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1964-06-25 第46回国会 参議院 議院運営委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十五日(木曜日)    午前十時三分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     田中 茂穂君    理事            鍋島 直紹君            村上 春藏君            大矢  正君            中村 順造君            永岡 光治君            白木義一郎君            田上 松衞君    委員            亀井  光君            栗原 祐幸君            鈴木 一司君            日高 広為君            野々山一三君   委員以外の議員            江藤  智君            村山 道雄君            大倉 精一君         —————    議     長 重宗 雄三君    副  議  長 重政 庸徳君         —————   政府委員    内閣官房長官 草野一郎平君    法務政務次官  天埜 良吉君    公安審査委員会    事務局長    松岡  清君    文部政務次官  八木 徹雄君    文化財保護委員    会事務局長   宮地  茂君    農林政務次官  松野 孝一君    労働大臣官房長 和田 勝美君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    事 務 次 長 宮坂 完孝君    議 事 部 長 海保 勇三君    委 員 部 長 小沢 俊郎君    委員部部長  土屋 政三君    記 録 部 長 佐藤 忠雄君    警 務 部 長 渡辺  猛君    庶 務 部 長 若江 幾造君    管 理 部 長 佐藤 吉弘君    管理部部長  浅井亀次郎君    渉 外 部 長 森  純造君   法制局側    法 制 局 長 今枝 常男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事議事協議員庶務関係小委員  及び図書館運営小委員辞任並びに  補欠選任の件 ○地方制度調査会委員及び選挙制度審  議会特別委員推薦に関する件 ○国会法第三十九条但書規定による  議決に関する件(畜産物価格審議会  委員) ○国会法第三十九条但書規定による  議決に関する件(甘味資源審議会委  員) ○公安審査委員会委員任命同意に関  する件 ○文化財保護委員会委員任命同意に  関する件 ○労働保険審査会委員任命同意に関  する件 ○決議案委員会審査省略要求の取り  扱いに関する件 ○派遣議員報告   —————————————
  2. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 議院運営委員会開会いたします。  理事等辞任の件についておはかりいたします。  永岡光治君から、都合により、理事議事協議員庶務関係小委員及び図書館運営小委員辞任いたしたい旨のお申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、この際、理事等補欠選任を行ないたいと存じます。  先例により、割り当て会派推薦者の氏名を報告いたします。
  4. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 日本社会党から、理事議事協議員庶務関係小委員及び図書館運営小委員として、大矢正君が推薦されております。
  5. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) ただいま報告のとおり選任することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  7. 永岡光治

    永岡光治君 どうもたいへん長い間お世話になりました。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。後任には大矢君がなりましたので、どうぞ私以上によろしくお願いいたします。   —————————————
  8. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、地方制度調査会委員及び選挙制度審議会特別委員推薦に関する件を議題といたします。  事務総長報告を求めます。
  9. 河野義克

    事務総長河野義克君) 去る十七日、内閣総理大臣から本院議長あてに、地方制度調査会委員・本院議員西郷吉之助君、塩見俊二君、増原恵吉君、豊瀬禎一君、山本伊三郎君、二宮文造君及び基政七君の地方制度調査会委員としての任期が一月十三日満了したので、後任者推薦を願いたい旨の文書を受領いたしました。  後任につきましては、前任者所属会派から、いずれも前任者推薦されたい旨の届け出がございました。議長といたしましては、前任者の七君を内閣推薦いたしたいと存じております。  また、同日、内閣総理大臣から本院議長あてに、選挙制度審議会設置法第五条第一項の規定に基づき、国会議員選挙制度審議会特別委員に任命したいので、本院議員のうちから、前回と同様、四名を推薦願いたい旨の文書を受領いたしました。  これにつきましては、自由民主党から館哲二君及び安井謙君、日本社会党から鈴木壽君、公明会から渋谷邦彦君を推薦する旨の届け出がございました。議長といたしましては、以上の四君を内閣推薦いたしたいと存じております。
  10. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 本件につきましては、ただいま報告のとおり推薦することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  12. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、国会法第三十九条但書規定による議決に関する件(畜産物価格審議会委員)を議題といたします。  政府委員説明を求めます。松野農林政務次官
  13. 松野孝一

    政府委員松野孝一君) 今般、衆議院議員東海林稔君を畜産物価格審議会委員に任命いたしたく、国会法第三十九条但書規定により、両院一致議決を求めるため本件を提出いたしました。  同君経歴につきましては、お手元履歴書で御承知願いたいと存じますが、畜産物価格審議会委員として適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに議決くださるようお願いいたします。
  14. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 別に御発言もなければ、畜産物価格審議会委員衆議院議員東海林稔君がつくことができると議決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  16. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、国会法第三十九条但書規定による議決に関する件(甘味資源審議会委員)を議題といたします。  政府委員説明を求めます。松野農林政務次官
  17. 松野孝一

    政府委員松野孝一君) 今回、衆議院議員芳賀貢本名武、及び参議院議員堀本宜実の三君を甘味資源審議会委員に任命いたしたく、国会法第三十九条但書規定により、両院一致議決を求めるため本件を提出いたしました。  以上三君の経歴につきましては、お手元履歴書で御承知願いたいと存じますが、いずれも甘味資源審議会委員として適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに議決くださるようお願いいたします。
  18. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 別に御発言もなければ、甘味資源審議会委員に、衆議院議員芳賀貢君、同じく本名武君及び本院議員堀本宜実君がつくことができると議決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  20. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、公安審査委員会委員任命同意に関する件を議題といたします。  政府委員説明を求めます。天埜法務政務次官
  21. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 公安審査委員会委員廣瀬豊作君は、本年四月十二日死亡いたしましたので、その後任として櫻田武君を同審査委員会委員に任命いたしたく、公安審査委員会設置法第五条第一項の規定により、両議院同意を求めるため本件を提出いたしました。  同君経歴につきましては、お手元履歴書で御承知願いたいと存じますが、公安審査委員会委員として適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに同意されますようお願いいたします。
  22. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 別に御発言もなければ、公安審査委員会委員櫻田武君を任命するにつき、同意を与えることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  24. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、文化財保護委員会委員任命同意に関する件を議題といたします。  政府委員説明を求めます。八木文部政務次官
  25. 八木徹雄

    政府委員八木徹雄君) 文化財保護委員会委員内田祥三君は、昭和三十九年二月十九日任期満了となりましたので、その後任として河竹繁俊君を任命いたしたく、文化財保護法第九条第一項の規定により、両院同意を求めるため本件を提出いたしました。  同君経歴につきましては、お手元履歴書で御承知を願いたいと存じますが、文化に関し高い識見を有するものでありますので、同委員会委員として適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに同意くださるようお願いいたします。
  26. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 別に御発言もなければ、文化財保護委員会委員に、河竹繁俊君を任命するにつき、同意を与えることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  28. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、労働保険審査会委員任命同意に関する件を議題といたします。  政府委員説明を求めます。草野内閣官房長官
  29. 草野一郎平

    政府委員草野一郎平君) 労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律昭和三十九年法律第五十六号)の七月一日施行に伴い、新たに労働保険審査会委員が三名増員されることになりますので、伊藤京逸木村清司及び三川克巳の三君を同委員に任命いたしたく、同法附則第二項の規定により、両議院同意を求めるため本件を提出いたしました。  三君の経歴につきましては、お手元履歴書で御承知願いたいと存じますが、三君は人格が高潔であって、労働問題に関する識見を有し、かつ労働保険に関し豊富な学識経験を有するものでありますので、同審査会委員といたしまして適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御同意いただけますようお願い申し上げます。
  30. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 別に御発言もなければ、労働保険審査会委員に、伊藤京逸君、木村清司君及び三川克巳君の主君を任命するにつき、同意を与えることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  32. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、決議案委員会審査省略要求取り扱いに関する件を議題といたします。  事務総長報告を求めます。
  33. 河野義克

    事務総長河野義克君) 一昨二十三日、前田久吉君外九名から「総合エネルギー政策に関する決議案」が提出されました。案文はお手元に配付のとおりであります。  本決議案には、発議者全員から委員会審査を省略されたい旨の要求が付されておりますので、この要求を認めるかどうか、御審議願いたいと存じます。
  34. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 本決議案委員会審査を省略することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午前十時十三分休憩    ————————    午後零時七分開会
  36. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 議院運営委員会を再開いたします。  派遣議員報告の件を議題といたします。  六月十六日発生新潟地震による被害状況調査のため、去る十八日から四日間、新潟山形、秋田の三県下に、本院から議員十一名が、三個班に分かれて各県に派遣されたのでありますが、各班ともその調査を終えられましたので、この際、前例にならい、本席において各班の代表者から御報告をお願いすることにいたします。  まず、新潟班の御報告をお願いいたします。江藤智君。
  37. 江藤智

    委員以外の議員江藤智君) 第一班について御報告いたします。  まず、私たち一行は、十八日午後、新津から新潟市内に入り、県庁を訪れまして、議員の皆さまから託されたお見舞い金塚田知事にお手渡しいたしますとともに、今回の新潟地震災害についてお見舞いを申し上げた後、直ちに陸上自衛隊のヘリコプターによって市内上空から被害状況を視察いたしますとともに、翌十九日新潟市内を、さらに二十日新発田市並びに村上市を視察いたしてまいりました。  まず、新潟地震被害は、十八日午後八時現在、死者十二人。なお二十日さらに二名の死者が確認され、死亡十四名になりました。負傷者二百七十四人、行方不明十三人、家屋全壊七百九十六戸、同半壊六千六百二十七戸、同全焼三百五十七世帯、同半焼三十世帯、同流失四十戸、同床上浸水一万三千七百八十三戸、同床下浸水九千二百九十九戸、非住家被害三千三百三十一戸、水田流失埋没一千九百五十六ヘクタール、同冠水一千三百七十六ヘクタール、畑の流失埋没二百四十七ヘクタール、同冠水八十五ヘクタール、道路損壊六百七十五カ所、橋の流失三十二カ所、堤防決壊五十八カ所、山くずれ九十九カ所、鉄道被害九十一カ所、通信施設被害三百四十二回線、船舶沈没五隻、同流失三隻、同破損五十四隻、被災世帯二万一千四百三十八、被災者数九万九千十六人に達しております。  今回の新潟地震は、中型の鉄筋コンクリートビルがきず一つつかないで傾き、木造家屋が意外にしゃんとしておりまして、地震の影響さえ感ぜられないところがある一方、軒並みにつぶれた地域も出ているのであります。それは、地盤軟弱性が土地によってひどく変わっており、弱い部分に災害が集中しております。ことに駅前及び信濃川沿岸地帯の鉄筋の建物の七〇%が傾斜しております。深い基礎、地下室等を持つビルがその被害を免れている事実は、今後の深い研究を要することかと考えられました。不幸中の幸いと言えることは、福井地震にまさる地震でありながら、民家の火災が意外になかったことでありましょう。発生時間などの条件もありますが、新潟の場合、火災が少なかったことは、過去の新潟大火経験から、市民が火の元に特に注意があったためではないかと思われます。にもかかわらず、石油タンクの爆発と炎上によって、家を焼失された方々の、いまなお不安な生活をまのあたりに見、まことにお気の毒にたえない次第であります。  次に、市内状況は、災害四日目を迎えて、商店の店開きも目立ち始めておりますが、給水を受ける人々の行列や、むざんな姿道路や橋、また倒壊した家屋埋没傾斜した建物などが、まだなまなましく被害の跡を物語っております。しかし、復旧用資材救援物資を積んだ自動車が続々着き始めて、市民生活もようやく平常の活気を取り戻し始め、また、地震発生以来燃え続けております昭和石油一帯タンク群黒煙も下火となり、再び火勢が広がるおそれもなくなりました。しかし、まだ水道ガスは依然としてストップしており、し尿処理も、機能が麻痺しているため、赤痢などの伝染病発生の心配が強まり、浸水地帯市民が避難しております各小学校などを重点に、防疫対策には特に力を入れているようであります。また、焼け出された東新潟山ノ下地区住民は、避難先西新潟地区の各小学校で不安な日を送り、復旧に向かう新潟の町の中で、この人々は取り残されたように暗い表情でおります。  これら当面の対策については、飲料水給水車二十三台、トラック百台で運搬給水中でありますが、上水道復旧については送水管布設を急ぎ、青山、関屋の両浄水場の操業を開始し、これにより西堀一帯二十カ所の消火せんを利用して給水できるよう、作業を進めておりますし、東新潟山ノ下地区を除いて鳥屋野浄水場からの送水をも急いでおります。また、し尿処理場が操業不能なため、これを投棄することとし、避難所を重点的にして進めております。また、防疫対策として、関東方面まで県下各市町から要員の応援を要請して作業を開始し、また、赤痢予防のため内服薬を配布するほか、東京、長野、富山から救護班の応援を要請して、各避難所に常駐させ、その他、日赤と県医師会が巡回診療するほか、保健所市町村医師看護婦を動員して、その対策の遺憾なきを期しております。  また、浸水のひどい信濃川流域山ノ下臨港地区等浸水地区排水作業等も、自衛隊の投入とともに、破損個所締め切り作業の完成に全力を注いでおります。  一方、被災者住宅対策として、ここ一週間以内に応急仮設住宅二百戸を建設するほか、プレハブ住宅二、三百戸の建設を行ないます。また、電気につきましても、東京、中部電力、電発から、資材、人員の応援を得て九五%程度に給電できる見通しがつき、さらに、ガスにつきましても二十日間で復旧する計画で進めております。交通通信関係復旧につきましても同様に漸次回復に向かいつつあります。  以上のように、市内災害復旧全力をあげている状況であります。しかしながら、今後の復興の道はなお険しいものがありますので、  一、激甚法に基づく激甚災露地指定全面適用をしていただきたい。  二、公共施設災害復旧事業、特に重要な道路、橋梁、港湾については、復旧年度を単年度に短縮していただきたい。  三、民間産業施設被害も含めて、災害復旧には、技術者資材、労務者、資金の不足が予想されるので、これらについて特に配慮願いたい。  四、学校病院警察署等公立施設復旧については原形面積公共対象として補助願いたい。  五、災害復旧事業地方負担に対する一〇〇%の起債充当及びこの償還元利補給を、伊勢湾台風災害と同様な取り扱いとする立法措置を講ぜられたい。  等の万般にわたる援助を願いたいと、要望がありました。  次に、新発田市、村上市及び岩船郡下の各町村におきましても、家屋倒壊、農地の冠水埋没、隆起、水道管の破裂、津波による漁船の被害等、多大の被害を受けておりますので、これら市町村財政を考慮され、特別交付税等による財政援助学校施設に対する復旧費援助住宅建設に対する長期低利融資措置を講じ、特に農家構造等を考慮されて、建坪等貸し付け条件及び金額等を考慮されたい等の要望がありました。  以上簡単ではありますが、御報告いたします。
  38. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) ありがとうございました。  次に、山形班の御報告をお願いいたします。村山道雄君。
  39. 村山道雄

    委員以外の議員村山道雄君) 山形班を代表いたしまして、私から調査の概要について報告いたします。  北畠教真君、瀬谷英行君及び私村山道雄の一行は、まず、県庁において被害実情について説明を聞き、被災地を実地に調査いたすとともに、被災者に対しましてお見舞いと激励のことばを述べ、また、被災者からの切実なる要望をも聞いてまいりました。  山形県における今回の地震は、明治二十七年の酒田沖地震以来の震度五ないし四という強震であり、その回数も二十回以上と記録されており、私どもも現地を視察中二、三度強度の余震を経験いたしました。この地震で、庄内地方等道路は各所で亀裂を生じ、住家被害激甚をきわめ、家屋埋没陥没による倒壊学校校舎の全半壊、また校庭の亀裂等により死傷者を出しておりますが、津波及び火災による被害がなかったのは、まことに不幸中の幸いであったと思われます。  以下、時間の制約がありますので、簡単に被害状況を申し上げます。  まず、人的被害としては、死者九名、負傷者六十四名であります。  物的被害としては、建物農林、土木、厚生医療水道教育関係等推定被害総額約百十億円と称されております。二、三の点について申し上げますと、  まず、建物関係では、被害の額約七十二億円といわれます。記録によれば、住家全壊は三百五十四、半壊八百十七となっておりますが、一部損壊一万八千四百七十一、非住家全壊二百四十三、半壊六百二十三、一部損壊三千三百七十、半壊家屋は、曲がって立っているというだけで、中の柱は大半が折れたり曲がったりし、壁はほとんど崩壊、地面の亀裂陥没埋没等によって、修理は不可能、使用などとてもできるものではありませんでした。全く全壊にひとしいものであります。  次に、厚生医療施設関係についての被害額は約五千万くらいになるといわれます。保健所病院水道その他の衛生施設のうち、特に水道酒田市がひどく、私どもが帰るときも、いまだに自衛隊給水車にたよっているような実情でございました。  さらに、教育施設関係被害については、被害総額約三億八百万といわれ、公立の小中学校で要補修が百九十八校、うち全半壊が十一校で、甚大な被害を受けているのが鶴岡市、温海町、酒田市、三川村であります。  その他、県立の学校社会教育施設等においても同じように被害をこうむっております。以上は、いずれも六月十九日現在における被害状況でございますが、今後この被害額がさらに増大していくのではないかと思われます。  次に、災害救助法は、鶴岡市、遊佐町、酒田市及び温海町に適用されております。  次に、被災地住民からの要望についてでございますが、激甚災害指定住宅復旧資金ワク拡大貸し付け限度額引き上げ天災融資法適用文教施設水道施設等早期復旧について強い要望がありました。  最後に、今回の災害について、私ども調査団の所見について若干申し上げたいと思います。  第一に、今回の地震は、庄内地方、すなわち温海町、鶴岡市、三川村、酒田市及び遊佐町を中心に、県内全域にわたって、各種の被害を与え、その被害額も、推計百十億をこえるのではないかと推定されますので、激甚災害特別援助法による激甚災害としての指定が望まれます。  第二に、住宅対策については、災害復興住宅建設補修資金並びに一般個人住宅災害特別資金ワク拡大貸し付け資金限度額引き上げ、さらには、国有林野材建築資材として格安に払い下げる措置を講ずる必要があると存じます。被災家屋のうちでも、特に農家集団的倒壊がはなはだしく、ビニールハウスに居住している一家も少なくありません。多数の家族をかかえる母家のみならず、作業場、納屋の復旧も欠くことのできない事情にありますので、農家復旧については、特に低利融資をはかられるよう、現在の一戸当たり貸し付け限度額四十二万円を百万円くらいまでに引き上げ償還期限を二十五年以上にする融資の道を開く特別の措置を講ずる必要があると存じます。私が災害対策特別委員会建設省当局に質問しましたところ、一戸当たり貸し付け限度は五十八万円まででありますが、なお実情調査の上、さらに引き上げられたいと思います。また、自作農維持資金災害特別ワクなどの方途を講ずるなど、農家住宅復旧について善処されたいのであります。  第三に、文教施設早期復旧についてであります。被災地における小、中学校等施設被災は、まことにひどいもので、半壊として計上されている分の大半は、使用不能の状況で、現在休校または二部制か、他校の教室借用等によりまして授業を継続している学校が多く、被災市町村もその復旧に頭を痛めているのが実情でありますので、これらの復旧工事促進のための国庫補助及び地方債許可等について、早急に特別の措置がなされねばならないと痛感いたします。  なお、その際、被災学校積雪地であり、しかも地盤軟弱地域に立地されていることを考慮して、特に危険な地域に立地することを避けさせるとともに、補助の基準を引き上げること、設計上も、このたびの災害にかんがみて、単なる復元的処置でなく、地震に対する配慮を加えた改良処置をとられるよう特に希望いたします。  その他、国税の減免措置、県及び被災市町村に対する財政措置等も緊急になされねばならない諸問題であると思います。  終わりに、重ねて被災者の皆さまに心からお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早く立ち直られんことを祈り、あわせて関係各位の復旧努力に対しまして、敬意と感謝をささげて、報告を終わります。
  40. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御苦労さまでした。  次に、秋田班の御報告をお願いいたします。大倉精一君。
  41. 大倉精一

    委員以外の議員(大倉精一君) 今次の新潟地震による被害県のうち、秋田県の調査を命ぜられ、現地を視察してまいりました一行を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。  派遣議員は自由民主党の山崎斉君、社会党の鈴木壽君及び私でございまして、六月十八日上野を出発いたし、六月二十一日までの四日間、現地の慰問並びに被害状況調査を行なってきたのであります。  私ども一行は、秋田到着後、直ちに県庁にまいりまして、本院議員一同を代表いたしまして、お見舞いのごあいさつをし、見舞い金を知事に贈呈いたしました。次いで、知事から県内の総括的な被害状況について説明を受けました。時間の関係上、県内にて最も大きな被害をこうむりました本荘市、仁賀保町、平沢町、象潟町、西目村、天王町、男鹿市及び八郎潟干拓地の被害状況を県のジープにより、その実態をまのあたりに見たわけであります。調査の結果、今次の被害は、個人の住宅関係の災害の多いことが印象に残りました。また、学校特に老朽化した小学校被害が大きく、使用不可能の状態となっているものがたくさんございます。次いで、商工関係でありますが、仁賀保町の昭和石油の中心機関部被災によって、工場が一カ月半から二カ月の操業休止のやむなきに至っております。また、同町の東京電化工場にも著しい被害のあることが明らかになっております。また、西目村の瓦工場の倒壊、本荘市の工場倒壊等、その他各地区に相当の被害が出ているのでございます。  また、八郎潟干拓地につきましては、西部承水路の堤防の一・五キロメートルに及ぶ損壊、地割れ、天王町八郎潟干拓地隣接の旧河口付近の高潮による護岸の欠壊と二十五ヘクタールの田地の塩害及び漁業設備の被災が目立っておりました。上水道関係では、老朽化した資材のための被害が大きく(本荘市その他)、また、浄水場(本荘市)の損壊もありましたが、県及び関係市町村の努力により応急措置がなされておりました。  新聞紙上にあまり報道されておりませんため、過小視されがちでありますが、秋田県内の被害は、局所的に意外に大きいのであります。県当局による被害の総額は、六月二十日現在にて約十四億となっているのでありますが、今後の調査の進むにつれて、さらに増加する模様であります。その部門別被害額は、厚生関係約二億六千万円、農業関係六千九百万円、林業関係三千三百万円、土地改良関係四千四百万円、水産関係五百万円、商工、鉱業関係二億一千万円、土木関係五百万円、文教関係七億七千三百万円、その他鉄道六億二千万円、電気通信千四百万円、電力九百六十万円、八郎潟干拓地被害額は目下調査中、計約十四億円となっております。  なお、県当局よりの要望がありましたので、一応申し上げます。  一、公共土木施設等被害の緊急施行個所については、工法協議により実施したいので、特段の配慮を願いたい。  一、特別交付税の配分にあたっては、災害応急対策費等を十分配慮の上、増額配分されたい。  一、災害復旧事業債の配分にあたっては、道路、橋梁、河川等に小規模災害が多数発生している現状を十分配慮の上、増ワク配分されたい。  一、被災市町村に対しては、災害復旧のための事業資金として財政調整資金の優先貸し付けをはかられたい。  一、住宅復旧のため特別な融資措置を講じられたい。  一、中小企業に対する資金融資ワク拡大されたい。  一、水道施設復旧に対する国庫補助及び起債ワク拡大されたい。  一、中小企業の被災者に対する税金の減免をはかられたい。  一、農林業施設の早期災害復旧について特段の配慮を願いたい。  一、今次災害激甚災害特別援助法に基づく「激甚災害地」に指定されたい。  以上でありますが、私どもとしましては、可能な限り、県の要望に沿うべく努力いたしたいと思う次第であります。  この調査で感じましたことについて一つ二つ申し上げますと、秋田県の今次の被災地を見ますと、新潟と同様砂地にて、地盤が非常に軟弱であります。いわゆる災害多発地帯とでも申しますか、しかも新潟と同じく精油所が各個所にありますので、大きな地震が今後あれば、新潟の二の舞いとならないとも限りません。この際、災害の場合の予防措置を抜本的に検討する必要があり、現地関係当局へも強く要望してきた次第であります。明細については、参考資料がございますから、それをごらん願いたいと思うのであります。  たいへん簡単でありますが、これをもって私ども報告を終わります。
  42. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御苦労さまでした。以上をもちまして各班の御報告は終了いたしました。  別に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十分散会      ——————————