運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-02-19 第46回国会 参議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月十九日(水曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   委員異動  二月十八日   辞任      補欠選任    鬼木 勝利君  二宮 文造君    北條 雋八君  渋谷 邦彦君  二月十九日   辞任      補欠選任    前田 久吉君  谷口 慶吉君    渋谷 邦彦君  浅井  亨君   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     横川 正市君    理事            岡村文四郎君            佐藤 芳男君            山崎  斉君            横山 フク君            相澤 重明君            小酒井義男君    委員            川野 三暁君            北口 龍徳君            鈴木 恭一君            谷口 慶吉君            坪山 徳弥君            仲原 善一君            西田 信一君            野知 浩之君            二木 謙吾君            谷村 貞治君            大森 創造君            佐野 芳雄君            杉山善太郎君            浅井  亨君            天田 勝正君   政府委員    運輸政務次官  田邉 國男君    運輸大臣官房会    計課長     上原  啓君    運輸省海運局次    長       澤  雄次君    運輸省船舶局長 藤野  淳君    運輸省港湾局長 比田  正君    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部長 向井 重郷君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局第三局長  小原  剛君    会計検査院事務    総局第五局長  白木 康進君    日本国有鉄道総    裁       石田 礼助君    日本国有鉄道常    務理事     遠藤 鉄二君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十六年度一般会計歳入歳出決  算、昭和三十六年度特別会計歳入歳  出決算昭和三十六年度国税収納金  整理資金受払計算書昭和三十六年  度政府関係機関決算書(第四十三回  国会内閣提出) ○昭和三十六年度物品増減及び現在額  総計算書(第四十三回国会内閣提出) ○昭和三十六年度国有財産増減及び現  在額総計算書(第四十三回国会内閣  提出) ○昭和三十六年度国有財産無償貸付状  況総計算書(第四十三回国会内閣提  出)   —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告をいたします。  昨二月十八日、鬼木勝利君及び北條雋八君委員辞任され、その補欠として二宮文造君及び渋谷邦彦君が選任されました。また、本日前田久吉君が委員辞任され、その補欠として谷口慶吉君が選任されました。   —————————————
  3. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、昭和三十六年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。  本日は、運輸省及び日本国有鉄道決算につきまして審査を行ないます。まず、運輸省決算につき、説明を求めます。田邊運輸政務次官
  4. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) 昭和三十六年度運輸省における決算大要について御説明申し上げます。  まず、各会計支出済み歳出額の総額を申し上げますと、一般会計は四百九十八億三千三百七十四万円、木船再保険特別会計は一億五千八百九十九万八千円、自動車損害賠償責任保険特別会計は四十一億一千四百十一万五千円、港湾整備特別会計は二百六十億七千三百七十五万七千円であります。  以下部門別重点施策について、順次御説明申し上げます。   まず、海運関係について申し上げますと、おもな事項といたしましては、  第一に、わが国海運国際競争力強化するとともに、海運企業金利負担を軽減し、海運企業の基盤を強化するため、外航船舶建造融資利子補給として、日本興業銀行外六十一行に対し六億八千七百八十二万四千円を支給いたしました。これは日本郵船株式会社外三十八社の外航船舶建造融資について行なわれたものであります。  第二に、三国間輸送助成金として、日本郵船株式会社外十四社に対し四億五千九百九十七万五千円を交付いたしました。これにより、三国間輸送促進してわが国海運発展と外貨の獲得をはかりました。  第三に、移住船運航費補助として、大阪商船株式会社に対し一億四百五十一万円を交付いたしました。これにより、わが国移住計画に基づく移住者輸送の円滑な遂行をはかりました。  第四に、離島航路整備法に基づき、二十八航路を経営する事業者に対し、離島航路補助として三千四十一万円を交付するとともに、離島航路用船舶建造及び改造資金貸し付けに対する利子補給として既契約七隻分に対し百十二万八千円を支給いたしまして、離島航路輸送力整備し、民生の安定と向上に寄与いたしました。  次に、港湾関係について申し上げますと、  第一に、国民所得倍増計画に対応する港湾整備事業促進をはかるため、港湾整備特別会計において二百六十億七千三百七十五万七千円を支出いたしました。  本特別会計港湾整備勘定及び特定港湾施設工事勘定に区分され、港湾整備勘定においては百八十六億二百十八万四千円を支出し、直轄港湾改修事業として横浜港外八十七港、港湾改修補助事業として東京港外三百八十港を実施したほか、離島港湾事業伊勢湾高潮対策事業特別失業対策事業国土総合開発事業奄美群島復興港湾事業並びに受託工事を実施し、特定港湾施設工事勘定においては七十四億七千百五十七万三千円を支出し、輸出港湾施設工事関係として大阪港外二港、石油港湾施設工事関係として千葉港外二港、鉄鋼港湾施設工事関係として横浜港外十二港、石炭港湾施設工事関係として苫小牧港外八港並びに受託工事を施行し、工業開発外国貿易促進及び地域格差是正に寄与するとともに、輸送力増強をはかり、産業の発展に貢献いたしました。  第二に、港湾及び海岸防災事業の推進をはかるため、一般会計において八十六億一千七百十六万七千円を支出いたしましたが、うち十一億二千二百五十三万七千円を港湾整備特別会計へ繰り入れるとともに、海岸事業として東京港外百九港、伊勢湾高潮対策事業として、名古屋港外三十一港、港湾施設災害復旧事業として、過年災害分六百五カ所、当年災害分五百九十四カ所を実施したほか、新潟地盤沈下対策事業チリ地震津波対策事業特別失業対策事業離島振興事業国土総合開発事業港湾施設災害関連事業を施行し、海岸防災施設整備海岸及び港湾災害復旧促進いたしました。  次に、鉄道関係について申し上げますと、  第一に、日本国有鉄道新線建設費補助として、三億八百七十五万円を交付して日本国有鉄道昭和三十五年度美幸線外二十六線の新線建設に要した資金の一部について補助し、国鉄輸送力増強促進いたしました。  第二に、地方鉄道軌道整備をはかるため、地方鉄道軌道整備法に基づき、新線鉄道筑豊電気鉄道株式会社外二社に対する補助として一千八十六万一千円、赤字鉄道寿都鉄道株式会社外一社に対する欠損補助として、四百二十六万五千円を交付いたしました。  次に、自動車関係について申し上げますと、自動車事故防止対策一環として自動車車両検査登録機能充実をはかるため、二億二千百七十万七千円を支出いたしました。これにより、最近における自動車数の著しい増加に対処し、東京多摩地区車検場新設したのをはじめ、既設車検場十一カ所の増強整備を行なう等、自動車検査登録機能合理化及び能率化を推進いたしました。  次に、航空関係について申し上げますと、  第一に、国際空港整備をはかるため、東京国際空港につきましては、滑走路新設敷地造成工事費等として十五億六千七百三万一千円を支出し、また、大阪国際空港につきましては、空港レーダー整備等として八千百十七万一千円を支出いたしました。  第二に、国内空港整備をはかるため、七億三百三十一万一千円を支出いたしまして、昭和三十六年度において新たに整備に着手いたしました花巻空港を含め二十空港整備促進をはかり、八丈島外空港新規整備及び釧路外空港の一部改良工事を完成いたしました。  また、国内航空事業助成をはかるために、全日本空輸株式会社外一社に対し二千万円を交付して航空安全対策一環といたしました。  第三に、航空交通管制業務整備強化をはかるために、一億七千八十九万七千円を支出し、航空交通管制本部移転の一部を行なうとともに、佐倉外一カ所の超短波全方向式無線標識整備等を実施いたしました。  次に、観光関係について申し上げますと、  第一に、国際観光事業振興をはかるため、特殊法人日本観光協会に対し二億八千二百六十三万九千円を交付いたしました。これにより、ロンドン及びシドニーに海外事務所新設するとともに、海外宣伝資料作成費を増額するなど、日本観光協会海外宣伝活動整備充実をはかりました。  また、内外青少年健全旅行のための宿泊施設であるユースホステル整備促進するため、ユースホステル整備費補助金として三千二百四十五万八千円を交付いたしました。これにより、千葉県外五カ所の地方公共団体においてユースホステル建設されました。  次に、海上保安関係について申し上げますと、  第一に、海難救助体制海上治安強化をはかるために、七億一千五百九十三万円を支出いたしまして、老朽巡視船艇の代替として七隻を建造するとともに、鹿児島に第十管区海上保安本部航空基地新設巡視船機動力と装備の強化及び老朽通信施設改良改修等を行ないました。  第二に、船舶航行安全確保に関する体制強化をはかるために、航路標識整備費として八億一千五百九十九万四千円、水路業務整備拡充に必要な経費として六千二百四十二万八千円を支出いたしました。これにより、燈台八十六基、霧信号所一カ所、浮標二十六基、電波標識六局の新営と老朽航路標識改良改修を行なうとともに、水路業務については、電子計算機等整備本州南方海域海上磁気測量を実施いたしました。  次に、気象関係について申し上げますと、  第一に、防災気象業務整備をはかるため、六億三千三百三十九万四千円を支出いたしました。これにより、函館・新潟気象用レーダー東京湾自動応答式無線ロボット装置新設して台風対策強化し、札幌外八カ所に電磁式地震計及び感震器八丈島外二カ所に津波用無線ロボット検潮儀整備して地震津波対策強化いたしますとともに、水理水害対策として室牧川、庄川、由良川流域及び北海道網走支庁観測通報施設整備し、さらに、農業気象業務につきましては、山形県の一部及び岩手県に観測通報施設整備いたしました。  第二に、基礎的気象業務整備強化をはかるため、三億五千四百八十五万四千円を支出いたしまして、無線模写放送施設整備主要通信線テレタイプ化をはじめとする気象通信施設整備拡充を行なうとともに、瞬間風速計整備等を実施いたしました。  次に、科学技術関係について申し上げますと、  第一に、科学技術応用研究費補助金として、五千五百万円を超高速優秀商船運航性能に関する研究外三十件の研究に対し交付いたしました。  第二に、運輸技術研究所研究促進研究施設拡充強化をはかるため、二億二千四百九万五千円を支出して、前年度に引き続き、原子力船開発研究を実施するとともに、超高速優秀商船構造法研究等を行ないました。  最後に、昭和三十六年度決算不当事項について御説明申し上げます。  当運輸省不当事項につきましては、査定適正化中間検査励行等指導監督強化により、その発生防止に努力しております。なお、若干の事例がありましたことはまことに遺憾とするところであります。  指摘されました査定の適正を欠く事項につきましては、減額是正をなし、出来高不足並びに出来高不良については、手直し工事及び補強工事を実施し、余分のしゅんせつ工事については、国庫負担金から除外して是正をはかりました。  今後、なお一そうの注意と監督の徹底をはかりこれが絶滅を期する所存であります。  以上が、昭和三十六年度運輸省関係決算大要でございます。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
  5. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に、会計検査院当局から、検査報告を聴取いたします。小原第三局長
  6. 小原剛

    説明員小原剛君) 運輸省所管事項について御説明いたします。  同省の三十六年分決算についての検査は、一般会計及び港湾整備特別会計直轄工事及び補助工事をおもに検査いたしました。その結果、検査報告に不当として掲記いたしましたものは、三件でございまして、いずれも港湾関係にかかわる補助事業でございます。  その内容は、報告書の七八ページに掲げてございますように、工事の施行が設計と相違し、目的を達していないもの、工事出来高不足しているもの、国庫負担対象とするにはふさわしくない工事費国庫負担対象としているものでございます。  また、三十六年発生災害復旧事業に対する早期検査は、運輸省査定額八十六億余万円のうち査定額の多い七県を選びまして実施いたしました。その結果、査定工事費が過大と認められるものがございましたので、運輸省に注意いたしましたところ、十八工事について二千万円以上査定額から減額されました。  その内容は、七九ページの表に掲げてあるとおりでございます。  以上検査報告に掲げましたもののほか、特に申し上げることはございません。  簡単でございますが、説明を終わります。   —————————————
  7. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に、日本国有鉄道決算について説明を求めます。石田日本国有鉄道総裁
  8. 石田礼助

    説明員石田礼助君) 昭和三十六年度日本国有鉄道決算について、大要を御説明申し上げます。  昭和三十六年度における収入は、運賃改定と前年度に引き続く経済高度成長を反映して好調に推移し、旅客貨物収入とも予算を大幅に上回り、年度後半からとられた景気調整策にもかかわらず、輸送人員で、対前年比約三%増、輸送トン数で、対前年比六%増となり、旅客収入貨物収入とも好景気の影響が顕著にあらわれております。  他方支出面におきましては、極力支出の節約につとめ、経営の合理化をはかりました結果、輸送量増加に伴う支出増加のほか、人件費減価償却費固定的費用増加がありましたが、予定された利益を上回る約四百六十四億円の利益を計上することができました。このような多額な利益を計上することができましたことは、国民経済高度成長に応じた輸送力増強をはかるため、昭和三十六年度初年度とする第二次五カ年計画を策定し、その財源確保のため、四月六日に運賃改定が実施されたことによるものと考えられます。  以下決算内容勘定別に御説明申し上げます。  損益勘定におきましては、収入済み額は五千七十億円余、支出済み額は四千九百十七億円余でありまして、収入支出を超過する額は百五十三億円余であります。これに収入支出決算に含まれていない営業外損益等金額を加減いたしますと、本年度利益は、前述のように約四百六十四億円となります。  この決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額四千七百十七億円余に対しまして、三百五十三億円余の増収となりました。その内容は、運輸収入におきまして三百四十七億円余、雑収入等におきまして約六億円の増収となっております。他方支出におきましては、予算現額五千三十二億円余から支出済み額を差し引きますと、その差額は百十五億円余でありまして、そのうち年度への繰り越し額は約百三億円余で、残りの約十二億円は不用額となっております。  次に、資本勘定におきましては、収入済み額は二千百四十五億円余、支出済み額は二千百四十五億円であります。  この決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額二千百二十四億円余に対しまして二十億円余の収入増加となっております。これは、損益勘定からの受け入れ資産充当による収入増加が二百三十億円余あったこと、本年度において前年度からの鉄道債券繰り越し発行が行なわれたこと等により十五億円余増加したこと及び借り入れ金借り入れが、予定額に対して二百二十五億円少なかったことによるものであります。他方支出におきましては、予算現額二千四百四十億円余との差額は約二百九十五億円でありまして、うち二百九十二億円余は鉄道債券繰り越し発行借り入れ金繰り越し分で、残り不用額となっております。  最後に、工事勘定におきましては、収入済み額は一千九百四十四億円余、支出済み額は二千七十億円余でありますが、前年度からの繰り越し額に見合う資金二百五十三億円を考慮に入れますと、資金的には不足をいたしておらないこととなります。  この決算額予算と対比してみますと、収入におきましては、資本勘定からの受け入れが多かったため、予算額一千九百二十四億円余に対しまして約二十億円の収入増加となっております。  また、支出におきましては、予算現額二千四百十二億円余に対しまして三百四十一億円余の差額を生じます。この内容は、翌年度への繰り越し額三百三十六億円余と不用額約五億円であります。  次に、工事勘定決算内容に関連して昭和三十六年度における日本国有鉄道主要施策実績について申し上げます。  日本国有鉄道では、日本経済高度成長により輸送力が限界に達しておることにかんがみ、所得倍増計画並びに地域開発計画等に対応して、輸送力を飛躍的に増強する必要性を痛感いたしまして、東海道幹線建設をはじめといたしまして主要幹線複線化輸送方式近代化等を進めて輸送力増強をはかるために、前に述べましたように、総投資額九千七百五十億円をもって新五カ年計画を策定し、諸工事を実施いたしておりますが、初年度末における決算額は約二千七十一億円にのぼり、全体計画に対し、二一・二四%の進捗率となりました。なお、事項別決算額について申し上げますと、新線建設約五十九億円、東海道幹線増設約五百二十四億円、通勤輸送約百十八億円、幹線輸送約四百八十億円、電化電車化約二百三十三億円、ディーゼル化約百五十九億円、取りかえ諸改良約四百十億円、総係費約八十八億円、計約二千七十一億円となっております。これを予算と対比してみますと、新線建設は、予算上、七十五億円余を計上いたしましたのに対し、五十九億円余を決算いたしました。これにより、昭和三十六年度中に部分開業したものは国分線古江−海潟間十七・一キロであり、三十一線区一千百八十九・八キロは引き続き工事中であります。  東海道幹線増設工事につきましては、着工以来第三年目に当たり本格的に工事を進めなければならない段階でありましたので、損益勘定における増収の大部分の資金を投入し、鋭意工事進捗をはかりましたため、約四百三十八億円の予算に対しまして約五百二十四億円の決算をあげることとなりました。  通勤輸送につきましては、予算上、東京付近五十六億円余、大阪付近約十八億円、電車増備(百九十両)約三十九億円、計百十三億円余を計上いたしましたが、決算額では、東京付近四十三億円余、大阪付近約十九億円、電車増備(三百八両)約五十六億円、計百十八億円となりました。  幹線輸送につきましては、予算上、北海道、東北、常磐線裏縦貫上信越線中央線、北陸線、東海道山陽線九州等複線化及び車両増備で約四百六十九億円を計上いたしましたのに対し、決算額では四百八十億円となっております。  電化電車化につきましては、予算上、東北本線、常磐線、信越本線、北陸本線、山陽本線、鹿児島本線等電化工事費九十二億円余のほか、これに伴う電気機関車(五十八両)、電車(四百十九両)百三十二億円余、計二百二十四億円余を計上いたしましたが、決算額では、工事費約百億円、車両電気機関車四十四両、電車四百六十一両)、金額にして百三十三億円余、計約二百三十三億円となりました。  ディーゼル化につきましては、予算上、工事費九億円、車両ディーゼル機関車六十両、気動車四百三十両)、金額にいたしまして百十四億円余、計百二十三億円余を計上いたしましたのに対し、決算額では工事費八億円余、車両ディーゼル機関車五十二両、気動車五百六十四両)、金額にしまして約百五十一億円、計百五十九億円余となっております。  取りかえ諸改良は、予算上、四百億円余を計上いたしましたが、決算額では、施設の取りかえ三百三十五億円余、車両の取りかえ七十五億円余、計四百十億円余となっております。  このほか、総係費では、予算額約八十二億円に対しまして約八十八億円を決算し、工事費全体では、約一千九百二十五億円の予算に対しまして約二千七十一億円の決算額となっております。  最後に、昭和三十六年度予算の執行につきまして、会計検査院から七件の不当事項の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに網紀の粛正と予算効率的運用に一段の努力をいたしたいと存じます。  以上、昭和三十六年度日本国有鉄道決算につきまして、その概略を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質疑のつど御説明申し上げたいと存じます。  何とぞ御審議のほどをお願いいたします。
  9. 横川正市

    委員長横川正市君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。白木第五局長
  10. 白木康進

    説明員白木康進君) 昭和三十六年度日本国有鉄道決算検査の結果につきましては、同年度検査報告の一二三ページ以下に決算の概要、それから不当事項七件を掲記しております。そのうち不当事項につきまして、若干補足して御説明申し上げます。  七件の不当事項うち工事に関するものが五件、それから物件が一件、それから職員の不正行為が一件となっております。  まず、最初の五六九号から五七一号の三件は、いずれも機械土工における機械損料過大積算に関するものでございまして、最初の五六九号は、東京幹線工事局におきまして、幹線の南郷山の墜道工事から発生いたしますずりを同じく幹線の品川駅構内の埋め立てに使用するため、もよりの真鶴駅で工事用列車積み込みましてこれを輸送する工事でございますが、この場合、ずり積み込みに使用いたしまするブルドーザー機械損料の算定にあたりまして、実際の積み込みに必要な時間のほかに、構内ずりを適当にかき集めて貨車に積みやすいようにする、その作業を実際の作業時間と同じくらいのものを積算されておりますが、私ども、現地で調査しましたところ、駅構内の二百数十坪程度の狭いプラットホームでこのような大きなかき寄せ作業をする必要はないということで、実情に即しまして再計算いたしまして、約四百十万円が高価ではなかったかと考えておる事案でございま。  次の五七〇号は、下関工事局で施行いたしました新博多駅の改良土工工事に関するものでございまして、これは土取り場から現場まで土を運ぶダンプトラックと、もう一つ盛り土を転圧するブルドーザー、両方の損料と燃料の積算過大に関するものでございます。ダンプにつきましては、たとえば計算の際に誤って六トン車の価格を六トン半積み価格積算したものがあったり、また、本工事に先立ちまして、同じく日本国有鉄道東京操機工事事務所が同一現場で施行しておりました際の工事実績を十分に参考にしなかったなどのために、積み込み量を過少に見込み、あるいはブルドーザーにつきましては、盛り土土質条件、その他各種の積算例等から見まして、これも相当高い積算になっておるということで、合計約千百万円高価であったと認めておるものでございます。  その次の五七一号は、東京鉄道管理局におきまして、青梅線の線路増設のための路盤工事におきまして、工事用のトラクターショベル、それからダンプトラック、これらの機械の損料積算を過大に見積もったと認められるものでございます。本件は、積算方法として、どちらも民間から運転手つきで借り上げるという方法で、そういうたてまえで、一日当たりの稼働時間と拘束日数をもとにして損料積算しておるわけでございますが、この種の工事におきましては、国有鉄道部内におきましても、ほとんど大部分は、機械の損料計算によって積算を行なうということになっておりまして、本件の場合も、一般の例によることができない事由が何らございませんので、その方法によって積算しますと、やはり相当高価な積算になっておると認められるものでございます。  なお、以上三件につきましては、いずれも、これらの工事積算いたしました当時、日本国有鉄道のこの種機械損料積算基準が、建設省その他一般の基準に比べて若干低くなっておったというような関係もございまして、現場当事者のとられた措置としましては、若干これを補正する必要があったのじゃないかということは、私どもも認めておりますけれども、また、現にそのために、三十六年の九月には、これらの基準が改定になっておるわけでございます。私どもとしましても、この点は十分勘案いたしました上でこの問題を検討いたしまして、この三十六年の九月に改定されました基準から見ましても、ただいま申し上げました三件は、いずれもなお相当高価なものと認められる事案でございます。  次に、五七二号でございますが、これは中国支社で施行いたしました広島駅の旅客ホームの木造上屋を鉄骨のスレートぶきに改造する工事におきまして、所要鋼材の形状とか寸法に誤算がありましたり、あるいは、この工事に使用します鋼材の量から見まして、当然大口の取引価格によって積算すべきものを、小口の販売価格によっておる、こういったために、材料費が高価となっておりましたり、また、これらの鋼材の工場加工費を相当高く見積もり過ぎておったというようなことで、工事が全体としまして、私どもの計算では約三百八十万円高価ではなかったか、こう認めておる事案でございます。  次の五七三号は、新潟支社で施行いたしました上越線の新津・新潟間の線路に並行して設備されますところの通信用市外ケーブルの張りかえ工事に関するものでございます。この工事に使用されましたケーブルは、特に交流電化区間用といたしまして、交流電気の誘導を受けないように特別の規格につくられておるケーブルを使用することとして、実際にもこれで設備されておりますが、この区間が、国鉄部内においても直流電化区間として決定されておりまして、新潟支社にもその旨、本社から通知のあった線でございますので、何も高価な特殊規格品を使う必要はなかったのじゃないか、もし、一般用のケーブルを使用しましたとすると、約二百八十万円の経費を節減することができたという事案でございます。  次に、五七四号は、一件、資材に関するものでございますが、資材局が、三十六年度中に購入しました現場で使用いたします拡帯電話機に関するものでございます。本件は、私どもで検査いたしました際に、予定価格積算について、十分の説明を聴取できなかった関係もございまして、私どもで日本電信電話公社が購入いたしておりますところの本品と類似の携帯電話機と比較いたしまして調査いたしたわけでございますが、この国鉄の携帯電話機と、それから電電公社の携帯電話機との間には、付属品とか、あるいは部品の規格等に若干の相異点はございますけれども、用途、性能その他はほとんど同じでございまして、したがって、構造、部品等もほとんど同じものが使われております。しかるに、価格に相当の大差がございまして、若干部品の違うところや、それからもうひとつは、電電公社は電話機については、若干一般より安く購入しておりますが、その点を多少補正いたしましても、なお、相当高価に購入されておると私どもで認めた事案でございます。  最後に、職員の不正行為に関するもの一件を掲げておりますが、これは門司鉄道管理局後藤寺駅におきまして、出納職員が貨物掛として貨物運賃の収納等の事務に従事いたしております際に、貨物収入日報に車扱い貨物通知書を添付しないというような方法によりまして、収入金を少額に報告し、この分を領得したものでございまして、私どもその実情を調査いたしましたところによりますと、最近業務が非常にふえてまいりまして、部内の審査あるいは検簿というようなものが、若干従来に比べて徹底していない面があるようでございまして、本件もそういう間隙において発生した事案と考えております。  簡単でございますが、以上で説明を終わります。   —————————————
  11. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいま委員異動がございましたので、報告をいたします。  渋谷邦彦君が委員辞任され、その補欠として浅井亨君が選任されました。  以上でございます。   —————————————
  12. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、これより直ちに質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  13. 小酒井義男

    小酒井義男君 最初に、運輸省の関係で、これは会計検査院にお尋ねをしたいのですが、離島航路整備法に基づくところの補助の点について、二十八航路全部にわたって検査をされたのか。そのうちのどのくらいの検査をされたのか、お伺いしたいと思います。
  14. 小原剛

    説明員小原剛君) 三十六年度決算分につきましては、検査はしておりません。
  15. 小酒井義男

    小酒井義男君 それ以前に検査されたことはありますか。
  16. 小原剛

    説明員小原剛君) 以前にやった例はございますが、現在どの程度やっておりますか、資料を持ち合わしておりませんので、詳細お答えできかねます。
  17. 小酒井義男

    小酒井義男君 これは、御承知だと思うのですけれども、離島航路補助については、国が補助をしているものと、地方の県が補助を出しているもの、それから市町村が出しているものとあるのです。そうして、一部の航路では、国と地方との両方から出ているものがある。一部には、国から出ておって、地方が全然出しておらないもの、地方が出しておって国が全然出しておらないもの、こういう形態があることを御存じですか。
  18. 小原剛

    説明員小原剛君) 存じております。
  19. 小酒井義男

    小酒井義男君 それが全体に、国と地方との補助が合理的な形で出されているかどうかというような点について、御研究になったことがありますか。
  20. 小原剛

    説明員小原剛君) 離島航路補助につきましては、本省検査の際に、主として調査いたしておりまして、ただいま御指摘のような点につきまして、どの程度検討を十分きわめておりますか、私ちょっと承知いたしておりません。
  21. 小酒井義男

    小酒井義男君 私は、やはり一度そういう点を、これは会計検査ですから、国の問題が中心になると思うのですけれども、検討していただく必要があるのじゃないかと思います。これは要望です。  次に、国鉄の新線建設についてでありますが、これは支出の当不当という問題をこえて、その新線がはたして必要な線路であったか、むしろ、それを自動車でやっておけば、そのほうが国として経済的であったのじゃないかというような問題を会計検査対象にすることはできませんか。
  22. 白木康進

    説明員白木康進君) 新線建設につきまして、建設線としての採択が適正であるかどうか、あるいは自動車等によるほうが経営上妥当ではないかというような点は、もちろん私ども関心を持ちまして、検討はいたす範囲に属しますけれども、私どもの批判という面から見ますと、若干これはらち外ではないかということで、現在までそういう御意見を申し上げたことはございません。
  23. 小酒井義男

    小酒井義男君 これは運輸省の政務次官にお尋ねしたほうがいいかと思うのですが、そういうことをやる必要が私はあると思うのです。どこにもないということでは、少し何か欠けている点があるのじゃないかという気がするのですが、これはどうですか。
  24. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) その点につきましては、鉄道建設審議会で十分に検討を加えた末に、いま上程いたしております新線につきましては、いま皆さまに提案をいたしております公団でやるということがいい、こういうことに考えております。
  25. 小酒井義男

    小酒井義男君 建設については、慎重にやられていると思うのですが、結果として、いろいろな問題が私は出ていると思うのです。そういうものに対して、審議会の責任だということだけでは、少し欠けている点がこれもあるのじゃないかというふうに思うのです。会計検査院として、そういう何年度、何年度会計検査ということでやっていきますから、国鉄の新線などは、建設をして、それが相当営業されてみないと結論というものは出しにくいと思うのです。出しにくいと思うのですが、こういう問題をやはり何か意見の具申でもするようなことをやるべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
  26. 白木康進

    説明員白木康進君) 御趣旨は十分了解いたすわけでございますが、もちろん、先ほど申し上げましたように、私どもでも、国鉄の経営面ということから、そういった問題を検討いたしております。また、私ども検査の際に、国鉄部内におきましても、新線建設の経営上の当否ということについても、いろいろな御意見も伺っております。ただ、これにつきまして、私どもが批判的な結論を出しますためには、そういった新線建設必要性というものの幅が非常に広いと申しますか、あるいは自動車との比較というような問題も、条件がいろいろございまして、そういった関係で、御意見を申し上げる場合がほとんどないこういうわけでございます。
  27. 小酒井義男

    小酒井義男君 これは将来の懸案として、何らかの方法を私は講じるべきではないかと思っておりますけれども、それは質問よりも意見になりますから、この程度でやめます。  次に、国鉄にお尋ねをしますが、本日の報告及び会計検査院検査報告に基づいた案件については、どういうふうに処理をされておりますか。その結果をお尋ねしたい、案件ごとに。
  28. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) ただいまの会計検査院から御指摘を受けました事項につきましての措置でございますが、会計検査院の御指摘に従いまして、改むべきものは即刻改めております。また、その関係いたしました職員に対しまして、その内容に応じまして、行政上の措置等を講じておる次第でございます。
  29. 小酒井義男

    小酒井義男君 それぞれ事項をあげて、不当事項として指摘されておりますね。その事項を具体的に、第何号の不当事項に対しては、どういうふうに処理をしたかということを御説明を願いたい。
  30. 天田勝正

    ○天田勝正君 関連。答えがなかなか出てこないようですから、関連してお伺いしますが、いま不当事項として会計検査院から指摘され、その中には、多くは積算が誤っておる、その誤った結果は、それぞれの項によって違いますけれども、要するに、よけい金を払ってしまった。よけい金を払ったのを取り返したのかどうなのか。取り返さなければ取り返さないで、それは一体、あとどう処理したのか。ただ不当に支出してしまったけれども、あとの処理は何にもしなかったのだ、こういうのでは、ちょっと私どもが聞いておっても、うなずけない。そういう一つ一つについてどう処理をしたか。当然専門に携わってみる者ならば、私はさっきの不当事項を聞きながら、そんなことは腰だめ見当でもわかりそうじゃないかという気がしたのに、腰だめ見当でわかるどころか、むしろ、あえてそういうふうにしたというふうにさえ聞けるのです。そうだとすれば、それぞれ適当に処分しました、という、適当というのはずいぶんいいことばでありまして、何が適当なんだか、さっぱりわからない。適当とはどういうことか、こういうことで話をしてもらいたい。
  31. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 簡単なものからひとつ御説明申し上げますと、職員の不正行為の件でございますが、たとえば福岡地裁でただいま公判中でございますところの浜野という職員の業務上横領の件でございます。これは被害金額百五十万でございます。うち未収金百十万円につきましては、目下求償中ということでございます。  それから携帯電話機の購入価額が高価であると会計検査院がお認めになっておるわけでございますが、これは、電電公社の購入より高かったのでございますけれども、電電公社のほうが、ほぼ製造原価に近いと思われますし、したがいまして、国鉄がある程度電電公社より高かったことも、やむを得ぬような点もあるのでございますが、しかし、国鉄の購入価額は、一般の方々が購入しているものより安いわけでございます。したがいまして、今後さらに発注方法等につきまして検討を加えまして、経済的な購入に努力したい、こういうことでございます。  それから新潟の、交流電化の資材を買って、結果として新潟は直流電化になったわけでありますが、これは事務連絡の手違いでございまして、たいへん申しわけなかったのでございますが、そういうことになったことは、内部の手違いでいたし方がなかったような次第でございます。  それから鋼材の所要量等を過大に計算したということでございますが、これは一部積算に誤りがあった点は遺憾であると思います。現地の者といたしましては、現地のいろいろの専門家の意見を徴しまして、こういう査定をしたわけでございますが、結果として積算が多額に失したということは、たいへん遺憾でございました。この点につきましては、関係者の厳重注意をいたしている次第でございます。  それからその前の機械の損料等が過大に計算されている点でございますが、中身が非常に長くなりまして、説明書といたしまして提出申し上げているのでありますが、これにつきましても、先ほどの会計検査院からのお話もございましたように、いろいろな事情がございましてかようになったわけでありまして、行政上の措置はいたしておらないのでありますが、今後十分注意したいと思います。行政上の処分をいたしましたものは、積算の関係では、最初に出ておりますところの東京幹線工事局機械損料の過大計算、これは当時の主任技師を厳重注意いたしております。また、その次の下関工事局機械損料の過大計算も、その主任の技師——停車場課長であったところの技師を厳重注意、その他訓告をいたしております。  以上でございます。
  32. 小酒井義男

    小酒井義男君 ただいまの処理状況の報告でございますが、会計検査院はこういう処理状況でやむを得ないとお考えになりますか。
  33. 白木康進

    説明員白木康進君) 一番最初に天田委員の御質問の点でございましたが、ちょっと関連させていただきますが、高いといいますのは、これは積算に関連するものでありまして、出来高等が契約条件に違反すれば、当然これは値引き、その他の措置を講ずる必要があるのでありますが、契約どおりに履行されておりますので、これは業者から取り返すとか、そういう性質のものではありません。なお、私どもで指摘した事案について、ただいま当局から御説明がありまして、私どもとしては、この各案件につきまして、決算検査報告に関する説明書として国会に提出されております説明書によって、大体とられました措置を了解いたしておりますが、具体的措置と申しましても、たとえば機械損料の点につきましては、その後逐次積算基準の整備をはかっておられる、そういう一般的な措置でその後の私どもの検査でも若干改善されておりますということは認めております。先ほど申し上げましたように、本件に関連するものにつきましても、年度途中の三十六年九月には、若干おそきに失したきらいがございますけれども、基準要綱の整備が行なわれております。  それから、その他の案件につきましては、具体的にどうするか、これは結局、この種の事案がどうして発生してきたか、人手不足ということもございましょうし、あるいは最近の幹線工事等の関係で、従来比較的小規模の工事を行なっておりました鉄道管理局の施設部門等が、従来に比べて非常に大きな、本来ならば当然工事局でやるような仕事をやらざるを得ない。こういったたいへん気の毒な事情もいろいろあるかと思いますが、そういった全般的な見地から国鉄で善処していただくという以外に方法はなかろうかと存じます。
  34. 小酒井義男

    小酒井義男君 最後に総裁に、今後のこういう問題が発生することを防止するために、従来のような処理方法でいいとお考えになっておるか、やはりもう少し厳格な方法を考えなければならないとお考えになっておるか、総裁のお考え方をひとつ承りたいと思います。
  35. 石田礼助

    説明員石田礼助君) 私は、白状をいたしますが、この問題については、実は深く研究していないのです。よく研究いたしまして適当な処置を講じようと思っております。
  36. 天田勝正

    ○天田勝正君 いま会計検査の話が出ましたので私も伺いますが、まず、会計検査院に伺います。  運輸省及び国有鉄道に対しまして、あなたのほうで検査をされたのは、総体の何%くらいされましたか、まず伺います。
  37. 小原剛

    説明員小原剛君) 三十六年度の実地検査の施行状況について申しますと、検査対象個所が約二千二百カ所でございまして、そのうち検査をいたしました個所は二百二十カ所でございまして、ほぼ一〇%に相当いたします。
  38. 白木康進

    説明員白木康進君) 詳細な資料を持ち合わせませんので具体的に申し上げられませんが、大体国鉄につきましては、ほとんど各支社について実地検査をいたしておりまして、工事局のほとんど大部分、それから鉄道管理局も、半数以上は実地検査をいたしております。これを実際に私どもが重点を置いておりますところの工事と資材について見ますと、工事につきましては、決算額の約四〇%程度のものを具体的に内容を調べております。それから資材につきましては、二〇%弱くらいになっておろうかと考えます。
  39. 天田勝正

    ○天田勝正君 各役所とも、大まかにいいまして、一〇%程度の検査しかやっておらないのですから、いまのお答えは、正確だと私も存じます。  そこで、国鉄のほうは、他の役所よりもよけいに検査を濃密というほどではないけれども、比較すればよく検査をされておる。けれども、全般を検査したというわけではない。これは検査院の手不足の点からもあって、どうもやむを得ないだろうと思います。それでもさっき指摘されたように、不当事項があることは事実なんです。これは、こうした委員会でありますから、会計検査院のほうでも、いささかかばいながらさっきの小酒井委員の質問に答弁されたという節がある。私は聞きますが、その不当事項うちには、真鶴から土砂なり運んできて、品川駅地先を埋め立てる、そういう場合に、こちらの埋め立て作業に使う機械の稼働も、向こうの駅構内における機械の稼動も、同じであったという説明があった。これはくろうとを待たずして、実にだれが考えてもふかしぎしごくです。片方は、一構内でやるのでありますから、言うならば荷役の一部です。その荷役の一部と全体の埋め立てに使った機械の使用量が同じなんです。こういうことについて何にも——遠藤常務理事のお話しによると、いろいろやったというのですが、われわれの聞くほうからすると、処分も何もしていない、答えは。そんなことで一体いいのかどうか。これはどんなしろうとが聞いてもすぐわかることですよ。この件については、遠藤さん、どう処理されましたか。研究するなんて、研究しなくてもわかることなんです。これはどうなんですか。
  40. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 先ほどの小酒井委員から御指摘のありました事柄は、真鶴駅構内ブルドーザーによるかき寄せ積み込み積算の問題でございまして、品川着の問題ではないと思います。
  41. 天田勝正

    ○天田勝正君 まるで答弁にならぬのです。その駅構内におけるかき寄せ積み込み、これは荷役ですよ。それと、それが過当であったかどうかという比較において、検査院のほうでは、これが埋め立てに使用する場合と同じぐらい使われておる、これはどうも積算過大ではないかと、こういう御指摘なんです。だから、このことは、私が言うなれば、もう研究しなくてもすぐ見当でもわかるほど明白じゃないか。あまりに不当だ、こういうことを言っておる。いまのは、先ほど指摘する場所が違うからというお答えなんです。場所が違うなんて言ったって、積算が多過ぎたのでしょう。多過ぎたと指摘しておるのだと思う。それは多過ぎたというほかないよ。
  42. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 御指摘を受けました事項は、いまお話し申し上げましたように、真鶴の駅構内でかき寄せて、それを貨車に積み込むわけでございます。そのかき寄せる作業時間等の積算が過大ではなかったかと、こういう問題であると思います。
  43. 横川正市

    委員長横川正市君) 過大だとあなたのほうで指摘事項に載っておって認め、それに対して事後処理をされたわけですね。ですから、案件のどうこうという説明ではなくて、処理をもう少し詳しく説明をしていただきたい。
  44. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 先ほど申し上げましたように、これを担当いたしました主任の技師を厳重注意の行政処分をいたしております。
  45. 天田勝正

    ○天田勝正君 その行政行分というのは、言うならば、ただ口頭で言ったということなんですか、どうなんです。
  46. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) この厳重注意と申しますのは、単に口頭で、おまえ、気をつけろという意味ではございませんので、形式を伴った処分でございます。
  47. 天田勝正

    ○天田勝正君 しかし、そのことは、私は一人の技師をいじめあげろという主張をしておるのではないのでありまして、問題は、ただ形式の整った、その形式とは、私ども、どういうことをいうのかわかりません。わからないけれども、あとの地位や何かに何も影響しないのでしょう。言うならば、よく役所であるとおり、一時的には譴責をされても、少しく日限が来れば、やはり同期生並みにずっと上がったり、それを飛び越したり、こういうような形で、実質的には何も処分をしないと同じということになるのじゃないですか、どうなんですか。幾らかあとについて回りますか。
  48. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) あとの昇進等の問題は、一律に、これを受けたからどの程度損をするというような原則は別にございませんので、そのつど、そういう事情を勘案しながら異動を行なっておるわけでございます。
  49. 天田勝正

    ○天田勝正君 私の質問は簡単なんで、それに簡単に答えてもらえばいいと思うのだけれども、どうも、何かそらして答弁されるから時間がかかる。けれども、その人は技師の地位を追われたわけでもなければ、去ったわけでもない。よそへ別に異動したわけでもなく、降格されたわけでもない。給料も下がらない。こういうことなんでしょう。だから、一段的なことばでいえば、ただちょっとお小言を言ったということになりはしませんか。
  50. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) この場合には、御指摘のとおり、降格等はございませんでした。
  51. 天田勝正

    ○天田勝正君 そうすると、その形式の厳重な処分というのは、どういう形でどういうふうになさるのですか。形式が整ったという、その形式というのは……。
  52. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 厳重注意と申しますのは、部内の懲戒委員会にかけまして、そこで厳重注意という処分をきめまして、本人に通知するわけでございます。
  53. 天田勝正

    ○天田勝正君 おかしいな。
  54. 横川正市

    委員長横川正市君) 天田さん、公社の行政上の処分には、懲戒から注意まで段階があって、その段階に従ってそのそれぞれの処分が行なわれるのだけれども、この取り扱いの責任者として処分が重かったか、軽かったか、こういう点に問題があるのじゃないかと思うので、その点を明確にしてお聞きいただきたいと思います。
  55. 天田勝正

    ○天田勝正君 委員長、御注意ありがとう。私は意味がわからないのですよ。皆さんもお聞きになっていて、そうお思いだろうと思うのですが、厳重注意といってみたところで、私どもしろうとは、その部内の厳重注意なるものは、どこらのランクになるものかわからない。ですから、形式については、いまの懲戒委員会か何かにかけたということはわかったが、そのランクがどういう程度のことになるのか。何か説明を聞いていると、全然影響がないというふうに聞けるから、ひとつ伺っておるわけなんです。いかがですか。
  56. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 部内の懲戒の処分は——段階といたしましては、最も重いものは免職でございます。次に重いのが停職、職務を停職されることでございます。それから減俸でございます。それから戒告、それから次に、ただいま申し上げましたこの場合の厳重注意ということでございまして、厳重注意と申しますのは、その処分のうちでは最も軽い段階に入るわけであります。
  57. 天田勝正

    ○天田勝正君 それでは観点をかえます。国鉄ではさまざまな工事を業者にやらせておりますけれども、その資材のうちの一つをとって私はお聞きするのですが、たとえばセメント等はたくさん使っておると思います。このことをお聞きするのは、先ほどの答弁の中で、電電公社は元を切るような金で電線を入れておる。どうもそれとは違う。ところが、会計検査院のほうでは、そうした違いを勘案してもなお高いものを買っておる、こういう説明でした。だから、答弁だけを聞いていると、どうも会計検査院のほうが不当にきびしいような響きさえもわれわれは聞き取れるわけです。ですから、こうした資材の類似のセメントを私は例にとってお聞きするわけなのです。しかし、安ければ安いほどいいのです、国民の税金で成り立っている公社ですから。そのセメントを買い取る場合に、大きな工事でありましても、全部袋入りで買いますかどうか、袋入りで買っていますか。
  58. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 以前は大体袋入りで買っております。現在でも、地方におきましては、大体さようでございますけれども、東海道幹線のような大きな工事につきましては、地元に、ミキサー塔でございます、それを建てまして、業者はそれにばらで持ってくることもあるわけでございます。
  59. 天田勝正

    ○天田勝正君 私がこの例をあげたのは、駅舎の中のわずか穴があいたところを補修するような小さい工事は、地元の小さな業者にやらせるのだから、袋であろうとばらであろうとかまわない。もちろん国鉄は輸送機関を握っておる。しかし、業者に請け負わせる以上は、それをただで使わせるものではありません。もちろんお手のものの輸送でありますからこれをばらで輸送すればそれはばく大なる工事費の違いになる。そういうところで幹部諸君が細心の注意を払うならば、私は工事費が節減ができると思う。いかがですか。こういう面について今後御注意なさるつもりがありますか、どうですか。
  60. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 購入資材を安く買うことにつきましては、相当努力をいたしておるつもりでございます。セメント等は、国鉄は大口の買い手でございますので、できるだけ安く買うということのほかに、ただいま輸送方法の点ももちろん考えておりますが、原則的には、国鉄が使用するところまで納めるほうで持って運賃を支払って運ぶのが多いのであります。国鉄が一ぺん受け取ったあとは、これは国鉄のものでございますから、運賃等特別な扱いをいたしますけれども、運賃業者持ちで納めるというのが多いのでありまして、セメントを大量に工事地点に運ぶというような場合におきましては、これは経費業者持ちにいたすようなことになるわけでございます。
  61. 天田勝正

    ○天田勝正君 私だけで時間を取っては、ほかの各委員に迷惑でありますから、簡単に切り上げますが、私は、その点について希望いたしておきます。それは、私の指摘しているように、業者がやろうと、それは運賃は業者持ちにきまっているのです、請け負わす以上は。きまっておるけれども、そこにそうした細心の注意が国鉄の幹部諸君においてあられるならば、その請け負わせる工事費を安くせしめることができる、こういうことを指摘している。一つの例は、セメントなんでありますけれども、他の資材も同様でありますから、このことは注意されるよう、私は希望いたしておきます。  次に、総裁に伺いますが、先ほどの御説明の中に、各勘定ごとにといってもいいくらい不用額云々というのがございましたが、この不用額の経理上の措置はどうなさるのですか。
  62. 石田礼助

    説明員石田礼助君) お答えいたします。  この不用額は次期に繰り越しまして、次期においてこれを使っておるということであります。
  63. 天田勝正

    ○天田勝正君 その説明の中では、繰り越し額これこれ、そしてなお不明額と、こういう説明があるんです。それだったら、全部繰り越すという説明をすれば、私もいまの答弁でうなずきます。繰り越しは繰り越しで別に説明をして、さらに別に不用額、これはどういうことですか。
  64. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 繰り越すものと不用に立てるのとあるわけでございまして、たとえば、項目のうちの一つを御説明申し上げますれば、節約によりまして、たとえば給与費の一部でございますが、そういうものが余り、それを不用として落とす、それから次年度に使うものは項目を残しまして、それは繰り越すと、こういうことになるわけでございます。
  65. 天田勝正

    ○天田勝正君 そうでしょう、さっきの説明もそうなんだから。だから、繰り越しの分は次年度に使う、これは会計上のたてまえですから、だれも知っていることなんです。そのほかに不用額と、こう言っているんですね。あなたの説明じゃ、それは落とすと、こう言う。落とすといったって、これは道に落とすわけじゃないでしょう、まさか。どうされるんだということですよ。その経理上、会計上。
  66. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 全く落ちてしまうのもあるわけでございます。たとえば、受託工事費といいまして、民間からお金を預かりまして、それで工事を仕上げるわけでございます。そういう工事が要らなくなりますれば、入るほうも出るほうも要らなくなるわけでありますが、予算には載っているわけでございます。それは全くの不用になってしまう。それから不用ではありますが、その費目としましては不用ではありましても、資金がありますれば、これは当然よそに流用になるわけでございます。
  67. 天田勝正

    ○天田勝正君 それでは、要するに、不用といったって、それは使わないということでなくして、よそへ流用するんだ、こういうことでしたら、初めからそういうふうに答弁してくれればすぐわかるのです。しかし、なるべくかようなものは立てないほうがいいことは会計上間違いない。これも御注意願いたいと存じます。  それからこの機会ですから、もう一つ、私は別のことを聞いておきたいのですが、ふしぎに思いますことは、定期券を持ちながら、かつ急行あるいは準急等に乗ると、もとから新しい切符を買わなきゃならぬですね、いまの制度は。そうすると、これはなるほど定期券というものは、おそろしい割引になっていることは承知しているわけです。しかし、何がしかを払っていることは事実です。その区間を二重払い——その同額の二重という意味じゃありませんけれども、何がしかの二重ということになる。さらに、いまはなかなか東京に住宅がないために、一等車で通勤されているという人はたくさんおるのですね。これらの人たちは、むしろ定期などはもっと高くたって何の影響もない人方なんです、どちらかと言えば。そういう影響のない人には、ただ便利さえ与えればいい。定期券を上げても、急行券を買いさえずれば乗れると、こういうふうにするならば、私は国鉄の経理というものはまことによくなるんじゃないかと思っておるのです。これは、役所式にできてなければ必ずこういう措置をとるはずです。ところが、これらをいままで何回も聞いてみましても、いや、それは、この急行というものは、長距離輸送でありまして、通勤というものは云々なんて言って、金をたくさん上げるという観点、何か乗客を昔の鉄道省で取り締まるという観念が残っておるから、おまえ方は近くを通うべき者が遠くへ通っちゃまかりならぬ——たとえば近くだって急行があるんです、急行のとまる駅が。ここにはっきり増収の道があるのに、そういうことは怠っている。これは一体どういうことなんですか。改善するお気持ちがありますか、どうですか。
  68. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 現在の国鉄の規則では、定期乗車券では急行券は購入できないことになっております。御指摘のとおりでございます。これは、急行は、長距離、中距離の旅客を運ぶことが目的で設定されておりまして、本来の趣旨がそうなっておることのほかに、相当に込んでおりまして、近距離の人がたくさん乗りますと、遠距離の客に非常に迷惑になると申しますか、都会地の近郊だけ急行が非常に込むということになる点もございますし、そういうふうなことで、現状では定期券では急行券は購入できない、こういうことになっておりますし、いまの輸送事情でございますれば、当分これを改めることはできないんじゃないか、こういうふうに思っております。
  69. 天田勝正

    ○天田勝正君 それはつじつまの合ったような答弁ですけれども、私は決してそうではないと思う。お客さんのほうから早く来たいというだけで、遠距離のお客が迷惑するといっても、遠距離のお客はそのときは乗り込んできている。近くの人はそれで立つだけです。立つだけであって、あなたのほうはよけいな収入が得られるわけです。何も、その遠くから来る人に、その人を立たせて、近距離の人が腰かけてしまうのだというならば迷惑だけれども、そんなことはあり得ない。私は自分で毎日実験しているからです。熊谷だって、急行もとまれば準急もとまります。われわれはこれに乗ります。いつだって私は立ち通し、これは優待券をもらっているわけですけれども、熊谷から乗る人は、急行に乗っても、いつでも立ち通しです。毎日朝の「あかぎ」というのに乗ってごらんなさい。間違いなくそうです。そういう人たちは払っておる。だけれも、定期を持っている。定期の分は、その「あかぎ」に乗る限りにおいては、その定期の分が二重払いになっている。もっとずらして、普通の丁寧に走ってくる汽車に乗れば、それはパスが生きる。こういうわけです。だから、労せずして国鉄はここに収入源があるんじゃないかと言っているんです。いまの、規則規則といったって、規則は国鉄がつくった規則なんです。だれもつくったんじゃない。おまけに、航空機はマッハ三で勘定しなきゃならぬほど早くなっている今日、急行が遠距離でどうのという、そんな石頭じゃだめなんだ。だから、別に収入があるところは私は考慮さるべきだと思うのですが、考慮されるつもりはないのですか。現行でもこうだと——現行を全部知っているから私は聞いているんです。
  70. 石田礼助

    説明員石田礼助君) これは、私より常務のほうが専門なんで、遠藤常務から説明させます。
  71. 天田勝正

    ○天田勝正君 研究するなら研究するでいいんですよ。
  72. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 先ほども申し上げましたこと以外に、現在、定期券は非常に多額の割引をいたしておりますというような事情もございまして、定期券で急行に乗車できるような制度を開くつもりは目下のところはないわけでございます。  それから、比較的近く、たとえば小田原とか熱海とかいうところから近距離の方が、中には通勤客も含めまして、乗車されたい方がたくさんございますが、たとえば特急「あさかぜ」、特急でございます。そういうような客が遠距離から来まして途中でおりる、たとえば熱海、小田原等でおりる客もございます。そうすると、座席があきますので、そこは国鉄も収入ができるわけでございますので、極力現場に手配いたしまして、乗せる席のあるだけは特急でも近距離は売るというふうに収入をあげるためにやっておるような状態でございます。
  73. 天田勝正

    ○天田勝正君 意識してそういう答弁をしているのですから、やめます。どっちにしても、私は定期券そのままで急行へ乗せろという暴論を吐いているのじゃないです。そういう人は金を払うことはいとわない。手数や何かをいとっているのだから、その定期券を上げつつ、急行券を買えば乗せる、こういうふうにすれば、いずれからも収入源ができるのじゃないかという指摘をしておるのです、私は一方的に。これは注文しておきますが、研究すべきであると思うので、研究願いたいと存じます。  運輸省のほうへ二点ばかり伺います。ここに気象関係の人おりますか——いませんか。
  74. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) 来ておりません。
  75. 天田勝正

    ○天田勝正君 それではしかたがない。政務次官に聞くのだが、しかるべき人が答えて下さい。もし答えられなければ、気象関係ですから、後刻答弁されてもけっこうです。  それは、「南海丸」、一人も助からない事件、あのときに私運輸委員長をいたしておりまして、現場にも参り、かつはまた、いかに電子計算機等をそろえなければ、二時間か三時間前のデーターによって予測する、そこに気象が激変した場合に、間に合わないという事態を見てきました。で、この決算を見ますと、だんだんそういうものが整備されたということは事実なんです。ところが、ここにふしぎに思いますことは、依然として予報というものは、この決算で示された整備された事態があらわれていないと思うのです。これも具体例をあげましょう。一昨日朝七時と八時、二回私は天気予報を聞きました。ところが、そのいずれを聞きましても、これはたびたびであるから、ちゃんと記憶しておる。二回聞いて二回とも、埼玉県は朝は曇りで後になってときどき晴れることがあると、こう言っておる。ところが、その朝放送しておるときに、朝は晴天なんです。まるであべこべなんです。夕方になってたまたま曇ってきた。これは一昨日の例です。きのうは、こっちへ泊まっておったから聞かなかった。ほとんどこれが実に驚くほどある。それでも、埼玉県というのが岩手県やなにかみたいに、えらい大きいところであるがために間違うことがあるというなら別ですけれども、熊谷には気象台がある。だから、「熊谷気象台」と三回言えば、たいていのものを食ってもあたらないと、こういうふうに言われているくらいなんです。朝の天気なんですから、予報なんかじゃありません。それはみな県民は知っておるのです。このことが間違っておる。そうすると、決算上、かつて数年前に指摘されて、だんだん機械の整備をして、対応できるようになったはずなのに、実効はあがっていない、こういうことになりますが、政務次官いかがですか。
  76. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) 御指摘の点を伺いまして、まことにごもっともだと思います。非常に専門にわたることでございまして、運輸省といたしましても、できるだけの予算を投入をいたしまして、かような点がないようにひとつしたいと思います。  なお専門の事柄でございますので、気象庁の関係の者が参りまして、また次回に御説明申し上げたいと思います。
  77. 天田勝正

    ○天田勝正君 それではもう一問で終わります。  一昨日も、建設決算の関係からして、国際空港の問題を相沢委員から適切に指摘されました。きょうこの決算でも、国際空港の問題が報告されておりますが、この数字は、まずいずれといたしましても、年々予算を投入し、かつは決算がまた報告される。しかしその実績が、さきにも指摘しましたように、航空機はマッハ三をもって数えるという時代が目の前に来ておる、よって国際空港は手狭である、ところが、羽田においては広げる余地がない、しかも距離的に考えましても、首都の中心地から、まあ香港を除けば、各国の例からして一番近いところにある、それは住民にも迷惑だ、航空機にも迷惑なんです。こういうふうに両方の迷惑。ただ、日本の場合は東京の交通事情が悪いのでございますから時間がかかるというだけの話。距離としては至って近い、外国の交通事情なら、おそらく二十分くらいで行かれる距離なんです。それが、おそらくどうしても変えざるを得ないということになろうと思います。なろうと思うが、依然として、まあ予算決算をずっと継続して、このままでやっていく、それに対して何も運輸省としては払っていない。いまの決算報告というのが、ことによるとむだというふうになるとも考えられる。そのときには、他に国際空港ができたらあれはどう使うとか、そういうことを検討されているんですか、おりませんか、いかがですか。
  78. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) この問題は、すでに新国際空港の問題が議論されておりまして、この調査費についてもすでに本年ついております。なお、羽田空港の問題でございますが、世界のどこの主要国におきましても、国際空港と称するものが、必ず二つないし三つございます。そういう意味におきまして、現在、羽田空港整備につきまして、これが将来不要になる、かようなことは私どもないと考えております。
  79. 相澤重明

    ○相澤重明君 最初に、先ほど小酒井委員から質問された会計検査院に対する問題点ですね、離島航路補助金の問題については、一件十万円以上のものが相当数ありますから、あとでお調べになって、そしてよく答弁できるようにしておいてもらいたい。  それから国鉄の、天田委員や小酒井委員からの指摘に対しての答弁の要領、こんなことではだめですよ、もっと国会に出てきて勉強しなければ、だらだらだらだら時間ばかりかかって、少しも答弁がなってない。決算委員会だから、指摘をされた事項に対しては答弁ができるように勉強してこなければだめです。そういう点で、これは石田総裁に厳重に注意しておきます。こういうことではいけません。決算委員会に国鉄として報告をしておるんだし、当然指摘事項については答弁を求められるのはきまっておる。会計検査院が国鉄の検査をしておるのを私はよく承知しておりまして、非常によくやっております。国鉄も資料をそろえまして実は出しておる。そのくらいのことを答弁できないようでは困る。国会というものが国政の最高機関として、特に予算委員会とは違って、決算委員会というのは、予算を使ったあとの決算審査を受けるのでありますから、当然そのくらいのことの答弁ができないようでは困る。半日だらだらこれだけの時間を費やして何を得たか、そういうことの今後ないように、答弁できるように、各委員が質問をしたならば、てきぱきとできるように勉強してきてください。  私は次に、この運輸省国鉄関係として、大部分すでにもう各委員からやっていただきましたので、港湾局長にお尋ねしたいと思います。  この港湾関係不当事項というものが会計検査院から指摘をされておるわけですが、これに対して、港湾局としてはどういう措置を今後とろうとしておるか、これについて局長から御答弁をいただきたい。
  80. 比田正

    政府委員比田正君) 三十六年度会計検査につきまして、会計検査院から指摘せられました事項は先ほど読み上げられたとおりでございますが、まず、港湾の関係は非常に数が多いようでございますが、二つに分かれております。一つは港湾改良事業の関係、他は、港湾の災害復旧の関係でございます。資料がお手元にあると思いますが、先ほども御注意がございましたので、逐一申し上げてよろしゅうございましょうか——簡単に申し上げます。  貝塚港の特別整備事業、国が補助いたしまして地方が行なう事業でございますが、これにつきましては、岸壁の一部に矢板を打ったのでござますが、それが非常に曲がってできておったということでございました。これにつきましては、県の単独費用をもちまして、県の責任におきまして——失礼いたしました。府でございます。大阪府でございます。府の責任におきまして、府の費用をもって、通常に使用できるような程度にまで、手直しをさせて処分済みでございます。この工事は、昭和三十七年九月十二日に着工したしまして、同年の十二月十三日に完了いたしております。  それからその次には、広島県の大柿という港の災害復旧工事のことでございますが、これは捨て石をする量が、設計に組んだより過少であったということでございます。これにつきましては、海の中の捨て石でございますので、なかなかやりにくいことでもありましたけれども、手直しを命じまして、昭和三十七年五月二十二日に着工いたさせまして、同年の六月十二日に完了いたさせた次第でございます。この費用につきましても、同じく広島県の県の費用をもって手直しを命じたわけでございます。  次に、大分港の災害復旧工事でございますが、これは、航路の埋没したという災害復旧がございました。ところが、それを原形に復する以上に改良に目的があったものですから、県が単独の費用をもちまして改良を加えて合併施行いたしましたが、そのときの積算が誤っておったということでございますので、これは誤りを訂正させまして、余分の部分につきましては、県の単独負担として工事を実施させました。  それからその次には、災害関係が十八件ございます。一括してございます。これらの中を見ますと、いずれも誤算が一番多いようでございます。誤算の中には、思い違いをして、昔の、一年前の積算の数字を使ったり、あるいは運搬費というようなものが過大に見積もられておった、それから純然たる算術の間違いであった、こういうように分かれております。残念ながら、この一番多いのは、純然たるそろばんの間違いであったということが大部分のようでございまして、そこで、これらにつきまして、過大になったものにつきましては、いずれもまだ工事が終わっておりませんでしたので、直ちに設計を組みかえさせまして、減額いたしまして工事を終了いたさせたわけでございます。  これらの案件につきまして、いずれも不注意から起こっていることと存じますけれども、災害の分につきましては、昭和三十六年度というものは、非常に災害の多い年でございまして、第二室戸台風が起こった年でございまして、一時に全国に非常に多数の災害が起こったわけでございます。その三十六年の災害の支出額をみますと、県の工事では千百三十六件、金にして約八十一億でございます。それから市町村の工事では約百八十カ所ございまして、金額にいたしますと五億余でございます。都合いたしまして、全国で千三百十六カ所、八十六億余をいたしましたが、この指摘されました金額は約二千百万でございます、間違っておりましたけれども、そのパーセンテージは〇・二五%金額において誤りがあったわけでございます。災害が起こりますと、すみやかに復旧いたさなければなりませんので、即座に災害検査の人員を現地に派遣いたしまして、現地を実地に見まして、夜になりまして、宿舎に戻ってから計算をいたすというようなことで、毎日毎日徹夜同様のことを数日間続ける作業でございますので、ただいまありましたような誤り、そろばんの入れ違いということも、人のすることでございますから、必ずしもなきにしもあらずでございまして、ただいま申し上げましたような程度のパーセンテージで、あっていいことではございませんが、この程度の誤りがあったということに対して、県なり地方の公共団体の係員を処罰したり、これをひどく責めるというようなこともいかがかと思いましたので、こういう事項があったところの責任者には、本省から厳重に注意をいたしました。やる人は、これは公共団体の人でございますので、公共団体のほうでは、それぞれの長から、二度とこういう間違いのないようにということを本人に話したはずでございます。いずれも現場の第一線でまじめに働いている技術者の誤りでございますので、本省といたしましては、特に処罰したというようなことはございません。  以上でございます。
  81. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、港湾整備緊急措置法が行なわれてから現在まで、どのくらいの港湾整備進捗率が行なわれておるのか、御説明いただきます。
  82. 比田正

    政府委員比田正君) ただいま実施いたしております港湾整備五カ年計画は、法律に基づきまして、五カ年計画といたしまして、昭和三十六年度初年度といたしました五カ年計画でございます。三十八年度までのその進捗度を見ますと、約五五%進捗いたしております。ここにお手元に配付されました資料では、若干その数字が違っているかと思うのでございますけれども、私がいま申し上げましたのは、国から補助をもらいましたものへ地元の金を足して事業をいたします、その事業費におきましてパーセンテージをはかったわけでございます。また、二千五百億というのも、国費の支出額ではなく、事業費でございますので、事業費二千五百億円に対しまして、正確に申しますと、三十八年度が終わりますと、五四・五%の進捗ということに相なるわけでございます。
  83. 相澤重明

    ○相澤重明君 残された期間に、この目標を終わるのには、どういう計画をいたしておりますか。
  84. 比田正

    政府委員比田正君) 港湾の現況を見ますと、私どもが五カ年計画を三十六年度から始めました時点よりも、はるかに荷物の量もふえておりますので、私どもといたしましては、残された金額につきましては繰り上げて実施いたしたい。したがいまして、五年目の予算は四年目の予算よりもはるかに少なくなるというような現象になりますので、この五カ年計画が終わらない前に、最終年度を迎えますときまでには新しい五カ年計画を立てまして、さらに港湾整備したいと考えております。
  85. 相澤重明

    ○相澤重明君 計画を実施されてから、ただいまの御答弁で、すでに五五%の進捗率を見たということでございますが、その現状を把握されて、主要港湾の船込みの状況、あるいは航行船舶のふくそう、契約期間の長期化、こういうような、いろいろな問題があろうと思うのですが、これらについては、どういうように運輸省は把握しておりますか。
  86. 比田正

    政府委員比田正君) 船込みがありましたのは、一昨年でしたか、夏から秋にかけてでございますけれども、その次の年の予算には、予算を少し繰り上げてもらいまして、五カ年計画の中で、大ざっぱに申しますと、私は半年分ぐらい繰り上がったと記憶いたしておりますが、船込みが起こりましたのは、主として六大港でございますので、神戸、横浜等、大きな港につきまして、予算どおりの額を大蔵省も認めてくださいまして、その他、付帯いたします諸般の施設につきましても、起債、融資等も十分めんどうを見てもらいましたので、おおむね船込みというのは解消いたしたというのが現状でございますが、また将来、必ずしもこれで十分だとは思っておらないわけでございます。
  87. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、日本と外国との比較において、いわゆる港費あるいは荷物の取り扱い費用あるいは労務費、こういう点について、改善をするお考えがありますか。
  88. 比田正

    政府委員比田正君) 日本と諸外国の港湾の実情を申しますと、ある点では類似した点もございますが、それぞれの国柄、その経済状態、あるいは国民性、または労働事情、あるいは港湾の所在いたしておりますところの地理的条件等によりまして、千差万別でございます。したがいまして、外国でこういうふうになったからといって、必ずしも日本でこういうふうになったとは申されませんけれども、一概に申しますと、日本は四面環海でございまして、非常に港に適したような湾形もございます。したがいまして、たとえば、ロンドン港のように、テームズ川を百マイルものぼったところに港をつくらなければならないというような事情ではございません。したがいまして、全般的に見ますと、できました施設も、外国の大きな港よりも格安にできておるように私は感じております。したがいまして、これを使いますときの使用料の問題もございます。外国では非常に高い使用料をとっているようでございますけれども、私どもの日本では、港湾は公共事業であるという精神に徹しまして従来までやってまいりまたので、ただいまのところは、あまり高い使用料というものはとっていないわけでございます。
  89. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、海運関係についてお尋ねをするわけですが、昨年、海運二法が成立をしましてから、現状はどういうふうにグループ別に分かれ、また、その持っておるトン数はどのくらいになっておるか、御説明をいただきたい。
  90. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 御説明申し上げます。  海運二法によりまして、昨年の十二月二十日に全部の船会社が再建整備計画提出いたしました。それで、日本郵船と三菱海運が一緒になりました日本郵船グループ、それから山下汽船と新日本汽船のグループ、それから日本油槽船と日産汽船のグループ、日東商船と大同海運のグループ、川崎汽船と飯野海運のグループ、大阪商船と三井船舶のグループ、この六グループに集約されたわけでございます。  この集約に参加しました船は九百三十五万トン、わが国の外航船腹の約九割に該当いたしております。そのトン数は、グループ別に申し上げましょうか——日本郵船クループは二百二十八万重量トン、それから山下・新日本汽船グループは百十一万重量トン、それから日本油槽船と日産汽船グループ、これは昭和海運グループといっておりますが、これは百二万重量トン、それから日東商船と大同海運グループ、これをジャパンライン・グループと申しておりますが、百七万トン、それから川崎汽船・飯野が百五十五万トン、大阪商船・三井船舶が二百三十二万トンでございます。
  91. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、この六つのグループに再編成されたわけでありますが、この六つのグループがいままでいわゆる借り入れをしておる金額というものはどのくらいになっておるか。開銀なり、市中金融なり、それぞれからいままで借りておるわけですが、それを借りておる額をひとつ説明を願います。
  92. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 約三千億でございます。
  93. 相澤重明

    ○相澤重明君 グループ別……。
  94. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) たいへん申しわけございませんが、ただいまグループ別の資料を持ち合わせておりませんので、後刻お届けいたしたいと思います。
  95. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、後刻資料で提出してもらいたい。それは、資料をつくるときには、いまのグループ別のトン数と、それから開銀分が幾ら、市中銀行分が幾ら、計が幾らということで出していただきたいと思います。  その次にお尋ねするのは、いわゆる船舶を保有させるために国としても二十八年の利子補給をとめておったのを、再び利子補給することに決定をしたわけであります。いま、その利子補給というものが、これらのグループにどのくらいずつ出されておるかということについておわかりになりますか。
  96. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 申しわけありませんが、グループ別の利子補給額の資料を持ち合わせておりませんので、先ほどの資料と同じく、後刻お届け申し上げたいと思います。
  97. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、先ほどの資料にそれもあわせて出していただきますが、この再建整備をされることについて企業合同を行なったことに対して、運輸省としても十分まあ御相談をされたことだと私は思う。  そこで、私が一つお尋ねをしたいのは、多額ないわゆる国家資金を導入をし、あるいはまた利子補給をしておるこの海運について、企業合同をされたために、従来の会社の役員、いわゆる社長であるとか副社長であるとか、こういう人たちに退職金等の支給をされたことを御存じですか。
  98. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) まだ、この合併に際しましての役員の退職については、大体四月一日の合併を目標といたしておりますので、決定しておりません。ただ、昨年、これは具体的なある会社につきまして、将来の合併を予想いたしまして、社長、副社長が退職いたしまして、それに退職金を交付している事実は承知いたしております。
  99. 相澤重明

    ○相澤重明君 運輸省が把握しておる昨年のその会社の首脳部の退職金というのは、どのくらい出されましたか。
  100. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 社長に対しまして三千万円、それから副社長に対しまして二千二百万円支給をいたしております。
  101. 相澤重明

    ○相澤重明君 運輸省としては、もちろん民間の会社についてでありますから、行政上の処分ということはできないかもしれませんけれども、そういう多額な国家資金が導入されておる企業において、この法律に基づいて、あるいは行政指導上において、このような事案が出されたときに、運輸省はどういう態度をとりましたか。これはまたひとつ会計検査院にもお尋ねをしたいのでありますが、国家資金を導入しておるこういう会社の経理の問題について、どう会計検査院としてお考えになりますか。両者からお答えをいただきたい。
  102. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) この昨年の具体的な例につきましては、それを会社が出します際に、運輸省といたしましては、法的にはこれの是正を命ずる根拠はございませんが、会社が運輸省のほうにこれでどうであろうという相談をしてまいった次第でございます。そのとき、運輸省といたしましては、これの是正を命ずる法的権限はございませんが、公団の役員の退職内規あるいはいま不況の炭鉱の会社の退職内規等を参照いたしまして、それより低い線で押えまして、一応の運輸省の事務当局としての考えを申し述べたんでございますが、この社長も副社長も、二十二年という非常に長い在職年限になっておりますものでございますので、それをかけた額がそのように三千万円、二千二百万円ということになったわけでございます。
  103. 白木康進

    説明員白木康進君) お答えいたします。  海運会社につきまして、外航船舶の建造利子補給の関係につきましては、私どもも、運輸省のおやりになっております調査と密接に関連いたしまして、直接海運会社について実地の調査もいたしております。ただいま御指摘の役員の退職金等につきましては、今回の整備の関係は、実は、私どもいま検査を実施中の三十八年度以降に属する分でございまして、今後検討いたすわけでございますが、該当会社の退職金等が過大に支払われておるかどうかということにつきましては、先ほど運輸省からもお話しございましたように、退職金について一応監督上の基準を設けておられるようでございまして、私どもも、こうした当局の行政指導の面を一応参考といたしまして、著しく非常識なものについては、利子補給の法律の関係等の趣旨から検討いたしたいと考えております。
  104. 相澤重明

    ○相澤重明君 会計検査院のほうがやはりよろしいと思うんですが、退職金というものの性格はどういうふうにお考えになっておりますか。退職金とは一体何だと。もしおわかりだったら、御説明をいただきたい。
  105. 白木康進

    説明員白木康進君) とっさの御質問で、私、適確なお答えをいたしかねますので、若干保留さしていただきたいと思います。
  106. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは、いわゆる会計学の辞典をひとつお調べをいただきたい。これには、退職金というものに対する説明がついております。やはり退職給与金というのは一種の報酬、あるいは給料の補足というようなことが会計学の辞典に載っておるわけです。そういうことからいくと、やはりこれは、役員が長年勤続をしたということで、お礼というだけでは私はないと思う。お礼ということだけではない。こういう点を考えてくると、明らかに、当然とってもいいという考えがそこにあるのではないかと思う。当然とってもいいという考えのもとに、退職金規程に基づいて六千万も七千万ももらおうとしたけれども、運輸省の行政指導において五千五百万になった、こういうことじゃないのですか。最初の退職金規程を適用したならば幾ら支給されるということになっておったんですか、この会社は。
  107. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) お答え申し上げます。  運輸省が相談に乗りました額の約ほぼ倍額を、最初会社の退職内規で持ってまいりました。
  108. 相澤重明

    ○相澤重明君 次に、会計検査院にお尋ねをするわけでありますが、こういう国庫資金を導入をして、あるいは利子補給をされた会社がもうかっておれば、当然国家の利子補給というものはやめるということになるわけですね。しかし、これは民間会社であるから、政府として行政上強く指摘ができないということを先ほど御説明いただいたと思うんです。それでは、民法上の責任はどうなんですか。会計検査院、ここに商法がある。商法の二百五十四条で「取締役及取締役会」、こういうものがここにちゃんときめられておる。この商法上の責任はどうするのか。いわゆる行政官庁でないから、国家助成金が出されておっても、それを強く指摘することはできないという政府の考え、しかし、それでは無制限にそれを放任して置いてよろしいかということ、民法上、商法上のこの問題をどうする。これについて、会計検査院は、法律の解釈についてお考えになったことがございますか。
  109. 白木康進

    説明員白木康進君) 外航船舶の建造利子補給の関係につきましては、私ども検討いたしているわけでございますが、御承知のとおり、法律によりまして、会社の経営内容によっては補給金の対象にならない、あるいは補給金の返還という問題も起こってくるわけでございますが、その場合の会社の経理が適正に妥当に行なわれた上での決算であるかどうかということが問題になるわけでありまして、その場合の判断の基準といたしまして、ただいま相澤委員御指摘のような問題が当然起こってくるかと思いますが、補給金ということと、それからまた全然観点を異にいたしまして、経営の赤字補給というようなもの、これは若干性格が違ってまいるわけでございまして、私どもでは、法律の規定の範囲内で検討いたしておりますが、ただいまの役員の給与の問題、その他の点につきましては、はなはだ申しわけございませんけれども、まだ、商法、民法上の規定を十分に検討しておりませんので、あとでひとつ答弁させていただきます。
  110. 相澤重明

    ○相澤重明君 商法第二百五十四条ノ二に取締役の忠実義務の項があります。「取締役ハ法令及定款ノ定並ニ総会ノ決議ヲ遵守シ会社ノ為忠実ニ其ノ職務ヲ遂行スル義務ヲ負フ」——これは昭和二十五年第一六七号において追加されている。そしてこの総会の決議を忠実に順守しなければならぬ、それを怠った場合どうなるかという関係法令が出ております。そうすると、私の質問の要旨というものは、政府は行政指導上そこで強く規制することができないわけです。しかし、国家からは金がたくさん出ている。先ほどの話では、三千億も出ている。利子もたいへんなものだ。これでは国民の、一体納税者の立場はどうなるのか。会社はいつまでたっても赤字だ、国からは金がどんどんつぎ込まれる、しかしもらうものはかってに自分たちがきめてとってしまう、これでは、私は国の会計というものは成り立たないと思う。  そこで、もし政府が言うところの企業再建、企業合同をさせるということは何かといえば、これは国際社会の中で私どもが負けてはいけない競争力を培養することである、国際収支の改善にある、そのことを一日も早くやろう、こういうことなのです。この企業グループの、いわゆる企業合同させるのは何カ年計画で政府はやっておりますか。御答弁をいただきたい。
  111. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 再建整備計画は五年以内に償却不足を解消することを要求いたしております。
  112. 相澤重明

    ○相澤重明君 そのとおりですね。したがって、それができますか。いまのたくさんのたな上げされておるところのいわゆる導入金、あるいは利子補給、こういう点からいって、五年で必ずしも立ち直れると断言はできないでしょう。しかしその場合に、もうすでに国では利子補給をします。融資をいたしますと、こう言っておるのだけれども、赤字が長年かかるということは、私は、政府のこの海運二法をつくった場合の考え方と同時に、この商法上の責任というものが出てくると思う。これは追及されると思う。ですから、一日も早く国会できめたところの法律に基づいて再建をすべきなんです。長い間再建ができないものは、その会社の首脳部としては能力がないわけです。ですから、その義務を怠るものでありますから、本来ならば、そういう首脳部は交代をしてもらわなければならぬ、こういうことになる。しかし、それは株主がきめることです。株主がきめるからといって、もし国会がきめた法律による政府の行政上の指導が適切に行なわれなかったらどうなる。国損を与える、国損を。私ども国会において、特に決算委員会が重要視しておるのは、国民の税金をいかに効率的に使用するかということ、不正不当な事項がないようにしていくのが国会の決算委員会のたてまえ。そうすると、その会社が多額の国家資金利子補給をしてもらいながら、実は使い道は遠慮会釈なく使っていってしまって、実は長年かかってしまう。国家に早くそういう企業努力をした結果というものが全然出てこないということになれば、明らかに国家に対する損害を与えることになる、こう私は思う。  そこで、そういう行為をもし行なうということになれば、これは法律でそこを規制をしておらないからというだけで逃げるということは私はあたらない、こう思う。いかなる方法をとるべきかということを、まあきょうは時間の関係もありますから、私は疑問点をいま申し上げておきますから。しかし、これを長く放任させませんよ。政府も会計検査院も、このいわゆる国家資金というものをどう効率的に運用し、国民の期待にこたえるかということは大事なことでありますから、ひとつ、それぞれ御検討をいただいて、後刻総括質疑の当時にはお答えができるようにしておいてもらいたい。総括質疑の時間までにはかなりの時間がありますから、私は、ただ単に行政上の責任がないというだけで逃げるということについては、国家資金を出しておるたてまえからいって、国会としては無条件に認めるわけには参らぬ。  次の問題は、これらの船会社がたくさんの船舶を終戦以来建造をしておるわけです。しかし、その建造というものは、あまりにも、いわゆる計画造船のために、今日の海運界の事情には適応しないんじゃないか。すでに国際社会の中では、四万トンなり五万トンなり十万トンという船が多く出てきて、国際間に非常に大きな刺激を与えておるわけです。日本の今日までの計画造船そのものは、比較的私は、トン数から申し上げても競争力が弱いんじゃないか、むしろこの際は、政府自体がこれを改善をして、国際社会の中で競争ができるようにしていかなければいけないのじゃないかと、こう思うのですが、まず、いままでの計画造船で出されたトン数。隻数、それから資金、これについて政府に御説明をいただき、これから国際社会の中でどうわれわれはこの対外国との競争をして負けないようになるのか、国際収支の改善に役立たせるのか、こういうひとつ方針をお聞かせをいただきたい。
  113. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 私からでよろしゅうございますか。
  114. 相澤重明

    ○相澤重明君 両者からどうぞ。海運と船舶と。あとでもしいけなかったら、政務次官がよかったら答弁されてもけっこうでございます。
  115. 澤雄次

    政府委員(澤雄次君) 今日まで計画造船で建造されました船舶は四百十六ぱい、四百八万七千トン、お手元の資料にあるとおりでございます。ただいま御指摘の、従来の船が陳腐化と申しますか、世界の大勢におくれているのではないかという御質問でございますが、これは終戦後ほんとうに皆無の状態から立ち上がりました船会社が、船を自分で建造し得る最大限のものを常につくってまいったのでございますが、日本の産業構造も今日の状態といままでの状態と非常に違っておりまして、当時の産業界の要請が、タンカーで申しますと、たとえば、二万トンタンカー、今日ではもう陳腐化いたしておりますような二万トンタンカーでなければ使えなかったわけでございます。それで、そういうものを中心にして、計画造船の初期におきましては船をつくってまいりましたので、今日ではだいぶ陳腐化いたしておりますが、しかし十八次船、十九次船、それからさらに来年度におきましては、ただいま相澤先生の言われましたようなタンカーにつきましても、四万総トンをこえるタンカーが大部分になっておりまして、今後とも、経済の要請に応じまして、大型の、しかも高速の船をつくってまいるようにいたしたいと思っております。
  116. 相澤重明

    ○相澤重明君 それでは、運輸省関係は、進めていけばたくさんあると思うのですが、きょうはこの程度にしておいて、あと国鉄ですね、石田総裁、先ほどの……。
  117. 田邉國男

    政府委員田邉國男君) 相澤先生にちょっと先ほどの海連会社の退職金の問題につきまして、一言運輸省としてお答えをいたしたいと思います。  実は相澤先生の御指摘のとおり、私ども、かように多額の退職金が出たということは、御指摘のとおりまことに遺憾に存じております。特に、海運企業の再建整備にかかっている海運会社においてかような問題が起きるということは非常に遺憾でございまして、先般運輸大臣から、整備にかかりました十二の会社に対しまして、通達と申しますか、自粛するような要請の文書を出しております。今後かようなことがないように自粛するような処置をとるつもりでございます。
  118. 相澤重明

    ○相澤重明君 たいへん誠意のある御答弁でけっこうです。  国鉄に、まあ私は石田総裁に申し上げたいのですが、ただいままでの運輸省の答弁ですね。港湾局長なり海連局なり、それぞれの御答弁をお聞きのとおりでありますから、やはり決算上は、自分のほうで出されたものについては、そういうふうに的確にお答えいただけるように、ひとつこれから御指導いただきたい。  いま一つは、少なくとも、こういう決算で指摘された事項については、今後こういうことを起こさないように改善対策をとらなきゃならない。その改善対策をどうとったかということを、後刻常務会あたりで御相談になると思うのですが、そういうことをひとつ書面で報告してもらいたい。私は、きょうこまかい点は申し上げません。ですから、決算委員会として、なるほど国鉄はよくやっておる、反省をしている、改善策をとっておると、こういうことがお答えになれるように私は希望しておきます、そのことで、きょうの決算を私は一応終了したい思といます。
  119. 横川正市

    委員長横川正市君) 各委員から求められておりますそれぞれの要望については、後刻審査に十分間に合いますように御検討願います。  他に質疑のおありの方はございませんか。——他に質疑もなければ、運輸省及び日本国有鉄道に関する審査は、本日のところ、この程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時散会