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1964-03-06 第46回国会 衆議院 文教委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月六日(金曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君    理事 坂田 道太君 理事 長谷川 峻君    理事 南  好雄君 理事 山中 吾郎君       臼井 莊一君    熊谷 義雄君       床次 徳二君    中村庸一郎君       橋本龍太郎君    松田竹千代君       松山千惠子君    三田村武夫君       落合 寛茂君    川崎 寛治君       長谷川正三君    鈴木  一君  出席政府委員         文部政務次官  八木 徹雄君         文部事務官         (大臣官房長) 蒲生 芳郎君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     福田  繁君         文部事務官         (管理局長)  杉江  清君         文部事務官         (文化財保護委         員会事務局長) 宮地  茂君  委員外出席者         専  門  員 田中  彰君     ————————————— 三月五日  委員臼井莊一君辞任につき、その補欠として馬  場元治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員馬場元治辞任につき、その補欠として臼  井莊一君議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  国立教育会館法案内閣提出第七九号)  義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正  する法律案内閣提出第八〇号)  文化財保護に関する件      ————◇—————
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  先ほどの理事会で協議いたしましたとおり、岐阜県における教職員問題について参考人出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、参考人の人選及び出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  5. 久野忠治

    久野委員長 次に、国立教育会館法案及び義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。上村千一郎君。
  6. 上村千一郎

    上村委員 私は、まず国立教育会館法案につきまして、少しく質問をいたしたいと思います。  国立教育会館法は、法人として、「その設置する教育職員その他の教育関係者のための研修施設運営し、教育関係者資質向上を図り、もって教育振興に寄与することを目的とする。」ものである。私は、教育というものは、教育関係者資質向上して、そして真に教育を受ける対象の者から心から信頼をされ、尊敬をされるというものでなければならないと思うのであります。たとえば、学校先生児童生徒学生注意を与える、あるいは教育する際に、何を言っておるのだ、先生だってこうじゃないかというふうに腹で思っておるならば、真の教育目的を達することはとうていできないというふうに思うわけであります。  なお、先般大阪の某学校におきまして、先生が自家用車で学校へ通われておる。その際に、自分の自動車にたまたま二階の生徒からの汚水が流れてきた。それでその生徒注意したところが、凶器で先生に傷害を与えたというようなことがある。こういうような点は、新聞紙の報道以外にはまだ事情をつまびらかにしませんけれども、少なくとも学校教職関係者が直接生徒に対して注意をしましても、それが暴力行為によって対抗されるというようなことでは、これは真に教育目的というものが達せられるとは思えない。新聞紙の報道するところの印象だけでも考えられることは、真に生徒児童学生がその教職関係者に心服をしていくということでなければならないというふうに思いまする際におきまして、教育関係者資質向上というものは、いかなる努力を払いましても、この際これが努力をいたさなければならないという観点からいたしますれば、国立教育会館法目的とするところは、私はきわめて時宜に適したものであろうというふうに思うわけでございます。それで国立教育会館法設立のいきさつにつきまして、まずもってお尋ねをいたしたいと思います。
  7. 福田繁

    福田政府委員 御指摘のように、学校におきまして生徒児童先生に対して信頼感を持つということは非常に大事なことでございます。この先生に対して信頼感を持つということにつきましては、やはり先生が人格、識見においてすぐれた人物であることが必要であろうと思います。そういった意味で絶えず教師は研修をして、その資質向上をはからなければならないということは、これは当然なことでございます。御承知のように、地方公務員法の三十九条には、「職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。」こういうような規定がございます。したがいまして地方公務員である教職員等につきまして、常に行政当局といたしましては研修機会が与えられるように配慮する必要があろうかと思います。そういった趣旨から現在の教育界におきましては、御承知のように学校現場におきましてもあるいはその他学校外におきましても、教職員研修というものが非常に盛んになってまいりました。これに対しましていろいろ研修場所を提供するということも、これは非常に重要な事柄一つでございます。そういった意味から地方におきましても研修場所を提供するようないろいろな企てがございますが、国といたしましてもこうした先生方のための講習会研修会あるいはまたそれに類似各種催しものにつきまして、できる限り適切な研修場所を提供するような事業をやりたいということが、前々から研究されておったわけでございますが、昭和三十六年に始めまして約一億円の予算を計上いたしまして、東京に全国的な教職員のための研修のいわば殿堂といったものをつくろう、こういうような趣旨計画が始められたのでございます。この東京につくります研修施設と申しますのは、全国的な催しものあるいはいま申しましたような研修講習会等に十分活用できるような施設でなければならないということから、いろいろ検討いたしまして、文部省の隣にたまたま国有財産がございましたので、国有地利用いたしまして、この上に適切な会館建設をし、そこを提供したならば、十分いままで考えられておりましたような研修場所としても適切なものができ上がるであろう。こういうようなことから三十六年から三十七年、八年と事業を進めてまいりまして、ようやくこの建設のほうは竣工の段階になってまいりました。これには三十七年度におきまして約五億九千万円の国費を予算上計上いたしまして、それで必ずしも十分でございませんので、諸設備を充実するために民間からの浄財を寄付をしていただきまして、それを合わせて建設するという運びにいたしたわけでございます。大体現在は工事も順調に進んでおりまして、四月には完成の予定に至っておるわけでございます。以上でございます。
  8. 上村千一郎

    上村委員 教職員研究が重要であるということはいまの御説明のとおりであろうと思います。しからば国は従来どういうふうな教職員に対しまする研修について措置をいたしてきたものかということについて、お伺いいたします。
  9. 福田繁

    福田政府委員 文部省といたしましては教職員研修がきわめて重要でございますので、教職員のための研究集会あるいは講習会というようなものを従来できる限り数多く開催してまいりました。三十七年度だけをとってみましても、校長、指導主事研修会あるいは小学校教育課程研究集会中学校教育課程研究集会、それから中等教育指導者養成講座職業教育指導者養成講座、あるいは特殊教育指導者養成講座僻地教育指導者養成講座というような、各種先生方のための研修会講座等も設けてまいりました。三十九年の予算におきましても約二十七種類に及んでおります。一般的なそういう研修会講習会のほかに各特殊な教科につきましての研究集会等も加えまして、あるいはまた道徳教育講習会というものも含みまして約二十七種類に及んでおります。その経費といたしましても三十九年度で約九千万円でございます。またこれに必要な旅費等の増額も三十九年度にはかっております。そういうほかに、さらに講習会だけではなく、先生方のための手引き書指導書等参考資料の作成をいたしまして、学校現場にこれを提供するというようなやり方をいたしております。この参考資料等もたくさんございますが、一例をあげますと、教育課程につきましては中学校学習指導要領に関するものだとか、あるいは高等学校学習指導要領に関する資料、あるいはまた中校学生徒指導要領高等学校生徒指導要領といったような資料、あるいはまた国語、社会、数学、理科、保健、体育、芸術というような各教科についてのこまかい参考資料等もかなり出ております。その種類も最近三十三年以降とってみましても、文部省でつくりました資料だけでも約七十種類に及んでおります。そういう状態でございます。それからまた教育研究団体を育成するというような考え方で、直接文部省講習会等をやるほかに、中央の全国的な研究団体あるいは都道府県管内の各教科などの研究団体等に対しまして研究費補助をいたしております。研究活動を助成するというようなやり方は、御承知のとおりに昭和三十八年度におきましては約五千万円の補助金を支出いたしております。三十九年度におきましては、約一億六千万円の予算を計上いたしまして研究活動を育成する、こういうような方策をとっておるわけでございます。必ずしもこれで十分だとは申し上げられませんけれども、少なくとも地方教職員のための研究あるいは研修というような事柄につきまして、文部省としてはできる限りの配慮をしてまいったつもりでございます。
  10. 上村千一郎

    上村委員 国立教育会館施設設備概要をこの際御説明をしておいていただきたいと思います。
  11. 福田繁

    福田政府委員 施設設備概要でございますが、土地文部省の隣の地続きの国有地六千四百七十三平方メートル、約千九百五十八坪でございます。この土地の上に、建物鉄骨鉄筋コンクリートづくりで、地下一階、地上六階建てでございます。建坪は二千八百九十平方メートル、約八百七十四坪でございます。総延べ面積にいたしますと一万八百三十八平方メートル、三千二百七十八坪でございます。  それが概要でございますが、施設設備の内容について申し上げますと、大体本館講堂と二つからなるわけでございまして、本館のほうは研修室、大小の会議室教育資料展示室図書室、あるいは研究団体事務室、あるいはまた会館事務室食堂等からなっております。講堂のほうは別に大ホールを建築いたしておりまして、固定席で約千五百二十四席でございますが、約千六百人程度は収容できると考えております。これに音響、照明、映写、放送、中継等設備を備えることになっておりまして、できる限り近代的な設備を備えた研修殿堂としてこれを活用する目的で、さような諸設備をいたしておるわけでございます。
  12. 上村千一郎

    上村委員 次に、この国立教育会館運営について少しくお尋ねをいたしておきたいと思います。  それに先立ちまして、運営費というものはどうなっておりますか。また施設を使う場合に使用料を徴収するのかどうか、もし徴収するとすればどの程度の徴収をするのか。また他の類似施設が現在あるのかどうか、あるとすればその類似施設と比べてどういうふうな程度にこの使用料を徴収するのか。と申しますのは、これは国立教育会館を設置するということになるのですから、そういう点をお尋ねしておき、なお国庫補助金はどうなっているのかということについてあらかじめお尋ねをしておきたいと思います。
  13. 福田繁

    福田政府委員 国立教育会館運営につきましては、まだ初年度といたしましていろいろ運営上の困難があろうかと思います。と申しますのは、開館いたしまして直ちに予定収入が十分あがり得るかどうかというような点については懸念をいたしておりまして、予算といたしましては人件費を含めまして六千七百万円程度年間運営費として予定いたしております。その中で、役職員給与費が三千四百万程度でございまして、光熱、水道その他の管理運営費が三千三百万程度になるわけでございます。これに対しまして見合う収入といたしましては、これは教育会館を設置いたします趣旨から申しまして、あまり高い使用料を徴収するということはこの目的に沿わないわけでございます。したがいまして収入のほうは、施設使用料年間約三千七百万程度を見込んでございます。その不足額の約三千万、これは運営費に対して国庫補助予定しておりまして、国庫補助によってこの収支のバランスを合わせるというようなやり方をいたしております。三千万の運営費補助は主として役職員等給与費に対するものでございますが、定額として三千万の予算を三十九年度補助金として計上いたしております。収入のほうにつきましては、ただいま申し上げましたように、教育関係関係者研修目的とする会館でございますので、そういうことにつきましては、できるだけ低廉にこれを利用してもらうというたてまえをとっておるわけであります。なかなか直接に比較するものが他にございませんけれども、都内にございます施設の中で一番安いといわれております厚生年金会館比較してみますと、教育関係者研修等に関する利用の場合におきましては、少なくともこの厚生年金会館よりも四割程度安く考えたいということで、その程度定額でもって予算としては一応組んでございます。ただ一般のその他の、教育研修以外の利用に供する場合は別でありますので、会館があいておる場合には一般利用に供することになっております。したがってそういう場合におきましては、若干厚生年金会館よりも一〇%程度は上回るというような考え方でございます。しかし、厚生年金会館以外の諸施設と比べますと、かなり使用料は安いというように私どもは考えておるわけでございます。  大体以上でございます。
  14. 上村千一郎

    上村委員 この法人役員館長一名、理事三名以内、監事二名ということになっておりますが、この館長というのは理事の中に入るのか入らないのか、その点をお尋ねいたします。
  15. 福田繁

    福田政府委員 この八条に、「役員として、館長一人、理事三人以内及び監事二人を置く。」と書いてありますが、館長役員でありますが理事ではないわけであります。一般特殊法人の場合の理事長に相当する職務権限を持ったものでございます。
  16. 上村千一郎

    上村委員 そうすると、理事会館長との権限はどういうところに差異があるのか。
  17. 福田繁

    福田政府委員 館長は、第九条に規定しておりますように、「教育会館を代表し、その業務を総理する。」というのが職務でございます。それから理事のほうは、「館長を補佐して教育会館業務を掌理し、館長に事故があるときはその職務を代理し、館長が欠員のときはその職務を行なう。」という規定か第九条の二項にございます。特に理事会というものは法律規定をいたしておりません。したがってこの九条の規定によって館長理事との職務の相違が出てくると考えております。
  18. 上村千一郎

    上村委員 次に、この国立教育会館は、施設だけでなくて教育関係者のための研究集会講習会を主催し、そうしてこれらの者の資質向上のため必要な業務を行なうという状態に相なっております。それでこれが業務運営方針についてはきわめて重要な問題になるであろうと思います。それでいかなる団体からも、要するに教育研究集会をしたいから貸してほしいというような場合には貸す方針なのか、あるいはおのずからそこに限度があって、こういう団体については貸与しないというような何かそこに一つ業務運営方針というものがあるのかないのか、この点につきましてお尋ねをしておきたいと思います。と申しますのは、新聞紙などがこの点について触れておりますが、日教組の場合におきまして、教育研究集会についていわばこの国立教育会館を使用したいというような申し出があった場合、一体どうするのかというような点について、新聞紙上におきましてもとかく論議対象になっておったようでございます。この点につきましてお尋ねいたしておきたい、こう思います。
  19. 福田繁

    福田政府委員 具体的な運営方法なり運営方針と申しますのは、この会館ができまして会館役員によって運営されるわけでございますけれども、もちろん会館の設置されます目的自体が、第一条に規定いたしておりますように、「研修施設運営し、教育関係者資質向上を図り、もって教育振興に寄与することを目的とする。」という規定になっております。しかも第二十条の二項は「第一条の目的の達成に支障のない限り、その設置する研修施設一般利用に供することができる。」こういうように書いてございます。したがいまして、私どもといたしましては、この教育会館目的とするところに従って会館運営されると思うわけでございます。したがいまして、この教育会館目的に照らして適当な事業については、もちろん一般にも貸して差しつかえない、そういうように運営されるものと考えておるわけでございます。特にどの団体この団体ということではなく、教育会館目的に照らして適当な事業については、支障のない限り一般利用さしてもよろしいということになろうかと思います。
  20. 上村千一郎

    上村委員 まず大体そういうような御答弁になるかと思いますが、現実の問題としていろいろ質問が起きてくるわけですから、問題点だけは引き続いて質疑をいたしておきたいと思います。  現在の日教組状態において、日教組教育研究集会をするという場合の申し込みがあった場合に、現在の国立教育会館はどうするかという問題についてお尋ねをしておきたい。
  21. 八木徹雄

    八木政府委員 昨日の決算委員会でも同様の質問大臣にあったようでございますが、日教組に貸す貸さぬということをいまきめているということではございません。先ほど言ったように、個々の目的に照らして十分な成果の上がる研究集会であるならばだれにでも貸さなければならぬというのが前提でございます。ただ現在の日教組という言い方をいたしますと、ほんとうの意味教育研究集会であるかどうか、十分に検討した上でなければ答えられないのではないかと思います。いま文部省内部において日教組に貸す貸さぬという論議一つもいたしておりませんことだけつけ加えておきます。
  22. 上村千一郎

    上村委員 ごもっともなことだと思うわけであります。従来の文部省のいろいろの御方針もあるし、しかもこの国立教育会館文部大臣監督下に置くということで、監督規定がはっきり出ております。そういう意味におきましてこの業務運営というものの方針につきましては、これは文部当局としましても重大な関心があるであろうと思うのでございます。あいまいな程度ではそれは処理するわけにいかない。単に設立関係とかその他ばく然とした状態でないわけであります。この点につきましてはいま八木政務次官もおっしゃいましたように、いろいろと十分なる御検討をされて処理する、そういう方針を確立していく、そういうことが必要であろうと思います。しかしまだ実際上現実会館ができて、そして業務を遂行するという段階に立っておりません。なおこの法人業務運営に関する重要事項については、館長意見を聞くために評議員会を置くことができる、こういうことになっておる。だから評議員会にもいろいろおはかりになられるであろうから、いまの段階において、そう明確にどうこうというわけにはいきかねるであろうというふうに思いますので、私は大体この程度におきまして、国立教育会館法案につきましての質問を終わりたいと思います。  次に義務教育学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案につきましてお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一に公立学校施設整備につきまして、三十四年度からの五カ年計画実施状況はどうなっておるか。そして本年度終了をいたすわけでございますが、明年度以降の計画はどうなっておるのか、新年次計画概要につきまして当局お尋ねいたしたい。
  23. 杉江清

    杉江政府委員 公立文教施設整備計画は、昭和三十四年度に五カ年計画を立ててその整備を進めてまいりました。これは三十八年度をもって終了いたしますが、この計画は実は途中において中学生急増対策の必要に迫られまして一部修正いたしました。しかし大体において当初計画はほぼこの目標を達成いたしたわけでございます。  まず当初計画概要を申し上げますと、昭和三十四年度から昭和三十八年度までの五カ年計画によって、すし詰め教室の解消、統合学校校舎等整備、それから危険建物改築等をはかることといたしまして、全体計画事業量は約三百六十一万坪でございます。このうち三〇%は自己負担でやるものと期待いたしまして、その七〇%の約二百五十二万坪を、国庫負担事業として実施することといたした次第でございます。  次に先ほど申し上げました中学校生徒急増対策のために、この計画を修正いたしたわけでございますが、その修正点概要は、急増対策のために計画事業量を一部繰り上げて実施いたしたのであります。一年前向きに実施する、こういう措置をいたしました。そのほかなお特別教室整備を、ごく一部でありますけれども新たに行なうことといたしましたし、また学校統合計画計画以上に進むことが明らかになりましたので、その計画を繰り入れました。またいわゆる社会増に伴う建物整備を新たに計画の中に加えたわけであります。以上の計画を今年度において当初計画より事業量にして二十三万坪上回って終了することになるわけでございます。途中において修正いたしました計画は実は三十九年度までに実施する計画になっておりましたので、まだ四十万坪ばかり残っておりますけれども、これは本年度実施分を加えれば、この修正計画をも実現することになるわけでございます。以上が、これまでの施設整備計画概要でございます。  次に、本年度から発足いたすことにいたしております第二次の五カ年計画の大要について申し上げます。  基本的な考え方は、現在の施設基準を改定いたしまして、その改定した基準によって事業量を測定する、しかしその事業量の測定は現時点における必要事業量を測定するという考え方でなくして、生徒数が平常化いたします四十三年度の時点における新基準による要整備坪数を測定いたしまして、それを四十三年度までに整備する、こういう基本的な考え方をとっております。そこで、校舎とか運動場、それから統合校舎その他について、これは詳細な実態調査をいたしてその事業量を出しておるのでありますが、総事業量といたしましては四百八十六万坪の整備予定いたしております。これは第一次五カ年計画にすれば相当の増加になっておるわけでございます。以上が計画概要でございます。
  24. 上村千一郎

    上村委員 次に、小中学校校舎建築について国庫負担の場合の施設基準は、今度いろいろな点について改定になったわけです。具体的にどういうふうに改定されたか、その点をお尋ねしたいと思います。  なお次の四点ばかりについて説明をしておいていただきたいと思うわけであります。  新基準と旧基準におきますところの教室室数坪数というものはどうなっておるのか。それから、新基準と旧基準におきますところの校舎必要坪数比較はどうなっておるか。それから、新基準と現在の実態との比較はどうなっておるか。それから、屋内運動場基準引き上げはどうなっておるのか。こういう点を含めまして具体的に説明をしていただきたいと思います。
  25. 杉江清

    杉江政府委員 このたびの施設基準の改定の要旨は、いままで基準生徒一人当たりという立て方になっておったのを学級単位に改めるということと、それから従来特別教室分がきわめてわずかしか見込まれていなかったのを教育課程実施に必要な最小限度の特別教室整備できるように、その特別教室分の見込みをふやした、こういう二点が基準改定の要旨でございます。  具体的にその中身を申し上げますと、普通教室については従来の一学級二十坪の普通教室が確保できるように、学級単位に切りかえたということでございます。従来の基準におきましても、これは五十人生徒がおれば大体二十坪の教室が確保される計算になっておるのであります。ところが生徒一人当たりという基準になっておりますので、現実生徒が四十人、三十人ということになりますと、自然にその基準が二割あるいは四割切り下げられてしまう、こういう不合理があったのであります。二割、三割切り下げられますと普通教室さえ整備できないということになるわけでございます。そういう不合理をなくしたわけでございます。  次に特別教室について考えますと、これは詳細な表ができておるのでありますけれども、十二学級の場合を例にとって御説明いたしますと、小学校におきましては十二学級の場合においては一室半ふやしております。坪数にいたしまして四十坪ふやしております。中学校については二室分、七十八坪をふやしております。その増加比率を申し上げますと、十二学級の場合では七割五分の増加になるのであります。かなり大幅な増加になると考えております。  次に、新基準と旧基準における校舎の必要坪数比較についての御質問でございますが、これも十二学級の場合を例にとりますと、増加坪数は、小学校では四十八坪、これは一・〇九倍になります。中学校では百六坪、これは一・〇八倍になっておるのであります。この校舎の中には普通教室特別教室もその他必要な管理部門等も全部含めた計算でいまのような増加を来たしておるわけでございます。  次に、今度の基準実態との比較でございますが、実態との比較におきましては、普通教室は大体まあ学級数に応ずる普通教室現実に持っております。実態において不足しているのは特別教室において顕著でございます。特別教室について見ますと、新基準は小学校において三十三坪、これは一室分でございます。中学校においては六十三坪、二室分が、この新基準で計算いたしますとそれだけ保有が少ない、保有よりも上回って新基準はそれだけの整備を考えておる、こういうことになっております。  次に屋内運動場基準でございますが、これについては今回根本的な改定をいたすことをいたしませんでした。わずかに、計算のしかたによってある人数のところへきますとその基準坪数がダウンするという不合理がありましたので、その点を修正することにいたしましたが、全般的な基準の引き上げはいたしませんでした。今後の検討に待ちたいと考えておりますが、その趣旨はまだ屋内運動場の未保有校が相当たくさんある。小学校につきましては三六%、中学校については三八%の未保有校があるのであります。当面はこれらの未保有校に屋内運動場をつくるということを目標にいたす、このような考ええ方から、この根本的な基準の引き上げは今後の課題といたすことにした次第であります。以上でございます。
  26. 上村千一郎

    上村委員 次に、学校建築について、法律では二分の一または三分の一の国庫負担率になっておりまするが、実際はこれ以上に市町村の負担が大きくなっておる実情であることを聞き及んでおります。この実態はどうか。そしてその原因はどこにあるだろうか。また文部省としてはこの対策はどういうふうに考えておるのかということについてお尋ねをしておきたいと思います。なおお答えの際、建築計画に対する国庫負担事業の割合とか、あるいは施設基準の問題だとか、あるいは単価、構造比率の問題とか、起債の問題などを含めまして、具体的にお答えを賜わりたいと思うわけであります。
  27. 杉江清

    杉江政府委員 ただいま御指摘のように、公立学校建物整備につきましては、法律では一応二分の一ないし三分の一を負担するというたてまえになっておりながら、実際には市町村の負担が非常に多いという事実は確かにございます。これを文部省の調査局におきます地方教育費の調査報告書からその点を検討いたしますと、毎年度の総建築費のおおむね四〇%程度補助金起債によって財源措置されておりますが、残りの六〇%程度が市町村の一般財源から出ておる、こういう結果があらわれております。これは一体どこに原因があるかということでありますが、まずこの調査は公立学校建物の全部についての経費について考えているわけでございますが、国がその経費の一部を負担することにいたしておりますのは、この建物の全部を対象にいたしておりません。たとえばこれまでは小学校の屋体は負担の対象にいたしておりませんし、講堂もまたその負担の対象にいたしておりません。それから基準以上の部分についてはやはり負担の対象にいたしておりません。そういうように国の負担の対象になる部分は相当狭く制限されておる。それがまずこういう結果をもたらした大きな原因だと思います。それから従来国の負担対象にいたしますのは事業量全部でなくて、その七割を国の負担の対象とした、三割は自前でやるものとして扱ってきた、こういうことが地方の負担を大きくしたわけであります。そのほか単価、構造比率等が必ずしも実際に即してない。実際よりも低目に計算されておるというようなことも原因になっておると思います。そこでこのような地方負担につきましては、これを軽減するように国として努力しなければならないことは当然でございます。実は今回の施設基準の改定のねらいもそこにあったと言ってもいいのであります。従来の基準が非常に低くなっておったために市町村の負担が不当に増大しておった、これを必要なだけは当然国で負担するというたてまえにする、そのためにはどうしても基準を改定しなければならなかったということが今回の改定のおもなる原因でありますが、そのほかに先ほど申し上げましたいわゆる事業量の三割は自前でやるものとして国の負担対象事業を計算するというやり方は、これは私は不合理だと思います。これは当然事業量の一〇〇%を国の負担対象にすべきだと思うのでありますが、しかし従来自前でやっておるものも相当ありますので、これを一挙に改定することはむずかしいので、漸次この点を改善するということで、従来三割を自前でやるものとして計算したのを、本年度は三割を二割に改めて、一割を改善したわけであります。  それから基準の改定につきましては先ほど申し上げたとおりであります。これは相当大きな改定になっておりますので、この点からくる町村の負担は相当軽減されることになります。  次に単価、構造比率でございますが、これは例年改定に努力いたしております。三十八年度は一割の改善をはかりましたし、明年度予算においては六%の改善をいたすことに改定いたしております。構造比率につきましても同様年々改定をいたしておりますが、明年度においては約五%増の措置をとっております。  なお起債につきましては、いわゆる起債充当率は三十八年度において七五%程度でありましたが、三十九年度においてもその比率は変えておりません。ただ基準を改定いたしましたことによって起債の対象となる事業量もふえるわけでございますから、そういう意味において起債額も三十八年度に比べれば相当ふえます。数字を申し上げますと、四十八億円をふやしまして二百三十八億円の起債を地方計画において見込んでおります。まだまだ地方負担を軽減する措置としては不十分でありますけれども、今回の基準改定それから負担対象率の改善等のために相当地方負担は軽減されるものと考えております。
  28. 上村千一郎

    上村委員 いまお説のように、今回の義務教室学校施設費の国庫負担法の一部改正によりまして、従来より市町村の負担軽減という問題につきまして前向きに一歩進んだという意味において、きわめてけっこうな改正だと思うわけでありますが、しかしいまの御説明にもありまするごとくに、まだ自前の部分が二割あるということになります。これは理論的にいいましても、一刻も早くこれを解消して、そして全額の部面について国庫がこれを負担対象にしていくということにしないと、真に私はその目的を達しておるものでないと感じますので、一そうの努力を希望いたしておきたい、こう思うわけであります。  次に、目下都市やその周辺の地域では公団住宅や大会社の社宅など大規模な団地の開発によりまして、校舎の不足が問題になっておりますることは公知の事実でございます。それで今後この傾向はますます大きくなるであろうと予測されるわけでありますが、文部当局としてこれが対策があるのか、またどういう対策を考えておられるのかという点をお伺いしておきたいのであります。
  29. 杉江清

    杉江政府委員 この点につきましては来たるべき五カ年間にどれくらいな集団住宅が建設されるかの実態調査をいたしまして、それに基づきましてこの新五カ年計画においては住宅が約五十五万戸建設される、こういう見込みをつけまして、それに必要な校舎整備を見込んでおります。三十九年度においてもこの集団住宅による校舎建設には相当力を入れて予算化しております。
  30. 上村千一郎

    上村委員 私は次に一点だけお尋ねしましてこの法律案に対します質問を終わりたいと思うわけであります。学校屋内運動場の設置というものは国民の体位向上の上からいいましても、また近代的教育指導の上からいいましても、きわめて必要でありますし、なお不可欠ということばを使ってもいいほど重要性を持っておるかと思うのでございますが、全国のこれが充足状況はどうなっておるのか、なお三十九年度予算ではどのくらい設置される見込みかということをお伺いしておきたいと思います。
  31. 杉江清

    杉江政府委員 昭和三十八年の五月一日現在におきまして屋内運動場を持っておる学校は、小中学校ともに約六〇%でございます。この未保有校の全部に屋内運動場をつくるということが今後のさしあたっての課題でございます。従来小学校についてはこの屋内運動場整備については国の負担の対象になっておらなかった。それをこの法律によりまして新しく負担の対象にする、こういうことで御審議をお願いしているわけでございます。三十九年度予算は三億二千万が小学校について計上されておるわけであります。これは実は金額としては非常に少ないのであって、今後これはぜひ大幅にふやさなければならないのでありますが、三億二千万円ということで、大体小学校百四十校についてその整備が可能になるわけでございます。中学校については二百二十校整備する計画になっております。いずれももっと整備を急がなければならない、今後十分努力いたすつもりであります。
  32. 上村千一郎

    上村委員 屋内体育場の果たしておりまするところの役割り、現在想像以上に重要な役割りを果たしておるということで、その意味からも一そうの整備拡充をお願いいたして、そして一刻も早く所期の目的を達せられることを希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。      ————◇—————
  33. 久野忠治

    久野委員長 次に、文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。長谷川正三君。
  34. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 前々回の本委員会におきまして、文化財保護に関しまして、特に現在憂慮されておる点に関し、特に私の地元に起きている具体的問題につきまして、すなわち国立町にある国分寺史跡がいつの間にか宅地に分譲され、すでに分譲住宅には人が住んでしまっている。こういう事実が発生したことについて、経過の概要質問いたしまして、一応御報告をいただいたわけであります。しかし文化財保護の万全を期す立場から、さらに質問をいたしたいと思います。  さきの御答弁によりますと、昨年暮れ、現地からの情報によって調査したところが、いま申し上げたとおり国分寺史跡に分譲住宅がすでに建っていた。一部は昭和三十四年から三十五年にかけて建てられておる。その後さらに最近十数戸が建った。しかもこのような現状変更について、管理の責任を国から託されていた町当局も知らなかった。関係業者も知らなかった。都並びに町に対する文化財保護委員会としての史跡管理指導に不十分な点があったことを認めるという御答弁だったと思います。  そこでこのようにせっかく文化財保護法がありながらこれがじゅうりんされているような事態が起こったということは、これはどこに責任があるとお考えであるか。まずそれをお伺いいたします。保護委員会なり文部当局から御答弁を願いたい。
  35. 宮地茂

    ○宮地政府委員 お答えいたします。  文化財の管理につきましては文化財保護法の規定等をしんしゃくいたしますと、これは一般の文教施設等と同じことでございまして、原則は所有者管理であろうと思います。したがいまして、いろいろな管理的な事項について措置をする場合、それが法律的な事項になります場合はあくまでも所有者の責任であろうと思います。  ところで私のほうといたしましては、法律規定に基づきまして所有者が管理をすることが、その文化財保護という立場から必ずしも適当でない、むしろ不適当であるというような場合には、地方公共団体あるいは財団法人等の場合もございますが、しかるべき機関にその管理を命ずることができるようになっております。したがいまして、所有者はあっても別に管理団体が指定されておる場合は、一応その責任につきましても、責任の原因になります事実によっていろいろ違ってはきますが、一般的に申しますれば、管理者の責任になることが多いのではないかというふうに考えます。もちろん、こういった国宝、重要文化財、史跡、名勝、天然記念物、これは所有者が責任を持つとか、あるいは管理者が持つとか、ただ形式論ではなくて、これを後世に保存していくという大きなねらいから申しますれば、これを所管いたしております最終的な立場にあります国、具体的には文化財保護委員会も大いに責任をとるべきことは言うまでもないというふうに考えております。
  36. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 私は、その責任をどう取れということを追及しようという考えを持っておるのではありません。文化財保護の万全を期すという立場から質問するのですが、それにいたしましても、これはほかにもこういう問題があるかと思いますけれども、国分寺の問題について具体的にすでにそういう事実が起こってしまっている。これに対して、いまの責任の問題に限っていろいろな処置——多方面の処置が必要だと思いますが、その責任の処置については具体的にどういうふうになさるお考えですか。たとえばいまのお話のように、原則としては所有者である、そうするとその所有者にどういうふうに処置をするのか、あるいは国から、あるいは文化財保護委員会から管理を委託された町当局に責任があるととすれば、それに対してはどういうような処置をとるのか。最終的に保護会員会に責任があるという御答弁でありましたが、その場合には一体どういりふうにお考えになるのか、この点についてお伺いいたします。
  37. 宮地茂

    ○宮地政府委員 今回の国分寺の場合に例をとりますと、いろいろ現状変更をいたした者は土地所有者でございます。もちろん個人もございますし、不動産会社もございますが、それぞれの人々が所有者になって現状変更をやったことでございます。まず所有者が現状変更をしようとする場合には、法律規定に基づきまして現状変更の許可をとる必要がございます。その許可をとらなかったということでございますので、これは許可をとらないで現状変更をやった所有者の責任であろうと思います。  ところで、所有者が現状変更を無許可でやりつつある、その場合に管理団体としては当然管理者の責任において、そういう事実を発見し、適当な指導、助言を行ない、現状変更の許可をとる必要があるものであれば、そのように指導をすべきであったと思います。そういった点で、管理団体国分寺としての責任があろうかと思います。  次に、法律一般的な規定では、管理団体の行なう管理——所有者の管理の場合もそうでございますが、特に今度の場合に例をとりますと、管理団体国分寺が行なう管理に指導を加える必要があるような場合には、文化財保護委員会において必要な指導をするようになっております。したがって、その指導をしたか、しなかったかという点においては、文化財保護委員会に責任があろうかと思います。
  38. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 責任があるということは、先ほどの御答弁でわかったのです。それについてどういう処置をおとりになるのかということを聞いているのです。
  39. 宮地茂

    ○宮地政府委員 それは現状変更を無断でいたしました所有者に対しましては、昨年暮れ、町当局でなくて、文化財保護委員会、私のほうでその事情を察知いたしましたので、直接指導いたしまして、現状変更をこれ以上しないように、工事を中止するように関係者に指示いたしまして、現在まで守られております。  それから管理団体としての責任上、私は、もう少し適当な管理者としての指導がそれぞれの所有者になされておったならば、少なくとも昭和三十四年からこういうようなことが少しずつ行なわれておったことを、地元の管理団体国分寺町としては当然知り得たであろうと思います。それを今日まで知り得なかったという点につきましては、これは役人としてもまことに自分の責任を怠ったことでございますので、町当局に対しまして、そういうような反省を求めました。直接国と町との間に、職員等の間における上下の関係がございませんので、その事実を申し、反省を求めましたところ、町当局としては、責任者としての職員にしかるべき措置を講じたように伺っております。そのしかるべき措置がはたして適当であったかどうかという点については考え方もございますが、とった措置に対してもなおかつ私のほうとしましては重ねての反省を求める助言はいたしております。  それから私ども文化財保護委員会といたしましては、全国的にこういう管理団体がございまして、それに一々書面等で指導をするということはあまりございませんが、主管課長会議であるとか、あるいは文化財の担当者の会議であるとか、その他おりに触れ機に応じまして指導もいたしておりましたが、それでもこういう事態が起こりましたので、文化財保護委員会としても非常に相すまない事態を起こしたということで責任は感じておりますが、直接職員を懲戒にするとかどうとかいったようなことは今日までいたしてはおりませんが、十分事務局職員に反省を求め、私をはじめ今後こういうことの起こらないように、大いに自粛自戒を誓っておる次第でございます。
  40. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 その点はわかりました。  そこで、この問題の起こった国分寺町の星野という町長さんは、たまたま現在あすこにある国分寺の住職でもあり、かつ文化財保護には単に町長ということだけではなく、なる前から非常に関心を持っておいでの方であって、前には私設の、自分の境内に発掘したものを陳列しておって、現在ではこれが町のそういうような遺物の展示場というか展覧会場のようなものがつくってあります。そういうように非常に熱心な方であって、そういうところでなおかつこういうように知らずにいたというようなことが起こることは、ちょっとふしぎなくらいの感じがするのですけれども、とにかくこういう町長のところですらこういうことが起こるとなると、これは全国的にはそんな関心のない町長さんも多いので、文化財保護というような専門的な問題になりますと、深いことはわからないということから、非常にこの心配が強くなるわけですけれども、その点から、やはりいまのお話にありました、所有者なりあるいは管理団体に対する文化財保護委員会としての平生における一般的PRの不足、あるいは具体的な指導監督の配慮に相当欠けておるところがあるのではないかと思うわけです。という意味は、私は、現在構成をしておる人々が怠慢であるという言い方よりも、もっと根本的な欠陥があるのではないか、あるいは予算措置の点でも欠陥があるのではないか、そういうようなことを心配をするわけです。  そこで一応お尋ねしたいわけですが、この国分寺が史跡として正式に指定されたのは、正確にいうといつですか。
  41. 宮地茂

    ○宮地政府委員 大正十一年十月十二日に史跡に指定されまして、翌年の大正十二年十二月十三日に、管理団体として当時の国分寺町を指定いたしております。
  42. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 そのときは戦前のことですが、根拠法規は何であったのですか。
  43. 宮地茂

    ○宮地政府委員 当時の法律は、史跡名勝天然記念物保存法、たしかそういう名称の法律であったと思います。
  44. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 戦後、御承知のように非常に大きな国の政治上の仕組みの変化があったわけですね。その法律が戦後、現在の保護法に変わったと思うのですが、そして変わってからあらためて前の法律での指定地域を受け継いだと思うのですが、新しい法律になった際に、あらためて史跡の確認をし、管理保護の具体的指導というようなことがされておりますか。
  45. 宮地茂

    ○宮地政府委員 これは昭和二十五年に議員立法で現在の文化財保護法ができました。そのときに法律趣旨徹底の会議を開いておりまして、そのときに従来のそういうものは今後も引き継いで管理団体になるのだといったような指導をいたしておりますけれども、ただ管理だけにつきましてとりわけというようなことはいたしておりません。しかし都道府県の文化財所管課長会議あるいは史跡等専門職員の会合、講習といったようなものを毎年いたしておりますので、そういった事項の指導は特別に書類ではいたしておりませんが、一般の担当者にはわかってもらいたいと思われる指導はいたしてまいりました。
  46. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 ただいまいろいろ会合等の機会趣旨徹底をはかったというお話ですが、町当局に聞いてみますと、戦後正式に、現在の町制というような形になってから、あなたの町にはこことここが指定になっていますよというきちっとした地図を添えた確認とか、これについてこうだというような管理指導の正式な通牒なり文書なりといったものはきておらないらしいのでございますが、やはりそういうことか全国的に一たんきちっと行なわれませんと、戦前から戦後にいつの間にか受け継いだようなかっこうで担当者の会議等をやりましても、それではたして徹底したかしないかも、きちっと認めることがないとなると、これはいまきわめて全国的に不安定な状態にあるのじゃないかということを、この国分寺の問題から痛感するわけです。これはきちっと確認をして、管理の責任はこうだということを周知徹底させる必要がないのかどうか。お役所は文書等を出すことが非常にお好きのようですが、こういう点できちっとした文書が出ていないのはおかしいと思うのです。
  47. 宮地茂

    ○宮地政府委員 多少おそきに失したうらみがございますが、今年三十八年度末までにいわゆる史跡の指定地域図という地図を作成することになって、目下作成中でございますので、来年度早々には各府県等にも配付できると思います。
  48. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 ただいまのお話を聞いてやや愁眉を開きましたが、ひとつそれを徹底的にきちっとおやりになるようにお願いしたい。  次に、それと関連しまして、さっきもちょっと申し上げましたが、当事者が幾ら一生懸命になっても、全体としての機構なりあるいは財政的裏づけなりがないと非常に徹底を欠くのじゃないかと思います。たとえば公有地の場合もそうですが、民有地の場合現状変更ができない。これはそうでなければなりませんが、今日のように地価も変動するし、あるいは遺産相続をするときに相当の税がとられるというような個々の事情が起こると思いますが、そういう際に現状変更ができないという一点ばりでは、これは事実その所有者が史跡に指定されてかえって非常に迷惑をこうむるというようなことも起こるでありましょうし、またその管理を委託された公有地、国有地のような場合でも、町当局としてもそれに対していろいろ補償措置というものがないと、事実その管理業務が執行できないというようなことにもなるのじゃないかと思いますが、そういう点について具体的に、たとえば民有地の場合、あるいは町のようなところが管理する場合に、手当の措置とか免税の措置とか、その他そういう保護補償についてどのようなことが現在実施されており、それで十分と思うかどうか、将来こうしなければならないというようなお考えがあれば、そういう点についてお伺いしたいと思います。
  49. 宮地茂

    ○宮地政府委員 一般に史跡名勝、天然記念物、こういったようなものが直接指定をされております場合、その建物とその敷地は非課税の措置法律上なっております。それからそうではなくて、史跡地が非常に広く、その中に指定された建物や敷地がある、そうなりますと、建物敷地以外の指定地域は法律的には非課税になりません。しかし法律趣旨をくんで、それと同じような扱いをするようにという通達を自治省の事務次官から公共団体のほうに出してもらっております。したがって減税措置——免になっておるところにも若干あるのでありますが、ほとんど全部が何がしかの減税をされております。したがって、一般に美術工芸品等の国宝、重要文化財を持っておる人は、その骨とう的価値にプラスして経済的価値がございますので、非常に所有者は大事にするのでありますが、そうではない史跡等につきましては、非常にこれを迷惑がるわけであります。しかしながら、国といたしましては、法律的にも行政指導も、一般土地建物の所有者と違った優遇措置を講じてあるわけであります。しかし、それにいたしましても、自分の土地であり自分の家である、それを、史跡指定地だからといってあまりぐずぐず言われるのは、所有者としても所有権の侵害じゃないかといったようなことをよく言う方もございます。その点につきましては、法律でも国宝、重要文化財の重要性はもちもろんであるが、文化財保護行政をやる場合に、国としては所有者の所有権その他財産権を大いに尊重しなさい、それから公共事業等の場合は、なおさらこの文化財保護との調整をはかれというような法律規定もございますので、私のほうといたしましてはそういうような趣旨に基づきまして、税法上あるいは税の扱い上行政指導等で恩典を与えてはおりますけれども現実に現状変更をする場合等におきましては、所有者の所有権、財産権というものを相当高度に尊重しておるわけでございます。具体的に申しますれば、現状変更の場合に、軽微なものでさして支障がなければ直ちに認可をいたしております。正式に届けてきさえすればできる限り許可いたしております。しかしながらそこに地下遺構がある、そこに大きなボーリングをやって大きなくいを打ち込んでビルを建てるんだというときは、地下遺構がこわされますので、そういうときにはできる限りそこを避けてやるように、しかしながらそれを避けるといっても、それが道路の続きであったりするような場合には、避けるに避けらないわけでございますが、そういうような場合には、それが文化財保護行政上それに類似した文化財は他にある、かけがえのない唯一のものではないというようなことでありますれば、発掘調査をいたしましてその現状変更を許すといったようなことで、ただ一般論として史跡等を持っておるのは迷惑だ、宝の持ちぐされだ、文化財保護委員会に言いさえすれば何でも反対するんだということが、どうも世の中の常識として流布されておるように私ども聞きますのは、非常に遺憾なことだと思います。しかし実情はそうではございません。以上私が申し述べましたような考え方で進んでおりますし、実情もそのようになっておろうかと思います。
  50. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 結論的に現状でいいとお考えなのか、まだ足りないとお考えなのかという点がはっきりしなかったのですが、その点はいかがですか。
  51. 宮地茂

    ○宮地政府委員 現状で必ずしも私どもは満足いたしておりません。まだまだ文化財保護行政に努力もしなければいけませんし、その努力は行政上の問題、財政上の問題、いろいろ努力をしなければならないものは多いということを痛感いたしております。決して現状で満足はいたしておりません。
  52. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 それでは、いまは主として民有のことをお話になっていたと思いますが、いま国分寺町のように、地方自治体がある程度の管理、指導の委託を受けるといいますか、そういった場合に、それを維持するための国からの補助といいますか、そういったものはどうなんですか、
  53. 宮地茂

    ○宮地政府委員 管理団体といたしましては、その土地を管理する責任がございます。その具体的な方法といたしましては、まずこの範囲内は、史跡なら史跡に指定された土地であるということをやはりわかるようにしておく必要がございます。したがいまして、狭い場所であればさくを張るとか、あるいは説明板、標識板をつくるとか、あるいは荒蕪地にならないように草を刈るとか、いろいろな方法があろうかと思います。したがってそういったような管理的な経費につきましては、国は原則として半額を補助いたしておるのでございます。ただ管理者といたしましては、管理人のいわゆる人件費補助してくれといったようなお話がございますが、人件費補助いたしておりません。先ほど申しましたようないろいろな管理上必要な金のかかるような措置につきましては、私どもも指導しますし、半額の補助をいたしております。それからたとえば史跡にもいろいろ多うございますが、お城などのような場合、石垣がこわれたとかあるいは堀が埋もれるなどというようなときには、石垣の修理費とか、こういうような補助をいたしております。
  54. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 原則として半額補助をする、施設等をする場合に人件費は見ていないということですが、事実そういう史跡の管理を委託された市町村よりその補助の申請が出て、相当に支出をしていますか。
  55. 宮地茂

    ○宮地政府委員 これは先ほど長谷川委員からも指摘がございましたが、文化財保護法を十分に承知し、管理者としての責任を感じてやっておられる管理団体と、そうでなくて、ことばは悪いですが上すべりな、名目上の管理者であり、名目的な管理をやっておられるような団体もございます。いろいろございます。したがいまして私のほうは一々個々の管理者、末端の市町村全体に直接申し上げることはできませんので、都道府県の教育委員会を通じて全国のそういう希望を把握いたしております。調査をする場合も都道府県の教育委員会にお願いして、管内の市町村の調査をしてもらって報告を徴しております。そういうような関係で、先ほど申しましたような管理者の心がまえと申しましょうか、それに種々ございますので、熱心なところは、十分こういう措置をしたい、ついては補助金ももらいたいというふうに言ってきております。そういうところへは、予算はあまり多くございませんが、大体の希望は満たされております。国分寺の例をとりますと、どういうことでございますか、国分寺のほうからは東京都を通じましても一回も最近までそういう御要望がなかったわけでございます。何か済んだことに対するぐちのようで恐縮でございますが、今回のような場合でも、私どもの感じといたしましては、国分寺の町は東京都に言い、東京都は私どものほうにそういった説明板、標識その他いろいろ管理上の相談をなぜしかけてくださらなかったのであろうか、そのくらいの経費なら私のほうでも御相談にも乗れるし、今日のように二十軒近くの家が建たなくて済んだのじゃなかろうかというような気持ちもいたしておる次第でございます。
  56. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 国分寺だけいま問題になっておるのですね。東京都の国分寺町の件だけですと、いまおっしゃったように、そのくらいのことはやれただろうとおっしゃるのですが、非常に矛盾したことになりますが、文化財保護委員会としては、そういう管理団体が非常に熱心になることが望ましい、ところがただいまお話のように、もし熱心になってみんな半額を要求してきたら、おそらく今度は全然お困りになるのが実情じゃないか、こういう気もいたすのです。たまたま不熱心であるかあるいはもうとても出してもきっこないからとあきらめているかどちらかで、ようやくつじつまが合っているというのが現状じゃないか。それは国分寺の今回問題になったところろだけは金額ではたいしたことはない、そこ一件ならば現在でもやれるとおっしゃるかもしれませんけれども、私は一般論としてはそうではないのじゃないかと思う。こういう点でもまだ十分遠慮なさらずに要求をしなければならない、もっと予算も充実しなければならない面があるのじゃないか、そういう点についてむしろさらに御奮起を要望したいわけであります。  また史跡でなく文化財特別保護建造物であるとか国宝あるいは重要文化財、こういったものについて、現にこの国分寺の、かつて国宝であって、その後重要文化財になったのですか、あるわけですが、その補修について再三再四申請しても一向音さたがなかった、そういうようなことも聞いておるのです。これは私、事実かどうか、話ですから……。そうゆうことからとうていこういうものは出したところで、原則としてはたてまえになっておっても、とても半額くるなどということは町では考えられない、こういうようなところからあきらめているのではないか。もしそうでなければ幸いですが、私はそういう感じがするのです。そうでないのだったら半額は負担するのだということを全国のそういうところにもう一回通牒でも出して周知徹底してごらんなさい。おそらくざっと殺到してお困りになるのじゃないか、こういう気もするのですけれども、これは質問でなしに、ひとつそういう点ではさらに十分な整備をしていただきたい、こう思います。  そこで、ちょっと角度を変えますが、もう一つ、今度のような事件が起こり、これがまた全国的にも起こり得る可能性がある原因の一つは、いわゆる縦割り行政の弊といいますか、そういうところにあるのではないかと思うのです。たとえば土地の転用を認めるのは、その町の農地委員会が審議して、都知事に申請して都知事がこれをやる。それから、土地の登記を行なう東京法務局の府中出張所というものは、これはそれなりに登記のことをやる。それから建築許可の申請に対しては、これを認める東京都の関係の窓口は、それはそれでまた業務を行なう。今回その史跡の上に分譲住宅が建って、人が住んでしまっている。そこまでいくうちに書類上は全部関門はパスしているわけです。こういうところに非常にこの縦割り行政のためのミスがあると私は思うのです。したがって、こういう欠陥を補うために、たとえば土地台帳に史跡指定の場合には赤紙を張っおくとか、何らかのしるしをつけるとか、あるいは史跡指定の地図をおつくりになるというお話がさっきありましたので安心しましたけれども、どこが史跡だといってもわからないようなところが多いわけですから、そういう地図をしっかりそれぞれの窓口にきちっとわかるように配付しておくとか、いろいろそういうチェックする体制というものが必要だと思いますが、その点いかがですか。
  57. 宮地茂

    ○宮地政府委員 ただいまの御意見はまことに私どももそのとおりに痛感しておる次第でございます。言いわけではございませんが、一例を申し上げますと、国の場合、いろいろ各省庁がそれぞれの行政を担当しております。そういうようなことで、縦割りの現状では、たとえば農林省はいいと言っても、文部省のほうへ尋ねられれば、文部省としてはまた手続をしてもらわなければならないといったような事項も多いわけでございます。したがって、文化財保護に関する関係省庁間の連絡強化について昭和三十二年に閣議了解をしていただきました。それに基づきまして私のほうは具体的にそういうことをやっておるわけでございますが、ただ口頭でお互いに連絡するだけでも困りますので、二、三の例を申しますと、たとえば文化財の保護と鉱業の調整に関する覚書とか、都市公園行政と文化財保護行政に関する覚書、自然公園法についての覚書、農地法施行令第十四条第六号の運用に関する覚書、新住宅市街地開発法の運用についての覚書といったように、その他にもございますが、具体的に各省庁間と文化財のほうで覚え書きも交換して縦割り行政の弊をなくするように中央官庁ではできる限りの努力をしておるわけです。都道府県にもこういう趣旨のことを申しまして、ある部局だけの縦割り行政というものを取って、国に準じたような形で文化財保護行政をやっていただきたいという趣旨は書面でも流しておりますが、そのように指導いたしておったわけでございます。しかしながら、今回の国分寺の例をとりますと、町自身が、建築のほうは町なり都を通って許可する、あるいは水道、道路というものは町自身も承知しておるわけですが、史跡地内に堂々と水道や道路が敷かれてある。ですから、国と同じような横の連絡が保たれておったら決して今日のような事件は起きなかったと思っております。したがいまして、重ねてそういったことを、国分寺町にはもちろん申しましたが、全国的にそういう趣旨の徹底の通達を一両日前に出したところでございますが、長谷川委員のおっしゃいます趣旨はごもっともでございますので、従来そういうことをやってはおりましたが、今後とも一そう趣旨の徹底につとめたいというふうに考えております。
  58. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 いろいろ御質問申し上げましたが、これらを総合しまして、現在の文化財保護法をさらにいろいろこういう起こっておる事態とにらみ合わせて、今後の措置についても、あるいはいまの縦割り行政ということを完全になくするという意味で、いろんな面を実情に合わせて考慮し、再検討して、さらにこの法律整備改正といいますか、充実させる、こういうようなお考えはありませんか。
  59. 宮地茂

    ○宮地政府委員 文化財保護法は先ほども申しましたが、終戦後法隆寺が焼けたのを機会に、国会において議員さん方が中心になられてつくられた法律でございます。したがいまして戦前にありましたようないろんな文化財保護に関する法律を統合いたしまして、また戦前のそういう法律の欠陥等も是正すべく当時としては画期的な法律ができ上がったと思っております。しかしその後十四、五年もたった現在、また御指摘のようないろんな事態も起こっております。したがいましていま御指摘の事項だけに限りませんで、その他若干こういうふうにしたらいいじゃなかろうか、こういうふうにすべきではなかろうかといったような考えもございまして、数年前から関係各省との間でも御連絡をいたしております。したがいましていますぐ文化財保護法を直すといったようなことは、私、一存で申し上げるのはいかがかと思いますが、大勢はそのような考え方で進んでおります。
  60. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 この前の質問のときに冒頭にも申し上げたとおり、今日日本全土にわたって国土の開発をめぐり大きな変貌を来たしておるときですから、この際そういう必要があるとすれば、十分腰を据えた討議をすみやかに起こして、さらに整備充実を行なうことが必要であると思うので、強く御要望申し上げておきます。  それからもう一つ、これは時間がありませんから、ごくはしょって質問申し上げますが、あの国分寺の史跡に指定されておる土地の中に、史跡のために国が買い上げた国有地のほかに、従来の関係で部分的に国有地がある。その国有地土地会社がまた買おうとしておるのか、あるいは大蔵省の管財が売ろうとしておるのか、それを売り急いで、住民に境界線確認の判を求めておるということを聞いておる。これは、史跡に指定された国有地を大蔵省の管財のほうではこれを早く民間に払い下げようとしておるということになりますと、ますますおかしな事態だと思いますが、そういう事実を聞いておりますか。
  61. 宮地茂

    ○宮地政府委員 いまの問題、私、直接は承知しておりませんが、何かごくわずかな地域が、いわゆる文化財の行政財産でなくて、大蔵省の直接持っております普通財産の土地が、今回西院の西南端に十数軒の家が無断でつくられましたが、そのあたりにわずかの土地があるようでございます。直接にその問題は私聞いておりません。
  62. 久野忠治

    久野委員長 関連質問の要求がありますので、これを許します。中村庸一郎君。
  63. 中村庸一郎

    ○中村(庸)委員 時間が迫っておりますので、簡単に関連して……。  ただいま、史跡並びに文化財の保護管理についての御質疑がございましたが、史跡指定に対する保護の面で減税とか免税の措置をとるという答弁がありました。これは非常にけっこうなことだと思うのですが、現在でも文化財に対しては、保護委員会を開いて指定しておられますね。まだ相当な数が隠れているだろうと思うが、こういう面に対する保護管理ということには全く手が届かぬのです。そういう面の保護管理をしまするには——文化財に指定されますと、一番困った問題は相続税問題である。相続はみな均等相続でありますから、なるべく文化財に指定されないように隠しておこうという考え方が強いと思う。文化財保護委員会ではそれを見出して会議を開いて指定される。持ってこいという命令が下るのです。そうして会議を開いて指定されておりますが、これは相当なものがあるだろうと思う。こういう面に対する保護管理——民間人が持っておるものでまだ文化財に指定されないけれども、十分指定さるべきものであるというような見通しなり、調査なりありますかどうか、承りたい。
  64. 宮地茂

    ○宮地政府委員 これは建造物、美術工芸品のような、いわゆる文化財保護委員会が指定します場合は、国宝、重要文化財に該当するもの、それから史跡名勝天然記念物に該当するようなものは、私どものほうの専門の職員あるいは文化財研究所の職員国立博物館の職員、こういったような人々の間で日ごろから指定品以外の調査はいたしております。しかし中には書類等で見て所有者に調査をさせていただきたいというような場合に、所有者は文化財委員会の職員がそれを調査することにいろいろな意味で賛成なさらないというような問題がございます。したがいまして、文化財保護という場合に一番大きな要素になりますのは、法律規定に従って指定をするということが保護ということを実現する場合の大きなよりどころになるであろうというふうに考えまして、従来から毎年若干の指定をいたしておりますが、これは先ほど言いましたような、日ごろかららの調査に基づいて指定をしておるわけでござます。ただ中村先生のおっしゃいます美術工芸品等になりますと、これは所有者が自分の家の蔵の奥深くにしまっておりますと、場合によりましてはどうにもならないといったような場合もございまして、こちらに気持ちはあってもそれが意に満たない場合もあろうかと思いますが、考え方といたしましては、民間の方々が持っておられるものをできる限り調査して指定すべきものは指定をしていくという態度で進んでおるわけでございます。
  65. 中村庸一郎

    ○中村(庸)委員 現在わが国の最も大切なものは、日本の特殊な文化を世界に誇るということだろうと思う。また、この文化によってわが日本民族に教養を与え、発展させていく基礎としなければならぬと私は考えておる。この美術工芸品などというものは、まだたくさん民間に所蔵されておると思うのですが、こういうものに対する保護管理というものが行なわれておらないと申し上げてもいいと思う。重要文化財に指定をしますれば、もう何ら心配はないので——何ら心配はないということばはあれですが、保護管理の面に行き届かない点があるのであります。一般に、文化財がたくさん民間にありますが、保存されておる文化財が指定をされると困るという気持ちを持つというのは、これは相続税問題がからまってくるからであります。少なくとも重要文化財に指定されたものは相続税を免除するというくらいの法的な措置を必要とするだろうと思うのであります。また長い間文化財を大切に保存してきた所有者の精神的、物質的な努力というものもたいへんなものでありますから、そういうふうにして文化財を保護していかれたらどうか、またわれわれの希望としても、ぜひそうしてほしいと考えるのであります。これに対して文化財保護委の事務局長としてどういうふうに考えられるか、突然の関連質問でありますので、お考えだけを承っておけばたいへんしあわせだと存じます。
  66. 宮地茂

    ○宮地政府委員 中村先生のおっしゃいましたのは、主として美術工芸品等の相続についてであろうと思いますが、御趣旨はもちろん私どもも同様に感じておりまして、数年来大蔵省等とも税法の改正があるたびにいろいろな問題を協議しておる中の一つの大きい問題は、いま御指摘の問題でございます。ただ私どもの立場としては非常にけっこうだと思うのでございますが、財政当局といたしますれば、国宝なり重要文化財に指定されました美術工芸品等は、一方においては骨とう的な価値を持ち、それが経済的に相当な価値を持っておる。したがって他の品物と同じように自由に売買をされる、もちろん外国へ輸出をするときに限りまして許可を要するようにはなっておりますが、国内で売買をされる場合には規定はございますものの、原則としては自由に、また値段も自由につけられて売買されておる。したがって、そういったようなことを本来の職業としておる、いわゆる美術商等もあるわけでございます。そういうような観点から——文化財という面からはもちろん趣旨はわかりますが、一方においてそれか経済的な価値を持って売買される、商行為としていろいろなことがなされるという場合には、文化財という考え方もさることながら、それは違った観点で商行為が行なわれておる、そういったような観点からは財政当局として難色を示しておるようでございますか、私どもとしましては、中村先生と同じような気持ちを持っておりますので、でき得べくんば近い将来に、一番いいのは相続税等の非課税でしょうか、せめて減免等ができるように努力をいたしたいと思っております。
  67. 中村庸一郎

    ○中村(庸)委員 また機会がありましょうと思いますが、どうか一般に隠れておりまする文化財をどんどん表へ出してもらうという面からいきましても、相続税免除の法的対策を講じていただきたいとお願い申し上げます。商行為その他いろいろありまするが、しかしこれは限られたる範囲でありまするから、どうかそういうことを希望いたしまして、関連質問を終わります。
  68. 久野忠治

    久野委員長 質疑を継続いたします。長谷川正三君。
  69. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 途中で関連質問になりましたが、先ほどのことに関連してあと一、二お尋ねいたします。  一つは、先ほど申し上げた小さい国有地について、そこがまた売り払われるというような心配があるということを住民の方々が言っております。私電話で聞いたところでは、関東管財ではいま直ちに売るという考えはないようなお答えでしたけれども、この点は十分調査して、その国有地を一方では史跡指定で大問題としておるときに、片方の役所がこれを民間に払い下げるというようなばかなことが起こらないように、その辺をひとつきちっとしていただきたい。  それからもう一つは、すでに建っておる住民の方々が、これが史跡で、違反だというような形になって、このまま住んでいられるのかどうか非常に不安を持っておる。ですから、これについてはすみやかにきちっとした処置をとって、何らかの形でその方向づけをやってほしい。  それから最後に、あの国分寺地区につきましては、先ほどもお話がありましたが、国分与としてはかなり完全に下の遺跡の残っておる全国的にも価値のある場所と聞いております。文化財保護委員会としては、町がその土地を買い上げないのだというお話もあったやに聞いておるのでありますけれども、貧弱な町でそういう膨大な土地を買うということはできっこありませんが、これは国なりあるいは東京都の公園課等がなるべく緑地を残すというような意味もあって、三多摩地区には公園を指定するということもあろうと思いますから、そういうことと関連して、この土地をしっかり公園なら公園とし、さらにこの中に全国の国分寺の資料を集める博物館をつくるというような構想でいけば、完全にここが保護されるのではないかという感じも持つわけでありますが、こういう点について、実はけさの朝日にこういう記事が出ております。百万円をかけてこの国分寺跡について発掘調査をする文化財保護委員会の補助を得たという記事でございますが、このことについて触れた御答弁が何らございませんでしたが、いまの国分寺問題を最終的にどういうふうに落ちつけていくか、前向きの発展的な方向で、文化財保護という立場でどういうふうに整備し、処置をしていくか、こういう点についていま私が申し上げたようなお考えがあるかないか、そういう点についてお伺いいたします。
  70. 宮地茂

    ○宮地政府委員 第一点の国有地の民間への払い下げの点でございますが、私どもといたしましては、むしろ現在の私有地になっておるところであっても、何らかの形で公共団体なり国なり、いわゆる公有化をはかりたいというふうに考えておりますので、それに逆行するような国有地の払い下げということは全然考えに反すると思います。したがいまして、事情をよく調査いたしまして、大蔵省にも相談いたしまして、かりにその話がどこまで進んでおるか存じませんが、できる限りそういうことの起こらないようにさっそくきょうにでも大蔵省と相談してみたいと思っております。  それから第二番目の無断で現状変更をした人であっても、現実に家を建てておる、その人々が非常に不安におびえておるが、ケリをつけてやれというお話のようでございますが、私のほうでもいまこの問題について総合的な結論を出すべく努力いたしておりますので、できる限り早い機会に、やむを得ないということになれば、現状変更許可申請を出させて、事後承認になりますが、許可をするのも一つの方法かと思います。きわめて悪質なものであれば立ちのきを命ずるのも一つの方法かと思いますが、いずれにせよ総合的に判断をいたしまして一括処理いたしたいと思っております。  それから最後におっしゃいました現在の場所をどのように今後やっていくのかというお話でございますが、御指摘のように、町当局にこれを公有化したらどうだという話をいたしたのは事実でございます。同時に東京都の関係者を呼びまして——ここは全部で二万八千坪ばかりあります。東京周辺のことでございますので、時価も相当高うございます。したがって国といたしましては、平城宮趾のような非常に全国的な問題で、国民の何人も御納得のいただけるような場所は国が買収をするけれども、そうでない国分寺のような場合は、できれば東京都あるいは国分寺町なりが公有化していただくのがいいんじゃないか、そういうことで、都と国分寺の町に話をいたしておるのは事実でございます。しかしその場合国といたしましては、先ほど申しましたように、半額の補助はいたしたいと思っております。ただ国分寺の町が国なり東京都から補助金をもらっても買えないほど大きな予算になるのか、あるいはそういうことであれば都が買って国なり国分寺町なりがそれに応援するという形になるのがいいのか、これは関係者と相談をいたしておりますので、しばらくその結論はお待ちいただきたいと思います。  それから発掘調査につきましては、先生現場をごらんになったかとも思いますが、私も参りまして、しろうと目にも、ここはいまのうちに調査しておかないとぐあいが悪いのではなかろうかというふうに感じられる場所がございます。西院のあともしかりでございますが、特に塔あとあたりに道路がつくられかかっております。そういったような場所は早急に調査をする必要があろう。それから建物が柱だけ建って、まだ人が住める形になってない建築中のものもございます。したがってそういうような場所等も、これはかりに現状変更を許すとしましても、早く調査をして、それから建てさせたほうがいいんじゃないかと思います。そういうことで、この調査を専門家に委嘱いたしまして、できればこの年度内、三月中にでも着手いたしたいと思って、いま関係者と寄り寄り相談をしておる段階でございます。  結論的に申しますれば、こういう史跡等が荒らされたりしますのは、要するにそこが史跡であるかどうかよくわからない、住民の人が見ても、そんなにきれいでもないというようなことでいろいろな問題が起ころうかと思いますので、管理団体としての法律的な自粛自戒もさることながら、これに並行いたしまして、愛される史跡、きれいな史跡というふうにいたしたい、今回の事件を契機に、災いを転じて将来福とするような措置を講じていきたいというふうに考えております。
  71. 久野忠治

    久野委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。落合寛茂君。
  72. 落合寛茂

    ○落合委員 時間がありませんから、個条的に一問一答で局長さんにお願いいたしますが、文化財の問題に手をつける場合に、その周辺の意見というようなものを委員会はお聞きになることがあるのですか。
  73. 宮地茂

    ○宮地政府委員 御質問が抽象的でありますので、具体的な問題としてお答えいたしたいと思いますが、おっしゃいます点は、史跡等に指定したり、あるいは現状変更したり、そういった法律行為をやる場合に、文化財保護委員会は、申請者だけの意見ではなくて、関係者意見を聞くかという意味と存じますが、従来からも十分関係者意見等はそんたくしてやっております。今後もそのように考えております。
  74. 落合寛茂

    ○落合委員 そういう場合に、そこの建築物なりが指定されていた場合に、その周辺というものがその建物によって指定されているわけなんですか。どうなんでしょうか。国宝なら国宝の建築物がありまして、その周辺に山林があったりいろいろしますが、そういう場合にはその周辺も入るわけなんですか。
  75. 宮地茂

    ○宮地政府委員 非常に恐縮ですが、どうも御質問意味がよくわからないので、私なりに了解したようにお答えいたしますが、史跡とか名勝等でございますと、何町の何番地というふうに地域を指定いたします。それから建物を国宝とか重要文化財にいたします場合には、たとえば中尊寺金色堂というふうに指定をいたしますば、金色堂と、その金色堂の建てられておる敷地といいますか、法律的には何か屋根の雨だれの下というふうに解釈されるそうでございますが、あまり私詳しいことは存じませんけれども建物の場合と史跡の場合に例をとりましたが、そのようにいたしております。したがって、国宝なり重要文化財として何々寺の本堂なら本堂というふうにいたしました場合には、その周辺は一応国宝、重要文化財には入らないというふうに考えます。しかし、、史跡というのがかぶさってやってあります場合には、史跡地内ということになります。
  76. 落合寛茂

    ○落合委員 そういたしますと、私実例ををとってお聞きするのですが、近江の比叡山が四、五年来観光ブームに乗りまして非常に手を加えられまして、そしてほとんど山が削られて、御承知のように遠くから見ても赤はだが出まして、昔の尊厳な比叡山から転落したような風景になってしまったのですが、あそこには保護建造物がたくさんありますが、あそこに手を加えてああいうふうに変貌された。そのときに保護委員会は全然それに対して御関係がなかったわけなんでございますか。
  77. 宮地茂

    ○宮地政府委員 比叡山の問題でございますが、比叡山の延暦寺にはいろいろ建物として国宝、重要文化財に指定されたものもございますが、あのあたり一体はいわゆる史跡と同時に鳥類等の繁殖地ということで天然記念物の指定をいたしております。したがいまして、この問題は現状変更ということであれば、私のほうの文化財保護委員会の所管でもありますし、いま先生がおっしゃいました点は、十分承知いたしております。
  78. 落合寛茂

    ○落合委員 そうすると、あの地域に道路をつけたりいろいろに変更なさった場合に、文化財保護委員会は許可を与えたという形ですか、あるいは黙認という形ですか。
  79. 宮地茂

    ○宮地政府委員 現在根本中堂のところまで、これは四、五年前につくられた自動車道路がございますが、これは文化財保護委員会としては、指定地域内の場所は現状変更を許可して現在のようになっておるわけでございます。
  80. 落合寛茂

    ○落合委員 そうすると、先ほどのお答えとちょっと違うのですが、文化財保護委員会としてあの山全体を管理されるというか、文化財保護委員会の許可その他がなければ変更はできないというたてまえなんでございますか。
  81. 宮地茂

    ○宮地政府委員 先ほどから申しておるとおりでございまして、史跡名勝天然記念物に指定されております場所が非常に多うございますので、その地域内で現状変更がある場合、これは数年前にできました道路もそうでございますが、近く琵琶湖大橋のほうにドライブウェーをつくりたいというような場合、これは私のほうから許すとすればもちろん現状変更の許可をする事項であります。
  82. 落合寛茂

    ○落合委員 実は問題はそこなんでありまして、比叡山は御承知のように天台宗の総本山でありまして、千年の歴史を持ち、いわば魂の安息所として幽邃な霊山としていままで保存されてきたわけであります。ところが本山当局が単独にああいう計画をしまして、そうして一部資本家の観光ブームの事業の片棒をかついだような形で実はああいう施設をした。御承知のように、心ある者はあれに対してみな批判をいたしておる現状であります。それをお許しになったのが文化財保護委員会である。私そこに議論があるのでありまして、あの山を一片の観光地にしてしまうならとにかく、山の性格としても一宗三千の宗徒にとりましてこれは非常に捨て置けない問題であります。ところがさらに今回は琵琶湖のびわの握りこぶしで一番狭いところでありますが、十三町あるのだそうでありますが、あそこに橋をかけて、これは交通の便利の橋じゃない。東海道のあの辺から分かれまして、そうしてあそこに橋をかけて、それを延長してさらに奥比叡山の横川の霊地に再びドライブウエーをつけて、そして今度は完全に全山を観光地の形に塗り変えてしまう。これは私ばかりではございません。一宗宗徒がこぞってこれは反対しておるのでありまして、観光もけっここうでありますが問題は、本来ならばそういうことをまず勧告しなければならない保護委員会が、あえてそういうことをなさるという根拠をひとつお尋ねいたしたい。
  83. 宮地茂

    ○宮地政府委員 落合先生のおっしゃいます点、根本中堂までの四、五年前に許しました道路のことなのか、これから計画しております道路のことなのか、御質問の過程で私、はっきりつかみにくいのでございますが、いま計画いたしております琵琶湖大橋を経て名神道路につながります。そこの地点に、横川、西塔を通ってくるドライブウエー、これは現状変更の許可申請は数日前に出ておりますが、まだ文化財保護委員会といたしましてはそれにはっきりした態度は示しておりません。現状はそういうことですが、基本的な考え方を申しますと、史跡地内、こういうところに現状変更をしよう、特に道路をつくります場合、これは東京都内にもいろいろハイウエー等ができまして、御承知のようにお掘の近くにいろんな道路がつくられつつあります。こういったような公共的な事業がなされます場合に、文化財保護委員会としましては、文化財だけという考え方でいきますれば、こういうようなことはされないで、昔からのままの姿が永久に保存されることが望ましいのは言うまでもございません。しかしながら世の中が進んでいき、開発も行なわれる、都市も膨張していくというようなことになりますと、国民生活上いろいろ公共事業が行なわれざるを得ない。そういった場合に、文化財だけの立場から、だめだだめだというようなことは真の行政ではなかろう、したがって法律にもそういう点は、文化財の保護と公共の問題は十分調和がとれるようにつとめなければならないという規定もございます。したがいまして私どもといたしましては、できることならばつくらないほうが望ましいのですが、公共的なそういう場合には、文化財保護上最小限度の変更で済まされるようにいろいろ御相談もし、文化財保護と公共事業がうまく調和がとれるように努力しておるのが実情でございます。何か文化財保護委員会がこういう問題に勧告すべきにもかかわらず、かってに許す法律根拠はというようなお話でございますが、それは史跡等の現状変更をいってきた場合にこれを許可するかしないかは文化財保護委員会の権限でございます。許可する場合には、また許可しない場合も専門審議会にはかりまして十分慎重に検討して決定するわけでございま。
  84. 落合寛茂

    ○落合委員 とにかくいまどこの山ででも、だんだんにああいうふうに削られて、筑波山あたりも実にひどいものなのです。ですからせめて私どもは、ああいう山くらいは昔のままの形で置きたい。こういう御意思がただいまの説明でもよくおありになるようでありますから、どうかそういうことをお考えくださいまして、保護行政をひとつ行なっていただきたい。これは希望です。
  85. 久野忠治

    久野委員長 次会は来たる十一日午前十時より、岐阜県における教職員問題について、参考人から意見を聴取することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会