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1964-02-25 第46回国会 参議院 外務委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十五日(火曜日)    午前十時三十七分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     黒川 武雄君    理事            井上 清一君            草葉 隆圓君            加藤シヅエ君    委員            青柳 秀夫君            鹿島守之助君            木内 四郎君            杉原 荒太君            山本 利壽君            佐多 忠隆君            羽生 三七君            森 元治郎君            二宮 文造君            佐藤 尚武君            曾祢  益君   政府委員    外務政務次官  毛利 松平君    外務大臣官房長 高野 藤吉君  事務局側    常任委員会専門    員       結城司郎次君  説明員    外務省条約局外    務参事官    須之部量三君    外務省経済局外    務参事官    平原  毅君    農林省食糧庁業    務第二部長   中島 清明君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本国アメリカ合衆国との間の領  事条約締結について承忍を求める  の件(内閣提出) ○千九百六十二年の国際コーヒー協定  の締結について承認を求めるの件  (内閣提出) ○千九百六十二年の国際小麦協定の締  結について永認を求めるの件(内閣  提出)     —————————————
  2. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) それでは開会いたします。  まず、日本国アメリカ合衆国との間の領事条約締結について承認を求めるの件、千九百六十二年の国際コーヒー協定締結について承認を求めるの件、千九百六十二年の国際小麦協定締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  これから質疑に入ります。
  3. 羽生三七

    羽生三七君 この国際小麦協定についてお尋ねいたしますが、本件は、さきに参議院の当委員会では審議をして内容も承ったことでありますけれども、衆議院段階審議未了になって、再度ということでありますから、くどいことはお尋ねいたしませんが、ひとつお尋ねしたいことは、最近の世界小麦需給状態、それから、符にソ連アメリカとの小麦貿易協定もあり、さらに中国カナダ等取引もあるので、しかも、アメリカソ連との小麦取引はいろいろな問題もあったようですが、その内容はともかく、そういうことと関連をして、最近の世界小麦情勢、特に需要供給関係で、昨年承ったことから見て、この一年間の変化を少し詳細にお聞かせいただきたいと思います。
  4. 中島清明

    説明員中島清明君) ただいま先生から御質疑がございましたように、ソ連なり、あるいは中共買い付けがございましたけれども、大体世界作柄を見ますと、カナダが非常な豊作でございまして、アメリカも平年作を上回る作柄であったわけでございます。  そこでこれを数字的に見てみますと、四大輸出国小麦需給状況でございますが、これは一九六三−一九六四年度ということでございますが、アメリカにつきましては、一九六三−六四年度期首におきまして約三千二百万トンの在庫がございます。生産は約三千万トンで、供給としては六千三百三十万トン。これに対しまして需要のほうは、輸出それから国内消費合わせまして約三千八百四十万トンで、期末におきましては、つまり本年の六月におきましては、約二千四百八十万トンに在庫が減るような計算になっております。  なおカナダにつきましても、生産が非常に、前年に比べて約四百万トンふえておりますけれども、他方輸出増等がございまして、これは八−七でございますけれど、在庫はほぼ前年並みというような形でございます。  ほかにアルゼンチンオーストラリア等状況もございますが、かいつまんで総体で見ますと、一九六三−六四年度におきましては、期首在庫が四千六百四十万トン。それに対しまして生産が約六千四百万トンでございまして、他方需要のほうは、これら四大輸出国国内消費輸出を合わせまして約七千二百十万トンでございますので、期末在庫としましては約三千九百万トンということで、期首に比べまして約七百万トンの減というような状況でございます。  需給状況はおおむね以上のような状態になっております。
  5. 羽生三七

    羽生三七君 これで全体として見て、まだ小麦過剰年産状況なのか、その辺のことと、それからもう一つソ連中国生産事情はどうか、その辺もちょっと。
  6. 中島清明

    説明員中島清明君) 全体として見ますと、これは一時は過剰と言われておりましたけれども、はたしていまの状態でまだ依然として買い手市場なのか、あるいは売り手市場なのかということは、非常に見方によりましてむずかしい問題でございまするので、いわゆる過剰の在庫がありまして、それがいろいろ価格について圧迫の要因になるとかというような状態ではございませんで、むしろ正常な状態に近くなっておるのではないかというような態じを持っておる次第でございます。ただ、実は本年産の七月以降になりますと、また新麦が出回りますので、この新麦の作柄いかんによりまして、また来年産の麦の需給がどうかというようなことに相なるわけでございますが、ただいま、たとえばシカゴ等作物相場等を見ておりますと、いま私数字手元に持っておりませんが、やはり七月以降の作物は弱いというような状況でございますので、本年度のいまの麦の状態では過剰ではございませんが、またことしの麦の作柄いかんによりまして、これはどういうぐあいになりますか、まだはっきりこの段階で申し上げられる段階にはなっていないと思います。  それからソ連生産でございますが、資料がはっきりございませんので、明確なことはわかりませんけれども、これはある報道によりますと、ソ連全体の穀物の生産は六二年−六三年が七千七十八万トンでございまして、六〇年−六一年が六千六百五十万トンでございますから、非常な減産であったというような報道もございます。  なお、中共につきましては、資料を持っておりませんので、どの程度生産状況になっておりますか、私どもも明らかになっておりません。
  7. 羽生三七

    羽生三七君 そういうことから、この一年間——前回審議したときから一年間見て——一年になりませんけれども、小麦協定自体内容について、特別修正なり変更を加えるような条件の変化はないと了解してよろしゅうございますか。
  8. 中島清明

    説明員中島清明君) 小麦協定内容自身につきましては、前回も御説明あったと思いますが、要するに、一定の安定帯のように、小麦価格を押しつけようというようなねらいがあるようでございまして、そういう趣旨は、こういう情勢におきましても、非常にわが国にとっても利益になることでございます。特に、最近の情勢によって変更を加える、あるいは修正を加えるというような必要はないものと考えております。
  9. 羽生三七

    羽生三七君 まだ資料をよく見ていなかったのですが、日本の最近の輸入関係はどうなっておるのか。
  10. 中島清明

    説明員中島清明君) 資料の二十二ページにございますが、これは到着実績でございまして、三十二会計年度から三十七会計年度までの国別数字でございます。主食用につきましては、三十七年度が、ここにごらんいただきますように、百六十九万四千トン、そのほかにえさ用とございまして、七十二万二千トン。こういうのが三十七年度までの到着実績でございます。これに対しまして三十八年度につきましては、実は国内産麦が非常な不作でございまして、特に小麦につきましては約九十万トン平年に比べまして減収になったわけでございます。その結果輸入量がふえまして、三十八会計年度におきましては、主食用といたしまして二百四十五万二千トン、えさ用が八十四万七千トン、合計いたしまして三百二十九万九千トンの輸入を予定いたしております。なお、三十九年度につきましても、これは新しい麦が七月以降になりませんと出てまいりませんので、やはり三十八年産麦不作影響によりまして輸入量は若干減りますけれども、主食用として二百三十万四千トン、えさ用が八十八万六千トン、合わせまして三百十九万トンの輸入を予定いたしております。
  11. 羽生三七

    羽生三七君 最近の外貨事情政府説明する場合に、主として外貨喪失の大きな理由として、輸入食糧の問題をあげておるようですが、昨年の不作のことはあるにしても、全体として政府の最近の農業政策の若干の転換から、小麦が漸次作付面積の減反ということで、今後あまり出産の増大は見られないと思われますが、そういうことから、昨年の特殊事情は別として、今後、毎年をコンスタントに見て、一体どの程度輸入を今後通常必要とするのか、それから、特に昨年と一昨年と比べて、昨年は外貨の点でどの程度の前年対比外貨支払い小麦関係増加したのか、その辺はいかがですか。
  12. 中島清明

    説明員中島清明君) 今後恒常的にどの程度輸入になるかという御質問でございますが、実は、四十年以降につきましてはっきりした数字的な根拠は持っておりませんが、いずれにいたしましても、小麦の一人当たり消費というものは大体横ばいのような状況でございますので、人口増に応ずる分だけは需要の増があるのであろうと思います。  なお、国内産小麦につきましては、実は去年はこれは異常な不作でございまして、約九十万トンというような不作があったわけですけれども、三十九年産の麦につきましても多少去年の長雨というようなものが影響いたしまして、作付面積は去年よりも一割程度減るのではないかというような見方をいたしております。  なお、他方飼料用につきましては、これは畜産の振興によりまして、飼料用小麦輸入というものは漸増する傾向にございますので、まあ三十八年度、三十九年度のように三百数十万というような程度には行かないかと思いますけれども、いずれにいたしましても、三百万トンに近い輸入が今後とも行なわれることになるのではないか、かように考えております。  なお、外貨の問題につきましては、手元資料がございませんので、至急調べまして後刻お答え申し上げます。
  13. 羽生三七

    羽生三七君 その点は、政府外貨事情説明の場合に、必ず小麦減収等が最大の影響だと言っておるから、どの程度影響があったのかということを承っておるわけです。あとでお答え願ってもよろしいが……。
  14. 杉原荒太

    杉原荒太君 いまの資料の十九ページを見ますと、日本国別輸入量数字オーストラリアカナダ米国と、この三つをずっと見ていきますとこ、の三国の絶対数字じゃなく、その割合ですね、割合を見ていきますと、ここに数字にあらわれているような推移をたどっておるのだが、私がまず第一に聞きたいのは、いままでのところ、従来これらの三国から小麦をどれぐらい買うということについて、こっちの必要とする、つまり需要の面からの要求と、価格とか品質とか、そういった考慮のほかに、これらの三国に、ないし日本の全体の通商政策上の考慮からいって、大体こういった割合で何しようというような考慮が加わっておるのかどうか。加わるとすれば、どういうふううな考慮が加わっておるかという点、いままでのところ……。
  15. 平原毅

    説明員平原毅君) 御説明いたします。お気づきのとおり、これらの豪州カナダ米国というようなのは、いずれもわが国入超国でございまして、したがって、私たちといたしましては、これらの国とのバランスも考えまして、輸入先転換ということも抽象的にはいろいろ考えるわけでございますが、農林省のほうから御説明があると思いますが、これら米国カナダ豪州という輸入先から輸入いたします小麦は、それぞれ性質と申しますか、質が違いまして、また用途も違いますので、国内需要状況から見まして、必ずしも二カ国間のバランスということで輸入先転換できないというような実情にございます。したがって、まあわれわれといたしましては、これら三国との貿易交渉あるいは話し合いを通じまして、常にわれわれが主としてこれらの食糧というようなものを過剰に輸入しておる関係上、わが国入超になっておる。しかるに、相手三国ともいずれも、あるいはわがほうの自主規制あるいは関税問題というようなことで、相当日本輸出に対して不利な待遇もしておりますので、これらの問題をひっかけまして、なるべくわがほうの輸出に対する制限というものを減らすような交渉はいたしております。その結果、傾向といたしましては、二国間のバランスということもわがほうに少しずつはよくなってきておりますが、まだ所期の目的までは達しておりません。しかしながら、先ほど申しましたように、これらの輸入先をすっかり転換するということには、現実日本国内事情という点から、わがほうの期待どおりにはいかないというのが実情でございます。
  16. 杉原荒太

    杉原荒太君 まあ、いろいろ品質とかその他から全面転換するとかなんとか、それは現実にできないことだろうけれども、しかし、何と言っても、日本通商政策の上から、相当その辺のところ強い考慮を加えていかないと、ことに過去のことはともかくとしても、将来を見て、たとえばオーストラリアとかいうところ、こういうところの将来を見るとき、やっぱり相当そういった通商政策上の考慮というものが、実情可能な限り加えられていくという政策をとることが必要だろうと思うが、そういった点など、特にこれはどこの省というのでなくて、日本通商政策としてそれが必要だろうと思う。ことに、ずっと将来を考えてみるというと、これはアメリカでもカナダでも同様に、日本としては非常に大事な、同時にオーストラリアとの関係というものは非常に大半に違いない。これはだれしも認めるところなんだから、その辺のところ、これは小麦に限られているけれども、農産物の関係というのは、これは実は一番障害でもあるとともに、また、それが交渉の上の一つのやはり材料に違いないのだから、そういう観点から開いたわけです。
  17. 井上清一

    井上清一君 ちょっと、いまの問題に関連しまして伺いたいと思うのですけれども、アルゼンチンからは小麦はどのくらい入っているのですか。
  18. 中島清明

    説明員中島清明君) アルゼンチン小麦は、現在は買っておりません。
  19. 井上清一

    井上清一君 全然入っていない。
  20. 中島清明

    説明員中島清明君) はい。
  21. 井上清一

    井上清一君 これは運賃関係ですか。
  22. 中島清明

    説明員中島清明君) やはり運賃関係相当割り高になりますので、アルゼンチンからは買ってないわけです。
  23. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) ほかにございませんか。
  24. 羽生三七

    羽生三七君 この主要生産国生産の総量は先ほど伺いましたが、単位面積でいう生産性の問題は、資料は何かありませんか。
  25. 須之部量三

    説明員須之部量三君) ただいまの出産性の問題でございますが、一九六二−六三年度の一エーカー当たりブッシェル単位でございますが、米国が二三・七ブッシェルカナダが二一・一ブッシェル、 西ヨーロッパを全体平均いたしまして三一・三ブッシェル、それからオーストラリアが一八・六ブッシェル日本が三七・八ブッシェル、それからソ連が一五・六ブッシェルというような数字になっております。
  26. 二宮文造

    二宮文造君 国際価格対比をちょっと教えていただきたいのですが、国内産との。
  27. 中島清明

    説明員中島清明君) 国際価格につきましては、昭和三十八年産小麦買い入れ価格は、二類三等でトン当たり包装込み四万三千六十七円という数字になっております。  なお売り渡し価格につきましては、トン当たり三万二千八百五十円でございます。これに対しまして輸入価格は、最近の買い付け平均価格でございますが、三十八年の四月から十二力、食用で二万八千二百円程度になっておりまして、輸入価格のほうが、国産の買い入れ価格四万三千円に比べまして、約二万八千円でございますから、トン当たり約一万五千円程度割り安である、こういうことに相なっております。
  28. 井上清一

    井上清一君 アメリカとの領事条約の問題なんですが、たしか私、ちょっと記憶間違いかもしれませんが、ウイーン当事国間の領事に関する条約締結があったと思うのですが、それとの関係はどういうことになりますか。
  29. 須之部量三

    説明員須之部量三君) 領事関係に関するウイーン条約、昨年一応原案ができまして署名に開放されたわけでございます。ただ、この条約は二十二カ国の批准で発効するわけでございますが、まだ、現に批准いたしましたのは、われわれの承知しておりますのは一カ国でございます。発効までには相当の期間がかかるのではないかというふうに考えられます。ことに外交官特権に関するウイーン条約と違いまして、領事条約の場合は、かなり会議参加国立場が違った事情もございますので、おそらく外交官特権条約以上に発効までには時間がかかるのじゃないかというふうに予想されます。そうして、そのウイーン条約の中に、ウイーン条約発効の際までにできました二国間条約には何ら影響を与えないという条項が入っておるわけでございまして、したがって、領事条約が今回御承認を得て発効いたしますれば、将来ウイーン条約発効いたしましても、その影響は受けない、二国間には二国間の条約が適用されるということになるわけでございます。
  30. 羽生三七

    羽生三七君 国際コーヒー協定に関しては、資料をいだいておりますが、最近の貿易自由化の促進なんかと関連して、何か特別に変化ということはありますが、たいした変化はありませんか。
  31. 平原毅

    説明員平原毅君) 御存じのように、コーヒー自由化は一昨年の七月日本では行なわれたわけでございまして、御存じのように、いわゆるインスタント・コーヒー輸入が爆発的に多くなりまして、金額にいたしまして約二千万ドルというような予想外輸入が行なわれたわけでございますが、一応その後は、一昨年の二千万ドルに比べまして、はるかに普通になりまして、全体として見れば、大体年間の増加率は一〇%ないし一五%というのが現在の状況でございます。したがって、自由化によりまして、窓を開いた瞬間には、何と申しますか、いささか投機的な面で輸入が激増いたしましたが、その後は国内需要の普通の増加というものに並行して輸入が行なわれているという次第で、特に大きな変化はないというように考えております。
  32. 井上清一

    井上清一君 なま豆と、それからかん入りコーヒー輸入割合というものをちょっと承りたいのですが、日本コーヒー業界は、なま豆で輸入されることを非常に希望しておるわけです。というのは、かん入りにいたしますと非常に高くなることと、その加工賃アメリカなりイギリスなりに取られるわけです。なま豆で入ってまいりますと、それらの加工賃日本に落ちるというふうな関係で、なま豆の輸入を非常に希望しているわけです。このコーヒー協定によって輸入いたしますのは、なま豆を基準の数量として考えられていると思うのですが、かん入りの場合だと、一体どういうふうな扱いになっておるのか、それらの点をちょっと伺いたいと思います。
  33. 平原毅

    説明員平原毅君) かん入りの場合も自由化されております。
  34. 須之部量三

    説明員須之部量三君) 補足いたしますと、コーヒー協定の中で、なまコーヒーといりコーヒーの比重の比率が一応きまっておりまして、もしなまコーヒーに換算いたしますれば、いりコーヒーは重量の一・一九倍したのをなまコーヒーに換算するということになっております。
  35. 井上清一

    井上清一君 そうすると、ブラジルあたりから入れますのは、なまでもいいし、かん入りでもいい、ただ換算はおのずから定めがあるのですか、どちらを買ってもいいということになるわけですか。
  36. 平原毅

    説明員平原毅君) そのとおりでございます。
  37. 井上清一

    井上清一君 そういう場合はできるだけなまを買うという考慮を加えておるかどうかということです。これは自由化だからほうってあるわけなんですか。
  38. 須之部量三

    説明員須之部量三君) その点で、いまかん入りの場合自由化は四百グラム以上とそれ未満のものと、二つに分けまして、影響の多い四百グラム以上のものは自由化をしていない——自由化をしていないというか、その資金割り当て方式でやっている。それから四百グラム以下の小型のものは自由化をしている、こういうやり方をやっております。
  39. 井上清一

    井上清一君 そうすると、日本としては、特になま豆でもって輸入するということに、四百グラム以上のものをどれくらいの割合で入れるお考えなのか、あるいはまた特になまのものをよけい入れようというような考え方でおやりになっているかどうかということを伺いたい。
  40. 須之部量三

    説明員須之部量三君) 実際上のこの実績でございますが、大体昭和三十八年度をとりますと、なまコーヒー輸入量が一万七千百九十で約一万七千トンでございます。それに対しまして、いったコーヒーのほうは三十八年にかなりふえたとはいうものの百六十二トンというわけで、数量からいうと、圧倒的になまコーヒーが大部分でございます。
  41. 平原毅

    説明員平原毅君) 補足して御説明いたしますと、実は関税の面で差がついておるのでございまして、いわゆるなまコーヒーのほうは現在関税が一〇%でございまして、いったいわゆるかん入りのほうは依然として二五%という関税の差がございます。したがって、自由化いたしましても、この関税の差によりまして、実際はなまのコーヒーのほうが経済的ということでございます。
  42. 杉原荒太

    杉原荒太君 コーヒー国別輸入量がずっとここへ数字が出ておるのですが、それがそれぞれの国との通商関係要求からして、政府立場から見て、これで別に問題ない、これでいいというふうな割合にずっとなっておるかどうか。  それから、いわゆる自由化になって、本来それぞれの国との通商関係からすれば、そのあり方はもう少しこうあってほしいという場合に、一体政府としてそれを政府の希望するような状態になるようにする手段が政府としてあるのかどうか、その点を伺います。
  43. 平原毅

    説明員平原毅君) コーヒーに限りませず、いま御指摘の……。
  44. 杉原荒太

    杉原荒太君 ぼくの聞きたいのは、趣旨は、低開発国の一次産品についてのひとつ政策を聞きたい。
  45. 平原毅

    説明員平原毅君) いま御指摘の一次産品が特に自由化された場合、政府してそれぞれの相手国通商関係を、それを何らか指導することができるかという御質問だと私は了解するのでありますが、法規的には、これは残念ながら指導できないということになっております。したがって、その結果、コーヒーでは現在のところさした問題というのは出ておりませんが、御存じのように、綿花でございますとか、砂糖でございますとか、すでに自由化されたものに関しましては、御指摘のとおり、いろいろ問題が起きて、しかも、政府としてはそれを十分に業界を指導できないというのが実情でございます。
  46. 羽生三七

    羽生三七君 このコーヒー協定は、日本では前回審議未了ということで、まだ承認になっておらないけれども、一応昨年の十二月二十七日にこれは効力を発生したということで、国際的には効力発生ということになっておるが、期間がわずかだからそれを想定することは困難だろうと思いますが、この協定で具体的に何か低開発国の一次産品に何らか寄与する点が、寄与できる徴候というものがあるのかどうか、このコーヒー協定の成立によって。その辺はどうでしょう。まだちょっとわかりませんか。
  47. 須之部量三

    説明員須之部量三君) この協定は実は発効いたしましたのは昨年の暮れでございますが、その前から暫定的な協定がある程度動いておったわけでございます。それで、その結果現実にどういう効果があったかということになりますと、これは価格が安定したかどうかという点に帰結すると思うのでございますが、その価格の点はかなり上回ってきたことは事実でございます。ただ、むしろ上がり方が、これはほかの心情もいろいろあるわけでございまして、一つには、実はブラジルコーヒーが非常に霧の害でやられまして、そのために非常な減産になったという関係も反映しておるかと思うのでございますが、コーヒーの値段は実は最近かなり上がってきております。その上がった結果を、いま言いましたように、すべてを協定効果に求めるのはやや行き過ぎではないかと思うわけでございますが、このコーヒー協定は、このコーヒー協定ができました昨年のレベル以下には落ちないようにしようというのが、実はねらいであったわけでございます。ところが、むしろ予期に反しまして、少し上がり過ぎるくらい上がったということで、まあそれをあえて協定効果と言えば効果と言えるかとも存ぜられるのであります。むしろこの協定の運用上の問題点の一つとして、やや値段が少し上がり過ぎたのじゃないか。現在輸出国輸出割当をしておるわけでございますが、それをもっと輸出割当をゆるめたらいいのじゃないかという問題が逆に出てきておるわけでございます。ところが、最近のコーヒー理事会等で問題になりまして、現実にある程度輸出ワクを拡張いたしまして、むしろ値段を逆に上がらないように安定させるということで動いておるのが実情でございます。
  48. 井上清一

    井上清一君 この前のときにちょっと問題になったのですが、第一章の「目的」の(5)の「すべての可能な方法によってコーヒー消費を奨励すること。」というやつが一項目あるのですが、これについて一体そういう条約はちょっとどうかというような疑問をした人もあったわけなんで、これについて政府の解釈を、どういう考え方なのかということをこの際はっきりさせておいたほうがいいのじゃないか、こう思うのです。
  49. 須之部量三

    説明員須之部量三君) このコーヒーを「奨励すること。」ということはでございますが、具体的にはコーヒーの通商の障害があれば、それを除去する。つまり自由化されていなければ自由化するということが内容でございます。コーヒーを大いに政府として国民に飲むように奨励するということは、何らここでは意図されていないわけでございます。ただ、コーヒー生産国のほうが大いに宣伝いたしまして売れるようにするのは、これは商品である以上は当然のことでありまして政府としてこの協定上やることは、取引の障害を除去するということがその内容になっております。
  50. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) ほかに御発言もなければ、三件の質疑は終局したものと認めまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 御異議ないと認めます。  日本国アメリカ合衆国との間の領事条約締結について承認を求めるの件について、これから討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
  52. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方は挙手をお願いします。   〔賛成者挙手〕
  53. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたします。  次に、千九百六十二年の国際コーヒー協定締結について承認を求めるの件につきまして、これから討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手をお願いします。   〔賛成者挙手〕
  55. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。次に、千九百六十二年の国際小麦協定締結について承認を求めるの件について、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  57. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  58. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  59. 黒川武雄

    委員長黒川武雄君) なお、先日御了解をいただきました沖繩映画の「ニライの海」でございますが、本日午後二時から別館の講堂で上映いたしますから、ふるって御参加いただきたいと思います。  それでは、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十三分散会