○佐野廣君 私も、大臣にわざわざお出かけいただきました趣旨は、第一点に、いま
藤野先生がおっしゃった
関連工事の採択拡大等の問題でございますが、基本的な
災害対策に対する
政府としての御所見を承りたいと、かように存ずる次第でございます。個々のことは、またそれぞれ担当の皆さんにお聞きいたしますが、私は郷里が
島根県で、今回の
集中豪雨の一番激甚なところであるわけでございますが、今回のこの
豪雨災害が北陸とか山陰というふうな後進地域に襲ったということは、全く貧乏の上塗りの感があるのでございまして、天のいたずらも全く恨めしくなるわけでございます。
そこで、この間も参りましたら、加茂町という町がございますが、
流失家屋四十尺全
半壊五百戸という町でございますが、そこの一主婦が——女の主婦でございます——泣いて訴えましたことは、先生、夢の超特急もけっこうですが、これはごく恵まれた、限られた方々がお乗りになるのじゃございませんか。この赤川という
災害常襲
河川が年々
災害を受けて、この前は田に水が
浸水して米が一つもとれなかった。今回は
堤防がくずれて家は流されてしまいました。こういう
河川という、川というものが何十年来未解決のままで残されておるということが、先生、あるでございましょうか。涙ながらにこれを訴えられまして、私も、郷里でございますから、よく事情を知っておるわけでございますので、いや今回はぜひ直しますということで、まあかたく握手をかわしてまいったわけでございますが、これが、いま
藤野先生がおっしゃいましたように、幾たびも幾たびもこの愚かさを繰り返すということじゃなしに、今日ではすでにこの
河川にいたしましても、
道路、公共土木
施設あるいは
農地、
農業用施設、いずれにいたしましても、もうこの原形
復旧——それは必要なこともございましょうが、原形
復旧などということばは過去のものとして返上いたしまして、
改良復旧、もっとも、この
改良復旧の中にこの
災害関連工事も含まれておるということには相なっておりますけれども、これを大幅にひとつ取り上げるということでなければ、
災害は年女歳々繰り返されるじゃないか。しかも、大臣は今日のこの
政府を背負っておられますが、この抜本的
対策を立てますのに、高度経済成長というものが世界に誇るべきものであるというふうなことに相なっております今日、しかもまた、格差の是正ということが大きな命題となっておる今日におきましては、こういう僻地の後進性の強い
地方に対しまして、特にこの力強い、あたたかい施策というものが施されなければ、政治に対する信頼、
政府に対しまする期待、こういうふうなものは漸次失われていくのではないか。そこで、いまの
災害関連工事というものを大幅に、
財政的にも許される今日でございますから、大幅に取り上げて、いま
藤野先生が具体的に御指摘になりましたが、これの
採択基準をうんと拡大していただく、抜本的に拡大していただくという方向に、私は大臣の決意を表明していただきたい。そして、末端
市町村の
財政は今日豊かではございません、逼迫しておりまするから、これを
災害起債として認めて、国が元利補給をするような、そういう施策というものを行ないまして、この
市町村財政の負担の軽減、こういうふうな面に向かって補助金、
助成金等も、きめこまかにひとつ思い切ってやっていただきたい。こういうことを私は
建設大臣からお聞きしたいために、お出ましを願ったような次第でございますから、この際、こういう
災害を再び繰り返さない、こういう意味においての御発言を期待をいたしておる次第でございます。