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政府委員(毛利松平君) ただいま議題となりました
経済協力開発機構条約の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
経済協力開発機構条約は、一九六〇年十二月十四日、欧州
経済協力機構の加盟国十八並びに米国及びカナダによって署名され、翌一九六一年九月三十日に効力を生じたものでありまして、この
条約により、欧州
経済協力機構は欧州の
地域的性格を脱し、かつ、後進国の援助をその目的の
一つに加えた新たな
経済協力開発機構に改組されたのであります。
わが国は、同機構への加盟の希望を
機会あるごとに表示してまいりましたが、一九六二年十一月の総理訪欧を機として、機構側においても
わが国の加盟を招請する機運が急速に高まり、一九六三年三月、機構は交渉の開始を決定いたし、同年五月から七月にかけて東京及び。パリにおいて交渉が行なわれ、その結果同年七月二十六日、機構は
わが国の加盟を正式に招請するとともに、交渉の結果を記録する了解覚書の署名が行なわれた次第であります。
経済協力開発機構は、高度の
経済成長、後進国の援助及び貿易の拡大を三大目的とする国際機関でありまして、
経済通商の面のみならず、金融、科学技術、農業、漁業、原子力、教育、労働等、きわめて多岐にわたる分野において活動しております。
わが国は、この機構に加盟することにより、先進工業国との間の協
力関係の緊密化を通じ高度の
経済成長を達成し、もって
世界経済の発展に貢献することができるのみならず、他の加盟国の
経済動向に関する情報の入手、対外投資の円滑化、後進国援助の合理化等の面においても期待し狩ること大であります。
よって、ここにこの
条約の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、通産に関する
日本国とオーストラリ
ア連邦との間の
協定を改正する
議定書の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
この
議定書は、第四十四回臨時国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。
わが国と豪州との間の
通商関係は、昭和三十二年十二月に発効した現行の
通商協定によって律せられておりましたが、同
協定署名の際の了解に基づき、昭和三十五年以来、豪州の対日ガット第三十五条援用撤回実現のための交渉を重ねました結果、昭和三十八年八月五日に東京で、わが方福田
国務大臣(
外務大臣臨時代理)と豪州側マッキュアン副総理兼貿易
大臣及びマッキンタイア駐日大使との間で、日豪間にガット
関係を設定することに対応して現行
通商協定に所要の改正を加えるための
議定書が署名され、かつ、豪州はこの
議定書の発効とともに対日ガット第三十五条の援用を撤回する旨の
書簡が交換されました。
この
議定書は、(イ)現行の
通商協定中のいわゆる二国間セーフガードに関する条項(第五条)を削除し、新たにガットの優先規定を設け、(ロ)改正後の
通商協定の当初有効期間を改正
議定書の発効の日から三年後の日まで延長することを主たる内容としております。
よって、ここに、この
議定書の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、
北太平洋のおっとせいの保存に関する
暫定条約を改正する
議定書の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
現行のおっとせい
条約は、
日本国、カナダ、米国、ソ連の四カ国一の間で、おっとせい資源の最大の持続的生産性を達成するための措置を決定するため科学的
調査を行なうことを取りきめた有効期間六カ年(ただし、その後一年間は新
条約または改正
条約が発効するまで効力を存続する)の
暫定条約であり、一九五七年十月に発効いたしました。同
条約は、一九六二年十月から最終年度に入ったので、
条約の改正を検討するための当事国会議が一九六三年二月に東京で開かれ、この会議で採択された現行
条約を改正する
議定書案に字句上の修正を加えたものが、同年十月八日にワシントンで四カ国により署名された次第であります。
この
議定書は、
条約の有効期間を六年間延長すること、陸上猟獲との関連において海上猟獲が許されるかどうかを研究すること、獣皮の配分方法を変更して、ソ連も
わが国とカナダに獣皮を配分すること等の点について現行
条約を改正することを目的としているものであります。
おつとせい資源につきましては、現行
条約のもとですでに六年間科学的
調査が行なわれたのでありますが、なお、今後の
調査の結果に待たなければならない問題が少なくありません。この
議定書による改正点は、いずれも、おつとせい猟穫に関する
わが国の従来の
立場を反映した妥当なものであり、この改正に基づく今後六年間の
調査により、おっとせい資源の最大の持続的生産性達成のための措置が一そう明らかにされることが期待されます。
よって、ここにこの改正
議定書の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、原子力の非
軍事的利用に関する
協力のための
日本国政府と
アメリカ合衆国
政府との間の
協定を改正する
議定書の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
この
議定書は、第四十四回臨時国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。
原子力の非
軍事的利用に関する
協力のための
日本国政府と
アメリカ合衆国
政府との間の
協定第五条Aは、
わが国が米国から購入することができる原子力研究事業に必要な特殊核物質の量に制限を設けておりますが、最近の
わが国における研究事業の拡大発展に伴って研究用特殊核物質の需要が増大しておりますので、この需要に応ずるために同
協定第五条Aに定める制限量のワクを撤廃することにつきまして、米旧
政府と交渉を行なってまいりました結果、このために同
協定の一部を改正することにつき合意に達し、昭和三十八年八月七日にワシントンで、わがほう武内大使と、米側ヒルズマン国務次官補及びシーボルグ原子力
委員長との間でこの
議定書に署名が行なわれたものであります。
よって、ここに、この
議定書の
締結について御
承認を求める次第であります。
最後に、
通商に関する
日本国とエル・サル
ヴァドル共和国との間の
協定の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
エル・サル
ヴァドル共和国は、一九六一年以来中米地峡諸国間に成立している中米共同市場の中心でありまして、同国との
通商関係を強化拡大することは、
わが国の中米地峡諸国との間の貿易の振興及び
経済協力の促進上、きわめて重要なわけでありますが、従来、
わが国との間には
協定がなく、
わが国の産品は
協定税率に均てんし得なかったのであります。
よって、
わが国産品に対する
協定税率の適用と
通商上の諸般の待遇の保障を実現するため、昭和三十七年以来、
通商に関する
協定の
締結について交渉を重ねた結果、昭和三十八年七月十九日に東京で、
外務大臣とエル・サル
ヴァドル共和国全権
委員ハウレギ
経済大臣との間でこの
協定の署名が行なわれるに至った次第であります。
この
協定は、関税に関する事項、輸出入及び為替に関する事項、出入国及び滞在に関する事項、課税、裁判を受ける権利、財産権及び事業活動に関する事項のそれぞれについて最恵国待遇を規定するとともに、工業所有権に関し内国民待遇を、また財産の公用収用及び海運に関し、それぞれ内国民待遇及び最恵国待遇を規定しております。
よって、ここに、この
協定の
締結について御
承認を求める次第であります。
以上五件、何とぞ御審議の上すみやかに御
承認あらんことを希望いたします。