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1964-04-28 第46回国会 衆議院 逓信委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二十八日(火曜日)    午前十時十七分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 森山 欽司君 理事 大柴 滋夫君    理事 栗原 俊夫君 理事 森本  靖君       小渕 恵三君    仮谷 忠男君       佐藤 孝行君    椎熊 三郎君       武市 恭信君    中村 寅太君      橋本登美三郎君    服部 安司君       星島 二郎君    本名  式君       村山 達雄君    山本 幸雄君       安宅 常彦君    大村 邦夫君       片島  港君    佐々木更三君       下平 正一君    永井勝次郎君       畑   和君    受田 新吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 古池 信三君  出席政府委員         郵政政務次官  金丸  信君         郵政事務官         (大臣官房長) 武田  功君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  野口 謙也君         郵政事務官         (人事局長)  増森  孝君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   秋草 篤二君         日本電信電話公         社職員局長   中山 公平君         日本電信電話公         社運用局長   水谷 七代君         日本電信電話公         社計画局長   宮崎 政義君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 四月二十八日  委員大高康君、木部佳昭君、小泉純也羽田武  嗣郎君、中嶋英夫君及び柳田秀一辞任につき、  その補欠として仮谷忠男君、武市恭信君、服部  安司君、村山達雄君、畑 和君及び大村邦夫君  が議長指名委員に選任された。 同日  委員仮谷忠男君、武市恭信君、服部宏司君、村  山達雄君、大村邦夫君及び畑 和君辞任につき、  その補欠として大高康君、木部佳昭君、小泉純  也君、羽田武嗣郎君、柳田秀一君及び中嶋英夫  君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  電話設備拡充に係る電話交換方式自動化の  実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す  る法律案内閣提出第三七号)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより会議を開きます。  電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。片島港君。
  3. 片島港

    片島委員 あまり準備もしておりませんので、わかり切ったことを聞くように思われるかもしれませんが、この法案適用対象となる総人員、これは直轄局委託局別にどの程度を見込んでおられるか。もちろん配転あるいは職転の可能なものは対象となっておらないと思うのでありますが、三十九年度から何カ年を目標として毎年どの程度数字、本法案適用対象となる人員がどのくらいになると見込んでおられるか。
  4. 増森孝

    増森政府委員 お答えいたします。  お手元に多分参考資料つき法律案が差し上げてあるかと思いますが、本支給金対象人員でございますが、はこの一番下に措置困難数という数字が書いてございますが、この措置困難数がすなわち支給対象人員ではないのでございまして、この措置困難数に実は措置可能数の中の一部が入っていると御理解願いたいと思います。どうしてそうなるかと申しますと、実はこの数字を出しましたときに、この措置可能数の中には配職転、それから公社もしくは郵政省に転出するというもの、それから欠員充当のもの、それからもう一つ自然退職の数を入れてございます。したがいまして、自然退職の数を実は措置可能の数から引かなければいけないのでございまして、そうしてみますと、三十八年度におきましては、郵政省では措置困難数三百と書いてございますが、実は四百くらいになるようでございます。したがいまして、大上体一〇%ぐらいふやした数字が本支給金対象人員だと御理解願えればけっこうだと思います。そこで大ざっぱに申し上げますと、郵政省としましては、この五カ年間に五千九百と書いてございますが、大体六千七、八百名、それから電電公社としましては、八千二百名と書いてございますが、九千五、六百名が支給対象人員になろうかと思います。したがいまして、合計いたしますと一万四千と書いてございますが、二万五、六千名が本支給——これは郵政省電電公社全部をひっくるめての数字でございますが、一万五、六千名の人間がこの支給対象人員になろうかと思います。
  5. 片島港

    片島委員 そうすると措置可能数という中には、自然退職人員、この関係はどうなっておりますか。いまちょっと聞き落としましたので……。
  6. 増森孝

    増森政府委員 措置可能数の中に自然退職を含んでおりましたので、それを引いて——つまり自然退職措置困難数を足したものだ、こういうふうに御理解願いたいと思います。
  7. 片島港

    片島委員 自然退職人員のほうはどういうふうなことになっておりますか。
  8. 増森孝

    増森政府委員 最近五カ年の数字をとってみますと、これは郵政省でございますけれども郵政省全体として見ました場合に、普通局のほうでは二万三千二百名ほどの退職者になっております。それから特定局自然退職者は二千六百八十名ほどになります。これはもちろん電話交換だけ下、はなくて、貯金、保険、郵便等も入れましての数字でございます。これは三十四年から三十八年までの合計でございます。  それから、郵政省だけでございますが、電話交換数字は三十四年から三十八年までの五カ年間に二千六百八十名ほど自然退職になっております。
  9. 片島港

    片島委員 五カ年間で普通局合計一万三千二百で、特定局は二千六百八十ですか、五カ年間の合計で。そんな少ないことはないでしょう。
  10. 増森孝

    増森政府委員 失礼いたしました。特定局の全体の数字は二万六千八百名でございます。
  11. 片島港

    片島委員 交換要員特定局においては約五カ年間で三百人、そういうことになりますと、一カ年間大対六百名くらいは自然退職をしておるということになりますか。
  12. 増森孝

    増森政府委員 平均いたしますとそのくらいになろうかと思います。
  13. 片島港

    片島委員 そうすると措置可能人員の中が、郵政省電話交換関係で三十八年、一千、三十九年が五百、四十年が千四百、四十二年が千八百、こういうふうになっておりますが、これは大体一年間平均六百名、それを引いた数だけが措置可能人員ということになりますか。
  14. 増森孝

    増森政府委員 ちょっとことばが足りませんでしたが、この措置可能数数字の中身は自動化に伴う措置可能数でございます。それから、先ほど私の申しました数字は、電話交換要員全体の全国の数字でございます。したがいまして、この参考資料にございます措置可能数が千名とか五百名とかいうのは、先ほど申しました郵政省全体の数字の一部になる、このように御理解願いたいと思います。
  15. 片島港

    片島委員 それでは私お聞きしたのですが、いずれは目標特定局における電話交換というのは全部自動化になるわけでしょう。そうしますと、いずれは交換要員は要らなくなるですな。四十二年までの自動化に伴う措置可能数をここに書いたと言うけれども、これはみな自動化になるわけですから四十八年までには全部いなくなる。自動化がいつまでに完了してしまうか。それで自動化に伴うといいますか、その計画によって全部自動化をやるわけなんですから。
  16. 宮崎政義

    宮崎説明員 お答え申し上げます。  いま先生から自動化の進展の計画はどうなっておるかというような御質問だと思いますが、われわれのいまやっておりまする第三次五カ年計画は、三十八年から四十二年までやっておるわけでございます。これでサービスをやっていく局数から申しますと千五十局ぐらいあるわけでございまして、第四次五カ年計画としましては、そのあとの四十三年から四十七年末までになるのでございますが、これにつきましては、まだ詳細には組み立ててはいないのでございますが、大体二千局ぐらいの改修工事をやっていさたいと考えております。しかしながら、そのテンポでいきますと、なお第四次五カ年計画以後、すなわち第五次五カ年計画以降におきましても約二千局くらいは手動が残るんじゃないかと考えております。
  17. 大柴滋夫

    大柴委員 関連。いまの自動化電話交換手動から自動化にすることだろうと思いますけれども、その他に、たとえは事務機械を、何かIBMにするとか、あるいは要するに時代の進歩とともにいろいろの自動化とか合理化というものがあるだろうと思います。その計画はどういうようになっておりますか。
  18. 秋草篤二

    秋草説明員 お答え申し上げます。  将来の要員計画の主たるものはここ数年来論議されております運用要員がほとんど大部分でございまして、御説のように昨今事務近代化という仕事を考えてはございますが、運用要員以外につきましては、先生のおっしゃるとおり事務近要員問題が多少ございます。その他正確に申せばほかの技術関係でも多少あろうかと思いますが、これはほとんど数字としては取り上げるほどのこともないと思います。そこで事務近につきましては、まだ事務近自体が計画を策定する段階にはなっておらないのでございますが、現在第一次の施行計画を考えておりまして、まずおおよそのビジョンといえますか見通しとしますと、この点は将来増加するであろうところの事務要員増加抑制効果があり、増加要員を相当押えることができる。その数は大体五千名程度でございまして、ほうっておけば事務要員というものも年々歳々、毎日相当ふえるのであります。この事務と申しますのは必ずしも事務技術という意味ではなく、デスクと申したらよろしかろうと思いますが、そういう要員が全体の大体二割ぐらい現在でもございますが、これが事業の拡張とともに年々相当ふえる、ふえることを事務近によって事前に抑制していこうという考えでございますので、現存する従業員を減らすということはまずほとんどございません。その間に事務近もやりますので、最終的にはほんのわずかの数、現実には百名前後の者が配職転をせざるを得なくなるだろう、この程度見通しを持っておりまして、大柴先生の御心配なされた運用要員以外の要員問題につきましては、現在組合員にも説明しておりますが、配職転その他ほとんど心配のないような見通しをつけておる次第でございます。
  19. 大柴滋夫

    大柴委員 そうすると、当分、かかる自動化に伴う退職を円滑にするというような法律は現在の公社が考えておる限りはないだろう、こういうことが言えるわけですね。
  20. 秋草篤二

    秋草説明員 運用要員以外につきましてはまずないだろうというふうに存じております。
  21. 大柴滋夫

    大柴委員 実はこの間、集団住宅電話のときに、日本のアパートの発生状況というような面から電話需要者の質が相当違ってくるだろう、いままでは、電話は一日に十通話、十五通話かけるような人が必要としたものであるけれども、一日に二通話、三通話というような人も安い電話を欲してくるのではないかこういうようなことを御質問したのですが、公社当局のこれに対する返答がどうも不明確だったわけですが、将来三年なり五年たって、そういう電話需要者の質の転換並びにその質の転換に伴ってそれに応ずる体制というようなものが——現在の電電公社自動化自動化といってこっちのほうがそういうような状態になっておるわけですが、質の転換に伴うそれに応ずる体制というような構想を持っておるかどうかということについて伺います。
  22. 秋草篤二

    秋草説明員 ごもっともな御質問心配でございまして、私ども自動化を進めてまいります一面、これが財政収支にどう影響するかという点も深く考えなければならぬ段階にきておるわけであります。お説のとおり団地あるいは農村関係の特に住宅電話がかなり普及してまいりますので、端的に申しますれば、一加入当たり収入単金というものは年々多少減少しております。したがいまして、一加入者当たり収支の傾向と申しますか、あるいは総資本投下に対する収益率というものは徐々に軽減してまいっております。これに対しましては、将来財政上の計画に相当大きな影響もございますので、第一に考えなければならぬことは経費の節約でございますが、その前に投下資本効率化をはかるための技術計画、設計その他につきましての技術革新をやる前に検討いたしまして、できるだけ投下資本を安くして電話をつけるということも日夜考えておる次第でございます。  第二には、それでも将来いろいろ料金その他でたえられないような見通しがまいりますれば、将来の課題といたしましては、料金問題につきましてもあるいは検討しなければならぬ時期も参ろうかと存じておる次第であります。
  23. 片島港

    片島委員 私は、無理なことをやらなくても、自然退職というのが相当あれば、それによって自然と埋め合わせがついていくのではないかというところから退職人員のことをお聞きしたわけですが、先ほど人事局長の話によりますと、こういう措置可能者のところは自然退職者数を除いて、こう聞いたのでありますが、間違いありませんか。
  24. 増森孝

    増森政府委員 自然退職措置可能者に含んでいるということを申したのでございまして、本特別給付金支給対象措置困難数の三百に措置可能者のほうの自然退職に当たる者がプラスになるということを申したのであります。
  25. 片島港

    片島委員 自分の都合でほっておいてもやめていくという人にもやはりプラス何十万かを加えてやるのですか。そうするとそのけじめのところが、これが実施される直前と実施されるぎりぎりを境目にした場合に、前の人は自然退職でかってにやめたのだから要らぬ、今度は自然退職でやめるけれどもこの法律適用してからたくさん特別給付金を出すというのはどうもおかしいじゃないですか。
  26. 増森孝

    増森政府委員 自然退職ということばがちょっとおかしかったかもしれませんが、そういう者も、自然退職するといいましても、本特別給付金支給するかどうかということになりますと非常にむずかしい問題になります。どうしてかと申しますと、自分意思でやめるといいました場合でも、いろいろ条件が違ってまいりまして、たとえば自由意思でやめると申しましても、客観的にそれが欠員があって配職転ができる者については本特別給付金支給されない。それから、やめたいといっても、欠員がなくて配職転ができない場合、そういった場合にはやはり本特別給付金支給しなければいけないのだろうと思いまして、その辺の限界になりますと、必ずしも自然退職だからやらないというわけにもいきませんので、それらにつきましては、第三条でもって労働協約とか、あるいはまた政令等によりまして、支給基準というものをきめていきたい、このように考えておるわけです。
  27. 片島港

    片島委員 自動化に伴って電話交換要員が不要になる。その場合に、あなた方は、どうにか無理をしても配転職転が可能であると思われる場合には職転配転をやりたいのですか。それとも、本人には配転職転を無理してやるよりも、むしろやめてもらったほうがいいとお思いですか。どうなんですか、そこの点は。
  28. 増森孝

    増森政府委員 私ども最初からこの法案につきまして御説明しておりますのは、できるだけやめてもらうという趣旨ではございませんで、できるだけ配職転によりましてなま首のないように、そういうのが大原則でございます。私どもは第三次五カ年計画を遂行いたします上におきましても、できるならば一人でも職を失うことのないように、したがいまして、あるいは電電公社に採用してもらうとか、あるいは郵政部内でもよその郵便局もしくは貯金局等に譲ってもらう、そういうことが大前提だと存じております。
  29. 片島港

    片島委員 私はなま首の問題がどうだと言っておるのじゃないのです。なま首を切るのは気の毒でもあるし、またそういうことはやるべきでないから切らないんだが、しかしできることならば配転か職転をあなたたちはやりたいというのですか。それとも本人がやめるというならば、むしろやめてもらったほうがいいと思うのか。いやいや、どうでもこうでもやめてもらっては困る、配転職転が可能だから、給料は高いが、またすぐ近くの局に行って——役に立つか立たぬかわからぬけれども、なま首を切りたくないからやめぬでくれ、どうしてもとどまってもらいたいとあなたたちは思うのか、その点を聞いておるのです。あなた方のお情けを聞いておるのじゃなくて、きわめて合理的に考えた場合に、その点はどうなんですか。
  30. 増森孝

    増森政府委員 私どもとしましても、職場内で配職転できるならばできるだけそれを望むべきだと思っております。従来、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画におきましては、そういうふうなつもりでできるだけ配職転に力を入れてまいったのでございますけれども、第三次五カ年計画になりますと、山の中とか中都市以下というようなところになってまいりまして、どうしても配職転ということが困難になろう、われわれとしてはできるだけ配職転等でやりたいのでございますけれども、こういうことで今後は配職転ができないであろうということで、この法案を提出したわけでございます。
  31. 片島港

    片島委員 それじゃあなたのほうの協約で、一時間半の通勤とか住宅を提供するとか、そういうことがある場合は、私はもう不要になった、ここの交換要員は不要になったからやめたいと言っても、お前は住居も提供し、あるいは一時間半の通勤の距離の範囲に入っておるんだから、やめたならば給付金をやらぬ、そういうことなんですか。
  32. 増森孝

    増森政府委員 その辺は、組合との間に配転協約がございまして、配転協約では、無理のないような配転をしようということになっておりますので、私どもとしましては、無理のない配転をしていきたい、無理であるならばこの給付金支給していきたい、このように考えております。
  33. 片島港

    片島委員 あなたたち配転基準による協約に適合する者は、どうしても行かないというならば、行かないで私はやめたいという場合には、これはくれないのですか。不要になった人間が、お前たち協約による一時間半の通勤時間内にあるから、やめたらくれぬというのですか。どうでもこうでも行けというのですか。それは私は合理的に答弁してもらいたいと思うのです。ただなま首を切るとか切らぬとか、そういう問題じゃなくて、本人にとっては——組合との間に協約がありますから、その協約基準内ではあるけれども、往復三時間もかかるということになれば、家庭事情などからこの通勤は非常に困難だ、この際要らぬようになったからやめる。しかしお前は配転基準内にあるから、この特別給付金はくれない、やめるならかってにやめろ、こういうことなんですか。
  34. 増森孝

    増森政府委員 労働協約では一時間半というようにきめてございますけれども、私どもの……(片島委員「くれるのかくれぬのかを言えばいい。」と呼ぶ。)この法案のたてまえからいいますと、非常にスムーズに無理のない配転ができるという者には支給しない、こういうことでございます。
  35. 片島港

    片島委員 あなたのほうは無理ないと思うが、本人は非常に無理に感じてこの際不要になったんだからやめようという者には——あなたはさっき自然退職でほうっておいてもやめる者でもくれると言っておるのですよ。それを今度自然退職じゃなくて合理化によって交換要員が不要になったという場合に、協約にもこう書いてある、お前は配転ができるんだからくれぬという。自然退職する者にはくれるという。これは一体どうなんですか。
  36. 増森孝

    増森政府委員 先ほど自然退職が入っておると申しましたのは、数字上入っておるということを申し上げたわけであります。それから、ただいまの問題でございますが、配転が困難であるか可能であるかということは、本人家庭事情とかあるいは常識的に考えていきたいと思います。
  37. 片島港

    片島委員 こういうことなんですよ。ほうっておいても自然退職をする者はおる。おりますけれども、しかしこの特別給付金ができると——こういうものがなかった場合には、来月やめようと思う人も今月やめようという人も、これが三カ月先には適用になる、こういう場合には、自然退職がかわってこの適用退職になると思うのです。本人はわずか一カ月か二カ月か在籍しておけば不要になるのですから。だから自然退職というのが自然と消えていくわけなんです。この法律適用になりますと、適用される交換局における交換要員は、自然退職がこの中に自然と含まれていって消えていくわけです。ほっておいたら自然退職になったであろうという人が、これの適用にぽっかり入ってきてしまうから、自然退職は数が消えていくのは当然です。そういう自然退職見分けがつかぬようになります。この法律適用することによってやめるのか、本人はほっておいたならばやめたであろう者かは、その見分けはつかぬようになるわけです。それだから、あなたは先ほど自然退職にもやらなければならぬだろう、こう言っておられる。それは私は当然だろうと思うのです。自然退職にはくれる。ほっておいたらやめたであろう人が、この適用になって、自然退職でなくなってこれの適用になった、それでやめる場合にはくれる。そうして今度は一時間半も一時間も片道通勤しなければならぬところに行く、しかし私は実を言うとこれができぬでももうやめようと思っておったのだ、しかしこれができるから待っておってやめるのだ、いや、おまえはどうしても配転基準内にはまっておるから行かなければいかぬ、いや、私は配転に応じませんと言うと、それじゃやらぬ。それではそこの区別がつかぬようになるじゃありませんか。自然退職とこの適用退職区別がつかぬことになる。自然退職でやめようと思ったが、配転基準に合っておるというので、あなたのほうではどうしても行きなさい、いや行かないと言うと、この給付金はくれぬ、その区別がはっきりしないじゃないですか。
  38. 増森孝

    増森政府委員 自然退職者にはすべてこれを支給をするということではございませんで、自然退職者でも、配転ができると認められる者につきましては支給しないということになります。自然退職者でございましても、配置転換が困難と認められればこの給付金支給されることになろうかと思います。
  39. 片島港

    片島委員 それは本人がやめたくないという場合が配転か職転対象になるわけです。しかし配転職転に応じないでもあなたのほうは首を切らないで、ただこれの適用がなくなるだけであって、なま首は切らない、こういうことなんです、この前の職員局長のお詰では。それを今度はやめようというわけなんだから、本人配転職転には応じられないからやめよう、こういう場合にはやらぬということはどういうことなんですか。自然退職の場合にはこれに埋没してしまいますからそれにはくれる、そこのもとがはっきりしない。
  40. 増森孝

    増森政府委員 本法案の第三条には配置転換ができる者にはやらないといりことになりますので、自然退職であるかどうかということではなくて、自然退職でございましても、配置転換が困難であるということになれば本給付金支給対象になる、こういうことを申し上げている次第であります。
  41. 片島港

    片島委員 それは人事局長、そこのところをはっきりしておかないと、実際支給する場合に非常に混乱しますよ。配置転換あるいは職種転換に応じない者は自然退職であったであろうとあなたのほうではみなさなければならぬことになる。しかし、そこのところか自然退職でやめるのか、あなたのほうの法の適用になってそれでやめるのか、そうすると、あなたのほうでは、こういうことに結論づけておかなければならぬわけです。自動化になったその局で、配転が可能であるにかかわらず配転に応じない者は自然退職でやめるのだ、こうみなさなければならぬわけですね。そういうことになりますか。
  42. 増森孝

    増森政府委員 配置転換ができるのにもかかわらず、配置転換に応じないでやめるという場合には、本給付金対象にはならないと思います。
  43. 片島港

    片島委員 そうすると自然退職の者にはやるわけですね。自然退職とそうでない退職とはどこで区別しますか。
  44. 増森孝

    増森政府委員 私ども自然退職であるかどうかということを問題にしておらないわけであります。
  45. 片島港

    片島委員 いや、そうではない。私が言うのは、この自動合理化に伴って要員が不要になったからやめる者、その局が該当するようになってやめる者と、ほうっておいてもそのときになったならば本人はやめたであろうという人間、その人間との区別を何によってきめますか。いままで特定局における電話交換要員は一年間に数百人の自然退職があるわけです。それをいままでやっていないのですから、そういう自然退職でやめる者と、これが適用されることになったのでやめる者との区別はどこでつけますか。
  46. 増森孝

    増森政府委員 私ども自然退職であるか、この合理化によってやめるかということは区別しておらないのであります。したがいまして、先ほどから御説明しましたように、支給対象人員としては自然退職者数字対象者数の中に入るであろう。したがいまして、その場合に自然退職であるか、この合理化でもってやめるかということを問わないで、この合理化に伴ってやめる場合に、配置転換が可能であるかどうかということを支給条件にして考えていく、こういうふうに考えております。
  47. 片島港

    片島委員 それでは自然退職であるかないかということは区別がわからなくなるから、それはそういうことでなくて、これが適用になった局及び人間については、配転職転の可能な者以外を対象にする、こういうことなんですか。
  48. 増森孝

    増森政府委員 そのとおりでございます。
  49. 片島港

    片島委員 そうすると、小局において交換を取り扱っておるところで、総合服務をやっておる場合、あっちに行って交換についたり、こっちに出て交換についたりしておりますが、そういうときには、これが自動化になった場合にはだれにやりますか。
  50. 増森孝

    増森政府委員 総合服務をしておりますときには、総合服務の結果電話交換をしていたという場合には、本法策の適用になります。
  51. 片島港

    片島委員 三人の交換要員がおって、三番交代でつとめておるところは三人とも適用になりますね。しかし一・二とかあるいはゼロ・コンマというような数字で定員がはじき出されておる小局において、みんなで交換をやっている、しかしそこが自動化になりた場合に——一・二の定員があるわけです、それを三人でみんなでやっているのですから、〇・四ずつ毎日仕事をやっているのです。その場合に一・二はなくなるから定員はなくなるわけです。そうすると、だれか一人やめなければならぬ。しかし電話交換の勤務はみんなでやっておるわけです。その場合にだれにやりますか。
  52. 増森孝

    増森政府委員 いまの設例でございますと、三人でもって交代でやっておるという場合に、一人やめなくちゃいけないという場合は、対象としましては三人が対象になりまして、一人がやめる場合に、ではだれを現実問題として対象にするかという問題になりますと、これは政令等でその順番をきめていきたい、つまり、どういう順番かと申しますと、勤続年数等が長い者から順番に優先権を与える、こういう考え方です。
  53. 片島港

    片島委員 三人おるときには三人とも対象になるからいいのです。三人いないで小局で——交換は小さいところでもやっておるわけなんですから、そういうところで総合服務をやっておる内勤、その場合に、かかり切りで交換をやっておらぬところですね、しかし、みんなで三人くらいで手伝って交代交代で交換をやっておる、そういう場合の対象というのは、確かにそこが自動化されるので一・何人かの委託費をあなたたちはもう出さぬでいいようになるのだ。交換がなくなることによって定員は一名減ることになるわけなんです。しかし、その定員は専従して交換だけをやっておらない、こういうことがあるわけですね。みんなでやっておる、そういう場合にだれを選定するかということになるのです。
  54. 増森孝

    増森政府委員 順番に三人なら三人……。
  55. 片島港

    片島委員 三人おらぬところですよ。一・何人という小局においては、電話でも専従してそればかりにかかり切れない。定員は合計したら八名になった。各事業から集めたやつが八人なら八人になっておる。交換は一・何人になっておる。その場合にみんなで交代してやっておる。自動化されればその一・何人は消える。総体の八人が七人になる。しかし、交換を専従しておる者といってはなくて、交代してみんなやっておるという場合です。
  56. 増森孝

    増森政府委員 先ほど御説明しましたように、もしも八人で電話を交代にやっておるという場合には、その八人とも電話交換関係しておったということでいわゆる対象者にはなり得る。そして、部分的に総合服務でやっておりました場合には、対象者は全部なる。ただそれが定員上一人しか認められないという場合には、八人の中から選定をいたしまして、一人にしぼっていく、こういう考え方であります。
  57. 片島港

    片島委員 それでは一人にしぼるというなら、そのときに八人も対象になっておると言うが、だれかが一人やめるということになれば、それは適用を受けるわけですね。いやおまえは勤続年数が——あなたのほうで番号をつけていくのには、まあ主事、主任、そういう順位でどうしてもっけていかなければならぬ。しかし、主事、主任はやめぬ、下の者がやめるのはけっこうなことです。無理にどうでもこうでも順位の高い者からやめなければならぬということはないのですから、一番スムーズにいったほうがいいのですから。その場合にだれか一人やめればそこはそれで消化した、こういうことになりますか。
  58. 増森孝

    増森政府委員 それがたとえば八人のうちで七人はやめない、一人がやめたいというときには、その一人を支給対象者として考えてよろしいと思います。
  59. 片島港

    片島委員 そうすると、それは電話交換をちょこちょことやったかどうか知らないが、やったということにしてそれはもらうということになると、ほかの局員との関係、またその局ばかりでなく、隣接局とか、これは問題が出てきますよ。私はこう考えるのです。電話の交換専従者だけにやること、これは逆からいいますがね、専従者だけにやる場合、同じ時期に郵便局に入った。それで郵政職員として特定局に入って、一人は為替貯金の窓口をやる。一人は交換をやっておる。そうしていま二年なら二年たっておる。同じ条件で入った。しかし、ここは今度廃止になるので、交換はやめる。ほかの業務に携わっておる者はやめぬ。しかし、同じ十人なり十五人の郵便局で、大体私の近所あたりの集配局は十五人くらいが一番多いのじゃないかと思いますが、その場合に、ほかの業務に携わっておる者と交換に携わっておる者とでこれだけの開きが出てくるということは、ほかの局員との関係で、どうしてあれをやっておったばかりに、そんなにうまいことができるのかというような、ほかの職員との間の問題が非常に起こってくるのです。その場合に、またこういう小局における総合服務をやっておるところの場合なんかをだれに選定するかというような問題になりますと、その局ばかりではなく、いろいろな隣接局あたりでも非常な問題が出てくると思うのです。それをスムーズにやっていくというならば、たとえば、ちょうど隣の電話の隣接局に配転をやろうと思っておった。非常に困難だ。その場合には、隣の局の者がやめて、こちらから、もっと配転がスムーズにいけるようなところで、向こうが穴をあけてくれた。配転先がなくてあなたのほうも困り、本人も困っておった。それで、その対象になった。しかし、本人はやめたくない。たまたま隣の局で交換要員が黙ってやめていった。そこは適用局じゃないけれども、しかし、これをスムーズにやるためには、本人はやめたくない、あなた方もやめさせたくないというのだから、それがそこに穴があいだから、スムーズに配転ができるという場合には、隣で穴をあけてやった者にも、むしろこれを適用してやって——そこは適用局でなかったけれども適用してやれば、あなたのほうもその本人も非常に事がスムーズにいくのではないか。そういうふうな幅広いやり方が必要になってくるのではないか。そういうふうな基準をきちんとつけてスムーズにいくようなやり方をしておかないと、実際一人一人を取り上げる場合に、私は非常に問題が出てくると思うのです。その点は、この法案を私がいただいた資料なんかによって、ちょっと見た場合に、非常に大ざっぱな感じがするのです。こういったこの法案に盛られていないような問題は、将来あなたのほうは、特に私は特定局の問題について論じておるわけなんですが、全逓あたりといろいろ団体交渉なんかやって、こまかい細目などについても話し合っていきたいと考えがあるのですか。
  60. 増森孝

    増森政府委員 いまの御質問の第一点でございますが、同じ局で同じに入って、一人は電話交換に携わっていたから、この適用がある、一方はない、非常に不公平ではないかというお話でございますが、これはやむを得ないと思います。  それから第二点の、隣接局等で指定はされないけれども、過員解消に役立つのだから、その辺はこの対象にしてはどうかということでございますが、これは、これを認めてまいりますと、どこまでも果てしなく続いていくということもございますので、これは本法案の趣旨からも反しておるかと存じます。  第三点の、組合とどういうように団体交渉していくのかというお尋ねでございますが、これらにつきましては、本法案、それから本法案政令等をきめまして、そうしてそれに盛られてないというようなものにつきましては、いわゆる本法案の運用等につきましては、できるだけ組合と折衝していきたいと思います。
  61. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 安宅常彦君。
  62. 安宅常彦

    ○安宅委員 この間、あなたのほうで答弁が食い違って、どうにもならない問題がたくさんあるのでありますが、私どもそれを全部留保しておるわけです。何か、きょうの答弁を聞いておりますと、この間、たとえば連合審査のときに言ったこととたいへん違ってきておるのであります。この前お聞きしたように、たとえば配置転換を必要とするものとか、あるいはどういう基準でやるとか、そういうものはすべて団体交渉でやりますと、こういうふうに言っておるのでありまして、たとえばいま増森さんが答えられたようなことは、組合と話し合って団体交渉でやって、そしていろいろなものごとをきめるのだ、こういうように理解しておるのでありますが、そのとおりでしょうね。
  63. 増森孝

    増森政府委員 私の申し上げておりますのは、本法案の運用につきましては、第一には、従来の全逓あるいは全電通との労働協約がございます。その労働協約等に基づきましてまず考えていく。それからそれらにつきましても、なおかつ不十分な点につきましては組合と話し合っていく、こういうことを申し上げておる次第でございます。
  64. 安宅常彦

    ○安宅委員 わかりました。つまり初めからそういう事柄については団体交渉でやって、それでいろいろなこまい問題は今度は組合と話し合いをする、こういうふうな答弁と理解いたします。そうしますと、たとえばこの法律によって自動化をするという局を指定する、これも郵政大臣あるいは電電公社総裁がやるということになっておりますが、これはあなたのほうでは何カ月ぐらい前にやることになっていますか。
  65. 中山公平

    ○中山説明員 局の指定でございますが、電電公社関係では、サービス開始日の二カ月前までにこれを指定する、こういう考えでございます。
  66. 安宅常彦

    ○安宅委員 郵政省は。
  67. 増森孝

    増森政府委員 指定の時期は自動化実施予定日の二カ月前までに提示いたします。
  68. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうしますと、電電公社にお伺いいたしますが、現在結ばれている配置転換協約は、配置転換に関する協議というものは、六カ月前に組合に提示して協議することになっておるわけですね。そうすると、その二カ月前ぐらいに終わっているじゃないですか。いままでの配置転換協約に基づいて六カ月前に提示してそれから幾ら協議したつて、頭のいいあなた方だし、組合だって頭がいいのだから、二カ月前ぐらいに提示をしたときにはすでに終わってしまっているんじゃないんですか。どうですか。
  69. 中山公平

    ○中山説明員 いまの先生の御指摘の問題でございますが、配転協約との関係におきましては、配転計画の協議を組合とやることにいたしておりますので、その協議が終わるころには、実際上は運用の問題としては御指摘のとおりあらかたのことはきまるという状況に相なると思いますので、したがいまして、指定も、二カ月前までにということでございますからなるべくそういうものとあわして早くやっていくことが、運用上最も実情に即したことだと考えております。
  70. 安宅常彦

    ○安宅委員 これは郵政省人事局長にお聞きいたしますが、あなたのところの配転協約は二カ月前に提示することになっていますね。そうですね。
  71. 増森孝

    増森政府委員 要員措置計画は三カ月前でございます。
  72. 安宅常彦

    ○安宅委員 だからそういうことをあなたは頭において、それでどういう質問をされたらこういう答弁をするといって、ちゃんと本をこさえたんじゃないですか。だから電電公社のほうは六カ月だ。あなたのところは配転協約は三ケ月だ。そうして二カ月前までに提示する。そうしたら何も相談することはない。配置転換協約で終わってしまっている、こういうことになりませんか、どうですか。そうすると、電電公社郵政省の問で、片一方はきまる、片一方はきまらない、ごちゃごちゃになりませんか、どうですか。
  73. 増森孝

    増森政府委員 組合との間の三カ月前にやるということでございますが、この三条の一項の指定は二カ月前ということでありまして、二カ月前までにやるということでございますので、私どもとしましては、この法案組合労働協約との間にはギャップができないように運用していきたいと考えております。
  74. 安宅常彦

    ○安宅委員 それではそういう配置転換に関する問題要員措置に関する問題、こういうものはすべて配置転換協約に基づく団体交渉によってやるのでありますから、政令というのはそれを読みかえるのだ、こういうふうに理解していいわけですね。政令で定めるなんというのは、この配置転換協約で全部できてしまうのだということですね。そうでしょう。大まかなところは配置転換協約によってやる。こまいところはいろいろごたごたも出るでしょうから、そういうところは話し合いでやる、こういうふうに明らかに答弁しております。この前の連合審査でもそういうことだった。ですから政令は必要ではないのではないですか。政令できめるということをかりに法律にうたってあったとしても、政令できめる部分は何ら有効性がなくなって、団体交渉でやるのだというふうに私は理解しておりますが、どうですか。電電公社職員局長そうでしょう。結果的にそうなりますね。
  75. 中山公平

    ○中山説明員 ただいまの御質問でございますが、いま政令で定める予定をしておる事項は、希望者が多い場合、数がきまっておりますから、どういう順番でやっていくというようなことに限られてくるものだと私どもは理解しております。
  76. 安宅常彦

    ○安宅委員 もうあまり追及しません。配置転換協約で、すべてそういうものを含めて、そういうことは労使協議でやることになっておるのですからね。そういうことなんですよ。そんなことをいまさら政令もへったくれもないでしょう。あなたはそうなると言うから、あとはこの点は追及しません。これは明らかにそういうことになるというふうに了解しておきます。  ただ問題は、あなたのほうで全電通労働組合が公共企業体等労働委員会に出しておる不当労働行為の問題で、政令案というものについては知らない、こういうふうに答弁しているのでありますが、あの政令案というのはあれはうそでありますか、郵政省どうでありますか。
  77. 中山公平

    ○中山説明員 私ども不当労働行為事件におきましては、政令案の説明を労働組合にいたしたいという気持ちは持っておったのでありますが、この前からの御質問に対する御回答のように、団交事項であるかどうかということで、そういったところに入れませんでしたので、私どもから組合に御説明をしておりません。組合が不当労働行為としてお出しになったのは、私のほうから組合に出したというわけのものではございませんのでその点について不知という答弁をいたしたわけでございます。
  78. 安宅常彦

    ○安宅委員 ただいま考えている政令案で云々という答弁をあなたはさっき、一分くらい前に言ったのですがね。そうすると、あの政令案は郵政省からどこかに出たのを全電通労働組合が引っぱり出してきたのであろう、したがってあなたは知らない、こういういまの答弁だと思うのですが、準備しておる内容というものはあれと同じだということですか、違うというのですか、どうなんです。
  79. 中山公平

    ○中山説明員 公社としての立場から申しますと、政令案を御決定いただくのは、政府のほうのことでございますので、公社としてこの点についてこういう政令案ございますということは御答弁しかねることでありますので、先ほどの御答弁につきましても、そういうふうに公社は理解をいたしております、こういうふうにお答えしたはずでございます。
  80. 安宅常彦

    ○安宅委員 知らないのに理解できますか。郵政省でこの辺はつくってあるであろう、ちょっとほのかに聞いた程度のことを、しからばあなたは言ったということになりますが、政令案というものは全然知らないのですか、どうですか。
  81. 中山公平

    ○中山説明員 私どもは政府のほうでこういうお考えで進めておられるということについては存じております。
  82. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは郵政省に聞きますが、電電公社に少なくともこういう政令案とはおかしいということを言っておるのでありますから、あの政令案というものは、いま言った配転協約との競合の問題等も考えて、政令をつくるときには、この前森本委員が言ったように、一応相談があってしかるべきだ。よろしゅうございますと、あなたのほうでは答弁しておるのですから、その点は頭に入れておいてよろしゅうございますね、どうですか。
  83. 増森孝

    増森政府委員 この前森本委員から国会に出してはどうかというので私どもは準備しております。
  84. 安宅常彦

    ○安宅委員 そこで今度は大臣に聞きますが、大臣、あなたはなかなか答弁が、当世流に言うとうまいのかもしれませんが、私らから言うと、あなたの答弁というものは、まるで初めはスズメで、その次はヒバリになって、その次はツルになって、あとはタカになったりワシになったりするのです。ずっと変わっている。これはまことにもっておもしろい答弁をしておるのでありますが、その中で一貫して言っておるのは、御苦労さまでございましたという謝礼的な金である。賃金というものに、御苦労さまでした、謝礼なんという賃金があるのでしょうか。賃金の定義というものは労働基準法第十二条で明確にきまっておるのですが、どうなんでしょうか。
  85. 古池信三

    ○古池国務大臣 この特別給付金につきましては、「賃金その他の給与」であるということで……。   〔発言する者多し〕
  86. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 御静粛に願います。
  87. 古池信三

    ○古池国務大臣 一貫して御答弁申し上げております。
  88. 安宅常彦

    ○安宅委員 労働基準法上退職手当は賃金である。こういう行政解釈をはっきりしておって、労働大臣も明らかにそういう答弁をしておるのでありまして、あなたはおかしいじゃないですか。政府の統一見解はこの間一致したのです。いいですか。電電公社総裁だけが一致しないのだ。あなた方は一致したのだ。きょうはそれを賃金でないと言うのですか。
  89. 古池信三

    ○古池国務大臣 労働関係の主管省は申すまでもなく労働省でございます。そこで労働大臣ととくと打ち合わせの上、この問題は、賃金その他の給与である、かようにお答えいたしました。
  90. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうすると、これは退職手当じゃないわけですか。広い意味では退職手当であるとあなたは答弁しておるのでありますが、退職手当は賃金であるということは、明確に労働基準法の関係で判例集に書いてあるのですが、どうですか。賃金でしょう。
  91. 古池信三

    ○古池国務大臣 ただいま申し上げましたとおり、これは広い意味で言えば退職手当になるが、狭い意味で言えば国家公務員等退職手当法に厳格に記載されておる退職手当ではない。しかし広い意味から言えば、退職の際に支給する特別給付金であって、その心持ちとしては、感識の意を含めたものであり、また性質としては「賃金その他の給与」の中に含まれるものである、かように御答弁したわけであります。
  92. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたはきょうは何だ。今度はガンみたいになったな。いいですか。とにかく賃金は労働基準法上明らかに規定されておる。第十一条を読みますかね。「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」そうして今度は十二条関係で賃金の意義というのに、これは判例集でありますから申し上げますが、明らかに今度はこう書いてあるのです。賃金の意義、これにある退職手当は賃金であるかどうか、こういう問題について、退職手当は賃金であると明確に書いてあるわけです。判例には明確にあるじゃありませんか。賃金というものは、労働者に対して労働の対償として支払うべきものである、こういうふうに第十一条に書いてあって、広い意味でも狭い意味でも退職手当は退職手当なんだから、そうすればこれは当然賃金でしよう。その賃金というのは労働に対する対償として払われるものであって、謝礼金というのは別でしよう。大臣、どうですか。せんべつだとかそういうものは労働の対償じゃないでしょう。どうなんですか。
  93. 古池信三

    ○古池国務大臣 この場合には一般の退職手当のほかに、さらにこれだけよけいに差し上げるわけでありますから、しからばなぜよけい差し上げるかと言えば、その中には精神的には謝意を表するという意味が入っておる、こういうことを申し上げたわけであります。
  94. 安宅常彦

    ○安宅委員 賃金だったら、謝意もへったくれもない。あなたのほうで在職年数に応じて段階を設けたりいろいろなことをしているのは、労働の対償としての退職手当を想定しているからでしょう。どうです。増森人事局長、そうでしょう。
  95. 増森孝

    増森政府委員 お答えいたします。  今度の特別給付金の性格でございますが、私どもは謝礼金だと理解しております。それでその謝礼金は、退職時における謝礼金でございますので、広い意味で退職手当である、こういうふうにお答え申しておるわけであります。  そこで、しからば、この謝礼金は賃金かというお尋ねでございますが、私どもの考えておりますは、なるほど退職手当法の退職手当というものは賃金のあと払い的な性格もあります。それから第五条等におきましては必ずしも賃金のあと払いの性格だけではない。それは整理退職等の場合に、復職までのあるいは職を得るまでの間の生活費等も含んでおる、こういうふうに考えております。そこで今度の法案におきます支給金は賃金のあと払いではない、退職時における謝礼金である、こういうふうに考えております。   〔発言する者あり〕
  96. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 委員長の許可のない発言を禁じます。
  97. 安宅常彦

    ○安宅委員 どうもまるきり違ってきたね。大臣どうです。あなた、そんなばかな答弁がありますかね。まるきり違っておるじゃないか。あなたは賃金であると言う。あっちは賃金でない、給付金であると言う。どっちですか。
  98. 古池信三

    ○古池国務大臣 では、私から明快にお答えいたします。  公労法の第八条には、第一号におきまして「賃金その他の給与」とあります。今回の特別給付金は、公労法第八条におきましては「賃金その他の給与」、こういう一つのグループに入るわけでございます。それから先ほど御引用になりました基準法を見ますと、十一条には賃金の定義があがっておりますが、賃金の定義の中には広い意味と狭い意味があるということは、この法律自体が証明しておる。すなわちこの法律で、「賃金とは、賃金、給料、手当」云々とありますから、最初の賃金というものは、広い意味の賃金であります。その次の「賃金、給料、手当、賞与」というものは狭い意味の賃金でありますから、この二通りの使い分けがしてあります。したがって、広い意味におきましてはなるほど賃金になるが、狭い意味においは「賃金その他の給与」の中に含まれるべきものである、一種の手当である、かように考えております。
  99. 安宅常彦

    ○安宅委員 結局賃金なわけですね。賃金だという答弁ををしないで、あなたは増森さんみたいな答弁をすると、退職手当法の第五条の機構の縮小とかなんとかという、事業量の減少とかという適用ができなくなりますからね。そこの辺はどうなんですか。人事局長、おかしいじゃないですか。
  100. 古池信三

    ○古池国務大臣 ただいまの私の答弁を正しいものと御理解願いたいと思います。
  101. 椎熊三郎

    椎熊委員 この際、質疑終局の動議を提出いたします。   〔発言する者、離席する者多し〕
  102. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 この際、暫時休憩いたします。   午前十一時三十一分休憩      ————◇—————   午前十一時四十四分開議
  103. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  先刻椎熊三郎君より質疑終局の動機が、また森本青君外二名より委員長不信任の動議が提出されましたが、両動議ともそれぞれ提出者より撤回するとの申し出がありましたので、御報告いたします。      ————◇—————
  104. 加藤常太郎

  105. 増森孝

    増森政府委員 先ほどたいへん御迷惑をかけましたが、私のことばの不十分なために誤解を招いたと思いますが、大臣のおっしゃるとおりでございまして、別に異議を申し立てているわけではございません。
  106. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 本案に対する質疑を続行いたします。安宅常彦君。
  107. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは今度具体的にお伺いいたしますが、たとえば、先ほど片島委員がいろいろ聞いておられたのでありますが、過員として残す分がある、つまり配置転換不可能である、私はやめないと言った場合は過員として残します、こういうことになっているわけでありますが、その過員というものの残し方は、これは電電公社にお伺いいたしますが、労働組合といまいろいろ協議中であって、継続事項になっておる小局経営の問題がございますが、そういういろいろな出張所とか営業所とか、あなたのほうで言っておるようでありますけれども、そういう意味で仕事を与えて残すんでしょうね。仕事を与えないで、ただ弁当を持って毎日来い、おまえさんはあと六十日遊んでおれ、こういう残し方ではないでしょうね。せっかく継続協議中でありますから、それを生かした意味の残し方、こういうふうに理解してよろしいでしょうね。
  108. 中山公平

    ○中山説明員 御答弁申し上げます。  小局経営の問題につきましては、自動化が進んでまいりまして、技術的な関係のみから言えば、無人局でもいいというようなところでもございますが、これは地域社会との関係、その他国民に対するサービスという関係から、やはりある程度の仕事を残しておくということが必要である場合も多いのでありまして、そういう観点から、一方、組合のほうの雇用の確保というところで重なり合う面もございまして、そういうところから私どもは交渉を続けてまいっておりまして、昨年末におきまして、大体の大綱においては意見の一致を見ておりますが、なお細部につきましては対立している点もございますので、これらの点については目下誠意を持って交渉を続けている、こういう段階でございます。したがいまして、これのみではございませんが、人を残す場合におきましても、増員の当てが将来ある場所、あるいは減耗が将来発生するであろうと思われるようなところの周辺局に分散をして仕事をしていただきながら残っていただく、こういうふうにやっていきたいと思っております。
  109. 安宅常彦

    ○安宅委員 それやこれやをずっと考えますと、どうしても私は納得できない問題がたくさんあるのでありますが、この法律案を出してきた真意ですね、この問題について、やはり私は大臣に賃金かどうかというようなことまで聞いた。もう一回念を押して聞いたのでありますが、そうしますと、高齢者の退職に関しての労働協約があるのでありますが、いままで私が質問いたしますと、あなたのほうでは、これは嘱託として雇ったのだ、だからいわゆる退職手当の性質のものではないから、これは仕事を与えているのだから、だからこの分については、何も法定事項である退職手当法、団体協約できめたものではないといままで強弁してきたのであります。そういうことも、大臣の見解、あるいは労働大臣のこの前の見解等からいくと矛盾をしてくるのでありますけれども、それはそれとしてどうでしょうか。たとえば退職手当の高齢者に関する協約の場合には、たとえば最高一年を限度とする特別職だとか、そういうふうに年限を切っておること、あるいは一号俸ないし二号俸の特別昇給をやっておる、これも団体交渉で了解しておる。医療機関の利用もきめておる。それから帰郷旅費の宿泊の費用などもきめておるのでありますが、これはどういうことになりますか。こういう権限は国家公務員等退職手当法のどこにも書いてないことでありますが、あなた方はすでに団体交渉できめておるわけですね。その事実は認めるわけですか。嘱託の部分を除いてですよ。
  110. 中山公平

    ○中山説明員 高齢者の高齢退職に関する協約には先生が申しておられるような点が規定されております。
  111. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうしますと、特別昇給というのはどういう権限によって——退職時の特別昇給というのは退職手当法にそれをやるとも書いてない、ただ退職時の給料の何ぼ何ぼと書いてあるわけです。そういうことはいままでも団体交渉でやっておることではありませんか。それを今度はやれないから法律をつくるというのは、理屈に合わなくなってきませんか、どうですか。
  112. 中山公平

    ○中山説明員 ただいまの御質問でございますが、私どもは、退職時に特別昇給をするということは基本給の問題でございまして、退職手当あるいは特別給付金というような領域の問題ではないというとらえ方で、賃金の問題として組合協約をいたしておる次第でございます。
  113. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうしますと、この場合の団体交渉というものは、高齢者に関する団体交渉、それによってできた協約というものは、この法律案とは異質のものである、こういうふうにいまでも思っておられるのですか。
  114. 中山公平

    ○中山説明員 領域の違うことを協約で取りきめてあるものだと思います。
  115. 安宅常彦

    ○安宅委員 たとえば一年の間特別の雇用を行なうとか、そういうこともあなたのほうでは団体交渉でできると理解して労働協約を結んだのでありますから、こういう問題についても、増森さんは片島委員質問に対してえらいむずかしいことを言っておりましたが、たとえば特定局の総合服務の場合に、八人全部が電話の交換番をみなぐるっと続けてやっておるのだ、そこへおれもおれもときた、その間に今度はだれも指定するか、これはあなたのほうでやるのだと言う、さっきの話によれば団体交渉でやるという結果になりますが、そういう場合のことも想定し得るとすれば、すべて対象人員から基準に至るまで団体交渉でやるのだということをあなたのほうで認めたことになるでしょう。何も法律でもって一年間——一たん退職した者を雇用するまでのことさえも団体交渉できめられるのに、退職手当に若干の割り増しの給付金をくれることが団体交渉でやれないという理屈にはならないではありませんか、増森さんどうですか。
  116. 増森孝

    増森政府委員 この前の合同審査のときの労働大臣、郵政大臣のお答えをここで反復いたすことになりますが、公労法等では賃金その他の給与ということで団体交渉事項かもしれない、しかしながら、それには予算上資金上問題もあろう、それからまた国家公務員等退職手当法が占拠しておるので、そういう関係で法定したほうがいいというようなお話だったと思うのです。
  117. 安宅常彦

    ○安宅委員 そんなことを聞いておるのじゃない。退職手当をくれる、特別の金をくれることが国家公務員等退職手当法に占拠されると言っておりますが、政府の解釈では占拠されるとは言っておりません。団体交渉までやって、予算上、資金上までいって国会の承認を受ける、さらに今度はその協約に基づいた法律を改正しなければならぬ、こういうめんどうくさい手続が要るからこういう法律案を出したのだというように労働大臣は答えておりますから、あなたは間違わないようにしてください。その上で質問いたしますが、つまりあなたのほうに言わせれば、退職手当の割り増し金みたいなものをくれることが団体交渉の対象ではなくて、安宅常彦なら安宅常彦という一たんやめた者を特別嘱託として、さらに雇用を長くしたり縮めたりする権限さえも団体交渉であるのに、金をくれるのに、団体交渉をやらないでなぜ法律でしなければならないのか、理由がわからない、こう私は言っておるのです。
  118. 増森孝

    増森政府委員 特別嘱託等につきましては、私のほうは関係ございませんのでどういうことか公社のほうからお答えしてもらって……。
  119. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたは監督官庁といいますか、上級官庁として知らなかったという答弁ではいけませんよ。高齢者に関する特別退職問題についての労働協約の問題などは、もう累次の委員会でもいろいろな人が発言しておりまして、あなたが知らないということは言えない。
  120. 増森孝

    増森政府委員 私は電電公社の上級官庁ではございませんで、上級官庁は電気通信監理官室であります。
  121. 安宅常彦

    ○安宅委員 では電気通信監理官を呼んでください。   〔「監理官はジュネーブだ」と呼びその他発言する者あり〕
  122. 中山公平

    ○中山説明員 それでは電電公社のほうからお答えさせていただきます。   〔「監理官を呼べ」「ジュネーブへ行け」と呼び、その他発言する者あり〕
  123. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 静粛に願います。
  124. 中山公平

    ○中山説明員 特別嘱託の……。   〔「監理官を呼んでこい」「答弁を続けろ」「ジュネーブへ行つて聞いてこいとは何だ」と呼び、その他発言する者あり〕
  125. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 委員長の許可のない発言は禁じます。
  126. 中山公平

    ○中山説明員 特別嘱託の問題につきましては、電電公社総裁がそれをなし得る権限の中にございますので、これにつきましては、必要に応じ組合との間に協約を結ぶことができるわけでございますが、本件の特別給付金の問題につきましては、累次申し上げましたように、国家公務員等退職手当法の関係におきまして、それを越える実質的に退職手当と目せられる特別給付金のごときものの支給につきましては、法律によらざればこれを支給することができないのでありまして、労働協約を結びましても有効に実施することができない、そういうような意味におきまして、政府のほうでは法律案を御提案になった、そういうふうに私は理解しております。
  127. 森本靖

    ○森本委員 関連して。先ほどの人事局長の答弁でありますけれども、おかしいのではっきりさせておきたいと思いますが、やはり上級官庁としては郵政省であります。そこで上級官庁としては、その担当官たる電気通信監理官がこういう法案の審議の際には出てきておらなくてはならぬ。畠山君はただいまジュネーブに行っておるけれども、もう一人の野口君という電気通信監理官はおるはずであります。あなたがいま言ったような答弁をする必要はないわけであります。何もけんかを買って出るような答弁をする必要はない。上級官庁の場合は電気通信監理官でありますから、いまの答弁については電気通信監理官にお譲りをいたしますということで電気通信監理官が答弁をすればそれでいいわけであります。やはり委員会のルールをもっときちんとしてもらいたい。  それから、なるほど電気通信監理官は担当官でありますけれども、少なくとも電電公社を監督する重要問題については郵政省の省議にかけるはずであります。そういたしますと、あなたもタッチするところの一員として省議にも出ておるはずであります。しかも今回の法案の提案者であります。そういうところからいたしますと、いま言ったように担当官は電気通信監理官でありますというようなことは答弁にはならぬと思う。私のほうとしてはいろいろ省議その他を聞いておりまするけれども、さらに詳しいことについては担当が電気通信監理官でありますから、そのほうにお聞きを願いたい、こう言えばスムーズに議事は進んでいくわけであります。わざわざあなたのほうがけんかを買って出るような答弁をするから、ますますもめてくる、こういうことになるわけであります、だから即刻電気通信監理官を呼んでもらうなり、これに関連をする担当官を呼んでもらいたい。もしそれが呼べないとすれば、官房長が横におるわけでありますから、官房長はそういう点について省議については全般参画をしておるわけでありますから、官房長のほうから答弁するなり、いずれにいたしましても、その措置をとっていただきたいということを委員長にお願いします。
  128. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 大臣より答弁させます。
  129. 古池信三

    ○古池国務大臣 ただいま人事局長の申しましたことからたいへん御迷惑をおかけいたしまして恐縮に存じます。   〔「なぜそういうことを言うのだ」「正直だよ」「委員長に聞いているのだ」と呼び、その他発言する者多し〕
  130. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 御静粛に願います。
  131. 古池信三

    ○古池国務大臣 郵政大臣は電電公社を監督いたしておりますから、その意味で私からお答えをいたします。  特別給付金の問題は、いままで申し上げましたように、国家公務員等退職手当法に規定しておりまする退職手当の特例でありまするがゆえに、すなわち、一方において法律の規定がございまするがゆえに、やはりこれも法律でなければ規定できない、こういうことであります。  それから再就職等の問題については特別な法律の規定がありませんから、それは団体交渉等で行なっていく、こういうふうに御了解願います。
  132. 安宅常彦

    ○安宅委員 わかりました。それではこの法律では自後の期限を切って他に就職することを禁止していますね。先ほどは退職手当というのは賃金の一部であって、いろいろなものを含む、たとえば将来次の就職までの社会保障的な意味といいましたか、何かそういう性質のものも含まれておるのでございましてという、これは人事局長だったと思いますが、そういう答弁をしております。そうしますと、この特別給付金を受けた者は、電電公社並びに郵政省には期限を切って就職してはならぬ、就職した場合には返還しろというようなことまで書いてある。それはどういうことになりますか。
  133. 古池信三

    ○古池国務大臣 再就職を禁止するわけではなく、一年以内に再就職した場合には特別給付金は返してもらう、これだけの規定であります。
  134. 安宅常彦

    ○安宅委員 だからおかしいのじゃないですか。退職手当並びに給付金というか特別給付金を含めて、退職手当というものは謝礼とか何かを含めて賃金ということになるかと言ったら、いろいろな意味が含まれているという中に、将来また再就職する、たとえばどこかの工場や民間の会社でもいいですけれども、あるいは官庁の行政整理なら行政整理でもいいです。その場合、必ずあなたのほうでは首を切る場合には、自後の就職については最善の努力をいたしますと言う。いままで全部そうでしょう。この法律は、自後の再就職まで努力をいたしますどころか、今度はそうではなくて、もう一回来たら金を返せ、そんなおかしなことがありますか。そういう自後の問題等については団体交渉でやるのだ、いま大臣が言ったばかりです。それを団体交渉でやらないで今度は法律で金を返せということまできめておるということは、自己矛盾もはなはだしいじゃないか。あなたのほうはどうですか。
  135. 古池信三

    ○古池国務大臣 特別給付金につきましては、それの支給の場合を規定すると同時に、ただいまのような条件の場合には返還を規定しても少しも差しつかえないと存じます。
  136. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうすると、謝礼的な意味、これはいまいろいろ次の就職までの生活を補助するような意味だと言ったのはうそでありますか。次に就職すれば返さなければならないのならば、あなたの答弁は食い違いますが、どうですか。
  137. 古池信三

    ○古池国務大臣 別に矛盾はないのでありまして、特別な、かような場合に特に給付する支給金ありますから、わずか一年ぐらいでまた就職した際にそれをもらいきりにしておくのは少しょ過ぎるから、それは返還を求める、(「そのとおり、そのとおり」と呼ぶ者あり)こういうことであります。
  138. 安宅常彦

    ○安宅委員 あまりそのとおり、そのとおりと言うなよ。郵政省電電公社だけに就職した場合は金を返す、今度ほかのところへ行ったらいいのです。上林山君、あなたは少し頭が悪いのじゃないか。そのとおり、そのとおりと言うとますますおかしくなってしまう。それではなぜ限定したのですか。(「たいした頭じゃないじゃないか」と呼ぶ者あり)おまえさんよりはいいということだけはわかった。
  139. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 御静粛に願います。
  140. 古池信三

    ○古池国務大臣 それはもとよりこの法律の趣旨が郵政省並びに電電公社における特殊な事情に基づいて退職した場合の特別給付金でありますから、他の民間その他に出られてお働きになっても、これは別問題でございます。
  141. 安宅常彦

    ○安宅委員 どっちみち、そういうことについては団体交渉事項であると、先ほど大臣が答弁いたしましたが、そういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  142. 古池信三

    ○古池国務大臣 法律で規定した事項につきましては、やはり特別法が要りますけれども法律で規定していないことについては、団体交渉その他によって解決することは少しも差しつかえないと思います。
  143. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたは、給付金をやること、それからいろいろなことについては云々、しかしそのあとの就職等の問題については、組合との団体交渉でやるべきだといまあなたは言ったでしょう。速記録に残っておるはずだと思いますが、そうでしょう。
  144. 古池信三

    ○古池国務大臣 その特別給付金に限りましては、法律の規定が必要でありますけれども、それ以外のことはそれぞれ筋道に従ってやることは少しも差しりかえないと思います。
  145. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうすると、その底を突っついても——あとからその矛盾はやりますが、ただそういうことになりますと、いろいろな制限がある。たとえば片島委員質問に対して、自然退職とも違うとあなたのほうでは盛んに言っておりました。自然退職でない場合は、これは使用者側の何らかの意思が動いたものである、こういうふうに理解していいわけですね、このやり方は。
  146. 古池信三

    ○古池国務大臣 これは本来手動式の電話交換を自動式の電話交換に変更しょう、こういう事実に基づいて起こった過剰人員の問題でございます。したがって、さような場合に、自発的にやめたい、こう希望される方につきましては、一定の条件のもとにおいて特別給付金を差し上げよう、こういうわけでございます。
  147. 安宅常彦

    ○安宅委員 昭和三十四年の公労委の命令書について関連してちょっと申し上げてみますが、これは電電公社がいろいろ組合には「将来同様の措置を行なう場合にはかかる行為を繰り返さないことを約する。」というところまでちゃんと言わされたものであると思いますが、その中の委員会の判断の中で、こういっておるわけです。たとえば公社のほうでは、「掲示によって退職希望者を公募したにすぎず何ら強制的なものではないから団体交渉の必要はないと認める。」というふうに主張しているけれども、「右の主張は本件の判断に直接関係がなく、理由のないものと認められる。」なぜかならば、こういうものについては、私ども理解する上において、たとえば「勤続十年以上」とかあるいは「業務量の減少その他経営上やむを得ない事由」とか、いろんな理由がついておって、自発的にやめたものではなくて、そういう事情が招来したために公社が何らかの発意をもつてきめて、そのワク内で退職を希望するというかっこうでありますから、こういうものは理由にならないのだ、だからこれは不当労働行為だ、こういうふうになっているのでありますが、どういうように違いますか。これは中山さん答弁してください。
  148. 中山公平

    ○中山説明員 本件についての公労委の命令でございますが、これは「特別措置に関する事項のうち」——これは退職手当が暫定措置法の時代でございましたが、「暫定措置法上明定され何らの変更もゆるされないと解される趣旨の規定があるもの(例えば退職手当の額等)については、団体交渉を拒否するにつき正当な理由があると解される」こういうことであるのですが、本件の場合におきましては、この暫定措置法の規定の中で公社総裁に運用の幅をまかせられておるものに対して団体交渉を拒否した、そのことをとらえて公労委は不当労働行為であるという決定をお下しになったわけでございまして、私どもの従来の主張とは矛盾はないものと考えております。
  149. 安宅常彦

    ○安宅委員 この文章は、そのことだけを公労委は触れているのじゃないのです。私はもう締めくくり的な意味で言いますが、そうしますと、法律で金額を明示されておるものでから、そういうものは暫定措置法のときは明示されてなかった、こういういまの答弁だと思うのでありますが、労働大臣の発言による政府の統一見解は、であっても国体交渉をやらなければならない、そして予算上、資金上どうしてもだめです、協約に基づいた協定がそうなっておったならば、国会にかけて、そして国会の議決を経たならば、これに対して競合する法律を改正する、こういうことになるのだという見解は、いまでも電電公社は支持しないということを意味するのかどうか、そこからまず聞いていきたいと思います。
  150. 中山公平

    ○中山説明員 労働大臣から先日御答弁もございましたが、労働大臣も、法律によってきめるべきものであろうということについては御異議はなかったようでございます。そういうふうに私どもは承っております。そういう点から申しまして、私どもは、先ほど申しましたように、国家公務員等退職手当法との関係におきまして本件は政府において、法律案として御提出になったものだと理解をいたしております。
  151. 安宅常彦

    ○安宅委員 中山さん、これは重要なことだから念を押しておくのですが、団体交渉でやるべきだという再三にわたる勧告にかかわらず、こういう法律が出た。しかし労働大臣が法律案に賛成したのは、そういうめんどうくさい手続をやっておったらたいへん困ると思うから、めんどうくさくないように法律案で出したほうがよかろうと思って賛成した。この分については労働大臣の発言はそのとおりなんです。しかし、公労法上団体交渉事項である、したがって法律があるなしにかかわらず予算上、資金上の問題がずっといくんだ、そしてそれが国会の議決になった場合に、競合する法律を改正しなければならないのが正しいんだ、こういうふうな解釈の部分については了承しているのかしないのか、こういうことを聞いているのです。
  152. 中山公平

    ○中山説明員 私どもは、労働大臣の申されたことでございますから、それに対しまして異議を申すものではございませんけれども、しばらく実情の問題になりますと、私ども組合に対しまして、団体交渉ではありませんが、話し合いということにつきましては、実質的な運用上の問題等についての話し合いをいたしましょう、政令等についても御意見も聞きましょうということは、たびたび申し上げてきておりますので、実際に私どもがやっておりましたことは、労働大臣のおっしゃったこととそう違いはない、こういうふうに考えております。
  153. 安宅常彦

    ○安宅委員 そう違いはないということは少しは違うわけですね。だから私が言っているのは、国家公務員等退職手当法に埋没しているのではなくて、労働大臣は、明らかに、そうではない、団体交渉事項であって団体交渉をやっていくんだ、法律事項と両輪のようになっていくんだ、しかしながら、それでは手続がめんどうだから、法律案を出すことには賛成したけれども、本来団体交渉でやって、そして予算上、資金上までいって国会の議決を経たならば、これと競合する国家公務員等退職手当法を改正するんだ、こういうふうにいくべきだという明らかな答弁で、しかもこれは政府の統一見解だ、郵政大臣もそのとおり答えて、そして郵政大臣とあなたはそういうふうに答えたんだから、そうすれば政府の統一見解は違うじゃないかと言ったら、電電公社は政府ではありません、こういうことを労働大臣は答弁しておるのです。だから労働大臣のことばの中には、電電公社は別だ、こういうことになっておるのでありますから、電電公社も政府の解釈に、私がいま言った部分も含めて今日では了承しているのか、していないのかただそれだけを聞いておるのです。
  154. 大橋八郎

    ○大橋説明員 法案の有権的解釈は政府の解釈が有権的解釈と心得ますから、個人的な意見は……。
  155. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 この際安宅委員に念のため委員長より申し上げますが、先ほどの理事会の協議の結果、安宅委員の残余の質疑の制限時刻は十二時二十四分ですから、御了承の上特に御励行願います。
  156. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうしますと、私の理解によれば、これは不当労働行為の命令書と関係があるのでありますが、命令書の場合には、たとえば公社が特別に公募したり、それから退職勧奨したとかしなかったとか、こういうものにとらわれないで、公社が発意してそういう制限をつけ、そういう法律をつくって、そして今度は、それに加うるに、この人は配置転換可能であり、この人は配置転換不可能である。それはどういうふうにしてきめるんだと言ったら、常識できめると増森さんは言っておりましたが、そういうところまで制限をつけて、もらいたいものももらえない人が出てくる、いやだと言う人も、もらわなければどうにもしようがなくなってしまう、こういう制限のあることをきめるということは、これは提案者である政府の発意によるものだ、それによって退職するものであって、いわゆる自然退職手当ではないということに私はなると思うのでありますが、増森さん、そのとおりでありましょうか。政府の意見によって、政府の指示によって、政府の発意によって、この人たちはやめざるを得ない人なんでしょう。どうなんですか。
  157. 増森孝

    増森政府委員 本法案手動から自動に移る際に支給するものでございまして、その支給条件等につきましては、法律あるいは政令でもってきめられる、こういうことであります。
  158. 安宅常彦

    ○安宅委員 法律、政令できめるということは、つまり政府側の何らかの意思が動いたもの、政府の発意でこういう法律になったというふうに理解していいわけですね。
  159. 増森孝

    増森政府委員 法案を出すということが発意であるということであれば、そのように理解されます。
  160. 安宅常彦

    ○安宅委員 わかりました。  そういうことになりますと、これはILO条約に違反するわけであります。そうでしょう。使用者の発意によってやった場合には、すべて団体交渉によってやらなければならないことになっておるのですから。それをあなたのほうでは団体交渉によらずしてやろうということを言っておる。電電公社はいま初めて総裁から政府の有権解釈には従いますと言った。従うならば、これはすべて団体交渉でやらなければならない。それから郵政省は政府の発意によるものだと言った。発意によってこういうものがきめられた場合には、すべてこれは団体交渉によってやらなければならないということが、ILO条約の日本ですでに批准している分に書いてある。こういうことになれは、両々相まってあなた方は国際条約にも違反し、さらに国内法にも違反して、この法律を出したということになるではありませんか。どうですか。
  161. 中山公平

    ○中山説明員 先生ただいま御質問のございましたのは、ILO百十九号勧告との関連であろうかと思うのでございますが、この点につきまして、先ほど人事局長の御発言は、法律を政府が提案したということは政府の発意であるということをおっしゃったのでありまして、ILO百十九号勧告との関連におきましては、これは使用者の発意による雇用の終了に関するものでありまして、この法案の内容は郵政省あるいは公社のほうから雇用を終了せしめようとしておるものではございません。あくまでも本人からの退職意思表示を待って特別給付金支給しようというもので、ございますので、私どもはこれとは関係のないことだというふうに理解をしております。
  162. 安宅常彦

    ○安宅委員 そういう法律論議はやれはいろいろありますよ。そういうワクをはめること自体、わなをつくってやっておること自体、政府の発意であって、それに飛び込んでくるようにしかけておいて、飛び込んできたら、七の中でこれは不適当だとかこれはいいとか選定をするのです。そういうことになればILO条約に違反するのは当然であります。十二時二十四分できちっとなっておりますから、私はここで論議を蒸し返すことはいたしませんか、明らかに法律を出すことが政府の発意であるなら発意であるという議事録だけは明確に確認をしておきます。  それで私はこういうことになると思います。私は以下申し上げまして、質問を終わりますが、まず第一番目には、これは見舞い金であるとかあるいは謝礼金であるとか御苦労さんでありましたとか、これはハトのような白いものではなく、ものすごいインチキな、わなをかけておいて、入ってこいと言われて飛び込んでみたら、おまえはだめだ、おまえはいいという取捨選択をする権限をあなた方が持つというふうなことをやって、そして人々を苦しめるところのとんでもない法律である。これは明らかにILO条約に違反する。そして政府が言ったところの有権解釈にも、みずから自己矛盾に陥っておるというふうになっておるのがこの法律であるというふうに思うのです。しかもこんな法律をつくってやってみたらどうなりますか。たとえば割り増し金はたいへん多い、善政だ善政たと言うけれども、それでは私は一年間やめませんと一年間つとめておったり、それよりよけいもらえる、退職手当の基礎の給料は上がるし、ずっと変わってきます。あなた方善政だと思ったことは何もないじゃないか、どうですか。
  163. 中山公平

    ○中山説明員 その点につきましては、私ども、この法案支給条件に該当いたしておる職員でありましても、やめたくないという人に対しまして、慫慂したり、あるいは強制解雇をしたり、あるいは肩たたきと俗にいわれるようなことはしないということを、大臣、総裁もたびたび言われておりますので、その点御了解を得たいと思います。
  164. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうすると、もらいたいけれども、おまえは配置転換可能だからやらないと言われた人は、自由を束縛されますね。これだけは認めますね。
  165. 中山公平

    ○中山説明員 この法律支給条件に該当しない方につきましては、これはその給付金支給できないわけでございますが、それによっておやめになる意思を私どもは拘束をするという意思は持っておりません。
  166. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
  167. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。安宅常彦君。
  168. 安宅常彦

    ○安宅委員 ただいま議題になっております法案について、私は反対の討論をいたします。  日本社会党は、大体本法律案の中身というものは憲法に違反するものである。しかも公労法に違反するものである、これは労働大臣の言明によって政府の統一見解が出されておるのでありますから、明らかでありますが、公労法に違反することははっきりしておる。さらに労働組合法、それから賃金の定義その他について言うならば、労働基準法、そういうあらゆるものに違反するおそれのあるものである。さらに労働組合法、公労法などによって保障されておる労働組合の団体行動権、団体交渉権、団結権、こういう基本的な労働者の権利を侵害している。のみならず、ただいまも申し上げましたように、ILO第九十八号条約などの国際的な労働憤行にも違反しておるということを指摘するものであります。  まず冒頭に、反対の理由を明らかにしておきたいと思うのでありますが、その具体的な事実の一つは、公共企業体等の労働者に適用されている公労法第八条においては、団体交渉の対象事項として、退職金あるいは今回の特別給付金のごとき性格のものが含まれているにもかかわらず、四月二十三日の逓信大蔵社会労働各常任委員会の連合審査の席上、大橋電電公社総裁の発言にあったように、国家公勝負等退職手当法が現に存在するから法定事項である、こういう考え方をもとにしてこの法案が提出され、制定されんとしていることは明らかであります。この問題は、あなた方政府みずからの発言によって訂正をさせられておるのであります。にもかかわらず、この法律案をいま強行しようとして、私が発言中に質疑打ち切りの動議が出されるという、まことにもって不届きなやり方が行なわれておるのであります。私は、こういう事態に対して、第一番目に、この問題について反対の理由を明らかにしなければならない義務があると思うのであります。国会の運営も何もかも全部じゅうりんされてしまう、こういうことはあり得ないのであります。政府の解釈が、当然団体交渉を行なって団体協約できまったものが、予算上、資金上どうにもならぬ、こういう場合には、国会のほうに承認を求めてくる、そうして承認がきまった場合には、これと競合する法律改正を行なうのが筋道だということを、政府みずからが言明しておきながら、この法律をいま強行しなければならない理由は全然ないのであります。にもかかわらず、いま多数の自民党の委員によって採決されようとしている。採決はあなた方が勝つでありましょう。しかし、この矛盾は永久に消すことはできないのであります。私はこのことをまず第一番に指摘したいと思うのであります。  こういう事実は、言いかえるならば、明らかに政府部内、政府機関の見解の不統一をさらけ出したものでありまして、その見解が統一されないまま、しかも労使間で一回の団体交渉も行なわれることなく、本案がきょう委員会を通過しようとしておる。こういうやり方は、私は労働者階級に対してつばをひっかけたやり方であると思うのであります。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)労働者につばをひっかけたそのつばは、皆さまはそんなことはないと言っているけれども、天にはいたつばと同じであります。将来歴史の流れの中であなた方の顔のまん中にびしゃっとそのつばが必ずかかってくることを、私はこの際明確に申し上げておきます。  およそ、現代社会にあっては、産業の発展とともに当然必然的に労使関係が生じてくるものであって、その中で使用者と労働者とは、少なくとも事労働条件に関しては対等の立場でもの々言い、し夢も常に労働者の立場が向上するようあらゆる配慮が払われていくことが、近代国家としての当然の姿であり、鉄則であります。それにもかかわらず、このような団体交渉権を否定し、労働者の発言の場を奪い、法律の施行をもつてこれを変えていこうとするやり方は、これは何回も申し上げますが、きわめて権力的なやり方であるのでありまして、私どもは絶対にこれを容認することはできないのであります。  さらにもう一つは、いま全電通労働組合では、このことについて労働委員会に不当労働行為として救済命令を出すよう申請をしておるのであります。こういう事態が明らかになっておりながら、しかも、政府の統一見解によれば、この不当労働行為は成立するものと見なければなりません。こういう状態において、この法律をいま本院の逓信委員会が可決決定をしたということになりますならば、これは悔いを千載に残すものであり、この逓信委員会は世間からもの笑いになるだろうということを、私はほんとうに心から憂えるものであります。こういうやり方について、第二点における反対の理由であります。  私の反対する第三点の理由はこういうことであります。たとえば善政であるとかいろいろなことを言っておりますが、その支給する対象人員、それから支給する時期、これは自動化によってやるのでありますから、その時期はあなた方の恣意で選定する権限があるのであります。そうして、今度は支給する人員、これもあなたのほうでは団体交渉でやると言っておりますが、その原案をつくるところの権能を持っております。それから今度はだれが退職手当の割り増しを受けるか、どの人が受けられるかどうかという選別をすることもできるような法律案であります。幸いに、われわれの追及によってこれは団体交渉によってやるということになっておりますが、こういう法律はまことに反動的な法律といわなければなりません。だんだんと突き詰めていきますと、皆さんの結婚の支度金になってたいへんいいじゃないかといって、新聞紙上PRしておるのでありますが、だんだんしりつぼみになっている、もらう人はさっぱりおらなくなっている、ほとんどおらなくなっている、まことにもってけつの穴の小さい逓信官僚の出した、そういうヨシのずいから天井をのぞくような、細い、小さな、何といいますか、善政どころか、まことにもってけちな法律案であるといわなければなりません。これは羊頭狗肉を掲げる、こういうようなやり方であると私は思うのであります。これはPRとはまるきり反対の、まことにけちな法案である、こういう意味で私は第三点の反対理由を申し上げておきたいと思うのであります。  特に、この際、私が申し上げたいのは、全電通労働組合との間に配置転換協約その他たくさんの協約がありますけれども、われわれの質問によって明らかにはなりましたけれども、かりにそのまま放置していたとするならば、労働組合と使用者側でとりきめたすべての協約というものは全部無効になるところであったわけであります。こういうようなことではまことにけしからぬことでありまして、実際にこの辺にも、労働者の保護であるとか、また御苦労さんであったとか、こういう性質のものではなくて、人員整理につながるところの退職促進法、この法案の第一条にも書いてあるとおり、退職を促進する、円滑化する、あなたのほうではそういうことばを使っておりますが、こういう退職促進法である。首切りの法律である、こういう本質が明らかになっておるのでありますから、この点を私ども特に強調して、反対する理由の一つに言っておきたいと思うのであります。  この際、最後に言いたいのは、電電事業の第一次五カ年計画が昭和二十八年以来今日までずっと続けられている中で、精力的に、これまで電電公社と全電通労働組合というものは、これらの問題について団体交渉を重ねてきておるのでありまして、言いかえるならば、電電公社の発展というものは、これら電電公社に職を持っておる人々でつくられておる労働組合の寄与するところがきわめて大きいのでありまして、それにもかかわらず、これらの法律案というものは、政府みずからがせっかくの労働慣行をつぶし、そうして退職をどんどん奨励していくという、まことに有害無益なものであって、しかも労使間の紛争というものをさらにみずから政府当局がその種をまいている、こういうふうに言っても決して過言ではないと思うのであります。私は、将来こういう労使紛争がいろいろとたくさん起きるということをあなた方に警告いたしますが、これら紛争が起きた場合には、これはあげて、以上申し上げましたような、法律的にも、あるいは国際労働慣行的にも、あるいはみずから労使慣行を踏みにじろうとする意図を本委員会で暴露されたごとく、これが間違った考え方によって押し通してきた皆さん方政府当局のすべて責任だ、あなた方が責任を負うべきだということを、私はこの際明らかにしておきたいと思うのであります。  私は、以上のことを警告いたしまして、本案に対するところの反対の討論にかえる次第であります。(拍手)
  169. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 佐藤洋之助君。
  170. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員長 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案に対し、賛成の意を表明するものであります。  日本電信電話公社は、電話に対する需要の急激な増加にこたえ、わが国の電話の水準を欧米諸国の程度にまで引き上げるために、昭和二十八年度以来、数次にわたる五カ年計画により、加入電話の増設と市内、市外電話自動化とを二本の大きな柱とする設備の拡充を急速に行なっているのでありまするが、この計画の一環をなす自動化の進展に伴い、特に第三次五カ年計画以降、自動化される電話取扱局の大部分の局において、一時に多数の電話交換要員が過剰となる事態が起こってきたのであります。  顧みれば、明治初年、東京、大阪に初めて電話局が開かれ、文明開化の脚光を浴びて電話交換手が登場して以来、九十年間にわたり、女性の身として、日夜電話交換業務に携わり、社会のため貢献してきたその功績は長く忘れることができないのでありますが、いまやとうとうとして押し寄せるオートメーションの波のために、次第にその影を消すことになったことは、時勢の常とは申しながら、まことに感慨にたえないのであります。  今回提出された法律案はこのような事情をバックとしているもので、自動化により過剰となる電話交換要員のほとんどが婦女子であること、今後改式される電話取扱局が、配置、職種転換の著しく困難な小都市等に及んでいくことなど、過員の解消に不利な条件が重なり、ひいては自動化の促進に支障を来たすことを考慮して、政府は本法律案の提出に踏み切ったものと思われますが、この法律案の特徴とするところは、これが通例の退職に対する措置法でないことであります。すなわち、第一に、自動化による過員が発生した場合には、まず配置転換職種転換の措置により、極力、過員の絶対数の減少をはかることといたしたことであり、第二に、退職はあくまで本人自由意思によることとし、強制、勧奨等にわたらないようにしたことであり、第三に、退職者支給される特別の給付金は、自動化促進に対する協力を感謝するための謝礼金的性格を持つもので、普通の退職金とは別に支給することとしたことであります。たとえば、本法律適用により、勤続五年、二十三、四歳の女子に対し三十万円近い退職手当及び特別給付金支給されるがごときは、民間に比べてはもちろん、他の公務員あるいは公共企業体職員に比べて、まことに異例の厚遇といわざるを得ないのでありまして、退職を希望する電話交換関係女子職員を遇するに、まことに思いやりのある措置と認められ、これは政府及び自由民主党の善政であり、労働政策的に見て数歩前進したものと考えられるのであります。また、特別給付金支給を、自動化の達成率がほぼ一〇〇%となる第四次五カ年計画の最終年度、昭和四十七年度末までに退職した者について行なうこととしたことも、当を得たものと認められるのであります。  以上、簡単でありますが、本法律案の特色を申し述べ、これに対し全面的に賛成の意を表明するものでありますが、この法律対象となる電話交換要員のほとんどが感受性の強い婦女子であり、かつ国民的要請に基づいて行なわれる自動化計画の遂行への協力者であることを、政府及び公社当局が十分に認識の上、これに対する処置に万全を期せられんことを希望して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  171. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 受田新吉君。
  172. 受田新吉

    ○受田委員 私は民社党を代表いたしまして、本法案に対する反対の討論を申し上げたいと思います。  私たちは、電通の近代化、合理化に対して、これを推進するためにいかなる協力も惜しまないものであることは論をまつまでもございません。しかし、この近代化、合理化施策推進の過程において最も重要な問題は、これに従事する従業員の処遇ということ、不安を一掃するということ、この点の配慮が徹底していなければなりません。  法案の提案理由を拝見いたしますと、一時に多数の要員退職をしなければならないという状態に対処して、特別の処遇措置を講ずるとうたってあります。私たちは、今度の特別給付金の性格が、よしいろいろな議論はあろうとも、賃金その他の諸手当、広義の給与の一部であることは論をまつまでもないと断定をいたしております。したがって、当然この特別給付金の決定にあたっては、団体交渉の過程を経るという要件の成立を必要とすると考えております。しかしながら、現時点において、この労使の著しい対立の中ですでに法案が昨年も提出され、今年も提出される。第三次五カ年計画遂行の過程において、いまその要員過剰の犠牲者たちがこの特別給付金支給を受けることなくどんどんやめていかなければならないという実情を見るときに、法案の成立を百歩譲って賛成するという前提に立っても、次の諸要点を特に考慮すべきであると私たちは提案いたしました。すなわち、十年以上の勤務者に対する特別の規定を設けること、あるいはこの特別給付金をちょうだいした人々が一年以内に公社郵政省等に再就職した場合は、その特別給付金を返還しなければならないという規定のあること、これを少なくとも半年以内の退職者にのみ返還規定を設けて、それ以上の者は返還義務なしという、この退職金の性格を有する特別給付金に返還規定をきびしく設けているところの緩和の修正案を提出いたしました。にもかかわらず、このきわめて常識的な修正すらお認めになっていただけません。  加うるに、われわれが最も懸念いたしておりますことは、今度の特別措置によって過剰となる要員の皆さんに強制退職の措置がされるのではないかという著しい不安点でございます。この不安点の解消に対しては、質疑応答の過程で、相当政府及び公社当局の積極的な協力意欲を承っておりまして、断じて希望退職以外の者に強制にわたるような勧告はしないという御言明がありました。ある程度われわれはこれを実際のお心がけとして了承をいたしております。しかしながら、現実に充足要員を果たすことのできなかった、希望退職者が少なかった場合に、過剰要員を残すとおっしゃっておられますけれども、その運営の問題においてやはり強制退職の何らかの形のものがとられるのでないかという不安は一掃されておりません。これらにつきまして、その運営の取り扱い方において、少なくとも政府当局、公社当局が厳重に強制退職にわたるごとき行為を断じてしてはならないという附帯決議の要請をわが党としていたしておきました。しかしながら、このきわめて常識的な附帯決議すら採択することなくして、この法案の強行採決をはかろうとしておられます。私たちは、これらの要員の皆さんに対して、不安感を一掃するために、きわめて常識的な良識的な立場で質疑応答を繰り返し、できるならばこの法案がよし大きな欠陥を持つとしても、積極的な過員処遇策として意義をなすならば、賛意を表してもいいという一面も持っておったのでございますが、以上申し上げましたような諸点について何らの明快な御協力のない態勢でこの法案実施するならば、この関連する職員たちに非常な不安を残すという点において、残念ではございますけれども、この法案通過の過程におけるお取り扱いが不十分であるという点、不安の解消になっていないという点、この点を特に指摘をいたしまして、反対の討論を終わる次第であります。
  173. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  174. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 起立多数。よって、本案は可決すべきものと決しました。(拍手)  本案に関する委員会の報告書の作成等につきましては、先例によって委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  175. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕
  176. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 この際、古池郵政大臣及び大橋電電公社総裁から発言を求められておりますので、これを許します。古池郵政大臣。
  177. 古池信三

    ○古池国務大臣 長時間にわたり、熱心に御審議の上、可決していただきまして、まことにありがとうございました。
  178. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 大橋電電公社総裁
  179. 大橋八郎

    ○大橋説明員 今回の特別措置に関する法律案を慎重審議の上、御可決いただきまして、まことにありがとうございました。
  180. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会