○松浦(定)委員
丹羽政務次官には
丹羽政務次官らしい御
答弁をなさるので、
気持ちはわかるわけであります。しかし、私はそれではいかぬと思うのです。それはやはりだれの
責任でもないから、そのことは何とか善処しようということではいけないと思うのです。
自分の
責任だということによってやることを他が認めるのであって、そういうことでは、政治といいますか、いま言われたような広範なものの処理についての
態度としては
——政務次官の
態度としてはお聞きしておきますけれ
ども、こういう点はもっと明らかにして、やはり私
どもは国民の代表としてこうしていろいろ
意見を言っておるのでありますから、相手は
政府自身だけしかないんです。どこへ行ったってそういう話はできないわけでありますから、その相手のほうが、だれの
責任でもないけれ
ども努力いたしますということでは、私はいけないと思う。やはり
責任であるなら
責任というように、そのことによってこれこれをやりたいが、こういう結果であったということが後刻わかってくるなら、これは議論として了承できますけれ
ども、初めからそれじゃやる意思があるのかないのか。先ほ
どもお話がありましたように、三年前も同じことを言っておるという御
指摘があるわけでありますから、そういう点は今度はひとつ
大臣にお聞きいたしますが、そういうことで、別に
政務次官に言質をどうこうというわけではありませんけれ
ども、私の
態度だけ明確にしておきたい。この問題は、幅を広げれば幾らでも幅を広げることができると思うのです。もし幅を広げるとすれば、やはり農地補償等を優先してやるべきものじゃない。いまの外地の問題もありますが、現に
自分が生きるか死ぬかという
段階にある。土地を取るか取らぬか、そのことによって
自分の生活のたしにしようということは
——やはり個人の権利だから、追及することはできないと思いますけれ
ども、国の経費でもって補償するということになると、私は、そういう点については明確なものをつくっておかないと、将来問題になると思うのです。私は先ほど申し上げましたように、もうここらで開拓者に対しては、あのときはしかたがないから行ったということも言えますけれ
ども、その
原因を追及してくると、やはりそのときにも、爆撃を受けない人、あるいは力のある人は、そのことによって今日非常に
振興しておると思うのです。びっくりしておると思うのです。ここへきていまさら手がつかないと思うのです。せめて、いま申しました入るときの五十万よりも、あるいはいままで苦労してやってきたけれ
ども、その代償として働く労働に報いるものがなかったから、生活ができないのですから、借りた金に対して金利をつけて払うとか、あるいは元金を返すためにこれから何十年苦しまなければならないという、そういうみじめなことをさせることはできないと思います。この点はどうしてもこの機会に
——これはいま申しておられたように、社会問題として国会では取り上げて
——それは全部が全部便乗しては困りますけれ
ども、十分調査の結果、このものについては、金利はむろんのことでありますけれ
ども、元金のたな上げ方式とか、いろいろな形をとって、やはり
法律上からいって遺憾のない処置ができると思うのです。そのくらいのことをしたって、いまの
日本の経済、池田さんの高度成長
政策にひびが入るなんていうことは毛頭
考えていない。そういう点で、この問題につきましては、この三法審議の過程においていろいろ関係がございますから、明確な線を本国会において出しておいてもらいたい。次の国会にまたというようなことのないようにしていただきたいと思います。もし、そのことについてできないというようなお話が、いまのようなことで
大臣もそのような
答弁をされるとするならば
——きょうはこの資料がまいっておりませんから、小林さんに対してはいろいろ御
意見をお聞きすればわかる面もあろうと思いますけれ
ども、これは政治問題としての関連もありますから、後刻に譲りますけれ
ども、先般もちょっと分科会で申し上げましたが、根釧のパイロットのやり方は、御
承知のとおりに、昭和二十七年に制定されまして、三十年か三十一年から入植したと思うのですが、あのときに一戸当たり五百万かけておったのです。
〔谷垣
委員長代理退席、
委員長着席〕
そうして大体二分の一が
補助であり、二分の一が
自分の負債ということになった。それを七年度において十何万ずつ返していくということになっておるが、今日あの経過がどうなっておるか。世銀まで借りてやったというやり方が、当時吉田内閣であったと思いますけれ
ども、今後の
農業政策、戦後の
農業政策としては、これをもって、いま言っておる
農業振興なんていうものは、そういうことを議論しなくても、
一つのケースが出るということでやったはずであります。ところが、その後さっぱり、国会におきましても、その経過あるいは結果等についての報告が何もない。われわれ
どもが行ってはときどき見せてもらったり聞きますと、りっぱな処理はなるほど出てまいります。やっておられると思います。やっておられると思いますけれ
ども、その中の移動の人なんかの状態を聞いてまいりますと、これは、やはりそのことがケースとして他の地帯にこれを実行するような
段階のものではない。あそこのパイロットをやるための手段、
方法にしかならなかったと思います。いまさらそのことを追及するわけにはいきませんけれ
ども、私の言わんとするところは、そういう世銀の金まで借りてやって、
農業基本法が制定されるときにがんばられて、これが将来こうなるのだとがんばられても
——四年後の今日また同じように、それよりも大きいと思うのであります。そういうものの内容の調査を出してもらうこと、私
どもは私
どもなりに聞き伝えた資料と調査と突き合わせて、その結果について結論を出していただきたいと思うのですが、もしその結果の出方が私
どもが想像しておるような結果であるとするならば、戦後開拓のそうしたものに対する犠牲者の処置が、いま言っておられるようななまやさしいもので終わるというようなことはないと思うのです。そういう点で、私が先ほど申し上げましたように、ぜひひとつそういうものも調査して、なるほどこれは
政府の
責任である
——私は、
政府の
責任だということは、何も池田さんの
責任、池田さん個人の
責任だと言っておるのではないので、やはり国民全体の代表であるものでやるのですから、みんなが認めれば、何千億かけようといいのです。認めないものは、たとえ百万円だってだめだと思うのです。そういう点を明らかにしてもらうのが、われわれ農林関係の法案を審議しておる農林
委員会の使命としては他にあるかもしれませんけれ
ども、
農業問題を積極的に取り上げる、私はそういう精神でやっておるのでありますから、こういう点で資料が今度出ましたら、
大臣に出ていただきまして、この点を明らかにしてもらいたい。そうしないと、これからいつまでたっても、金利を五分にした、三分五厘にする、そんなことでどんどん陳情運動をやらしておっても、解決つかないと思います。こういう点について御
意見を承りたいと思います。