○森本小
委員 将来
ラジオ放送が、いまの中波と
FMとが両立をしながら、しかも
電波の効用率がむだのないようにやっていくためにはいかようにしたらいいかということは、私がいま言いましたのは
一つのアイデアでありますが、そうい点うについては
スポンサー側としても十分にひとつ研究をしながら進めていってもらいたい、こう思うわけでありますが、なおそういう点について御
意見があれば、遠慮なく正式の文書を各
方面に出していただきたい。今年度がこういう問題における
一つの締めくくりの重要な年になっているわけでありますので、われわれといたしましても、各界の
意見をなるべく聞きながら、取り入れるものは十分取り入れた形において
放送界全般のビジョンというものを描いていきたいというふうに考えているわけであります。
それからもう
一つ、先ほど来
栗原委員もちょっと言われておりましたが、
NHKを目のかたきじゃありませんけれ
ども、何かそういうふうな御
意見にもとれたわけでありますし、確かに
NHKが
受信料を独占しておるということについては、いまの
民放各界が
NHKに対しましてそれぞれの
意見を出しておるわけであります。そこで、これをたとえば中継所の設立について使えとか、あるいは技術研究所を開放しろとか、いろいろなもっともな
意見があるわけでありますが、そういう点については、こまかい問題でありますけれ
ども、たとえば現在七百億をこえるところの
NHKの総
受信料並びに総
収入に対しまして、これを一体どの程度そういう
方面に使うかということはかなり大きな問題になろうと私は思います。かりにそういうことであっても、各個々の
民放その他について使うということは、おそらく不可能に近いのではないか。もしこういう
公共的な
受信料というものをある程度
国民の
サービスのために使うとするならば、現在英国かやっておりますように――
日本の
ラジオ、
テレビ界で忘れられた一面が
一つあるわけであります。それは、それぞれの
国民が持っておりますとこるの
テレビの受像機、
ラジオの受信機に対しますアフターケアというものが
日本においては全くされておらぬ。この点は諸外国においては非常に進歩しておる。だから、われわれ専門的な者が見た場合に、これは満足な
テレビでおるというふうに各家庭で見ておるけれ
ども、その映像が完全に平均水準以上であるということは非常に少ない。受信機と受像機の
サービスというものは。
日本ではあまり徹底しておらぬ。受像機、受信機がよく見え、よく聞こえるということは、ひいては
スポンサー側にとっても非常に望ましいことであるのでありまして、そういう点の
サービス面に対して、こういうふうな
NHKの
受信料からある程度のものをさいて使うということは外国にも例があるわけであります。
そういう点については、場合によっては考えなければならぬ点もあるのではないかと考えるわけでありますけれ
ども、さて、もしそうなった場合に、
NHKは
全国あまねく
放送設備をしていかなければならぬというところから、まだかなり中継所を設置していかなければならぬ。あるいはまた、これから微電力の簡単な中継所も
全国にどんどん設置していかなければならぬ。そういうことで設備投資の金がかなり要る。おそらく
民放界は非常に反対であろうと思いますけれ
ども、
広告主の人は、私がいまから言うことについては賛成するのではなかと考えておるわけでありますが、かりに七百億なら七百億の中から百億程度をそういう受像機あるいは受信機の
サービスに回すということになった場合には、それじゃその穴埋めをどうするかということになった場合に、
NHKが総
予算額の一割ないし二割という金額を限定して、そしてここから先はちょっと悪いのですが、非常に高尚な
広告といえばまことに失礼だけれ
ども、とにかく最も
国民のためになるような
広告を
NHKがやってもよろしい、こういうことになった場合に、一体
スポンサー側の御
意見はどうであろうか。
民放はまっこうから反対をすると思いますし、それから
NHKは、そういうことになれば、しぶしぶそういうふうにするだろうとは思いますが、かりに
広告主側にすれば、私はこの場合はあまりきらうべき筋合いではないと考えるわけであります。ただ、その場合には、今度は売り主よりは買い主のほうがえらくなるという点は当然出てくると思います。何でもかんでも
広告を買うということではなしに、
広告の選定ということになってきて、
NHKの
広告に乗るためにはかなり高尚な
広告でなければならぬという――高尚といえば語弊がありますが、そういう
一つの弊害は出ると思いますが、そういう
構想も
一つのアイデアとしては考えられるわけであります。そういう点について
広告主側としてはどういうお考えかということをちょっと聞いておきたい、こう思っておるわけであります。