○久我説明員 ただいまの御
質疑につきまして、御理解をいただきますために、何ゆえにそのような併設ということが起こっているかということを簡単に申し上げたいと思います。
御承知のように、統計
調査事務所は、当初米麦等の
生産高を主として坪刈りなどの実測
調査によって出すということを
中心の仕事として発足したものでございます。したがいまして、当初は大体五カ町村に一カ所くらい出張所を置きまして、そこで仕事をやっておりました。約二千カ所近くあったわけであります。ところが、
昭和二十五年ごろから仕事がだんだんと変化してまいりまして、単に食糧供出等の基礎になる統計のみならず、農作物、畜産物、
果樹園芸等の
生産高から、あるいは林業、水産業、すべてのものの
生産高、これが
昭和三十年ごろになりましてから、その従前もやってはおりましたけれども、農作物の
生産費の
調査でございますとか、
農家の経済とか、今日は漁家、林家の経済
調査と、非常に仕事が各
方面にわたっているわけでございます。今年からは流通の統計も始めるという状態でございまして、現在百四、五十の
調査の項目をこなしているような状態でございます。したがいまして、第一線の仕事を従前のとおりこまかく分かれております出張所でやっておりますと、一人で二十種類も
調査を受け持つというようなことになりまして、第一、
調査する職員が非常に苦労いたします。さらにその結果は、統計の内容がだんだんと悪くなるわけでございます。そういうことから、だんだんと出張所はでき得るだけ
規模を大きくいたしまして、そこで働く職員がそれぞれだんだん専門化した仕事をするようにいたしませんと、第一線でやっておる人がたえられない、こういうことから、
昭和三十年ごろからだんだんと統合されてまいっております。ところが、先ほど食糧
関係の
お話でも出ましたように、だんだん統合いたしますと、出張所長が減ってまいりまして——統計の出張所長は、五も少しございますが、大部分は四等級でございます。そういうこともございますので、ほんとうに統合をいたしますためには、いろいろと職員の働きいいような環境を整備するとか、あるいは機動力を整備するとかいたしませんと、ほんとうの統合はできにくいわけでございます。しかしながら、先ほど来申し上げるような仕事の
関係から、自然発生的にだんだんと統合が行なわれてまいっておりますし、あるいは先生の
お話のように、たとえば庁舎等が新しいのができますと、そこに数カ所の出張所が一緒に入るというようなことになっております。いわば統計の出張所の合同庁舎のようなものができておるわけでございます。しかし、合同庁舎に入っておりますと、その中におります職員の人たちが、ただ一緒になっておるだけで、四カ所別々にやっておるのでは、非常に非能率的ではないか、しかも職員が仕事を専門化できないじゃないか、こういうことから、いろいろの、たとえば
農家経済
調査をやっております者は、三カ所の出張所が一緒になれば、その経済
調査をやっておる人が責任を持ったほうがいい。米の
生産調査をやっておる人がおれば、米を専門にやった人が三カ所ともやったほうがいいということがだんだんと出てまいりますので、すなわち、統合したほうがほんとうの意味でいいということが出てまいりますので、そこで、統合いたすということになりますと、全国一斉に、あるいは
計画的にできますればよろしゅうございますが、建物等も年間十二、三新しいのが建つという
程度でございますので、そう思い切ってできませんので、先生のおっしゃいましたような形で一緒に入っておりますものが、まだ五十カ所以下でございます。したがいまして、そういうところでは、将来統合してまいりますことを目ざしながらも、現在一緒に三カ所なら三カ所おります場合に、仕事を最も能率的に、しかも第一線の人が仕事を自分自身こなしていくのにどういうことがいいかということで、おのずと現地からいわゆる併設してくれという声が出まして、併設の出張所を認めておるわけでございます。したがいまして、中央から全部こういうところは併設しろと言っているわけではないのでございまして、合同庁舎の形で入っているところは、仕事がやりいいというところはそれでもよろしいということにしてあるわけでございます。
そこで、併設をいたしますと、その仕事が、先生のおっしゃるように、だれが責任を持つかわからないということになるといけませんので、そこでそれぞれ地域を出張所長に明確に分担いたさせまして、たとえばAというところの
事務所の出張所の職員が、経済
調査を専門にやっておる。それがBもCもやろうというときには、Bなり、Cなりの出張所の職員にも併任をしておきまして、そのそれぞれの出張所は出張所長が管轄をしておるわけでございますから、それぞれの出張所長の
指示を受けて仕事をするということにしておるわけでございます。なぜそういうめんどうな併任などをしておるかと申しますと、これはたとえばでございますが、Aの職員がBの
事務所の職員に併任されずにやっておりまして、たとえば交通事故等が起こったり、起こされたりいたしました場合には、自分の所管外のところで仕事をしておるということで、一生懸命仕事をしていながら救われないというような問題が出ると困りますので、そういう点から併任というような道をとっておるわけでございます。したがいまして、先ほど来申し上げますように、併置をいたしております出張所は、そこで仕事をほんとうに三出張所なら出張所が能率的にやって、統合されたと同じ実をあげたい、こういうことから、現地の職員から出ました声を、これはもっともであると考えまして、いたしておる措置でございます。