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石橋委員 第一、栄典の
制度について、一歩譲っても、法律をもって
規定すべきかあるいは法律以外の政令などをもって
規定すべきかはまだ結論が出ていないということが、帝国議会における
憲法の
審議の段階における金森
国務大臣の答弁の中にも、はっきり出ているのですよ。とにかく
憲法からそのまま政令が出てくるなどという、とんでもない法律
解釈を展開して、
閣議決定でおやりになるなどということは、私たちの立場からいえば、法律違反、
憲法違反である。そこまでいかないにしても、重大な違反のおそれがある、そういう
行為はすみやかに正して、先ほどから申し上げているように、この本
委員会としても、法律をつくることに協力しようという態勢があるのですから、私は姿勢を正すべきだということを申し上げておきたいと思う。
この栄典
制度については、さらに総理府設置法の中で、賞勲局の設置という問題でまた十分にやる機会があると思いますから、きょうはこの
程度にとどめます。
最後に、一つ新たな問題を
宮内庁長官にお尋ねしたいと思う。
これはすでにきのう申し出ておきましたので、御用意が整っておると思いますが、アメリカの婦人雑誌マッコールに載っております記事に関連してであります。私は、原文の写しもここに持ってきております。一番最初にこの問題が
国内において出てまいりましたのは、三月六日の朝日新聞の声の欄、ニューヨーク在住の乾健という青年が、「米婦人雑誌が宮内庁批判」という表題をつけておりますが、投書されておられました。私そのときから関心を持っておったのですが、かねがねいろいろとうわさを聞くわけです。それがかくも公然とアメリカの
国内で流布されておるということになりますと、問題だ。そうしましたら、そのうちに日本の
国内においても雑誌が扱うようになりました。ここに私は
二つ持ってきておりますが、ほかにも出ておるかもしれません。この要旨は、投書を読むことによって大体言い尽きておると思いますので、ちょっと要点を読んでみたいと思います。「私は日本を離れて四年余りになる。その間、美智子妃のニュースを聞くにつけ、国民の敬愛する皇室をいただく、世界でも数少ない国家の国民であることを誇りとしていた。しかるに、当地の米国婦人雑誌「マッコール」の最近号で、たまたま美智子妃をめぐる皇室の記事を読んで驚いた。
皇太子妃となられる前の健康で美しく明るい美智子さんが、いかに変られたか、いかに不幸であるかが詳細に記述され、侍従はじめ宮内庁の前時代的な慣例とセンスが、きわめてあざやかに描き出され、全米婦人読者の前にさらされている。
公式訪問の形でなければ里帰りもできない美智子妃、お召列車の塗装を傷つけぬようツメの切り方まで特別に要求される乗務員、パパ、ママと呼ばれていた浩宮が「今日の国語辞典にないような呼び方」を押しつけられている事実、その他、われわれのまともな感覚では、ほほえましく見える美智子妃の一挙一動をすべて〃よそもの〃視する侍従たち等々、マッコール誌が
指摘している前時代的様相は枚挙にいとまがない。
同誌は「かかるがんこな中世的亡者が生き残っているという事実は、まことに驚嘆にあたいする」と述べている。
宮内庁の伝統主義には、日本でもとかくの批判があるようだが、このように
外国のあざけりを買うに至っては、外地の日本人は、皇室の話題が出るたびに小さくなっていなければならぬ。若い世代ならずとも、これでは国民のムードとして皇室敬愛の熱意が失われ、無関心が一般化するであろうことをおそれるものである。」、大体こういう投書です。しかも先ほど申し上げたように、私どもも、いっとはなく、何となしにいろんなうわさを聞いてきた。それがこういうふうに公然と、しかも
外国において発表される段階において、黙っておっていいはずはないと思います。それで本
委員会において、私は正式に国民に答えてもらいたいと思うのです。国民としても非常に心配をしておるこの問題について、宮内庁が何の
意思表示もしないというのは、かえって疑惑を増し、もっと不安を増進するもとであると思いますが、そのチャンスを与える
意味で私はお尋ねするわけですが、ここに書かれておりますような事実が、
一体あるのかないのか、何でしたら一つ一つ私読み上げてもけっこうです。しかし、通告してありますから御用意があると思いますから、あるのかないのか。あるいはまた、このような報道がアメリカの責任ある雑誌に発表された現段階において、何らかの行動をおとりになる
意思があるのかどうか。そういうことに関連して、ひとつお答えを願っておきたいと思います。