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1964-07-31 第46回国会 衆議院 逓信委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年七月三十一日(金曜日)    午前十一時五十八分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 秋田 大助君 理事 佐藤洋之助君    理事 志賀健次郎君 理事 森山 欽司君    理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       小渕 恵三君    金丸  信君       木部 佳昭君    佐藤 孝行君      橋本登美三郎君    星島 二郎君       本名  武君    山本 幸雄君       片島  港君    佐々木更三君       永井勝次郎君    畑   和君       柳田 秀一君    受田 新吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 徳安 實藏君  委員外出席者         郵政政務次官  服部 安司君         郵政事務官         (大臣官房長) 淺野 賢澄君         郵政事務官         (電波監理局         長)      宮川 岸雄君         参  考  人         (日本放送協会         会長)     前田 義徳君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    小野 吉郎君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   赤城 正武君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   春日 由三君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     浅沼  博君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 六月二十七日  委員佐藤孝行辞任につき、その補欠として大  倉三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員大倉三郎辞任につき、その補欠として佐  藤孝行君が議長指名委員に選任された。 七月三日  委員受田新吉辞任につき、その補欠として西  村榮一君が議長指名委員に選任された。 同月十八日  委員小泉純也君辞任につき、その補欠として黒  金泰美君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員黒金泰美君及び西村榮一辞任につき、そ  の補欠として金丸信君及び受田新吉君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員金丸信辞任につき、その補欠として黒金  泰美君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  郵政事業に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    加藤委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件並びに電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  この際おはかりいたします。  本日、日本放送協会の運営に関する問題等について、日本放送協会会長前田義徳君、同副会長小野吉郎君、同専務理事赤城正武君、同専務理事春日由三君、同理事浅沼博君を参考人として意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加藤常太郎

    加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  4. 加藤常太郎

    加藤委員長 この際、服部郵政政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。服部郵政政務次官
  5. 服部安司

    服部説明員 このたびはからずも郵政政務次官を拝命いたしました。全くずぶのしろうとで、皆さんの御期待に沿うことがあるいはむずかしいかと思いますが、懸命の努力を払っていきたいと考えております。何分未熟な者でございますが、先輩、同僚各位のあたたかい御協力で大過なく過ごしたいと考えておりますので、今後ともよろしく御協力と御指導を賜わりたいことをお願い申し上げましてごあいさつにかえたいと思います。(拍手
  6. 加藤常太郎

    加藤委員長 前阿部会長が逝去いたしまして日本放送協会人事の異動がありましたので、新会長、新副会長からごあいさつをいたします。  まず新会長前田義徳君を御紹介します。
  7. 前田義徳

    前田参考人 前田でございます。  今回、阿部会長あとを受けまして、私が日本放送協会会長任命されました。もとよりきわめて未熟かつ未完成でございまして、皆さまの御理解ある御指導と御鞭撻をいただかなくては、NHK責任を果たすにはまことに浅学非才でございます。幸いに局内におきましては一万五千の職員協力を得、さらに諸先生の御指導と御鞭撻によりまして、NHK公共放送としての責任を全力をあげて果たしてまいりたいと考えておりますので、今後一そう御鞭撻、御指導をお願いいたしたいと思います。  よろしくお願いいたします。(拍手
  8. 加藤常太郎

    加藤委員長 副会長小野吉郎君を御紹介します。
  9. 小野吉郎

    小野参考人 今回、前田会長会長昇格に伴いまして、その後任として副会長に就任いたしました。まことに至らない者でございますが、専心努力をいたしまして任務を全うしたいと思います。幸いに御支援、御叱正、御協力、御鞭撻をいただきますれば非常に幸甚に存じます。  なお、在来私が担当いたしておりました仕事につきましては、なみなみならぬ御指導を賜わりまして、この機会に厚くお礼を申し上げますとともに、この関係仕事は将来もなおしばらく続けて担当することになりますので、予算関係等を通じまして一そう御支援、御鞭撻をいただくこととなるわけでございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手
  10. 前田義徳

    前田参考人 この機会に、新しい理事として、浅沼博君が選ばれましたので、御紹介申し上げたいと思います。私同様よろしくお願いいたします。
  11. 浅沼博

    浅沼参考人 よろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————
  12. 加藤常太郎

    加藤委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。大柴滋夫君。
  13. 大柴滋夫

    大柴委員 私は、六月二十七日の委員会中国との郵便協定の問題を質問いたしまして、二十八日中国へまいりました。これらの問題について若干の質問をしたので、きょうは質問という形でなくて報告だけをいたしておきます。  実は中国との郵便協定の問題につきましては、七月三日北京飯店におきまして中国側中国共産党中央委員廖承志さんあるいは日中友好協会秘書長趙安博氏あるいは今度こちらへ来られる孫平化氏らと、日本側のここにおられる佐々木更三あるいは松本七郎吉村吉雄君らとともに話し合ったわけであります。  当初私は、その問題を出す前に、日本交通公社が出した、中国との何か旅行協定をしたいという問題に関して、廖承志さんが、それはたいへんけっこうなことであります、できるならば私どものほうから四人ぐらいのその問題に対する実力者をあげて日本をおたずねして、その問題の話し合いをしたいというような、きわめて簡明率直にそういうことに賛成をされましたので、郵便協定の問題も、当初ここで大臣なり次官がおっしゃったように、行政的、事務的の問題について何か話し合いの余地はないか、こういう日本政府としては前向きの姿勢でこれを処置したい、こういうような見地から話し合ったのでありますが、結論から言えば、そういうことはいろいろ要望されながらも困難な問題でありまして、まず第一に、台湾政府を認め、台湾とこの種の協定を持っておる、一つ中国一つ台湾を認めている日本国政府とは、結局においてこの種の郵便協定の問題を話し合いたくないというのが中国政府の厳とした意向でありました。二つ目には、郵便協定をやる場合には、それよりも先に航空協定をやっておいたほうが現実的かつ友好的ではないか、航空協定もできない際に郵便協定というのはやりたくない、こういうことが大体において中国政府意向であります。二つの理由であります。  なお、日本から北京なら北京あるいは中国へ行く郵便物その他は香港を経由するわけでありまして、香港郵便関係の中に台湾のいろいろの政府関係の人がおるので、郵便物の中に台湾のチラシとかパンフレットとか、いろいろのものが入ってきて、そういう点ではたいへん迷惑をいたしておる、こういうような返事でありましたが、いずれにいたしましても、現段階では、一つ中国一つ台湾というような方向へ突っ走るであろう日本国政府のあれとは話し合いを持ちたくない、こういうことであります。  なお、いろいろなこまかい問題につきましては、中国政府のほうとしては十分いろいろ検討してみたい、こういうようなことを言っておりました。  以上が七月三日の私ども中国側要人との郵便協定に関する問題の大要であります。以上報告いたしまして、私の六月二十七日の質問に対する収拾的な結論といたしておきます。
  14. 加藤常太郎

    加藤委員長 次に片島港君。
  15. 片島港

    片島委員 本日私は徳安新郵政大臣NHK経営委員長NHKの新会長に御出席を願った。経営委員長はおいでにならないし、代行さるべき経営委員責任者をと、こういう注文をしておいたのでありますが、どういうわけできようは御出席にならないのでありましょうか。一口でよろしゅうございますから……。
  16. 赤城正武

    赤城参考人 お答え申し上げます。  経営委員長はきのうから旅行の予定がありまして、連絡はいたしましたのですが、三日に帰ってくるので、四日以後ならばぐあいがいい。職務代行者の靱さんでございますが、これは順天堂病院に入院しておりますが、連絡いたしましたら、きょういまの時刻はちょっとぐあいが悪いが、二時半ぐらいならば出ていけるというような状況でございます。そういうことでございまして、国会参考人として呼ばれておりまして、たいへん遺憾でございますが、どうぞ御了承をお願いしたいと思います。
  17. 片島港

    片島委員 経営委員会というのはNHK経営に対する最高機関であります。そういたしますと、経営委員長経営委員会を代表し、委員長事故ある場合はその代行者がきまっておるわけであります。その代行すべき副委員長がまた事故ある場合には、それにかわるべき者がなければ、一朝緊急な要務がある場合に、経営委員会としての、NHK最高機関としての機能は果たし得ない。NHKでも、会長事故あるときには副会長が代行し、副会長が事故あれば専務理事が代行する、専務理事がいない場合には理事が代行するというぐあいに、順次その責任者がきめられておるわけであります。経営委員会だけは、委員長旅行だ、副委員長は病気だ、あと委員は平委員だから、おれは責任が持てないというようなことでは、NHK経営についての最高機関としての責務を全うすることはできない。これは私はやはり法的にこういうものをきめておいていただかないと、きょう私が質問するというばかりでなく、一朝事ある場合において、責任の所在が非常に不明確になると思いますので、この点は、私は経営委員任命をする政府当局、その窓口機関である郵政大臣にあらためて質問をいたしたいと思います。  それでは私はほかのことを聞きます。新しい政務次官は、いずれにしても新しくポストについたばかりで、悪く言えば新米です。しかしその点は大臣も同じであります。同じ新米同士だということならば、歯切れのいい服部政務次官のほうがよほど私は質問がしやすいのであります。一般的な問題については政務次官に聞きます。しかし経営委員任命というような問題、その機構の問題については、実は郵政大臣よりも、内閣として、政府としての問題でありますから、私はこの問題については、別に服部君を問題にしないわけではございません、それは非常に重要視しておりますけれども、しかしもっと地位的に責任立場にある方にお聞きしたい、こういうふうに思います。  私は、NHK人事について差し出がましいことを言おうとは決して思いませんし、またそういう権限もわれわれにはないのでありますから、ただ今後、NHK放送関係あるいは予算問題等審議する上について、一逓信委員として、また当委員会における審議をする上の心がまえの問題として参考のためにお尋ねをしておきたい。  前々会長の野村さんは、非常に古武士的な風格を備えられ、誠心誠意NHK使命達成のために尽くされた功績というものは、私は個人として最大級敬意を表するものであります。また阿部会長も、思想的に見ましたならば若干私たちとしては批判の点もありますけれども、しかし上からの権威に対して本能的というぐらいな反骨精神といいますか、威武に屈せぬ崇高な人柄に対してひそかに敬意を表しておったものであります。御両人とも非常な老齢をもってNHKの激務のために——そのためにかどうかは知りませんが、御長逝をせられましたことに対して、つつしんで私は弔意を表したいと存ずるのでございます。また、このたびの前田会長は、いままでの私たちが知る限り、その手腕力量において、特にオリンピックを控えて、ある人は異例人事といいますか、適時適任人事として大いに歓迎をし、国民のひとしく期待するところでありまして、この機会に、十分御自愛の上、存分の御活躍をお祈りするものであります。  言うまでもなく、NHK政府付属機関ではありません。また政府が直接やってもいいような、差しつかえないような政府事業を代行するといったようないわゆる政府機関でもありません。政府からの干渉を一切排除して、完全に独立した自主性を持った報道機関であり、また文化的な機関であります。この点は、電電公社といった政府機関、あるいは政府機関でなくても、国際電電のごとき事業体が都合によって分離をしたといったようなものと、本質的にその性格を異にするものであります。会長は、NHK執行部最高機関としてその責任の先頭に立つことはもとより言うまでもありません。また副会長は、会長を補佐し、会長事故あるときはこれを代行する。従来の慣例から見ますと、いわゆる会長は外部から大もの——前田さんも大ものでありますけれども、社会的にさらにネームバリューのある大人物が据えられ、会長が対外的な、またNHKの大筋をつかんでやっていくのに対して、副会長は全国の数多い職場及び一万五千に及ぶ数多い部内従業員の末端まで掌握をして、これを引き締めて、マンモス機構であるNHKをして不動の体制を堅持していくために、部内の細部に至るまで通暁しておるNHK育ちベテランであり、しかも部内において親しく人望のある人物が副会長の任に指名をせられてまいったわけであります。またその使命は十分達せられておるのでありますが、このたびの副会長人事はまことに異例なものであります。どういう点が異例であるかということは、後ほど質問しながらお尋ねをしたいと存ずるのでありますが、このたびの御推薦をされ、また承認を与えられた会長及び経営委員長の御所見を最初に承っておきたい。
  18. 前田義徳

    前田参考人 実は会長任命されてから、放送法の規定に従いましてだれを副会長に推薦し、その方に対して経営委員会同意を求めるかということにつきましては、慎重熟慮をいたしまして、ただいま先生が述べられました御所見と同じ環境につきましても十分慎重に熟慮検討をいたしました。その結果といたしまして、私はNHK基本的責任を遂行するための私の補佐をいただく副会長としては、この際私といたしましては小野専務理事を一番適当であると考えまして、それを推薦すると同時に経営委員会同意を求めまして、経営委員会はやはり慎重に検討された結果、全員一致で私の推薦申し上げた小野君の副会長就任同意されたわけでございます。
  19. 片島港

    片島委員 申し上げるまでもなく、戦前はNHK放送独占機関でありました。しかもその人事逓信官僚が、その首脳部独占といいますか、掌握してまいりました。いわば政府機関、いわば政府の言うなりに経営されてきました。こういうことであってはならない、NHKは独自の性格を持つた使命を持つべきものである、こういう観点から、まずそういう自主性を阻害するおそれのあるような、その原因である人事問題についてはこれを排除をしていく、そうしてNHKには完全な独立性を持たしていこうということが、戦後のNHKのあり方であったわけであります。その後また民放ができまして、法制調査会におきましても民放NHKとの併立的存在を主張してまいっておる。電波監理局最高責任者ではないがアシスタントをやっておりました荘君がちょっとした書物を書いてこれを公刊いたしましたところ、その中身のごときはきわめてNHKの肩を持つものであるというので、民放側から、監督機関である郵政省に籍を置いた者がNHK肩持ちをするような図書を公刊するがごときはいかがなものかという非常な強い批判があったことは御承知のとおりであります。NHK民間放送日本全体の放送事業に対して公正な立場に立って国民電波を配分し、また、国民から受信料を徴収しておるという立場から、国会逓信委員会において予算審議を受ける立場にあるNHKは、民放と同じ報道機関とはいいながら、そこにさらに密接なる政府及び国会とのつながりがあることは言うまでもありません。その最高的な責任者大臣でありますが、大臣はどうかすると何ヵ月かで新米でありながらかわってしまう、こういうようなことになりますと、その最高責任者事務次官と言っても過言ではありません。そういう立場にある者を、放送事業のうちの密接な関係のある機関最高責任者に持っていく、これはまことに私は個人的には言いにくいことでありますが、そういう慣例が今後できるということになりますならば、いままで当委員会においてもたびたび論議せられましたごとく、NHK政府に非常に関与されやすい立場にあるのではないか、民放はまま子扱いをされて、NHKだけがあたたかくうまくいくのではないかといったような民放及び一般の批判を受けることになるし、こういうことは、えてして従来から考えておりましても、人事慣例——手続はもちろん法律的にきまっておりますが、きまった手続の中において最も重んぜられておるものは慣例であります。そういう慣例ができるということは、いま私が申し上げた諸点からいって、非常に悪慣例を残すものではなかろうか、こういう点を私は心配するのであります。そういう点は前田会長は御配慮になりましたかどうか、まずこの点をお伺いしておきたい。
  20. 前田義徳

    前田参考人 私は、たてまえの問題として片島先生のお考えには全く同感の意を表するものでございます。NHK放送法に定められた地位をはっきりと守り、その責務を果たすことが、私の与えられた新しい最高任務であるという考え方に立ちまして、一万五千の同僚職員を擁するこのNHK機構の中で、今日以後私自身が必要とする副会長はどのような観点から選ぶべきであるかということにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、慎重に熟慮いたしたわけでございます。私も特別に個人の問題をここに引き合いに出してお答え申し上げようとは考えておりませんが、少なくとも私の確信するところによりますと、私の任務は、単に一万五千の内部職員地位がどうであるかということを考える前に、NHK執行機関最高責任者として法に基づいてNHK責任を果たす方法は何であるかということを私は考えたわけでございます。続いて片島先生の御指摘になったように、いまの環境から見てどのような人を私自身が採用すべきことが世間の誤解を招かないような結果になるかという、いわゆる周到な配慮、この点につきましても私は十分考えたつもりでございます。私は率直に申し上げまして、私が推薦し、経営委員会全員一致同意を得て任命いたしました副会長は、ここにおられる小野君でございますが、小野君の個人的経歴によりますと、郵政省事務次官をしたことも事実でございます。しかし小野会長は、すでにNHK職員及び役員としておおよそ六年の経験を持っており、この六年間の実績を私自身が判定考慮いたしますならば、小野会長は、すでに郵政省事務次官とは全く別の地位心がまえに立って、今日まで過去六年間、NHK責任の追求とその発展と大衆のために寄与する方法に最善の努力を払われてきた人の一人であるという結論に達しました。このような六年の経過から見て、今日私がいろいろな人々を対象として慎重熟慮した結果、まずこの際は小野君に副会長を依頼すべきだという結論に達したわけでございますが、この点については、たとえばきのうまで郵政省におられて、本日はNHKの幹部の一人になるというような場合とは全く事態を異にしているわけであり、特にその選任は、私自身NHK最高執行機関としての責任において、NHK内部事情をも勘案し決定をいたしたわけでありまして、先生の御心配になる点については、今後も十分最大の注意を払ってまいりたいと考えておりますが、今回の私自身の副会長選定については、私といたしましては慎重熟慮の結果であり、先生が御心配になられるような影響は、すぐに出てくるおそれはなく、少なくとも私がNHK会長として在職する限り、そのような御忠告、御配慮に対しては、私は身をもってそのような誤解を受けないように、NHK執行機関としての責任を果たしてまいりたい、このように考えております。
  21. 片島港

    片島委員 おっしゃることはわかります。しかしNHKの一万五千人の部内職員の問題を考える前に、NHK使命を達成するための最高経営の面に力を入れて考える、これは鶏が先か卵が先かということになるのではなかろうか、私をして言わしめるならば、部内一万五千人の協力態勢がまずでき上がるということ、NHK全体の経営がりっぱにその使用を達成する経営体制が整っていく、その前に、それをあと回しにして、頭のほうでそういう経営機構なり体制をつくっていこうということは、本末転倒ではないか、これは私の見解であります。私はそう思います。そうしてまた、NHK育ち人々の中には、副会長になれるような適任者人材がいない、悲しいことでありますが、一万五千の長い経歴を持つNHK部内には人材が非常に不足しておりまして、副会長になれるような人材はいなかった、悲しいかな郵政省から入ってきた人にお願いする以外にはなかったということであるならば、残念でありますがこれはやむを得ません。NHKも残念なところであります。一万数千の、しかも長い経歴を持つNHK首脳部に副会長になれるだけの人材がいないということは、悲しむべきことであります。これはしかしやむを得ません。それと、NHKにおける使命達成に最も重要なる役割りを果たす部門は、放送部門技術部門であろう、私はそう思っております。あと会計経理をどうするとか、労務管理をどうするとか、いろいろ重要な問題はありますが、本流は放送部門技術部門であろうかと私は考えている。幸いにして前田会長は、放送部門においては押しも押されもせぬ権威有であります。私がそのように考えておったからかどうかは知りませんが、従来の人事を見ても、技術陣から副会長が出ておりました。しかも放送部門から会長が出ないで、よそから天下り的に会長が来ておるのにもかかわらず、副会長技術部門の人が昇格をしておった例がはなはだ多いのであります。一つ慣例となっておった観さえあったのであります。ところが、幸い私が歓迎すべき放送部門ベテラン前田会長がなられたのでありますが、従来の私たちとしては、前田会長技術部門でなかったけれども、何といいましてもあなたは全体的な大ものでありますから、みなが歓迎をしておりました。今度の会長も非常に歓迎をしております。しかし前田会長あとは、私は技術部門から登用されて、二大中核である技術部門ベテラン責任地位について部内を掌握していただけるなら、よそから見ておってではありますが、まことにうまくNHK経営がいくのではなかろうかと実は考えておったわけであります。よけいなことであるかしりませんが、そういう老婆心を持っておりました。しかしそうはいきませんでした。残念であります。  私はこれ以上前田さんを責めようとは思いませんが、NHK経営についての最高機関経営委員会であります。経営委員政府任命をいたします。経営委員長及びその代行は経営委員会の互選によるかと思いますが、大臣及び経営委員長の御出席を求めて、さらに政治的な問題について質問を続行することといたしまして、本日は私はこの質問はこれで打ち切ります。
  22. 加藤常太郎

    加藤委員長 森本靖君。
  23. 森本靖

    ○森本委員 ちょっと聞いておきたいと思いますが、いま赤城専務の話では、経営委員長委員長代理がおらないということでありますが、もしそういう場合には、さらにその次の代行者というものを放送法に基づいてきめておかなければならぬというふうに解釈せられるかどうか、これはNHKと省側と両方に聞いておきたいと思います。
  24. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 ただいまの御質問につきましてお答え申し上げます。  放送法によりまして、「委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代行する者を定めて置かなければならない。」こういうふうにございます。したがいまして、今回の場合、よほどのことがない限り、委員長、それから委員長代行ともにやむを得ない事故になるということは考えておられなかったものと考えられます。したがいまして、申しわけない状況になったわけでありますが、特に何名ということもございませんが、ただいまのところは、委員長並びに委員長職務代行といたしまして靱委員がなっておられるように承っております。
  25. 森本靖

    ○森本委員 これは官房長に聞いてもわからぬので、電波局長に聞いたらわかると思うが、いま言ったようにかりに靱委員長代行が病気でいなくなるということになるとするならば、放送法の第二十五条によってその次の人をきめておいてもさしつかえないし、またきめておくべき筋合いではないかというふうに考えるのですが、どうですか。
  26. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 そういう事故のあります場合には、内部におきましてそういう配慮も必要かと存じます。
  27. 森本靖

    ○森本委員 それで、きょうの委員会経営委員長に出てきてくれという通知があったのは、何日ごろ通知があったのですか、赤城専務に伺います。
  28. 赤城正武

    赤城参考人 昨日だったと思います。
  29. 森本靖

    ○森本委員 大体きょう委員会があるいうことはわかっておるので、いま言ったように、まあそれはそういうふうな二つの用事があって出てこれぬということになればやむを得ぬですが、いまのようなNHKにとっては非常に重要な時期になった場合には、 いま言ったように委員長、さらに委員長代行、その次ぐらいは一応平常からきめておいても、放送法の二十五条のたてまえからいくならば差しつかえないというふうに考えておるわけですが、どうですか。
  30. 赤城正武

    赤城参考人 放送法によりますと、職務代行者の人数については別に規定してございませんから、あるいはそういう場合に応じた処置を十分考えておくべきだ、執行部としてはそういうふうに考えられます。
  31. 加藤常太郎

    加藤委員長 この際、徳安郵政大臣より発言を求められております。徳安郵政大臣
  32. 徳安實藏

    徳安国務大臣 今回の改造にあたりまして、不肖、郵政大臣に就任することになりました。ごらんのとおりに非常な未熟者でございますので、皆さんに大へんごやっかいになろうかと思います。特にこの委員会におきましては、委員長以下各委員諸君の特別の理解ある御支援を得ませんとその任務が全うできないと思いますので、私も微力ではございますが、誠心誠意努力いたしまして、その任務を果たしたいと考えておりますので、どうぞ委員長並びに委員各位の格別の御支援を切にお願いいたしまして、ごあいさつにかえる次第でございます。(拍手
  33. 森本靖

    ○森本委員 大臣になられましてまだ日が浅いわけでありますけれども、一応この委員会がありましたら、次は九月の下旬でないと委員会が開かれません。そこで、新聞紙上報ずるところによりますと、オリンピックが終わりましたならば直ちに臨時国会に入るということをいわれておりますので、従来からの当委員会におけるいろいろの懸案事項もあるわけでありますが、大臣にちょっと軽く聞いておきたいと思いますことは、次の臨時国会あるいは通常国会郵政省として提案をする法案というものは、大体どういうふうなものを考えておられるか、それを一応御説明を願いたいと思います。
  34. 徳安實藏

    徳安国務大臣 私も就任いたしましてまだ日がございませんので、ようやく役所の仕事のあらましを聞いたくらいでございまして、政府といたしましても、重点施策をなるべく十日以前に整理をするようにという総理からのお話もございましたので、話し合いはいたしておりますが、いまお話しのような法律等につきまして、どれとどれとをあげて、どういうものを出すというところまでの相談はまだいたしておりません。まことに答弁としてはなっておらぬと思いますが、どうかしばらくお待ちをいただきたい。今日の場合は、私は引き継ぎはいろいろ受けておりますが、そのいい悪いにつきましてもまだ判断に迷っておるものもありますし、事務当局からそういった内容につきましても詳しいものを聴取しておりませんので、できるだけ早くそうした措置に出たいとは考えております。今日ではまだ申し上げるだけの私に自信と心がまえがございませんので、次の機会までお待ち願えればしあわせだと思います。
  35. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、臨時放送調査会の結論が大体七月には出る、こういうことにいわれておりましたけれども、だいぶ延びたようでありますが、調査会の結論は大体いつごろ出る予定ですか。
  36. 徳安實藏

    徳安国務大臣 私のほうに入手しております情報によりますれば、九月の上旬には手元に届くんではなかろうかという模様でございます。
  37. 森本靖

    ○森本委員 九月の上旬に大臣のほうに答申が出るということになりますと、当然放送法の改正その他についての議案は次の通常国会に出るというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  38. 徳安實藏

    徳安国務大臣 可能なものは、できるだけ努力いたしまして、次の国会に出すようにいたしたいと思っております。
  39. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、この放送調査会の結論によりますところの放送法の改正問題については、一応次の通常国会に出るというふうに解釈していいわけでありますが、そこで巷間伝えるところによりますと、新聞等におきましては、郵便料金あるいは電信電話料金の値上げについても、次の通常国会あたりで提案をしたいというふうな意味のことが報道されておりますが、大臣としてはどういうふうにお考えですか。
  40. 徳安實藏

    徳安国務大臣 その点につきましては、まだ全く議題にもしておりませんし、相談もしておらない段階でございます。
  41. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、さらに聞いておきたいと思いますことは、前大臣のときからの経緯がありますけれども、貯金の最高額の引き上げについて、さらにまたいわゆる保険と同じようなサービスセンターの設置についてというようなことについては、一応いま郵政省としては次の国会に提案をしたいと考えていますか。
  42. 徳安實藏

    徳安国務大臣 大体いまお話しのような点につきましては、法案提出のつもりで準備を進めておるそうでございます。
  43. 森本靖

    ○森本委員 それからさらに簡易生命保険局を外局にしたいというふうなことも言われておったわけでありますが、それと同時に、今度の新潟の震災によりまして、地震に対する保険という問題で、これは田中大蔵大臣が、地震災害保険に対して簡易生命保険を適用することを考えてもいいというようなことを言われておりましたが、これについては郵政省としては具体的にどう考えておりますか。
  44. 徳安實藏

    徳安国務大臣 ただいまのところでは、まだそこまで研究もしていないそうでありますし、考えてもいないということでございますが、問題が問題でございますから、私も十分研究してみたいと思います。
  45. 森本靖

    ○森本委員 それから例の電話業者の登録法の問題については、これは前の通常国会から問題になっているわけでありますが、研究に研究を重ねて、まだ実際に日の目を見ておりませんが、これについてはどういうふうにお考えですか。
  46. 徳安實藏

    徳安国務大臣 まだ研究している段階だそうでございます。
  47. 森本靖

    ○森本委員 それから次に、来年十月を目途にして、郵便はいわゆる県庁所在地には翌日配達というかっこうにしたい。それがためには飛行機郵便というものを、速達でなしにそれ以外に考えていきたいということを言われておりますが、これについては具体的にどういう考え方を持っているわけですか。
  48. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 ただいま航空機搭載を考えまして検討いたしております。
  49. 森本靖

    ○森本委員 航空機搭載ということは、現在の行政方法でも行なわれるわけでありますが、何か特殊の郵便の飛行機について、いまのような搭載の方法でなしに、たとえば日程のようなものをつくるというような考え方であるか、あるいは現在のようなやり方であるかということについて相当問題があろうと思いますが、この問題については、いまの考え方としては、現行の飛行機に頼んで委託運送をやっておる、これをそのまま拡大、延長するという考え方ですか。それとも特殊なものをつくってやろうという考え方ですか。
  50. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 ただいま考えておりますのは、従来どおりの方法によりましてやることを考えております。
  51. 森本靖

    ○森本委員 これについても、ひとつ十分に検討してみて、一つ機構ができるものならば、ある一つ機構をつくってやったほうがかえっていいのではないかという気もするわけでありまして、こういう点についてもひとつ新大臣のもとで十分検討を願いたい、こう思うわけであります。  それからちょっと聞いておきたいと思いますことは、今度の、ここにも金丸政務次官がおられますが、オリンピックの宇宙通信について、いわゆる太平洋岸におけるところの日本の負担が、大体十万ドルか十五万ドルくらいだったと思いますが、それはどうしても日本が負担しなければならぬものですか。
  52. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 委員会の非常な御配慮によりまして、オリンピック東京大会の宇宙中継が実施できることにようやく相なった次第でございます。ただここへ持ってまいりますまでには、アメリカ側のたいへんな好意と協力があるわけであります。日本側といたしましても、金丸政務次官もわざわざ行かれまして相当交渉せられたのでありますが、どうしてもこの段階までは出さないと成立しなかった、こういう状況であります。
  53. 森本靖

    ○森本委員 それは何でもかんでもオリンピック、オリンピックということで金を出すということもいいですが、この金はNHKから出すのですか、郵政省が出すのですか。
  54. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 ただいままだその点の出すところにつきましては、はっきりいたしておりません。現在協議中でございますが、オリンピック組織委員会、また資金財団、場合によってはNHK、こういうことにおきましてただいま検討いたしております。
  55. 森本靖

    ○森本委員 これははっきり申し上げておきますが、NHKが出すということは筋が通らぬと思います。大体これはほんとうを言うならば、いわゆるヨーロッパ放送連盟あるいはアメリカ側が、こういうような施設をするから、日本からひとつぜひ送ってもらいたいと言ってくるのがほんとうだ。日本のほうが押し売りで、そっちに施設を行なって、そしてさらに送るから買ってくれという形をとるよりかは、向こうが大体施設をして、そうしてそれに対してこちら側の日本国内の設備を完全に行なって送ってくれと言ってくるのが当然である。これは日本がオリンピックを全世界に見せたいということでやったんでしょうから、確かに前政務次官の功績もあるわけでありますけれども、しかし筋は筋で一応考えておかなければならぬと思う。これだけの大きな金額になってまいりますと、国民受信料の中からほとんど出すということは、私は筋が通らぬと思う。もし出すとするならば、オリンピックの組織委員会なり資金財団なりあるいは政府が出す、あるいは国際電電が将来の通信をおもんぱかって出すということならば話がわかりますけれども、その辺はひとつ政府としては十分に筋を通した考え方を立てておいてもらいたいということを言っておきたいと思います。  それからさらに大臣に聞いておきたいと思いますが、これも前の大臣以来懸案になっておりましたが、ちょうどいまアメリカの高等弁務官が来ております。琉球の沖縄と日本とのマイクロウェーブの問題でありますが、これについては一体どういう話が具体的にかわされたか。たとえば総務長官と今度の高等弁務官、さらにまた総理と高等弁務官、あるいは郵政大臣がその間においてこのマイクロウェーブの問題についてどのように入っておられるのか、その辺をひとつ御説明を願いたいと思うわけです。
  56. 徳安實藏

    徳安国務大臣 沖縄との関係につきましては、私もかつて総務長官時代から関係したことでございまして、完成と同時にその翌日からでも日本のなまのテレビを向こうに見せるということが望ましいことでありまして、私が在任中にはそれを深く要請しておったのでありますが、その後完成いたしまして半年、いな八ヵ月たちましても、なお料金等の関係話し合いがつきませんで、せっかくできましたものが眠っておる。しかも火を入れたまま眠っておるということを聞きまして、まことにこれは残念でもありますし、また沖縄九十万の諸君の大きな期待を裏切っておるわけでありますから、一日も早く大所高所から解決すべきであると考えまして、先般新しい高等弁務官が東京に見えるという話を聞きましたので、総理、外務大臣、それから総務長官、そういうほうに話をいたしまして、いい機会でございますから、どうかすみやかに話し合いがつきますように、最善の努力をしていただきたいということを私の立場からお願いをしておきました。その結果につきましてはまだ報告は受けておりませんし、私もまだ聞いてはおりませんが、相当強い決意で先方と話し合いをするということでございましたから、確かに今回の会見において何らか最高首脳の間で話し合いがあり、また確信ができておるのではないかと思います。私どもも、従来の経緯もございますので、にわかにそれをどうこう言うわけではございませんが、とにかくアメリカ側にも何か案を示しておるそうでございますので、そうした案に対しましてすみやかに返事をいただいて、そうしてせっかくできたものでありますから、一日も早く九十万の沖縄の諸君に見せてやりたいという念願で一ぱいでありますので、今後も引き続いてその努力を続けたいと思っております。
  57. 森本靖

    ○森本委員 この問題については、前大臣からのいきさつもございますし、それから大臣も総務長官もやっておりまして、あの特殊な法律について施行したときの内容もよく知っておると思いますし、これは単に料金問題だけではなしに、実際にこれがニュースその他の報道関係をどういうふうにするかということが一番ひっかかっている問題でございますので、こういう点については、郵政大臣としても早急にこれが実際に使えるように結論を得るようにひとつ努力を願いたい、こう思うわけであります。  それからさらに私は大臣に聞いておきたいと思いますことは、何か聞くところによりますと、郵政本省を国会の付近に昭和四十年度に新しく三十億円程度で建てるというようなことを閣議で内々のうちに決定されたというようなことを聞いておりますが、何かそういうことがありますか。
  58. 徳安實藏

    徳安国務大臣 前大臣の引き継ぎの書類の中に、いまの通産省の場所に、通産省を加え、あるいは郵政省、中小企業庁等も交えまして大きな建物を建て、そこに入るように閣議了解ができておるという書面の引き継ぎを受けております。
  59. 森本靖

    ○森本委員 それは一般会計ですか。
  60. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 郵政省の本省の庁舎につきましては特別会計になるものと存じます。それから通産省の建物につきましては一般会計で負担をする、そういう形で合同の庁舎になるものと考えております。
  61. 森本靖

    ○森本委員 郵政省としての負担する金額はどの程度ですか。
  62. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 まだその点まで大蔵との間で詰めができておりませんが、私どもでいま大蔵に要望しております坪数は約一万八千坪前後であったと思います。現在の庁舎は一万二千坪でありますので、それの約五割増しを要求いたしたい、こういうことでいままだ折衝の段階でございます。
  63. 森本靖

    ○森本委員 これは私の選挙区ではないけれども、同じ四国でちょっと聞いておきたいと思いますことは、いまの本省の建物に関連をいたしまして、十の郵政局の中でいま新しくできてないのは松山の郵政局だけになっておるわけです。従来西村次官のおりに、大体三十九年の三月ごろに一応ちょっとだけ着工したような形で、四十年度に本格的な着工に取りかかって、もう全国で最後に松山郵政局というものを四十年度には仕上げようということに、大体いままでの西村次官、さらに建築部長、こういう方面では内々のうちにそういうことを一応決定しておったようないきさつがあるわけでありますが、何か聞くところによりますと、昭和四十年度に本省の建物をこの国会の周辺に建てるということによって、松山郵政局の、最後の郵政局というものが取り残されるということをうわさに聞くわけでありますが、そういうことは私はあってはならぬ、いまもう一つしかないというような現状でありますので、そういうことはないというように解釈いたしておりますが、どうですか。
  64. 淺野賢澄

    ○淺野説明員 申しわけございませんが、まだ私そこまで聞いておりませんので、よく調べまして……。
  65. 森本靖

    ○森本委員 これはよく調べて——従来そういうふうな話し合いもなされておるわけでありますから、本省は本省として建てるのには何ら反対はしないし、それは大いに建ててもらってけっこうであります。ただ十の郵政局の中で一つだけ松山郵政局ができていない、これは昭和四十年度になろう、こういうことになっておるわけでありますが、この間の経緯を大臣も十分お考えになって、ひとつ従来どおり、これを四十年度に松山郵政局の庁舎も仕上がるように御努力を願いたい、こう思うわけでありますので、大臣にこの返事を聞いておきたいと思います。
  66. 徳安實藏

    徳安国務大臣 先ほど申し上げましたように、新しい庁舎をつくるという閣議の了解については、書面で引き継ぎをいたしておりますが、その裏にそうした犠牲があるというふうなことは全然引き継ぎもしておりませんし、決定もしておりません。あるいはだれかのひそひそ話が伝わったのではないかと思いますが、年次計画等で計画されておるものでありますならば、できるだけその年次計画を変更しないように、新しい計画は計画として進めていくといたしましても、いまのお話のような点については、年次計画が立っておりますならば必ずそういうぐあいに進めるように努力をいたすつもりでおります。
  67. 森本靖

    ○森本委員 もうこれでやめますけれども、最後に一つだけ申し上げでおきたいと思いますことは、この間の電話の自動化の法案が、衆議院、参議院をあれだけ非常にもみましたけれども、いずれにいたしましても参議院で成立をいたしました。その場合に、当委員会審議をいたしましたときに、その電話の自動化の法律については、これを施行する政令については、十分に与野党の意見を聞いてやるという約束になっておると思います。これは速記録に明確に載っておるわけであります。委員長のお手元に政令案はおそらく出したと思いますが、休会中でありますので、委員長が与野党の理事に提示する時間がなかったというふうに私は委員長に好意的に解釈をいたしておきますけれども、これは単に委員長に出すだけでなしに、その場合には、当務者でありますところの人事局長なりあるいはその当務者が、与野党のそれぞれの理事にいままでの慣例として一応こういうふうな政令案を出すつもりですから、委員長にも御了承を願っておりますが、ひとつ与野党の理事さんにも御了承を願いたいということで今日までやってきておるのであります。またこれが逓信委員会の非常にいいとこるでありまして、いままで法案についても反対は反対、賛成は賛成でありましても、結局は超党派的な方向に委員会がいっておるという一つ慣例があるわけでありまして、そういう点を今後もひとつ十分に生かしていってもらいたい。この委員会の平和的な討議を守るためには、そういうよき慣例というものは、私は新しい大臣においても残していただきたい、それから今後いろいろな法案が出てくるわけでありますけれども、私はそういう法案については、できる限りこれは政府政府責任において与党と相談をしながら提案をする、こういうことになるわけでありますけれども、この逓信委員会というものは、事が与党、野党がほんとうに本格的にその与党、野党の基本的な問題において相争うということが比較的少ないわけでありまして、そういう点について、行政的な問題についての意見の食い違いというものは、与党、野党が十分に話し合いをして、そうしてできる限り調整をつけていきたいというのがいままでの慣例になっておるわけであります。そういう点を十分に勘案の上、新しく法案を出されるときには、出されてしまって、実際のこの委員会においてどうこう審議をして、これを修正するということになりますと、かなり困難な面が出てくるわけでありまして、具体的に法案を提案をする前にできる限りひとつ与野党の意見を聴取をしていただきたい。そうしてできる限り円満に法案が通過をするという形を今日までこの委員会としては極力とってきておるわけであります。そういう点も十分に新しい大臣政務次官がお考えの上、今後の法案の提出については万遺憾のないような手段を尽くしていただきたいということを大臣にひとつ特に要望をしておきたい、こう思うわけでありますが、その点についての大臣所見を聞いておきたい、こう思うわけであります。
  68. 徳安實藏

    徳安国務大臣 いい慣例等については、もちろん私も守っていきたいと思います。また、ただいまのお話は、私が平素から考えていることでありまして、まことにごもっともでありますから、なるべく委員会が相争わずして論議を尽くされて、そうして円満のうちに法案が通りますように望みますことは、もう私どもの重々考えておることでありますから、その点につきましてこの委員会にいい慣例がございますならば、もちろんそれを守りながら、ぜひとも御協力いただきたい、こういう方針はもちろんそういう気持ちでおりますので、御了承いただきたいと思います。
  69. 加藤常太郎

    加藤委員長 この際、御報告をいたしておきます。明八月一日は委員会を開会する予定でありましたが、都合により予定を変更して、午前十一時から打ち合わせ会を開会することといたします。なお、次の委員会は九月三十日に開会する予定でありますので、御了承願います。本日はこれにて散会いたします。    午後一時十一分散会