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説明員(野崎清敏君) 経緯につきまして御説明申し上げます。
先ほど営繕
局長あるいは
文化財保護委員会の
事務局長から大体の御説明があったわけでございますが、先ほど話にございましたように、
東京都市
計画の一団地の官公庁施設といたしまして、霞ケ関団地が設定されておるわけでございます。それが都市
計画決定に相なっておるわけでございます。その都市
計画境域内に民有地があるわけでございます。たまたまいま
お話の出ております王さんの持っておられる土地が百二十数坪、国立劇場として予定されております
地域内に民有地として存在をいたしておるわけでございます。この土地につきまして、王さんのほうでこれを活用したいというお気持ちのもとに、いろいろこれを売ってほしい、また、必ず来年度予算に要求してほしいということをはっきりしてほしい、それがはっきりした文書を銀行に提出することによっていろいろな金繰りがつくから、これを何とか証明してくれという
お話があったわけでございます。
私
どもといたしましては、先ほど営繕
局長から御説明申し上げておりますように、この国立劇場につきましては、文部省所管予算に相なっておりまして、文部省から支出委任を受けて現在
建設を催促しておるわけでございます。したがいまして、この用地の
取得につきましても、文部省所管予算として計上されまして、そして、この後に
建設省に支出委任されるという筋合いのものに相なっておるわけでございます。したがいまして、この土地に対する予算要求につきましても、
建設省から予算要求をすることができませんので、文部省のほうで予算要求をしてもらうように文部省のほうに
お話しいただきたいということを王さんに申し上げたわけであります。そういった趣旨で、先ほど
事務局長から
お話がありましたように、王さんが
事務局長のところに行かれたわけであります。その後また王さんが、文化財のほうの文書の写しを持ってこられたわけであります。
その文面を見ますと、先ほど
お話がございましたように、前文において、将来国立劇場用地としての使用を希望いたしておりますというようなのが本文に相なっておりまして、ただし、ということを申し添えてあるわけであります。やむを得ないという文言が申し添えてあるわけであります。したがいまして、私
どものほうにおきましては、この都市
計画を決定いたします際は、国立劇場用地として必要であるという前提に立ちまして都市
計画の決定をいたしたわけでございますので、必要であるという前提が変わらない限り、これに対する
計画決定の
変更はなかなか困難ではなかろうかというふうな感じがいたしておるわけであります。しかしながら、後段のただし書きが出ておりますので、それらの点について今後どう考えていくべきかという点につきましては、われわれといたしましてさらに
検討を加えたい、かようには考えておりますが、現段階におきましては、そのままの文書だけではなかなか解決は困難じゃないか。特に、先ほ
ども営繕
局長から申し上げましたように、本年一月
計画変更いたしたばかりでございます。この一月に
変更いたします際も、文部省がやはり必要だという前提で
計画決定を残したわけであります。したがって、その前提が何ら
変更になっておりません現在におきましては、なかなか
計画変更は困難ではなかろうか。しかしながら、もちろん、私たちは
事務的にこれを
計画変更するとかしないとかいう筋合いのものではございません。都市
計画審議会なり官公庁施設審議会なりに御相談申し上げた上で決定することでありますが、そういった手続に付するかどうかということをさらに
検討いたしたいということであります。そういったことでございまして、私
どもといたしましては、この
計画変更はなかなか困難なのではないかというふうに考えておるわけであります。
しかしながら、文部省のほうでどうしてもほしいということになりますれば、これはやはり民有地を買収するなり、また、別のところでもやっておりますが、他の国有地と交換するなり、二つしかないわけであります。したがいまして、まず第一の買収の方法につきましては、文部省のほうで予算要求をするかしないかの腹をきめていただくより方法がないわけであります。私
どものほうでは、いかんともしがたいのであります。さらに、交換の問題につきましては、できるだけ私
どものほうでも
推進をいたしていきたい、かように考えておったわけであります。したがいまして、私
どものほうの担当課長と、それから文化財の無形文化課長ととも
ども国有財産局のほうにお願いいたしまして、交換の
促進方をお願いしたわけであります。しかしながら、これの換地のいい換地先があるかどうかにつきましては、私
どもわかりませんしするので、国有財産局のほうで十分
検討していただきまして、できるならばこういった
方向にも
——買収の
方向と交換の
方向と、両方相進めつつ解決をしてまいりたい、かように考えて、いろいろ王さんとも
お話を進めてまいったわけでございます。そういった経過で今日にまいったわけでございます。
できるならば、国立劇場として全くこの
計画を放棄してしまうということに相なりますならば、また
情勢は変わってくるかと思います。現在の現段階におきまして、国立劇場用地として相変わらず使いたいというふうにお考えいただいております
関係上、なかなか私
どもとしての解決策が困難であるということが実情であるわけであります。