○宮地政府
委員 第一点の
国有地の民間への払い下げの点でございますが、私
どもといたしましては、むしろ現在の私有地になっておるところであっても、何らかの形で公共
団体なり国なり、いわゆる公有化をはかりたいというふうに考えておりますので、それに逆行するような
国有地の払い下げということは全然考えに反すると思います。したがいまして、事情をよく調査いたしまして、大蔵省にも相談いたしまして、かりにその話がどこまで進んでおるか存じませんが、できる限りそういうことの起こらないようにさっそくきょうにでも大蔵省と相談してみたいと思っております。
それから第二番目の無断で現状変更をした人であっても、
現実に家を建てておる、その人々が非常に不安におびえておるが、ケリをつけてやれというお話のようでございますが、私のほうでもいまこの問題について総合的な結論を出すべく
努力いたしておりますので、できる限り早い
機会に、やむを得ないということになれば、現状変更許可申請を出させて、事後承認になりますが、許可をするのも
一つの方法かと思います。きわめて悪質なものであれば立ちのきを命ずるのも
一つの方法かと思いますが、いずれにせよ総合的に判断をいたしまして一括処理いたしたいと思っております。
それから最後におっしゃいました現在の
場所をどのように今後やっていくのかというお話でございますが、御指摘のように、町
当局にこれを公有化したらどうだという話をいたしたのは事実でございます。同時に
東京都の
関係者を呼びまして——ここは全部で二万八千坪ばかりあります。
東京周辺のことでございますので、時価も相当高うございます。したがって国といたしましては、平城宮趾のような非常に全国的な問題で、国民の何人も御納得のいただけるような
場所は国が買収をするけれ
ども、そうでない国分寺のような場合は、できれば
東京都あるいは国分寺町なりが公有化していただくのがいいんじゃないか、そういうことで、都と国分寺の町に話をいたしておるのは事実でございます。しかしその場合国といたしましては、先ほど申しましたように、半額の
補助はいたしたいと思っております。ただ国分寺の町が国なり
東京都から
補助金をもらっても買えないほど大きな
予算になるのか、あるいはそういうことであれば都が買って国なり国分寺町なりがそれに応援するという形になるのがいいのか、これは
関係者と相談をいたしておりますので、しばらくその結論はお待ちいただきたいと思います。
それから発掘調査につきましては、
先生も
現場をごらんになったかとも思いますが、私も参りまして、しろうと目にも、ここはいまのうちに調査しておかないとぐあいが悪いのではなかろうかというふうに感じられる
場所がございます。西院のあともしかりでございますが、特に塔あとあたりに道路がつくられかかっております。そういったような
場所は早急に調査をする必要があろう。それから
建物が柱だけ建って、まだ人が住める形になってない建築中のものもございます。したがってそういうような
場所等も、これはかりに現状変更を許すとしましても、早く調査をして、それから建てさせたほうがいいんじゃないかと思います。そういうことで、この調査を専門家に委嘱いたしまして、できればこの
年度内、三月中にでも着手いたしたいと思って、いま
関係者と寄り寄り相談をしておる
段階でございます。
結論的に申しますれば、こういう史跡等が荒らされたりしますのは、要するにそこが史跡であるかどうかよくわからない、住民の人が見ても、そんなにきれいでもないというようなことでいろいろな問題が起ころうかと思いますので、管理
団体としての
法律的な自粛自戒もさることながら、これに並行いたしまして、愛される史跡、きれいな史跡というふうにいたしたい、今回の事件を契機に、災いを転じて将来福とするような
措置を講じていきたいというふうに考えております。