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吉田忠三郎君 せっかく新しい
大臣がお見えですから、私は先般国会から派遣されて北海道の運輸
事情を
調査いたしてまいったものでございまして、その結果の
報告はきのうの
委員会に詳細
報告してありますので、主としてこれを
中心に
大臣並びに関係者にお尋ねをいたして所見を伺っておきたい、こう考えます。
きのうも
報告をいたしておりますように、私
どもは北海道のローカルの空港を七カ所視察
調査をいたしております。たまたま
運輸大臣は私
どもと期を一にして
大臣就任の晴れのお国入りをいたして、私は随所で新聞報道等で談話をいたしておったことを
承知をいたしております。北海道の
事情については、北海道の人でございますだけに十分
承知をされておると思いますから、できるだけ簡潔にお尋ねをいたしますので、その考え方をひとつこの際お聞かせを願いたい、こう思います。
その
一つは、いずれも北海道のローカル空港は整備が不十分であります。したがいまして、この不十分な空港整備をどうこれから
運輸大臣としてこれを整備していくか、この点を具体的に私はこの際お聞かせをいただきたい。そう言いましても、あまりにばく然たる
質問になろうかと思いますから、若干申し上げますと、たとえば女満別の空港は三種空港で道庁管理、航空業務上の中枢的な機能を持つ管制塔の場合は、塔ではなくして卓状になっております。管制塔が卓状になっておるからということで問題があるのではなくして、現実問題として
調査の結果明らかになりましたが、滑走路地面より一メートルも低いところに管制卓がある。私は、航空
事業の中において、あるいは航空管制の立場から申し上げますれば、管制塔であるとかあるいは管制卓に設備されております諸機材というものは、まさにその関係の目でなければならない、こう思うわけです。現実にそういうものがつまり滑走路地面から一メートルも低いところに設備され位置づけられておる、こういうことは、まず一体どうこれから具体的に
会議にかけて対処されるのかということが
一つ。
それから、それ以外に、丘珠に——札幌飛行場と名づけておりますけれ
ども、防衛庁所管にかかわる飛行場がございます。もとより民間と共用になっておりますが、現在の防衛庁の配置されております機種から申し上げますれば、それほど私は重要ではないという考え方に立っておるのではないか。結果的に申し上げますと、これがためにまことに整備が不十分であります。
大臣も御
承知のように、北海道ではいま建設中の旭川であるとかあるいは紋別あるいは中春別等々の飛行場の建設がございますけれ
ども、これなどの完成と相待って、いやがおうにも札幌は北海道のローカル航空運送
事業を行なう場合のセンターでなければならないと思います。そういうところに私は位しておると考えます。その飛行場が、まことに不備ということばさえ私は付することの
〔
委員長退席、理事天坊裕彦君着席〕
できないお粗末な
状態になっておると言わざるを得ません。具体的に申し上げますと、滑走路は
運輸省所管でかなり整備されましたから、どうやらこうやらでございますけれ
ども、誘導路のごときは全くでこぼこで、飛行場として整備されているこれが誘導路であるかどうかということについては、まことに私は疑問を感ぜざるを得ない。
あとあと航空写真等とっておりますから、
大臣も十分見ていただきたい。
大臣が参りまする場合は、大型機で参りますから、千歳の完備された飛行場におりますから、きっと存じ上げていないと思いますが、この点を十分まず
実態を把握して、どうするかという問題。
それから、大きな問題になって、これは防衛庁との関係になるでありましょうが、あの場所に防衛庁が無理をして航空自衛隊を若干配置しなければならぬ防衛上の問題として一体何があるか、こういう点を私は明らかにしていただきたい。御
承知のように、当初たしか陸軍の飛行場であったと思いますが、戦後民間所有者にある程度開放されまして、その後自衛隊が発足と同時に、若干の練習機が、たしか私の記憶では四機か五機程度来ておったと思います。
大臣御
承知のように、隣接として、千歳はもとより、島松にはりっぱな自衛隊の飛行場がございます。恵庭にもございます。南千歳はもございます。なぜ一体あんな近距離でありまする丘珠に、自衛隊が防衛上の
理由で、今日共用で民間と使用されているけれ
ども、きわめてこういう不備な
状態に放置されるような飛行場が必要であるかと、まことに私
どもは国民の一人の立場から考えてみましても、疑問を抱くところでございます。しかも、そういった
実態から、除雪におきましても、防衛庁が除雪をせざるを得ない。財産管理権を持っております。それから所有権を持っておりますから。ところが、実際問題として、防衛庁の飛行機というのは小型機でありますから、それほどの広範な地域の除雪は必要ではない。ですから、雪除をする場合においても、そのやっておりまする
実態等を種々私
どもは記録、データ等をもって明らかにしているところでありますけれ
ども、緩慢だと言わざるを得ない。ために、民間の使用率というものはやはり極度に低下をしている。こういう
実態等を私
どもは把握をいたしておりますので、こういう関係についても、一体これからどう対処していこうと思うのか、この点を私は伺っておきたいというふうに思います。
それから、御
承知のようにたいへん北海道というところは広大な面積を保有しておりまして、日本の国は狭いといいながらも、全体の面積の四分の一は北海道でございます。ために、やや北欧的な感じさえすると、ある文化人などは言われております。ですけれ
ども、あの飛行場に行ってごらんになったらおわかりだと思いますけれ
ども、飛行場の中に牧草がはえております。これもたいへんけっこうな話だと思いますが、まことにのんびりした光景であります。牧草がはえておるからといって、これは家畜を放置するというわけに飛行場ですからまいらぬと思いますけれ
ども、たまたまわれわれが
調査に参りましたときには、その牧草を刈り入れて飛行場にたくさん乾燥をいたしておりました。一体これがどう
処理されているのかということを私はこちらに参りまして
調査をいたしましたところが、防衛庁のいわゆる予算外収益という関係で、これは国庫に入ると思いますけれ
ども、金額等については微々たるものでございましたが、
昭和三十八年度におきましては五万二、三千円、それから今年度については、いま刈り入れ途中で、おそらくはあれは売買したのであろうと思いますが、四万八千何がしというものが出ておる。私はそういう事柄は別として、一体かなり、あの丘珠の飛行場については、千歳との関係等々がございまして利用の度合いというのは、発着率においては千歳以上のものになっておる。私は、ああいった事柄から、万々一もし事故が起きた場合にどうなるか。幸いにいまのところ事故がございませんから、そういうことにはなっておりませんけれ
ども、ああいう牧草などについて売買が終わった場合に、私は買った人が当然乾燥等は公共の
施設である飛行場でなくて処置すべきものではないか。それを依然としてああいう放置をしておる。これなどについても、私は理解のできない点でございまして、こういう点についても、
運輸大臣は、共用でございまするだけに、
運輸省と防衛庁との関係をどう考えておるのか、こういうことです。
さらに私は、千歳の飛行場は、御
承知のように、自衛隊のF104が使用をしております。それとあわせまして、日航、全日空等々の大型機が使用しておりますけれ
ども、私は、もうあの飛行場は、
大臣も御
承知のように、種々問題があろうと思います。気象条件もその
一つであろうし、自衛隊との関係の運用上の問題もその
一つでありましょう。ですから、そういう事柄によりまして、今日羽田の空港に対して第二国際空港が必要であるということが種々もう議論されておる
段階になっておりまして、千歳の場合におきましても私はこれと全く同じ関係のものがあろうと思うのです。ですから、北海道の全体の、それぞれ利用したり、あるいはまたその飛行場を使用するもの等々の
要望というのは、千歳の代替飛行場がこの際強く
要望されているのじゃないか。その端的ないい例として、北海道知事の
要望書にも強い
意見として出されております。そこで私は、立地的な条件、今日的な諸条件等を考えてみれば、何人といえ
ども私は否定のできない、札幌飛行場をその代替飛行場に拡張整備をしていかなければならぬということは必然的に私は出てくる理論であって、また現実ではないか、こう思う。ところが、どういうものか、さいぜん先輩の相澤さんから申されましたが、
運輸省の考えは一体どこにあるのか。しかも、この
委員会では、航空に関する、もとより事故対策の問題が
中心でありますけれ
ども、小
委員会までできている。ところが、小
委員会については、一言もそういう
計画についての、つまりこの考え方なりあり方というものについては、相談もなければ、発表もなければ、連絡もないにもかかわらず、実は先般函館に参りましたときに、函館飛行場の拡張
計画等々についての発表が私は
現地でこのとおり三段抜きの活字で新聞報道されていることを
承知しております。これによりますると、かなり具体的になって、しかも管制関係についても新しい電波誘導装置等を付設するものである。しかも、今日三十メーターの幅員、さらに千二百メーターの滑走路を、一挙に三百メーターに拡張して、二千六百三十メーターに延長する、名実ともに千歳空港の第二空港的な重要な空港に建設する、こう書かれている。そういうりっぱなものができたとすれば、たいへんけっこうなことでありますけれ
ども、一体航空局は何を考えているか。私はあの函館の空港を一昨々年に
調査したことがございます。あそこの飛行場の立地的な条件からかんがみまして、こんな拡張できるような用地があるかどうか。しかも、飛行場の気象的な条件、あるいはいま言ったような用地取得に対する諸条件等々に、それから市町村自治体に対する負担の関係——あそこには村道がございますから、それを横断しなければなりませんから、当然そういう問題が起きてくる。それから、非常にあそこは北西の風が強いために、今日の飛行場でさえ運航率がきわめて低下をしているという
実態がございます。そういう場合に、どう具体的な、何といいますか、運輸当局がこの拡張
計画を技術的に考えているのか、こういう点についても、これは、
大臣は就任早々ですから存じ上げていないとすれば、
責任ある私は航空局の諸君から答弁をしていただきたい、こう思います。
さらに、きわめてこまかな問題になりますけれ
ども、千歳の飛行場が、いまB滑走路が八月一日に補修工事にかかると私は承っております。ために、新しいA滑走路、新しいほうの滑走路のみによって発着陸を行なう、航空管制を行なう、こういうことになっています。今日的な千歳飛行場の使用いたしまする発着ないしは各それぞれの飛行機会社の便数等を考えてみますれば、保安事務所長は、可能である、さして問題はない、こう言っておりますけれ
ども、それがために、今日このA滑走路に対しての若干誘導路の補修設備を行なっております。私
どもしろうとでわかりませんが、ほとんど航空機が利用するに足り得る、こう
現地では見てきておりまするけれ
ども、どういう関係になっておりますか、それは不可能である、こういうことから、東京からわずか一時間そこそこで飛んでまいりました飛行機——もとより最近はシーズンでございますから、オール一〇〇%の利用率かと思っておりますが、このほとんどが、ターミナル・ビルに入るまでに、着陸して二十分間も別な誘導路を通っていかねばならぬ、こういう
実態がございます。利用者並びに関係者の、これは怨嗟の的になっている。ところが、今年は予算がございませんので、したがってどうにもならない御
承知のように、まだ年度当初で、おそらく予算の示達というのは七月ごろではないかと私は思う。だとすれば、予算がないというのは何かということです。しかも、その予算の不足がどの程度だということで聞きましたら、わずか五十万円。吉田の忠さんならできぬけれ
ども、松浦
運輸大臣ならぽんと五十万円くらいくれるかもしれない。これは、冗談はさておいて、たいへんな問題だと思う。したがって、利用者である業者が負担をするならば、関係の部分に監視員を置いて使用さしてもいいとの話を、私は
実態として伺ってまいりました。一体この千歳の飛行場というのは何かということです。公共の
施設だと私は思います。一面においては、防衛上必要であるからということで自衛隊が使うんだと思う。そういうときに、年度当初に予算がない。予算がわずか五十万円、こういうことからして、民間の諸君にその負担を仰いでそういう関係を
処理するということのその考えに、その根本に間違いがある、こう思うのですが、こういう点については、
大臣は一体これをどう考えるか、具体的な当面扱っている
運輸省としてどうこれを把握しているのか、こういう点を
一つはこの航空関係では私は聞かしていただきたい。
それから、その次に鉄道の
輸送量の増強について、ひとつ立ったついでですから、時間がありませんから、全部
質問いたしていきますが。
〔理事天坊裕彦君退席、
委員長着席〕
御
承知のように、国鉄は、池田内閣の所得倍増
計画に即応するように、第二次五カ年
計画を策定しておりましたけれ
ども、これが間に合わずして、ついに第三次五カ年
計画というものを樹立した模様であります。さらに長期的な展望に立って、長期
計画もいま策定しつつあるようであります。そういう事柄が、多少
行政組織法に問題がありますけれ
ども、前の
委員会でこの点指摘しておきましたけれ
ども、国鉄の基本問題懇談会等々で寄り寄り話をしているのではないかと存じますが、そういう話は別として、北海道だけで私
どもこの
報告をいたしましたところによりましても、第三次五カ年
計画を遂行するためには二千億が必要である——二千億強が必要である。これに関連をいたしまして、実は
運輸大臣が先般お国入りをしたとき札幌で記者会見をされた、新聞で、真実はわかりませんけれ
ども、たいへん気になることを
運輸大臣はここで発表いたしております。その
一つには、これらの
計画を遂行して、池田内閣の所得倍増
計画とあわせてこれが達成をいたすためには、まず外資の導入が必要である、世界銀行から金を借りなければならぬということを
大臣が言っているのを、新聞ですから言ったか言わないか知らぬが書いている。それから、自己資金の運用ではからなければならぬ、これは当然のことだと思います。全部やはり、それぞれの
企業ですから、自己資金を調達するなり、努力したり、今日的なものを運用するのは当然ですからいいとして、最も国民感情として国民の家庭のお台所に影響するところの問題に第三つ目として触れております。それと、今日池田内閣の政策として、公共料金の一年間の据置き、こういうことにも関連いたしますけれ
ども、
運輸大臣は、やがて来年は運賃料率を改定しなければならない、こういうことを言っておりますけれ
ども、これについて、一体これが池田内閣の最終的なつまり運輸
交通政策であるのかどうかということをこの際
大臣からこの
委員会において明らかに私はしていただきたい。たいへん大きな問題ですから、とりあえず二つ大きな問題をしぼりまして、さらに
あとあと海運関係、あるいはいま盛んに問題になっております日米航空協定の関連について私は
大臣に聞きたい、こう思っている次第であります。