○角屋
委員 私は、
自由民主党、
日本社会党及び
民主社会党を代表いたしまして、ただいま
修正議決されました
漁業災害補償法案につきまして、
附帯決議を付すべきであるとの
動議を
提出いたしたいと存じます。
まず、案文を朗読いたします。
漁業災害補償法案(
内閣提出第一二三号)に対する
附帯決議(案)
政府は、
左記事項について、
検討を加え、すみやかにこれが
実現を図るよう努めなければならない。
記
一 両三年中に
政府の保険事業を
実現すること。
二
本法施行前において、
政府の委託に基づき
実施された漁業共済事業の清算の結果、
赤字が生じた場合には、国がその補てんを行ない、漁業共済
団体にこの
赤字を転嫁しないこと。
三 前号の清算事務が完了した場合は、すみやかに任意共済(火災共済、厚生共済)を
本法に基づく共済事業とすること。
四 中小漁業者から共済契約の締結の申込みがあった場合において、当該共済契約を締結することが本事業に悪結果を及ぼすと明確に認められる者のみを締結拒否ができるような
制度とすること。
五 共済掛金の
補助率の
引上げ及び漁業共済
団体の
事務費に対する
補助金の
増額を図るとともに無事故掛金割引を
実施すること。
六 国の保険事業が
実施されるまでの間において漁業共済
団体の共済金の支払及び漁業共済基金の貸付金に不足を生じたときは、国の財政で措置すること。
七 不漁準備積立金
制度について
検討すること。
八 地方税及び印紙税については、これを免税とすること。
以上であります。
重大な
附帯決議の
内容でありますので、若干
趣旨について簡潔に御
説明申し上げたいと思うのであります。
第一項の、
政府の保険事業を両三年の間に
実現するという
項目でありますが、これは皆さまも御
承知のとおり、池田総理から、参議院の本
会議におけるわが党の代表質問に対して、体制が整備すれば三年を待たずして
政府の保険事業を
実施したい、こういう意思表明もありました。やはり漁業災害補償法として、真に災害補償法の名に値するためには、共済
組合の共済事業、共済
組合連合会の再共済事業とともに、
政府の保険事業が本文中に加わりまして、三本立てで初めて
漁業災害補償法案の名に値するわけでありまして、私どもとしては、これをすみやかに
実現することが本災害補償
法案の焦点である、こういう点からいろいろ
検討してまいりまして、今日でも参考人の
意見を聴取いたしましても踏み切れるわけでありますが、
実施の経過等も勘案をして、おそくも両三年中には
政府の保険事業を
実現する、こういう強い
附帯決議を付し、
政府の善処を要望しておるところでございます。
第二項の問題は、過去六年にわたりまして、
政府の委託を受けて試験
実施が全水共によって
実施されてまいったわけでありますが、今日
赤字についての清算過程にあるわけでありまするけれども、この
赤字があるいは一億六千万円以上にのぼるのじゃないか、こういう予測もされておりますが、いずれにいたしましても、この清算で
赤字が出てまいった場合においては、これが新しい、新発足する漁業共済
団体に転嫁されるというようなことでは、
本法に基づく運営に重大な支障がくる。したがって、この問題については、新しい漁業共済
団体に
赤字を転嫁することなく、この問題を独自として国がその
赤字の補てんを行なう、こういう
趣旨が第二項の
附帯決議の
趣旨でございます。
第三項の任意共済の問題については、いま全水共において第二項に基づく
赤字の清算過程でございますので、この
赤字の債務が完了した場合においては、任意共済も
本法の中に加えまして、総合的な漁業災害補償法として運営してもらう、こういう
趣旨で第三項の
附帯決議を付しておるわけでございます。
第四項の問題につきましては、八十一条の第一項の運営の問題でございますけれども、
政府案がシビアに運営される場合には、ややもすると弊害を生ずるおそれもありますので、何といっても
対象になる中小漁業者をあたたかく本
制度の中に迎えるという
趣旨から、ここにも書きましたように、本事業に悪結果を及ぼすと明確に認められるもののみを締結拒否ができるようにいたしまして、第八十一条第一項の運営が支障を生じないように考えていかなければならぬという
意味でございます。
五項の問題は、共済
掛け金の
補助率の引き上げ、漁業共済
団体の
事務費に対する
補助金の
増額の問題でありますが、いますべり出そうとする
政府案の
掛け金の
補助、
事務費助成等の問題については必ずしも十分ではございません。予算もすでに決定した段階でありますので、この点についてはやむを得ないというふうに考えておりますけれども、当然これは
事務費についても先行投資的配慮で充実しなければなりませんし、また
掛け金についても、特に零細な沿岸漁業者の
負担能力というものを考えて、今後この
補助率の引き上げを努力してもらわなければならない。なおまた、今後
本法実施後三年、四年とたってまいりますと、当然無事故
掛け金の割引の問題が生じてくるわけでありまして、
長期にわたって無事故のような中小漁業者の
対象に対しても、
本法の中に繰り入れて運営をしていくという
立場上、無事故
掛け金の割引は当然
実施をしなければならぬわけでありまして、この点を明記いたしたわけでございます。
第六項の問題につきましては、国が保険事業を
実施するまでに今後二、三年が予定されるわけでありますけれども、その問において、たとえば伊勢湾台風であるとか、チリ津波であるとか、
昭和二十八年災害であるとか、そういう大きな災害でなくても、相当
程度の災害が発生しますような場合には、今日
修正可決をされました
政府案の運営でもってしては、漁業共済
団体の運営あるいは漁業共済基金の資本金等に支障がくる場合が当然予想されるわけでありまして、かような場合においては、第六項の
附帯決議にも明らかにし、また第百九十五条の今回の
修正をもって第三項で明らかにいたしましたように、国の財政でもって措置することが当然必要でありまして、その
意味を
附帯決議に明らかにしているところでございます。
第七項の不漁準備積み立て金
制度の問題については、本
制度の中に入れて考えるべきである、あるいは漁業政策として独自に考えるべきであるという点についての議論があるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、
本法の中に含めて考えるにせよ、漁業政策として考えるにせよ、かねて中小漁業から待望されております不漁準備積み立て金
制度については、
実現の
方向で前向きに
検討してもらいたい、こういうことが第七項の
趣旨でございます。
第八項の地方税及び印紙税の問題につきましては、同じような農業災害補償法における
団体のこういう課税の問題と不均衡に現実にはすべり出すことに相なっているわけでありますが、これらと均衡がとれるように今後是正を行なう
趣旨でございます。
以上、非常に重要な
附帯決議の
内容でございますので、若干御
説明申し上げましたけれども、これらの点については各
委員十分御
承知のとおりでございます。何とぞ八
項目にわたる
附帯決議については満場の御
賛成をお願いいたしたいと思います。