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1964-08-01 第46回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年八月一日(土曜日)   午前十時二十一分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     野上  進君    理事            金丸 冨夫君            天坊 裕彦君            吉田忠三郎君    委員            木暮武太夫君            河野 謙三君            平島 敏夫君            前田佳都男君            米田 正文君            相澤 重明君            大倉 精一君            中村 正雄君   国務大臣    運 輸 大 臣 松浦周太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   説明員    公正取引委員会    事務局長    竹中喜満太君    運輸政務次官  大久保武雄君    運輸大臣官房長 堀  武夫君    運輸省港湾局長 比田  正君    運輸省鉄道監督    局長      佐藤 光夫君    運輸省自動車局    長       坪井 為次君    運輸省航空局技    術部長     大沢 信一君    海上保安庁長官 今井 栄文君    自治省財政局公    営企業課長   近藤 隆之君     —————————————   本日の会議に付した案件運輸事情等に関する調査  (陸運行政に関する件)  (港湾に関する件)  (自動車行政に関する件)  (航空に関する件)  (海上保安に関する件)     —————————————
  2. 野上進

    委員長野上進君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  この際、過日就任せられました運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
  3. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) ごあいさつを申し上げます。先般、池田第三次内閣の改造にあたりまして、運輸大臣の任命を受けたのでございますが、運輸行政に対しましては全くのずぶのしろうとでございます。何とぞ皆さまの御指導、御援助、御協力をひたすらお願いいたしましてごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。
  4. 野上進

    委員長野上進君) 速記をとめて。   〔速記中止
  5. 野上進

    委員長野上進君) 速記をつけて。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。
  6. 大倉精一

    大倉精一君 鉄監局長お見えですか。  すでに御承知と思うのですけれども姫路の市でモノレールを今度つくるということについて、地元ではたいへんな反対運動やら何やらで問題が起こっておるようですけれども、その経過実態について一応御説明を願いたい。
  7. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 姫路市のモノレール免許申請は、昭和三十八年一月十七日及び同年十二月二十七日付で提出されておりまして、本年五月二日運輸審議会諮問をいたしておりまして、目下同審議会において慎重審議中でございます。  本申請は、百万都市目標発展を続けている姫路市が、路面交通飽和状態打開策として、建設費輸送量安全性走行性能快適性、その他観光の面から最適であるとして、ロッキード型モノレールを建設しようというものでございまして、その概要は次のとおりでございます。目的旅客営業でございまして、区間キロ程は姫路から手柄山南間一・九六キロ、動力は電気ロッキード型跨座式鉄道でございます。建設費概算は九億七千五百十六万円、出資の方法は一般財源より支出、対建設費益金率が〇・〇一一三ということでございます。なお、申請によれば、営業開始後四年目から黒字となる見込みであるということでございますが、いまお話しのように、現地市民の中から、賛成反対両面陳情がございまして、現在、運輸審議会において慎重に審議が続けられておるという状況でございます。
  8. 大倉精一

    大倉精一君 このモノレール申請目的建設目的はどういうことになっておりますか。
  9. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 事業目的旅客営業でございますが、御質問趣旨はどういう理由申請をしたかということであろうかと思いますが、先ほどちょっと申し上げましたように、姫路市は、現在播磨平野の中央にございまして、古代から政治、文化、産業交通中心として発達しており、戦災で市街の大半を焼失しましたが、戦後、産業発展に力を入れまして、非常に復興がめざましく、現在全国五大工業地域一つになっているというような状態でございまして、人口の急増対策一つとしまして、昭和五十年に百万広域都市目標で全般的な総合的な開発をすると、その一環として、建設費輸送力安全性走行性能等の面から最適であるとしてモノレールを建設しょうということでございます。
  10. 大倉精一

    大倉精一君 このモノレールは、交通緩和ということになっておるようでありますけれども交通緩和目標目的にかなうものかどうかということは私は疑問に思うのですが、立地条件その他の点から考えますというと、大体これは観光施設じゃないかと思うのですが、運輸省見解はどんなものでしょうか。
  11. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) お話のように、その輸送要請内容をいろいろ調べますと、単に一般輸送目的でなくて、観光用途にも供せられるものとわれわれ考えております。
  12. 大倉精一

    大倉精一君 観光用途にもというのですけれども、私聞いておるのは、むしろ観光用途じゃないかと思うのですが、あの立地条件等から考えてみまして、交通緩和にはならぬと私は思うのですが、その見解はいかがですか。非常に審議にあたって重大な問題だと思うのですが、見解はいかがですか。
  13. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 今回申請部面については、非常にいまお話しのように観光的な色彩が強いものであるとわれわれ見ております。ただしかし、市におきましては、なおこれに引き続いてこの百万都市に合わせた交通緩和計画をしたいということで考えておりまして、そういうものを総合的に見ますと、全般的には一般輸送対策というものの中に相当部面を占めておるというふうに見ておるわけでございます。
  14. 大倉精一

    大倉精一君 そこで、地元反対しておるという理由はどういう理由ですか。
  15. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 地元反対理由を要約しますと、第一点といたしましては、市の現在の財政からしまして、こういうような投資をするよりは他の公共投資に振り向けたほうがいいではないかというのが第一点であろうかと思います。第二点は、この事業が必ずしも成功するかどうか疑問があるのではないか。したがって、そういうものはもう少し情勢を確かめてから考える、つまりもっと慎重に検討する必要があるのではないかというようなのが第二点。われわれは要約して大体以上の点が反対のおもな理由というふうに見ております。
  16. 大倉精一

    大倉精一君 自治省の方おいでになっておりますか。——自治省のほうでは、この問題になっておる点についてどういうぐあいに見ておられるか。特に市の財政等とにらみ合わせて、さらにまたモノレールの将来の運営等の問題をにらみ合わせてみて、あなたのほうの見解を聞かせてください。
  17. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) このモノレールは、交通難緩和のためというふうになっておりますけれども現状の二キロ足らずの路線のみでは、いまお話しのように、観光的色彩が非常に強いのではないかという見方をしております。そこで、観光施設ということで考えますと、やはり独立採算ができるかどうかということが基本になるのではないか。市のほうが現在出しておりますのは、たしか昭和三十七年実績で見てこの程度の乗客数があるというような資料だったと思いますが、その後二年の経過がたっておりまして、その後手柄山に入る人の数がどういうふうに推移しているかという点について的確な数字をつかんで、どのくらいの乗客数があるものかというはっきりした見通しを立てる必要がある。そして今後これが公営企業として採算が立っていけるかどうかということを慎重に検討する必要があるということで、現在精査いたしております。
  18. 大倉精一

    大倉精一君 聞くところによりますと、市の財政相当に逼迫をしておるというふうに聞いております。たとえば校舎の問題であるとか、あるいは水道の問題であるとか、住宅の問題であるとか、当然やらなければならぬことも市の財政現状では手が出ない。国から認可されたものについても五年も六年もかからなければ手がつけられないという、こういう市の財政の実情というものを聞いておりますけれども、それがほんとうだとすると、そういうような財政の中から、一般財源の中から観光施設をつくろうということ、しかも最近公営企業についてはいろいろ問題があるのですれけども、これに対して自治省として、市の財政現状とこのモノレール——これは完全なる観光施設ですね、こういうものをつくるということについて見解を聞きたい。
  19. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 御承知のように、姫路市は地方交付税交付金の不交付団体でございまして、市の中ではもちろんどちらかといえば裕福な部類に属すると思います。税収入も、たしか三十九年度は三十三億ばかりの税収入があるわけであります。しかし、歳出構造を見ますと、二十三億は人件費に食われておるというような状況でありまして、弾力性という点から見ると、それほど伸長性が強い団体ということは言えない状態でございます。しかも、御承知のように、姫路市は現在発展の途上にありますもので、今後なさなければならない公共投資が山積しておりますので、必ずしも財政は楽観を許さないと思います。そうして、これが交通事業であろうと、あるいは観光事業であろうと、同様でございますけれども、いずれも、公営企業として営みます以上は、ある程度の独立採算ということを考えなければなりませんので、建設費すべてを一般会計に求めるというようなことでは困ると思います。そこで、先ほど申しましたように、われわれといたしましては、この事業が、当初はともかく、長期的に見て独立採算が可能であるかどうかという点を中心に検討しておるわけでございます。
  20. 大倉精一

    大倉精一君 私のもらっておる資料によりますというと、大体姫路市の財政規模が百三十八億円——市長は、百三十億もあるのだから一億、二億というような金はたいしたことはない、こういうぐあいに言っておるようでありますが、その中身として、一般会計六十四億円、特別会計七十四億円というようになっておって、そのまた一般会計六十四億円の内訳にいたしましても、人件費、あるいは国庫・県負担事業及びこれの補助、その他市行政を維持するための日常の最低経費を除いて、主として自由にできる金は十億ないし十数億、こういうふうに私ども聞いておるのです。こういう中から、いわゆる交通緩和というようなことを言っておりますけれども、こういう交通緩和、当面の市民利益になるというのじゃなくて、いわゆる観光事業の将来の見通しについても非常に疑問が持たれる。これは企業ですからどうなるかわかりませんけれども、こういう不確定なものについて市がどうしてみずから経営をするのかということ、これは非常に疑問だと思うのですね。ことに最近公営企業についてはいろいろ問題があるのですけれども、こういう市の現状においてこれをやるということは疑問に思うと同時に、市民みずから、しかも市民代表である市会議員先頭に立って、これは反対であるという、そういう市民運動を起こしておる。こういう中でこれを強行しようということは、私はどうも不当だと思うのですが、何か強行しようという特別の意図、目的があるのか、そうしなければならぬ、あるいはそうする必要度というものがあるのかどうか、自治省として何かつかんでおられますか。
  21. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) 主として何か特別な理由があるのかどうかという内部事情については私よく存じませんけれども、市の議会議決を経て、市長さんのほうから市の意向として運輸省のほうへ申請されておるのだろうと思います。そこで、政府はこれを許可するかしないかという段階だろうと思います。そこで、運輸省のほうからも、自治省のほうに対しまして、この事業を営む場合公営企業として問題ありやなしやということで御照会いただいておるわけであります。そこで、われわれは、公営企業の立場に立ちまして、これが採算が可能であるかどうかということを現在慎重に検討しておる段階でございます。
  22. 大倉精一

    大倉精一君 運輸省のほうどうですか。そういう地元の騒然たる中で特にこれを強引にやろうという何か市のほうに特別のそういう事情なりあるいは必要性があるのかどうか、その点私は非常に大事だと思うのですけれども、特別の事情があるならひとつ聞かしてもらいたい。
  23. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 市の内部事情はわれわれもよくわかりませんが、一応賛成反対があるということは、先ほど申し上げたとおりでございますので、われわれとしては慎重に、先ほど申し上げましたように、運輸審議会にはかって御審議を願っておるという段階でございます。
  24. 大倉精一

    大倉精一君 これは私は一般私企業の場合とは違うと思うのですね。つまり市民の税金でもってやろうというのですから、だから、単に賛成反対があるからということでなく、一般私企業免許を取り扱うというのとはだいぶ趣を異にするのじゃないかと思うのですね。ですから、そういう点について、一体市のほうで、特に市会議員先頭に立って反対をしておる、あるいは反対期成同盟というようなものができておる、その中で特に強行してやろうという、そういう事情について、一応運輸省として調査をする必要があると思うのですが、そういう調査をおやりになったことはありませんか。
  25. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 先ほどちょっと申し落としましたが、市としては市議会議決を付して申請を出してきたのであります。したがって、われわれとしては、実態的な申請内容について現在審査をしておる段階でございます。
  26. 大倉精一

    大倉精一君 議決というものについてもだいぶ問題があるようですよ。そこで、議決はしておるけれども、特に相当数市会議員の人が先頭に立って、これは反対だ、市民利益にならぬのだ、しかも姫路市の財政というものはこういうものであるから、そういうような金があるならば、ほかへ使って、もっと住宅なり学校なりの施設に回すべきだ、こういうことを言って、市民みずからが反対しておるのですね。それからどこかで、商工会議所ですか、アンケートをとった場合に、四六%以上の反対があった。賛成の中でも、これはいいけれども本来ならもっとほかのほうへ資金を回すべきだという意見を付して賛成だ、そうすると市民の半分以上というものがこのアンケートによって反対だということになっておる。これを市会議決したというだけの理由で強引にやろうという、こういうところに、何かあるような気がする。さらにまた、ロッキードとの契約についても、市長が独断でやって、あと議員総会に、こういうものを契約しましたから、これをいま承認していただかぬというと姫路市のためにたいへんな恥になります。こういうことを言って一方的に押しつけておるという事実までも聞いておる。そういう事情はやっぱり担当の役所として一応調査をする必要があると思うのですね。それを一片の書類で、こういう議決をしましたからという書類でもって、さあそれならということでもってこれを取り扱っていくということは、少し私は、この案件については、省としては軽率じゃないかと思うのですね。現地へ行ってこの実態なりあるいは事情等調査されたことがありますか、どうですか。——ありませんか。なければ、一ぺん現地へ行って調査をされるという、こういうことも必要じゃないかと思うのですが、いかがですか。
  27. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) この申請につきましては、現地大阪陸運局調査をいたしまして、その調査報告を私ども受けております。そこで、先ほど申し上げましたように、反対の主要な理由地方財政のあり方というような点にございますので、われわれとしては自治省にそれらの点についてのいろいろお伺いをしておるということを現在やっておるところでございます。  それからもう一つは、実態的に事業としてどういうふうになるか、特に将来の計画等の問題もございますので、それらについても調査を進めていくということでございます。
  28. 大倉精一

    大倉精一君 まあ、いろいろの事情——こまかいことは別にしまして、一応現地へ来て、そうして公聴会なり聴問会なりを開いて、現地市民の声も聞いてもらいたい、こういう要望があるのですけれども、そういう計画はおやりになる意思はありますか。これは当然やってしかるべきものだと思いますが、いかがでしょうか。
  29. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 本件事案処理は、先ほど来申し上げておりますように、現在、運輸審議会諮問をして、運輸審議会で慎重御審議を願っておりますので、われわれとしては、必要な場合には運輸審議会に必要な資料を提出させ、あるいは御説明をするということで、本件審議を進めていくという考え方でございます。
  30. 大倉精一

    大倉精一君 運輸審議会に全部逃げちゃっているようなかっとうになっているのですけれども運輸審議会諮問をする段階でやはり反対運動が起こっておったかどうか。そのときは起こっておらずに、諮問をしてから反対運動なり何なり起こってきたのですか。
  31. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 反対陳情等がございましたのは諮問前でございます。
  32. 大倉精一

    大倉精一君 諮問前にあったとすれば、そういう案件について諮問する前に、もっと運輸省責任を持って現地調査もし、そうしてさらに現地の調整もして、それから諮問するならしなければ、運輸審議会としては機械的にやるべきことなんです、運輸審議会というものは。ですから、ここに諮問をする責任運輸省にあるのですけれども諮問する前にそういう騒然たる状態があるとするならば、どうして現地において調整するなり、あるいはもっとよく事情を調べるなりなされなかったのですか。騒然たるままにこの運輸審議会諮問した、こういうことになりますか。
  33. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 私も実は最近かわりまして、当時直接聞いておりませんけれども、それほど天下騒然たる事情ではなかったということで、先ほど御説明しましたように、三十八年一月の申請でございますので、それまでいろいろ調査等に時間を使っておりましたけれども、ようやく五月二日に諮問する運びになったという報告を受けました。
  34. 大倉精一

    大倉精一君 ちょっといまのわからぬな。いまのわからなかったのをもう一ぺん、速記つけぬでいいから。
  35. 野上進

    委員長野上進君) 速記とめて。   〔速記中止
  36. 野上進

    委員長野上進君) 速記を起こして。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 反対の強さですけれども、やっぱり市会議員先頭に立って反対という強い動きがあったのでしょう。もちろん、そういう案件については、私ども先ほど申しましたように、地方自治というものは、地方住民利益を守り、利益のために尽くすというのが本旨ですから、地方住民代表である市会議員先頭に立って反対しておる、こういうふうになってきたら、これは運輸省十分調査をされて実態を把握をされて、そうしてこの案件諮問すべきものかどうかということをきめなければならぬと思うのです。それをやらずに、運輸審議会諮問をしたあとは、いま現に何よりも運輸審議会にかかっておりますから、これでは運輸省責任は果たせないと思うのですが、どんなものでしょうか。
  38. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) これは現地反対運動を全部つまびらかに知っておったわけではないと思いますけれども、当時運輸省に来て陳情等をいたしますのは市の一部の方で、その中にいまお話しのような市会議員が入っていなかったように記憶するということを私どもの部局の者も申しております。それから、結局問題は、先ほど申し上げましたような二つの点に反対理由がしぼられますので、そういうようなことの実態的な問題はいま十分慎重にわれわれも調べておりますが、しかし運輸審議会でも御審議を願っておるというふうに考えております。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 もう一方の観点から言うと、冒頭に申しましたように、申請交通緩和ということになっておりますね、おもなる目的は。あるいは一つには観光ということばがありますけれども、主として交通緩和ということになっておる。で、運輸省のほうで交通緩和であるかどうかということは審議をされましたか。私はこれは交通緩和にならぬと思うのですよ。これは観光施設である。ですから、申請に当面観光施設としてならわかるのだが、交通緩和対策としてとなると、これは私は少しカムフラージュした申請ではないかと思うのです。運輸省が気づかないはずがないと思うのですが、いかがですか。
  40. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 申請は、お話のように、交通緩和ということを申請内容に書いてあります。ただ、先ほど来申し上げましたように、当初の計画等観光的の色彩も強く、したがって、その輸送状態その他についても、これは事業成否等にも関係する問題でもございますので、現在慎重にそれらの点を調べておるというところでございます。
  41. 大倉精一

    大倉精一君 さっき言ったように、運審でかかっておるという話ですけれども現地において何らか公聴会なり聴問会を開いてもらいたいという現地要望というものは、運輸省は手が出ないというのですか、あるいは運輸審議会に何らかのアドバイスをするなり何なりして、そうして、かりに免許するにしても、現地においてトラブルの起こらないように、現地要望を十分聞き届けて、公聴会なら公聴会を開いて、筋を通して免許する。そうでないというと、あと免許してから現地で起こる事態について非常に心配になるのです。そういうようなことを運輸省として何らか取り計らうということはできないのですか、どんなものですか。
  42. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) お話しのように、地元反対があるということは、われわれも承知しておりますので、十分慎重に審議手続を進めたいというふうに考えております。運輸審議会が具体的にどういうことをやるかということは、これは運輸審議会自主性尊重のたてまえから、われわれとしてはとやかく具体的に申し上げることはいかがかと思いますが、十分に慎重に現地意見を聞けるようにしていただきたいということは、われわれのほうも運輸審議会によく御連絡をとって、慎重に審議していただくようにしたいと思います。
  43. 大倉精一

    大倉精一君 大臣、いまお聞きのように、姫路の市でもって今度モノレールをやろうということ、これは姫路の市の財政上の問題やら、あるいはこの設置の目的やら、あるいは将来の運営目的やらでもって、現地では市会議員先頭に立ってたいへんな反対運動が起こっておる。それで市長のほうでは、議会でもって可決されたから、こういう一点ばりできておるのです。議決についても問題があるようです。私はここで地方自治体の議会運営について云々しようとは思いません。思いませんけれども、現にモノレール反対が起こっておる中でどうも強行しようとする趣旨目的なりがはっきりしない。端的に考えられることは、こういう騒然たる現地反対の中で、単なるモノレール一本を強行してやる理由は何にもないと思うのです。ですから、現地では、一ぺん意見を聞いてくれ、こう言っておるのです。ですから、運輸審議会の自主的な運営を阻害しちゃいけませんけれども、国会においてもこういう問題が問題になったということは、当然運輸審議会のほうにお伝え願わなければならぬと思うのです。将来のこともあるから、この際現地において聴問会なり公聴会なり開くということについて、大臣として、運輸審議会諮問機関ですから、何らかのアドバイズなりサゼッションなりをもってやらせるということは適当と思うのです。大臣いかがですか。
  44. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) ただいま質疑応答の中でいろいろ明らかにされたような点もありますけれども運輸審議会の議を経たらどうかという御質問のようでございますが、運輸審議会運営につきましては、その手続その他は自主的に審議会のほうにおまかせいただきたいと思います。そうして処理をしていただきたい、かように思います。
  45. 大倉精一

    大倉精一君 自主的はけっこうです。けっこうですけれども、先ほど私がずっと申しましたように、大体この案件は、いきなり運輸審議会諮問にかける案件であったかどうかということが第一番として疑問に思うのです。かけたのならしかたがない。これはあなたの諮問機関でありますから、しかたがないが、現地において公聴会なり聴問会を開いてくれ、こう言っておるのです。開かせるように、あなたのほうからアドバイズなり、勧奨なり——勧奨でなくて、現地でも言っておる、国会でも言っておる、こういうことは当然大臣として言ってしかるべきじゃないかと思うのです。いかがですか。
  46. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) やるという者と、やるなという者があるのですから、それをこっちから一方的にこうしろということを言うことはどうかと思います。したがって、こういう機会には運輸審議会諮問をするということがほんとうだと思いますので、一応運輸審議会諮問いたしたい。運輸審議会のことは自主的に運輸審議会のほうでやってもらいたい、かように思います。
  47. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) ちょっと大臣の御答弁を補足いたしますと、運輸審議会にいま諮問しておる段階で、慎重にやるような方法についてよく大臣のほうから運輸審議会に連絡をとれという御趣旨のように伺われます。その御趣旨を体しまして、何らかの方法で現地の御意見もよくなお慎重に聞いて議案の審議を進めるように、われわれとしてもよく連絡をとるようにいたしたいというふうに考えます。
  48. 大倉精一

    大倉精一君 これは鉄監局長、あるいは自治省のほうも、いまからでもおそくないから、姫路市の内容については非常に問題があるようであります。たとえば、市長がかってにロッキードを契約をして、議員総会にこれを突然発表して、これを認めてもらわないと恥になるのだと言っておりますが、これは地方自治法かなんかの違反になるらしいのですが、その運営の中身についてはどうこうしないが、ここで問題なのは、そういう万般のいろいろな問題が錯綜して現地では大混乱が起こっている。大混乱が起こっている中でこういうものを免許していくということは免許行政上どうかと思うということなんです、私の申し上げておりますのは。しかも現地では、公聴会を開いてくれ、聴問会を開いてくれということを現地市民が言っている。これは私企業と違う。自分たちの税金でつくる御本尊が集まって、こっちに来て意見を聞いてくれ——現に、公聴会を開いてくれ、聴問会を開いてくれということを言っています。これはいかに民主主義がどうこうというても問題がある。私企業が自分の金でやるのとは別なんです。市民の金でやるのですから、市民公聴会を開いてくれと言っているのです。そこに問題があるのです。公聴会も何も開かずに、そんな運輸審議会から答申があったからこれを免許しようということは、これはあまりに機械的で、お役人行政と言わざるを得ない。その辺の取り扱いをいま皆さんに注文をつけているのであります。その点をひとつ理解をして、現地聴問会というか、何らかの形で、聴問会でも公聴会でもいいから、現地に行って市民のなまの声を聞くということはぜひともやらなければならないと思いますが、いかがですか。これは私企業免許案件じゃないのです。
  49. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) いまいろいろ御異論のあるような問題でありますから、この上とも慎重を期してやるように措置していきたいと思います。
  50. 大倉精一

    大倉精一君 どうも大臣は、大臣の経験があるので答弁がうまいことを言う。慎重を期してやると言う。慎重を期してやるのはあたりまえです。慎重を期するように、ひとつ具体的に注文をつけるのです。そういう可能性があるか、あるいはやらなければいかぬのじゃないかということを聞いている。あなたの考え方——やれないかもしれませんが、大臣としては当然やるべきだ、そういう考え方があるかもしれませんが、これは慎重を期するということは、慎重を期さなければいけませんが、大臣のお考えはいかがですか。
  51. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 審議会が自主的にいろいろ考えるだろうと思いますけれども聴問会あるいは公聴会等が必要であるというような場合には、やはり御趣旨のような点で審議会としてもやっていくのじゃないか、こう思っております。
  52. 大倉精一

    大倉精一君 そういうことを聞いているのじゃなくて、当然現地でそういうことをやる、現地の声を聞くという場を持たなければならぬじゃないかという、そういう考え方ですね。これは将来の免許行政についても例を残すのですよ。これは公営企業の問題ですからね。ですから、こういう必要があるかないか、当然これはお考えがあると思うのです。これは免許行政をあずかる最高責任者の一つの考えですね、気持ちの持ち方、そういうものからいって、当然やるべきだとか、あるいはそれはやるべきじゃないとか、そういうお考えはなきゃならぬと思うのですがね。これは大臣運輸大臣におなりになってからまだ日がありませんけれども、これは常識の問題ですよ。政治家としての常識の問題を聞いているんであって、別に運輸行政に詳しいから、詳しくないからという問題じゃないのですから。そういう常識の問題ですから、ひとつ……。
  53. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) まあ、何べんも繰り返して言うようでありますが、運輸審議会のほうへそういう必要が生じた場合には、公聴会なり、あるいはその他の方法なり、大衆の意見を聞いて決定するようにしたいと思います。
  54. 大倉精一

    大倉精一君 鉄監局長が隣にいて言うもんだから変なことになっちやうんだが、別に運輸審議会がどうのというのじゃなくて、いまではそういうことをやる必要ができていると思うのです。そして、できておるというぐらいにお考えになるところに、まだ運輸審議会運営について何か自主性を阻害するとかいうようなことがあるかもしれませんけれども、こういう場合には当然やはり現地へ行って現地の声を聞くべきだ、そういうお考えにならなきゃうそだと思うのですがね。大臣、どうでしょう。鉄監局長、横から答弁技術をやっているからだめですよ。常識の問題ですよ。どうですか。
  55. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 必要があれば現地の方々を呼んで意見を十分徴するということもあり得ると思います。
  56. 大倉精一

    大倉精一君 まあこれ以上言っても、だんだん答弁が近づくかもしれませんけれども、私はこの際現地へ行って聴問会を開いてくれ、あるいは公聴会を開いてくれと言っているんですから、これは開かなきゃ私は問題があると思う。公営企業ですからね。自分たちの税金を出してやってもらうのを、その御本人が意見を聞いてくれと言うのですから、それを聞かずに、法律がこうだから、ああだからということで、聞かずにやったら、たいへんなことだと思うのです。アメリカあたりだったら、選挙の投票にこういうものを入れるのですよ。人の名前をずっと書いてある。それから同時に、この地方で地下鉄をつくろうと思うがどうか、あるいはポーカーを禁止しようと思うがどうか、そういうことをやっているんですけれども、そういう点から考えても、民主的なルールから考えても、あるいは地方住民利益ということから考えても、当然これはやるべきだと思う。それをやらずに、一方的に、法律がこうだから、ああだからといって免許をやるということになれば、これはたいへんなことになると思う。それは強く要望しておきます。さっきのニュアンスからいくと、おやりになるような腹のように見えるから、なかなか答弁技術がうまいから、ちょっとむき出しに言わないけれども、そういうふうに私は思うから、信じておきます。  それで、自治省の方に——何か市長のやっていることはおかしくはないかな、あそこの市長のやっていることは。それで、さっきのロッキードも、これは地方自治に干渉するのじゃないのですが、ロッキードとの契約も自分で契約をしておいて、議員総会に突然かける。これは当然議決を経なきゃならぬ金額ですね。あそこは三千万円ぐらいじゃないですか、単独で契約ができるのは。そういうにもかかわらず、これを単独で契約をしておいて、突然議員総会にかけて、騒然たる中で、市長が自分で独走をして、自分で強引にやるということはおかしいような気がするのだが、そういう点どうですか。ロッキードとの契約問題一つとっても、ちょっと変じゃありませんか。
  57. 近藤隆之

    説明員近藤隆之君) そのロッキード市長さんとの話し合いを契約と見るか、市長さんのおっしゃっているようにメモというふうに見るか、そこでも解釈は非常に違ってくるだろうと思います。こういった新しい事業をやる場合に、どれくらいかかるかということを見積らせたりして、金額がはっきりしなければ議会にかけられないというようなことがありまして、その事前交渉であるという見方をすれば別に法律問題にならない。いずれにいたしましても、これを現実に行なう場合には、当然議会議決は要るわけでございます。市の当局の話を聞けば、いまのところはメモであり、現実に免許がおりまして事業を執行する場合には当然審議会にかけるという言い方をしております。
  58. 大倉精一

    大倉精一君 まあこれ以上中身に入って問いませんけれども、とにかく大臣、いまお聞きのような何やら変なものがあります、これは。それで、こういうものをうやむやのままに、騒然たるままに免許されるということは、これはやはり免許行政をつかさどる者にとってきわめて問題があると思うのです。  それで、私は最後に、お尋ねというよりも注文をつけたいと思うのですが、免許をする場合には、やはり相手方の反対を納得させるという努力を最終までやらなければいかぬと思うのです。それから、地方自治の公営企業課長も、たとえば将来この運営は赤字になるとか黒字になるとか認められるという観念に立つ場合においても、現地の独自の資料をもって否定する向きがたくさんあるわけなんですね。ですから、これはやっぱり現地を納得させるということがまず先決問題だと思うけれども大臣いかがでしょう。
  59. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 自治体の問題でございますから、まあへたな計画をやって市民のせっかく出した税金をむだづかいをして自治体の財政を危うくするようなことが起こるようなことが実際に含んであるならば、これは私はやらすべきでないとほんとうに思うのです。そういう点については、自治省のほうを十分打ち合わせまして万遺憾なきを期して、自治体の健全なる発達の方向に向かっていきたいと思っております。
  60. 大倉精一

    大倉精一君 まあけっこうですよ。その場合に、自治省のほうも、あるいは鉄監局長のほうも、市長のほうからだけ聞くんじゃなくて、反対側の意見も十分ひとつ聞き、その事情十分調査をしてもらいたい。ですから、先ほどから聞いていると、市長から聞いた何から聞いたというお話でありますけれども市長からも聞かなければならぬ、当然であります。ただし、大臣がここで肯定をしておられるように、反対側の意見反対理由その他の調査、これを十分おやりになって、そうして現地で混乱の起こらないように万般の手はずをとって、それからひとつ取り運んでもらいたい、こういうことを要望しますが、もう一回大臣その点についてひとつ。
  61. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) お説のように努力いたします。
  62. 相澤重明

    ○相澤重明君 鉄監局長がおりますから、前回当運輸委員会でやはり質問しておきましたが、小田急と京王帝都と西武の三社が、東京から神奈川県の城山にということで免許申請をしておったのですが、それはどういうふうになりましたか。
  63. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) お話申請の事案については、まだわれわれのところで調査中でございます。
  64. 相澤重明

    ○相澤重明君 これについては、見通しとしてはいつごろというような計画はないのですか、運輸省としては。
  65. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) お話は、住宅地の、いかなる規模でどういうふうになるかという問題に非常に関連が深うございますので、それらの関係の資料をいま鋭意調査をしておるという段階でございます。
  66. 相澤重明

    ○相澤重明君 でき得れば私はやはりこういう事案はなるべく早く処理をするのがいいと思う。どうも運輸省の許認可事項というものが事務的処理が長過ぎると、こういう非難もあるわけですから、やはり行政のスムーズな進行状態を私ども望みたいわけです。なるべく早く事案を審理を尽くして、そして許可するならする、認可しないならしないというような方向を私はとるべきだと思う。現地ではいろいろな問題が長引けば長引くほど出てまいりますから、そういう混乱が起きないようにしてもらいたいと思うのです。この点は注文をしておきます。  それから、運輸大臣せっかく御出席をきょうはいただいたのでありますから、運輸省として、いわゆる国鉄や私鉄における立体交差を進めるということについては踏切道改良促進法できまっておるのですが、これは四十年度予算編成にあたって、運輸省では何か新聞発表はしたようなんですが、具体的にどうやろうとしているのですか。つまり立体交差というものを中心に進めるのか、あるいは平面交差というものは信号設備等も含んで幹線輸送については支障のないようにしていくというのか、その考え方を、そしてまた、まとまったならば、まとまった案というものはどういうものなのか、御発表いただきたいと思うのです。
  67. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 四十年度の予算の説明についてはまだ十分伺っておりませんが、踏切の問題については、安全運転の上に一番重要な問題でございますから、こまかい点は鉄監局長から答弁していただきます。
  68. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 大臣から申し上げましたように、まだ四十年の具体的内容は確定はいたしておりませんが、できるだけ国私鉄の平面交差をなくして立体交差化に努力をするというのはお話のように踏切道改良促進法の趣旨でございますので、これらを盛り込んだいわゆる安全運転のための長期計画というようなものを現在鋭意検討を進めている段階でございます。
  69. 相澤重明

    ○相澤重明君 鋭意進めておるという答弁、そういう答弁のしかたもあると思うのですが、われわれ議会側におる立場からいうと、議会側ではよくわからないけれども、よそへ行って話を聞けば、運輸省はこうやるああやるという話を聞く。新聞、雑誌には報道されておるけれども、一体議会はつんぼさじきにおるのかおらぬのか、こういうことになると、これはやはり議会として問題になるわけです。したがって、すでに今日の時点では、運輸省は、いまお話しの踏切道の改良促進については、すでに成案を得て、昭和四十年度末までにはどうするのだというようなことをすでにきめて発表されておるというふうに私は聞いておるのですが、いま検討中なんですか、そういう話をもうきめて発表されたのですか、どっちなんですか。これは運輸大臣大臣に就任した後に出ておる今日の事態の問題なんですから——どっちなんですか。議会には報告できないけれども外に向かっては報告ができるということなのか、どっちなのか。
  70. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 改良促進法に基づく立体交差化の事業はすでにお話のように進めておるのですが、おそらく相澤先生御指摘の点は、国鉄等における長期計画に関連してそれが一部すでに新聞等に出ておるというようなお話かと思いますが、御承知のように、国鉄の経理状態を抜本的に措置をする必要があるということで、現在日本国有鉄道基本問題懇談会というようなものでいろいろ御検討願っておるところでありますが、それの資料として、一応のたたき台としてこういうようなものはどうだろうかというようなものを国鉄が出したのが一部新聞に出ているというような状態でございまして、まだ正式にこういうようなことを運輸省として現在予算要求をしたい、あるいは将来予算措置として考えたいという段階になっていないということを申し上げた次第であります。
  71. 相澤重明

    ○相澤重明君 それは、いま少し掘り下げて聞くが、第三次指定を行なったのか行なわないのか、そうしてそういう第三次指定に基づいて予算要求をやる考えなのか考えでないのか、この点をいま少し明らかにしていただきたい。
  72. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) 踏切保安設備については、七月三十日付で第三次指定を行ないました。この結果、従来国私鉄を通じまして第一次、第二次指定が五千四百六十五カ所の指定になっておりましたのが、合計六千七百三十一カ所、千二百六十六カ所の保安設備の指定の増という状態でございます。
  73. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは明らかに運輸省の、運輸大臣の仕事ですね、つまり指定をしたということは、したがって、国鉄なり私鉄にこういうふうにやらなければいけないということに指定をしたのだから、これは運輸省の仕事だ。そうすると、運輸省がそれをしたならば、当然これからこれに基づいて、国鉄なり私鉄の予算のあり方、あるいは助成のあり方、あるいは融資のあり方というものが出てくべきだと思う。それが四十年度予算編成の中にあらわれてくる。ですから、内閣でもことしは特にそういう予算編成の問題についてもだいぶ気を使っておるようですが、とにかくわれわれとしては、議会側としては、三十六年以来、法律をもって、そうしてこの立体交差化なり信号保安設備化を進めているのに、議会の中では一体全国の私鉄なり国鉄のこれらの踏切道の問題についてどうなるかということがまだあまりよくわかっておらぬ。議会ではわからないけれども、外じゃわかるというはずはないわけだ。したがって、第三次の指定をしたならば、第三次の指定はこれこれの個所についてこういう設備をすると、そのためにはどういう予算要求をしたかというぐらいは議会に提示しても私はいいと思う。そういう点について、第三次指定個所について資料の提出を私はしてもらいたい。予算はどのくらいかかるのか——そういうことをしてもらわなければ、議会ではわからないけれども、よその者は知っておるということじゃ、これはまずいんだ。どうでしょうか、これは大臣からひとつ御答弁いただきたい。
  74. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) ただいま鉄監局長からいろいろ御答弁をいたしましたように、すでに七月の何日かに発表いたしておりますから、それはその一番近い機会に委員会が開かれたならば、その内容を皆さんにお知らせすることは当然であると思いますが、大略のことはいまわかっておるようでありますから、鉄監局長から……。
  75. 相澤重明

    ○相澤重明君 説明を要求します。資料も……。
  76. 佐藤光夫

    説明員佐藤光夫君) お申し出の資料を早急につくりまして提出いたします。  なお、相澤委員お話は、立体交差ということを私は誤解をいたしましたのでたいへん失礼いたしましたが、踏切保安設備については、先ほど申し上げましたように、第三次の指定を七月三十日にいたしております。  なお、踏切保安設備の指定の実施状況は、これは金額的に——件数は多うございますが、一件金額は比較的少ないものでございますので、国鉄は九八・三%と、ほぼいままで一〇〇%行なわれておりますし、将来の金額についても十分これを実施できるように織り込んで計画を推進していきたい。私鉄はやや実施状況が落ちますが、これにつきましてもなおわれわれとしてもこれを推進するように努力をしたいというふうに考えております。
  77. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、続いて私の質問は、あと吉田君も質問するわけですから、きのうの質問について港湾局長なり自動車局長にひとつお答えをいただきたい。  きのう港湾局長等に対して質問したのは、京葉港湾運輸株式会社なるものが第二種免許申請をしているかどうかという話をしておったのですが、どういう経過になっておるか。  それから自動車局長には、昨日この資料をちょうだいしたわけでありますが、申し上げたのは、オリンピックを前にして、国内の混雑緩和もさることながら、これだけの世紀の事業をやるのに、交通上大事なことであるから、ハイヤー、タクシー、バス等の問題についてどういう対策を持っておるかという点を質疑をしたわけです。資料も出ておりますが、一つそれぞれ御説明をいただきたい。私はきょうは御説明いただいただけで終わりたいと思います。
  78. 比田正

    説明員比田正君) 昨日、京葉運輸という港湾輸送事業会社が免許申請しているかどうかというお尋ねでございました。さっそく帰りまして調査いたしましたところが、京葉運輸という名前の会社はございませんけれども、それによく似ました京葉港運株式会社というのがございます。これは、船橋の件につきましては、その付近の埋め立てによりまして、漁業者が補償等によりまして補償費をもらいましたが、漁業権の一部を失ったという方々がたくさんございます。その方々が集まりまして、ひとつ港運会社をつくろうじゃないかという話が持ち上がりまして、これを所管の関東海運局に相談に参ったそうでございます。いろいろのことを申しておりましたが、はしけをやりたいというようなことを考えておったようでございます。ただ、御承知のとおり、一般港湾運送事業法は、法律の改正のありましたときに、また最近の三月三日の港湾労働等対策審議会の答申にもございますように、なるべく今後は小さいものを免許せずに、できるだけ大きくしろという御趣旨がございますし、私どももその御趣旨に従ってこの免許の切りかえあるいは新しい免許の審査をしておる最中でございますので、この申し出のございました会社は、非常に規模の小さいものでございます。何とかもう少し大きくすることを考えられないかということを現地の機関は答えたそうでございます。ただ、ここで申し上げたいのは、これは千葉とか京浜地区に出てきて港湾運送事業をやるということでございまして、御承知のとおり港湾運送事業法によりますと、指定港湾というのがございます。全国に九十二カ所ございますが、その中に船橋は入っておりません。したがいまして、船橋で事業をやります場合、会社の設立だけすれば、港湾運送事業法の範囲外ということになりますと、そこでこじんまりとやる分には支障がないのだというふうに、おいでになった方々にお話をしてお引き取りを願ったというような状態と聞いております。  ただ、もう一つ同じ名前の会社が千葉にございます。これも京葉港運会社というのがございます。このほうは、あるいは先生御承知かと思いますが、非常に問題があるようでございます。と申しますのは、この会社は、資本金二千五百万円で、京浜地区の大手の港運会社が出資し合ってつくった会社でございます。御承知のとおり、千葉にはいろいろ工場が最近できまして、荷物が入っておりますが、これは不定期な荷物が非常に多うございます。毎日毎日荷物があるというような状態ではないようであります。したがいまして、これを正式には港湾運送事業法で免許してやらなければいかぬのですが、これまたいろいろ申請があるようでございます。千葉におきますところの会社の規模は非常に小さいわけでございます。そこで問題になりますのは、もう少しこれを大きくしてもらえないかということが一つと、逆に、東京湾がだんだん発達してきますと、いまの京浜港というのをもっと広げたほうがいいじゃないかということをわれわれはいま検討しております。どこまで広げるか、船橋まで広げるのがいいのか、あるいは千葉まで広げるのがいいか、あるいは木更津まで広げて大きなものにしてその港域内で共通の免許をするのが仕事がしいいんじゃないかというようなことも考える次第でございます。また、京浜港と、船橋から木更津のほうまで千葉を中心にしたところとまた別の港にしたほうがいいのかというような、港の広さの点がございます。これらの点でまだペンディングになっておる次第でございます。したがいまして、これらを早急に解決いたしまして、千葉のほうの京葉港運会社というものの処置をいたしたい、こういうふうに考えております。  この二点が、類似いたしましたような名前で、おそらくこのことかと思いますが、いま調べました現況でございます。
  79. 相澤重明

    ○相澤重明君 さっき局長が言ったのは、京葉運輸というのじゃなくて、きのう私が言ったのは京葉運輸株式会社、ところがいま二つあるというのは、京葉港運といっておるのですね。そういうことをいっておるそうでありますが、いずれにしても、現在は三種のものを船橋には持っておるけれども、先ほど局長が答弁されたように、問題のあるのは、二種の仕事をやりたい。これはやはり千葉に出てきたい。千葉は現在はいまお話しのようにあまりよくない。内容の整備してないものが現実にある。こういうことは、免許事業というものに対して、やはり運輸省がせっかく免許を与えたからには、やはり海上輸送についても秩序あるものとしてでき得るものでなければいけない。そういう点について、これは名前は違うけれども一つのものなのか、あるいは二つは別々なものなのか、あるいはまたいまの船橋のものが千葉に出たいというのがほんとうなのか、あるいは船橋でやるならば別に制限はないという、そういういろいろの問題点が疑惑が持たれるわけです。  そこで、きのうも申し上げたわけでありますが、これは資料を先ほども申し上げたように提出してもらって、よく御答弁のように調査をしてもらう。そうして、まあできるだけ免許をする以上はこの業界の中でのやはり統一行動をとってもらう、つまりみだりに業界を混乱させるようなことのないように、そうしてまた輸送秩序を守ってもらうというのが私は原則でなくちゃならぬ。そういうことで、よくひとつ運輸省としての態度というものをおきめいただきたいと思います——ということでいかがですか。
  80. 比田正

    説明員比田正君) 御指摘ありましたことは、まことにごもっともでございます。私ども全く同感でございまして、その方向に向かいましてただいまも苦慮いたしております。いろいろむずかしい問題もございますけれども、これは早急に解決しなきゃならないと思っておりますので、またいろいろ御指示もいただきますし、またお教えも願いまして、この問題をすみやかに軌道に乗った、しかもいま御指摘がありましたような内容にいたしたいと考えております。
  81. 相澤重明

    ○相澤重明君 次は自動車局長
  82. 坪井為次

    説明員(坪井為次君) 昨日東京都内のタクシーのオリンピックに向かっての増強状況というものの資料を提出しろというお話で、本日提出したわけでございます。  これを御説明しますと、三十八年—昨年に増強しました分が、既存法人の増車の認可二千四百五十、個人タクシー免許千八百三、合計四千二百五十三両。それから、さらに本年に入りまして既存法人の増車としまして二千七百九十一両を六月に認可しました。それから、法人の新規免許八百五十両を六月から七月にかけて免許しました。それから、個人タクシーを百七両、これを六月、七月にわたって免許。なお、今後も引き続き法人、個人ともに審査を続けておりまして、随時増強したいと思っております。本年度、現在までに三千百四十八両が増車したわけでございます。現在車両数は二万八千四百八十四両となっております。  それから、オリンピックのバス関係の輸送計画でございますけれども、本日はオリンピックの選手、役員の輸送に対する配車計画につきまして資料を提出いたしました。  概略申し上げますと、選手、役員輸送につきましては、選手村、ホテル等から各競技場までへの選手、役員等の必要輸送量を、方面別、各日別、時間帯別に推計しまして配車計画を策定して、これに必要なバス延べ五千八百五台、乗用車は延べ一万一千八百六十三台、これを借り上げまして、組織委員会と事業者の間に契約が締結されております。そういうかっこうになっております。  なお、観客輸送につきましては、本日は資料が間に合いませんでしたけれども、邦人関係につきましては、国鉄、私鉄、あるいは小田急、こういったもので大体まかなえる。外人分に見込まれる二万人くらいの輸送につきましては、特別にバスの臨時運行を認めまして、これによって外人専用のバスを走らせたいと考えております。これも大体の計画はできております。後ほどまた資料を提出いたします。
  83. 相澤重明

    ○相澤重明君 資料を御提出いただいて、いま御説明いただいて、けっこうですが、これをたとえば行なうのも、現状交通難からいうとたいへんなことだと思う。そこで、車両交通の規制等を警察庁あるいは警視庁等の中において選手の輸送等について行なうのかどうか、そういう点についての打ち合わせはどうなっているのですか。
  84. 坪井為次

    説明員(坪井為次君) その点につきましては、組織委員会の内部にそういった交通関係の部会をつくりまして、交通規制その他総合的に検討しておりまして、たとえば競技場の中心区域を何段階に分けて交通規制の計画を立てる。また、駐車場その他についても、ただいまのバスあるいは乗用車、そういったもののパーキングについてのスペースを確保する、こういった計画を立てております。
  85. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、きのう大倉委員質問をした、増車についてはわかりましたが、いわゆる運転者についての配慮というものが、対策というものが十分立てられないというと、車はせっかく増車をしても運転もできない。また、なまじっかしろうとの者を——しろうとと言っても、免許を持っている者には違いないけれども、土地不案内、地理不案内な者を出せば、かえって混乱を来たすのではないかということで、その対策を求められたわけでありますが、そういう点についてはどうなりましたか。
  86. 坪井為次

    説明員(坪井為次君) 昨日もお話ししましたように、この点につきましては、基本的には企業者みずからが自分の事業用の運転手を確保するということが根本原則でありまして、政府が動員計画というものをする方法がありませんので、やはり企業家がみずからの努力で集めてもらう。その方法としまして、特別な養成機関を設置するなり、あるいは道交法の改正等いろいろと問題点はありますので、こういったものにつきましては、側面的にこういったことについてわれわれとしても応援していきたいということで、関係官庁、警察庁、労働省と三者でよく十分連絡をしまして、われわれとしてできる限りの応援体制は敷く。しかし、根本的には事業者みずからが確保していただく、一生懸命やっていただくということ以外にはないと思います。ただいまの東京の増車計画につきましても、御指摘のように、この六月に二千七百九十一両認可をいたしましたけれども、ただいままで稼働したのが八百三十四両、約三割しかまだ稼働できないという状況でありまして、当初六千両くらいはふやしたいという予想を持っておりましたけれども、運転手の状況等からまだそこまでは至っておらない、そういう状況であります。
  87. 相澤重明

    ○相澤重明君 東京都内については、大体のいま御説明をいただきましたが、これは、たとえばヨット・ハーバーであるとか、カヌーであるとか、私ども神奈川県でいえば、江ノ島とか、相模湖とか、あるいは朝霞とか、戸田コースの問題もあると思います。そういう周辺地域の問題もあると思いますので、自動車の許認可の問題については、これらの地域については陸運局はどういうふうに指導をしているのですか。自動車局としては、東京陸運局に、申請事案についてはいつごろまでに処理するという考えなのか。
  88. 坪井為次

    説明員(坪井為次君) 周辺地区のタクシーの増車につきましては、私のほうで特別に指示いたしておりませんけれども、特にそういった個所については、陸運局としては十分承知しておることと思いますので、善処しておることと思いますが、なお念のためにわれわれのほうからも連絡しておきたい。
  89. 相澤重明

    ○相澤重明君 いや、だから、私は昨日の委員会でも申し上げたように、オリンピックというのはもう日がないわけだね。幾日もないでしょう。もう目前に迫っておる。その目前に迫っておるのに、そういう具体的な対策というものが政府の部内でいわゆるつくられていないというと、時間が来たわ、実際に作業は進まぬ、混乱は起きるということであってはならない。したがって、運輸省の所管事項においてはできるだけ早くこれを処置をするようにということを申し上げておるのでありますから、少なくともオリンピックを迎えて、これらの事案について、せっかくバスの問題等についてはここにこう出されておりますけれども、私は、やはり周辺地域の問題につきましても、たとえば横浜港にしても、実際に港に停泊する船に泊る者さえ六千人余という者がある、あるいは大磯村については何人収容しなければならぬ、こういうようなことまであるわけですね。ですから、具体的にそういう選手の移動についての対策は十分できておりますね。しかし、観客用とか、そういうおもだった道路の交通時間とかいうようなものについては、あらかじめ事前にそういうことはもうきちっとしておかなければならぬと私は思う。そういう中における、一体たとえば埼玉とか神奈川の場合にどのくらいのいま車両数というものを増加しなければならぬのか。申請されておる事案についていつごろめどをつけてこれを処理するかということくらいは本省でもってきちっとしなければ、やはり地方の陸運局に対しても指示ができないと私は思う。そういう点で私いま質問をしているわけです。いかがですか。
  90. 坪井為次

    説明員(坪井為次君) 各競技場につきまして、各競技の開催日についての旅客輸送の計画につきましては、バスで相当具体的な計画を立てております。たとえば戸田のボート・コースについては、収容人員が七千五十人、これにつきましては国際興業のバス二十五両を増強しましてその輸送に当たる。あるいは朝霞の射撃場につきましては、収容人員が千二百七十人、これにつきましては国際興業、西武、東武等のバス事業者が九両を新規投入して輸送に当たる。バス関係につきましては、大体各競技場その他について十分把握されておりますが、ハイヤー、タクシーにつきましては、はっきりとした数字がつかめませんので、これほど精細な計画はつくっておりません。
  91. 相澤重明

    ○相澤重明君 だから、私の言っておるのは、オリンピック組織委員会と運輸省がいま御相談をされて出された資料についてはわかった。しかし、いまそれだけでは問題が解決をしない。いま申請をされておる事案についてですね、申請業種をいつごろ認可をするつもりなのか。そういうことをオリンピックが過ぎてからやったって、そんなものは意味がない。オリンピックはもう目前に迫っておるから、早く処理をできないのか、こういう点を質問しているわけです。そういうことは当然総合的な対策というものを立てる中の一環としてあるわけじゃないかということなんですが、どうですか。
  92. 坪井為次

    説明員(坪井為次君) オリンピックに直接関係する分につきましては、ただいま説明したとおりでございまして、そのほかの一般免許申請でオリンピックまでにしたほろがよろしいと思われる免許事案も相当あります。たとえば、外人専用で、まあ箱根とか日光へ行く客を当てにした定期、臨時観光路線を敷いていくという、こういったようなオリンピック関係と思われるような事案につきましては、ほかの事案よりも優先して取り計らうように、陸運局でも、また本省でも努力しております。
  93. 大倉精一

    大倉精一君 運輸大臣おいでになりますから、きのうも若干質問したのですけれども、相澤君がいま言いましたように、運転者対策ですね、これは非常に大事だと思うのですよ。大臣ひとつ特に力を入れてもらいたいと思うのですけれども、どっかの新聞で、新しい局長は運転手対策に重点を置くというのを見たような気がするのですけれども、これは具体的に対策を練ってもらいたいと思うのです。いま局長から——きのうも答弁があったのですが、本来的にこれは業者がやるのだ、こういうお話なんですけれども、業者にまかせておいたのではなかなかできないのです。いま二千両ふやすといいますけれども、大体一割ですね。現在大体都内で一割ぐらいの車が休んでいるでしょう。運転手がなくて一割ぐらい休んでいるところを、また一割ふやしてみても、これは正常な運行はできない。そこで、先ほど相澤君が言ったように、どっかよそから運転手を引っぱってきても、地理不案内、土地不案内のタクシーの運転手は、これはつとまりませんよ。ですから、大臣、運転手対策については超重点的に御配慮願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  94. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) ただいま局長から、現在における状況についてはお話がありましたが、今後における問題について私の希望を申し上げたいと思いますが、ヨーロッパやアメリカは自家用車を自分で運輸しておるのですが、日本はどうも、ぜいたくだというのか、われわれが少しなまけておるのか、運転手を別に頼んで、自分はふんぞり返って乗っておるというのですから、よけい人間が足りなくなるのですよ。この点は、実際自分で運転するということを自家用車は考えなければならぬと思うのです。  この際われわれが希望したいことのもう一つは、このハイヤーやタクシーあるいはトラックその他の動力運転する者に対する養成所というものを、やっぱり職業訓練所以上の学校のようなものを政府がつくる必要があるのではないか。そうして完全な運転手を養成して社会に出して事故防止をし、また需給関係を調整していくというようにならなければならないのじやないかということを考えておりますから、ひとつ大蔵大臣ともよく相談して、あるいは文部大臣とも相談してみたいと思っております。
  95. 大倉精一

    大倉精一君 たいへんけっこうだと思います。大蔵大臣、文部大臣と同時に、労働大臣にも相談してもらいたいと思うのです。先ほど局長から、業者みずからで運転手対策をやってもらいたいという希望があったのですけれども、きのうの答弁では、根本的にはやはり運転手の給料あるいは労働条件がよくなければならぬと、こういう御答弁があった。これもごもっともだと思うのですけれども、かって神風タクシーをやったときに、タクシーの運転手の給料というのは固定給を主体とする給与体系をつくれと、こういう決議をしたことを覚えております。ですから、運転手の給与を——特に将来に対する保障がないのですね。目先の金はあるのだけれども、将来に対する保障がない。したがって、学校はつくっても、タクシー運転手に希望を持てるような、こういう条件がないというと、養成をしようと思っても、これはタクシー運転手になろうというやつはおらぬですよ。ですから、タクシー運転手になれば将来こうだという希望を持てるような労働条件について、政府としても十分ひとつ業者に対して勧告をするなり何なりの方法をもってやらなければ、業者にまかせておったのではいかぬ。こういう点についても、大臣特に御配慮願いたい。文部大臣と大蔵大臣とのお話があったわけでありますが、労働大臣も一枚加えて労働問題について解決をはかってもらいたい。
  96. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 承知いたしました。その点については、十分労働大臣意見を聴取したいと思います。
  97. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 せっかく新しい大臣がお見えですから、私は先般国会から派遣されて北海道の運輸事情調査いたしてまいったものでございまして、その結果の報告はきのうの委員会に詳細報告してありますので、主としてこれを中心大臣並びに関係者にお尋ねをいたして所見を伺っておきたい、こう考えます。  きのうも報告をいたしておりますように、私どもは北海道のローカルの空港を七カ所視察調査をいたしております。たまたま運輸大臣は私どもと期を一にして大臣就任の晴れのお国入りをいたして、私は随所で新聞報道等で談話をいたしておったことを承知をいたしております。北海道の事情については、北海道の人でございますだけに十分承知をされておると思いますから、できるだけ簡潔にお尋ねをいたしますので、その考え方をひとつこの際お聞かせを願いたい、こう思います。  その一つは、いずれも北海道のローカル空港は整備が不十分であります。したがいまして、この不十分な空港整備をどうこれから運輸大臣としてこれを整備していくか、この点を具体的に私はこの際お聞かせをいただきたい。そう言いましても、あまりにばく然たる質問になろうかと思いますから、若干申し上げますと、たとえば女満別の空港は三種空港で道庁管理、航空業務上の中枢的な機能を持つ管制塔の場合は、塔ではなくして卓状になっております。管制塔が卓状になっておるからということで問題があるのではなくして、現実問題として調査の結果明らかになりましたが、滑走路地面より一メートルも低いところに管制卓がある。私は、航空事業の中において、あるいは航空管制の立場から申し上げますれば、管制塔であるとかあるいは管制卓に設備されております諸機材というものは、まさにその関係の目でなければならない、こう思うわけです。現実にそういうものがつまり滑走路地面から一メートルも低いところに設備され位置づけられておる、こういうことは、まず一体どうこれから具体的に会議にかけて対処されるのかということが一つ。  それから、それ以外に、丘珠に——札幌飛行場と名づけておりますけれども、防衛庁所管にかかわる飛行場がございます。もとより民間と共用になっておりますが、現在の防衛庁の配置されております機種から申し上げますれば、それほど私は重要ではないという考え方に立っておるのではないか。結果的に申し上げますと、これがためにまことに整備が不十分であります。大臣も御承知のように、北海道ではいま建設中の旭川であるとかあるいは紋別あるいは中春別等々の飛行場の建設がございますけれども、これなどの完成と相待って、いやがおうにも札幌は北海道のローカル航空運送事業を行なう場合のセンターでなければならないと思います。そういうところに私は位しておると考えます。その飛行場が、まことに不備ということばさえ私は付することの   〔委員長退席、理事天坊裕彦君着席〕 できないお粗末な状態になっておると言わざるを得ません。具体的に申し上げますと、滑走路は運輸省所管でかなり整備されましたから、どうやらこうやらでございますけれども、誘導路のごときは全くでこぼこで、飛行場として整備されているこれが誘導路であるかどうかということについては、まことに私は疑問を感ぜざるを得ない。あとあと航空写真等とっておりますから、大臣も十分見ていただきたい。大臣が参りまする場合は、大型機で参りますから、千歳の完備された飛行場におりますから、きっと存じ上げていないと思いますが、この点を十分まず実態を把握して、どうするかという問題。  それから、大きな問題になって、これは防衛庁との関係になるでありましょうが、あの場所に防衛庁が無理をして航空自衛隊を若干配置しなければならぬ防衛上の問題として一体何があるか、こういう点を私は明らかにしていただきたい。御承知のように、当初たしか陸軍の飛行場であったと思いますが、戦後民間所有者にある程度開放されまして、その後自衛隊が発足と同時に、若干の練習機が、たしか私の記憶では四機か五機程度来ておったと思います。大臣承知のように、隣接として、千歳はもとより、島松にはりっぱな自衛隊の飛行場がございます。恵庭にもございます。南千歳はもございます。なぜ一体あんな近距離でありまする丘珠に、自衛隊が防衛上の理由で、今日共用で民間と使用されているけれども、きわめてこういう不備な状態に放置されるような飛行場が必要であるかと、まことに私どもは国民の一人の立場から考えてみましても、疑問を抱くところでございます。しかも、そういった実態から、除雪におきましても、防衛庁が除雪をせざるを得ない。財産管理権を持っております。それから所有権を持っておりますから。ところが、実際問題として、防衛庁の飛行機というのは小型機でありますから、それほどの広範な地域の除雪は必要ではない。ですから、雪除をする場合においても、そのやっておりまする実態等を種々私どもは記録、データ等をもって明らかにしているところでありますけれども、緩慢だと言わざるを得ない。ために、民間の使用率というものはやはり極度に低下をしている。こういう実態等を私どもは把握をいたしておりますので、こういう関係についても、一体これからどう対処していこうと思うのか、この点を私は伺っておきたいというふうに思います。  それから、御承知のようにたいへん北海道というところは広大な面積を保有しておりまして、日本の国は狭いといいながらも、全体の面積の四分の一は北海道でございます。ために、やや北欧的な感じさえすると、ある文化人などは言われております。ですけれども、あの飛行場に行ってごらんになったらおわかりだと思いますけれども、飛行場の中に牧草がはえております。これもたいへんけっこうな話だと思いますが、まことにのんびりした光景であります。牧草がはえておるからといって、これは家畜を放置するというわけに飛行場ですからまいらぬと思いますけれども、たまたまわれわれが調査に参りましたときには、その牧草を刈り入れて飛行場にたくさん乾燥をいたしておりました。一体これがどう処理されているのかということを私はこちらに参りまして調査をいたしましたところが、防衛庁のいわゆる予算外収益という関係で、これは国庫に入ると思いますけれども、金額等については微々たるものでございましたが、昭和三十八年度におきましては五万二、三千円、それから今年度については、いま刈り入れ途中で、おそらくはあれは売買したのであろうと思いますが、四万八千何がしというものが出ておる。私はそういう事柄は別として、一体かなり、あの丘珠の飛行場については、千歳との関係等々がございまして利用の度合いというのは、発着率においては千歳以上のものになっておる。私は、ああいった事柄から、万々一もし事故が起きた場合にどうなるか。幸いにいまのところ事故がございませんから、そういうことにはなっておりませんけれども、ああいう牧草などについて売買が終わった場合に、私は買った人が当然乾燥等は公共の施設である飛行場でなくて処置すべきものではないか。それを依然としてああいう放置をしておる。これなどについても、私は理解のできない点でございまして、こういう点についても、運輸大臣は、共用でございまするだけに、運輸省と防衛庁との関係をどう考えておるのか、こういうことです。  さらに私は、千歳の飛行場は、御承知のように、自衛隊のF104が使用をしております。それとあわせまして、日航、全日空等々の大型機が使用しておりますけれども、私は、もうあの飛行場は、大臣も御承知のように、種々問題があろうと思います。気象条件もその一つであろうし、自衛隊との関係の運用上の問題もその一つでありましょう。ですから、そういう事柄によりまして、今日羽田の空港に対して第二国際空港が必要であるということが種々もう議論されておる段階になっておりまして、千歳の場合におきましても私はこれと全く同じ関係のものがあろうと思うのです。ですから、北海道の全体の、それぞれ利用したり、あるいはまたその飛行場を使用するもの等々の要望というのは、千歳の代替飛行場がこの際強く要望されているのじゃないか。その端的ないい例として、北海道知事の要望書にも強い意見として出されております。そこで私は、立地的な条件、今日的な諸条件等を考えてみれば、何人といえども私は否定のできない、札幌飛行場をその代替飛行場に拡張整備をしていかなければならぬということは必然的に私は出てくる理論であって、また現実ではないか、こう思う。ところが、どういうものか、さいぜん先輩の相澤さんから申されましたが、運輸省の考えは一体どこにあるのか。しかも、この委員会では、航空に関する、もとより事故対策の問題が中心でありますけれども、小委員会までできている。ところが、小委員会については、一言もそういう計画についての、つまりこの考え方なりあり方というものについては、相談もなければ、発表もなければ、連絡もないにもかかわらず、実は先般函館に参りましたときに、函館飛行場の拡張計画等々についての発表が私は現地でこのとおり三段抜きの活字で新聞報道されていることを承知しております。これによりますると、かなり具体的になって、しかも管制関係についても新しい電波誘導装置等を付設するものである。しかも、今日三十メーターの幅員、さらに千二百メーターの滑走路を、一挙に三百メーターに拡張して、二千六百三十メーターに延長する、名実ともに千歳空港の第二空港的な重要な空港に建設する、こう書かれている。そういうりっぱなものができたとすれば、たいへんけっこうなことでありますけれども、一体航空局は何を考えているか。私はあの函館の空港を一昨々年に調査したことがございます。あそこの飛行場の立地的な条件からかんがみまして、こんな拡張できるような用地があるかどうか。しかも、飛行場の気象的な条件、あるいはいま言ったような用地取得に対する諸条件等々に、それから市町村自治体に対する負担の関係——あそこには村道がございますから、それを横断しなければなりませんから、当然そういう問題が起きてくる。それから、非常にあそこは北西の風が強いために、今日の飛行場でさえ運航率がきわめて低下をしているという実態がございます。そういう場合に、どう具体的な、何といいますか、運輸当局がこの拡張計画を技術的に考えているのか、こういう点についても、これは、大臣は就任早々ですから存じ上げていないとすれば、責任ある私は航空局の諸君から答弁をしていただきたい、こう思います。  さらに、きわめてこまかな問題になりますけれども、千歳の飛行場が、いまB滑走路が八月一日に補修工事にかかると私は承っております。ために、新しいA滑走路、新しいほうの滑走路のみによって発着陸を行なう、航空管制を行なう、こういうことになっています。今日的な千歳飛行場の使用いたしまする発着ないしは各それぞれの飛行機会社の便数等を考えてみますれば、保安事務所長は、可能である、さして問題はない、こう言っておりますけれども、それがために、今日このA滑走路に対しての若干誘導路の補修設備を行なっております。私どもしろうとでわかりませんが、ほとんど航空機が利用するに足り得る、こう現地では見てきておりまするけれども、どういう関係になっておりますか、それは不可能である、こういうことから、東京からわずか一時間そこそこで飛んでまいりました飛行機——もとより最近はシーズンでございますから、オール一〇〇%の利用率かと思っておりますが、このほとんどが、ターミナル・ビルに入るまでに、着陸して二十分間も別な誘導路を通っていかねばならぬ、こういう実態がございます。利用者並びに関係者の、これは怨嗟の的になっている。ところが、今年は予算がございませんので、したがってどうにもならない御承知のように、まだ年度当初で、おそらく予算の示達というのは七月ごろではないかと私は思う。だとすれば、予算がないというのは何かということです。しかも、その予算の不足がどの程度だということで聞きましたら、わずか五十万円。吉田の忠さんならできぬけれども、松浦運輸大臣ならぽんと五十万円くらいくれるかもしれない。これは、冗談はさておいて、たいへんな問題だと思う。したがって、利用者である業者が負担をするならば、関係の部分に監視員を置いて使用さしてもいいとの話を、私は実態として伺ってまいりました。一体この千歳の飛行場というのは何かということです。公共の施設だと私は思います。一面においては、防衛上必要であるからということで自衛隊が使うんだと思う。そういうときに、年度当初に予算がない。予算がわずか五十万円、こういうことからして、民間の諸君にその負担を仰いでそういう関係を処理するということのその考えに、その根本に間違いがある、こう思うのですが、こういう点については、大臣は一体これをどう考えるか、具体的な当面扱っている運輸省としてどうこれを把握しているのか、こういう点を一つはこの航空関係では私は聞かしていただきたい。  それから、その次に鉄道の輸送量の増強について、ひとつ立ったついでですから、時間がありませんから、全部質問いたしていきますが。   〔理事天坊裕彦君退席、委員長着席〕  御承知のように、国鉄は、池田内閣の所得倍増計画に即応するように、第二次五カ年計画を策定しておりましたけれども、これが間に合わずして、ついに第三次五カ年計画というものを樹立した模様であります。さらに長期的な展望に立って、長期計画もいま策定しつつあるようであります。そういう事柄が、多少行政組織法に問題がありますけれども、前の委員会でこの点指摘しておきましたけれども、国鉄の基本問題懇談会等々で寄り寄り話をしているのではないかと存じますが、そういう話は別として、北海道だけで私どもこの報告をいたしましたところによりましても、第三次五カ年計画を遂行するためには二千億が必要である——二千億強が必要である。これに関連をいたしまして、実は運輸大臣が先般お国入りをしたとき札幌で記者会見をされた、新聞で、真実はわかりませんけれども、たいへん気になることを運輸大臣はここで発表いたしております。その一つには、これらの計画を遂行して、池田内閣の所得倍増計画とあわせてこれが達成をいたすためには、まず外資の導入が必要である、世界銀行から金を借りなければならぬということを大臣が言っているのを、新聞ですから言ったか言わないか知らぬが書いている。それから、自己資金の運用ではからなければならぬ、これは当然のことだと思います。全部やはり、それぞれの企業ですから、自己資金を調達するなり、努力したり、今日的なものを運用するのは当然ですからいいとして、最も国民感情として国民の家庭のお台所に影響するところの問題に第三つ目として触れております。それと、今日池田内閣の政策として、公共料金の一年間の据置き、こういうことにも関連いたしますけれども運輸大臣は、やがて来年は運賃料率を改定しなければならない、こういうことを言っておりますけれども、これについて、一体これが池田内閣の最終的なつまり運輸交通政策であるのかどうかということをこの際大臣からこの委員会において明らかに私はしていただきたい。たいへん大きな問題ですから、とりあえず二つ大きな問題をしぼりまして、さらにあとあと海運関係、あるいはいま盛んに問題になっております日米航空協定の関連について私は大臣に聞きたい、こう思っている次第であります。
  98. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) たいへん微に入り細に入った御研究に、敬意を表します。  まず、ローカル七カ所の問題について、その整備の不十分なる点を御指摘になりましたが、私も全く同感であります。きょうも衆議院でこのことが一つ一つ問われたのでありますが、まず所管問題について、これはまだ航空局のほうと相談したわけではありませんが、紋別だけが道庁所管であって、その他のものが全部運輸省所管であるということは、不合理であると思います。これから相談して統一的にしたいと思っております。  それから、丘珠飛行場と千歳の飛行場の関係でありますが、千歳の飛行場を第二国際空港にしてくれということは、千歳に行きましたときに、千歳の市民及び市長から強い要請がありまして、私もヨーロッパ等を旅いたしましたときに、このくらいの離れた距離で国際空港を持っている国はたくさんありますから、しかも千歳は、御存じのように火山灰地帯ではあるが、土地は幾らでも広くとることは自由であります。付近に工場もあまりありませんし、じゃま者がありませんから、できれば第二空港にしても差しつかえないのではないかと考えますが、これには千葉県の問題もあり、茨城県の問題もあり、その他すでに答申が出ておりますから、これらとかね合わせて研究すべきものだと思います。  防衛庁との関係については、いろいろお話がありましたが、防衛庁とお話のありました点をよく協議いたしました上において、御返事をいたしたいと思います。いまここで直ちに、協議してありませんから、御返事申し上げることができないのでございます。  それから、釧路及び稚内の問題については、稚内は一本の路線でありますから、風の方向によっては着陸することができません。また離陸もできません。でありますから、もう一本斜めのやつを入れなければ、ああいう風の強いところでは毎日飛行機を通わすことは困難であります。これは増強する必要があると思います。釧路は、まあ北海道のロンドンといわれるほど霧の深いところでありますから、これは安全装置を科学的にやるか、あるいは飛行場の場所を変えるか、何か根本的な方法が必要であろうと思いますが、これは関係部課長から答弁をさしたいと思っております。  旭川は、来年度中に完成する予定で予算を獲得する考えであります。紋別、中春別は来年中には困難ではないかと思っております。  ちょっと、いまお話しの畜産との関係になりますが、牧草を刈ってやるのはおかしいじゃないかというのでありますが、これは私は吉田さんと考えが違う。私は、日本ほどこんな狭い国土の農業利用をおろそかにしている国はないと思います。スイスに行ってみるならば、寸土といえども牧草ならざるはなし。ましていわんや飛行場のごときは、四回牧草を刈っております。しかし、発着に影響があったり、あるいはけが人を出したりすることのないような時間を利用いたしております。そのかわりに、現地においてかわかすことはやっておりません。刈ったものは全部トラックで運んでよそでかわかしております。あるいはサイロに入れております。そういう方法で、あれだけ広いところにはえている牧草をそのままにしておくということは不合理なことでありますから、これはできるだけ安全な方法において利用できるようにすべきである、かように考えております。  函館の飛行場の問題については、こんなに私は大きな飛行場をつくるつもりはなかったのでありますが……。
  99. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 つくると書いてある。
  100. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) この点については、私は政策めいたものをやるというようなことは実は言った覚えはありません。新聞はどう書いたか……。
  101. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣が言ったんじゃなくて、運輸省がやると書いてある。
  102. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) それは事務当局から答弁させます。  それから、千歳のB滑走路とA滑走路との問題、誘導路の問題で二十億かかる——これは五十万円かければできるんじゃないかということですが、このくらいでできることならば、何も心配することはないと思いますが、相談したいと思います。  その他、第三次鉄道の輸送力増強に対する問題については、二兆九千億かかるというので、いよいよ来年度の予算にこれを提案すべく調査の必要を承認していただきましたから、これはやるのでありますが、これは二千億北海道にかかるか三千億かかるか、津軽海峡まで入れればこれは二千億くらいのものではできないと思います。もっとかかると思います。  それから外資導入の問題、これは資金の状況によっては外資導入するような場合があるかもしれない。けれども、決定したものではありません。そういう意味の考え方であります。  それから公共料金の問題ですが、これは非常に無理に公共料金を押えてきておりますから、これはバスの問題でも、あるいは鉄道運賃の問題でも、運賃料金据え置きにしておいて、給料やその他物価、あるいは油、また油の税金というようなものが高くなって、それで料金だけくぎづけにするということは、自由経済の合理的な問題ではないと私は思うのであります。でありますから、これは適当な時期が来れば、合理的な方法において、利用する国民も経営する側のほうもともに立つ線を見出して、合理的な線に直すべきであると、私はそう思っております。  あと足らざる点は、ひとつそれぞれの係から答弁させたいと思います。
  103. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣もきょうは忙しいと思いますから、いろいろ大臣だけの面を聞きましたが、あとあとは関係の省庁でまた伺いますが、いまの答えも、千歳の国際第二空港の要望というのは、私どもも伺っておりませんけれども運輸大臣が参られたときにそういう陳情があったということは、私はいま聞きました。私が先ほど聞いたのは、羽田のつまり代替空港としての第二国際空港ということではなくて、千歳の現在的な諸条件を考えてみると、つまり千歳にかわる千歳の代替飛行場ですね、たとえば気象条件がよくない、あるいは自衛隊の航空機が演習をいたしておりまして、共用とはいえども、小型のジェットですから、着陸する場合に優先であるかないかの議論の前に、いやおうなしにそうさせなければいかぬ。その場合に、上空で日本航空なりあるいは全日空の飛行機がかなり待機しなければならぬ。ないしは、気象条件が悪い場合には、東京まで引っ返さなければならぬ。やや小型のものでも、三沢に帰らなければいかぬ。こういう関係で、非常に経済的にも時間的にもロスが多い。幸い札幌飛行場——丘珠というのは、全く相反するいい意味の諸条件を具備しており、千歳の上空の天候が悪い、あるいは濃霧が激しいという場合には、丘珠のほうは奇妙に天候状態がよろしい、こういう条件がございますから、そういう場合には、東京に引っ返すとか、あるいは三沢に引っ返えす、そういうことなく、札幌飛行場で事足りるのじゃないか、国家的に経済的じゃないか、こういう意味で申し上げたので、国際第二空港として羽田の代替を千歳でやるべきだということを私は言っているわけではないのですから、それにかわる、それとは別に、千歳の諸条件を勘案して、それにかわるべきものを道内に持つべきだ、その場合は、何といたしましても、北海道の政治・経済・文化の中心地であり、しかも好条件を具備した丘珠、つまり札幌飛行場の拡張整備を行なうことが先決じゃないのか、こういう言い方を実はいたしたつもりでありますから、この点は御了承いただきまして、そのように努力を私はしていただきたいと思います。  それから、防衛庁と運輸省の関係の、つまり共用の問題でございますけれども、これは三十八年の一月三十日に、運輸省の航空局が一つの案として、札幌飛行場管理に関する協定というものを出した。これは具体的には、今日、昭和三十九年七月の十三日で運輸省の航空局長事務代理としての堀さんと防衛庁の経理局長の大村某と協定が成立いたしております。これはここに持っております。ですから、私ども願わくは、こういうりっぱな協定ができたのであるから、将来に向けて、いささかも運用、あるいはこの両省庁のややともするとなわ張り争い的なことを解消して、スムーズに、つまりこの飛行場が国民全体、ないしは防衛庁も使っておりますから、国の防衛上遺憾のないようにするようにという私は願いから言っているのです、これは。ただ、聞くところによりますと、将来に向けてこのGCA等々の機材を設置しなければならぬという内容も第六項目にうたわれておりますから、これらについては、大蔵官僚が何かすでに予算の裏づけを約束したような協定はけしからぬというようなことを言っているような模様もあるようでありますが、ぜひそういう省庁のセクト的なやり方というものは排除するように、幸い官僚上がりでない松浦大臣のことですからね、こういう点では十分この協定が生かされるように私はやっていただきたいということを実は考えているがゆえに申し上げたようなわけでございます。  それから、牧草の点が出ましたが、私は大臣と全く同じです。その考え方は。ですけれどもね、最後に大臣が言われたように、保安上、あるいはその飛行場の運用上、売買したものについては、あそこの中で乾燥するということじゃなくして、公共の施設——しかも安全性の保たれるところがたくさんあるのですよ、あそこら辺にはね。だから、そういうところに搬出をしてやったらどうか、こういう意味のことを申し上げたおけですから、この点も誤解のないように善処方を要望しておきたいと思います。  さらに、国鉄の第三次五カ年計画、つまり輸送力増強に関する事項でありますけれども、外資の導入も、確かに一つの大事業を行なっていく場合に必要な部面が出てくるでしょうから、従前も世界銀行から若干の借入金を行なっておりますから、けっこうですけれども、私は、基本的に、一体将来日本の運輸交通政策として、国鉄はどの位置に置くべきものであるか、それから航空事業というのはどう位置づけすべきものであろうか、路面交通事業というものは一体どうあるべきか、海運については一体どうあるべきかという大きなビジョンを当然政府は持つべきものだと思うのであります。で、そういう話はいつか私は機会を改めてやりますけれども、端的に国鉄だけ考えてみますと、大臣承知おきのように、今日国鉄というのはすでに三千億以上の借入金を持っているわけですね。いわば借金です。あわせてその他、いま申し上げた世銀の関係であるとか、あるいは日鉄債という債券を発行しておりますから、こういう点等を含めますと、すでに六千二百億くらいの借金をしょっていることになる。これの元利ですね、返済、幾らぐらいかかっておると思いますか、大臣。——二百八十億以上かかっている。さなきだに、政府が当然負担すべき公共負担等々も、これは学割をはじめとして、あるいは災害時における無料輸送とか、あるいは特殊的な資材、物資等々については割引運賃でやっている。こういうことが、これまた五百億に近い公共負担をしている。そういうものについていささかも検討あるいはその運用上にメスを入れずして、ただ単に、これから北海道の場合は、大臣指摘したように、トンネルは別でありますけれども、二千数百億かかるととは歴然としております、あの計画でいくと。そういうものについて外資を導入したらどうだとか、自己資金の運用はこれは当然ですが、それ以外、運賃改定を行なったり、料金改定をしたり等々するということは、これは根本的に問題があろうと思うのです。ですから、最終的に私の意見を申し上げますれば、一体国鉄というのは、何か今日的に問題になっておりまするように、公共性と企業性——これは私は公共事業だと思う。だとすれば、道路、あるいはいま問題にしておりました飛行場、港湾整備等と同等な扱いをしても私はいいのではないかと、ですから公共投資をすべきだと私は言いたいのでありますが、こういう議論をきょうは運輸大臣とやる気はありませんから、ここのところ、あとあと、そういう政策的なことについては、幾たびか私はこういう委員会を通して機会があろうと思いますから、申し上げますけれども、とにもかくにも、運賃を値上げをしていくとか、あるいは料金を改定をするということは、ややともすると全体の国民の経済にも直ちに影響してくることは間違いないと思うのです。そうじゃなくても、今日的に米価を大幅に——どういう御事情があったか知らぬが、改定いたしました。そういう点については、農民の生産費を償う米価になっておりますから、私どもは喜んでおりますけれども、これまた、ぼつらぼつら、聞くところによれば、消費者の米価にはね返ってくる危険さえなしとしない。こういう事情のときに、こういう問題が出たとすれば、明らかに洪水の場合に堤防が決壊するように、怒濤のごとく物価が上げられていく——さなきだに今日この経済事情にあえいでおりまする国民はどうなるか、こういうことを考えまするから、ぜひひとつ政府においても、あるいはいま基本問題懇談会等々でお話があろうと思いますから、こういう点についても十分検討されて、しかも慎重に調査、検討、研究を加えて私は対処すべきものではないかと、こう思っているわけであります。本来ならば大臣の答弁を求めたいわけですけれども、時間がありませんから、これは答弁必要といたしません。  ただ、千歳空港のB滑走路の補修に伴いまして、五十万程度なら、そんなものはやればいいんじゃないかとこう言っておりますから、五十万で済むとこう言っておる。これは監理部長間違いないでしょう。五十万円で済むという。ですから、そういう程度のものであるならば、大臣、民間の諸君の拠出を求めるなどということは、これは不見識もきわまると思う。予算出発当初なんですから、ですから当然これは、運輸省であるのか、あるいは建設省であるのか、それを所管しておりまする——北海道の場合は開発局でやっていると思うが、開発局の港湾部が責任を持ってこの補修工事を早めると同時に、そういうそれぞれの利用者の利便を阻害しないように私はこの際措置できると思うから、この委員会でお伺いをいたしているわけであります。こういう点で、大臣、ひとつ、これまた誤解のないようにしていただくと同時に、ぜひこの善処方を私は強く要望をいたしておきたいというふうに思います。  それから、次に海上保安関係でございますけれども、きのうの報告でもいたしておりましたように、北海道の海上保安に当たっております管区の本部の範囲というのは、大臣承知のように、非常に広範な地域を持っております。とりわけ北海道の場合は、北は樺太、オホーツク海のほうでございますけれども、それとあわせて根室海域、いずれもこれは特殊な環境に置かれていると思うのです。もう目の前にソビエト領がございますから。それだけに、非常に苦労も多いし、これは拿捕事件を含めまして、海難事故というのはかなりの高い率になっていますことは、大臣のみならず、政府関係当局が全部御承知おきのとおりだと思います。したがいまして、巡視船の配置はもとより、やはり航空機が私は必要だと思うのです。こういう点について、私は本州と比較することはどうかと思いまするけれども、一応比較をしてデータをとって見ましても、問題にならない数字です。これは海上保安庁長官もそこにおりますけれども、今日航空機と名のつくものは函館にあるだけでしょう。最も問題の多い釧路、根室のほうには何もない、こういう事情です。稚内のほうにはもとよりありません。私はしろうとでありますから、どどういうところにいつどういう個所にそういうものを置いたらいいかどうかということはおまかせいたしたといたしましても、やはり考え方としては、最重点的にこういうところに少なくとも一千トン級の巡視船を配置するとか、いま申し上げた航空機を配置するということにならなければならないのではないかと考えるので、こういう点についてひとつお聞かせを願いたい、こう思います。あとあとは、日米航空協定に関係がございますだけに、大臣にこの質問を終わったときに、あらためて私は伺いたいと思います。
  104. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 先ほどの千歳の飛行場の問題ですが、第二空港ではなくて、事故の場合に、三沢まで帰ってきた、その三沢でおりられずに東京に帰ってきたということがしばしばあるのですが、これを機会に、大体飛行場を整備することについては、気象その他立地条件等十分慎重に調査検討中であり、ぜひ御説のようにいたしたいと思っております。  それから、防衛庁との問題については、これはひとつ、いま係の人がみんな聞いておりますから、十分防衛庁と折衝した上で御返事をしたいと思っております。  それから、国鉄第三次計画内容についていろいろ御意見がありました。もっともであります。五百億以内の公共投資をするのは当然でありますが、返事は要らぬということでありますけれども、私どももそう思っておって、これは数年前からこのことを叫んでおりまして、結局それの具現されたものが国鉄建設公団ですか——最初は五千億ということでありましたが、いまの状況でいくと津軽海峡並びに四国の橋等六十五線の新線を完成すれば七千五百億ぐらいかかると思うのです。これは国鉄に売り戻すことになっているが、運輸大臣と大蔵大臣の協議に基づいて、これは必要の場合は無償にすることあるべしという文句がありますから、ある程度五百億以上のものは必ず公共投資の分に振り向けられるのではないか、こう思っておりますから、御要望には達しられると思います。  保安関係、これは私ども非常に同感に感ずるのです。この間、保安庁長官にこのことをいろいろ申しましたところが、長官のほうからも、これはどうしても飛行機がほしい、こう言っておられますから、何とかひとつこういうことの実現するように努力したい、かように思っております。あとは係のものからお答えいたさせます。
  105. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 長官がおりますから、それとあわせてお伺いいたしますが、御承知のように、例の野付水道の海図、古いですからね、あれは調査の関係できのうの報告で具体的な報告をしておりますから、これ以上申し上げませんが、これについてのあなたの考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  106. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) 大臣の御答弁を多少補足させていただきますと同時に、野付水道の測量計画のことについて申し上げたいと思います。  大型巡視船は、私どもも非常に必要だということで、北海道のほうにはできるだけ優先的に配置するというたてまえをとっておるのでございまして、現在、御承知のように、海上保安庁の最大の船は「宗谷」並びに一千トンクラスの「つがる」、それから四百五十トン級の「だいとう」、その他三百五十トンクラスを相当配備いたしまして、北海道及び千島付近の救難に対処したいと思っております。しかしながら、おっしゃるように、大型船を配備しなければ遠距離海難の救助に十分なる効果を発揮し得ないということから、「つがる」の代船建造を現在急いでおります。これは三十九年度、四十年度の二カ年間で代替建造が終わりまして、直ちにこれを北海道に配備するという計画でいるわけでございます。  それからなお、遠距離海難に対する特殊な哨戒対策といたしまして、私どもは前進哨戒、それからもう一つは医療援助哨戒、この二つを現在実施いたしております。これは、先生も御承知だと思いますが、非常に遠距離であるために、中間的な海域に「宗谷」並びに「つがる」を配備いたしまして、できるだけ釧路その他の基地から出港するということでないような配慮をいたしております。しかしながら、御指摘のように、遺憾ながら船の数が足りないということで、でき得ればもう一ぱいぐらい千トンクラスを増強したいというふうに考えております。それから、医療哨戒につきましては、「つがる」あるいは「宗谷」に現在医師を乗せまして、遠距離の操業中の漁船の病人、けが人等について、直ちに医師を連れてまいりまして、あるいは「宗谷」に移乗させて治療するというような方法をとっておりまして、これは相当の効果をあげて、現在喜ばれておりますが、本年だけでもうすでに二十一件に及ぶ実績を示している状況でございます。そういうふうな観点から、遠距離海難対策というものを先生のおっしゃったような趣旨で今後大いに強力に推進していきたい、かように考えている次第であります。  航空機につきましては、大臣からお話のございましたとおりでございまして、私ども、三十九年度にも、千歳の航空基地を新設するということと、ビーチクラフトの予算を要求いたしたのでありますが、遺憾ながら実現できなかったので、さらに四十年度にこれを強力に要求するということを、先般も大臣に御説明申し上げた次第であります。  それから、野付水道の測量については、実は私どものほうにも、本年の四月中旬ごろ、紋別並びに網走市両市から強い陳情が出ておりまして、私どものほうとしては、北海道沿岸海域全体の測量を現在、終戦後非常に急いでやっている状況でございます。これは西海岸から宗谷海峡を経て北見のほうを通る線、それからもう一つは南のほうの日高並びに十勝あるいは釧路のほうから東を進む線というふうに、すでに測量を実施したしておりまして、たまたま野付のほうがおそくなっているという状況でございます。しかしながら、陳情趣旨もございまして、先生の御指摘のとおりでありますので、本年度はすでにもう実施計画ができ上がりまして、現在北見沖を測量中でございますが、来年の測量を野付を繰り上げまして、来年度の測量計画の最初に、北海道の測量の最初に野付水道の測量を実施いたしたい。いまの調査によりますと、野付水道の測量については、大体現在の海図その他から検討いたしましたところ、野付水道の北部並びに南部は相当に水深が深く、三千トンあるいは五千トンクラスの船の航海に支障がないようであります。したがいまして、野付水道の中央部の主として浅瀬の多いところに重点的な測量を行なうべきではないかと考えております。なお、測量区域の決定につきましては、早急に地元の関係者の方々と相談の上で、その範囲について決定をいたしたい、かように考える次第であります。
  107. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それでけっこうでございますが、それからもう一つは、函館の港を基地としています大型の巡視船「宗谷」、いま北洋に出ていますから函館の港にはおりませんが、北洋の漁業事業が終了と同時に函館に帰港すると思います。その際に、やはり函館全体の港を使用する人々が特に要望しておりましたが、「宗谷」を係留する岸壁がないために、ブイで係留しております。非常に函館の港は、いま拡張計画その他整備計画をやっておりまして混雑している中に、「宗谷」はかなり大きいですからね、航行安全等を含めまして、やはりたいへん問題が多いということなので、できるだけ岸壁に係留できるようにということでございましたが、幸いいま函館港は、たしか雑貨バース等の埠頭がいま計画されて、工事も施行中であります。ですから、ぜひ現地の保安本部と函館市と十分打ち合わせまして、できるだけその計画に乗るように、私は、長官、指導してやることがよいのではないかというように感じてきましたので、この辺も現地と連絡調整をいたしまして、善処方を私は願っておきたいと思うのです。
  108. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) 早急に連絡いたしまして、善処いたしたいと思います。
  109. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 航空局、だれか来ていないかな、さきの答弁を。  協定関係についても、大臣からおおむねありましたけれども、われわれ国会の諸君は何も知らないのですが、あなたのほうの計画は、大々的に函館空港についてもこういうものが出ているので、それ以外協定の関係についても若干補足してもらいたい。それから千歳の問題についても、どういう計画で、いつごろやるのか。
  110. 大沢信一

    説明員(大沢信一君) 監理部長先ほどまでおりましたのですが、ちょっと中座いたしましたので、技術関係だけ先に大臣の御答弁に補足させていただきます。  女満別の管制塔が路面より低い、これは事実でございまして、あそこは滑走路が非常に高いところにございまして、ターミナルの位置が悪いということかもしれませんが、確かに低いので、全体が見通しができないのでございますが、飛行場があるところが全部管制塔を置いて管制をするということになっておりません。いわゆる管制官を配置しておるところと通信官を配置しておるところと両方ございまして、この区別は発着回数で区別をしておりまして、ある基準以上になりましたところは、いわゆるわれわれのことばでタワーと申しておりますが、管制官を配置して管制いたします。それ以下のところは、事実上は管制を行なわない。ただ、結局やっているとすれば、東久留米にございます管制本部で管制をやって、それを中継しております。いわゆる通信所でございます。コミュニケーターと申しますラジオがございますので、これを見る必要がない、いわゆるタワーをつくる必要がないというので、初めから高いところにつくってないわけでございまして、これは女満別だけじゃございません。秋田、神町、種カ島、みな同じでございます。それから釧路のことでございますが、大臣がちょっとお触れになりましたが、これは数年来の問題になっております。確かに運航率が非常に悪いのでございますが、いかにすればそれを上げられるか。結局ただいま考えられますことは、一番簡単なのは、防衛庁さたりが持っておりますGCA、もう少し程度を上げて申せば、羽田にあったような航空レーダーILSというようなものも現在考えられるのでございますが、これらとて限度がございます。運航指定が幾ら以内、これを限度をこしますと、こういうものでもおりられません。したがって、現在気象庁のほうで詳細な資料をとっておりまして、はたしてこういうものを使えば発着数がふえるのかどうか。これをかりにつけた場合に精密進入が行なえるということになりますと、それらを兼ねてこういうものを設置することになりますが、もう一つ困りますことは、精密進入を行ないます場合には、進入表面の傾斜を五十分の一でとらなければいけない、障害物を相当低目に撤去しなければいけないという問題と、滑走路をもう一つ取り囲んでおります着陸帯というのがありますが着陸帯の幅を三百メーターとらなければいけない。そういう面で、相当広大な地域を、あそこは台地になっておりますので、はたしてうまくとれるかどうか。むしろ、大臣さっきちょっとおっしゃいましたような、全然ほかの場所を考え直したほうがいいかという問題がございまして、目下検討中でございます。  千歳のビーコンのお話は、昨日先生からお話を伺いまして、私もびっくりいたしまして、私もさっそく帰りまして調べましたのでございますが、本局では承知しておりませんでした。さっそく現地に照会いたしましたところが、大体事情はわかったのでございますが、防衛庁が八月一日から古い滑走路のオーバーレイを二、三カ月かかってやるという予定を初め知らなかったわけでございます。それで、私のほうは私のほう独自の計画で去年から続いております誘導路の取り付け部分——誘導路が三本ございますが、こういうものの工事の計画を進めておりましたところが、八月一日から古い滑走路を誘導路として使えなくなるということを聞きまして、それでは、先ほど先生御指摘のように、ずいぶん遠方を迂遠して回らなければいけなくなるのじゃないか、何とかとりあえず使う方法はなかろうかということで、一番端の誘導路が、これはランアップエプロンを兼ねまして幅が広いのでございますが、そのうち二十三メートルだけ、つまり飛行機が通れる部分だけ至急仕上げてしまおう。それにしても八月十日まではかかるので、防衛庁の工事を八月十日開始に延ばしていただいたようでございます。したがって、あとわれわれの希望から申しますと、正式に工事が終わって受け取らない前にもし使用いたしまして、事故でも起こしますと、いろいろ問題がございまして、好ましくないのでございますが、いわゆる飛行機会社の不便を考えますと、そうも言っておられませんので、こういうふうにしてやりたいと考えますが、その際依然として誘導路のほうの工事あるいは照明工事等が残っておりまして、それらを、いわゆる工事関係者と飛行機との衝突が起こらないように、先ほどもおっしゃいましたように、五十万ばかりお金が要るということも事実のようで、これもまたエアラインが負担したらというようなことも現地の所長がサジェストしたような様子でございます。ただわれわれとしては、先ほどの大臣お話のように、このくらいのことは当然われわれとして考えるべきだということで、現在北海道開発局と折衝中でございますので、御迷惑をかけることはないと思います。
  111. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それとあわせて、札幌の丘珠にできたビーコン、これは去年かなり委員会でも、道内のローカル航空のセンター的な役割りを果たすから、せめて道内の空港の主要空港は管制飛行のできるようにということから、管制センターを設けると同時に、ビーコンを新設したと思うのです。たしか私の記憶では四月早々に完成したと思うが、いまだに告示されていないのです。いまだに告示されてないということは、結果的には使用できないということになるわけでしょう。かなり多額の国費を投じて、そのやはり効果といいますか、効率を高めるということについては、私はそれぞれの役人がもう少し真剣になってもらいたいと思う。なぜ一体これは告示になっていないのか、どういう理由で。私はもういまあなた方から理由を聞こうと思いませんか、できるだけすみやかに告示されて、完全に使えるように、このことを要望しておきたいと思います。答弁は必要ございますせんが、あなた方が調べればすぐわかることですから。そこで、最近問題になっております、大臣もよく御承知と思いますが、日米航空協定の問題です。われわれ一国民としてながめてみますれば、非常に日本の政府というのは弱腰ではないか、こういう感じがするのです。と申し上げますことは、新聞紙上で明らかになっておりますように、六月の二十二日から、米国政府と日本政府が航空協定改定についての交渉を行なっていることを報道で知っております。日本から航空局の栃内局長も出席いたしておりますように聞いておりますが、現在の協定では、アメリカのパン・アメリカンあるいはノースウエストが日本に来まして、日本の首都たる東京以南全部、これは香港のほうまで飛びますし、あるいは台北、マニラ等々に中継して飛びますね。こういう協定で日本の飛行機だけは、アメリカに飛んで行って、ニューヨークさえまだとやかくの問題があるなどというのは、一体、講和条約を結んだときの当時から考えて、あのときの条約にもございますけれども、平等に扱われているかどうかという問題について、ひとつ私は疑問を持つのです。しかも、いま池田さんは、毎回、日本は大国になりましたなどということで、地方でずいぶん演説なども、私も直接聞いておりますが、それこそ講和条約を結んだあとあと、日本が大国になり、しかも、アジアでもその指導的な役割りを果たしているとするならば、アメリカを中心とする、諸外国の主要なる国の航空協定を見てごらんなさい、こんな不平等な協定を結ばれているのは一つもないのです。ですから私どもは、冒頭に申し上げたように、日本の当面の当事者といえばこれは運輸省だと思うし、あるいは外交の面も含まれてきますから外務省だと思いますけれども、何か腰が抜けたような感じがしてたまらないのですね。こういう点、所管事項でありますから、運輸大臣はどうお考えになっているのか、こういう点、ちょっとその交渉の経過を明らかにしていいものかどうかわかりませんが、この委員会で明らかにできる範囲内でお聞かせ願いたいと思う。
  112. 堀武夫

    説明員(堀武夫君) 大臣がお答えになる前に、簡単に交渉の経緯をお話し申し上げます。六月二十二日から日米航空協定の交渉が始まっておりますが、最初の二日間にわたって、まず、日本側の要望をすることは何であるかということを、詳細にわたって日本側代表から説明をいたしております。その後、その裏づけとなる数字的な資料、実際の旅客の動きはどうなっているか、将来の旅客需要の予想をどうしているかというようなことについて、向こうが説明を求めております。これに対して、非常にこまかい数字的な検討になりますので、ワーキング・グールプを別途つくりまして、これが六回にわたってこれをやっております。その後、その結果をもう一つ正式会談に、第三回の会談に持ち上げて、若干の応酬をいたしております。これが七月七日でございまして、その後ずっと会談は事実上中断といいますか、休んでおります。  これはなぜかと申しますと、この三週間ばかりあきができたのは、アメリカ政府内部の意見が、いろいろ意見があって統一されない、そのためにこちらが何べん会談を申し込んでも、向こう側から待ってくれということで、三週間ばかりブランクができた次第であります。これが二十九日になりまして、ようやく向こうが、アメリカ側の対案を初めて示すという段階になりまして、第四回の会談でこの対案を示したわけであります。この対案につきましては、日米双方の代表が、これは外交交渉のことでもあるし、外部には発表しない、お互いに発表しないということを申し合わせておりますので、ここで申し上げられないのは、まことに残念でございます。いろいろ新聞報道で外電、その他いろいろ入って、推測記事がございますが、あのような空気のものであるというふうに御理解いただく程度にとどめていただきたいと思う次第でございます。  経過はそのようなことでございます。
  113. 天坊裕彦

    ○天坊裕彦君 関連。この問題につきまして、おそらく吉田委員大臣の御決意を聞きたいというところが趣旨だろうと思うので、この問題につきましての考え方は、吉田君が言われるように、全く同感でありまして、元来あの条約、協定そのものが非常な不平等契約で、相互平等という立場でできていると思いません。おそらく占領治下の日本のあまり自由な立場でないかっこうで押しつけられたものではないかというふうに思うわけであります。そういう意味でわれわれ機会あるごとに、いろいろ当局を激励して、不平等の協定を平等なものにひとつ直してもらいたいということを再々申し上げておったわけでありますが、ちょうどその機会が来て、今日問題が提起されているわけであります。しかも、依然として交渉は難航のようでありますが、私どもとしては、この機会にぜひ日本の要求は通るように、ひとつ大臣が十分慎重に、相手のあることでございますから、なかなかむずかしいではございましょうけれども、ひとつ断固たる決意をもって臨んでいただきたい。そういう意味でいい機会でありますから、この委員会を通じて大臣の決意を明らかにしていただきたいと思います。
  114. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 日米航空協定の問題に対しましては、皆さまの憂国の至情あふるる御質問に対しまして、私も全く同感であります。私は、就任の翌日からこの問題に取っ組んだのでありますが、八条国移行、開放経済ということは、それは池田・ケネディ会談によるときから端を発しておりますから、アメリカにも責任はないわけではない。そういうことをやらしておきながら、足かせ手かせで、日本が経済活動できないようなことをアメリカがやるということは、これは国際的な道徳からいっても許されないことであります。のみならず、今度の問題にいたしましても、アメリカが日本の国内における航空路の問題については、占領政治中に自分かってに行なった。そして日本が今度航空会社をつくって国際航空に乗り出したのはつい最近のことであります。ようやく話をつけて西海岸だけ乗り入れることが許された。それで今度、当時の話を聞くと、東海岸や何かに乗り入れるだけの力がないじゃないかというような侮べつされたようなことを——もっとも力もなかったものでありますから、やむを得なかった。今度力がついて、世界一周が十分できるという確信のもとにこれが始まったのであります。いま堀官房長が申しましたように、相互間に、この話し合いの内容は発表せぬことにしようじゃないかということが前提においてあります。どこでどういうように知れたのかわかりませんが、新聞に出ているのが、大体われわれがキャッチしているのとあまり違わない。まあ新聞社というものはどこで聞いてくるのかわかりませんけれども、大体ワシントンから漏れてきておると言っております。もしああであるとするならば、われわれは既得権を放棄までするということは断じて許されない。のみならず、既得権を放棄して、そうしてニューヨークまでかろうじて許してもらえるというような程度の、全く哀願するというような外交じゃ私は耐えられないのです。そこで、外務大臣とも相談して、私は就任の次の日にライシャワー大使に会いまして、自分の思う存分のことを言いました。東北、北海道……鈍重なものです。しかも私は北海道開拓農民のせがれだから、食いついたら放さぬからそのつもりでやってくれと私は言ったのです。そのつもりで私は実際やっております。  この間第一回の電報がまいりましたときに、いままでは内容を検討しておって、ほんとうに交渉にかかったのはここ一週間前後の問題、第一回におきましたときには、従来の方針でどこまでも貫徹するということの訓令を発しました。ところが、また非常な行き詰まったような電報が来たものですから、きのうは、閣議の終わった直後において、外務大臣と総理大臣と私と官房長、それから航空監理部長、外務省の参事官という方々と官房長官と七人でいろいろ相談いたしまして、相談いたした結果、内容は全部言うことはできませんが、結論だけ申し上げますならば、向こうがいろいろの尽くすだけの手を尽しても、現在の回答よりも大幅に譲歩するという見通しがつかなければ、交渉を打ち切って、そうして協定を破棄することもあるということを向こうに伝達するという訓令を発したのであります。そして帰ってまいりましたら、きのうは衆議院で委員会がありまして、こちらのほうもたいへん待っていただいたようでありますが、そこまでの決意をするためには相当長い協議をいたしましたので、皆さんに非常に御迷惑をかけましたが、衆議院のほうだけには出席をいたしまして、そのことを伝えたのでございます。  では、破棄したならば一体どうなるかということであります。破棄しても、従来どおり一カ年はやっていけるのであります。その一カ年間に話がまとまらなければ、それは行政認可事項によってやっていくことができるのであります。ところが、破棄したらどっちが得かといえば、もちろん向こうのほうが——太平洋から飛んできた飛行機は、東京を中心にしなければどこへ行くこともできない。そうして現在は向こうのほうが非常な大きな利益なんです。それでありますから、破棄されたら向こうのほうが痛い。でありますから、私は、話は破棄したほうが早くつくのじゃないかという考え方を持っておりますが、しかし、外務省のほうの側から見れば、日米の外交というものは、百般にわたって微妙なものなんです。そういう手荒いことをすることによって日本に不利な、つまり報復的なことが起こるのではないかということは、外務省のほうは考えられないわけではないのです。しかしながら、事ここまできた以上は、その道をとる以外には道はない。けれども、これはわれわれほど、破棄という問題について外務省は積極的ではありません。しかし、きのうはその訓令を向こうにやることに了承されましたから、今後同一歩調でいくのでございますが、そこで、今後それならばアメリカのほうがどういうわけでそんなにこだわるかよくわからないのですが、いろいろと複雑な国内事情があるためのようです。したがって、そういった事情が解消されるまでここしばらくは、むしろ手荒いことをしないならば、このままきっかけをつけて交渉を延期——ある期間、二カ月とか三カ月とかを切って延期して出直すという手もあるのではないかということであります。けれども、それよりも、どうせやるならば、私は、破棄したほうが、向こうが痛いから、早くもう一ペん交渉しようじゃないかということを言われるし、大統領選挙の直後には、経済閣僚懇談会というものが今度はアメリカで開かれる、こっちで行かなければならない番でありますから、ひざ詰め談判をしてまでも、私の責任でありますから、これはやってこなければならないというふうに考えておりますので、どうかひとつ、そういう決意を持ってかかりますから、二階にのぼってはしごを取らないように、腰をだいて、挙国一致解決できるようにお願いいたします。
  115. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 航空協定について非常に力強い大臣の決意が表明されましたから、われわれも当委員会の委員の一人として責任があろうと思うから、ただ単に傍観するのでなく、できるだけ積極的にそれからの大臣中心とした作業に協力しなければならぬと考えております。せいぜいがんばっていただきたいということを申し添えまして、この件については、いろいろ経済性の問題であるとか利用度合いの問題であるとか、あるいは日本とアメリカとの客貨の比率の問題等々がございますが、きょうはこういうことは、決意が明らかになりましたから省略いたしまして、この質問は終わりたいと思います。  最後に、公取の関係来ておりますか。——この関係で若干お伺いをいたしておきたい点があります。  その前に大臣にだけひとつ伺いますが、港湾運送事業法という法律がございます。そこでいろいろ定義であるとか、あるいは法律論の問題等、解釈等について資料として出てきておりますけれども、大別して、事業を五つほどに分けまして港湾事業を認可をするというような内容の法律だと私どもは理解しております。そこで、具体的に一つ例を申し上げますけれども、本年のたしか二月ごろに起きた問題ではないかと考えます。それが表面具体化したのは三月ごろだと考えておりますけれども、小樽に海陸運輸という沿岸荷役事業、はしけ事業、船内荷役事業をやっております会社がございます。この会社の株取得の問題でいろいろ問題があったことを、私ども新聞紙上で、その取得の問題をめぐりまして、独禁法に違反するのではないかという関係の問題が取りざたされまして、大臣承知置きかとも存じますが、このように新聞に出ました。これまた新聞の報道ですから、このまま受け取っていいかどうか別として、かなりこれはどうも私どもしろうとが見ても、独禁法に触れるような気配があったわけです。ですから、独禁法の問題は公取との関係に基づいておりますから、大臣のほうの担当ではありませんから、それでその見解はあらためてお伺いいたしますから、それはさておいて、この港湾事業法に基づいて、あるAという事業団体に対して、たとえば第三条の五号にございます、いかだ運送事業として免許した、こういう場合に、他の事業のたとえば、第三号の、はしけ運送事業をやっておるBというところの事業の株をたくさん取得したからといって、事業が表面には出ないけれども、実質的には株の取得を四〇%、五〇%ないしは六〇%取得すれば、大臣承知置きのように、商法に基づいて株主総会を開いて、それぞれの役職員がきまっていくわけです。実質的には株を多く取得した者が会社の経営権を握るということになろうかと思うのです。これは一般社会の通念ですよ。したがいまして、そういうことが運送事業法との関係で、運輸大臣として、運輸省がそういうことを漫然として認めていくものかどうかというその考え方について、大臣からひとつ伺っておきたいと思います。それだけでけっこうです、大臣からは。
  116. 比田正

    説明員比田正君) 港湾局長から先に一言だけ申し上げます。  ただいまの件でございますが、私どもは、この会社の資本系統と営業とは一応別にして考えております。従来ここで、ただいま御指摘がございませんでしたが、三つの会社が問題になっております。一つの会社が元請をいたしましてそれを下請に出すという制度は、これは認められております。一種の免許をとっておりまして、一貫作業ができれば他の会社に下請ができる。それでBという会社とCという会社がこれは下請をやるということにこの問題はなっておるわけでありますが、そこで、いろいろBとCに下請させる比率にも問題がございます。また、もとのほうのAの会社とも問題がございますので、昭和三十四年の九月に、この三つの会社が協定書を取りかわしております。これはお手元にもあると思いますが、この三つの会社の協定書によりますと、Aの会社が元請いたしました船内、はしけの荷物をB、Cの会社において下請をしてもらう、しかしながら、BとCとの下請をする比率は、従来やってきた比率があるから、それに大体見合ったものでお互いに相談してやる、そういう大体一口に言うと内容でございます。したがって、この三社の会社の協定があります以上、運輸省といたしましては、三社の間に、荷物の取り扱いにつきまして話し合いが十分できているというふうに解釈いたしまして、あとの問題は、内部のいろいろ株のパーセンテージというような問題になりますので、それは別途に切り離しまして、私どもは、港湾運送事業がうまくいきまして、この小樽の港で荷役が滞らなければ、それ以上に関与することは従来差し控えてまいったわけでございます。ところが、いろいろとこの株の問題をめぐりまして、Aの会社とBの会社の一部の方から公取のほうに、独禁法違反の疑いで提訴されたと聞いております。  内容につきましては、これは私どもの所管外でございまして、事の秘密もございますので、これは公取のほうからお答えをいただきたいと思います。  その間、公取さんのほうからは、運輸省現地局長に、所要の部分だけについて、こういうことはどうなっているかという御照会がありまして、それにはお答えをいたして今日に至っているわけでございます。  一応そういう状態でございます。
  117. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 まあ大臣就任早々で、この問題深く掘り下げていないと思いますから、あまり深い御質問はしない。ただ考え方として、この運送事業法の、それぞれ業種別に認可するというわけです。ですからして、業種別に、つまり事業ないしは企業というものは、一つ事業責任者によって経営がなされる、こういうことです。ですから大臣大臣がはしけのほうをやる、私が船内荷役の会社をやるとする。大臣のほうは資力がありますから、私のほうの株主個人を締めつけてあなたが株を取得した。そうすると、今度はあなたは、はしけ荷役だけではなくて、船内荷役も実質的にはやると、こういうことなんですね。問題は、これは非常に最近、中小企業にそういう何といいますか、会社乗っ取り的な株の取得がえてして、全国的に多く発生しましたね。そういうことが原因して、非常に中小企業の倒産が目立ってきた。これは全部が全部そうではございませんけれども、かなりなパーセンテージを占めることになってきている。今度の場合も、全くこれに類似するのですね。  この際、大臣速記を消してくれというような問題がございましたが、ぼくはこれは速記に載っけていいと思いますけれども、あえてきょうは言いません。何々会社がどういう関係の問題を起こしているとは申し上げませんが、日本の少なくともこの運送事業の今日的な段階では、独占企業といわれる全国的な規模で強大な、政府から間接的に援助を受ける企業が、つまり地方において営々として今日戦後お互いに企業努力をされてきて、ようやくどうやらこうやら企業性がついてくる段階で、いま申し上げたようないかがわしい行為があったかどうかは別として、目に見えない角度で株を取得して、さて、株主総会でかくかくしかじか、重役の配置がえをやる、経営権を握る、こういう事柄に対して、この法律の根本的な業種別に認可をしていくということにしていいのかどうか、このことを大臣から聞いておけば私はいいのです。これをひとつお聞かせ願いたいのです。公取はあとで聞きますから。
  118. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) まあ行政指導はできますけれども、裏から株を買い取るということを防ぐことはちょっと困難だと思いますが、その結果、全く独占的なものが形態にあらわれれば、公取委員会のほうで直ちに阻止することができますが、まだ潜伏時代はどうにもならぬのじゃないかと思いますが、指導は行政的にしたいと思います。
  119. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 大臣のお答えのとおり出てこない問題だと思うのです。幸い表面に出てきた場合に行政的に指導する、こういうことですから、ぜひ私はこれを指導してもらいたい。具体的にこれから公取委に対して質問をしますから、まあ大臣聞いていようといまいと、お忙しければ帰ってけっこうです、あなたに対してはやめますから。  本年の二月の五日に、公取委の委員長である渡辺喜久造殿ということで、この問題に関係いたす提訴が起きていると思うのです。で、その内容は、私はここに持っておりますから、こまかく言いますとこれはずいぶんかかりますが、問題になっておりますのはAとBとCであります。そのCが昭和三十四年の九月十八日に三社の、ただいま港湾局長が申されたような協定書をかわしております、この協定書をたてにとったかとらないかは別として、当時は、いま運輸大臣が答弁されたように、表面に出ないわけですから何ともできない、商取引ですから、こういうことですから表面に出なかった。しかし、今年の二月以降三月にその点が顕著にあらわれましたが、これは新聞紙上ですからちょっと読み上げてみますると、Cなるものが個人名義ということで、その株の取得を四六%持つに至り、これが原因となって企業経営責任者、経営の方向が改められることになり、地元港湾労働者との競合等々の問題が非常に大きくなって成り行きが注目されているという見出しで大々的に出まして、その結果、先ほど言った二月の五日に、渡辺委員長あてに独禁法違反の疑いじゃないかということで、この問題を提起している事実があります。あとあとそれぞれの事業が海上運送事業に進出するとかしないとかいう問題は、これは運輸省の関係になりまして、港湾運送事業法に関係してきますから、私どもその関係でやりますが、まず、この提訴されて今日かなり日数が経過しておりますから、きわめてこれは秘扱い的な事項もあろうかと思うのですが、その面だけは私は引き出そうとは思いませんから、他意ありませんから、ざっくばらんにここでお答えできる範疇のものは、考え方として公取委員会が公正に扱うべきものですから、公正な立場でお答えをお願いしておきたいというふうに思います。  その前に港湾局長一つ申し上げますが、いろいろ事業法にはそれぞれ規制したものがございます。それから省令もありますし、細則もございます。そういうものをずっとながめて一貫する思想と申しますか、そういう精神から申しますれば、それぞれ事業法に定められて認可を受けた事業体というものは、それぞれある程度の基準がきめられて、つまり料金、歩合金というものが定められるようなかっこうになっていると私は理解しています。ところが、奇妙にA、B、Cの業者間協定といいますか、協定書を見まして驚きましたが、たとえば輸入食糧、米、麦の場合、船内荷役の歩合金八%、それからはしけの場合は五%、沿岸荷役の場合は一〇%、それから今日非常に日本の貿易に大きなウエートを持たれている、肥料関係で驚いているのですが、船内荷役が一五%の歩合金、はしけが八%、それから沿岸荷役が輸入食糧と同じく一〇%、こうなっています。その他の雑貨貨物等については、船内荷役が一〇%、はしけ関係は八%沿岸荷役同じく一〇%の歩合金、こうなっている。これは港湾局長、全く私しろうとですからあなたに聞くのですがね、この法律に基づいて指導要綱なりあるいは省令なり、その他定めておって、いまも運輸大臣は、そういう関係が表面に出た場合に具体的に行政指導する、こうお答えになりましたが、このことは、特定の会社が一五%の歩合金で利益を上げていくということに対して、いささかも私はそねんだりねたんだりして言っているのではない。非常に日本の国の経済に大きな影響をもたらすものであるし、一面においては、日本の農業つまりこの事業に対しても肥料等々の場合には大きな影響をもたらすものです。そういうものに対して、一五%の歩合金を定めて業者が協定をしているなどということは、私は、やはり物価その他経済等々のことを考えまして、強く行政指導してしかるべきではないか、こういうことを放任しておくところにまずこれらの問題があるような気がしてならないので、この見解をひとつ港湾局長からお聞かせ題いたい。
  120. 比田正

    説明員比田正君) ただいまの下請にいたしますときの元請の歩合の問題でございますが、これは港湾荷役の作業形態が、先ほども御指摘ございましたように、一種、二種、三種、四種、五種というのがございます。船は定期的に入ってくるものもございますが、非常に不定期に入ってくる場合もあります。また、天候の関係その他の関係がございまして、船の荷役にかなり無理があるわけであります。そうしますと、元来申せば、一貫、元請して全部船内から沿岸までやれば一番理想的なんでございますけれども、労力も不足しておりますし、下請制度というのは現在正式に認めております。したがいまして、用のあるときにはお互いに助け合うという意味合いで下請を非常にいい意味で活用して現在までまいっておるわけであります。その元請を下請に落とします場合に、ただいま御指摘がありましたように、物によりまして、両方の話し合いにもよると思いますけれども、それぞれ八%とか一五%というものを、元請のほうはいろいろ準備もいたします、また管理もいたします、また場合によっては総合的な監督もいたさなければならぬということがございますので、元請が取りまして、あとの八五%を下請がやるというような仕組みに現実になっております。このよしあしにつきましては非常に問題がございます。根本的問題でございます。ただこれは、今明日直ちにいま改正をするというような、短期で解決する問題でございません。三月の三日に出ました港湾労働等対策審議会の答申にも、このことが書かれております。したがいまして、私どもが下請というものをいかなる範疇において、いかなるまた歩合とかそういった細目において今後やっていくか、あるいは全部一貫、元請にしてしまうかということについては、ただいま検討いたしております。ただ全部を下請にすることは、いま直ちに行なうことは至難のわざと考えられますが、できれば下請になるべくしないようにという考えをいたしております。この港湾労働等対策審議会の答申でも指摘されておりますように、下請業者に出すような場合もございますから、料金の立て方の中に、管理費と実際の作業費を分けておく。本社経費と現場の経費というものと同じようでございますが、二つに二分しておいて管理費というものはきめておけ、そうすればどんな下請にかりに落とすときでも問題はないじゃないか、こういうようなことも指摘されております。ただいま御指摘になりました元請の取ります歩合が違っておりますのは、作業の内容、また仕事の受け方の内容によって違っているわけでございますが、その程度のものは現在どこでもそういうふうにいたさしております。根本的にこれがいいと決して申しません。何らかこれは前進的な考えで改良をしていきたいというふうに考えておりますが、ただいまの現況はさようになっているわけでございます。
  121. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 この問題をめぐりまして、将来の問題として、いまお認めのように、たくさんの問題をかかえています。私が逐条にお尋ねしようと思いましたら、港湾局長はもう先手を打って、べらべら答弁をしましたから問題のあることだけは十分承知置きのようですから、こういう点についてはすみやかにその問題点を精査をして、解明をして、万遺憾なきを期していただきたい、このことだけを強く要望をひとつしておきます。  それからもう一つでございますけれども、この新聞でうかがうところによりますれば、いま言ったような事柄等々がございまして、関係者はもとより小樽の海陸の経営関係の人々、それにまじわって働いておりまする人々は、将来たいへんこれは大きな問題だ。その問題だというのは、新聞では、大資本が中小企業を圧迫することになるということで、かぎカッコして新聞に出まして、非常に問題が大きく発展をして、おそらくやこのまま放置してはいけないということで、運輸大臣が申されたように、海運局では行政指導をするという立場で、現地の北海道の海運局長の勧告で、どうやら休戦状態になっている。しかし、このような経過等々があるので、やがてとの解決についてはかなりの時間がかかりそうだという新聞になっておりますが、そのあっせん——あっせんといいますか、海運局長が勧告したという内容のものは一体どういうものですか、お聞かせ願いたいと思います。
  122. 比田正

    説明員比田正君) この問題につきましては、当時海運局長も中央に出てきまして、いろいろ事情報告しております。また、われわれの意見も聞いておりますので、私どもが申しましたのは、先ほども大臣が申されましたように、会社の内部の問題、特に資本金等をめぐります問題、人事問題等、そのものずばりについてはあまり干渉しないほうがよろしい。しかし、そういうことが起きた場合に、荷役作業がストップしたとかいうような問題が起きれば、これは干渉せざるを得ないけれども、でき得べくんば人事問題、資本問題については、一応状況を見ておりなさい。ただし、そういうことがあったためにこの三つの会社の間に非常にあつれきが生じて、荷物の配分がうまくいかない、小樽の大事な荷役作業が遅滞したり、停止したりするようなことがある場合には、もう一ぺん言ってこい、そのときにはいろいろまた立ち入ったことをしなくちやならないのじゃないか、しかし、最初はそうしてはいかぬ、こういうふうに私は申しました。現地の海運局長も、さような趣旨は全く賛成であると申しまして帰りまして、会社の内部事情にはあまり立ち入らなかったと私は聞いております。ただ、いろいろ問題がございますので、あのときには話し合いの場に非公式に来ていてくれということはあったかもしれませんが、こまかい内部問題に対しては、海運局長意見というものは出していないと私は聞いたおります。問題のほうは、まあきょうは公取さんもお見えになっておりますが、そのほうにいろいろ論争があるようでございましたが、ことしの春以来、一応いまの新聞の記事のように、おさまったように見ております。したがいまして、私のほうの港湾の荷役そのものは一つも遅滞いたしておりませんので、その面の監督をいたしております立場からは、ただいま会社の内部はどういうふうに動くかということを見守っているという状態でございます。
  123. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 局長ね、いまあんたがお答えになったような大体の筋道のようだけれどもね、ただ、この段階で見守っているんだったら私は役人なんて要らないと思う。端的なことばを言いますよ。運輸大臣も言っておりまするように、明らかに表面に出たわけですから、より積極的に監督官庁の立場であなた方は行政指導しなきゃ私はいかぬと思う。にもかかわらず、一つのある作業実態がおさまったからあとは見守っているのだという、そういうなまぬるい私は考え方自体に問題があると思うのです。港湾局長、十分私はそれはそれとして、公取との関係もあるけれども、すでにもうそういう実態が表面に出たわけですから、将来こういう問題がないようにするためにはどうするかということを、あなた方は具体的な成案を立ててその方向に私は指導すべきだと思う。
  124. 比田正

    説明員比田正君) ある意味におきましては、先生のような御意見も確かにあると思いますけれども私企業であります会社、これは事業免許を受けておりますけれども、これは港湾事業免許でありまして、会社そのものの内容に対しましては、私どもは、ただいまのような状態である限り、これを運輸省あるいは運輸大臣の名において、人事はどうせい、資本金はどうせいという段階ではないと判定しております。したがいまして、ことばが悪かったですが、見守ったということばを申し上げてこれがいけないというならば訂正いたしますけれども、私どもは決して無関心ではおりません。ただ会社の内容自体に立ち入って社長をだれにせい、資本金はどうせいということまで運輸省としては干渉いたしかねると思います。
  125. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 私、あなたとここで少し議論しようと思う。そういうものの言い方になれば、私も多少これについて実態をつかんでいますし、地元だけに内容を全部知っておりますから、多少議論をしようと思う。一体今日の独禁法というものは何のためにできておりますか、まずこれを聞きたい。港湾局長、一問一答やりますから。
  126. 比田正

    説明員比田正君) 独禁法につきましては、独占を禁止するという法律でございまして、ただいまの——しかし、この問題で独禁法に関係があるかどうかということは別でございます。
  127. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それは別だ。それは君の範疇じゃないから。
  128. 比田正

    説明員比田正君) 独禁法は、いま申し上げたとおり、事業の独占を禁止していることでございます。
  129. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 まさにそのとおりだ。そこで、AとBとCとあって、Cがまさに日本の独占企業だと称される、名実ともにそうですよ。そういうものが、弱小であるAとBに対して表面、名義上は別として、実情が表面にこのとおり出てきている、このときに一体君たちは、独禁法に関係がこれは別であるからということで、事業免許しただけであって、会社の社長にだれをするとか、企業についてどうこうするということは別だけれども、そういうことを一体港湾局長として、少なくともこれは免許事業ですよ、免許をした立場からそういうことが許されるかどうか。
  130. 比田正

    説明員比田正君) 大企業お話を、実は先ほど、いまの一問一答に入る前に私からお話しいたしておきましたらよかったのですが、ちょっとおくればせですが追加させていただきます。  名前は申し上げません。いずれの業界でもそうでございましょうが、特に港湾運送業界というのは非常に中小企業の集まりでございます。したがいまして、そこに特大の大企業が出てまいりまして——事実一部に出ておりますが、それが過度に出てまいりますときには、従来の中小業者はその従来の持ち場を失うというおそれは多分にあるわけでございます。この点につきましては、私どもは従来から心配いたしておりました。したがいまして、そういうような行政指導と申しますか、そういうふうにうまくいくような申し合いはある程度いたしておりますし、また、当事者同士もそれをいたしております。大企業のほうと中小企業のほうとが、たとえばその業界なら業界という名におきまして、いろいろ紳士協定的なものも話し合いの結果結ばれているわけでございます。その方向についてこれはどうだということを双方からお話がありましたときに、それはたいへんけっこうじゃないか、大いにそういう協定を結んで、これ以上大企業が進出するようなことであっては困るということは、私も同感でございます。これがいまの話と結びつくかどうかという点の境目は、私と先生といささか受け取り方が違うのじゃないかと思うのです。先生のほうは、大企業が進出しては困るとおっしゃる、それが現に進出しているのじゃないか、こうおっしゃるのだろうと思いますが、私どもは、まだそこまでいっていないと見ましたから、注意深くしばらく様子を見ておりますと、こう申し上げているわけであります。
  131. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それならある程度理解できます。しかし前段では、そうでないと言うからぼくはあえて一問一答で議論してみようといま言ったのです。
  132. 比田正

    説明員比田正君) 説明が落ちました……。
  133. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 だから、いま株式の取得がどんな形でなされようと、その四〇%では君の言う心配ごとがどうなるのか、あるいは五〇%でどうなるのか、六〇%でどうなるのか、こういうぼくは事柄ではないと思うのです、この種この問題に限っては。しかも、ある程度パーセンテージでいっても、これは新聞ですからわかりませんけれども、四六%陰で取得をしたわけです。取得をしたから、このあとあとはあなたの範疇じゃないと思います。つまり株主総会でだれを役員にするかとか、経営の方針をどう変えるとかということは、あなたの範疇じゃないとしても、少なくともこの事業法で免許事業ですから、Cというものについては、いま何項目かに当てはまる事業の認可をしているのですよ。それ以外の事業はできないのですよ、これは。ところが、名義さえあるAならAの名義になっておれば実態はどうであってもいいということです、あなたのいまのお考え方でいけば。これではいかに独禁法があろうとも、つまり独占企業がどんどんどん陰でこういうやり方をやっていったならば、今日の中小企業はおろか弱小企業などというものはそれは成り立つものではないし、形は別としても独占企業になっていくのです。独占に吸収されるということになりませんか。そういうことを監視するために公取というものがあるし、反面あなた方のように、つまり監督官庁の役人がいるとぼくは思う。そういう点ではぼくは多くを言いたくないが、あえて名前を言っていないのですから、十分あなたも、見守るということは、心配をしているということだと思う。ある意味においては心配しておるから、その監視もしているのだと思うのですが、万遺憾ないように、これは運輸省としての行政指導を私はこの際していただくことを強く要望しておきます。これはどうです。
  134. 比田正

    説明員比田正君) 何事によらずそうでございますが、私どもの担当しておりますところの港湾運送事業というのは、九〇%以上が中小企業でございます。御承知のとおりでございます。したがいまして、私どもはこの業界の育成ということが日本の海運につながる根本的な問題だと思っておりますので、従来とも中小の業者につきましてもいろいろと育成の手段を講じてまいっております。それに加えまして、先ほどの巨大会社がもしも進出して、それをむしばむようなことがあれば、私どもはその点に対しては行政指導すると申し上げましたけれども本件につきましても、そういうような形態になってあらわれますならば、これは私どもも最大の関心を持っておりますし、また、中小企業がうまくいくように育成してやる義務があると思います。ただ、先ほど申しましたように、会社の内部事情に対してはノータッチであるが、しかし、その結果として起こることが、港湾運送事業における中小企業の圧迫ということならば、関心を持たざるを得ません。したがいまして、先ほど来お話が出ましたような三者協定というものがあります。その三者協定という線が大幅に後退して、従来の業者が非常に困るのだというようなことがありますれば、先生おっしゃるとおりでございます。そこまで私どもはあれしようとは思っておりません。
  135. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 公取との関係をちょっと説明してください。
  136. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 本件は、公正取引委員会といたしましてまだ最終的な結論を出しておりませんので、はっきり申し上げられないでおるのではありますが、一応御説明申し上げます。  御承知のように独占禁止法、その第十条で、会社の株式の保有を制限いたしております。会社は、国内の会社の株式を取得し、または所有することにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該株式会社を取得し、または所有してはならない、それから不公正な取引方法により国内の会社の株式を取得し、または所有してはならない、こういう規定を設けております。それで本件は、先ほどお話がございましたように、二月の五日に、五名ほどの者から、独占禁止法第四十五条に基づきまして、報告が出てまいりまして、その報告趣旨は……。
  137. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それはここに持っておりますから、内容は全部承知しております。
  138. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 日本通運株式会社は、不公正の取引方法により港湾運送事業について競争関係にある小樽海陸運輸株式会社発行済みの株式総数の四七%に当たる十一万八千十株を取得所有するとともに、自己の従業員を海陸運輸株式会社の役員としている疑いがあり、また、これは港湾運送事業における競争を実質的に制限することになっている疑いがある、こういう趣旨報告でございます。  そこで、公正取引委員会といたしましては、二月の二十三日から二十九日まで審査官を現地に派遣いたしまして、日本通運それから小樽海陸運輸、小樽港運作業、この三者の立ち入り検査をいたしまして、またさらに参考人からいろいろ事情を聴取いたしました。それで本庁に帰りまして、日通本社あるいは日本海運協会、運輸省等から資料の提出を求め、いろいろ事情を承ったのであります。一応五月五日に委員会に報告いたしましていろいろ審議したのでございますが、株式取得と役員の派遣につきましては、独禁法の不公正の取引方法によるものとは認めがたいと考えます。一応そういう考え方——これは結論ではないのですが、一応そういう考え方でございます。  それから、これははなはだここで申し上げにくいのですが、申し上げますと、どちらかにあるいは有利になるかもしれませんので、その株式を依然として実質的に制限するかどうかということにつきましては、非常に問題がデリケートでございまして、これについては最終的な結論がまだ出ておりません。ですからはっきりどうこうということは申し上げられませんけれども、しかし、この事態はなかなか重大でございますので、一般港湾運送事業に対する——ここである会社と言ってもしようがないのですが、さっきもう名前を申し上げてしまいましたから——その出方が今後どなるかということについて重大な関心を持って現在監視しているというような状況でございます。
  139. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 公正取引委員会としては、これははなはだ微妙ですから、いまお答えになった程度だと思いますけれども、これは全国的でございますけれども、ただ港湾運送事業だけではなくて路面運送事業についてもかなりの問題がいま出てきておりますから、ですからぜひこの法律の十条に照らし合わせて公正に、私はこうした独禁法の精神を生かすようにしていただくことを——この問題はどうあろうとぼくはあれですが、全般的な問題としてそういう姿勢を示していただくことを要望いたしまして、私はきょうこの程度で終わります。
  140. 野上進

    委員長野上進君) 過日就任せられました政務次官から発言を求められておりますので、この際発言を許します。大久保政務次官。
  141. 大久保武雄

    説明員大久保武雄君) 私は今回運輸政務次官に就任いたしました大久保武雄でございます。  運輸行政の非常に重大な際でございますので、私も十分勉強いたしまして、委員の皆さま方の御期待に沿いたいと思う次第でございます。どうぞこの上とも御鞭撻を賜わりますようお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただく次第でございます。(拍手)
  142. 野上進

    委員長野上進君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  143. 野上進

    委員長野上進君) 速記を起こして。  本件についての調査は、本日はこの程度とし、次回は、九月三十日午前十時から開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十二分散会