○大出
委員 そこのところが一番根本的な問題です。つまり原子力
委員会との
関係ということになるわけで、そこが問題なんですが、そこで私はこういう結論を持っておるわけです。つまり何ら
政府と
関係がない平和利用に限られている原子力
委員会、それが
政府に唯一の根拠を与えているわけです。つまり外務省の発表からいけば、早い話が原子力
委員会が
検討を長い間続けた結果として安全を保証した。原子力
委員会は何も保証したと言っているわけではないのだが、一と二と分けて原子力
委員会は出しておられて、前記一のところから始まって保証に続いているのだけれ
ども、平たく言ってしまえば原子力
委員会が出された結論が、今回寄港承認をした唯一の根拠と言っていいようになっているわけです。これは事前協議が要らない問題である云々というような
アメリカ側の言い方は別として、そうなると、これを逆に言えば、原子力
委員会が寄港承認を認めさせてしまったと言ってもいいほどの責任があると私は思うのです。
そこで、アメリカの原子力
委員会と安全審査
委員会との
関係が先例としてありますけれ
ども、アメリカの原子力
委員会あるいは原子炉安全専門
委員会等の結論も、最後まで安全だとは言っていないわけです。最終的にこの原子力
委員会なりあるいは安全専門
委員会なりが出した結論をアメリカ海軍が無視して、軍事目的を優先させて実行してしまったというわけです。このいきさつからすれば、それに反対を唱えておるわけでありますから、日本の原子力
委員会というものは、ずいぶんおかしなことになっておる。そのことを立証したいと思いますが、例のジョージ・ワシントン号の上でやられた「海軍原子力プログラムとポラリス・ミサイル系」という例の三十九ページの聴聞記録というものがあります。この記録の
内容を学者も引用しておりますし、現物も、秘密の分もありますが、発表されておる分があります。これによってまいりますと、このリコーバー中将の例の
報告記録等が、ございまして、その中で明らかになっておるのは、例のシーウルフがつくられたときに、この原子炉を安全審査専門
委員会が審査をするという
段階で、ナトリウムで冷却されるというところから、ノーテラス号と比較すると比較にならないほど危険度が高い、こういうことから放射性能が強いということで、安全審査
委員会としては、同艦が人口密度の高い港に入ることを承認しないという結論を出しておる。これに対してアメリカの軍のほうは、この原子炉安全審査会の結論について、みずから軍がやる行動を安全審査
委員会には全く知らせないで、それで例のシーウルフ号を人口密度の高い港に入港させることを別途決定してしまったといういきさつが、この記録の中に出ておる。そういうことになってまいりますと、このリコーバー中将ほどの人、つまり退役を二回も延長してもらうという
政府の要請があって専門的にやってきたたいへんな方が、みずからこの証言をしておるということになると、少なくとも原子炉安全専門審査会、それに責任者の愛知さんは、取り扱いの違いから言ってそれができなかった、こういう立場にあるにしても、つまり平和利用を
限度とする
委員会なんだから、だとすると、人口稠密な港に入ってくる
原子力潜水艦については、安全性の保証、それも自主的に出せる保証ならばよいと思います。しかし、相手方の言うことを前記一ということで取り上げて、それが守られなければ保証にならないという形における支障はないという言い方は、私は筋が通らないと思います。あなたのほうの原子力
委員会がどうしても不賛成だ、特に日本という国柄から言って、アメリカとは違うから、国柄から言って国民感情があるから、そうだとすれば原子力
委員会としてはどうしても不賛成だという結論が出てしかるべきだと思います。その上で、
政府なら
政府が逆に別の目的を持って寄港を認めてしまった、こういうことになった場合に、関連させて言えばアメリカと同じ結果になると思いますが、にもかかわらず、日本の原子力
委員会は、一体なぜ
政府に唯一の寄港承認の根拠を与えるようなことを——しかも自主性が持てないで、
調査結果から見て、三原則の
一つは明らかに侵され、平和利用と
関係がない、この形の
委員会が、
政府に頼まれもしないのに、しかも今日のこの時点で自然にとおっしゃるけれ
ども、結論というものは人の意思だから、自然に出るはずがない。そうなると、何かがなければならない。さっきあなたはおとなしく言われたので、ちょっとこういうことは言いにくいが、しかし、私は、どうしてもあなたが言われることは真意ではない、こう理解せざるを得ないので、このポイントについて、なぜ
政府から要請もされないものを、しかもしょうがないという形で
政府に出されたか、ここのところを答えていただきたい。