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1964-02-20 第46回国会 参議院 商工委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十日(木曜日)    午前十時二十二分開会     —————————————   委員異動 二月十九日   辞任      補欠選任    大矢  正君  亀田 得治君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     前田 久吉君    理事            赤間 文三君            上原 正吉君            近藤 信一君            田畑 金光君    委員            大谷藤之助君            岸田 幸雄君            剱木 亨弘君            小林 英三君            豊田 雅孝君            八木 一郎君            阿部 竹松君            亀田 得治君            椿  繁夫君            中田 吉雄君            鈴木 一弘君   政府委員    通商産業政務次    官       竹下  登君    通商産業大臣官    房長      川出 千速君    通商産業省企業    局長      島田 喜仁君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    大蔵省銀行局銀    行課長     橋口  收君    通商産業省企業    局商務課長   森口 八郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○産業貿易及び経済計画等に関する調  査  (商品取引所に関する件)     —————————————
  2. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、商品取引所に関する件の質疑を行ない、時間があれば、アジア経済研究所法の一部を改正する法律案質疑を行なうことになりましたから御了承願います。     —————————————
  3. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、委員異動について御報告いたします。  昨日、大矢正君が辞任され、その補欠として亀田得治君が選任されました。     —————————————
  4. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、商品取引所に関する件の調査を進めます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。亀田君。
  5. 亀田得治

    亀田得治君 前回に引き続きまして質問をいたします。  その後、通産当局では、現地のほうに行かれまして、実地に諸般の調査をされたようですが、どういうふうなやり方で御調査になったか、最初にその点を答えてほしいと思います。
  6. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 先日、亀田先生から調査について御要求がございましたので、商務課商品取引所の班長をいたしております中崎事務官名古屋に派遣をいたしまして、いろいろ実情を取り調べましたわけでございます。  参りました日にちは、二月の七日及び二月の八日に取り調べましたわけであります。中崎事務官は、名古屋に参りまして、名古屋通商産業局商工課太田商工課長、ほかの事務官と協力いたしまして、万栄株式会社名古屋支店を七日に、豊島株式会社名古屋支店を八日に呼びまして、いろいろ事情を聴取するとともに、委託状況などを調査したわけでございます。なお、このほか命ぜられました事項について、関係者を通産局に召喚して事情を聴取したわけでございます。  以上でございます。
  7. 亀田得治

    亀田得治君 取引所役員の方にはどなたから意見を聴取をされたわけでしょうか。
  8. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 渡辺前副理事長から事情を聴取したというように聞いております。
  9. 亀田得治

    亀田得治君 たとえば伊藤忠から出ている脇理事とか、十八日の処分について必ずしも同意しておらない考え方をとっている、そういうふうな方からは意見は聞いておらなかったのか。
  10. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 特に報告を受けておりません。
  11. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、取引所側ではだれとだれですか、役員にお会いになったのは。
  12. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 主として小佐田専務理事、それからほかの関係職員に会っております。その職員名前は聞いておりません。
  13. 亀田得治

    亀田得治君 東海銀行関係にはお会いにならなかったわけですか。
  14. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 東海銀行関係には、特に会ったように報告を聞いておりません。
  15. 亀田得治

    亀田得治君 それからもう一つ、万栄の委託者である柴木物産には、これも会っていないわけですか。
  16. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 柴木物産には会ったという報告を聞いておりません。
  17. 亀田得治

    亀田得治君 行かれた人、きょう出席しておりますか。
  18. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をとめて。   〔速記中止
  19. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をつけて。
  20. 亀田得治

    亀田得治君 それでは十五日、十八日の問題に入る前に、二、三簡単なことを確かめておきますが、一つは、この前の委員会におきまして、十八日午前十時の時間に保証金を納めるのがおくれたのが万栄のほかにも売り方に一社あった、こういうことをいわれたわけですが、それは調査されたと思いますが、どういうおくれ方なのか、明らかにしてほしい。
  21. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 某社の代金約六千六百万円のうち七十万円分につきまして、振り込みの副報告書取引所に当日午前十時に入っておったわけでございます。しかし、振り込みの副報告書に基づきまして振り込まれたと称します銀行に照会いたしましたところ、銀行のほうからは入金の返答がなかった。当日の午後二時に至りましてようやく入金したというような報告を受けたわけであります。これは後日調査いたしましたところ、全く銀行間の連絡の不十分であったということが判明いたしております。以上のような状況でございます。
  22. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、万栄なんかの場合と全然質的に違うわけですね。おくれたという点についてだけ考えると……。
  23. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 仰せのとおり、質的には異なっておると思います。
  24. 亀田得治

    亀田得治君 それからこれもお調べになったと思いますが、ただ、速記録でははっきりしなかったから一応確かめておきますが、豊島塩谷又市というのとそれから前副理事長渡辺喜一、これは非常に近い親戚。お調べになりましたか。
  25. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 中崎事務官報告によりますと、渡辺氏と塩谷氏はお互いの娘と息子が結婚しておるようでございます。
  26. 亀田得治

    亀田得治君 それから十五日の取引の問題に入るわけですが、この中で委託者は先だってのあなたのほうの答えでは、柴木物産のほかにもあるようなことを言われましたが、どうでしたか。
  27. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 万栄に対する委託者は、柴木物産のほかに売り方といたしまして五名おります。ただし買い方にはおりません。
  28. 亀田得治

    亀田得治君 そこでいま問題になっておるこの買い方のほうであるわけですが、そうすると、柴木物産一つで非常に大きな委託を万栄にやった、こういうことになるわけですが、しからば、その委託をした柴木物産ですね、これはどういう実態のものか明らかにしてほしいわけです。
  29. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 中崎事務官報告によりますと、柴木物産代表取締役柴田次郎資本金一千三百五十万円、それから毛糸商を営んでおるということでございます。
  30. 亀田得治

    亀田得治君 現在の業態はどういう状態なんですか。いまおっしゃったのは、それはまあ登記面に出ておる活字ですね。私の聞くのは実体です。
  31. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 先ほど申し上げましたとおり、柴木物産については特に調べておりませんので、私の申し上げましたのも登記面に出ておる実体がさようであるという意味で申し上げたわけでございます。
  32. 亀田得治

    亀田得治君 しかし、万栄に四十八億というものを処理する実力がなくて問題が起きておるわけですが、その根本をただせば、これは委託者の問題なんです。委託を受けて万栄が動くわけですから……。本来ならば、委託者である柴木物産が、金のことについて、豊島などが出てくる前に心配しなければならぬ立場なんでしょう、それがスムーズにいっておれば問題ないわけなんです。したがって、これだけの不始末が起きておるわけですから、これは当然柴木物産そのものをもっと検討して見る必要があるのじゃないですか、なぜ、一体わざわざ名古屋まで行かれながら、その実体を突きとめて見るということをしなかったわけですか。
  33. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 先ほどの説明を補足させていただきます。  柴木物産社長は先ほど申し上げましたように柴田次郎でございますが、場所は愛知県一宮市音羽通りにございます。設立昭和二十二年四月でございますが、設立後増資を重ねまして、現在、先ほど申し上げましたように、一千三百五十万円というような資本金に相なっておるわけでございます。年商は約五億程度の会社でございまして、従業員数は五名、仕入れ先は大東紡織ほか数社でございまして、販路といたしましては、清水毛織ほかやはり数社でございます。以上の事実が私のところでわかっておるところでございます。
  34. 亀田得治

    亀田得治君 私のほうで調べたところによりますと、全然現在は実体のない会社、こういうことになっているんです。その報告書の結論だけちょっと申し上げてみますと、「柴木物産株式会社は完全に整理されている、当時は一部債権者の中で配当に不満をもつ声も聞かれたが何れにしても柴木物産株式会社としての資産は皆無で勿論営業も行なっておらない。別紙の如く登記面では会社は現存していることになっているが、実質的には有名無実であり、従って調査の対象とはならない。」、こういうふうになっておる。これは名古屋信用交換所名古屋本社調査なんです。これとは別個に柴木毛織というのがある。当初は相当関係のあった会社のようですが、現在は当初ほどの密接な関係はないように、こちらは聞いているわけだ、しかし、柴木毛織のほうは実体はあるようです。しかし、委託者として出ておる——本件の問題の取引について、委託者として出ておるのは実体のない柴木物産なんです。そうでしょう。そこに問題があるわけですよ。いろいろ紛糾した場合に、実体のあるほうならそれ相当の手当てなり責任がとれるわけなんです。これは責任とれないでしょう。その柴木毛織との関係などを総合的に調べておるのですか。
  35. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 私どもといたしましては、委託者の段階まではなかなか法の及び得る得界ではございませんで、調査が十分ではございません。今おっしゃいました柴木毛織につきましては、柴木物産との関係ありということで、中崎事務官からやはり報告を受けております。柴木毛織はやはり柴木物産と同じ社長柴田次郎が同じ社長をいたしておりまして、資本金は千五百万円ということになっております。それから、この柴木毛織自体は万栄株式会社と実物の取引がございました。婦人服地を年に約三億円ほど納入しておるという実績があるようでございます。
  36. 亀田得治

    亀田得治君 それまでわかっておられれば、誠意のある取引であれば、実力のあるこの柴木毛織委託をすべきなんでしょう。社長は両方とも同じ柴田次郎なんですから。それをですね、実力のないほうの有名無実会社名前委託者として出してきておる。これははなはだけしからぬことじゃないですか。委託者のところまでは調査する権限があるとかないとかいわれますけれども、この四十八億融資正当性不当性というものを行政官庁から批判する場合に、当然そこまでやはり突っ込んで調べなければ全貌がよくわからぬじゃないですか。そんな同じ人が代表者になっておって、実力のあるほうは隠している。大きな取引をするときに有名無実の、実力のないやつを表に出して、こんなこと一体あなたどう思いますか、局長答えて下さい。
  37. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 御承知のように、取引所の運営は会員あるいは仲買い人というものが、資力等を持った資格におきまして取引をやっておるわけです。したがって、仲買い人等はいろいろな委託者、言いかえれば、一般の大衆も含めまして、委託者から委託を受けて、受託をして取引をするわけでございます。毎日々々取引が行なわれておる関係から、できるだけ委託者も、いま先生のおっしゃったような姿で委託することが望ましいわけでございますが、これは一々その毎日の取引において、なかなかつかみ得ないわけです。受託されるほうの会員としては、それは今のような資格の点におきまして、資力等を肯定いたしまして、それで運用をいたしておると思いますけれども、だれが委託するかという委託関係になるまで、行政官庁といたしまして、毎日の取引について、それを調べて、どうこうするということは不可能に近いと思います。
  38. 亀田得治

    亀田得治君 私のお聞きしているのと、多少今のお答えはポイントがそれているようですが、つまり、万栄としては、正常な取引をやりたいということなら、実力のあるものの委託者になりたいわけでしょう。だれだって。万栄は地元におるから、柴木毛織柴木物産関係というものはわかっておるはずです。それがわかっておりながら、実力のない会社のほうからの委託を甘んじて受けてこの大取引をやっておる。これは普通じゃないのではないですか、そういうことは取引の自由で、勝手だというようなことのような意味のことを今言われましたが、しかし、取引所においてそういうふうなことがあちらこちらに横行し出したら、一体どういうことになるのです。たいへんなことでしょう。登記ということと実力なり実勢を全く無視するということとは、これは全然違うことですからね。それは商売の自由としてそんなことをほうっておいていいのでしょうかね。この取引で紛糾をしても、柴木毛織のほうに問題が持ち込まれないように、こういうふうな意図が最初からあったようにしか思われぬじゃないですか。  これは後ほど聞きますがね。一体柴木物産というのが委託証拠金をどういうふうにこの取引について処理していたのか、そういったような点も後ほど明らかにしてほしいと思いますがね。ともかくその形だけから見たって、実体の強いものを、同じ社長であるのにそれを避けて、別な有名無実会社委託者にするなんということは、これはけしからぬ話なんです。まあ柴木毛織のほうは若干あなたのほうもお調べになっておるようですが、柴木物産のほうはよくお調べになっておらぬようですが、私の調べではもう間違いないと思っておるのでして、もっとそれを突っ込んで実態を把握して下さい。委託者のところまでは行政官庁として必要がないなんということはない。普通の場合なら、そんなところまで一々目を配る必要ないでしょう。だけれども、これがずっと関連していくわけでしょう、銀行まで関連していくわけです。最後には。そういう意味で、当然これはあなたのほうとして調べておるべき問題だというふうに思っておるわけなんです。きのうもあなた、事務官の方来られたものですから、柴木物産のことは聞きますからと言うてあるのです。それはもっと調べてくれますか、物産のほう。登記面のことだけを聞いておるのじゃない。
  39. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) なかなか会社実態調べるということは困難だと思います。行政官庁といたしまして。会員としては仲買い人というものがあって、仲買い人は要するに委託者に対して責任を負って取引するわけですから、この点ははっきりしておるわけでございますが、その委託者会社の内容、それから力というようなものは、なかなか現在の状況では調べてみても、調べる限界が私はあると思うのです。しかも取引をする場合でございますから、融資能力もあれば、いろいろ金を集めてきて委託をするというような場合まで、これを調査をするというようなことは、行政官庁で ある私どもとしては困難だろうと思います。
  40. 亀田得治

    亀田得治君 その通常ちゃんとした営業をやっていて、その営業中身がどうかというふうな場合ですと、それはなかなか調査困難でしょう。だけれども、現在はもう登記簿上だけで、実体もないし、そうして営業などはやっておらぬというわけです。場所へ行ってみればわかることなんです。そんなことは。営業をやっているのにその中身ですね、そういうような問題までなかなか入り込むということは無理でしょう。だから調査がどうも不徹底ですね。それで先ほどの課長報告はだれからの報告なんでしょうか、行った人がだれからか聞いてそういうふうに持ってきているわけでしょう。
  41. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 名古屋通商産業局を通じまして興信所等から得ました結果でございます。
  42. 亀田得治

    亀田得治君 全くそれは形式的な、何か書類によるような調査じゃないかというような気がするのです。むしろ行っておるんですから、直接柴田次郎なら次郎を呼んで聞いてもらえばすぐわかるわけです。場所へ行くとか。  それじゃ次に移ります。そこで、十八日の関係事項に入るわけですが、課長でわかりますかな、行ってなくて……。一応聞いてみます。あなたから出されたこの資料によりますと、東海銀行からの融資については、最初理事長豊島から情報を聞いた、こういうふうに資料には書いてあるわけですが、それはどういう状況のもとに豊島からお聞きになったのか、それを明らかにしてほしいわでけす。時間なり場所なり。あるいは豊島から面会を求めてきてそういう話を聞いたのか、あるいは副理事長から先に何かのほかの用事で豊島に会ったときに何か問題を持ち出したのか、とっかかりは一体どういうことだったのかということ。
  43. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 私が受けております報告では、十一月十八日の朝、名古屋繊維取引所理事長豊島から万栄が売買保証金納入について難渋しておるというような情報を聞いたということのみしか報告を受けておりません。
  44. 亀田得治

    亀田得治君 この問題は、取引所責任者が中立公正な立場を失って行動をしておるのじゃないかというところに、監督行政としての重大な問題があると私たち見ているわけです。そういう問題の判断のためにこの点を明らかにしたいと思っているのです。いまの点。昨日も私はそれは要求しておいた。ほかのこまかいことまでは聞きません。一体聞いたというがどっちが話しかけた問題なのか、場所はどこで、何時、その点明らかにしてもらえば大体想像がついてくるわけなんです。きのう中崎さんに、その点は聞きますよ、もし不十分であれば電話ででも確かめておいてほしい、重要な問題だから、そんなもの関係者は忘れているというわけがないですよ。しかし、案外そういうところに問題の本質的なものがちゃんとあらわれてくるわけなんです。そういう意味で、とっかかりを私聞きますから、こう言うてあるわけです。ちょうどいまみえましたから、課長から聞いていただいて答えて下さい。
  45. 森口八郎

    説明員森口八郎君) どういうような経路で副理事長豊島から聞いたかということですが、中崎事務官に聞きましたところ、その点については明瞭には聞いてまいらなかったというような答えでございます。
  46. 亀田得治

    亀田得治君 二日間も名古屋に行って、ずっと取引所におられて調査をされたように最初聞いたわけですが、どうしてそんな大事なところが質問されないわけですかね。こういう重大問題ですから、何も偶然何かのついでに話が出るということじゃないわけでして、私はその後の経過までは聞くつもりもないが、とっかかりは一体どういうことだったのか、これはだれでもものごとの真相をつかもうと思えば、そこは聞きたいところですよ。それを聞いてこられないというのはおかしいですな。何か明らかにすると都合の悪いことでもあるんですか。電話ででも聞けることじゃないですかと、きのうの午後私は御注意までに申し上げておいたんですよ。そういうこまかいことでまた次回にその点だけ質問するとかいうんじゃ、こちらも忙しいのに困ります。けさからでもお確かめ願えることじゃないですか。確かめてくれたんですか。私はきのうの午後希望しておいたんです。こういうこまかい具体的な点については、それは突然聞かれてもお困りかもしれぬと思ったのです。確かめることもしていないわけですか、きのうの午後から。それはどうなんでしょう。
  47. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 実はたまたま名古屋取引所専務理事がこちらへまいっておりましたので、それに聞きただしたわけですが、事情がよくわからなかったわけでございます。実はその後電話をかけようとしましたが、五時を過ぎておりましたので、相手方と連絡がとれないであろうというようなことから、ついに先生からの質問は承知しておったわけですが、打ち切りましたわけでございます。
  48. 亀田得治

    亀田得治君 これは追って明らかにできますか。
  49. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 追って調査をして明らかにしたいと存じます。
  50. 亀田得治

    亀田得治君 それじゃ次に移ります。  先ほどもちょっと触れたことなんですが、十一月十八日の金融のために、柴木物産というのは努力したのかどうか。あるいはまた、委託証拠金納入というものは、万栄との間にどういうふうになっていたのか、その辺を明らかにしてほしいと思います。
  51. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 特に調査はいたしておりません。
  52. 亀田得治

    亀田得治君 これはちょっと一般的なことになるかもしれませんが、十一月限の問題について、十五日現在で十八日午前十時までに満額保証金として積ます。こういう決定をその前にやっておりますね。そういう場合には、委託者関係は一体どうなんですか、委託者の納める証拠金は。それも増額になるのですか。
  53. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 御質問趣旨がよくわかりませんので、もう一度恐縮でございますが、お伺いしたいと思います。
  54. 亀田得治

    亀田得治君 つまり、満額仲買い人に積ますということになるわけですね、理事会決定どおりいくと。しかし、もともとは、委託者からの委託でやっているでしょう。したがって、そういう決定がありますと、これは当然理論的に委託者がその満額の心配をするのだ、理論的には、第一次的にはそういうことになるべきものでしょうね、どうなんですか。一般的な問題としてお聞きするわけです。
  55. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 売買保証金は、法律的には仲買人が取引所に差し出すべきものでございます。したがいまして、法律的にいいますと、仲買い人がむしろ負担すべきものということになろうかと思います。しかしながら、売買保証金を積むという趣旨そのものからいたしますと、これは当然委託者が、そういう玉を出したわけでございますから、先生のおっしゃるように、委託者が出すという考え方もあるわけでございます。実際問題としては、委託者が出す場合が多いと存じますが、場合によっては、仲買い人資力があれば、仲買い人がかわって積む。そのかわり、場合によっては、委託者に対して後日の債権が生ずるというような関係になる場合もあり得るというように存ずるわけでございます。
  56. 亀田得治

    亀田得治君 この点は、十一月二十一日の緊急理事会議事録を拝見しましても、やはり取引所でも論議になっているのですね。万栄の社長理事会に呼ばれて、そうして質問を受けているわけなんです。議事録にちゃんと書いている。皆さんのほうもすでにごらんになっていると思います。ところが、委託者として、だから、いま課長からお答えになったように、法律的には仲買い人売買の当事者なんですから、売買保証金である以上は、それは仲買い人の法律的な責任であるということになるでしょうが、実質は委託者なんですね。それは、その点お答えいただいたわけですが、そこで委託者というものが実は問題になるわけです。委託者に今度の取引満額積むのだぞということを当然連絡しておくべきなんですね。そういう連絡というものはしてあったのかどうかということをこの理事会で聞かれているわけです。議事録に書いてあります。これは当然出るべき質問ですね。そうすると、万栄の社長は、ここで三回ほど答弁しているわけです。結局そういう点は自分はよく知らない。北村定期部長が担当しているので、自分はよく知らない、こういう答弁をここでしている。おかしいじゃないですか、大事な点でしょう。それは何十億ということが問題になる取引をやるのに、その万栄の社長がそのことにタッチしない、知らぬというようなことは、一体いえるものでしょうか。たとえ半分でも委託者であるものが持てとか、そういう話があったのかなかったのか、あるいは何とか委託者は全額持つからともかくこれだけの買いをやってくれという話であったのか、これは非常に大事なところですよ。それを社長が知らぬなんということは、一体これは通るのですか。せっかく名古屋調査に行かれたわけですが、この議事録を向こうからいただいたわけでしょう。議事録を拝見すれば、これは当然突っ込んで調査すべき点だと私は思うわけなんです。そこの調査をやったのですか。定期部長が知っているなら、場合によっては定期部長を呼んでもいいわけです。社長が知らぬというのもおかしい話ですが、一応そういう話なら、定期部長を呼んでもよろしい、これは公式の議事録に出ていることですから、少なくともこの程度のことは突っ込んで明らかにしてほしいわけなんですが、そこの調査はどうなっているのですか。
  57. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 中崎事務官名古屋へ参りましたときに、実は定期部長を呼ぼうとしておりましたが、定期部長はおりあしく入院中であったわけでございます。それで召喚ができなかったわけでございます。したがって、万栄の社長を呼びまして事情を聞いたわけでございます。
  58. 亀田得治

    亀田得治君 それじゃ万栄の社長に会って聞いた事情を話して下さい。委託者との関係、金融なり証拠金の問題、どういう話であったか。
  59. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 中崎事務官報告によりますと、万栄の社長の話では、委託者のほうは土曜日までに十分金策ができるというようなことを言っておったところが、事実見通しがはずれて金が入らなかったというようなことを、万栄社長は言っておるということでございます。
  60. 亀田得治

    亀田得治君 金策ができるというのは四十八億のことですか。
  61. 森口八郎

    説明員森口八郎君) そうであると了解いたします。
  62. 亀田得治

    亀田得治君 一体あるかないかわからぬような柴木物産柴木物産社長としての柴田次郎がそういうことを言うて、それで信用していいものでしょうかね。あまりにもおとぎ話のようなことになってしまうわけでしてね。それは仲買い人としては、あとから聞かれたなら、そう言わざるを得ぬでしょう。そう言うておるかもしれませんけれども柴木物産なるものがそういうことを言うたって、万栄がそれを信ずるわけがないでしょう。そういうふうに感じませんか。
  63. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 委託者仲買い人との関係は、当該売買力に関する関係ではなしに、いろいろな線で、ほかのいろいろな売買によってつながっておるというような場合もございますし、私どもの予見しないような何らかの背後に実力を持っておるというようなものもあるわけでございまして、私どものほうから判断いたしますと——もともと私のほうは仲買い人のほうを監督しておるわけでありまして、法律的にも仲買い人売買保証金を積むというような義務を結局負わしておるわけで、委託者に義務を負わしておるわけではございませんので、万栄自体がそういうように判断をしたということでありますれば、私ども立場としては、それを信ずるよりほかにしかたがないというように思うわけでございます。
  64. 亀田得治

    亀田得治君 柴木物産実態をもう少し把握されたならば、その辺のお考えは多少また違ってくるだろうと思うのです。それで、柴木物産からは、四十八億に対して委託証拠金というものは、現実にどれだけ積まれておるのですか、全然積まれていないのですか。
  65. 森口八郎

    説明員森口八郎君) これ以外の取引につきまして一億ほどの証拠金が積まれておるというような事実は判明いたしておりますが、お尋ねの四十数億のうち幾ら柴木物産が出したのであるかというような点については、調査がいたしてございません。不明でございます。
  66. 亀田得治

    亀田得治君 それは明らかにしていただけますか。その点は当然なことですからね。初めから実体のない幽霊みたいな取引を考えておる。
  67. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) ただいま商務課長が御説明申し上げましたように、受託者と委託者との関係は、取引所の運営からいたしますと、むしろ受託者である仲買い人に義務を課しております趣旨は、もちろん委託者を保護する、したがって、委託者委託したけれども、受託者が契約不履行であったというような場合を考えまして、むしろ委託者を保護するのだという実は建前になっておるのであります。だから、むしろ委託者がどうであろうが、取引所売買取引の問題は、仲買い人である受託者の責任においてやる。したがって委託者がどうであろうが、その場合は仲買い人といいまするか、受託者である仲買い人責任を負う、そういう建前になっておるわけであります。したがって、仲買い人資力がない委託者から委託をかりに受けた場合においても、その責任は一にかかって仲買い人が負うのだ、こういう建前になっておりますから、実はその受託者である仲買い人がどこからどういうふうに金を集めてこようが、これは一般的に申しますと、とにかくそれだけのものを委託を受けて、それで自分責任においてやるということが建前になっておる関係上、なかなか委託者実体というものは、特にこれは取引所におきます場合と私ども行政官庁の場合とは違いますが、それを把握するということはなかなか困難でございますので、その点はひとつ御了承いただきたい、こういうように思います。
  68. 亀田得治

    亀田得治君 ただ、まあ本件は特殊なこういうケースが起きておるわけだから、全体を明らかにする必要があるという立場で聞いているのですよ。それはなるほど行政官庁の対象は一応仲買い人どまりかもしれません。しかし、その仲買い人委託者関係が不自然だ。たとえば四十八億委託者が心配しなければならぬのに一文も心配してはおらぬということになれば、仲買い人が今度心配しなければならぬことになるでしょう。第一の無理がそこへ出てくるわけですよ。だから、その無理というのは、今度は東海銀行のほうにまで無理を言うていっているわけでしょう。銀行局長もああいう融資は思わしくないと、これはすなおにはっきり言っているのです。だれが考えたってあんな融資はそれはまったくけしからぬですよ。だから、そういうふうになるから、実質的にはやはり委託者仲買い人関係というものも、こういう問題が起きた以上は、その限りでは、やはりはっきりすべきですよ。そうしないと真相がわからぬ。柴木物産なるものが一体四十八億の取引委託しながら、一文もこれは出していないじゃないかという感じがするわけなのです。実質的にはあるいは多少のものはどこからか融通しておるかもしれませんけれども、またそういう実力もだれが考えたってないようです。初めからわかっておる。だからどうしても調べてわからぬというなら、これはしかたございませんけれども、しかし調べてみて下さい。当然調べるべき案件でしょう。そして委託者仲買い人の間にそういう不健全な——理事会決定どおりの証拠金売買保証金に見合うような証拠金を取らぬような習慣があるのでしたら、これはあなた是正しなければいかぬでしょう。取引所全体の取引に響いてくるわけですから、関係いたしますよ、これは……。だから調査をして下さい。向こうがどうしても言わぬということなら、これはなかなか言わぬものを言わすわけにいかぬだろうが、調査は必要がないというようなことは、これは通りませんよ、この案件では。どうですか。
  69. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 本件、具体的な案件について先生からいまお話がございましたが、どの程度調査できるかその点は自信がございませんが、調べられるだけ調べたいと存じます。
  70. 亀田得治

    亀田得治君 局長がそんな自信のないようなことをこういう公の席上で言っておったら、よけい向こうだって言いませんよ。それは実際に取引所全体の運営がスムーズにいくためには、この実態は何とか明らかにしたいと思う、そういうふうに答えなければだめじゃないですか。やってみていかん場合は、それもやむを得ない場合もあるかもしれません。これは突っ込みが足らんですよ、調査を聞いておっても。  それから、銀行局、局長さんでないようですが、ちょっと二、三お聞きしますが、この十八日の四十八億東海銀行が貸し出したことにつきまして、例の返還請求権を担保に入れたのと別個に、豊島から東海銀行に五億余りの担保が入っているわけですね。これはどういう形式で入っておるわけでしょうか。何か契約書のようなものはちゃんとできておるわけでしょうか。五億余りの担保を取ったということを、せんだって局長からはお聞きしたわけですが。
  71. 橋口收

    説明員(橋口收君) 東海銀行からの報告によりますと、ただいま御指摘のございました金額は五億八千六百万円程度でございますが、これは新たに豊島より通知預金の預入があったものでございます。で、それに対しまして質権を設定いたしたわけでございます。
  72. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、十八日にあらためて豊島から通知預金ができたわけですね、十八日に。前からあったやつじゃないのですね。
  73. 橋口收

    説明員(橋口收君) 先ほど申し上げましたように、新規に豊島より預入があったものというふうに報告を受けております。
  74. 亀田得治

    亀田得治君 それから、銀行局のほうにもう一点聞きますが、この四十八億の融資に対する担保として、例の取引所に対する返還請求権をまず万栄から豊島に譲り、それを豊島から銀行に担保として入れたわけですね、経路は。それで、その書類の作成は十一月の二十二日になっているのじゃないでしょうか。これは公証役場で確定日付をとっておりますね。その確定日付を私拝見したのですが、二十二日にそれがなっていたと思うのです。これはどうでしょうか。
  75. 橋口收

    説明員(橋口收君) 融資を実行いたしましたのは十一月の十八日でございますが、ただいま御指摘がございました、正式の手続としての確定日付を確定いたしました日にちにつきましては、十分承知いたしておりません。
  76. 亀田得治

    亀田得治君 企業局のほうからいただきました、銀行関係のこの書類を見ますと、確定日付がこれに載っていないのですね、通産省の資料には。確定日付が公証役場の判こを押してあるのが二十二日になっているはずなんです。これは取引所から皆さんのほうがもらった書類をそのままこっちへ写して出したものでしょうが、確定日付を一体どこで落としたわけでしょうか。
  77. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 私のほうから亀田先生にお出しをいたしました書類は、これはコピー、写真で複写したものではございませんので、写したものでございますので、最後の日付は確か落ちておるはずでございます。確定日付云々というものは。
  78. 亀田得治

    亀田得治君 いや、向こうからもらったやつをあなたのほうでこれを写して出したわけですか。
  79. 森口八郎

    説明員森口八郎君) はあ、さようでございます。
  80. 亀田得治

    亀田得治君 すると、向こうからもらったものには、確定日付は載っておるはずですが、どうでしょう。
  81. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 取引所のほうで写して出してもらったようでございます。したがいまして、取引所のほうから出てきた書類をそのまま出したということでございます。
  82. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、取引所がこの大事な確定日付、十一月二十二日というのをわざわざ落として、あたかもこの書類が十一月十八日に完成したかのごとく、あなたのほうへ出しているわけですがね。実際の書類はちゃんと二十二日、公証役場で日付をさかのぼらして作っているわけなんです。そして、それを銀行へ納めているわけなんです。その書類を。すると、それが当然わかっているものだと思っていた。ただ問題は——したがって、十八日に銀行が金を出す場合には、この正式の書類というものはできておらん、質権設定の。それから、この返還請求権を担保にしたということ自体が、これはまあともかく貸し出す金を担保にするというのですから、これ自体がおかしいことなんですが、その返還請求権を担保にするという書類が十八日にはまだ完成しとらんわけなんだ。きちんとでき上がったのは二十二日なんだ。そんな状態で、だから、口約束みたいなものなんですね、そうなると。担保も何もない。そのうち、二十二日になったら確定日付をとってきちんとして書類入れますと、少なくとも十八日に四十八億という金を出すときには、そういう状態で出されているのですよ、確定日付の関係から言うと。そういうことは知らんですか。銀行局のほうは知りませんか。
  83. 橋口收

    説明員(橋口收君) 先ほどお答えいたしたとおりでございまして、融資が実行されたのは十八日でございますが、正式の手続はいつ完了したのか、十分承知いたしておりません。
  84. 亀田得治

    亀田得治君 銀行局のほうは、この東海銀行豊島との関係のこの融資に関する書類などは特に受け取っておらぬわけですね、東海のほうから。
  85. 橋口收

    説明員(橋口收君) 個々の融資の問題でございますので、当委員会で問題になりまして以降、東海銀行から資料を徴収いたしたわけであります。徴収いたしました資料の中には、確定日付の、正確な日付についての報告はございません。
  86. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、四十八億を出すときには書類が完成しておらなかった。まるで口約束でそういうものをぽんと出してしまっておるのだということが、上級監督官庁に知れることをおそれて、わざわざそこだけを抜かして皆さんに資料を出している。これは私のほうではちゃんと全部写真にとっているわけです。確定日付をつけてあるやつを。取引所がほんとうに中正公正な立場でこの問題に対処しておるなら、何もそんなことを隠し立てする必要はないんじゃないですか。銀行局に対しても、企業局に対しても、ことさらにその部分を抜いて書類を出すなんていうことはもってのほかだ。この確定日付は、譲り渡し人、譲り受け人というこの上に確定日付を公証人がつけておるわけだ。これだけを書いて、そのあとのほうにまた別個につけておるわけじゃない。別個に紙がついているというなら忘れたということはあるけれども。前のほうに一緒にちゃんと公印を押してあるものをそこだけ抜かすのはもってのほかだ、どうするんです。そういうでたらめな報告を受けて。参考にちょっと見て下さい。ほかの奴も全部同じことですがね、それだけ御参考に見せます。これはひとつとり直して下さい、こんな資料。  そこで最後の問題に入っていきたいと思いますが、銀行局のほうに聞きますが、一般的にはどうなのです。こういう莫大な金を出す際に、確定日付をつけた、きちんとした質権設定の書類等ができないうちに、まあ口約束のようなかっこうで、その日話を受けて早々に出しているわけだ。この場合は局長自身が遺憾の意を表しておりましたが、一般的にこんなことをやっていないでしょう。どうなんですか。
  87. 橋口收

    説明員(橋口收君) ノーマルな融資でございますと、御指摘のように成規の手続を完了いたしましてから融資を実行するのが通例でございます。今回の融資につきましては、前回の委員会銀行局長からお答え申し上げましたように、通常の姿の融資ではないというふうにわれわれも考えております。しかしながら、公的の立場にあります取引所からの正式の要請もございますので、いわば緊急避難的な意味融資をいたしたものと了解をいたしておるわけでございます。
  88. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、非常の場合には担保なんかあと回しで融資しているということですな。だいぶ局長の意見よりも、あなた融資するほうに積極的なようだが、そういうふうにとれますが、非常の場合はよろしいんですな。
  89. 橋口收

    説明員(橋口收君) 金融の一般的な例として申します場合には、物的な担保の場合と人的な担保の場合とございます。そのほかに対人信用ということで無担保の融資をした実例も日本の金融の場合にはたくさんございます。ただ、本件につきましては、先ほど申し上げたような印象を私は持っているわけでございます。
  90. 亀田得治

    亀田得治君 まあそれはまたあらためてゆっくり聞きましょう。
  91. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 ちょっと関連。いまの銀行課長の御答弁ですがね。四十八億の金を東海銀行融資をするにあたって、十分な担保書類などがそろっていない段階でも、緊急避難的立場、それから対人信用というような場合には融資をしても差しつかえないというような、監督官庁としての御意見のようだが、そういうルーズなことで預金者の保護ができますかね。私はもう少しシビアーなものでなければ、銀行局の監督というものは十分に果たされておると思わないのであるがどうですか。
  92. 橋口收

    説明員(橋口收君) 融資の実行をいたします場合の一般的な取り扱いについては、先ほど申し上げたとおりでございます。で、帰するところは、融資を実行するにあたりましての銀行としての状況判断の問題であろうかと思います。したがいまして、異例の場合といたしましては、手続があとになるという場合も全然ないというわけではないという趣旨で申し上げたわけでございます。
  93. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 本件の場合は私は内容がよくわからないのでありますが、いま中小企業など非常に引き締め基調によって苦しんでおる。経済界では三月危機というふうなことさえ言われております。そういう際に、いかなる救済を銀行に求めたところで、銀行課長が言われるようなルーズな、しかも不確定な担保などを対象に貸し出すということは、おそらく考えられないと思うのです。これが普通だと思います。しかるに、本件の場合、そういうことが認められておるというところに、一般的な常識を逸脱した貸し出しであるというふうに、これはだれでも考えられると思うのですが、それでもなおこの場合は緊急避難的なものであったのか、あるいはその例外中の例外である、ただ、事務手続が多少おくれた場合も皆無とは言えないのだから、その際の例に当たるというような御解釈ですか。
  94. 橋口收

    説明員(橋口收君) まあ本件の融資の適否についての判断は、的確には申しかねるわけでございますが、結果的には資金貸し出しの回収が実行されている。先ほど申しましたように、一般的に申しますならば、できれば正式の手続を完了して、十分な審査を行なった後に、融資を行なうのが適当であるというのが、われわれの指導の方針でございます。
  95. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、本件の場合の適否について、最初申されたあの判断は撤回ですか。
  96. 橋口收

    説明員(橋口收君) 個々の融資の問題の適否の判断につきましては、慎重を要するという趣旨で申し上げたわけでございますが、私が個人的に印象を受けた限りにおきましては、かなり異例の融資ではないかというふうに考えておるわけでございます。
  97. 亀田得治

    亀田得治君 異例であって結局やむを得ないというふうな印象を受けるような御答弁を先ほどされた。しかし、問題がまだほかにあるのですから、私はあまりそこにかかわりたくないと思って先へ進もうとしたわけですが、本件については、結局やむを得ない。やむを得ないということは適当ということになる。そういうふうな結論なんですか、あなた自身は。もう一ぺん聞いておきます。
  98. 橋口收

    説明員(橋口收君) 融資決定するにあたりましての状況判断の問題についての御質問だというふうに考えたわけでございますが、当時の状況判断といたしまして、東海銀行がこういう措置をとったわけでございます。あとから考えますと、いろいろ問題があろうかという感じはいたしておるわけでございますが、結果的に見まして、融資が回収されたということによって、結果的には妥当な措置ではなかったかというふうに考えておるわけでございます。
  99. 亀田得治

    亀田得治君 結果的じゃないのだよ。それは回収——保証金だからね。傷がつくことがあるわけですからね。だから結果からいうのじゃなしに、貸し出すときの状況です。そこが一番大事なところでしょう。それはどういうふうに判断しましたか。一応参考に聞いておきます。
  100. 橋口收

    説明員(橋口收君) 先ほど申し上げましたように、東海銀行が貸し出す場合の状況判断の問題に帰着するというふうに考えておるわけでございます。
  101. 亀田得治

    亀田得治君 それはまあ貸すのが東海銀行だから、東海銀行状況判断に帰着するわけだが、あなた自身は適当か不適当か、どう考えておるのか。
  102. 橋口收

    説明員(橋口收君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、個々の融資の判断の適否についての行政当局としての正式の見解表明は差し控えたいと存じます。
  103. 亀田得治

    亀田得治君 まあともかく銀行融資してしまったものですから、結局そのつじつまをみんなで合わせようと思うて、いろんな無理なことを重ねておるわけなんですよ。取引所決定自体がそうなんです。当然違約処分にすべきものをできないのは、副理事長がみずからそういう理事者としての立場を忘れて東海銀行に飛んでおる。そういうようなことをやって四十八億を出さした。そこで業務規程どおりこの取引を違約処分にして公売処分にすれば、これは当然下がってきます。万栄は大きな損になるわけだ。保証金にどういうふうにこれが傷ついてくるかわからない。自分たちがやったことだから、そういうことにはさせられない。したがって、今度は違約処分にもしない。こういったようなことを、みんなで無理なことをこれは重ねておるわけなんだ。その立場を何とかかばうようにしたいと思うものですから、はっきり批判できることでもよう批判をしない。そんなようなことを監督官庁がやっておったら、結局はこれはもうどんなむちゃな取引でもやってしまえ。もうでかしたものはしかたないじゃないか。何とかみんなでつくろおう。これじゃますます悪いことがはびこるじゃないですか。どうも課長なり通産当局の答弁にしても、なにかそういうことを結果的には助長するようなことに私はなりかねないと思うのですね。  それで、次に進みますが、万栄が十八日午前十時というものが大幅におくれて、本来ならば当然これは業務規程の五十一条によって副理事長が違約処分にすべきなんですが、五十一条には「直ちに」と書いてある。おくれた場合には直ちに取引所はこれは違約処分に付して、「その旨を」「通告する。」こうなっているのです。特に「直ちに」と入っているのです。こんなものは、取引所理事長の権限として、もう規定されているわけなんです。これは一つのルールですからね。ルールですから、そういう問題が起きてから、それをどうするかというような相談をしておったのでは、これはルールとしての役割を果たさぬわけですね。これは取引所の機能も破壊しますよ。そんなルーズなことをやったら。しかし、また事情があって、いろいろな多少の手違いで一時間おくれた、あるいは三十分おくれたといったようなものは、これは実際金をつくる努力をしてきて、もうちょっとでこうなったのだからといったようなものはいいですよ。だが、本件のような、ともかく初めから分不相応な大きな取引をやって、そうして当日になってあわてておるわけなんですね。そうしてもう銀行時間が終了して、普通の働く時間から言っても、まる一日過ぎてしまっている、こんなものは当然、それはもう五十一条の規程発動以外に、これはないわけなんです。それをやらない。そうして十九日に今度理事会を開いて、そこで相談しておるのです。この会議録を私も拝見いたしましたが、その会議録を見ますと、「午後四時三十分を過ぎて預託したという以上違約と断定して処分すべきではないか。」、こういうような意見が出されておるのですね。この意見を出した人を私も知っておりますが、これは通産当局は、そういう意見のあったことなどは調べておりますか。決して簡単に、スムースにこれは通っている問題じゃない、どうなんです。
  104. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 違約として処分すべきであるというように、理事会で主張した理事のある事実は承知いたしております。
  105. 亀田得治

    亀田得治君 それからさらに、ところが、副理事長のほうは自分が奔走してやった仕事ですからね、適当にそこを説明して預託は認めるが、しかしおくれた点についてだけの処分をするというふうなことで結論をまとめたようですが、しかし、なかなかそれでは承服できないということで、二十二日再び再審議をしておりますね。その模様をちょっと報告をしてほしいわけです。再審議になった事情、再審議の状況を。
  106. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 十一月二十二日金曜日の議事録によりますと、十一月二十二日午前十一日に理事会を開催いたしまして、「渡辺理事長より預託時限の遅延につき本所としては、十一月十九日開催の緊急理事会に於て「預託した事は認めるが預託時限遅延ということでは制裁をする」と決定したのであるが、この決定をくつがえしてまで違約玉として処分しなければならないものかどうかについて再審議を求めた処、大要次の如き意見が述べられた。」ということで、第一の意見といたしましては、「預託時限遅延という事実から違約行為と思うが、違約と断定して違約処分を行うと業界が大混乱に陥るので、違約処分の扱いをしないこととしてこの件を整理し、この緊急事態打開のための話合いによる解決を進める外ないではなかろうか。」、第二の意見といたしまして、「一旦取引所へ受入れたものを返還して違約として処分するというようなことは筋の通らぬことで、もしそうした場合は却ってその面において非難が高まると思われる。十八日は売方の預託についても若干の遅延を生じたものもある様でこれも違約にしなければならぬとなればますます混乱を招くこととなる。」、第三の意見といたしまして、「今後の収拾策を具体的に云えば、任意総解け合いというような線で話合いによる解決が望ましいところではなかろうか。」「以上討議の結果、本理事会としては、十一月十九日開催の緊急理事会に於て決定した「預託されたことは認めるが預託時限遅延では制裁する。」という本件の処置を再確認し、これに伴って問題が生じた場合に於ても、この方針に基いて進むことに決定した。」というふうに議事録には書いてございます。  なお、私のほうから、なぜ十九日にきめたものをもう一度かけたのであるかということを聞きただしましたのに対しまして、取引所のほうからは、やはり一部の理事で納得できないというような空気があるので再度かけたのであるという説明を受け取っております。
  107. 亀田得治

    亀田得治君 そういうわけで、非常に無理な扱いが十八日、十九日とされているわけなんです。だから、今お読みになった議事録の中にも出ているように、一たん取引所へ受け入れたものを返還してまで違約処分するのはどうかと思う、こういう既成事実というものにはやはりだれでも弱いわけですね。だからそういう既成事実を作るようなことを副理事長が中心になっておやりになるから、こういうことになる。だからばかげたことをしないで、十八日に既定どおり措置をしておけば、何も問題は起こらぬわけでしょう。ただ、万栄の買いが下がるというだけで、万栄は損するというだけなんです。それを無理な、銀行からの金を引き出すとか、そんなことをやるものですから、今度は取引所のとりきめ自体に対して大きな疑惑なり疑念というものを起こすようなことを引き起こしているわけです。みずから理事会に出席しておった理事でも、どうも納得いかない。なかなか業界の人ですから、めったにそんなことをいうものじゃないですよ。みんな大きな大商社の代表的な人ですよ。だから、そこに副理事長東海銀行あるいは関係者と語らってよけいなことをやった波紋というものがあとへ出てきている。この影響は私は大きいと思うのです。はたしてこういう業務規程などを無視してやったことが、一体これで合法的に認められるかどうかということは、今後にまだ残る問題ですね。承服しない人が今でもいるわけなんですから、それは幾ら理事会できめたといったって、理事会の越権行為である、こういう考えなんですから、ルールというものは、発表された以上反対を押し切ってルールをかえるということはできない。いつでもルールを非常事態ということでかえられるなら、ルールの役をなさぬわけですから、そういうことがこの会議録自体をずっと見てもはっきりしているわけなんです。だから私は皆さんにも、できたことを何も正当づけるような立場ではなしに、本件の問題というものをもっと深く突っ込んで検討して、そうして監督官庁としての考え方というものをはっきり私は出す必要があると思います。この前も、局長も課長も、取引所は自主的にやらすようにしているのがたてまえだから、こういうことを、ともかく意見を——都合が悪くなるとおっしゃるわけですけれども取引所法はそうではないですよ。それはなるほどこれは業界の人のやる取引行為ですから、自主的な部分は確かにたくさんあるわけです。定款なり業務規程なりある。あるけれども、好き勝手なことをやったら、たいへんな問題を起こすわけで、また、小さな中小企業なり、あるいは労働者なり、いろいろなところにも、これは及ぶわけです。だからそういう立場から大臣のたとえば九十条の権限とか、いろいろなものがやはり規定してあるわけです。それから違反者に対して刑罰まで規定してあるわけです。取引違反について刑罰をもって臨むというのは、決して単に業者の自主だけにまかしてあるというものじゃないのです。だから、そういう点がわざわざ何かぼかされて、そうしてまあ理事会がああしてやっているんだから、できてしまったものを、そうやしましくいってもというような考え方が見られるわけですが、これははなはだ遺憾です。ひとつその点は、通産大臣並びに大蔵大臣にこのこまかい事情を全部事務当局で説明をしてもらって、その上で私は大臣としてのひとつ根本的な考え方というものを聞きたいと思っているのです。こまかいことが皆さん自身もよくつかんでおらなかったりしておりました。きょうも、まだつかんでおらないものがある。そういう点をつかんで、そうして大臣によく説明しておいて下さい。  そこで最後に、取引所から違約処分にしなかったことについての見解が文書で通産省に出ている。その写しを資料としていただいたわけですが、おそらく調査に行かれた方、口頭でこの文書についても御説明を聞いてもらっていると思いますが、若干私もひとつあなたのほうに聞いてみたいのは、この取引所から出しました文書の二のところについて若干聞きたいわけです。この(2)のところに、「関係業界(日本毛織物等工業組合連合会、日本毛糸商業組合等)から——強い要請があった、」こういうことが書いてあるわけですが、一体どんな要請があったか、これは調べてありますか。
  108. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 従来から名古屋取引所におきましては、非常に異常な高騰相場が出てきた、それから非常に長い相場の低迷状態が続く、安値状態が非常に長く続くというようなことにつきまして、関係業界から、特にその前者について、相場が非常に乱高下するということになりますと、取引所を利用しております関係業界のほうが非常に迷惑をこうむるというようなことが、再々取引所当局に対して口頭で申し出があったのでございます。私自体も毛織物工業組合あるいは紡績関係、そういうようなところからの陳情を非常にしばしば耳にしておるわけでございます。したがいまして、取引所当局もできるだけ自主的な規制によりまして、価格の暴騰暴落を抑止したいというような方針で従来からやってきておるというように聞いております。
  109. 亀田得治

    亀田得治君 特に十八日の事態について、特別な要請があったわけでしょうか、文書等で出ておれば、それもお示しを願いたい。
  110. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 特に十八日の事態につきまして、毛織物等工業組合連合会、日本毛糸商業組合というようなところから陳情書があったということは聞いておりません。
  111. 亀田得治

    亀田得治君 それならば、この十八日違約処分しなかった理由の中に、こういう業界の名前を入れるということは僭越じゃないですか。こういう業界としては糸が高くなって困るのです。それは乱調子で上がったり下がったりするのも困るでしょうが、しかし、実情から言うたなら、困る中でも高過ぎて困る、その困り方が一番大きいわけです。それならば、千八百四十円というような高値をつけているものを、ここが違約処分にして公売にすれば下がる。これは当然望むところじゃないですか。ところが、取引所のほうとしては、高いものがさっと千四百円台とか——まあどこまで下がるか、これはちょっといろいろ意見がありますが、これは一般論としてそういうことは困るのですけれども、しかし、この際の場合には下がってくれたほうがいいわけでしょうが。そんな理由にもならないようなことをここに書いて、そうして何かそっちの要望もあって違約処分にしなかったというようなことを書くというのはもってのほかだ。理由がそごしているじゃないですか。  それから、さらに、それに続きまして、「更に異常な価格が出現した場合は」云々と書いてある。この「更に異常な価格が出現した場合は」という意味は、どういうことなんですか。言葉どおりからいくと、千八百四十円よりももっと高いという意味にとれますがな。「更に」だから、現在以上、千八百四十円よりさらに以上だ。一体違約処分にした場合にそういう現象が起きますか、課長の見解を聞きたい。私はここに書いてあることがわからぬのです。
  112. 森口八郎

    説明員森口八郎君) これは取引所の答弁でありまして、私の申し上げるのは、読みましての解釈でございますから御了解願います。ここに書いてある「更に異常な価格が出現した場合は」という「更に」というのは、先生のおっしゃるとおりどうも私もよくわかりません。異常な価格と申しますのは、(1)のところに書いてございますように、違約処分をいたしますと、まず第一に、二営業日以内に肩がわり者を募り肩がわりをさせるということでございますが、いまのように万栄一社が多量に持っておるという場合には、なかなか肩がわりをするほどのものがないというように私聞いてございます。したがいまして、肩がわり者の応募がないときは、違約玉と被違約玉につき、違約発生日の翌々営業日の立会いにおいてお互いに反対売買を行なわせて処分する、結局場にさらしてせりにかけるというようなかっこうになるわけでございますから、理屈上全然上がる場合がないということは絶対あり得ないとは言えないと思いますけれども、今日まで主としてやっているのはもちろん一社対三十五社でございますから、もちろん下がるというような場合を言っておるものであるというように私は考えます。
  113. 亀田得治

    亀田得治君 しかし、この言葉どおり解釈すると、いま説明したような意味に必ずしもとれないわけなのです。だから、この取引所の出しておる文書というものは、まったくこれは自分たちのやったことを何とか取りつくらうような立場で、いいかげんな言葉を並べておる。海外に対する信用を失墜して輸出は阻害されると書いてある。それは下がって、そして機屋さんなどが楽に操業できるようにするということのほうが輸出振興になるのと違いますか。そうしてまた違約処分にすべきものを違約処分にせぬというようなことこそが信用を失墜するのじゃないですか。取引所に対する信用、まあその点は多少また別の見方もあるかもしれないがね。輸出が阻害されるというようなこと、これは一体原毛が下がったから輸出が阻害されるというその理屈はどこから出てくるのですか、どういうふうにあなたこれを読みましたか。
  114. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) この取引所から出されました文書については、いろいろ読み方の関係から確かに不分明なところもあると思いますしいたしますが、ここで私から申し上げたい点は、取引所の価格が、御承知のように、千八百円をこす暴騰を実はいたしたわけでございまして、この暴騰がまた暴落をしたり、上がったり下がったりするということは非常に業界にとりまして、毛織物業界あるいは紡績業界あるいは商社等の関係に悪影響を与えることは事実であります。とりあえず、私どものとりました措置は、御承知のように、千八百円を越した高値の抑制をまず出発点にいたしまして、これは取引所に対しましても行政指導で強く抑制を要請いたしましたし、取引所の価格が暴騰することはもちろんでございますが、暴騰した結果は暴落という時期が必ず出てまいるわけでございまして、これは取引所本来の目的を阻害することにも相なりますし、関係業界に影響を与えることにもなるわけでございます。輸出の面におきましても、御承知のように、取引所のみならず、一般の物価が安定いたしますということが輸出促進になるわけでございます。下がったから必ずしも輸出促進になるというわけじゃございませんので、やはり適正な安定価格というのが私は一番望ましいと考えているわけでございます。そういう意味で、取引所の価格が暴騰いたしますまで期間がございまして、なかなかいろんな措置を講じましたけれども、抑制ができなかった。で、その間におきまして、関係方面から非常に非難の声も上がりましたし、私ども通産当局といたしましては、何とかしてこの取引を平常化することを第一義といたしたわけでございます。したがいまして、先ほど来、先生から各項目につきまして、非常に不穏当ではないか、あるいは妥当を欠いているじゃないか、あるいは違反ではないかというお話がございましたが、私どもが考えておりますそのねらいは、実は高騰の抑制と相場の安定でございまして、その間の過程におきまして、いろいろいま御指摘のような問題が出てまいりましたが、この十一月の二十五日、六日には、いろいろな過程を経まして千五百五十円という、おおむね妥当な価格、千八百円をこした価格から千五百円、約三百円ぐらいの値下がりをいたしまして、自後ほぼ安定した相場の経緯を実はたどっておるわけでございます。したがいまして、あの暴騰をいかにして安定化させるかという、その事態というものは、私どもにとりましても非常にむずかしい事態でありましたし、ねらいは、何としてもその高騰の相場を安定化させるというところにあったわけでございまして、本件いろいろ御批判がございますが、私どもといたしまして、その十一月終わりの価格に持っていくための要するに道程であります。したがいまして、違約処分の問題につきましても、あるいはその他御指摘の問題につきましても、個々の問題についてはいろいろ御批判があろうかと思いますが、ああいう事態におきましての総合判断、取引所の価格の相場の平常化と申しますか、平準化に対する一つの大きな観点というものを、私どもは率直に申しまして、これを目標にせざるを得ないと考えるわけでございます。個個の問題につきましては、いろいろすでに訴訟の問題にもなっておるようでございますので、個々の問題につきましては、私どもといたしまして具体的に批判できないような面もあろうかと思いますが、それはひとつ私どもの当局の考え方としてお含みをいただきたい、こういうふうに思います。
  115. 亀田得治

    亀田得治君 公売処分にすればどの程度に下がったという見解ですか。
  116. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) この点は、実はまずとりあえずは下がるということになると想像されますけれども、それがどういう価格の動きを示して、相場の動きを示して平準化するかということにつきましては、正直に申しまして、見通しは、私ども振りかえってみまして、立たないのが実情でございます。
  117. 亀田得治

    亀田得治君 それじゃ何もこの取引所のとった処置が適当であったかどうかということすらも判断できぬじゃないですか、あなたのような、そうわからんのだったら。
  118. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 先ほどの先生の御意見に触れるわけでございますが、取引所は自主的に、私どもが運営させているというのではなしに、取引所の建前が、その原則としては商品市場において、取引所の市場において、会員が相場の安定に、適正な価格の形成に向かって運営をしていくというのが実は建前になっております。もちろんそのためには、通産大臣としての監督規定等ございますが、原則的にはそういう建前に実はなっておるわけでございまして、したがいまして、理事会の権限というのは非常に重要でございまして、いろいろな事項につきましては理事会がこれを決定をいたしておるわけでございます。おそらく理事会の中では、理事者が十数名おりますから、それぞれいろいろ意見があるかと思いますが、とにかく理事会決定をいたしてまいるわけでございまして、その決定が間違っておった、その決定をかりにくつがえしまして、それが間違っておったからくつがえすということになりますと、よほどとにかくはっきりした見通しが立たない限りは、なかなかこの決定をくつがえす判断をすることは、私はむずかしいと申し上げざるを得ないわけであります。先ほども申し上げましたように、その過程を経まして私どものほぼ望んでおりました相場の水準に、十一月の終わりには到達いたしたわけでございまして、そういう決定を、間違っておったから違約処分にしなけりゃならんということになりますと、その見通しというものを的確に立てませんと、なかなか理事会で適法にきめた——ただいまお話しの業務規定等につきましても、多少そこにゆとりのある、幅のある規定だという解釈もあり得るわけでございまして、できるだけ、時間は正確に守らなければならんことは当然でございますが、ただいまのような、一刻も早く価格を安定しなければならんという、そういう客観情勢と、私どもの強い要望という事態に対処しました措置といたしまして、はたしてその決定をくつがえす判断をしなければならないか。そこに私は問題があろうかと思うのであります。そういう意味で、個々の問題につきましては、この前一応お答えいたしたわけでございますが、そういう観点からなおかつ違反であるかどうかという御判断をいただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
  119. 亀田得治

    亀田得治君 この違約処分にして、公売処分にした場合でも、たとえばこの理事会のほうで——まあこの際は下値が問題になるわけでしょうが、下値を幾らにきめるというふうにしていけば、そんなに混乱しないのですよ。十五日まできめているでしょう。七値と下値、あれは十五日までですが、再度きめたっていいわけですよ。それを何かこう、大混乱が起こるかのごとく言うて、そうして四十八億出して、銀行もその気になって、それで出してしまったものだから、いや、これを違約処分にしたら大問題だ、大問題だ、みんなでそんなことを言うてかばっているのが現状ですよ。公売処分にしたからということで何が混乱が起こるものですか。その際に下値というものをちゃんときめて、限度をきめてやる方法だってあるわけでしょう。意味がわからんのだ、だから大混乱が起こるというのは。結局、それはあなた、無理な乱手を振った者が大損害をするということなんでしょう。それが、そんなものが大混乱だったら、一体おかしいじゃないですか。無理なことをした者が損をすれば、この次からはもうそんな身分不相応なことをしちゃいかん、こうなるわけでしてね。こんな取引所からのこの理由書だな、まるきりこれはなっておらんですよ。意味もあいまいですがね。どっちにでもとれるようなことを書いて。こんな理由書、これは総合的にこれで納得しておるわけでしょうか、通産当局は。どうなんです。この理由書。ほかの件はいいんですよ。向こうの出して来た、この説明書にこれでいいという判断なのか、その点簡潔に。
  120. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 取引所がそのときに判断をした、その判断に基づいて理事会決定したと思いますが、その判断の中で、やはり一つの混乱といういまお話の問題——ことばはともかくといたしまして、非常に緊急事態であった、その緊急事態というのは一刻も早く高値を、暴騰した高値を抑制しなければならない。このために全力をあげて問題解決にあたろう、こうした理由と申しますか、立場と申しますか、その点は私ども了解できる、こういうふうに思います。
  121. 亀田得治

    亀田得治君 だから、私の言うのは、高値を下げるなら公売処分にしたらいいじゃないですか、規定どおり。一部理事の反対などを押し切ってまでやらぬでも、ちゃんと下がるじゃないですか。あまり行き過ぎちゃ困ると思えば、下値をきめればいいわけだし。そうすれば、そんな四十八億というような、あとから批判を受けるような融資東海銀行からしてもらわなくてもいいわけです。もう納得いきませんね、皆さんのそんな説明では、とても。
  122. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 亀田先生、局長も答弁困難なようだから、決算委員会関係者部来てもらって、そこで明らかにしたほうがよろしい。
  123. 亀田得治

    亀田得治君 皆さがやったことじゃないからなんですが、この前も申し上げたわけですが、やはり取引所側の当局者並びにこの取引関係した人を、柴木物産代表者まで含めて、参考人として呼んでもらって、ありのままにその実態を話してもらって、その上でひとつ最終的な判断をつけるようにしたいと思います。人の書いてきたものを中心にしていて審議していても、なかなか筋の通らぬ点もできるかと思いますが、この点は要求しておきますが。  そこで、ひとつちょっと付加して聞きますが、何か今月の十一日に名古屋の繊維取引所理事長らの接待を局長などが赤坂で受けたようなことはありますか。
  124. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) もう一度お願いいたします。
  125. 亀田得治

    亀田得治君 今月の十一日、赤坂で取引所理事長らから接待を受けたことありますか、この問題が発生してから。
  126. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 理事長が新任をいたしまして、理事長欠員になっておりましたので、理事長新任に伴うあいさつがございまして、私招待を受けました。
  127. 亀田得治

    亀田得治君 理事長のあいさつでしたら役所であいさつすればいいわけですね。こういう問題が起きて紛糾しているときに、わざわざ赤坂の料亭で両方の責任者が会うといったようなことは、一体これは適当だと思っているのですか。局長、どういう考えなんです。就任披露ならば、あたりまえじゃというような考えですか、こういう問題のさなかに。
  128. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 本件に関係は全然なかったわけでございますが、いまの御質問に対しましては穏当でなかったと、こういうふうに考えます。
  129. 亀田得治

    亀田得治君 これは局長だけではないようですね。大臣も行かれておるわけですか。
  130. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 出席をしていなかったと思います。
  131. 亀田得治

    亀田得治君 そうすると、あなたのほうも知っておると思いますが、「新中京繊維日報」という、これは取引所のことをなかなか立てて書く業界紙のようですが、その記事というものは、これは間違いですか。大臣がちゃんと列席したようになっている。そんな、大臣のことについて、そう軽々しく私は書かぬだろうと思って、私も若干調べてあるわけですがね。
  132. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 記事は存じておりません。
  133. 亀田得治

    亀田得治君 記事知らぬですか。
  134. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) はあ。
  135. 亀田得治

    亀田得治君 わざわざ私がこの問題を取り上げたその記事にくっつけて、その接待の記事がちゃんと書いてあるわけです。その編集のしかたを見たって、ちゃんと世間というものはそういうふうに受け取りますよ。大臣の名前が出ているわけです。課長はどうなんです。
  136. 森口八郎

    説明員森口八郎君) 私も出席いたしました。
  137. 亀田得治

    亀田得治君 まあ親分だけかばうようなことを言うても、それはやはりちゃんと事実は事実として動かせないのだしね。そういう疑惑を起こすようなことはやはりせぬほうが私は当然だと思うのですね、こういう際に。
  138. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 大臣は出席いたしておりません。
  139. 亀田得治

    亀田得治君 それでは新聞はどうするのですか。これはずっと業界の人がみんな見ているわけですよ。新聞見ているでしょう。
  140. 島田喜仁

    政府委員島田喜仁君) 見ておりません。
  141. 亀田得治

    亀田得治君 課長も見ておりませんか。——まあ次に大臣が出て来たときにこれはお聞きすることにします。まあ本日のところはこの程度にしておきます。
  142. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  143. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をつけて下さい。  他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時三十二分散会      —————・—————