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1964-03-03 第46回国会 参議院 商工委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月三日(火曜日)    午後一時二十六分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     前田 久吉君    理事            赤間 文三君            上原 正吉君            近藤 信一君    委員            岸田 幸雄君            剱木 亨弘君            豊田 雅孝君            八木 一郎君            吉武 恵市君            阿部 竹松君            椿  繁夫君            中田 吉雄君            鈴木 一弘君            奥 むめお君   国務大臣    通商産業大臣  福田  一君   政府委員    通商産業政務次    官       竹下  登君    通商産業省重工    業局長     森崎 久壽君    通商産業省公益    事業局長    宮本  惇君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    通商産業省通商    局経済協力部長 赤沢 璋一君     —————————————   本日の会議に付した案件特許法等の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○アジア経済研究所法の一部を改正す  る法律案内閣提出) ○軽機械の輸出の振興に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出) ○電子工業振興臨時措置法の一部を改  正する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ただいまから、商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議の事項について御報告をいたします。  今週の委員会議事等につきましては、お手元配付いたしました要領により進めることになりましたから御承知を願います。     —————————————
  3. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に二月二十八日、本委員会に付託されました特許法等の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から提案理由説明を聴取いたします。福田通商産業大臣
  4. 福田一

    国務大臣福田一君) ただいま提案になりました特許法等の一部を改正する法律案提案理由及びその概要を御説明申します。  本法案は、特許庁事務機械化に伴いまして特許法実用新案法意匠法商標法登録関係条文を改正しようとするものであります。  最近特許等工業所有権に関する社会一般関心はとみに高まっておりまして、出願件数は逐年累増し、昭和三十八年の特許実用新案意匠商標出願件数は二十六万件の多きに達しております。  出願件数の増加は、審査に要する期間の延長をもたらしているのみならず、出願受理事務書類進達発送事務登録事務等特許庁一般事務遂行に深刻な影響を与え、これら事務の遅延、停滞を生じ、また、これら事務に過誤を生じる例が多くなるなど、全般的に事務遂行に円滑を欠くに至っております。  このような事態に対処いたしまして、出願登録等事務処理方法に画期的な改善を加えるため、昭和三十九年度からは、電子計算機を利用して事務機械化いたしまして、事務処理の迅速、正確を期し、能率向上をはかることといたしました。  これは、従来帳簿に記載しておりました事項を、電子計算機に記憶させることにより、出願登録関係事務処理を可能な限り、機械的に行なおうとするものであります。  このように事務機械化いたしますと、特許権等登録を行ないます場合に、登録事項磁気テープに記録されることとなり、これに伴いまして関係条文を改正する必要を生じましたため、ここに特許法等の一部を改正する法律案を提出した次第でございます。  次に、本法律案概要を御説明申し上げます。  第一は、登録原簿磁気テープ等をもって調製することができることとすることであります。従来は、登録事項原簿登録することとなっておりましたが、磁気テープ等を従来の原簿の概念に含ませることには少々無理がありますので、磁気テープ等をもって原簿を調製できることを法文上明らかにしようというものでございます。  第二は、これに伴いまして登録原簿のうち磁気テープ等をもって調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求できることとし、その場合の手数料の最高額を定めることであります。  以上が、本法律案概要であります。何とぞ慎重御審議の上可決せられますようお願い申し上げる次第であります。
  5. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 以上で提案理由説明は終了いたしました。自後の審査は後日に譲ることにいたします。     —————————————
  6. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、アジア経済研究所法の一部を改正する法律案議題といたします。  先回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  7. 近藤信一

    近藤信一君 前回委員会で、私が中国研究についてお尋ねいたしましたところ、局長から御答弁がございましたが、この研究所は通産省が直接関与しているわけではないので、局長にお尋ねするのはどうかと思いますが、中国日本との貿易に関する研究についていま少し詳しく御答弁を賜りたいのであります。
  8. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 前回もお答え申し上げましたが、中共関係調査のことでございますけれども中共地区はやはりアジア地域に属しておる一部でございまするし、かつまた将来とも密接な関係のある地域でございまするので、アジア経済研究所といたしましては、この地域につきましても、ほかの地域と同様相当な力を入れまして研究を進めておるのでございます。現在まで研究いたしました成果は、それぞれ書物にいたしまして、一般にこれを知っていただくようにいたしておりまするが、現在まで約十三テーマ、十三点の資料を作っております。一例を申し上げてみますると、中国経済建設と華僑の問題、それから中国人民公社組織と機能、中国貿易組織中国鉄工業機械工業技術水準中国経済発展対外貿易といったようなテーマにつきまして、過去数年にわたりまして研究を続けております。昭和三十九年度——来年度におきましても、やはり中国関係研究を引き続き続行いたしてまいる所存でございまして、現在まで私ども手元に、まだ計画中でございまするので、確定はいたしておりませんが、中国関係経済長期見通し——第一次の五カ年計画は終わりまして、引き続き経済計画をやっておりまするが、それぞれの手に入りまする限りの資料をもとにいたしまして、中国経済長期発展につきましての研究を三十九年度からさらに引き続き手がけてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  9. 近藤信一

    近藤信一君 いま御答弁がございまして、各分野にわたりまして、それぞれのテーマを持って研究しておられることはもう事実でございますが、過日私どもが要求しまして一応配付していただいた書籍の中を見まして、特に中国対外貿易は、貿易構造及び制度、それから組織の面で、政府それから特に党の戦略、戦術によって大きく左右されるので、その実態を常に研究調査し、これを長期的、短期的変化の過程として把握することが絶対に必要だ、こういうふうなことも言われておるわけなんです。こうした中国対外貿易については、研究調査の結果を単に書物にして配付する、こういうことだけでなくして、やはり政府なり貿易業界へかくかくの事情であるから、かくしたらいいだろうというふうな進言というふうなものがなされるのかどうか、この点についてどうですか。
  10. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) アジア経済研究所は、いま申し上げましたような研究成果につきまして、中国関係のみならず、一般研究をいたしました成果書物にいたしまして、関係の方面にそれぞれ御配布を申し上げまして、広く一般研究に資することといたしておりますが、いま御指摘のように、書物関係配布だけでは非常に範囲が狭いわけでございますので、やはり広報活動、普及の一環といたしまして、そのほかのこともいたしております。そのほかのことと申しますのは、ゼミナール開催という形で一般参加を求めまして、研究の結果を発表し、討論会などを開くということでございます。  一例をあげますと、昭和三十七年でございますが、三十七年度におきましては、十回にわたるゼミナールを開いております。そのゼミナールテーマの一つに、やはり中国経済発展の現段階というテーマで一回ゼミナールを開いております。そのほか、テーマといたしましては、アジア経済開発とナショナリズムの問題、世界貿易アジア経済との関係等々のテーマでございまして、三十八年度——本年度におきましても、すでに五回ゼミナール開催いたしております。引き続きまして来年度以降も、これに要します費用予算に計上いたしておりまするので、一般方々の御参加を得て、広くこの成果を普及したい、かように考えているわけでございます。
  11. 近藤信一

    近藤信一君 ただいまの答弁で、講演会を開いたり、またゼミナール開催していろいろ普及している、こういう御答弁でございますが、三十九年度の予算面を見ましても、事業費として三千五百万円の予算が組まれているわけなんです。一体このゼミナールまた講演会等が年間何回ぐらい開かれているのか、その点おわかりでしたらお示し願いたいと思います。
  12. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) ゼミナールは大体月一回という程度の目標でやっておりますが、現在までの実績を見ますと、三十七年度には先ほど申し上げましたように十回、三十八年度——昨年の暮れまでのことでございますが——には五回開催をいたしております。予算的には、あそこの事務所の講堂を使いますので、経費等はそうかかりませんが、約百三十万円程度経費を計上いたしております。
  13. 近藤信一

    近藤信一君 ゼミナールはおよそ月一回開いておられるようですが、それに参加される人員といいますか、事業所といいますか、どれくらいございますか。
  14. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) ゼミナールテーマによりまして、関係関心の深い方が多い場合、少ない場合、いろいろとございますので、一がいには申し上げられませんが、大体少ない場合でも三、四十人、多い場合には七、八十人というような感じでございます。参加いたしております人たちは、主といたしまして関係業界方々、それから研究団体の方、こういった方々が大部分のようでございます。
  15. 近藤信一

    近藤信一君 ちょっとお尋ねするのは無理かもしれませんけれども、このゼミナールの結果、いま関係団体関係業界、こういう人たちがおもに平均三、四十名ということでございますが、実際にこれを実施面において活用しておられるというふうなことは、お聞きになったことはありますか、それによって成功したというような事実。
  16. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) アジア経済研究所のいたしておりまする調査研究内容は、先般も御答弁申し上げましたように、どちらかと申しますると、基礎的なものであります。それから、基礎的なだけに、長期にわたる筋のものでございます。したがいまして、いま先生お話のように、これを聞いたからすぐ商売ができたというようなことにはなかなかならない。むしろ非常に長期的にある国の市場なり、あるいはある国の税制体系なり、あるいは為替制度であるとか、あるいは労働事情であるとかというような基礎にわたる知識を得まして、それがそれぞれの具体的な案件に陰に陽に役立っておるというふうに私ども考えております。したがいまして、すぐそれがこのためにどうだったというようなことには伺っていないのでございます。
  17. 近藤信一

    近藤信一君 その他に広報活動の面はどういうのがありますか。
  18. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) ただいま申し上げましたゼミナールあるいは講演会といったもののほかに、広報活動と申してよろしいかどうかわかりませんが、大体月に約十件前後でございまするが、関係団体あるいは会社等から、アジ研にいろいろな問題につきましての照会が来ております。特にこういう基礎的な研究をいたしておりまするところでございまするし、また資料等も先般申し上げましたように、アジアのことに関する限りは、おそらく日本でも一番資料が整備をされておる機関であろうかと思いまするので、これから先、たとえば合弁事業をいたしたい、あるいは技術者派遣をしたいというような相手国につきまして、その開発計画でございますとか、貿易統計でございまするとか、あるいは税制内容でございまするとかいうようなことにつきましての問い合わせと申しまするか、照会と申しまするか、そういうものが月に約十件前後平均してあるようでございます。こういうことにつきましては、やはり広報あるいはサービスの一面といたしまして、それぞれに御回答をし、あるいはそれの関係資料を御提示し、あるいはあそこの中にも閲覧室がございまするので、閲覧室を利用していただいて、関係資料を見ていただくというようなことをしておるのでございます。
  19. 近藤信一

    近藤信一君 アジア地域における貿易経済等相談業界からあると思うのですが、研究所へ。そういう場合にはその相談に乗っていろいろとサゼスチョンされるわけであろうかと思うのでありますが、そういうときには研究所として何か費用なんかお取りになるのか、無料相談に当たられるのかどうか、この点をひとつ、どうですか。
  20. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 政府が多額の補助金を出しておる研究所でございまするので、そういった関係につきましては、すべて無料資料提供あるいは情報提供等をいたしております。
  21. 近藤信一

    近藤信一君 そういう御相談は、一がいには言えないと思うのですが、相当ありますか。
  22. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 先ほどお答え申し上げましたように、大体いままでの実績では、月に約十件前後というくらいであろうかと存じております。
  23. 近藤信一

    近藤信一君 特にアジア地域で、研究所重要地域とお考えになっておられるような地域がありますか。重点的におやりになるという。
  24. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) アジア地域中共も含めまして非常に膨大な地域でありまするし、国もたくさんございまするので、特にこの国を重点にというふうには考えておりません。ただ、事業計画を組みまするときに、三十六、七、八、九というふうに、やはり非常に長期かつ基礎的な研究調査をいたすわけでございまするので、特に一国だけをあるいは一、二カ国の国を重点的にということにはなっておりませんが、その辺、やはり貿易状態でありまするとか、政治経済状態でありまするとかいう点が、それぞれ変化をいたしまするので、そういうことに即応しながら、人員を配置し、研究員調査テーマを与えておるということにいたしておると考えます。
  25. 近藤信一

    近藤信一君 先ほどこの資料をいただきましたのですが、その資料について若干説明願いたいと思います。
  26. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 先般の委員会で御要求がございましたので、資料といたしましてここにお配りをいたしております。お手元に配ってございます順序に従いまして、それでは御説明を簡単にさしていただきたいと思います。  まず最初に、アジ研ジェトロ科学技術情報センター調査区分につきまして先般御質問がございました。三団体をここに並べましてこの内容を簡単に摘記したものでございます。  アジ研につきましては、ここにございますように、対象はアジア中心とした経済、それに関連する政治社会事情ということでございまするが、ジェトロのほうもやはり世界経済貿易、特に貿易問題を中心にここは調査をいたしておるのであります。  業務内容でございまするが、ここにございまするように、アジ研の場合には、やはり基礎的かつ総合的な調査研究統計資料情報収集ということでございまして、ここにございまするようにアジアその他の各国の経済開発計画は一体どうなっておるか。労働事情はどうか。金融事情あるいは税制その他の法律問題、こういったようなごく経済あるいは政治基礎になっておるような各種のテーマ中心研究をいたしておるのであります。これに対しましてジェトロのほうはここにございまするように、外国の消費者の好むデザインの動向はどうなっておるか。あるいは競争国商品価格品質等に関する一般相手国の評判は一体どうだ。あるいは特定市場の問題ではございまするけれども、いわゆる過当競争問題等がございまするので、秩序の問題、あるいは向こうの日本商品見本を集めるといったようなこと、あるいはこちらが取り引きをいたします場合の相手方の信用調査といったような、これをごらんいただいてわかりまするように、比較的目の前の商談あるいは貿易取り引き、こういったことにじかに関係のある調査中心にいたしておるのであります。したがいまして、いわゆる研究成果広報等にいたしましても、ここにございまするように、それぞれ違った感じ出版物を出しておるのでございます。  科学技術情報センターでございまするが、これはやはり名前のとおり科学技術振興中心でございまして、内外の科学技術に関する情報でございまして、もちろん科学技術のことでございまするから、生産面あるいは貿易面と無関係ではございませんが、特に特許関係、あるいはノー・ハウその他に関する情報類等中心に集めておる、そうしてそれを民間に流しておるというのでございます。  これが三団体につきまして一応現在までの業務内容等について区分けをいたしまして書いたものでございます。  それから第二ページに、お手元に配りました資料は、先般アジ研出版物がどういうふうに配られておるか内容を見たいという御質問でございましたので、ここに大体部外の配布先一覧を書いております。  一番左のほうが区分として書いてありまするが、いわゆる双書、あるいは研究シリーズというのがございまするが、三十四年度から八年度まででございます。大体百三点これを出しております。一点あたり七百五十部印刷しておりますが、国会関係が、図書館を初めといたしまして十、官公庁が五十八部、付属の図書館が八部、以下経済団体、あるいは関係をいたしておりまするところの研究機関言論機関業界団体会員会社がございまするので、会員会社、こういったものを中心に配っておるのでございます。それからあとは翻訳のシリーズとか、そういったものでございますが、いずれにいたしましても、こういったものは図書館、あるいは官庁、関係研究機関等中心でございまするが、会員会社にはそれぞれ所要の部数を配っておるという状態でございます。  それからその次は出資者一覧表でございまして、御存じのように、アジ研政府から三億円の出資のほかに、民間から、ここにございますように七千六百万円余の出資をいたしております。この表をごらんいただきまするように、一千万円という出資者が四口ございます。三井物産、三菱商事、伊藤忠丸紅飯田、四社が一千万円、以下五百万円、四百万円、三百万円、大体商社が中心でございます。一人だけ松方さんという個人の方が、これはアジ研をつくりますときに、一般の方からも関係のある方は一口五万円ということで御出資をお願いしたいという広告をいたしたのであります。それに応じて御出資を願った方が一人ございます。この方を含みまして七千六百五万円というのが民間からの出資でございます。  最後に、予算一覧表がつけてございまするが、三十七年度、八年度。九年度予算は現在御審議をいただいておるものでございます。三十七年度から申し上げますると、総額と、補助金自己資金というふうに分けてあります。総額予算の、あるいは三十七年度につきましては決算の総額でございまして、自己資金と申しまするのは、自分のほうでこの資本金を運用いたしました利子収入並びに会員からの会費でございます。これ等集まりましたものが、いわゆる自己資金と称するものでございまするが、三十七年度につきましては、ごらんいただきますように、総額が二億七千五百万円、そのうち補助金として政府予算に計上いたしましたものが二億四千二百万円でございます。自己資金が三千三百万円、三十八年度になりますると、まだ年度進行中でありまするが、全体が三億七千四百万円でございまして、うち政府補助金が三億二千百万円、自己資金は五千二百万円になっております。自己資金が三十七年から八年にふえましたのは、御存じのように会館をつくりまして、この会館の一部を外務省が所管いたしております海外技術協力事業団に貸与をいたしておりまするので、それの家賃が自己資金として入ってきております。そういう関係で、自己資金が三千万円から五千万円にふえておるということでございます。三十九年度予算は、ただいま御審議中でございますが、政府予算といたしまして三億七千二百万円、総額が四億二千六百万円という予算に相なっている次第でございます。  簡単でございますが、資料の御説明を申し上げました。
  27. 近藤信一

    近藤信一君 いま御説明いただきまして、これは先日も、先回委員会でもいろいろと書籍配付等について質問同僚委員からございましたが、いま御説明をしていただきますと、民間出資者は、この表にありますように、個人を入れて十四ということになっているのです。そこで配付されているのは、業界団体四十三ということになっているのですが、この出資者以外にも配付をされる場合に、前回、金を取って売っているのと、無料配付しているのとあるがどうだというようなこともございましたが、その関係はどうなっておりますか、出資者以外にも一律に、無料配付するときには配付している、こういうわけですか。
  28. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) この会は、先ほど申し上げましたように、民間関係会社その他の方を賛助会員ということでお願いをいたしているわけでございまして、現在その会員正会員と申しますか、それが二百三十二名、準会員が約八十八名でございまして、約三百二十名のいわゆるこの研究所に対する会員というものがいるのでございます。したがいまして、ただいまの出資者のみならず、会費を納めてこの会の事業にいわば援助をしていただいている会員に対しましても、やはり資料配付をしているのでございます。
  29. 近藤信一

    近藤信一君 ただいま御説明がありましたように、研究所評議員は百五十九名、正会員が七十三名、準会員が八十八名、三百名以上の会員があるわけなんです。あらゆる学者やらいろいろな経済団体を網羅したような形になっているわけなんですが、会員制度をとっておられますけれども、この評議員だとか、また、正会員とか準会員とか、こういう区別があるが、この会費の点は、どうなっているのですか。
  30. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 会費はいま五万円以下と五万円以上十万円というふうになっておりますが、五万円以上の拠出をいただいておりますところを一応正会員、五万円以下を準会員ということにいたしております。ただ、資料配付等につきましては、正会員たると準会員たるとを問わず、一応出していただいている。ただ、正会員というのは五万円以上の方にでございますので、その正会員の方の中から、先ほど先生お話のございました評議員の百五十九名を選んでいる、こういうことになっております。
  31. 近藤信一

    近藤信一君 会費正会員が十万円から五万円まで、準会員が五万円以下で、一万円でもいいというわけですか、五千円でもいいということになるのですか、その段階はどうなっておりますか。
  32. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 五万円以下ということになっておりますが、実際は五万円ということにいただいているわけでございます。
  33. 近藤信一

    近藤信一君 評議員はどうなっているのですか、評議員無料ですか。
  34. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 評議員は、先ほど申し上げましたように、正会員二百三十二名のうちから評議員を選んでいるのでございまして、これは金の額で選んでいるわけではございませんが、評議員になっている方々は、五万円以上のうちでも、特に十万円以上の大口の会費を払っていただいているところになっていただいているように考えます。
  35. 近藤信一

    近藤信一君 それからこの予算の中に、海外派遣員派遣事業費というのが六千五百万円含まれておるわけですが、海外派遣員の派遣調査事業という制度がまたあるのですが、その概要をひとつ説明していただきたい。  それから一般に所員の養成などはどんな方針でやっておられるのか、この点もひとつあわせて御説明願いたいと思います。
  36. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) アジア経済研究所は何と申しましても、アジア中心といたしました諸外国の経済事情につきまして基礎的な事情調査いたすのでございますので、国内にありますところの資料だけでは勢い不十分でございます。したがいまして、海外の所要の国におきましては、それぞれ派遣員を出しまして現地の事情調査、あるいは資料の収集等に当たらしておるのであります。現在海外の派遣員は二十四名の定員のうち、現に二十二名を派遣をいたしておりまして、その一番多いのはインドに四人、フィリピンが三人、インドネシア二人、アラブ連合二人、以下カンボジア、パキスタン、イラン、ガーナ、西独等々各一人でございます。いずれも現地におきましては二年間これを駐在をいたしまして、ただいま申し上げましたような特殊なテーマ研究あるいは資料の収集等に当たらしておるのでございます。  第二の御質問でございまする研究員の養成の問題でございまするが、大体年間十五人から二十人の新規の調査員を採用いたしております。これはいずれも大学の新規の卒業生でございまするが、これらのものにつきましては、一応二年ないし三年くらいの間、研究対象国別に一応配属をいたしております。カンボジアの研究に当たらせる、あるいはアフリカのほうの班に所属させるということで、それぞれ研究対象国別にこれを配置をいたしまして、主任の研究官のもとで十分基礎的な勉強をいたしております。そういう基礎的な二、三年の期間が過ぎますれば、原則といたしましては、研究の対象国に派遣員として二年間派遣する、さらに現地の事情を十分研究させるということで、まあ所内における二、三年の勉強期間と現地における二年の派遣期間ということで、ほぼ一人前の研究員ができるという形に研修のコースを考えておるのでございます。
  37. 近藤信一

    近藤信一君 ただいま御説明がございました漁外派遣二十四名のワクの中、二十二名方々に三人、二人、四人と行っておられるのですが、この二年間の駐在といいますか、駐在される、駐在してそうして研究調査されるわけですが、これはいま御説明によると、大学を卒業して職員の養成の関係もございますし、いろいろ採用してすぐ海外にあなたのほうは派遣をされるのか、それともこういう調査協議会委員といいますか、この案内書にございます。こういう中からも駐在させることがあるのか、その点はどうですか。
  38. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 海外の派遣員は、いま申し上げましたように、大体大学を出まして新規の者につきましては、三年程度基礎勉強しました者を出しておりますのと、もちろんひとりだけ現地に行く場合もございますので、いわゆる新卒でなくて従来から研究所におる人間というものもこれも加えて出しております。しかしながら、いま御指摘のようないわゆる評議員でございまするとか、あるいは関係会社員でございまするとか、そういう人間は現地には派遣いたしておりません。
  39. 近藤信一

    近藤信一君 駐在制度は、それでまあ研究所に採用した職員の中から行かれるわけですが、その他に駐在だけでなくして調査に行かれる場合があるかとも私は思うのであります。そういう場合、たとえば大学の教授なんかを派遣されるのか、また民間のそういう団体のほうからも派遣されることがあるのかどうか、この点はどうですか。
  40. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 予算書にもございまするように、海外の調査事業というのもございまするので、年間にやはり十チーム程度のいわゆる調査団と申しまするか、海外の調査をする人間を派遣をいたす。これらのいわゆるチームと申しますか、調査チームでございまするが、これは主としてアジ研の職員が中心でございまするが、テーマによりましては、アジ研の職員だけでは十分でないというものもあるのでございます。したがいまして、そういった場合には、大学の関係の教授、助教授、その他の関係者、あるいは関連をいたしておりまするところの研究所の所員等を委嘱をいたしまして海外に派遣をして調査をするということをいたしておるのでございます。
  41. 近藤信一

    近藤信一君 さらにこの案内書の十三ページによりますと、国内調査事業の一つとして、毎年総括的に重点的なテーマを掲げて調査研究を重ねているようでございますが、昭和三十五年度からのテーマの名前とさらに三十九年度における予定された課題について伺いたいのでありますが、この点どうですか。
  42. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 三十五年度からの研究テーマの全部につきましては、実は手元にいま資料持っておりませんので、後刻調べまして資料でもってお手元に差し上げたいと思っております。  なお、三十九年度につきましては、現在業務計画を策定中でございますので、私どものところでも、まだ公式な形では連絡がまいっておりません。ただ非公式にこういうことをやりたいという意見は向こうからも聞いておりますので、その点につきましては、これもあとで資料でお示しをいたしたいと思います。ただ重点テーマというのが手元にございまするが、三十五年度の重点テーマは、アジア諸国の経済開発、これに中心を置いております。それから三十六年度の重点テーマは、アジア諸国の経済開発と国際収支、三十七年度はアジア経済発展長期の展望ということで、三十八年度も七年度に続きましてアジア経済長期展望ということに重点を置きまして研究をいたしておるのでございます。
  43. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 ちょっと関連。きょう通商局長お見えになっておりませんか。
  44. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 来ておられません。
  45. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 そうですか。  ちょっと関連して伺いますが、いまアジ研から現在二十二名を海外に派遣をしておられるということですが、この派遣地におけるジェトロ関係はどうなっていますか。
  46. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 先ほどもちょっと簡単に申し上げましたが、派遣員は特に研究テーマと申しまするか、そういう特殊なテーマをそれぞれ持っております。たとえば、これはそういう事例が実際あるかどうかわかりませんが、タイに派遣されておる人間が、本年度はタイの税制についてひとつ十分調べてこい、これは一例でございますが、そういうような特定の研究テーマをもらいまして、現地におきまして関係の大学あるいは官庁その他のところに参りまして、資料を集め、またいろいろな人とも議論をいたしましたり、討論をいたしましたり、それぞれ大学研究所等と連絡をとりながらやるということでございまして、一応のところは海外の大学なりあるいは適当な研究所に席を置くと申しまするか、席を置いてもらう。それをまあ根城にいたしまして調査研究をしておるということでございます。ジェトロの場合には、それぞれ出張所なりあるいは支所なりというものがございまするが、そこでは一般の、まあたとえば、新聞記事にあらわれました市場の動向でありまするとか、あるいはクレームの問題とか、そういったようなごく日常のことにつきましていろいろな情報を集めたり、あるいは切り抜きをしたり、あるいは相手方のバイヤーなり商社の方と相談をしたり、こういうようなことが中心になっておるわけでありますから、おのずから活動の分野は違っておるものと考えておる次第でございます。
  47. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 私は先年外国に行きました際に——ジェトロは二十億か三十億でしたか、国が出資をして、その利息収入によって運営をしておる、そういうことになっておるものですから、各地の大使館なり在外公館に居そうろうをして調査活動をやっておるわけですが、あまり金がつかないものだから、十分な活動ができないということを、どこに行きましても、ジェトロ関係者から聞いたことがあるわけなんです。なるほど貿易振興会とアジ研とは、いまお話しのように、任務は違うのですけれども経済に関する出先機関であることはもう間違いがない。それに本年度もアジ研には三億七千万円をつけて運営される模様であります。アジ研は、ここに業務内容が書いてありますが、やってきたことを見ても、国会図書館がやっておるような仕事と大差のないことをやっておられるようにしか見受けられない。同じ金を使うならば、もう少し日常のことで、日本経済に直ちに役立つこと、たとえば、いまジェトロのやっている市場調査でありますとか——このアジ研業務内容が不要だというのではない。これはこれで必要ですけれども、もっと現在の日本経済に直接——特に貿易振興政策に重点を置いておる政府の立場からいけば、ジェトロなどにはもっと力を入れて金の裏づけをして十分その機能を発揮させる、こういう必要があるのじゃないかということを、私はいまお話を聞きながら考えるのですが、政務次官どうですかね。
  48. 竹下登

    政府委員(竹下登君) 私も椿先生の御意見と同じような考え方を持っております。いま質疑応答の間にかわされましたごとく、いわばジェトロアジ研と比較いたしまするならば、よりホットな問題とでも申しましょうか、そうしたことを今日行なっておるわけであります。そこでジェトロ予算の問題が出まして、正確に数字を把握しておりませんけれども、今年度はジェトロ予算につきましては、要求予算のおおむねの問題が、予算の上では事業費としては獲得できたわけであります。ただ、かねてから御支援をいただいております出資の増加につきましては、一度御説明申し上げました要求予算の半額に当たる五億円を獲得するにとどまったわけでありますが、出資が多くなることによりまして、比較的自由な運営の基金が得られるわけでありますけれども、それぞれ事業費として、査定の中においてもかなりの増額を見、なかんづく海外活動の場合における在外公館等の給与とか、そうした差を少しでも縮めるという努力は認められまして、だんだん近づきつつあるという現状でございますが、御趣旨はよりホットな問題についてもっと予算を使う、投入すべきであるという基本的な考え方は私も同感であります。
  49. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これはジエトロの場合でも、政務次官、大臣はじめ努力によって多少予算の裏づけがふえたように伺ったのですが、この資料についても、国内の中小企業者が、ジエトロが一体どこにあって、どういう仕事をやってくれるのだという、ジエトロの活動並びにそれを活用する方法などがほとんど知られていないものですから、これを使うのはごく限られた人になる。限られた業界になっている。これを貿易額の五割以上を占めておる中小企業などにも、こういう機関を活用する方法を周知徹底せしむる必要があるということを私は常々感じておるわけですが、ことにこのアジ研の場合、いまも伺いますと、会員会社四百ぐらいですか、大体そういうところに限って出版されたものなどが届けられておる、ほんとうに限定されておる。こういうことでは、私はこれは問題が違いますけれども、租税特別措置法というのがある。ここで価格変動準備金だとか、やれ貸し倒れ準備金だとかいうようなものを経費として控除して、申告は、十分に事務的なことがわかれば控除してもらえるものを、中小企業は活用していないというような問題が税制面でもある。ところが、一方また金を使うほうからいいましても、ごく限られたところだけがアジ研研究成果調査成果などというものを使うことができて、非常に弱い、独自の力で外国に手を伸ばすことができないような最も必要なところに、こういう研究成果などというものがほとんど知られない状態に置かれておるのじゃないか。こういうことについて、何かひとつ抜本的な考えというものがなければいかぬと思うのですがね、そういう問題についてひとつお答えをいただきたいと思います。
  50. 竹下登

    政府委員(竹下登君) いまの一般的な普及徹底の方法であります。今日まではこれは官公庁付属の図書館というようなところが、いわばある程度オープンなところではなかろうかとも思いますけれども、それ自体もわずかな数であります。その一般的に周知徹底せしむる方法については、私どもでよく検討をさせていただきたい、御趣旨に沿うような方向で検討させていただきたいと存じます。
  51. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 先ほどもアジ研から出されておるこの文書の送り先についてお話がありましたが、国会関係に五部か八部とかいうお話でしたが、私の聞き間違いでしたか。その会員会社とそれから官庁図書館、そういうところにだけ行って、国会関係に五部とか八部とかいうことを聞いたのですが、これは何かこういうことに興味のあるところが寄って法人でもつくってやればいいような仕事のような感じがするのです。政府からこんなに金を出して、そうしてやるというのなら、もう少し国会でも、それから国民の各層の経済団体ども、その成果の恩恵を受けることができるというようなことに考え直しませんと、これは特殊な何といいますか、社団法人か何かでやればいいような事業に終わる、そういう批判々受けてもこれはしょうがないのじゃないかという気がするのですが、今後の抱負をひとつ聞きたい。
  52. 竹下登

    政府委員(竹下登君) これが御承知のごとく、当初出発いたしました際、法人からそして国の出資する特殊法人に移り変わっていったという経過は御承知のとおりでございます。そこで私も先生の御意見を承っておりますと、いささかその財団法人であったころのものの考え方がマンネリ化しておるという印象を、私自身も実は先生の御議論を通じながら受け取ったような次第であります。そこでいま部長とも耳打ちをしておったのでありますが、これについて、より周知徹底させるための前向きの検討を加えるとともに、これがごく特殊な方々のみがその恩典に浴するというきらいをなくすべく、たとえば、広報活動にいたしましても、講習会、ゼミナール等の回数をふやすとか、いろいろな形において検討を加えなければならないという感じを率直に受けましたので、申し述べさせていただきます。
  53. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 もう一言希望しておきますが、ここへ名前の出ておるような出資者ですな、こういうところは、国の手を借りなくとも、自分の力で十分調査もできるように思われるところが多うございます。ですからこういうところを中心にして会員会社だけが恩恵を受けるようなことではなくて、三億七千万も国が補助をする、年々これは増加するかもしれぬ、であればもっと国民全体がアジ研の業績、なるほどこれならひとつ予算も増額せにゃいかぬというようにするためには、いまのようなほんとうに限られた範囲の研究成果の報告、発表あるいはゼミナール開催というふうなものだけでは、私は先行き不安だと思う。またこういうものなら財団法人でけっこうだ、この程度なら。ひとつ抜本的にこれはお考え直しをされる必要があると思います。あわせて竹下さん、ジエトロの今度あなた待遇の開きを縮めるようにだいぶん努力したというお話でございましたけれども、待遇もさることながら、出張所なり事務所の設置されておる地域で、ほとんど活動ができないということを各地のジエトロの駐在員は訴えておりますよ。活動しようにも動きようがない。月給だけはくれるけれども、自分が持たされておる仕事をやって本国に報告をする活動をする金がない。だから大使館にすわっておって、新聞や雑誌を読んで、そしてそれを翻訳して送ってくるというくらいが関の山になってしまって、ほとんどジエトロとしての独自の活動ができない。したがって、国内の期待にも沿えないという状況になっておるように思いましたから、せっかく国民の血税を使うのですから、むだづかいにならぬように、ひとつ特に考え、再検討していただくように要望しておきます。
  54. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 この一部を改正する法律案は、二名以内を三名以内にすると、こういうことですが、簡単に申し上げて三名にすると、こういうことに通ずるわけですか。
  55. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) さようでございます。
  56. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そうしますと、三名と限定したらいかがですか。そうでなければ二名以内を三名以内ということはどうもわかるようでわからぬのですね。三名にするということが前提条件で法を改正するわけですから、そうすると、立法上のたてまえからいっても、三名とこう明記するのが当然じゃないですか。
  57. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 法律の用語のことでございまするので、私から御説明申し上げるのもいかがかと思いますが、二名と、こう書いておりますと、おそらくかりに一名が欠員になる、病気でやめるとか何とかいうときに、やはり二名以内ということであれば法律でいいんですが、法律に二名ということであれば、二名ぴちっといなければいかぬということになるのではないかと思います。そこで、普通こういう場合には、何名以内ということにいたしておきまして、二名でもいいし、まあそういう欠員その他があって一名という事態がある場合もある、こういうことで何名以内というのが慣例になっておるように承知いたしております。
  58. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そこで、いま御答弁があったように、二名を三名というふうにするわけですが、あまりここで論争するまでもなく、お互いにわかっておるわけですが、ただ、私はこの法案と一緒に審議しておる電源開発の理事三名をふやすという法律が出ておりますね、時限立法で。したがって、私はこの点についてきわめて関連がある将来の問題もありますのでお尋ねしておきたいと思いますが、この電源開発は、現在は小さいわけですが、昭和四十二年まで、中国とか、近畿にまで揚げ他火力発電所をふやすということですから、だんだん大きさ等においても、東北あるいは北陸、四国に匹敵してくるわけです。そうしますと、電源開発のほうは理事という名称ですが、電力会社にしてみれば取締役というものに該当すると思うのです。各電力会社の取締役はどのくらいかということを調べてみましたところが、東京電力、開西電力、中部あるいは東北にしても、北陸にしても、北海道電力にしても、十三名、十五名、あるいは二十名等の取締役がそれぞれ定款に明記されておるわけです。したがって、私どもは膨大になっていく電発のことですから、理事五名を八名にするということについては、これは賛成する。ただ、衆議院段階における社会党のわれわれの仲間が反対したということは、やはり手続上の諸問題についての賛成できがたかった点について反対されたのだと私は解釈している。そうしますと、一方どうしても必要な電源開発のほうは議員立法で出す。なるほど議員は幾ら立法措置を講じてもいいわけですから、提案権があるわけですから出すのはけっこうですが、一方どうしても必要だと思われるほうは議員立法で、このアジ研ごときは、おそらく評議員数が百五十九名もあるわけですから、これはもう日本一の大きな役員を持った組織です。これを政府が三名にしなければならぬというのは、僕は全くこの場で賛成したい。この問題についてはもうあまり多く論議をすることを好まないんですがね。どうも通産省の中で筋が一本通っておらぬような気がする。これを出すんだったら電源会社のほうも出して、そして一緒に……。そこに宮本局長がおいでになっておるのですが、その理由についてはこの間聞きましたが、通産省としてやる場合には、やっぱり同じような態度をもって臨まなければ、法律が違うから片や議員立法、片や政府提案ということでなしに、同じ目的で同じ趣旨で、仕事の内容が違っても、目的、趣旨は同じなんですから、そのほうが筋が通るような気がする。しかし、これは私が言うのが誤りかもしれませんけれども、納得のいくように御答弁いただきたいと思います。
  59. 竹下登

    政府委員(竹下登君) 非常にむずかしい問題であります。が、実際問題といたしまして、私は提案権の本質論は別といたしまして、電発——電源開発促進法の改正にしても、政府提案とすべきであったという感じを私自身持っております。ただ非常に歯切れの悪い答弁であったように私自身も拝聴いたしており、また衆議院段階の速記録も拝読いたしてみまして、私自身がなぜ政府提案をしなかったかということに対する答弁をずいぶん研究をしてみたわけであります。研究すればするほど、率直に言って私自身歯切れの悪さを痛感をいたしておるわけでありまして、ただ、しいて今日の時点において申しますならば、先般の国会後の時点に立って申しますならば、先般継続審議にされたものがその姿において今日御審議を賜っておるということであり、そしてアジ研自体については、やはりこれは政府提案、そういうたぐいのことは政府提案が妥当であるというものの考え方に立って提案申し上げたというふうに理解するしかないというふうに私自身感じております。
  60. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 竹下政務次官も池田内閣というワクの中と自民党という組織の中に存在しておる一議員ですから、なかなかあなたの自由にいかぬということはわかりますよ。しかし、いまの政治というものは、吉田さんの時代から岸さんの時代になって、今度池田さんです。やがて自民党は、右の中曽根康弘さんとか、左の竹下政務次官、こういう人が自民党のバック・ボーンにならなければならない。そのあなたが歯切れが悪く感ずるということで、おしまいのほうは……。それではちょっと困るのですが、しかし、それはそれとして、評議員その他の役員は日本一の組織です。これだけの役職を網羅した組織はないわけです。政務次官の出身の早稲田大学というのは、名実ともに日本有数の大学です。それと同時に、評議員の数が多い大学としても早稲田大学は日本で有数の大学だ。この早稲田大学よりも三倍も多いのですから、その上にまた役職を一名つけてくれというのですから、これはめちゃくちゃだと思いますけれども、しかし、それがなければやっていけぬということであるならば、監督業務の上で必要でしょう、国から金を出しているんですから。しかし、そのあたりどうも筋が通らぬのと、もう一つ昔のアメリカの極東軍司令部のあったあの跡に、膨大なビルが建っているですね、研究所のビル。あれはどこの金で建てたのですか。
  61. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) ただいまの御質問のビルはアジ研のビルのことをお示しだと思いますが、アジア経済研究所のビルは、あそこの市ケ谷の横にありました国有地の払い下げを受けまして、昭和三十七年度から起工いたしまして昨年竣工いたしたわけでございますか、この総経費は六億二千七百万円余ということでございまして、建物が四億七千万円、土地が一億四千万円ということに相なっております。これに要しまする経費でございまするが、建物の経費につきましては、政府からの出資の金を一億円これに充てる。それから民間からの寄付金が約二億七千万円でございまして、そのほかに民間出資金七千六百万円をこれに充てております。土地のほうは、これは政府出資金一億円をもって土地の払い下げを受け、残りの約五千万円につきましては、五カ年間で一千万円ずつ分割して納入をするという計画に相なっているのでございます。  なお、あのビルにはアジア経済研究所だけが入っているのではございませんで、その約半分程度は外務省が所管をいたしておりまする技術協力事業団に貸しているという形をとっておりまして、いわば経済協力に関しまするところの二団体がこれに入っているということに相なっております。
  62. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 ただいまの御説明をいただくと、政府出資か約五分の一弱ですね。そうすると、もう政府の発言権というのはきわめて薄いことになりゃせぬですかね。あなたが行っても歓迎して迎えてくれますか。
  63. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 歓迎はいたしてくれます。建物につきましては、ただいま申し上げましたように四億七千万円余の経費のうちで政府は一億しか出しておりませんので、これは確かに政府の持ち分は四分の一以下ということでございますが、土地につきましては、国有地の払い下げを受けておりまして、これは全額、いわば政府が出しました出資金から一億、あとの五千万円は分割払いということでございます。こういうことで土地建物の面では総額六億二千万円のうちで政府出資金が二億しか入っておりませんから、まあ三分の一程度政府、三分の二は民間出資金と寄付金という形に相なっておりまするが、年間のこの予算について、お手元にございます資料でおわかりいただけまするように、その予算の大部分政府補助金でございます。いわゆる自己資金と申しまするのが約五千万円程度計上してございまするが、このうちのいわゆる民間からいただいておりまする会費賛助会員会費費用でございますが、これはわずかに二千七百万円でございます。そういうことでございまするので、建物、土地等には、ああいう公共的なものでございますから、民間の寄付も仰いでやっているのでございまするが、実際の運用につきましては、たとえば三十八年度で申しますると、総額三億七千四百万円の総予算の中で、民間からのいわゆる会費というものが充てられておりまするのは二千五百万円にすぎない、かようなことに相なっているわけでございます。
  64. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 ひさしを貸しておもやを取られるという苦しいことわざがございますが、幾つかそういう例を見ているわけです。東北開発公庫をはじめ。ですから、これもそうなりはせぬかという心配と、特に資力が向こうのほうが多いわけですから、赤沢さんもやはり通産省の主権保持にたいへんな御苦労だと思うのですが、しかし、国の税金を使ってやっているわけですから、やはりひさし貸しておもやを取られるということではないようにお願いしたいのと、それからもう一つ、いま御説明のあった建物、これが一番大きな仕事ですね。これは全然報告に——私いただいておって読まぬのかもしれませんが、そういうのはやはり報告せなければいかぬですよ。知らぬですよ。僕はたまたまあそこを通るものですから、アメリカの空軍の司令部の一角をわが日本国で占領したと思って見てたら、アジア研究所というのがかかっている。赤間先生にこにこ笑っていらっしゃるが、おそらく赤間先生も知らないと思います。ああいうのは報告する必要がある。そして、外務省に半分貸しているというのは初めて聞いた。貸すべき筋合いのものかどうかということはやはり問題だと思うのです。しかし、それはさておきまして、さいぜん椿委員からも発言がございましたジエトロや、それからこの研究所、国会図書館、当商工委員会の今日では管轄ではございませんけれども、科学情報センターというのがある。これが左前になっているわけですね。ジエトロも左前です。ということは、諸外国に行っても、もうこの予算書を見てもわかるように、二千万円から三千万円、国会図書館もそんなものです。科学情報センターも資力がないからそんなものです。ジエトロしかり、椿委員の発言があったように。ですから、てんで帯に短したすきに長しという仕事しかやらぬわけですね。一方、諸外国、 ヨーロッパ諸国における例を見ても、オランダ、ベルギー等を見ても、駐在員を派遣したら十年、十五年置くわけです。土地の思想はもちろんのこと、食べ物から好み、一切調査して、本国へ連絡をとって、ここの国はどういうものが必要だというところまでやはり経済に対する関心を深めるわけです。日本機関はたくさんあるけれども、二千万、三千万で、往復の旅費を入れたら使うところがないわけです。ですから、私は、民間がやる分については、なかなか政府が指導するくらいでそれをやりなさいということは言わぬけれども、いま言ったジエトロとか、アジ研とか、科学情報センター、国会図書館、これはやはり一つの総合した機関——アジア研究所、あれだけりっぱな建物を建てて、外務省が入っているのなら外務省を追い出して、一本の建物をつくって、そして国としてやるべきだ。金をこま切れに使っているわけです。そういうことはいかぬ。したがって、一本にしなさいということが私の意見です。これはどういうことに御答弁をいただけましょうかね。
  65. 竹下登

    政府委員(竹下登君) ただいまの御意見は御意見として、私自身にも理解できない話ではございませんが、今日までまいりました経過、そして現実の問題といたしまして、いわゆる一般的な基礎調査、そして表現すれば非常にむずかしい表現になりますが、勘で申し上げますならば、よりホットなビジネスとでも申しましょうか、そういう形において今日まで進んできておりますし、そしてその間の情報宣伝活動等については十分連絡をしておるというふうに聞いておりますので、今日の姿でそれぞれ強化して続けていくべきである、かように考えております。
  66. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 最後に一つお尋ねいたしますが、これは今後とも寄付行為を続けていくわけですか、それとも、これで基礎が固まったということで、独立採算制で、向こうで調査活動をやって、国内で資料を頒布して、その資料代金によって独立採算制でやっていくのですか。
  67. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 民間からのいわゆる寄付金というものをいただきましたのは、ビルを建てるための寄付をいただいたわけでございます。いわゆる日常の事業活動につきましては、従前から御説明を申し上げておりますような会費を徴収をいたしまして、これを事業活動の一部その他に充てておるということでございます。この研究所は、先ほども予算のときに申し上げましたように、いわゆる法律できめられました特殊法人でございまするので、その予算のほとんど大部分というものは政府補助金でもってまかなわれている。なお、補助金と申しましても、やはり国の経費でございまするので、補助金の増高をできるだけ事業の範囲内で適正に持っていきまするために、やはり自己資金面の拡充もはかってまいりたい、かように考えておりまするが、さしあたりのところでは、会費の値上げをするとか、あるいは別途多額の寄付金を募集をするとかいうことは考えておりません。
  68. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 そこのところはっきりわからぬわけですが、私のお尋ねしたいことは、政府からまた現在の金額に加えて、もう少しそういうことで来年、再来年と加えられていくかどうかということ。それから、会員から五万、十万という賛助会員云々で会員費を取っていますね。そのほかに今日まで建物その他のために寄付金を取っているわけです。ですから、私のお尋ねせんとするところは、第一点は、会員の、五方か十万かわかりませんけれども、これを取るでしょう、それから現在の政府出資、これだけでやっていくのか、それとも、資料を頒布していくならば、利潤があがらぬで困難だという場合には、何名かの会社あるいは個人から特殊的な寄付を取るかどうかということをお尋ねしているのです。
  69. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 自己資金につきましては、これ以上大きく伸びることはまずむずかしいと考えております。したがいまして、事業活動の拡充強化に伴う経費につきましては、政府予算をもって逐年まかなっていくという考え方であると存じます。
  70. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 第一条にあります目的ですが、「基礎的かつ総合的な調査研究を行ない、」、まあやかましく言って、あわてて持ってこられて、初めてアジア研究所書類をいただいたのだが、それを見ても、私国立の研究所におったことがあるのですが、ほとんどこれは全く基礎的かつ総合的な研究、またそういうものが長期的な展望においては一番実用的かもしれない。しかし、それなら何もこういうふうにせぬでも、私は、大学の——東大にある社研とか、いろいろある、こういうものと同じようなことでいいのじゃないかと思うのですが、やはり「基礎的かつ総合的な調査研究」で、そして「貿易の拡大」並びに「経済協力」に資するというのは、これはやはり、ゼミナールを開くということではなしに、もっと問題の取り上げ方に相当工夫が要るのじゃないかと思うのですが、先日いただいたような形では、これは全く純粋な研究所でいいんじゃないかと思うような気がしたのですが、どうでしょう。
  71. 赤沢璋一

    説明員赤沢璋一君) 御参考までに資料を差し上げたわけでございます。たいへんおくれまして失礼いたしました。あの資料等であるいは御理解いただいたかと思いまするが、この研究所は名実ともに基礎的、総合的な研究をいたしておるのでございまするが、しからば大学との研究とどうか、こういう御質問かと思います。私どもこういう研究問題はしろうとでございますので、答弁がぴたり当たっておりますかどうか、はなはだ疑問でございまするが、やはり大学の場合には、もう少し学問的と申しまするか、学術的と申しまするか、そういう点が加味されておるように思われるのであります。たとえば技術研究の場合にも、大学で行ないまする研究とそれから通産省付属研究所等で行なっておりまする研究とがございまするが、この場合には用語としては、むしろ大学の場合には基礎研究、通産省の付属研究機関等では目的的研究ということばを使っておりまするが、やはり学問というものを中心にした研究よりも、経済協力、貿易ということを頭に置いて、その辺を目的に置いた基礎であり総合であるという研究であろうかと存じます。やはりその辺は若干ニュアンスが違うのじゃないかと思いまするのと、また外国の同様なものを若干調べてみたのでございますが、やはり大学に付属をせずに、アジ研と同じような研究を行なっておりまするものが、イギリスの王立国際問題研究所あるいは海外開発研究所、オランダの社会問題研究所、こういったようなものがあるようでございまして、いずれも著名な大学等とも連絡をとりながら、しかしやはり目的的に幾らか、何と申しまするか、いま先生お話しのように、長期に見た、あるいは基礎的に見た上では最も現実的な研究を進めておるということではないかと思っております。
  72. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 まあ、自然科学的な、あるいは技術的な問題ならなんですが、社会科学のほうなら、私は、先日いただいたようなのは、目的意識といいますか、そういうことが直ちに第一条に沿うかどうかは、これは非常に疑問だと思うのですけれども、これは見解の相違かもしれませんが、竹下次官にお伺いをいたしますが、これにもありますように、自主性を尊重して非常に効率的にやるということがあったのですが、先日福田大臣がほとんど人事その他について野放しのような御発言があったように思うのですが、私は、通産省所属である限りは、やはり目的を達するためにもっと、監督とは言いませんが、十分研究テーマとか、その実際の応用とか、相当緊密な連絡が必要じゃないかと思うのですが、まとめことばはいいのですが、自主性を尊重するとも言えるのですが、ほとんど何も干渉しない——干渉と言っては悪いんですが、ほとんど野放しのような御発言があったのですが、私は、この目的を達するためには、もっとやはり所管省と緊密な連絡が、調査テーマの設定とかあるいは広報活動等についても必要じゃないかと思うんですけれども、それはいかがでしょう。
  73. 竹下登

    政府委員(竹下登君) これは、私もこれで実は読んだところでありますが、設立の経過におきまして、いわゆる人事等については小林、東畑両氏に一任し、かつ総理、通産、外務大臣は全面的にこれを援助するというような、経過においてそういうことがあったように、私もこれで拝見いたしたのでありますが、しかしながら、その後におきまして、きょう月に一回ずつの緊密な連絡会議を開きまして、先生の御意見の趣旨の方向で努力をいたしておる、こういうように理解をいたしております。
  74. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは椿、阿部御両氏からもあったのですが、三十八年度の収入のところで、賛助会の収入というものを今後も取る予定のようですが、私はやはりこのことが、この研究所広報活動その他を制約し、所期の目的が達せられぬ非常に大きな原因じゃないかと思うのですが、会長は小林さんですか、財界の世話役稼業の大御所がなっておられるところにも、この研究所の象徴的な意味を含んでいると思うのですが、私は、もっと純粋な活動をするためには、政府がその必要を認めて、もっとこれをふやして、そういうものから拘束されぬようにして、椿、阿部御両氏が言われたようなことをすることが、やはり誤解を受けず、これが広範な関係業者のもっと広い支持を得るのじゃないかと思うのですが、やはり二千七百万というふうな賛助会員の収入なしにはやれませんか、これはどうですか。
  75. 竹下登

    政府委員(竹下登君) まあこれが当初経過におきまして、財団法人から特殊法人へ移行してきた、それが今日賛助会の形で残っているというふうに理解しておりまして、ただいまのところ賛助会なるものをやめるという考え方は持っておりません。がしかし、その方向におきましては、そういう経過過程をとったがゆえに広範なPR活動等に今日制約されているというようには考えておりませんので、前向きの形で、先ほど阿部先生、椿先生にお答え申し上げましたような方向で、より一そうこれが一般的に活用されるよう検討を続けていきたい、かように考えております。
  76. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  77. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  78. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、軽機械の輸出の振興に関する法律の一部を改正する法律案及び電子工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  両案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  79. 近藤信一

    近藤信一君 この両法案は、いずれも法律の期限を五年間と七年間延長しようとするもので、法案自体はきわめて簡単な内容であります。しかし、実を申しますならば、新しい法律を五年なり七年なりの限時法として立法するのと同じたてまえでこれは審議すべきでございまして、私どもは重大な責任を感ずるわけであります。一定の期限をつけた限時法につきまして、その期限内に法律の目的が達せられたのでございますれば、その法律は当然廃止されていくものでありましょう。たとえば、先般衆議院から送付されてまいりました石油資源探鉱促進臨時措置法を廃止する法律案のごときは、多分その例と言えます。しかし、大部分のものは延長しております。逆に、期限内にあまり効果がなかったのであれば、それ以上延長しても意味ないということにもなりますし、これまた延長しても意味がないことになり、廃止すべきものだというべきじゃないかと思うのです。今回、両法案について、それぞれ期限が切れるのでこれを延長しようとするのは、いま私が申し上げました二つの状態の中間であるからだと思うのであります。効果はあったがまだ十分とはいえない、このまま延長してその効果を十分なものにしたいというのが理由であろうかとも思います。そこで、これらの法案の質疑に入る前に、現行法がこれまでの五年なり七年なりの間に果たしてまいりました役割というか、そのメリットとして、どういう点が指摘できるのか、そうしてまた今後この法律によって何を期待しているのかということにつきまして、提案理由で不十分な点もございまするから、それぞれの産業の現状とあわせてひとつ説明をしていただきたいのであります。
  80. 竹下登

    政府委員(竹下登君) これは重工業局長から御説明申し上げます。
  81. 森崎久壽

    政府委員(森崎久壽君) 御質問の点につきまして、ちょうど資料を用意してまいりましたので、配付いたしました資料につきまして御説明申し上げます。  最初に、軽機械の輸出の振興に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、法律の制定の経緯、現況というようなことについて説明を申し上げます。  軽機械輸出振興法の対象となっておりますミシン、双眼鏡の輸出は、昭和三十年ごろから急速な伸びを示しておりまして、わが国の外貨獲得の重要な一翼をになうに至ったわけでございますが、輸出の伸長につれまして業界過当競争がようやく激しくなりまして、昭和三十三、四年当時は輸出価格の低落の傾向がいよいよ顕著になってまいりました。また、両業界とも、後ほど資料で御説明申し上げますが、中小企業を主体とするために、当時はほとんどめくら貿易に近い状態に置かれまして、海外の事情にうとく、海外市場への広告、宣伝活動はほとんど行なわれていないような状態でございました。このような事態に対処いたしまして、両業界の秩序ある輸出の拡大と、海外市場への積極的なマーケッティングを行なうために、従来の中小企業団体法等の施策を補完するためにこの法律が制定されたのは、御承知のとおりだと思います。  その後この法律か施行されたわけでございますが、もう一度法律概要につきまして御説明申し上げますと、御案内のとおり、軽機械輸出振興法は昭和三十四年に制定されましたが、その内容は二つございまして、  第一点は、製造業者の大部分が中小企業者で、しかもアッセンブル方式で物が製造され、そうして輸出比率が非常に高いミシンと双眼鏡につきまして、登録制度を実施することによりまして、生産設備等の整備と品質の向上をはかると同時に、輸出面における過当競争を防止するということが一つのねらいでございます。輸出比率が高いという点につきましては、ミシンは六割から六割五分というものを輸出しております。双眼鏡につきましては、九五%が輸出という関係になっております。  第二番目に、ミシン、双眼鏡のそれぞれに輸出振興協会を設けまして、海外における輸出秩序の維持、市場調査、宣伝、輸入制限対策等の事業を活発に行なうとともに、品質の改善に関する調査研究等の事業を行なうことによりまして、軽機械の輸出の振興に資することでございます。  この二つの点が、この法律の重点でございます。  これは五年間の限時法になっておりまして、本年六月三十日が期限であります。  その後のこの法律の施行状況でございますが、この法律の対象となりまするところの軽機械は、法律の別表で、現在ミシンと双眼鏡になっておりますが、軽機械の部品につきましては、政令で指定することになっておりまして、ミシンについて十二品目、双眼鏡につきましては鏡体という一品目を指定いたしまして、設備、技術者、検査方法、品質管理の方法等についての登録基準を定めまして、その生産設備等の整備と品質の向上をはかっております。  また、ミシンと双眼鏡の完成品につきましては、それぞれ、ミシンにつきましては三十四年九月、双眼鏡につきましては三十六年四月から登録停止を行ないまして、中小企業団体法の調整活動を補完して新規の業者の発生を防止しまして、輸出面における過当競争の防止と輸出秩序の確立をはかっております。これも後ほど資料で御説明を申し上げます。  次に、日本ミシン輸出振興事業協会及び日本双眼鏡輸出振興事業協会を昭和三十四年十月に設立いたしまして、今日までに、ニューヨーク、デュッセルドルフ、バンコック、パナマに駐在員をそれぞれ派遣いたしまして、海外市場の調査、軽機械の紹介、宣伝、輸入制限対策等の事業を活発に行なってまいりまして、かなりの効果をあげております。また、近く本国会においてお願いいたします予算におきまして補助をいたす予算を計上いたしておりますが、ロンドンにも駐在員を派遣するということを考えておるわけでございます。  で、今回単純にこの法律を延長するということにお願いするわけでございますが、その理由は、この法律と中小企業団体法の併用によりまして、輸出面における過当競争の防止と、海外における市場開拓、輸出秩序の確立、輸入制限に対する対策等の事業をさらに活発に進めているわけでありますが、まずミシンにつきましては、業界の自主的な体制整備がかなり進みまして、アメリカ、カナダ向けの輸出ミシンにつきましては、輸出取引系列がようやく整備されまして、メーカー、エキスパート、向こうのバイヤー、こういったものにつきましてやっと十三の系列づくりをして実施いたしておりますが、その他の地域、ヨーロッパとかイギリスにつきましても、輸出取引系列の整備に着手いたしておるわけでございます。双眼鏡につきましては、ミシンに比べまして輸出体制の整備のテンポがかなりおくれたわけでございますが、現在は、登録停止によりまして、ミシンと同様に輸出面における系列取引を促進しまして、その整備をはかることが適正であるということを考えて、その方向で努力しておる段階であります。したがって、両業界の輸出体制の整備には、なお相当の期間を要するものと考えられまして、ミシンの米加向け輸出体制の整備に要した期間——これはやはり四年前後かかっておりますが、そういう期間を考慮いたしますと、その体制整備には今後なおほぼ五年間を必要とするという考え方をいたしております。  また、輸出振興事業協会は、海外における市場調査、宣伝、販売網の整備、輸出制限対策等の事業を行ないまして、相当の効果をあげておりますが、最近は、さらに先進国の巻き返しがございます。また、インドあたりからの進出、香港からの進出といった攻勢がございますから、この業務の重要性は、ますます大きくなっておりますので、両業界につきまして輸出体制が整備され、海外の販売網が確立されるまでの間は、これらの業務を専門に行なう機関を設けておく必要があると考えておるわけでございます。  そういう段階にあるときに、本法を廃止するということは、せっかく進捗しつつある輸出体制の整備を後退させるような結果になりますし、かつ両機種の輸出にも影響を及ぼすところが大きゅうございますので、本法を五年間延長いたしまして、この期間に所要の体制整備をはかりたいということを考えているわけでございます。  横書きの統計資料——ミシン、双眼鏡に関する資料でございますが、第一ページのところをちょっとごらん願いたいと思います。まず家庭用ミシンの輸出関係でございます。三十八年を例にとりますと、金額にいたしまして百八十億円の輸出をいたしております。約五千万ドルに当たるかと思います。これは国内生産状態の六割を少しこえるくらいの比率でございます。また、右側の双眼鏡につきましては、輸出は六十五億円——千八百万ドル程度に当たるかと思いますが、これは輸出比率としましては九四、五%を占めるような計算になるわけでございます。  次に、二ページをごらん願いたいと思います。ミシンにつきましての輸出先でございますが、全体の輸出の約五割が北米向けでございまして、一八%がヨーロッパ向けでございます。最近はヨーロッパに対する伸びが相当ふえてきているという状況でございます。双眼鏡につきましては、やはり五割が北米向け、そして四割近いものがヨーロッパに向いているというかっこうになっております。  次は、三ページをごらん願いますと、全世界における日本のミシン、双眼鏡の占有率でございますが、ミシンにつきましては六割、双眼鏡につきましては八割五分を日本の輸出品でもって占有しているという状態でございます。  次は、輸出数量その他でございますが、中小企業の比率といたしまして、家庭用ミシンは約六割を占めておりまして、双眼鏡につきましては九九%までが中小企業で占められておるという状態でございます。この比率は、三十五年、三十六年、最近に至りましてもあまり変更いたしておりません。  登録事業者の推移でございますが、ミシンにつきましては、本法が施行されましたときは完成品が百二十一名いたわけでありますが、いろいろと整理統合されまして、現在は六十七企業になっているわけでございます。その他の部品関係は、大体横すべりというような状態になっているのであります。  従業員関係について六ページに表がございますが、人員につきましても同じように横すべりのような状態でございます。  最後に、ミシン、双眼鏡輸出振興事業協会の活動状況でございますが、いずれも市場調査団によりまして外国の市場調査を班を分けましていろいろやりまして、帰ってきたものについて、十分そのメンバーにそれを徹底していくという問題。  それから、特許の問題でありますが、特許につきまして、十分その問題についての分析を行ない、競争の見本品を買いまして、これを商品分析するというような活動をいたしております。  また、特別調査といたしまして、各事業をいろいろとよく調べるということで、特に香港の双眼鏡の実態調査といった点につきまして特別の調査を最近いたしておるわけでございます。  先ほど申し上げましたように、海外におきましては、駐在員を派遣いたしまして、この駐在員が、需要動向の調査、あるいは日本側における諸施策の現地への反映、そういったことを進めております。ことにミシンにつきましては、御承知のように、アメリカに起こりましたシンガー問題も駐在員の活動によりまして片づきつつありますし、またEECにおける混合関税問題につきましても、駐在員の活動によって現在のところ非常に好転しておるというような状態でございます。  あとPR業務とか、品質改善の業務につきまして、資料を用意いたしているわけでございます。  次に、引き続きまして電子工業振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、同じくお手元に差し上げました資料について御説明申し上げます。  この法律の制定されましたのは昭和三十二年でございまして、当時のわが国の電子工業はようやく生産体制が整いつつある段階でございます。技術面におきましても、生産性の面におきましても、先進諸国に比べまして格差が非常に激しかったものであります。しかし、先進諸国における技術の進展は非常に激しくなりまして、当時外国特許の進出その他が非常に憂慮されたわけでございます。そこで、電子工業につきまして、部品、材料、機器の全般にわたりまして一貫した総合的施策を講じ、早急にわが国の電子工業を均衡のとれた形で発展させようということが重要になりまして、三十二年六月にこの法律を制定していただいたわけであります。  法律概要は、やはりこの場合にも二つございまして、  第一点は、基本計画をつくり、そして電子工業の中で今後実施していくべき試験研究の課題、今後生産を開始しまた生産を拡大していくための業種、生産の合理化をどうしても促進する必要があるもの、こういったものを政令で指定いたしまして、そのおのおのについて振興の目標を示す基本計画をつくり、また年度ごとにその実施計画をつくりまして、これを総合的に進めるという考え方であります。これに応じまして、開発銀行による特別融資、税制上の特別措置の適用、あるいは試験研究補助金制度の活用ということを行なうことが一つの柱になっています。  第二番目は、生産の合理化の計画を達成するに必要な場合に、通産大臣の指示によりまして規格の統一などの共同行為を実施し得ることをきめております。そうして、この法律は施行の日から七年以内——昭和三十九年六月十日までに廃止するものとなっているわけでございます。  自来、その法律の施行状況でございますが、まず先ほど申し上げました試験研究を促進すべき機種でございますが、たとえば高性能の計数型電子計算機、電子式電話交換装置、高性能の半導体、こういったもの十九種類を指定いたしまして、そのおのおのについて研究計画を進めまして、研究の目標を明らかにしまして、これに試験研究補助金を交付し、計画の達成をはかりました。これによりまして、たとえば中型、小型の計数型電子計算機はすでに国産化に成功いたしまして、また大型のものにつきましてもその開発が順調に進むようになっております。  それから第二番目に、生産を開始しまたは拡大を促進すべき機種を指定することになっておりますが、イメージ・オルシコン、あるいはビデオテープレコーダー用磁気テープなど四機種を指定いたしまして、そのおのおのにつきまして生産計画の定める目標、生産数量を明らかにし、これに開発銀行からの融資を行ないまして、計画の達成をはかりました。これによりまして、たとえばビデオテープレコーダーに使いますところの磁気テープも最近ようやく国産化が多くなりまして、NHKに使用されるようになっております。  それから第三番目の、生産合理化を促進すべき機種の指定でございますが、これは抵抗器だとか、サーボモーターとか、高周波測定器、こういった二十機種を指定いたしまして、そのおのおのについて生産の合理化計画をきめ、コストの引き下げの目標とか、品質性能の向上の目標などを明らかにしまして、やはり同じく開発銀行からの融資だとか、あるいは租税特別措置法によるところの特別償却制度、こういったものを適用しまして計画の達成をはかります。たとえば、抵抗器の生産品は一五%引き下げられたということが例にあげられます。  そういった施策を推進するために、今日までに日本開発銀行よりの融資は約二十三億円、七十一件でございます。また、試験研究補助金の交付は十七億というような実績をあげておるわけでございます。  この法律の改正、延長をお願いしますところの理由でございますが、この法律制定以来、おかげさまをもちまして、技術面、生産面でわが国の電子工業は発展いたしまして、生産金額では当時の四倍、六千九百億円で、輸出金額では当時の十七倍の千三百八十億円、これは四億ドル、正確に申し上げますと三億八千万ドルくらいでございます。約四億ドルの輸出をするに至っております。逆に輸入金額では当時の六倍になっておりまして、五百十億円、約一億四千万ドルの輸入でございます。従業員は、三十六年現在で当時の二・六倍、三十六万人、企業数で当時の一・七倍の二千九百五十企業ということになっております。  なお、この企業の中で大企業と称せられるものは、全体の企業数の中で四、五%に当たります。こういう規模に成長いたしまして、わが国経済に少なからず貢献しているわけでございます。  しかし、まだ問題がございまして、わが国の電子工業の中を見ますと、輸出しておりますものの九〇%以上は民生用の機器でございます——ラジオ、テレビの類でございます。輸入しておりますものの九〇%程度は、産業用機器といいますか、電子計算機とかオートメーションに関連する機器であります。産業用機器の国際競争力はいまだ十分でないことを示しております。特に輸入の中で四〇%は電子計算機が占めております。それが将来有望商品であり、かつ電子工業の非常に高度の技術を駆使するものであるだけに、非常に大きな問題だと思われるわけでございます。しかも、先進諸国におきまして、電子工業技術はなお急速に発展しております。わが国においても、世界の大勢におくれることのないように、今後一段と技術開発、新製品の開発、品質性能の向上ということにつとめる必要が痛感されるわけであります。そこで、この法律をさらに延長していただきまして、計画的、総合的に進めていきたいという考えでいるわけでございます。  今回の改正に際しまして、現代における世界とわが国における電子工業の状況から考えまして、従来から行なっていた諸施策をさらに継続することが大体適当と考えられましたので、法律内容を変更することなく、単に期限のみを延長するということにお願いしております。延長期限を昭和四十六年三月三十一日までということでお願いしておりますのは、今後実用化しなければならないものとして考えられています。たとえばミリ波通信とか、超大型電子計算機、微小回路、こういったものを研究段階を経て実用化にもっていく。また、わが国電子工業界の構造は、先ほど申し上げましたように、民生用機器に片寄っておりますので、産業用機器の比重を相当高めて、電子機器を産業界へ滲透させる必要がありまして、こういうことによりましてわが国電子工業の一応の基礎固めをするのにはなお七年程度を要すると考えたからであります。  なお、これも同様に統計資料を用意してまいりましたが、簡単にちょっと部分的に御説明申し上げたいと思います。  八ページから九ページにまいります。電子工業の生産額の推移でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、九ページにトータルが出ております。六千九百億。この法律を制定いただきました当時に比べますと四倍の増強になっておりますが、この中でやはり伸び率の非常に多いのは、八ページの一番上に書いてございますラジオ、テレビジョン、こういったものの民生用機器でございまして、これが約五倍に伸びております。  それから、次にまいりまして、輸出の推移でございますが、十ページに輸出の推移を統計上掲げてございますが、全体で千三百七十九億円でございますが、この右側の構成比をちょっとごらん願いたいと思いますが、輸出の大部分は一番上のラジオ受信機、これが四六%でございます。テレビの受像機が一〇%。このテレビ、ラジオでもって五六%をためているというふうな状態でございまして、先ほど申し上げましたように、工業用の関係の輸出はいまだしというところであります。  逆に輸入面でございますが、十一ページに輸入の表を掲げておきましたが、まん中あたりに計算機というのがございます。これが輸入の五一%を占めているわけでございます。しかも、このように計算機等につきましてはまだ自由化いたしておりません。相当制限をしましてこの程度状態でございます。輸入面におきましては、ほとんどが工業用の機器類によって占められているということが御理解いただけるかと思います。  十二ページに飛びまして、従業員の推移、当初三十二年ごろは十四万の従業員が、現在三十六万にのぼっているということでございます。  一番最後のところに、規模別の企業数を掲げておりまして、大企業と中小企業の分類がいたしてございます。一番右側に、従業員別に考えますと大企業が五%、資本金別に考えますれば大企業は三%というふうに考えられるわけでございます。  一応、簡単でございますが、この二法案につきましての現状を御説明申し上げた次第でございます。
  82. 近藤信一

    近藤信一君 いまいろいろと御説明を願いましたが、そうしてさらに資料をいただきましたが、この際、軽機械工業のほうに対しましては、もう少し詳しく、いわゆる事業報告書というものがあれば、それをいただきたい。  それから、電子工業の関係につきましては、国のこの試験研究機関というものがありますね。それの名前と、研究内容等一覧表民間企業の研究機関のわかる資料、こういうようなものをひとつ要求しておきますから、次の委員会にでもひとつ出していただきたいと思います。
  83. 森崎久壽

    政府委員(森崎久壽君) 至急作成いたしまして御提出申し上げます。
  84. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後三時二十六分散会      —————・—————