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田口(誠)
委員 それでは
山中先生の質問に関連して伺います。
きょうは地元の
議員が三人
文教委員会に出ております。私
どもは地元だけに
内容を具体的に知っておりますから、そういう
内容をここに報告を申し上げ、そして善処していただきたいと思うわけです。特に私は先ほどの
質疑応答を聞いておりまして、朝日
新聞が四段抜き、岐阜日日
新聞が六段抜きというような相当大きな問題として取り上げており、しかも取材者が、この
記事の
内容には
責任を持つのだ、こういうように言っておるものを、ただ
教育委員会なり
教育委員長が来て、そういう事実はありませんということで、その報告を聞いただけで
調査する必要はないという御答弁があったわけです。私は横で聞いておりましたが、いずれにいたしましても、
文部大臣という人格者がお考えになれば、おそらくそういう問題があっても岐阜県の
委員会があるいは
教育長がそういう事実はありませんと言えば、それは信用すべきではないかというきわめて常識的な判断からそういうお答えがあったと思いますので、私は岐阜県の場合はなかなかそういう常識をもって割り切ることはできないのだということを前提に、これから若干申し上げたいと思います。時間も
理事さんからお聞きいたしますると、あまりないようでございますので、私がまとめたものを報告して、
大臣あるいは
局長の御回答をいただきたいと思うわけでございます。
特に私はこの
内容に入ります前に申し上げたいことは、私の報告をいたしますると、
校長とかあるいは教頭が非常に浮び上がって、直接に職員組合の切りくずしの行動をしておるというような
内容になっております。しかし大多数の
校長なり教頭はそういうようなことは全く不本意である、良心的にできないのだという考え方の上に立ちましても、県教委なり地教委なり
PTAなり市町村長などから強い圧力があって、そうして組合員の分断工作をするのやむなきに至っているということをここに明確にしておいて、そうして以下報告を申し上げたいと思います。特に私はこういう問題だけにオーバーに申し上げません。私
どもはほんとうに
調査をした事実に基づいてそれのみ申し上げるわけでございますので、その点も御了承をいただきたいと思います。
なお岐阜県の日教組弾圧の問題は今日始まったものではございません。これは
昭和三十四年の専従制限の問題が出来ましたときから始まりまして今日に至っておりまするが、その当時は職員組合と
当局と交渉をするときには、隠しマイクを机の中に入れて、一人一人の
先生の
発言を聴取して、そうしてその人
たちを不当な差別取り扱いをしようとするような、そういう行動もやっておったという実例があったわけでございます。そういうようなことから今日に至っておりまするが、まことに残念でございまするけれ
ども、当時は一万二千名ほど組合員がおりましたけれ
ども、今日ではその半数にも足らない五千名近いところの組合員に相なっておって、
当局としては組合の分断工作に成功しておるということは言えますけれ
ども、私はこの経過を見て、民主主義を助長されておる今日、まことにあってはならない問題である、かように考えまして、以下申し上げたいと思います。
本来ならば、
昭和三十四年以来のことを申し上げると一番よくわかるのですけれ
ども、時間の
関係上その点は省略をいたしまして、一昨年の八月あたりからのことを、私は文章で縮めてまいりましたので、これを見ながら報告をいたしたいと思います。ちょうど
昭和三十七年の八月でございましたが、岐阜県教組の美濃加茂支部の組織の混乱をはかるという行動が起こされまして、そして第二組合をつくらせるという考え方でいろいろと行動がなされたわけでございます。そこで
校長さんの名前も私はあえて伏せて某
校長と言いまするが、某
校長が岐阜県の可児郡可児町の今渡地区の小料理店に可児の教頭二人を招待して、そうしてごちそう政策を行ない、加茂地区においては県教組に刃向かう者あるいは第二組合を結成することに成功をおさめた者は人事の面で優遇する、したがって可児郡でもそういう点で非常にがんばっておるので、こちらのほうでもひとつ
努力をしてもらいたい、そうして、現在自分の手元にきておるのはこれに同調する人も十二、三名あるのだと言ってうその氏名を発表して、その方向へ持っていこうといたしておるという事実があったわけであります。そうして、ちょうど十月に行なう
学力テストのときにおそらく県教組が何かいろいろと問題を提起してくるであろうから、そのときを動機に県教組加茂支部を全滅させてもらいたい、このときにひとつがんばってもらいたいと言って、
校長が激励訓辞を行なっております。結局以上のような経過をたどって分裂工作が始まりまして、さらに
昭和三十八年の一月九日には教頭会が招集されまして、そして日教組、県教組を脱退するよう加茂支部の執行部に申し入れてはどうかの意見が出されまして、そのときに良心的な教頭
先生は、そういうようなことは行なうべきではないのじゃないか、それはちょっとひどいと言って一応それに反対の意見を述べましたが、残念なことにはそれを押し通すことができず、周囲の圧力と空気によって教頭もまっこうからこれに反対するということができなかったので、不本意ながらもそういうことに
努力することを強く決意いたしたようでございます。それから一月十日でございまするが、緊急
校長会が持たれましたおりに、教頭から決定を支持することをきめましたということを報告しておりますので、この件については形式的ながら教頭の報告を推進するのだということをきめまして分裂工作を進め、相当数の脱退者を出すことに成功いたしたわけでございます。したがって第二組合の組織化については、県教組のオルグ等が入りまして、良心的な
先生方にオルグをいたしまして、大半は居残るということになりましたけれ
ども、そういうような行動がなされたということをここに申し上げておきます。そして特に山間僻地に追いやられるのではないかという、人事の面で
責任を持たないというこのことが
先生方の頭にきまして、
子供を持ったり年寄りを持ったりしておる
先生方は、人事の面で不当な取り扱いをされることをおそれまして、やむを得ない
理由をつけまして脱退をしております。そのときの脱退
理由の
内容は、やむを得ない
理由により脱退をする、こういう
理由で脱退届けを出しております。このような組織分断工作がはかられたのでございますが、これは具体的に申し上げるならば、
校長が一人一人の
先生を呼びつけまして、脱退をしてもらわなければ人事異動のときにはどこに追いやられるか、身分の保障はできない、こういうおどしをかけて脱退の勧誘を行なっております。これらの刺激を受けまして、最初にはこういう問題は本巣郡の某町のほうで第一発をあげることになっておったのでありまするが、某町におきましては一番乗りを加茂、可児地区のほうでやられたいというので、町長さんがたいへん頭にきまして、一番乗りをすることができなかったというので、さっそく四つの
学校の
校長先生を呼びつけて、そして
校長先生に、あなた方は日教組を脱退しなさい、県教組を脱退しなさい、こう言って詰め寄ったわけなんです。ところが、
校長先生は
教職員組合に入っておらないから、私
どもは組合に入っておりません、こう言ったら、まあ、そうかというようなことで、第二の手段としてとられたのは、その夜電報で各
先生を呼びつけ、美濃加茂地区などではこういうような状態で脱退をするようになっておるんだから、
先生方もひとつ脱退をしてもらいたい、そして地元の
学校や自分の
学校に近い
学校につとめさせてもらえないとしても県教組、日教組に批判のあるわけではないことの脱退者については優遇をしてやるというような
内容のことをほのめかして脱退届けを書かした。こういうような非常に常識で考えられないような行動がなされておるような次第でございます。
そこで、私はこういうような問題がありましたので、これはちょうど昨年の三月の内閣
委員会におきまして
文部省設置法の改正のときに、こういうような
内容を申し上げ、荒木
文部大臣にどうなんだと御質問をいたしましたら、まだ聞いておりません。しかし聞いておらないけれ
ども、ただいま
先生のほうから
説明がありましたような
内容が事実とするなれば、それはゆゆしい問題であるから、
文部省としても
調査、助言する必要がある、こういうような答弁があったわけでございます。私はこの答弁はもっともな答弁だと思ったわけでございまするが、ただ私はそのときに、野党でございまするけれ
ども、一
政治家として、岐阜県を恥さらしにしたくないんだ、できるならば県教組が自主防衛という形でこういうようなことを防ぐような行動をしてくれることが一番いいであろうというようなことで、あえて
調査の要求も喚問の要求もせずに今日まで至っておるわけでございまするが、いまから考えてみますれば、そのときにそこまでやっておけばよかった、こう思われるわけでございまするけれ
ども、私はきわめて常識的な態度で一
政治家として県の恥さらしをしたくない、そうして
労働組合というものは自主的に自分
たちの組合員の行動をきめさせる場であるから、これはやはりオルグ等を入れて、こういう暴挙に対処する必要がおるのではないか、こう考えまして、利はあえて
文部省当局に対してそれ以上の要求をしなかったわけでございます。非常にそのことが今日災いになりまして、ただいま
質疑のありましたような
内容が各所に起っております。非常に私はその点を残念に思っておりまするが、ただいま申しました範囲内のことにつきましては、
文部大臣は荒木さんと同様に、これはそういう事実があるというなればゆゆしい問題であり、そうしてこういう県教委なり
教育長に対しては正しい
指導、助言をする必要があるというお考えになるかどうかということを、まずこの辺で伺って、次に移りたいと思います。