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1964-04-14 第46回国会 参議院 建設委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月十四日(火曜日)    午後二時二分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     北村  暢君    理事            石井  桂君            稲浦 鹿藏君    委員            岩沢 忠恭君            熊谷太三郎君            高橋進太郎君            村上 春藏君            瀬谷 英行君            田中  一君            中尾 辰義君            田上 松衞君   政府委員    建設省河川局長 畑谷 正実君   事務局側    常任委員会専門    員       中島  博君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○河川法案内閣送付予備審査) ○河川法施行法案内閣送付予備審  査) ○連合審査会開会に関する件 ○参考人出席要求に関する件   —————————————
  2. 北村暢

    委員長北村暢君) ただいまから建設委員会開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会の結果を御報告いたします。  本日は、河川法案及び河川法施行法案逐条説明を聴取いたし、それに対する質疑を行ない、次に、参考人出席要求に関する件並びに連合審査会開会についておはかりすることで進めてまいります。   —————————————
  3. 北村暢

    委員長北村暢君) それでは本日の議事に入ります。  河川法案及び河川法施行法案を一括して議題といたします。  河川局長から逐条説明を願います。畑谷河川局長
  4. 畑谷正実

    政府委員畑谷正実君) ただいま議  題となりました河川法案につきまし て、逐条的に御説明申し上げます。第一章総則。  第一条。第一条は、この法案目的に関する規定でありまして、洪水その他の原因による災害発生を防止し、河川を適正に利用し、かつ、流水の正常な機能維持されるよう、河川を総合的に管理することによって、国土の保全開発に寄与し、もって公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することにあることを明らかにしました。  第二条。第二条は、河川管理は、その公共的性格に即して行なわれるべきことを規定したものであります。すなわち、河川公共用物であって、河川保全利用その他の管理は、第一条の目的が達成されるように適正に行なわれなければならないことを明らかにしました。  なお、現行河川法におきましては、河川の以上のような性格から河川についてはすべての私権が排除されることとなっておりますが、この法案におきましては、河川区域内の土地の一部には私権が存在することを認めております。しかし、これらの私権については、河川の適正な管理に必要な範囲においては、制限を受けることになっております。  第三条。第三条は、この法律における河川及び河川管理施設定義に関する規定であります。すなわち、河川とは第四条で政令指定された一級河川及び第五条で都道府県知事指定した二級河川をいい、河川管理施設を含むものといたしております。  第四条。第四条は、一級河川指定に関する規定であります。  一級河川とは、国土保全上または国民経済上特に重要な政令指定される水系にかかる公共水流及び水面である河川のうち、政令指定したものをいうこととしております。この指定にあたりましては、水系ごとに、河川の名称、その管理する区間を明らかにすることにいたしております。  なお、一級河川政令案を作成するにあたっては、建設大臣は、あらかじめ河川審議会及び関係都道府県知事意見を聞くことにいたしております。  第五条。第五条は、二級河川指定に関する規定であります。  二級河川とは、一級河川以外の水系公共利害に重要な関係がある水系にかかる河川都道府県知事指定したものをいうこととしております。以上のほか、二級河川指定をしようとする場合において、当該河川が他の都府県境界にかかるものであるときの関係都府県知事への協議及び一級河川と同様に公示の手続その他必要な事項規定しております。  第六条。第六条は、河川区域について定めた規定でありまして、河川流水が継続して存する土地、このような土地に類似しているような土地及び堤防等の敷地は、法律河川区域とし、堤防堤防との間の土地について右の区域と一体として管理する必要があるものとして河川管理者指定した土地河川区域とすることといたしました。  第七条。第七条は、河川管理者について定めた規定で、河川管理者とは、一級河川または二級河川管理する建設大臣または都道府県知事をいうこととしております。  第八条。第八条は、河川工事について定義を定めたものであります。  第二章。河川管理。  第一節通則。  本節は、一級河川及び二級河川管理者その他河川管理について通則的事項規定したものであります。  第九条。第九条は、一級河川管理者を定めた規定であり、一級河川管理建設大臣が行なうことといたしております。しかし、建設大臣が特に指定する区間につきましては、都道府県知事にその管理の一部を行なわせることとしております。都道府県知事に行なわせる管理の内容につきましては、政令規定することとしております。  なお、建設大臣区間指定するにあたりましては、あらかじめ、関係都道府県知事意見を聞くことといたしております。  第十条。第十条は、二級河川管理は、都道府県知事が行なうことといたしました。  第十一条。第十一条は、境界にかかる二級河川管理特例を定めた規定でありまして、二級河川の二以上の都府県境界にかかる部分については、協議して別に管理方法を定めることができることといたしました。  第十二条。第十二条は、河川現況台帳及び水利台帳の調製及び保管に関する規定であります。  第十三条。第十三条は、河川管理施設及び許可を受けて設置される工作物は、安全な構造のものでなければならないこと、また、特に主要なダム堤防等構造についての技術基準政令規定することといたしております。  第十四条。第十四条は、河川管理者は、特にその操作が、関係の地域に著しい影響を及ぼすダム・せき、水門等河川管理施設については、関係都道府県知事または関係市町村長意見を聞いて操作規則を定めなければならないものといたしました。  第十五条。第十五条は、二級河川について、河川管理者が、河川工事施行し、河川管理施設操作規則を定め、または河川使用に関する処分等を行なうことによって他の河川管理者管理する河川に著しい影響を及ぼすおそれがあると認められるときは、河川管理者は、あらかじめ、当該他河川管理者協議しなければならない旨の規定であります。  第二節河川工事等。  本節は、河川工事等について、工事実施基本計画及び従来に準じて兼用工作物原因者工事付帯工事洪水時における緊急措置等について必要な規定を整備いたしたものであります。  第十六条。第十六条は、工事実施基本計画に関する規定でありまして、河川工事水系を一貫した合理的な計画に従って行なわれることを確保するため、河川管理者は、計画高水流量その他河川工事実施についての基本となるべき事項を、水害発生状況並びに水資源利用現況及び開発を考慮し、かつ、国土総合開発計画との調整をはかって、あらかじめ政令で定める準則に従って定めておかなければならないことといたしました。  なお、建設大臣工事実施基本計画を定める場合には、あらかじめ河川審議会意見を聞かなければならないこととしております。  第十七条。第十七条は、河川管理施設と他の工作物相互効用を兼ねる、いわゆる兼用工作物について、その工事維持または操作について河川管理者及び他の工作物管理者は、協議によって行なうことができることとした規定であります。  第十八条・第十九条。第十八条及び第十九条ば、それぞれ、河川工事に関連する原因者工事及び付帯工事に関する規定でありまして、これらは現行法の例に準じております。  第二十条。第二十条は、河川工事または維持は、本来河川管理者が行なうのがたてまえでありますが、河川管理者以外の者でも河川管理者承認を得て、河川工事または維持を行なうことができる旨を規定したものであります。  第二十一条。第二十一条は、河川工事施行により当該河川に面する土地について生じた損失についての補償に関し、必要な事項を定めた規定であります。  第二十二条。第二十二条は、洪水時等における応急公用負担に関する規定でありまして、これにより、緊急時における水災の防御またはこれによる被害の軽減のため必要があるときは、必要な土地使用等河川管理者に対しその責務の遂行に必要な権限を付与しております。  なお、河川管理者の権限の行使によって物的損失を受けたり、業務に従事して負傷等をしたりした者があった場合の損失補償等に関して必要な事項を定めております。  第三節 河川使用及び河川に関する規制。第一款 通則。  本款は、河川使用及び規制について従来に準じて原則的な事項規定したものであります。  第二十三条。第二十三条は、河川流水を占用しようとする者は、河川管理者許可を要するものとした規定であります。  第二十四条。第二十四条は、河川区域内の土地を占用しようとする者は、その区域内の私有地等を除き、河川管理者許可を要することとしております。  第二十五条。第二十五条は、前条と同様に、河川管理者管理する河川区域内の土地において、土石及び政令指定する河川産出物を採取しようとする者は、河川管理者許可を要するものとした規定であります。  第二十六条。第二十六条は、現行河川法と同様、河川区域内の土地において工作物設置する場合には河川管理者許可を必要とする旨の規定でありますが、最近、河川河口付近の海面に水門その他の工作物が建設されるようになり、これが、河口部における河川管理に大きな影響を与えることにかんがみ、このような工作物設置についても本条の許可を要する旨をあわせて明定したものであります。  第二十七条。第二十七条は、河川区域内の土地における土地の掘さく等規制する規定でありまして、これらの行為河川管理に重大な影響を及ぼすため、政令で定める軽易な行為を除き、河川管理者許可を要することとしたのであります。  第二項は、土地の掘さく等河川管理上著しい影響を与えております実情にかんがみ、河川区域内の一定土地区域については、河川管理者は掘さく等許可をしてはならない旨の規定であります。  第二十八条。第二十八条は、河川における竹木の流送、舟またはいかだの通航につきましては政令または都道府県規則で、実情に即して規制を行なうことができる旨の規定であります。  第二十九条。第二十九条は、第二十三条から前条までの規定により規制しました行為以外の行為で、河川管理支障を及ぼすおそれのある行為につきましては、政令または都道府県規則で、規制できることとした規定であります。  第三十条。第三十条は、許可を受けて設置されたダム等工作物については、原則として、完成検査に合格しなければ使用できない旨の規定であります。  第三十一条。第三十一条は、河川管理者は、不用となった許可にかかる工作物等の除却、河川原状回復等を命ずることができる旨の規定であります。  第三十二条。第三十二条は、流水占用料土地占用料等につきまして、都道府県知事がこれを徴収し、当該都道府県の収入とすること及び流水占用料等の額の基準等に関して規定したものであります。  第三十三条・第三十四条。第三十三条は、第二十三条から第二十七条までの許可を受けた者の一般承継人等許可に基づく地位の承継に関する規定であり、第三十四条は、権利の譲渡等に関する規定であります。  第三十五条。第三十五条は、建設大臣は、一定水利使用に関する処分を行なう場合には従来どおり関係行政機関の長と協議しなければならないものとしたほか、土地の掘さく等許可を行なう場合に、それによって著しい影響を受ける事業があるときも、同様に協議しなければならない旨を定めたものであります。  第三十六条。第三十六条は、河川管理者は、一定水利使用に関する許可等を行なう場合には、地元の利害との調整をはかり、適切な河川管理を行なうため、関係地方公共団体の長の意見を聞かなければならないこととした規定であります。  第三十七条。第三十七条は、河川管理者は、委託があった場合には、許可を受けて設置される工作物に関する工事を行なうことができることとした規定であります。  第二款 水利調整。  本款は、最近における水利用緊要性にかんがみ、河川管理者水利使用許可に関し、既得権者と新規の水利権申請者との調整を行なわんとするものであります。  第三十八条・第三十九条。第三十八条は、河川管理者は、水利使用許可申請があったときは申請が却下すべき場合を除き、申請の概要を関係河川使用者に通知しなければならない旨を定めたものであり、第三十九条とあわせて関係河川使用者当該水利使用について意見申し出の機会を与えるための規定であります。  第四十条。第四十条は、河川管理者は、新たな水利使用許可により関係河川使用者損失を受けるものがあるときは、その同意がある場合を除き、新規水利にかかる事業既得水利にかかる事業に比し、公益性が著しく大である場合または損失防止施設設置すれば関係河川使用者事業実施支障がないと認められる場合でなければ、その許可をしてはならないものとした規定であります。なお、この場合において、建設大臣公益性が大であるという理由により新たな水利使用許可をしようとするときは、河川審議会意見を聞かなければならないものといたしました。  第四十一条。第四十一条は、水利使用許可により損失を受ける者があるときは、当該許可を受けた者がその損失補償すべきものとした規定であります。  第四十二条。第四十二条は、水利使用許可による損失補償については、許可を受けた者と関係河川使用者とが協議することとし、協議が成立しないときは、河川管理者裁定を求めることができる旨の規定であります。この場合河川管理者裁定については、その公正を期するため、あらかじめ、収用委員会意見を聞かなければならないものとし、また、その裁定に不服がある者は当事者の他の一方を相手方として訴訟を起こすことができるものといたしました。  第四十三条。第四十三条は、水利使用許可を受けた者は、原則として、協議または裁定にかかる損失補償した後でなければ、流水を貯留し、または取水してはならないものとし、その場合における補償金の供託について規定したものであります。  第三款 ダムに関する特則。  本款は、許可を受けて設置するダムについてその設置及び操作に関し河川管理上必要な限度において、規制を行なおうとするものであります。  第四十四条。第四十四条は、ダム設置により河川の状態が変化し、従前の河川が有していた機能が減殺される場合には、ダム設置者は、河川管理者の指示に従い、当該河川の従前の機能維持するために必要な施設を設け、またはこれにかわるべき措置をとるべき旨を規定したものであります。  第四十五条。第四十五条は、ダム設置する者は、政令で定める基準に従い、観測施設を設けて、水位、流量及び雨雪量を観測しなければならないこととしたものであります。  第四十六条。第四十六条は、ダム設置者は、必要な通報施設を設けて洪水発生し、または発生するおそれがある場合においては、観測の結果及びダム操作状況河川管理者及び関係都道府県知事に通報しなければならない旨の規定であります。  第四十七条。第四十七条は、ダム設置する者は、そのダム操作方法について操作規程を定め、または変更しようとする場合は、河川管理者承認を受けなければならないこととし、また、河川管理者承認する場合には関係都道府県知事意見を聞かなければならないこととしております。  第四十八条。第四十八条は、ダム操作によって、下流の水位等に著しく変動を生ずると認められる場合においては、ダム設置者は、関係都道府県知事等関係機関へ通知し、また、一般住民への周知徹底をはかるため必要な措置をとらなければならない旨を規定したものであります。  第四十九条。第四十九条は、ダム設置者洪水時におけるダム操作に関する記録の作成、保管及び河川管理者への提出等義務づけた規定であります。  第五十条。第五十条は、ダム設置者に、ダム維持操作その他の管理を適正に行なうため、一定の資格を有する管理主任技術者を置かせることとした規定であります。  第五十一条。第五十一条は、兼用工作物であるダムについて、河川管理者管理することとなった場合には、本款の規定をそのまま適用する必要はない場合もありますので、政令で特別の定めをすることができることとしたものであります。  第四款 緊急時の措置。  本款は、洪水時または渇水時における緊急措置に関して規定したものであります。  第五十二条。第五十二条は、河川管理者は、ダム設置する者に対して、洪水による災害発生を防止し、または軽減するため緊急の必要があると認める場合には、当該ダム操作について水系にかかる河川状況を総合的に考慮して必要な措置をとるべきことを指示することができる旨の規定であります。  第五十三条。第五十三条は、異常な渇水により、許可にかかる水利使用が困難となった場合には、水利使用調整について相互協議を行なうこと、当事者間の協議が成立しない場合には当事者申請があったとき、公共利益に重大な支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、河川管理者は、必要なあっせんまたは調停を行ない得ることといたしました。  第四節河川保全区域。  本節は、河川保全区域に関する規定でありまして、河川保全区域は、河岸及び河川管理施設保全をその目的とし、従来の河川附近地に相当するものであります。  第五十四条。第五十四条は、河川管理者は、河川区域に隣接する一定区域河川保全区域として指定することができるものとし、当該区域指定原則として河川区域境界から五十メートルをこえてしてはならないこととしております。  第五十五条。第五十五条は、河川保全区域内においては、土地の掘さくその他土地の形状を変更する行為及び工作物の新改築は、政令で定めるものを除き、河川管理者許可を要するものとした規定であります。  第五節河川予定地。  本節は、河川予定地に関する規定であります。  第五十六条。第五十六条は、河川管理者河川工事施行するため必要があると認めるときは、将来河川区域となるべき土地河川予定地として指定できることとし、また、その指定の時期は工事施行が確実となった日以後でなければならない旨規定しております。  第五十七条。第五十七条は、河川予定地内において、土地の掘さくその他土地の形状を変更する行為及び工作物の新改築は、政令で定めるものを除き、河川管理者許可を要するものとした規定であります。なお、これらの行為制限によって損失を受けた者がある場合には、その者に対して通常生ずべき損失補償することといたしております。  第五十八条。第五十八条は、河川予定地内の土地のうち、河川管理者買収等により権原を取得したものは、この法律の適用については河川区域内の土地と同様に取扱うこととする旨の規定であります。  第三章 河川に関する費用。  本章は河川に関する費用について規定しております。  第五十九条。第五十九条は、河川管理に要する費用負担原則を明らかにしたものでありまして、河川管理に要する費用につきましては、原則として、一級河川については国が、二級河川については都道府県負担することといたしました。  第六十条。第六十条は、一級河川管理に要する費用についての都道府県の分担に関する規定であります。まず、第一項は指定区間内で都道府県知事に委任された事項にかかるものを除き、一級河川管理に要する費用のうち改良工事に要する費用については、その三分の一を、改良工事以外の管理に要する費用については、その二分の一をそれぞれ地元都道府県負担することといたしております。  第二項は、一級河川指定区間内の管理都道府県知事に委任した場合の規定でありまして、この場合の河川管理費用は、当該都道府県負担するのを建前といたしまして、改良工事費については、国がその三分の二を負担することにいたしております。従来知事施行河川改良工事に対する国の負担割合は、ごく一部の例外を除いて最高二分の一であったのでありますが、それを一級河川におけるものについては前項の建設大臣施行の場合と同率に引き上げたわけであります。  第六十一条。第六十一条は、指定区間内の一級河川の修繕に要する費用の補助に関する規定であります。すなわち、一級河川指定区間内で都道府県知事が行なう修繕工事に要する費用については、国がその三分の一以内を補助することができる旨を新たに規定したものであります。  第六十二条。第六十二条は、二級河川改良工事費については、国が二分の一をこえない範囲内でその一部を負担することを規定したものであります。  なお、以上のほか、一級河川及び二級河川改良工事等費用負担につきましては、昭和四十四年度までは、以上述べましたところの特例経過措置として、河川法施行法案規定しております。  第六十三条。第六十三条は、河川工事その他の河川管理によって地元都府県以外の都府県が著しく利益を受ける場合には、従来と同様に、その地元都府県負担する費用の一部を利益を受ける他の都府県に受益の限度において負担させることができる旨規定したものであります。  第六十四条。第六十四条は、建設大臣が行なう河川管理に要する費用に対する都道府県負担金又は都道府県知事が行なう河川管理に要する費用に対する国等負担金の納付または支出に関する規定であります。  第六十五条。第六十五条は、二級河川の二以上の都府県境界部分について、第十一条の規定により関係都府県知事協議して別に管理方法を定めたときは、その費用についても、同様に、関係都府県知事協議してその分担すべき金額等を定めることができる旨規定したものであります。  第六十六条から第七十一条。第六十六条から第七十一条までは、他の工作物効用を兼ねる河川管理施設、いわゆる兼用工作物費用原因者負担金付帯工事に要する費用河川管理者以外の者が行なう工事等に要する費用受益者負担金等に関する規定でありまして、従来に準じて規定しております。  第七十二条。第七十二条は、原因者負担金受益者負担金等の帰属に関する規定でありまして、これらは、建設大臣負担させるときは国、都道府県知事負担させるときはその都道府県の収入とすることにいたしました。  第七十三条。第七十三条は、この法律、この法律に基づく政令又は都道府県規則等による義務の履行に要する費用は、その義務者負担とする旨の規定であります。  第七十四条。第七十四条は、この法律、この法律に基づく政令又は都道府県規則等による各種負担金または流水占用料等につき納付の義務を怠る者がある場合における督促及び強制徴収に関する規定であります。  第四章 監督。  第七十五条。第七十五条は、河川管理の適正を期するための河川管理者監督処分に関する規定でありまして、第一項は、河川管理者は、法令または許可条件等に違反し、または不正な手段によって許可または承認を受けた者等に対し、許可の取り消し、その効力の停止、行為中止等処分をなし得ることを規定し、第二項は、本法による適法の許可または承認を受けた者に対し河川状況の変化等一定の理由がある場合には同様の処分をなし得ることを規定したものであります。  第七十六条。第七十六条は、前条第二項の監督処分に伴う損失補償についての規定でありまして、河川工事のためやむを得ない必要またはその他の公益上やむを得ない必要により監督処分をした場合における損失補償を定めたものであります。  第七十七条。第七十七条は、河川監理員に関する規定でありまして、河川管理者は、その職員のうちから河川監理員を命じ、この法律等による処分の違反者に対して、その違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を指示する権限を行なわせることといたしました。  第七十八条。第七十八条は、建設大臣または河川管理者は、許可等を受けた者から、河川管理上必要な報告を求め、または事務所等に立ち入って必要な検査を行ない得る旨の規定であります。  第七十九条。第七十九条は、河川管理する都道府県知事に対する建設大臣の監督に関する規定でありまして、一級河川指定区間または二級河川について、それぞれ河川管理上重要な事項については、建設大臣の認可を要することといたしております。  第五章 河川審議会及び都道府県河      川審議会。  第八十条。第八十条は、河川審議会設置に関する規定でありまして、河川審議会を建設省に設置することとし、河川審議会建設大臣の諮問に応じ、一級河川指定河川に関する重要事項について調査審議するとともに、これらの事項について関係行政機関に意見を述べることができるものといたしました。  第八十一条・第八十二条。第八十一条及び第八十二条は、河川審議会委員及び会長に関する規定であります。  河川審議会委員は三十人以内で、学識経験者、関係行政機関の職員及び地方公共団体の長のうちから建設大臣が任命し、会長は、委員の互選によって定めるものといたしました。  第八十三条。第八十三条は、特定の河川に関する事項を調査審議するため必要があるときは、河川審議会に特別委員を置くことができる旨の規定でありまして、特別委員は、当該事項に関する学識経験者並びに当該河川関係のある地方公共団体の長及び議会の議員のうちから建設大臣が任命することといたしました。  第八十四条。第八十四条は、河川審議会の部会に関する規定であり、水利調整部会その他必要な部会を置くことができることとしました。なお、審議会は部会の決議をもって審議会の決議とすることができる旨を規定しました。  第八十五条。第八十五条は、以上のほか、河川審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定めることといたしました。  第八十六条。第八十六条は、二級河川に関する重要事項を調査審議するため、都道府県に、条例で都道府県河川審議会を置くことができることとしております。  第六章 雑則。  第八十七条。第八十七条は、一級河川、二級河川指定等及び許可事項に関する政令の改廃等の際現に権原に基づき、この法律規定により許可を要する行為を行ない、またはその設置について許可を要する工作物設置している者につきましては、その既存の権利を尊重いたしまして、従前と同様の条件によりこの法律による許可を受けたものとみなして取り扱うこととした規定であります。  第八十八条。第八十八条は、前条の規定により許可を受けたものとみなされる者で政令で定めるものに対し必要な事項の届け出義務を課したものであります。  第八十九条。第八十九条は、建設大臣都道府県知事等が一級河川、二級河川指定等のための調査及び河川工事その他河川管理を行なうため必要がある場合の土地への立ち入り、土地の一時使用に関し、その権限、手続及び補償について定めたものであります。  第九十条。第九十条は、この法律規定に基づく許可または承認には、必要な条件を付することができることとし、かつ、その条件は、河川管理上必要最小限度のものに限り、不当な義務は課してはならないことといたしました。  第九十一条から第九十四条までは、廃川敷地等に関する規定であります。  第九十一条。第九十一条は、河川区域の変更または廃止があった場合、従前の河川区域内の国有地及び河川管理施設は、一定の期間、従来その河川管理していた者に管理させることといたしました。  第九十二条。第九十二条は、必要に応じて、廃川敷地等と新たに河川区域となる土地を交換できることといたしました。  第九十三条。第九十三条は、建設大臣は、二級河川の廃川敷地等で交換されなかったものは、大蔵大臣と協議の上、国有財産として存置する必要があるものを除いて、都道府県に譲与できることといたしたものであります。  第九十四条。第九十四条は、廃川敷地等の管理費用負担と収入の帰属を定めたもので一級河川にかかわるものは国、一級河川指定区間及び二級河川にかかわるものは都道府県といたしたものであります。  第九十五条。第九十五条は、国が行なう事業に関するこの法律許可または承認に関する規定の適用については、その地位の特殊性にかんがみ、国と河川管理者との協議が成立することをもって許可または承認があったものとする趣旨の規定であります。  第九十六条。第九十六条は、道の特例に関する規定でありまして、現行法とほぼ同じ趣旨のものであります。費用負担河川管理者の権限については政令で特別の定めをすることといたしております。  第九十七条。第九十七条は、不服申し立ての特例に関する規定であります。  第一項は、洪水時における緊急措置としての河川管理者土地使用等は、その性質上不服申し立ての制度に即しないものでありますので、その旨を明らかにしたものであります。  第二項は、兼用工作物に関し不服申し立ての審査庁及び異議申し立てを規定したものであります。  第三項は、土地の占用の許可等この法律規定に基づく処分に関する不服のうち、鉱業または採石業との調整に関するものにつきましては、土地調整委員会に裁定申請することができることとしたものであります。  第九十八条。第九十八条は、この法律による建設大臣の権限の一部は、地方支分部局の長に委任することができる旨を定めたものであります。  第九十九条。第九十九条は、河川管理者は、水門等河川管理施設維持操作等を地元の地方公共団体に委託することができることとしたものであります。  第百条。第百条は、一級河川及び二級河川の属する水系以外の水系にかかわる河川で、市町村長が指定したものについて二級河川に関する規定を準用し、市町村長が河川使用等の規制等の管理を行なうことができることとした規定であります。  第百一条。第百一条は、特にこの法律で定めるもののほか、この法律実施のため必要な事項ば、政令で定めることができることとしました。  第七章 罰則。  第百二条−第百九条。第百二条から第百八条までは、許可を受けずに流水を占用し、工作物設置する等本法の各規定に違反した場合における罰則の規定でありまして、第百九条は、第二十八条等の規定に基づく政令または都道府県規則についての罰則に関する規定であります。  附則。次に附則でありますが、この法律は、昭和四十年四月一日から施行することといたしました。ただし、第五章の河川審議会に関する規定は、一級河川指定等この法律施行するため必要な準備行為がありますので、公布の日から施行することといたしました。  なお、この法律施行に伴う必要な措置につきましては、別途河川施行法を制定いたしまして、これによることといたしました。  以上が河川法の逐条説明でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。  次に、ただいま議案となりました河川法施行法案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。  第一条。第一条は、新河川法の施行に伴い現行河川法を廃止することとしております。  第二条。第二条は、現行河川法が廃止された際に現行法による適用河川及び準用河川は、新法の規定により一級河川指定されるものを除きまして、すべて二級河川になることといたしまして河川管理支障のないようにいたしております。  第三条。第三条は、新法の施行の際に現に存する河川区域は、一定の期間内は、新法の規定による河川区域として取り扱うこととしております。  第四条。第四条は、現行河川法におきましては、河川の敷地、付属物及びその敷地は原則として私権目的となることができないこととされておりますが、新法におきましてはこのたてまえを改めましたことに伴い、これら私権目的となっていない河川の敷地等は、新法の施行の際に国に帰属させることとしております。  第五条。第五条は、一級河川改良工事に要する費用負担につきまして、この費用の国の負担割合は新河川法において三分の二となっておりますのを、昭和四十五年三月三十一日までに施行される一級河川改良工事につき、四分の三に引き上げることとしております。  第六条。第六条は、建設大臣現行河川法に基づいて直轄の管理または直轄の維持修繕を行なっている河川につきましては、新法施行後その河川が二級河川となった場合におきましても、昭和四十四年度までの間は建設大臣管理し、または維持修繕を行なうことができることとし、これに要する費用負担については、従前の費用負担に関する規定はなお効力を有することとしております。  第七条。第七条は、新法の施行の際建設大臣現行河川法に基づいて直轄工事施行している河川につきましては、その河川が二級河川となった場合におきましても、昭和四十四年度までの間は、建設大臣みずから工事を行なうことができることといたしました。この場合の費用負担につきましても、新河川法によれば国の負担割合は二分の一でありますが、従前の例によって三分の二としております。  第八条。第八条は、前二条の規定により建設大臣が直轄工事等を行ない、国が費用の全額を負担する北海道内の指定河川につきましては、その河川から生ずる流水占用料等の収入は、従前の例によって国に帰属させることとしております。  第九条。第九条は、新法の施行前に公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の規定により事業費の決定があった河川災害復旧事業都道府県知事が行なっているものにつきましては、その河川一級河川となった場合におきましても、その工事が完了するまでの間は引き続き都道府県知事が行なうことができることとしております。  第十条。第十条は、新法施行の際に現行河川法第九条の規定に基づく命令により市町村長が行なっている河川に関する工事につきましては、その工事が完了するまでの間は引き続き市町村長が行なうこととし、その工事に要する費用につきましては、従来どおり当該市町村に分担させることができることとしております。  第十一条。第十一条は、昭和三十九年度以前の予算で行なう河川に関する工事昭和四十年度以降に繰り越されるものに要する費用につきましては、国及び都道府県は従前の負担割合負担することとしております。  第十二条。第十二条は、現行の河川堰堤規則に基づき都道府県知事に届け出ている堰堤操作に関する規程は、新法により河川管理者承認を受けて定めた操作規程とみなすこととし、あらためて承認を受けることを要しないこととしております。  第十三条。第十三条は、現行河川法に基づき河川付近地として指定されております土地区域は、河川区域となるものを除きまして、新法の規定による河川保全区域としての指定があったものとみなすこととしております。  第十四条。第十四条は、現行河川法に基づき河川予定地として指定されている土地は、新法の規定による河川予定地指定があったものとみなすこととしております。  第十五条。第十五条は、現行河川法に基づいて行なっている河川に関する工事または維持についての市町村、工事原因者、受益府県の負担金または受益者に対する賦課金の徴収及び帰属につきましては、新法施行後もなお従前の例によることとしております。  第十六条。第十六条は、現行河川法第二十三条第一項等、河川予定地制限令または河川付近地制限令に基づいて都道府県知事等が行なった処分によって生じた損失補償については、従前の例によって行なうこととしております。  第十七条。第十七条は、新法の施行前に公用を廃止した河川敷地等の処分につきましては、新法の規定によらず従前の例によって行なうこととしております。  第十八条・第十九条。第十八条及び第十九条は、第四条の規定により新法の施行の際に国に帰属した河川敷地等で、現行河川法により河川敷地等となる以前に私人が所有していたものにつきましては、新法施行後に廃川敷地等となった場合においても、従前の所有者に無償で譲与すること及び新法施行後も原則として従前の所有者に占用を許可し、占用を認めない場合には補償をすべきこととしております。  第二十条。第二十条は、第三条及び第十二条から第十六条までに規定する場合を除くほか、新法の施行前に現行河川法に基づいて行なった処分、手続その他の行為につきましては、新法中にこれらに相当する規定がある場合は従前どおりその効力を認めることとしております。  第二十一条。第二十一条は、新法の施行前に現行河川法またはこれに基づく命令の規定に違反した行為に対する罰則の適用につきましては、従前の例によることとしております。  第二十二条。第二十二条は、一級河川一級河川指定区間または二級河川指定その他の新法を施行するため必要な準備行為は、新法の施行前においても行なうことができることとしております。新法の円滑な施行を期する趣旨の規定であります。  第二十三条。第二十三条は、この法律に定めるものを除くほか、新法及びこの法律施行に伴い必要な経過的措置につきましては、政令で定めることとしております。  第二十四条−第五十六条。第二十四条から第五十六条までは、新法の施行に伴い必要な砂防法、建設省設置法等の関係法律の整理に関する規定であります。  附則。附則におきましては、この法律は新法の施行の日、すなわち昭和四十年四月一日から施行することといたしました。ただし、新法の施行のため必要な準備行為に関する第二十三条及び建設省設置法の一部改正に関する第二十五条の規定は、一級河川指定等この法律施行するため必要な準備に関する規定でありますので、公布の日から施行することとしております。  以上が河川施行法の逐条説明でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  5. 北村暢

    委員長北村暢君) ただいま聴取いたしました逐条説明に対し、御質疑のある方は、順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  6. 北村暢

    委員長北村暢君) 速記を起こして。
  7. 熊谷太三郎

    熊谷太三郎君 簡単な問題でございますが、受益府県それから市町村の問題でございますね、これらの負担についてときどき問題が起こると思うんですが、府県ということになりますと、わりあいにその場合は少ないのですが、市町村ということになりますと、道路の場合もそうですが、よくなった、改良した道路の直接の受益者というようにみなされて、その負担金を取られるんですが、実際、それによって利益を受けるのは、その地元、地ががりよりも通る人のほうが先に利益を受けるというような関係になるので、ときどき問題になるんですが、ことに河川の場合は、その区間がよくなることによって、むしろその区間よりは上流の排水がよくなって利益を受けるのは上流だというようなもので、われわれが市長をしておりましたときには、ずいぶんそういう負担問題で紛糾したことがございますが、大体、受益と府県——二県以上にまたがる府県というようなことになりますと、そういうような府県の場合にも、そういうことが起こると思うのですね。実際、工事施行される区域は他の府県であっても、それによって利益を受ける県は施行されなくても受けるといったようなことになると思う。ことに、市町村がその負担を受け持つ場合には、非常にそういう関係が複雑になってくると考えるんですが、そういう点、何かお考えはおありでありますか。やっぱり直接工事施行する区域の市町村なり府県なりを受益府県なり受益の市町村とみなされるというお考えに変わりは……。あるいは今後そういうことについてお考えになるなにはありませんか。
  8. 畑谷正実

    政府委員畑谷正実君) その問題については、従来からいろいろあるのですけれども、ただ新しい河川法の制定について、特にそういう問題は別な観点から考えていくというつもりはしておりません。問題としては従来もいろいろありまして、いろいろなそういう問題については、またさらに検討していきたいと思っております。
  9. 熊谷太三郎

    熊谷太三郎君 これと直接関係はないかもしれませんが、非常に末端にいくとそういう問題が今後も起きると思いますので、この改正には直接関係はないとしましても、将来ひとつ御考慮になっていただきたいと、これだけひとつ申し上げておきます。
  10. 北村暢

    委員長北村暢君) 他に御発言はありませんか。——御発言がなければ本日はこの程度にとどめます。   —————————————
  11. 北村暢

    委員長北村暢君) 次に、連合審査に関する件についておはかりいたします。  逓信委員会に付託されております電波法の一部を改正する法律案について、同委員会に対し連合審査会開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 北村暢

    委員長北村暢君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 北村暢

    委員長北村暢君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。   —————————————
  14. 北村暢

    委員長北村暢君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  河川法案及び河川法施行法案の審査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 北村暢

    委員長北村暢君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 北村暢

    委員長北村暢君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十五分散会    ————・————