○村山(喜)委員 公定歩合を引き上げて設備投資の需要を抑えていくという形をとられておるようでありますが、東海道線に乗りましてずっと下がってまいりますとおわかりになるように、もうどんどん近郊の農地がつぶれて、便利なところに工場が建っておるわけです。工場だけじゃありません。住宅もそのとおり。そして農地はもうほとんど壊滅
状態におちいり、そのあたりの農地を持っておる人は、もう田畑を荒らして草をはやしておっても、ひとりでに土地の値段が上がっていくという形になりますから、そのまま放置して、工場が来るのを待望しておる。こういう農民も出てきておる。このような
状態の中で、そういうような工場が来そうにもないところに行きますと、若い労働力がなくなってきて、土地が荒らされておる。こういう
状態の中で、日本の農業というものは、今日は非常に憂慮すべき段階にまできておるわけですから、いままでのような
考え方で、経済の自然の流れにまかしておくということでは、この問題は解決できない段階にきておるのではないか、もう頭を切りかえていかなければならない段階が現実にきておるのじゃなかろうかと思うので、そういうような点から
考えていった場合に、いままでの自立経営農家を中心にする農政の
方向というものも
——政府案によれば、協業化という
ことばもあったわけですから、もう少しそこら辺も
検討を願いたい。ことに構造改善事業をやっていく中において、一番問題になっておりますのは、財政措置が十分でない、事務費が少ないというような問題もありますが、それと同時に、土地の集団化を進めていく場合に、所有権の移転の登記等が、非常に現行の法令では複雑で困難だ、こういうようなものも簡素化してまいりませんと、せっかくのこの構造改善事業等が実を結んでいかないという点もありますので、そういうような点は、十分善処をお願いを申し上げておきたいと思うのであります。
次に、大事な問題だけ当たりたいと思いますが、
改正案の六十九条の三であります。これは営林局の附属
機関として国有林野管理審議会が置かれることになります。従来、森林法に基づきまして中央森林審議会があります。この審議会が公聴会等を持ちまして、そして国有林の開放の問題、国有林の利用の問題等について、いろいろ
意見を聞いているようであります。なお、基本法に基づきます林政審議会も、総理府に置かれるように相なるようであります。そうしてまた、ここに
設置法に基づいて国有林野管理審議会、こういうようなものが置かれるということになってまいりますと、一体この審議会等はどういうような役割りを果たしていく機能を持っているのかということが、問題になってくると思うのであります。この国有林の利用なりあるいは開放の問題に
関係をするものが三つもあるということになってまいりますと、一体この
設置法の中で言うところの国有林野管理審議会というのは何をするのか、現在ありますところの中央森林審議会との
関係はどういうようになっておるのかという点を、まず明らかにしていただきたいのであります。
それと同時に、現在国有林の払い下げの問題をめぐりまして、いろいろな
意見が各地で出ているようであります。この前も永山委員から質問がありましたように、国有林のあり方の問題につきましては、林業基本法の
政府案あるいは社会党案をめぐり、あるいは
政府案の林業基本法では、これは積極的に国有林を活用をするという条項にとどまっている。だから、この際特別措置法をつくって、国有林野を開放すべきであるという議員立法を自民党のほうで出すやにも伺っているのであります。そういうようなことから、現在八百万町歩の国有林をどのように活用をしていくのかという基本的な
考え方というものが打ち出されてこなければならないと思うのでありますが、一体
政府としては、この国有林は、現在ある姿の中における国有林のあり方の中から
考えていくのか、それとも国有林としては、こういうような機能的な役割りを果たさなければならない。たとえば国土保全の問題であるとか、あるいは木材の価格調整の問題であるとか、そういうような国有林が持たなければならない機能的な役割りというものがあると思うのでありますが、そういう
立場からこの問題に対処していこうとするのか、こういう問題についての基本的なかまえというものは、一体何であるのかということを明らかにしていただきたいのであります。本
会議の席上、池田総理
大臣からの言明によりましても、国有林の問題については、民有林の問題にも触れてそのあり方の問題を
検討すべきであるという
考え方も述べられたようでありますが、そうなってまいりましたら、たとえば青森県のように六三%も林地においては国有林で占められている、そういうような地域があるかと思うと、ほとんど国有林がない地域もあります。近畿
地方方面におきましては、ほとんどそういうような国土保全、災害防止のための保安林的な役割りをするものがない地帯もある。そういうようなところは、国が私有林を買い上げてこれを国有林にして、国土保全という
立場から
考えていかなければならないという構想も、当然機能的な
考え方からその構想を進めるとするならば、出てくるはずであります。一体そういうような
考え方に立つのか、それとも、現在国有林の独立採算といいますか、現在国有林の果たしつつある役割りという、現実に国有林のある姿の中から問題を
考えていくのか、そのいずれをおとりになろうとしているのかということを、原則的な問題でありますので、明らかにしていただきたいと思うのであります。