給の
関係が、今日ではまず平衡を得た。
産業界に対しましても、一般
国民の方々に対しましても、不自由をかけないようなことができるようになったと思うのでございます。特に
電発が、東西幹線と申しておりますが、佐久間を
中心にした名古屋から
奥只見に出るところの超高圧送電線の建設とか、あるいは中国、
四国の間の瀬戸内海横断を、これは世界的に画期的なものだと私
どもは自負しておりますが、それを建設いたしましたようなことで、それが相当な働きをいたしまして、一時
四国電力等におきましては、非常な渇水で
電力の需給のバランスがくずれて非常に危機を訴えたことがあるのでございますが、そういう場合に、本土から電気を
供給して事なきを得たというようなことがございまして、これはまあ私
どもが申し上げると、いささか口幅ったいような
感じがいたしますが、相当成果をあげておるのでございます。ことに最近になりましては、各
電力会社がひとつ計画までも一緒にやろうじゃないか、一つの計画によってやろうじゃないかというような機運になりまして、それがもとになって、今度は
石炭政策に御協力申し上げる
意味で、
火力発電を
——石炭の揚げ地発電の、
火力発電を
電発では引き受けないかという話が、これはもうそのとおりに
電力会社側からの要請によって計画が進められまして、幸いに今国会にその予算が組まれて御審議をお願いしておる
段階になっておるのでございます。
そういうように、当初
会社が設立されたときよりも、よほど
変化してまいっております。それは私
ども当時の
速記録なりいろいろの経緯から漏れ承っておりますると、参議院におきまして
電源開発促進法が改正されるときに、ちょっとよけいにいい
意味において御修正願ったことが、あべこべに今日では非常に効果を発してきておると思うのでございます。こういう
情勢が今後一そう強化されてくると存じます。
そういたしますると、
電源開発株式会社というものは
政府の有力な機関として
電力政策を御遂行になる場合に非常にお役に立つのではないかと思います。と同時に、
電発といたしましても、九
電力との間に非常な緊密な
関係を来たしておるのでございます。そういうような
状態になってまいりますと、建設だけでやっておった当時に五名の
理事が一生懸命やっておったのでございまするが、手がどうしても張ってまいります。九
電力との交渉が非常に複雑になってまいります。これは需給
関係ばかりでなく、料金の決定等もそうしなければなりません。九
電力の側におきましては、少なくとも常務クラス以上の方、大体副社長の方がおやりになっておるようでございますが、副社長が二人もおられる
電力会社さんもあるくらいで、これは下のほうへまかしておけない。また最後のものを、いつまでも小田原評議しておるわけにいきません。適当なときには話を煮詰めていかなければなりません。そういうときに
会社としても相当な
責任者を出していかなければならない。こういう
事情に追い込まれてまいりまして、九
電力との
関係が非常に複雑になってきております。
それから建設
自体につきましても、かつては奥地
開発だといってわりあい補償問題等も単純なところを手をつけておったらよかったのでありますが、地点が奥地化したりあるいは非常な複雑な多種利水等との
関係もございまして、そういうようなものの調整に当たらせなければならない、その場合にやはり出かけていって御相談申し上げる相手方は、知事さんなりあるいは地方議会の議長さんなりを相手にして御相談しなければならないという場合に、かつてはまあ部長あるいは課長くらいで済んでおったものが、そうまいりません。話をどうしても最後の
段階に煮詰めていきます場合においては、
理事が出ていかなければならない。
それからいまひとつ、特に切実に
感じておりますることは、先年国会でこれも
促進法の御改正を願って、海外の技術協力ができるようになりまして、それまではまあ日陰者として実際の人間を出してお手伝いはしておりましたが、堂々とコンサルタントの程度までは、ひとつ
電発がやったらよかろうというのでやっておるのでございますが、これはもうすでにペルー、タイ、この両国においてはコンサルタントの契約までも取り進めて、工事が進められておる地点がございまするが、その他いろいろ調査の依頼を受けております。ところがこれは私
どもは国内の同業者の平和を乱さないようには最善の努力はしておりまするけれ
ども、とにかく何といっても
政府機関であるということが諸外国の信頼を集めるとみえまして、
電源開発会社にいろいろの調査の依頼を受けておる。また技術者の養成を頼まれているというようなことがございまして、そういう場合に、外国へ派遣いたしまする人間が
——やはりペルーの場合なんか大統領みずからがおやりになった。タイの場合も総理大臣がみずから立ち上がられるといったようなことがございまして、やはり海外へ派遣する場合にも相当な資格者が行く。できれば私みずからが出かけて行く必要があるのでございますが、全部そういうわけにもまいりません。
そういうようなわけで、実はかねがね
理事の
増員をやっていただきたいというので、おととしくらいから私は切実に役所にもお願いし、それから当時
電源開発促進法をおつくり願った当時の
提案者の方々に、まあここに
通産大臣もおられますし、
神田先生もおられるのでございまするが、その他の方々に何とかしてひとついまの手薄な
理事をふやすことをやっていただけませんかということをだいぶ前からお願いしておったのでございまして、それでそのようなことから昨年来、まあ
政府もいろいろ御都合がありましょうから、それならひとつ議員提案でやってやろうかという御同情をいただきまして、
継続審議にまでもっていっていただいたようなわけでございます。全くこれは私のほうの
会社の都合で一日も早くひとつ
理事をふやしていただきたいということをお願いしてまいったような次第でございます。