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1964-06-25 第46回国会 参議院 災害対策特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十五日(木曜日)    午後四時四十分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     小平 芳平君    理事            藤野 繁雄君            矢山 有作君            村尾 重雄君    委員            北口 龍徳君            久保 勘一君            熊谷太三郎君            坪山 徳弥君            林田 正治君            村山 道雄君            森部 隆輔君            瀬谷 英行君            武内 五郎君            渡辺 勘吉君   国務大臣    農 林 大 臣 赤城 宗徳君   政府委員    農林政務次官  松野 孝一君    農林大臣官房長 中西 一郎君   説明員    農林省農林経済    局金融課長   中沢 三郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十九年四月から五月上旬まで  の長雨等についての天災による被害  農林漁業者等に対する資金融通に  関する暫定措置法適用特例に関  する法律案内閣提出衆議院送付豪雪災害救済対策に関する請願(  (第一一九三号) ○凍霜害対策に関する請願(第二六五  〇号) ○山形県内の桑園凍霜害対策に関する  請願(第二六七二号) ○凍霜害に対する恒久的対策等に関す  る請願(第二八七一号) ○晩霜被害対策に関する請願(第二八  七二号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     —————————————
  2. 小平芳平

    委員長小平芳平君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律案を議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。赤城農林大臣
  3. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ただいま提案になりました昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律案提案理由を御説明申し上げます。  本年四月から五月上旬にかけて四国及び九州を中心とする西日本一帯において長雨及び長期にわたる高温が続き、六月一日現在の調査結果によりまするならば、麦、なたね等農作物被害は百八十一億円に達し、被害規模がきわめて大きく、かつ、被災地域も広範囲に及んでおります。  このように麦、なたね等の主要な裏作物等に著しい被害を生じますと、今後の農業の再生産に及ぼす影響が甚大であるばかりでなく、農家経済への影響も無視しがたい実情でありますので、天災融資法適用について特例を設け、被害農業者低利資金融通する等の措置を講じ、すみやかに農業の再生産の確保と民生の安定をはかろうとするものであります。  今回の特例の第一点は、特別被守農業者の範囲を拡大することであります。天災融資法では、農業粗収入の五割以上の損失額がある場合に限り、特別被守農業者として、三分五厘の低利資金を借り受けることができるようにしておりますが、今回の特例措置では、麦等の主要な裏作物収入が八割以上失われた被害農業者並びに昨年四月から六月までの長雨により麦及びなたね収入が八割以上失われて被害農業者となり、かつ、今回の長雨等により麦等の主要な裏作物収入が五割以上失われた被害農業者特別被害農業者として取り扱い、三分五厘の資金融通することができるようにするものであります。  特例の第二点は、以上の特別被害農業者に貸し付ける三分五厘の経営資金については、被災者負担の緩和をはかるため、特に六カ月以上一年以内の据え置き期間を設けることとするものであります。  以上が、この法律案提案理由及びその内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  4. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 本案に対し、質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
  5. 森部隆輔

    森部隆輔君 大臣にお尋ねいたしますが、ただいま御提案になりました特例法でありますが、これは私の、自分の県の実情を申し上げますと、昨年は九割以上、麦、なたねはほとんど全滅であったわけです。本年はやや去年よりか被害程度が少なくて、いま私の仄聞するところによると、昨年と本年と加えてもなおかつ該当しないように承っておるのでありますが、私の衆は、県の財政が、石炭鉱業の不振その他によって相当税収入も減っておりますので、かなり県の財政も苦しいので、県自体でそういう困っておる農家救済することができかねると思うのですが、そういう場合に、六分五厘と三分五厘と、金を貸し付けた場合、その三分の差額を県が出した場合は、あるいは自治省交付金等によってその県の財政を救ってやる、こういうようなことに対して、何らかの、農林大臣自治省と折衝されてでも、そういうような救われぬ農家を救っていただくというようなことはお考えできぬのでしょうか。ひとつお尋ねいたしたいと思います。
  6. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 実は、これをきめるのに、災害対策としてもう少早くやりたいと思いましたが、去年の八割の被害プラスことしの五割と、連年災害を含ませることに少し手間取りまして、本日提案ということになったのでございます。その結果、県によりまして漏れる県も生じてきたわけでございます。その点につきましては、県単位でいろいろ対策を講じてもらうことにいたしまして、いまのお話のように、六分五厘と三分五厘の差額に対して県で負担したものを、国のほうでどういうふうに見ていくかということでございますけれども、これにつきましては、いま申し上げましたように、この法案を出すのに非常に手間取って、そこまでまだ話はつけてありませんが、できるだけ自治省と話をつけて努力をいたしていきたいと、こう考えています。
  7. 矢山有作

    矢山有作君 ちょっと関連して。大臣、私はまだ寡聞にして、この特例法適用を受ける府県がどこどこにということになっているのか、その政令内容をよく知らないんですがね。そのことをまず言っていただいて、それからひとつ次の質問をやらしていただきたいと思うんです。はずれるのがどこどこなのか。
  8. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) 申し上げます。昨年の裏作特例法適用にあたりまして、裏作全体の二分の一以上の被害があるという場合に県を指定したわけでございますが、その結果、昨年は二十六県が該当するという非常に大きな被害でもあったために、そういう結果になっております。ことし、当初は、昨年と同様、百分の五十以上ということで県を指定するつもりで事務的な段取りを進めました。その場合は高知県、長崎県、宮崎県、鹿児島県の四県にとどまる結果になったわけです。ところで、連年災ということも加味しまして、財政当局は相当強い反対がございましたが、百分の四十に基準を下げまして、その結果、愛媛と熊本の両県が加わることになったのであります。合計六県というところでございます。  そこで、先ほど来の御質問でございましたんですが、昨年ひどくてことしは百分の四十に達しないという県は、福岡大分佐賀等がそれに該当するわけであります。
  9. 矢山有作

    矢山有作君 しゃくし定木にものごを考えていけば、それは官房長のおっしゃるようになると思うのです。しかし問題は、連年災害で、特に昨年の災害でほとんど全滅というような大きな被害を受けておって、今年もまた大きな被害を受けている。ところが、県を平均して、全部をならしてみると、たいしたことはないにしても、部分的にながめていけば、市町村により、あるいは郡により、非常に高度な被害を受けているところが、一律にこの特例法対象にならないというのでは、私は実際の災害対策としては、あまりにもしゃくし定木過ぎはせぬかと思う。私が常に持ち出す話なのですが、農業基本法を制定された政府なのですから、しかも、農業の自然的不利を補正しようということをうたっている。そこへ持ってきて、池田首相は革命的の農政をやると言っている。その辺で何とか、県を対象にして指定しているが、佐賀福岡大分とは特例法対象にならぬからはずすのだというようなことでなしに、その県の中で、非常に高度な被害を受けている市町村なり郡があれば、それをまとめてひとつ特例法対象にしようというところまでいきませんか。それがまず大事だと思うのですよ。そこにどうしてもいかないということになれば、いかない場合に、じゃどうするかということも考えなければならぬわけですから。
  10. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) お話しの御趣旨はよくわかるのでございますが、災害対策全体として、農民が困らないような措置をしていくということは、絶対必要であろうと思っております。その際に、天災融資法は御承知のように、農林省所管でございます。その内容は、利子補給損失補償でございます。そこで、農林省天災融資法を発動しまして救います場合の基準は、先ほど申し上げました百分の四十以上ということで拾うわけでございます。それにはずれました百分の三十程度あるいは百分の二十程度というような被害の少ない県におきましても、地域によって非常にひどいところも、いまお話しのとおりございます。そこで、そういう県につきましては、農林省のいわば所管といいますか、予算ということでなしに、県単独でできればやっていただく、たとえば、先ごろ大きな被害のありました千葉県のノリの災害のような例もございます。あるいは県単独でやる財政力がなければ、特別交付税でその裏打ちをしてもらうというような方法も道として残されているわけでございます。こういう形で、結果としまして、たとえば大分県の南のほうと、宮崎県の北のほうの県境のバランスのとれるような配慮をいたしたいと思っております。が、何ぶんにも、時日がほとんどありませんで、最終的の詰めまで至っておりません。特別交付税措置につきまして、財政当局あるいは自治省等とよく話し合いまして、そういう方向で解決したい、かように考えております。
  11. 森部隆輔

    森部隆輔君 ただいま矢山さんの御質問に対して官房長から答弁がありました。大臣からもさっき答弁をいただいたのですが、昨年は九州北部がかなりひどくて、今年は九州の南部がひどかった。これは数字にはっきりしている。そこで、いまお話のありましたように、県全体を平均しますと、必ずしも百分の五十というような数字にいきませんけれども、数郡、少なくとも何郡かは百分の五十以上に達するところもあるのです。そういうところは、県の財政が、さっき申し上げましたように、私のほうはいろいろの事情で豊かでないので、むしろ赤字である関係で、県費でその差額負担するということは容易でないと思う。そこで、さっきもお尋ねかたがた申し上げたのですが、どうしても今度の特例法に基づく政令府県を指定される場合に、福岡——あるいは大分も同様だろうと思いますが、それらが入らないとすれば、県費差額を出した場合、ひとつ特別交付税で出されるように、ぜひ実現するように強く自治省のほうに折衝願いたいと、特に希望を申し上げておきます。これに対してお見込みはどうでしょう。
  12. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 先ほど官房長から申し上げましたように、天災融資法特例法によってやる、あるいは交付税等によってやるか、いずれかの方法によってということを申し上げたとおりでございますので、この天災融資法特例法に漏れた分につきましては、実は申し入れをしておりまするが、さらに強く自治省に申し入れまして、救済のできるような努力を十分尽くしてみたいと、こう思います。
  13. 森部隆輔

    森部隆輔君 あまりくどいようですが、重ねて。私ども、県当局とも相談いたしたいと思いますから、ぜひ県費で、もしそういうような支出をしました場合には、特別交付税交付せられるように、重ねて御配慮をお願い申し上げておきたいと思います。
  14. 矢山有作

    矢山有作君 どうもぼくのお聞きするのとちょっとうまく合っていかぬのですが、私は大臣にお聞きしたいのですが、事務当局のほうとしては、いま中西官房長がお答えになったようなことになるだろうと思うのです。思うのですが、私がこの間もあなたとお話した場合に、非常によく農家の実態を御存じですし、しかも、これだけ九州地区においては大災害が去年、ことしと続いておるわけなんですから、したがって、私は、特別交付税云々の話に入る前に、この特例法対象特例法をつくるのですから、特例法と銘打ってその対象にするように配慮はできないものかということを大臣からお聞きしたい。
  15. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) これは御承知のように、農業施設の復旧などに対する補助の場合に、県全体ということじゃなくて、部分的等についての補助など、相当高額のものをやる、こういう制度が開かれておるわけであります。この天災融資法適用につきましては、従来県単位でやっていたものですから、その県単位の中のある郡とか、ある場所、こういうふうに指定することは、私ども折衝いたしましたが、これはちょっと困難でございます。それで第二段階として、交付税の問題でこの問題を解決していこうか、こういうふうに申し上げたのであります。
  16. 矢山有作

    矢山有作君 そうすると、交付税の問題で解決するという場合、おそらくく、お考えになっておるのは、六分五厘と三分五厘のその差を埋める、こういうことぐらいの話だろうと思うのです。想像するところ。そうしたら、ぼくは、おそらく単年度では片づかないと思うのです。融資する場合に、おそらく一年きりの償還期限ということでは融資しないはずなんです。ところが、二年とか三年とか、あるいは天災融資法適用していくということになれば五年以内、さらに特例法に準じた扱いをしていくということになれば、その中に半年ないし一年の抑え置き期間も含まれてくる、こういうことになってくる。そうすると、もし償還期限が三年なり四年なり、これは仮定ですが、そういう条件で県が配慮した場合、それに対して毎年きちっと特別交付税めんどうを見ますか。最初の年だけめんどうを見て、あとは知らないというのじゃ困る。その点をやはりはっきりしておいたほうがいいと思います。
  17. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) これは私のほうで出すわけじゃございませんが、一年だけ出してあとは知らぬふりをすることはおかしいと思います。ですから、やはりこれは差額をどれくらいに見るかという問題もありましょうけれども、その差額を埋めるまでということでなければ私は筋が立たぬと思います。そういうつもりで折衝はいたします。
  18. 矢山有作

    矢山有作君 関連質問をいたしたのでありまするから、これでやめますけれども、私は大臣のいまの答弁を信頼いたします。この法の適用対象にならぬのなら、実質的にこの法の適用を受けたのと変わらないような措置を県がとった場合に、それに対して、国がいまおっしゃったようなめんどうを見てやる、こういうことで御確約をいただいて、そうして御努力を願いたい。そうなれば、事務当局としては、きょう来ておいでになりますから、その大臣の意に沿うように全力をあげてもらわなければ困るのです。この点、だめ押しをしておきます。だいじょうぶですね。
  19. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) そのとおりに措置いたします。
  20. 北口龍徳

    北口龍徳君 その問題に関する連問題ですが、折衝して特例法の該当を受けた。したがって、まことにありがたく存じておりますが、特に私は、九州全体の被害を見ますと、昨年私は、党として被害の状況を調査に参りまして、先ほど森部委員からお話のとおり、昨年は鹿児島宮崎あたりのずっとこちらの北のほうがひどかった。全部私は九州を歩きました。そういうようなことで、去年はほとんど壊滅的な打撃を与えているところに持ってきて、二カ年続きの連年災害がございまして、その点につきましては、赤城農林大臣も非常に御同情いただいて、県民も非常に喜んでいるのですが、大体九州各県の罹災関係会合等におきましても、そういうように、去年もことしも二年災害というようなことで、ことしばかり取り上げるというようなことになると、九州でも南のほう、北のほう、ことしは被害程度が逆でございますので、二カ年分のいわゆる分母二百分の百三十といいますか、去年百分の九十受けたところをことしは百分の四十ということで、それを一緒に二カ年といたしまして二百分の百三十をぜひ罹災農業者の場合におきましては該当さしていただくようにという主張、御要望を強くいたしたいと思いますが、そういうことで、まあ、われわれのほうへ、ぜひその実現ができるようにという非常に熱心な要望があったわけで、一応、このことが取り上げられなかったということは、どういう理由ですか。私たちも、罹災者に対しまして、一応事情をつまびらかにいたしておきませんと困るわけでございますので、その辺のことにつきましてお伺いしたい。
  21. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ちょっと事務当局から御説明申し上げます。
  22. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) 御説明申し上げます。  実は、昨年のこの特例法が出ましたときに、百分の八十以上ということで出発いたしました。そこで、市町村段階で手持ちしております資料では、八〇%以上の被害については明確な書類が残っておるわけでございます。で、百分の七十、あるいは百分の六十ということになりますと、これは、ある資料に依存するというぐあいにまいりません。そこで、二百分の百三十というふうに一般的に取り上げることができなかったわけでございます。しかし、行政の網の目にかかりまして、百分の八十以上というのはしっかり把握できる以上、それをもとにしまして本年は百分の五十以上ということで、両方の要件を満たす場合には、これは市町村長も把握できるわけでございますから、把握できる分については、少なくとも救うべきであるということで、原案のようなことになったわけでございます。したがって、極端な例を申しますと、昨年七九%で、ことしまた七九%であるというような場合には、これの網の目にかからないわけです。ただ、八〇%ということで市町村長が認定しておりますが、市町村長の実務の上での若干のアローアンスというものもその問には期待できるわけでございます。いま申し上げたような七十九、七十九というような例は、実際にはないと思いますけれども、理屈の上ではそういうことに相なっておるわけでございます。
  23. 北口龍徳

    北口龍徳君 事情承りましたが、いまお話しのように、昨年もことしも百分の七十九といいますと、二百分の百五十ですか、そういうことで非常にこれは気の毒な話ですよ。実は、昨年はほとんどもう壊滅的な九五%の被害を受けているのですよ。そうすると、やはりこれは、昨年はほとんど収穫もあげ得ず、ことしまた四〇%もいかれたという農家に対しては、何とかこれはやはり政府が親心を持って救済してやるべきであると思う。そういう意味からいたしましても、双方の、昨年とことしと合わせていわゆる二百分の百三十という線でやっていただいたならば、私は非常に農民も喜ぶと思いますが、この点は何かめんどうな点とか、いろいろ十分調査をしなければわからぬというような事務的なことでありますけれども、もう一歩そういうことにしていただきたかったということを、何とかその辺ならないものかということを申し上げておきます。
  24. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) いま官房長からお話し申し上げましたように、百三十ということに相なるわけでございますが、それが八十プラス五十プラス・アルファならいいわけなんですが、たとえば七十プラス六十という場合ですと、去年の七割というものが残っておらぬと、調査を八十だけしてもし残っておるということであれば、これは非常にいい措置がとれ得たかと思うのでございますが、一応ちょっと去年の八割以上のものが残っておるものですから、それにプラスということでございますから、なお、そういう点についてはよく実情等調査して措置したいと思います。
  25. 矢山有作

    矢山有作君 それから官房長、この特例法適用対象にならぬとすれば、いろいろな意味被災者というのは不利な点が出てくると思うのです。それから被災の自治体としても不利な点が出てくると思うのですがね。そういった点をやはりいろいろな方面でカバーしていくということになれば、たとえば一つの例が、自作農創設維持資金にしても、これの貸し出しに対して特別の配慮を払うと、そういうようにお考えができておりますか。  それともう一つは、先ほどの質問の中で、私ちょっと落としておったのですが、特別交付税措置するという場合に、やはり県だけでなしに、市町村がこの特例法対象にならぬ部分を穴埋めをしていくという場合もあり得ると思う。そうした場合に、県に対しても、市町村に対しても、特別交付税で実際の開きのないように措置されるようにするのかどうか、その点もあわせてお聞かせいただきたい。
  26. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) お話にございます自作農創設維持資金災害ワクについての配慮は、これは天災融資法が発動になりまして、三分五厘にならなくても、当然裏づけとして各県に資金ワクを配分いたすつもりでおります。  それから特別交付税交付にあたって、市町村等利子補給等の何分かの負担をいたすという場合も想定されます。そういう点については、県同様、市町村についても配慮をいたさなければならない、かように考えております。  お話を流れる筋として、ほかにいろいろあたたかい手を伸べろというような御趣旨だと思いますが、御要望にありました米の概算金増額等措置についても考え、あわせて早期支払い考えるというようなことで、別途準備をいたしております。
  27. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 私は法律の各条項についてお尋ねしたいと思っておるのです。  第一条には、「昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨及び当該期間内における長期にわたる高温」、こういうふうに書き分けてあるのですね。それで、長雨高温というこの二つの関係、これは長雨であって高温であるか、あるいは長雨高温は別々に考えておられるのか、まずこれをひとつお尋ねしたいと思います。
  28. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) お答え申し上げます。  長雨高温、それぞれ天災融資法に基づいて天災に指定するという意味でございます。したがいまして、長雨だけの被害によりましてもよろしゅうございますし、高温による被害によってもよろしゅうございます。
  29. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、その次の「麦等農作物」と、こう書いてあるのは、麦と何を定める予定であるか。
  30. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 第一条の「麦等」とありますのは、被害の性質を、特例法をつくる趣旨として「麦等」と表現したわけでありますが、具体的な適用の問題になりますと、お手元にお配りしてございます資料の二ページの二、三行目にございますけれども、「又は天災による麦その他の政令で定める農作物」とありますが、政令では昨年同様に、麦となたねを指定したい、こういうふうに考えております。
  31. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、麦となたね高温だけで被害をこうむったところがあるのですか。
  32. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) それは被害を生ずる原因がいろいろ錯綜しておりまして、必ずしもこの部分長雨、この部分高温というふうに分け得ない場合もあろうかと思います。したがいまして、今回の百八十一億という被害は、そういう原因が錯綜しておるわけでございまして、その点は御質問にありましたように、麦、なたね高温だけによる部分というものが、ある部分はあるかもしれませんし、あるいは、ふくそうした原因がある場合もある、こういうふうに考えております。
  33. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、まず政令では麦となたねを定めると考えていいのだけれども、「麦等農作物」とここに書いてあれば、いままで別な場合でもいろいろ問題になったところであるが、米の早期栽培の地方では、早く穂が出て収穫皆無であるというようなところもあるということであるから、そういうふうな場合を考えてみるというと、それは高温のために、早植えしたところの稲が収穫皆無になったと、こういうふうなことであれば、高温というと、「麦等農作物」ということには、鹿児島宮崎県あたりでできた早期米、早期水稲に対する被害もこれに該当するものとして解釈していいじゃないかという気がするがいかがですか。
  34. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 特例法の実質的な中身が第二条でございまして、第二条の特例措置対象としての農作物を麦、なたねというふうにする考えでありまして、したがいまして、麦、なたね被害が平年の百分の八十以上ある農家におきましては、特別被害農業者としての要件を緩和するという趣旨でありまして、この場合は米——水稲は入ってまいりません。
  35. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、その次には、この前の災害対策特別委員会でも私申し上げたのでありますが、高温のために、あるいは雨のために果樹地帯は花が咲いて結実したけれども落果してしまった。こういうふうなものが、最近の報告によれば、各県ともだんだんと被害の金額が大きくなりつつある。こういうことであれば、そういうふうなものを——第一条からいえば、「麦等農作物」であるから、それも該当するものであると、こう解釈していいことになると考えますが、いかがでしょうか。
  36. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 先ほども申し上げましたように、第一条は、特例法をつくる趣旨といたしまして「麦等農作物」をあげておりますが、特例法の具体的な内容として麦、なたね考える、こういうことであります。ただ、御質問にありましたように、水稲の場合は今後も特例法対象になりませんが、本法、天災融資法対象になるものである、こういうふうに考えておるわけでございます。
  37. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 本法の適用になるというと、一体どういうふうに適用になりますか。
  38. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 麦、なたねの作物以外は、被害額が平年の粗収入の百分の五十以上ある場合は、三分五厘の資金を借りることができる特別被害農民になる、こういうことになるわけでございます。
  39. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、その被害額の調査には、第一期のものと第二期のものとあるのですね。そうすると、第一期のものが、いまのところ、宮崎鹿児島あたりは全滅であるというようなことであれば、それは該当しますか。
  40. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 御質問は、水稲に関する御質問だと思いますが……。
  41. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 ええ、水稲です。
  42. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) すでに発表されております百八十一億という被害額の中に入っておる水稲につきましては、先ほど申し上げましたように、本法の百分の五十以上の被害という基準で取り扱いたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  43. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、さらにだめを押しておきますが、鹿児島宮崎、その他にもあるか存じませんが、そういうふうな地方で第一期の水稲が百分の五十以上の被害があったならば、これにも、本法の適用によって三分五厘の金を融通する、こういうふうなことになりますか。
  44. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 本法の適用があるものでございます。
  45. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それじゃ、もっと詳しく私が質問したように……。
  46. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) お話しの水稲のほかに果樹もございますが、果樹、水稲につきまして、本法の規定によって百分の五十以上の被害農家の数によりまして、お話しのように、三分五厘の適用は当然あると、こういうふうに考えております。
  47. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それで、そこは大体わかった。  それから第二条ですね。第二条の一番しまいに、据え置き期間が六カ月以上一カ年以内のものであると、こういうふうなことですが、償還期限は大体において五カ年以内ですね。それであるから、この場合においては、いま政府が予定しておられるのは、期限を何カ年にされる予定であるか、それをお伺いしたいと思います。
  48. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 据え置き期間六カ月以上一年以内のものである、その据え置き期間を具体的にどうきめるという御質問だと思います。
  49. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 いやいや、据え置き期間じゃない。年限、貸し付け期間です。
  50. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 失礼いたしました。  御質問にありましたように、本法の償還期限は五年以内で政令で定めるということになっておりますが、新規被害農業者の場合には二年ということで、重複被害農業者、果樹生産者等、借り受け者の要件により延長することとし、従来の例に従いまして二年、三年、四年、五年という償還期限を定めたいと、こういうふうに考えております。
  51. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、これで麦、なたねというものは一カ年で済むかわからぬけれども、果樹というようなものであったら長く続かなくちゃできない。麦、なたねというようなものであったらば、貸し付け期限はたとえば三カ年で、そのうちの一カ年が据え置き期間だと。しかし、果樹のようなものであったらば、貸し付け期間は五カ年で据え置き期間は六カ月ないし一カ年と、こういうふうに解してよろしゅうございますか。
  52. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) 据え置き期間を特に設けましたのは、昨年、御承知のとおりのひどい被害でございまして、据え置き期間を法、正すべきではないかという御趣旨を生かしたわけでございますが、果樹の場合ですと、当然これは最長の償還期限にするという考え方がございますが、これにつきましては、従来据え置き期間を設けた慣例がございませんので、そのまま据え置き期間なしの五年以内の償還期限、こういうふうにしていきたいと考えております。
  53. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 いま、果樹については据え置き期間がないと言ったって、ことしのミカンが収穫皆無であるということだったらば、直ちに償還ができないが、どうやってその財源を見つけ出すのですか。
  54. 中沢三郎

    説明員中沢三郎君) これは貸し付けをしましてから五年の償還期限内で、第一回の支払いをいつするかということになれば、その地域なり、あるいは融資機関と農家との話し合いできまることと思いますが、通常はまあ第一期の、何らかの収穫がありまして現金が入る時期、あるいは一般的には一年以内、こういうふうに考えられるわけでございますが、その場合でも、実質的な意味におきます何といいますか、第一回の払い込みまでの期間は、一年以内の期間があるのではないかと、こういうふうに考えられるわけでございます。
  55. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は、予約米に対する概算払いの時期と額ですが、これは大臣にお尋ねしたほうがよかったかもわかりませんが、新聞の記事によれば、二千円であるとか、あるいは二千五百円であるとか、被害が大きいところでは三千円であるとかというような新聞記事になっておりますが、一体どういうふうなお考えですか。
  56. 中西一郎

    政府委員中西一郎君) まだ事務的にもかたまっていない段階でございますので、具体的には申し上げにくいのですが、予約受け付けを早めるという方針で事務を取り進めております。三千円というお話がございましたが、三千円ということは、これは考えておりません。何かの誤報ではないかと思います。昨年は二千五百円という特例を設けたのでございますが、今次のこの裏作の指定になるような県、あるいはその他につきまして、二千五百円という五百円増しの概算金を払うことはどうかということで、目下財務当局と折衝をいたしておる段階です。できますれば、今週中にも結論を得まして、来週早々にも閣議におはかりすることができるようなことになれば幸いであると考えている次第でございます。
  57. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 いまの問題は、官房長ができるだけ早い閣議で決定するというお話でありますから、どうぞできるだけ早く決定して、農村の金融が行き詰まっているのを救うように、一段の御努力をお願いしまして、私の質問を終わります。
  58. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  59. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 速記を起こして。  ほかに御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございません   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入りす。  昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  62. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、委員長の手元にて作成いたしました附帯決議案を議題といたします。  まず、附帯決議案を読み上げます。政府は、本特例法制定の趣旨にかんがみ、政令指定を受けない地域についても、被害の著しい農民に対し、特段の措置を講ずべきである。   右決議する。  ただいまの附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  63. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 全会一致と認めます。よって本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  政務次官から、附帯決議案に対する発言を求められております。この際、これを許可いたします。
  64. 松野孝一

    政府委員(松野孝一君) 本法律案施行にあたりましては、ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、その実現に努力し、被災農家の救援と農業生産の確保のため、最善の努力をしてまいりたい所存であります。
  65. 小平芳平

    委員長小平芳平君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。     —————————————
  67. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 次に、請願を議題といたします。  第一一九三号豪雪災害救済対策に関する請願外四件の請願を議題といたします。  請願趣旨につきましては、お手元に配付いたしております資料をごらん願います。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  68. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 速記をつけて。  請願第一一九三号、第二六五〇号、第一六七二号、第二八七一号、第二八七一号の請願を採択して、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。  なお、報告書については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————
  71. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 継続調査要求についておはかりいたします。  災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  74. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 次に、委員派遣についておはかりいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、委員長にその取り扱いを御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後九時三十九分散会      —————・—————