運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-04-15 第46回国会 衆議院 逓信委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月十五日(水曜日)    午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 森山 欽司君 理事 大柴 滋夫君    理事 栗原 俊夫君 理事 森本  靖君       小渕 恵三君    小泉 純也君       佐藤 孝行君    椎熊 三郎君       中村 寅太君    中山 榮一君      橋本登美三郎君    星島 二郎君       本名  武名    山本 幸雄君       安宅 常彦君    大村 邦夫君       片島  港君    永井勝次郎君       畑   和君    柳田 秀一君       受田 新吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 古池 信三君  出席政府委員         総理府総務長官 野田 武夫君         総理府事務官         (特別地域連絡         局長)     大竹 民陟君         郵政政務次官  金丸  信君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  畠山 一郎君         郵政事務官         (電波監理局         長)      宮川 岸雄君  委員外出席者         運輸事務官         (海運局内航課 隅  健三君         長)         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   秋草 篤二君         日本電信電話公         社総務理事   金光  昭君         日本電信電話公         社厚生局長   飯森  実君         日本電信電話公         社営業局長   千代  健君         日本電信電話公         社職員局次長  稲本  孝君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 四月九日  委員受田新吉辞任につき、その補欠として鈴  木一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員鈴木一辞任につき、その補欠として受田  新吉君が議長指名委員に選任された。 同月十日  委員畑和君及び受田新吉辞任につき、その補  欠として金丸徳重君及び鈴木一君が議長指名  で委員に専任された。 同日  委員金丸徳重辞任につき、その補欠として中  嶋英夫君が議長指名委員に選任された。 同月十五日  委員下平正一君、中鳩英夫君及び鈴木一辞任  につき、その補欠として大村邦夫君、畑和君及  び受田新吉君が議長指名委員に選任された。 同日  委員大村邦夫辞任につき、その補欠として下  平正一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月十一日  戦傷病者放送聴視料免除に関する請願(荒木  萬壽夫紹介)(第二三七四号)  同(植木庚子郎君紹介)(第二三七五号)  同(小川半次紹介)(第二三七六号)  同(菅野和太郎紹介)(第二三七七号)  同(小島徹三紹介)(第二三七八号)  同(澁谷直藏紹介)(第二三七九号)  同(正力松太郎紹介)(第二三八〇号)  同(關谷勝利紹介)(第二三八一号)  同(田中龍夫紹介)(第二三八二号)  同(谷川和穗紹介)(第二三八三号)  同(地崎宇三郎紹介)(第二三八四号)  同(原健三郎紹介)(第二三八五号)  同(松山千惠子紹介)(第二三八六号)  同(渡邊良夫紹介)(第二三八七号)  同(秋田大助紹介)(第二四八五号)  同(井原岸高紹介)(第二四八六号)  同(宇野宗佑紹介)(第二四八七号)  同(田中六助紹介)(第二四八八号)  同(高見三郎紹介)(第二四八九号)  同(藤井勝志紹介)(第二四九〇号)  同(古川丈吉紹介)(第二四九一号)  同(保科善四郎紹介)(第二四九二号)  同(小沢辰男紹介)(第二五五二号)  同(砂田重民紹介)(第二五五三号)  同(田口長治郎紹介)(第二五五四号)  同(久野忠治紹介)(第二六八八号)  同(笹山茂太郎紹介)(第二六八九号)  同(粟山秀紹介)(第二六九〇号)  簡易保険積立金の運用による特定郵便局舎改善  に関する請願池田清志紹介)(第二五二二  号)  郵便局舎等整備促進法制定に関する請願(永  井勝次郎紹介)(第二六〇六号)  同(卜部政巳紹介)(第二六二七号)  同(金丸徳重紹介)(第二六二八号)  同(下平正一紹介)(第二六二九号)  同(千葉七郎紹介)(第二六三〇号)  同(永井勝次郎紹介)(第二六三一号)  同外九件(芳賀貢紹介)(第二六三二号)  同外十七件(松井政吉紹介)(第二六三三  号)  同(大出俊紹介)(第二六三四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(  内閣提出第六七号)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。栗原俊夫君。
  3. 栗原俊夫

    栗原委員 大臣が見えておられませんので、大臣立場政務次官からお答えを願いたいと思うのでありますが、日本電信電話の全責任を持っておる電電公社、この公社が営んでおる電話がいま農村で、あるいは近年非常に急激にふえてきた集団住宅地で、さらには一般都市部において、非常に不足を告げておる。幾ら要求しても、これが需要に満たない。こういうような状況のときに、公社法の一部改正として船舶通信の問題のみが出てきたわけですが、郵政当局として、こういう事態において、電電公社公社法に手をつけるのに、こういう程度で事足れりと考えておるのか、もっと本格的に、公社のいまのあり方について、根本的な検討のもとに、基本的に考えなければならぬと考えておられるのか。まずこういう点を伺っておきたいと思います。
  4. 金丸信

    金丸政府委員 栗原先生の御質問は、私も各地からいろいろの陳情を受けまして、都会にいたしましても、あるいはいなかにいたしましても、電話を引けないという方が非常に多いわけでありまして、そういう方々から私のところにも何とかしてくれないかというような陳情もたくさんあるわけでありますが、この問題につきましては、財政的な問題もあるわけでありまして、右から左というわけにはいかないと思いますが、ただ、ただいまのお説のように、今回の公社法改正は一部だけでよろしいかという点につきましては、今後この問題は、私は公社の全般の機構の上に立って十分に再検討して、今後その上に立ちまして、あなたのおっしゃるような線にできるだけ早く持っていくようなことを考えなければならぬ、そのためには、また来たるべき国会法案も出して、国民の要望にこたえられるような方途を講じなければならぬ、こう私は考えております。
  5. 栗原俊夫

    栗原委員 通信一元化原則に基づいて、長い目で見れば、私もこの方策を貫いていかなければならないと考えておる一人でありますが、しかし、何と申しましても、現在出ておる電話に対する需要充足するには膨大な資金が要る、こういうことであろうかと思います。したがって、この膨大な資金がなかなか充足し切れない。債券問題等もこれを何とか補う方法として考案された施策でありますが、これとても、これ以上にわかに増していくということもなかなか困難であろう、このように考えられるわけですが、根本的に変えることを考えても、おそらく通信一元化原則は変えられない。この点には手は触れられないと思うのでありまして、その間、それにのっとっていくと、これはいまのような状態が続いていく。したがって、その間何とか便法として充足をする、電話需要者に対して利便を与える、暫定的な方法を与える、こういうようなことを考えておられるのですか。この点はいかがでございますか。
  6. 金丸信

    金丸政府委員 実は電電公社とも相談いたしまして、ことに農村等におきましては、現在電話需要も非常に旺盛でありますし、また、現在の経済情勢のことを考えてみましても、速度というものが必要であるというようなことも考えてみますと、便法として現在農村電話というようなことも考えておる次第でございます。
  7. 栗原俊夫

    栗原委員 農村において電話需要が非常にある。これは電話ばかりではなくて、一方では放送ということもあって、たまたま有線放送電話というようなものが発生してきました。これは公社自体とすれば、自分の事業を一元的にやっていこうという立場を侵されるというような気持ちがおそらくあっただろうと思うのです。しかし、実際には、ほんとうに必要の中から生まれてきた有線放送電話というものを正当なものにせざるを得ないという形になってきた。しかも、この有線放送電話が、さらに単に一地域だけの有線放送電話ということでは承知できない、こういうことの中から公社電話との接続というものを要求してきた。これに対して、それでは試験的につないでみようという経過をたどり、その結果、今度は本格的に法律的に公社電話有線放送電話とをつなぐという段階になってきた、こういうことだと思うのです。これに対して、一方公社としても、そういうことをどんどんと増加することを食いとめるという考えも多分にあったろうと思うのですが、地域集団加入電話制度というものが考案された現在、有線放送電話地域集団加入電話との需要充足実態、こういうものがはたしてどうなっているのか、このことについてひとつ郵政当局監理官のほうから、またいま一つには公社のほうから、それぞれの立場から御説明を願いたい、このように考えます。
  8. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 地域団体加入につきましては、若干は時日としておくれることはございましても、大体において需要充足されていると考えております。
  9. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま御指摘のとおり、有線放送電話そのものは、一つ原因としては、当時公社の努力が足りなかったといいますか、手が伸びなかったがために、農村地方電話の普及が非常におくれたということがおそらく一つの大きな原因で発生したものと思います。したがいまして、御承知の前国会法案が通りますときには附帯決議をいただきまして、今後農村方面に一そう努力しろ、こういう鞭撻を受けたわけでございまして、私どもその御趣旨にのっとって、農村方面にできるだけ適したような電話考えたい、こういうことで目下寄り寄り話がまとまりつつあるのであります。これがもし一応相当効果がありそうだというめどが、いよいよ関係方面の熟議がまとまりますれば、さしむき試験的に本年度からでもやってみたい、かように考えておるわけであります。
  10. 栗原俊夫

    栗原委員 この際お伺いしたいのは、地域集団加入地域の数、加入数、それからこの加入数に対して公社電話の引き込んである回線の数、一方、有線放送電話公社接続要求しておる組合数並びにその組合加入しておる加入数、こういうものがわかっておったらお示しを願いたい。
  11. 千代健

    千代説明員 ただいまわかっております数字は、栗原先生お尋ね地域団体加入施設の件数でございますが、八百七十二施設、これは三十八年度末厳密に全部集計が集まっておりませんが、それで局線数は二千二百五十九回線であります。
  12. 栗原俊夫

    栗原委員 局線の数が二千二百五十九回線で、その先へぶら下がっておるというと変なことばですが、連なる施設の中の加入数、これは単独加入じゃなくて施設にいっておる回線がこの数なんでしょう。その先に加入者が数多く連なっておるわけですね。
  13. 千代健

    千代説明員 ただいま申し上げました二千二百五十九回線と申しますのは、電話取扱局から地域団体加入交換台へ入っておる御指摘の線でございます。その先に幾らぶら下がっておるかという問題でございますが、これは一本平均加入くらいでございますが、三十七年度末では約五万八千くらいであります。
  14. 栗原俊夫

    栗原委員 そうすると、局線回線について施設の中では平均加入くらいが連なっておる、こういうことなんですか。
  15. 千代健

    千代説明員 局線回線に五加入ということではございませんので、その交換機からたくさんの線が出ておりますが、その一本ずつに電話平均五つくらいぶら下がっている、こういうことでございます。
  16. 栗原俊夫

    栗原委員 そういうところは私のしろうと考えから聞くと、そうではありませんと言って、私が聞いているのと大体同じようなことを説明しているのですが、一施設局線が五本いっている。そうすると、その先は二十五戸がその施設から電話を引いてもらっておる、こういうことになるわけなんですか。
  17. 千代健

    千代説明員 局から五本の線がいって向こうの手動交換機に入っておる。その交換機からかりに二十本の線が出ておりますと、その先に五個ずつついて百のものがついておる、こういうことでございます。
  18. 栗原俊夫

    栗原委員 頭が悪いからいま一度教えてもらいたいのですが、そうすると局線回線平均何戸くらいの要求を満たしておることになるわけですか。
  19. 千代健

    千代説明員 三十七年度末の実態では、局線回線については約三十の一番端末の電話機がついているかっこうであります。
  20. 栗原俊夫

    栗原委員 ただいまお答え願ったのは地域集団加入ですが、ことしの一月一日から実施されておる公社接続法律によって、いま希望されておる有線放送電話公社接続申請、そして予算の範囲内でこれが許可せられる見通しの局線回線数、並びにこれに連なる有線放送施設組合、並びにこれに加入する戸数等、概算でけっこうですから……。
  21. 千代健

    千代説明員 私どもで今年予定しておりますのが四百六十施設ということで、大体それだけを準備いたしておりまして、従来の例で一有線放送施設に対して三回線ちょっとオーバーするくらいの平均になっておると思いますが、現在正式な申し込みをちょうだいしておるのは、私不幸にしてつまびらかにしておりませんが、いろいろ全国的に当たらしてみておりますと、四百前後の需要が顕在化する、こういう見込みでおります。すでにこの申し込みをされたものも何十施設かあるはずでございますが、残念ながらここにちょっと資料を持っておりませんので、たいへん失礼でございます。
  22. 栗原俊夫

    栗原委員 ただいまのお話によりますと、こちらで予算をもって受け入れ準備をしておるだけまだ要求は顕在化していない、こういう段階でございますか。
  23. 千代健

    千代説明員 今日までの各地を調査いたしました結果では、私がただいま申し上げましたように、四百前後の需要が顕在化するだろう。ただ、こういった予測は往々にして違いますので、隣がやられるとこちらもやるということで、九月の地方議会等がある場合に、おそらく非常に変動があるんじゃないかと思っておりますので、必ずしも安閑としておれない、こういう考えでございます。
  24. 栗原俊夫

    栗原委員 一施設局線配給回線は三回線平均だ、こういうお話ですが、その三回線を割り当てる施設平均加入口数というものはどのくらいなんですか。
  25. 千代健

    千代説明員 今度出ますものが何回線になりますかわかりませんが、従来では一つ施設が七百から八百見当、もちろん中には非常に大きなものもございます。小さいものもございます。平均を申し上げてもあまりなんでございましょうけれども、大体七、八百ということでございます。
  26. 栗原俊夫

    栗原委員 これは農村関係有線放送電話ですが、いま公社においては、今度は農村とは姿の違った集団住宅地に対して、なかなか思うように需要充足できないということから、集団住宅地電話方式を試験的に何か行なうということをやっておるというお話ですが、このことについてちょっと説明してもらいたいと思うのです。
  27. 千代健

    千代説明員 いまの御質問趣旨、いわゆる団地につけるものであるのか、あるいは農村のいわゆる集団的なものであるのか、どちらかちょっと判断いたしかねますが……。
  28. 栗原俊夫

    栗原委員 住宅地です。
  29. 千代健

    千代説明員 住宅地の問題は、現在私どものほうで関係方面といろいろ折衝を重ねておりまして、最終的決定にはなっておりませんが、いわゆる団地電話需要、これに対しまして従来試験的にやっておりますのは、すでに先生御案内のとおりでございまして、手動交換機団地内に置きまして、それによって団地にお住まいの方の電話をそこへ収容する、それからその手動交換機電話局との間に加入回線と申しますか、これを接続して、団地内の小電話局的な方法手動方式でやっておるのが現状でございます。これを約四、五年やってまいっておりますが、いろいろと不便な点も出てまいりまして、それを研究いたしました結果、いまそれを自動方式でやっていこう、こういうことで考えております。  それからいわゆる団地にも非常に大きなもの、何万戸あるいは五千戸、六千戸というものから、三百戸とか四百戸とかいろいろございますが、大体電話需要を二百単位ぐらいに考えまして、二百ぐらい同時に団体申し込み的なことがあればそれに応じられる体制をとろうではないか、こういうことで、団地内に無人の自動交換機を置きまして、それによって団地相互間、それから親局と申しますか、それの加入者との間、また自動改式に対しては、一般電話と同じような方法自動手動ともかかる方法一般電話と非常に似たものをもって団地内の電話需要を救済していこう、こういう考えでやっておるわけであります。
  30. 栗原俊夫

    栗原委員 ただいまのお話は、本心点から先こうしようという心がまえというふうにお聞きしたのですが、現在は、実際に公社自身がやっておるのと、公社以外、組合的にやっておるものがある、こういうことを聞いておるわけですが、その実態はどんなぐあいなんですか。
  31. 千代健

    千代説明員 現在組合的にやっておる——先ほど申し上げました手動交換機を置いて団地内の電話需要をそこに集めて、現在試験的にやっておりますものの数は、五十七団地と思いますが、これは時点があるいはちょっと……。それで公社自身がやっておるのがあるかというお話でございますが、公社自身は先ほど申し上げましたような方法をとるいわゆるテストといたしまして、二、三カ所公社でやった、それも当初やりました場合にはこういう点が悪くて、次にやってここを改めたというようなことで、現在テスト的にやっております典型的なものは三鷹台の団地で、これはテストと申しましても、いわゆる機械的なテストというような問題でございまして、一般加入電話と同じ方法で実はやっておるわけでございます。
  32. 栗原俊夫

    栗原委員 その五十七施設というのは、公社電話回線平均どのぐらい入って、しかもその先にその施設平均どのぐらい加入しておりますか。
  33. 千代健

    千代説明員 団地内の電話は、大体二百平均ぐらいでございます。それから一施設に対する局線の供給、これは約十回線弱というところでございます。
  34. 栗原俊夫

    栗原委員 以上のような関係で大体住宅地状態は一応伺ったのですが、海上のほうは船舶通信株式会社というものが器具を貸与してやるというようなことだそうですが、電電公社電話の役務を船舶にするのは、この船舶通信株式会社のごやっかいにならなければ一切通信ができない、こういうことなんですか、その辺の実態をひとつお話し願いたいと思うのです。
  35. 千代健

    千代説明員 公社でやれないか、その会社委託をしなければならぬ理由はどうか、こういう御質問でございますが、この船舶電話のサービスと申しますのは、船の出入りが二十四時間時間を問わず入っております。それで申し込みから開通まですべて昼夜を分かたずやっております。その間に海の上町はしけで行ったり、あるいはおかからつける場合も、岸壁等はございますが、はしけで持っていってつけて、また要らなくなるとはずす、しかもそれが外国船である場合には、いろいろと無為替輸出とか無為替輸入とかいうような複雑な関係もあるようでございますが、こういった事務が、公社の大きな世帯の中で多数の人が交代勤務をしてやっておるこういった職場の実態から見まして、必ずしもできないことはない、やればやれるのじゃないかということは、私否定はいたしませんけれども、より能率的にやるには、やはり専門化した人々がこれに従事するほうが、集中的、能率的に行ない得る、こういう考え方でございます。そういった観点から、私どもとしては、船舶に設置する船舶電話というものは、船舶通信株式会社のほうへ委託したほうがよりよいという考え方を持っております。
  36. 栗原俊夫

    栗原委員 船舶通信株式会社というのは、そうした公社委託事務のほかに何をやっておりますか。
  37. 千代健

    千代説明員 現在この日本船舶通信株式会社仕事では、ほとんど全部が公社のいわゆる船舶電話といいますか、動く海上の、岸壁につながらないところのものに無線電話を持っていく、あるいは取りはずす、こういった仕事、それからいま一つは、これは横浜と神戸においてでございますが、岸壁電話と称しまして、いわゆる岸壁に着いた船に公社電話を取りつける、取りはずす、それに伴う申し込みの受付とか、あるいは料金の徴収とか、こういったことをやっておりまして、船舶電話及び岸壁電話以外の仕事はほとんどやっておりません。
  38. 栗原俊夫

    栗原委員 先ほど来のお話によりますと、なかなか手数のかかる仕事だから、公社でやってもやれないことはないとは思うけれども船舶通信株式会社がやるほうが能率がいい、こういうお話なんですが、聞いておると、公社仕事よりも株式会社でやるほうが能率がいいのだ、こういうように聞こえるのですが、総裁どうなんですか。
  39. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま局長が申し上げましたように、この船舶電話なるものは、何と申しますか、昼夜を分かたない、しかも繁閑常ならずというような非常に浮動なものでありまして、ほかの公社のやっておる仕事のように非常になだらかにいつも仕事がやれるというようなものでないのでありますから、専門的な人を何人か置いて、会社ならわりに簡単にやれるというところで、便利であるということは確かだと思います。これが能率的であるかどうかということは、ちょっと一がいに言えぬかもしれませんけれども、経済的に便利にやれるということは言えるだろうと思います。
  40. 栗原俊夫

    栗原委員 通信一元の原則の中で、特に海上電話をそういう措置をとっておる、こういうことなんですが、その一番大きな原因として、手軽に身軽に便利にやれる、こういうことがいまあげられたわけですが、そうすると、船舶以外にもそういう部門が出てきた場合には、そういう考え方でやる意図があるのですか。なかなかこれは重大問題ですから、ひとつその辺を明らかにしていただきたいと思います。
  41. 大橋八郎

    大橋説明員 どういうものが出てくるか想像はできませんけれども、何かそういうものが出た場合にはケースバイケース考えていきたいと思います。絶対に許さぬというつもりはございません。
  42. 栗原俊夫

    栗原委員 そうしますと、海上船舶のほうも、ことによっては直営したほうが便利であるといえば直営にする場合もあり得るし、また船舶に限らず、地上の問題でも、切り離してやったほうが経済的にも能率的にもいいのだというような事態のものが起これば、これまたケースバイケースでやることもあり得るのだ、このように理解していいのですか。
  43. 大橋八郎

    大橋説明員 大体さような趣旨と御了承願ってよろしいと思います。
  44. 栗原俊夫

    栗原委員 政務次官にお尋ねします。郵政立場から、日本通信行政通信政策というものはただいま総裁が言ったような方向でいいのですか。これはひとつ監理官とも相談して間違いなくお答え願います。
  45. 金丸信

    金丸政府委員 ただいま総裁が申し上げたとおりでけっこうだと思うわけであります。
  46. 栗原俊夫

    栗原委員 そうしますと、いま財政的にいろいろ電話需要に対して資金が足りない、債券ももうこれ以上しょわせることはできない、こういう状態になっておる。ところが、一方では具体的に電話がほしい。しかし朝から晩まで、いわゆる商業者のようにどうしてもなくてはならぬ電話ということではないけれども、やはり生活を向上する、文化的な生活をするためにはどうしても電話がほしいのだ。しかし公債をこれ以上しょうのではとても引けないし、またかりにそれだけ公債をしようといっても、なかなか現在の公社の実情では引けない。こういうようなときに、それでは設備は一方で一応やろうじゃないか。そうして一加入単独加入というようなことではなくて、ぜひ電話をつないでほしい、一日に何通話かでいい、ときによっては一日一通話でもいい、あるいは必要なとき何とかこの文化の恩恵に浴そう、そのためにはある程度の資金の固定ならば引いておきたいのだ。また月々の経費もわずかな程度なら引いておきたいのだ。こういうことで具体的な需要が出たときに、それに対して今日までの電話一元という原則から見て、どこまでも直営でやるのだということを押し切っていかなければならないか、あるいはそういうことならば、その段階まで持っていく、具体的にいえば、住宅電話なんかはその一例なんですが、組合をつくって交換機から先はおれたちが、厳重な技術基準のもとに、そうして監督のもとに、施設はわれわれの手でやろう、交換機までとにかくいまの公社で配給できるだけの回線を——しかもそれもまあ十本に一本くれということは非常識なので、先ほども言ったように、二百戸に対して十回線ぐらいほしい、こういうような要求がある、こういうものに対して、どういう態度でもって臨んでいこうとするのか。公社公社としての立場がありましょう。しかしこうした通信行政というものを、具体的に行なう郵政立場からどのようにお考えですか。これは監理官からでなく、政務次官から政治家として御答弁いただきたいと思います。
  47. 金丸信

    金丸政府委員 私は電話の問題につきまして、いまの経済状態あるいは社会状態から考えてみましても、だれしもが電話を希望しておることは当然だと思います。また、公社といたしましては、できるだけこれにこたえるような方途を講じなければならぬということも当然だと思うわけでありますが、それに伴いまして、財政的な面もありますし、なかなか国民の皆さんが希望するほどの御期待に沿えないという面もあろうと思うわけでありますが、私はこの問題につきましては、あらゆる方途を講じて、できるだけ国民の皆さんに喜んでもらえるような方途を一日も早く講ずべきである、こう考えております。
  48. 栗原俊夫

    栗原委員 政治家政務次官とこれからやりますから、監理官はしばらくささやきをとめて、こちょこちょやらないでください。政務次官も政治化として選挙区も持っておることなんだし、そこには電話要求する大ぜいの住民、国民がおるわけなんですから。  特に住宅地に限ってお尋ねするのですか、数万の集団住宅ができれば、そこにはまたいろいろ設備を考えると、こうおっしゃるのですが、私はそういうところには、新しい町ができるのですから、新しく開局すべきだと思うのです。しかし、そういうところにいくまでの段階で、電話要求がある。ところが一向に電話の配給がない。たとえば四、五百人の電話要求がある。四、五百人に二共同あるいは四共同でいくという方法もありましょうけれども、それでもなおかつ足らない、そういうときに、現に試験的に五十七施設回線くらい与えることによって十回線に三百なり四百なり五百近く——私どもの視察した結果によると、十回線で二百四十加入のものを二セットで四百八十つなげられる。普通ならば独占十回線で十軒しか満足させられないもので四百八十軒満足させられる、こういう方法が現にある。そういう方法が現にあるのを、ほかの方法でこれらの喜ぶ方法を否定していこうとするかどうか。そういう方法があるならやれということを、政治家だったらすすめるのだろうと思うのだけれども政務次官どうですか。
  49. 金丸信

    金丸政府委員 私も栗原先生と同じように選挙区を持っております。選挙区の人たちからそういう希望が出ますれば、できるだけ何とかしてやりたい。してやるについては、電電公社と折衝してみて、なかなかむずかしい問題もあろう、こういうようなことも思うわけでありますが、政治家としては、栗原先生のお考えに同調して、電電公社に、こうやってくれぬか、こういう立場に立ちたいと考えております。
  50. 栗原俊夫

    栗原委員 君が政務次官にこう質問をするのは、公社をそっちのけにしてやれということじゃなくて、やはり電話というものは一元化のものだという原則を大前提にして、本来ならば電話需要というものを公社の手によって解決すべきだ、こういう前提なんです。しかし当面いろいろな財政的な問題等々ですぐそれに応じ切れない。一生懸命努力して、公債までしょわしてやるのだけれども、なおかつこれに応じ切れない。こういう段階で、一方においては、それならば公債をしょっても引けない。しかし公債まで出さなくても、お互いが出し合って、しかも公社要求する技術基準で受け入れ体制ができるんだ、こういう体制ができるならば、将来にはこれを公社に吸収するということを展望しながら、当面やはり国民的な電話需要というものを充足してやる、これが政治ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
  51. 金丸信

    金丸政府委員 私も国会議員としての立場では先生と同じように考えますが、ただ公社立場から考えてみますと、あるいは郵政省という立場から考えてみますと、将来それを接収するというような問題は、困難もあるかもわからないし、できることであれば、理想としては、電電公社がひとつ一元的にこれをできるだけ早い機会に充足してもらうようなことが、私は一つの筋ではないかと考えております。
  52. 栗原俊夫

    栗原委員 そこで公社のほうでも、あとから公社に聞くのですから、ひとつ腹をきめておいてもらいたいのですが、そんなことをやったら、あとで接収するときに、とんでもないことが起こるのだろうということを想定するだろうと思うのです。それを今度始めさせるときに、公社でもって接収するときにはこういう方法で接収するのだという厳重な約束のもとに、当面需要に応じていくという方法が、政治の中で、また公社方法の中でできないはすはないと思うのです。そして電話がほしい中にも、単独加入でなければ困るのだという電話需要もあります。それからかけられればいいんだという電話需要もあります。いろいろな電話需要の中には、濃淡の度合いの違ったものがあると思うのです。そういう点なども十分配慮しながら、電話需要というものを充足していくべきだ、こう思うのですが、これはひとつ監理官とも相談して答えてください。
  53. 金丸信

    金丸政府委員 私は栗原先生のおっしゃるとおりだと思います。
  54. 栗原俊夫

    栗原委員 公社にお尋ねします。  公社はこういう一元の原則の上に立ちますから、有線放送電話などができ、これを公社につなぐなども、腹の底では決して喜んでおられぬと思います。また集団住宅地で、自分のところから離れる部分が電話通話の中に生まれてくるのは、気持ちがよくないにきまっていると私は思います。思うけれども、実際において需要に応じ切れないという現状から、やはり公社立場よりも、まず第一に尊重しなければならぬのは、国民の需要のほうだと思いますから、そういう立場に立てば、趣旨は気に入らなくても、将来公社の傘下におさめ得るという前提に立つならば、当面国民の電話需要というものを充足する方法があるならば、次善の策としてこれは了承していかなければならぬのだ、このようにわれわれは国民の代表の国会議員として強く思うのですけれども公社としてはどんなお考えですか。これは総裁からひとつお答え願います。
  55. 大橋八郎

    大橋説明員 栗原先生の先ほどお述べになりました具体的な問題は、私、十分理解がいたしかねるのでありますけれども、根本の精神のことは全く同感でございます。そういう精神の上に立って——先ほど申し上げた私の説明のしかたが少し抽象的過ぎたので、あるいはおわかりにくかったかもしれませんが、農村並びに団地についても、そういう根底のもとに私ども新制度を考えておるわけであります。どういう制度ができるか、いずれ話がまとまったらまた御批判をこうことになると思います。現在その精神に基づいてやっておるつもりでございます。
  56. 栗原俊夫

    栗原委員 総裁は総括責任者でありますから、こまかいところはなかなか話しにくいと思いますが、担当の責任者の局長さんですか、現在団地でいろいろ要求がある。これに対して自動化の施行が行なわれておる。こういう中に、実際の需要を目の前へ置いていろいろと問題があるようであります。当面これをどのように処理していくか。聞くところによれば、あちらこちらからまとまって現在行なわれておる五十七施設のような方式のものを希望しても、ちょっと待ったでこれが受け入れを拒まれておる、こういうようなお話ですが、この間の事情、実態はどんなになっておるのですか、ちょっと御説明願いたいと思います。
  57. 千代健

    千代説明員 現在行なわれておるような手動交換機を置くやり方が不適当であるという判定に私は立って、この方法よりも、総体的な負担においてあまり多くもなければ少なくもない、大体同等くらいな負担、こういった点から自動で供給する道をいま考えておるわけであります。かりに手動でやられますと、十五年なり二十年なりしまして設備が古くなりました場合に、もう一回つくりかえなければいけないわけであります。そのときには、現在の各団地でおやりになっておる——全部が全部とは申しませんが、多くのところでやられております償却の問題、次の十数年後につくりかえるだけの準備が実は十分に行なわれておらないという観点から考えまして、いまの団地の居住の方々は、その際にさらに相当の負担が要る、こういった問題もございます。  それから現状を見てまいりますと、そこの交換機に十分な交換扱い者の配置が行なわれておらないところが多い。また交換の資格のない人をパートタイマー的に使っておることすらあるというような観点から考えまして、この取り扱いが、その団地加入者の方方にも、また一般の外部からその団地に向かって電話をかけられる方々にも、相当な迷惑を及ぼしておるというような点が多いのではないか、こういう点等を考えまして、新しい方式がいま目の前にぶら下がっております、負担も大体とんとんでいけるということになりますと、私どもとしてはしばらく待っていただいて、私どものほうのこのやり方でひとつ提供したい、こういう意欲に燃えるわけでございます。現在正式に申し込まれておりますのは、私どものほうへあがっておりますのは三つございますが、それはいずれも、いまの事情を申し上げて、しばらくの御猶予をいただいておる、こういうかっこうでございます。
  58. 栗原俊夫

    栗原委員 機械が二十年たって古くなると取りかえなければならぬ。自動化のほうは、これはかえなくていいんですか。ただ、かえるときに、組合組織ならば、組合組織でやらなければならぬから、個人にいま一度負担がかかるぞ、自動式にしろ、手動式にしろ、公社自営でやるならば、一ぺんお金を出してもらえば、かえるときも公社でやるんだから、加入者は負担がかからぬぞ、こういう差がある、こういうことなんですか。
  59. 千代健

    千代説明員 いま先生のおっしゃるとおりでございます。
  60. 栗原俊夫

    栗原委員 私は、そのことは有線放送電話でもちっとも変らないと思うのです。有線放送電話、これは公社がつないだ、つないだ以上は、だめになったときは公社が見てやるという法律は、われわれはつくった覚えはありません。やはり同じだと思うのです。有線放送電話がつなげて、そして集団住宅地電話のほうをそういう御配慮でなさる。そういう御配慮でこれからやるのをやるというには、これは公社のほうが、組合でやってもできるような値段で、しかも速急に充足できるということでなければ、これは置きかえられないと思うのです。あなた方は、また二十年先へいってお金がかかるんだから、気の毒だから、公社のほうではすぐできないけれども、しんぼうしなさい——これでは説得力がありません。これは電話が欲しいんですから。だから、二十年先へいって金がかかる、そういう方法よりも、同時的にできるんだから、こっちをやりなさいというなら話はわかるけれども、そっちはおやめなさい、しかし、こっちで自営でやるとはいうものの、なかなかできませんよというのでは、やらないと同じなんですから。この辺はどうなんですか。
  61. 千代健

    千代説明員 先ほど総裁からもお答え申し上げましたように、現在関係方面と御相談申し上げております。その供給能力の問題、それからどれくらいな負担になるか、いつからできるか、こういった点、いまここで申し上げるまでに決定しておりませんけれども、そう何年先というような問題じゃございません。非常に急いでやっておる問題でございます。したがって、もしも私ども考えておりますようにものごとが運びますと、おそらく手動で向こうの側で交換機を持たれるような方法と、いま公社考えておりますような方法と、おそらくはそう違わない時期に——また供給能力の問題でございますが、これも非常にむずかしい問題でございますけれども、それも大体今年の間に何万とかいうような点をいろいろ考えて、従来の手動でやっておられるような需要の伸びにどうにか追いつける程度のことはできるんじゃなかろうか、こういう考え方を持っております。
  62. 栗原俊夫

    栗原委員 そうすると、お伺いしますが、ホテルとかその他会社等でPBXをやっているのは、これは手動でやっているんでしょう。これはどういう立場に立ちますか。
  63. 千代健

    千代説明員 会社等でいわゆるPBXと称します手動——自動のものもございますが、手動のものでやっておるのがございます。これは原則として、一会社なり一個人なりがそれを持ちまして、自分の内線として使用するということが原則でございます。したがって、多数の人格がこれに御加入なさるといういまの団地のやり方とは異なるわけでございまして、一企業なり一個人なりが内線を使う、こういうことで相違点があるわけであります。
  64. 栗原俊夫

    栗原委員 ホテルあたりは一部屋一世帯に見て、NHKは一部屋ごとに視聴料を徴収しているんですから、これはどうなんですか。
  65. 千代健

    千代説明員 いまNHKのお話、私、不幸にしてその点承知しておりませんが、私どものほうでは、たとえばホテル業者としてやる、それは一室からとるべきかどうか、この点は、戦後まだ占領当時に、ホテルPBXと称する研究をやったわけでございますが、その際から立ち消えになっておりますけれども、ホテルのようなものは一企業と見ていいんじゃないか。ただ、いわゆるマンションとかいうふうな最近はやりのアパートのようなものが出まして、そこで中に交換台を置いて、一つのアパートというよりもマンションと申しますか、そういったようなものの中の各戸の電話は、これは内線かという御質問かと思います。これはそういったものが出たのは事実でございますが、多くの数、全部が全部各個人に使われておるというようなものは比較的少のうございまして、そのような場合に、この居住区におる人はそのPBXの加入者であるところのマンションの経営者と共同契約という方法で、現在私ども取り扱っています。
  66. 栗原俊夫

    栗原委員 どうも、話を聞いていると、公社立場ばかり主張しているような気がしますね。やはり電話は、公社があって電話があるのじゃなくて、需要者があって公社というものがあるんだという考え方に立ってもらわぬと、これはだいぶ行き方が違ってくると思うのですよ。そういう意味で、これはホテルでも、あるいは企業内でもけっこうですけれども、そういうところはPBXでいい。手動式でもいいんだ。しかし、住宅団地では困るんだ——私にはさっぱりわかりません。それは組合組織になれば、将来その機械がぐあいが悪くなったときに、また加入者が負担しなければなりませんよという思いやりはいいですよ。思いやりはいいけれども、そういう注意までしてなおかつそれでも欲しいんだ、こういうことになってくる。そうしたらこれは聞いてやるのが必要じゃないかと思うのですがね。そこまで納得して、しかも公社ではいつでも引き受けられるような条件をつけて、そうして当面二十本なりあるいは十本で四、五百名の人が電話の恩恵にあずかれる、こういう状態にあるならば、なぜこれをはばむのか、私にはさっぱりわかりません。先般も、自営のモデル地区という三鷹台を見せてもらいました。あの三鷹台の自動の中に入った電話は、一般加入という形で入っているんですけれども、やはりああいう施設の中を通じておりますから、単独加入電話とは条件が違うように見てきました。したがって、ある制約下の電話だ、このように思うのです。公社のほうでほんとうに需要に応じて、ここ一年間これが一そういう需要はあとからあとから出てくるんですから、その全部を一時に解消するということはできないまでも、当面出ておる需要、顕在化した需要というものを解消できるんだという、そうした具体的な日程が立つならばこれは話は別です。しかし、構想だけを持ち——構想ならば、単独電話でもって全部解消するという構想すら公社にあるはずなんですから。第何次計画という形の中で単独加入で解消していく、こういう大きな熱意を持って年次計画を進めておられる。そういう中で当面しておる需要が満たし切れない、こういう中に、やはりこういうものはどうしても解消していかなければならぬではないか。もちろん冒頭にも申しましたとおり、これは厳重な、いつでも公社で引き受けられる技術基準というものの要求は当然です。それと同時に、公社が接収するぞという意思表示があればいつでも接収できるという条件も、これは絶対に付さなければならぬ条件でしょう。そういう条件をつけて、なおかつそれでも当面の電話加入が必要なんだ、電話がほしいんだという要求が取りまとまるならば、やはり応じてやるのが公社としての任務である、責務である、こう考えるのですが、総裁、この点はいかがですか。
  67. 大橋八郎

    大橋説明員 先ほどから局長の申しておりますことは、私どものほうではもうほぼ成案を得ておるのでありまして、これから研究するとか、まだ熟しない程度にあるものという程度のものではないのでございます。もう私どもは遠からず実行するつもりでいま話を進めておりますから、そう御心配の、お話しのようにいつになるかわからぬけれども、とにかく何か構想を持っておる程度というふうな御推察ならば、そうではないのでございます。その点はどうか御了承願います。
  68. 栗原俊夫

    栗原委員 そうしますと、いま少し入ってみますが、そういう具体的な技術的な解決ができた、構想ができた——構想ができたということには財政的な裏づけもある、こういうことだろうと思うのですが、それは大体具体的にはここ一カ年間にどのくらいの消化ができるのか。これはどこということでなくて、数の上でどのくらい解消ができるのか、これは予算の問題でしょうから、抽象的な数字でお示し願えればけっこうです。そういうことになれば、おそらくお集まりの与野党の議員が、やはり電話需要に対して充足してやろうという気持ちは、ほかのことではかなり対立しても、このことは与野党満場一致でいくだろうと思うのです。そういうことになれば、もちろんそういう方法をとるということになると、これはやはり法律改正ということにもなりましょう。これはもう議員立法でも、あるいは委員会でじっくりと郵政当局と話して、法律改正でも何でもやっていきたい、こう思うのです。それはもう夢のような話だけではだめなんで、具体的な構想を明らかにして、それが構想どおりにいかないという見通しが——われわれからいけば、やはりこういうことをせざるを得ぬのだぞという気持ちを持っておるのですが、そういうことに対する具体的な構想を、まず局長から述べてもらって、最後に総裁の御決意のほどを伺いたい、このように思います。
  69. 千代健

    千代説明員 従来の団地需要の出方が年々内線といいますか、電話機数にいたしまして五千から六千見当、こういう出方でございます。もちろんこれを公社でやりました場合に、どれくらい出るかという問題は、おそらく年とともに大きくなってくる、とても五千や六千では済まないだろうと思います。一応私どもがいま考えまして、すでに今年度も入っておりまして、これがきまりますと、すぐ始めまして年間幾ら要るか、需要がどれだけ伸びるか、こういう問題があると思いますが、私どものほうでは年度内一応二万くらいを予定しておるわけでございます。こういうことが現状でございます。
  70. 栗原俊夫

    栗原委員 これは相当具体化してから、かりに個人栗原俊夫がある住宅地で、単独加入ではとてもいまの電話の供給の関係からはめんどうは見られぬぞ、しかし諸君がその気になるならば、こういう方法で非常に安い金額で——まだ具体的な金額についてはお伺いしておりませんけれども一般単独加入債券の負担よりも非常に安い金額で諸君には電話が引けるんだというようなことで取りまとめができれば、これはどのくらいでできるのですか、申し込んですぐできますか。半年ですか、一年ですか。
  71. 千代健

    千代説明員 大小によって違いますけれども、六カ月ぐらいで大体できると思います。
  72. 栗原俊夫

    栗原委員 これはわれわれが選挙民との話し合いの中からこういうところへその代表として持ち込んでおるのですから、議会におけるその場のがれの答弁では済まぬのですよ。もしそれができなかったら、それならばおれたちがやるぞと言った場合に、すでに許されている手動のほうは許しますか。これはどうなんですか。
  73. 千代健

    千代説明員 現在考えて、先ほど総裁からも御答弁を申し上げた、このものができます際には、現在の手動式のものが必要がないので、このほうは、現在動いておるものについてはやめにする考えはありませんが、新しいものは、全部私どものほうで自動方法でやったほうがいいだろう、こういう考え方に立って検討を進めております。
  74. 栗原俊夫

    栗原委員 その考え方はわかったのですが、具体的な需要に応ずる供給の問題なんで、そういう需要が取りまとまったらこれはできますね。いつもこういう問題でぶち当たるのは、予算の範囲内においてというワクが出てくる。やりたいのだけれども予算のワクがないからというようなことで時間がずれる、こういうことでは話にならぬので、予算のワクがあるから、予算でまかない切れないところを組合組織で、交換台から先の受け入れ体制をつくろう、こういう需要者の意思があるのに、予算がないから予算の範囲内以外はできないということで延ばされておるところに問題があるのですから、この辺はどうなんですか。
  75. 千代健

    千代説明員 いま栗原先生指摘のとおり、過去において、多くの場合というよりも、ほとんどすべての場合に、予算の範囲内においてということから需要に応じ切れなかった。これは私どもの悩みであったわけでございますが、今度この新しい自動方式団地電話需要を解消しようという場合にも、一番問題はやはりそこでございまして、それが現在の需要等を考えてみますと、これはいまのところは心配ないようでございますけれども、私ども需要予測というものが、過去の歴史において非常に当たらなかったということが大半の場合のなにでございます。そういった心配もありまして、何とかこれは予算の範囲内という制約を受けないでできるような方法、もちろん予算総則等いろいろございますけれども、あるいは弾力の発動によってやるとかいろいろな問題を考えまして、できるだけ需要には応じていく。ただ、これは非常に膨大なものが予想外に日本にある全団地から一気に出たという場合には、おそらく生産能力とか工事能力等もございますので、単に予算のみでなく、あるいはお手上げというようなことも起こりましょうけれども、現在の数年間の団地需要の出方というものから考えて何とかやれるところまでこぎつけたいというので、私どもいま検討しておるわけであります。
  76. 栗原俊夫

    栗原委員 なかなか苦しいところで、実際いって、私どもは技術的な問題はもう公社におまかせしておいて間違いないと思うのです。問題は技術がありながらやれないというのは銭がないからだ、こういうことだと思うのです。いつも言うことなんですが、金さえふんだんにあれば、単独加入の問題だって単独加入だけで解決できる、こういうことになろうかと思うのですけれども、結局予算の問題で行き詰まる。技術は十分なんだけれども予算がないからやりたいけれどもできない。それで一つ方法として債券を持ってもらうということで、この予算のワクを拡大した。しかし、それでもなおかつだめだ、こういうのが現状でしょう。したがって、これ以上はもう債券をしょわせることが無理なんだ、そしてさらに起債を仰ぐということも大体において限界だ、こういう段階でなおかつ施設を拡張していくのは自分の金で施設をつくって拡大していく。ただそのときに、先ほども言うとおり、公社が心配するのは、そんなことをすれば公社であと手に入らないだろう、手に入れようとしても問題が起こるだろう。その問題はそうしたことを許すときにぴったりとくぎがさせる、技術の問題についても、いつでも公社で引き受けられる技術基準を要求することによってこれは解消できるではないか、こういうことになると、予算のワクで行き詰まっておる電電公社の供給不足に対する国民的不信というものをその方法によって解消できるではないか、公社に対する不信を解消すると同時に、電話需要を持っておる国民要求というものをほんとうに満たしてやることができるではないか、こういうことを私は主張しておる。それがなぜできないのだ。おっしゃるのは、手動式交換ならばぐあいが悪い、そのぐあいの悪いのは技術的に行き詰まっておるということよりも、皆さんの御主張は、それは十数年ないし二十年たてば機械が古くなるだろう、そのときにはまた自分の金でかえなければならぬということが一つの点なんだけれども、これはいまの電話需要者要求を説得するのに説得力がない、こう私は思う。この辺はどうなのか、ひとついま一度取りまとめて政務次官にお伺いいたします。
  77. 金丸信

    金丸政府委員 私は、電話の問題につきましては、栗原先生のお考えは、その精神はまことに同感であります。ただ予算の問題ということになりますと、なかなか困難な問題もありましょうし、そういう問題は微妙な点もありますし、ただ、あくまでも一般需要にこたえるという線につきましては、この線をあくまでも推進していくというような考えを持たなければならぬ。ただいま総裁からもお話がありましたように、私もお話を承っておるわけでありますが、画期的な技術的な開発によってこの問題が解決できると私非常に喜んでおる次第であります。
  78. 栗原俊夫

    栗原委員 政務次官はわかったようでわかっておらぬですね。それはそこまではいいけれども、それでも予算のワクというものがある。これは公社の泣きどころで、これがいつでも壁になる。その壁を破る方法として、私が言っておる公社にあとで迷惑のかからない公債と置きかえられる他の方法として、いつでも公社にとれる条件で公社の技術基準を要求して実施させる施設を持たしてどこが悪いのだ、こういうことなんです。この点は幾らやってもこの場ではなかなか結論に達しそうもありません。ひとつまた政務次官ともとっくりと話し合って公社の蒙を開く努力をしていきたいと思います。もちろん公社の手でやれれば一番いいのですけれども予算という泣きどころがあるので壁に当たる。その予算の壁を破る当面の次善の方法としてどうじゃ、こういうことですから、政務次官も十分ひとつ腹を割って大臣とも話し、監理官とも話し、さらに公社とも話すようにしてもらいたいと思います。
  79. 大柴滋夫

    ○大柴委員 関連して。私は次官なり総裁なりによく考えてもらいたいことは、これから日本にアパートがどんどんふえていくだろうと思うのです。何といっても、ヨーロッパを見ても、どこを見ても、住宅はアパートになるだろうと思う。そうすると、このアパートに住む人たちは、営業用のような電話は必要ないけれども、あるいは忙しいときに会社から呼び出されるとか、あるいは会社からうちに電話をかけるとか、いまの電話需要要求については違うのである。もう少し違った形の電話というものをアパートの居住者は必要とするだろうと思う。そういう時代的趨勢にあるときに、何かはしごをしょったようなことばかり言って、どうしていくのか、その辺のところはどうでありますか。千代さん、あなたは専門家でありますから、もう少し日本のアパートの状況、アパートに住む人たちの電話がほしい具体的な実情を考えますと、あなたのようなことばかり言っていても、私は解決しないだろうと思うのでありますが、このことはどうでありますか。
  80. 千代健

    千代説明員 お答えいたします。  大柴先生お話のように、今後の生活形式がアパートが非常にふえていく、こういうことについては私ども社内で、それを正面から肯定してかかっております。したがって、現在できますいろいろなアパート、特に住宅公団等のアパートにはあらかじめ電話の配線のパイプを入れておくとか、そういったようにお願いする等の事務折衝をいたしておりますが、このアパートにつきましては、先刻御指摘のように、朝から晩まで使っておるような商売用の電話とはほど遠いものでありまして、通話量の少ない電話であります。しかし、通話量は少ないけれども、その中には先ほども言ったように呼び出しの場合等、内容的には非常に質の高いものがございます。こういった観点から考えますと、通話度数の少ない、つまり私どもとしては従来のよりな商売用のものほどたくさんな収入か上がらない電話、これにどう対処していくか、こういう問題が経営的にあるわけでありまして、この点では先ほど来いろいろ御説明申し上げているその方式も、従来の電話よりもより経営的に見ていいものでなければ、将来非常に住宅がふえていく、そういった住宅電話といいますか、アパートの電話等がふえていく場合に、私どもの経営も持たなくなりますから、そういった点で経営上の合理化をやりながらそういう普及をやっていく、こういう考えに立たなければいけない、こう考えております。  それで、いま問題は、そういうところに居住される場合に、将来日本電話自動化、これは御承知のように年とともに進んでおりますけれども、この自動化の波の中で、手動のもので交換手の扱い者の手を通じてやることが一般の利用者各位が満足がいくものかどうか、こういう点もございますし、それから世の中がだんだんスピードアップしてまいっておりまして、自動のほうがより多く好まれるだろう、こういった観点をもちまして、そういう通話量の少ないところの経営上の合理化の問題、それからいまの自動化の流れの中に取り残されないような電話でなければいかぬ、こういった点をあれやこれや考えて、先ほど来申し上げておりますように団地電話等も考えていく、こういうことでございます。
  81. 大柴滋夫

    ○大柴委員 どうもいろいろ立場立場でわかるのでありますが、われわれは有線放送というものがいかに普及していったかということは、やはり普及すべき具体的な現実というものがあったからだろうと思うのです。これが現実なんです。あなたのほうから言わせれば、いろいろなりっぱな御意見もあるし、ほんとうの心配もあるかもしれませんけれども、しかもそういった有線放送というものを非常に農村なんかではこれを便利としているわけです。それがいま、たとえば早い話が、川崎から厚木のほうにかけてはものすごいアパート群の林立なんです。そういうときに、どうも精神だけであなた方が幾ら言っても、具体がないとちょっと納得できないのだろうと思うのですが、何かはっきりした具体というものを聞けば、さっき何か二万個ぐらいは半年間ぐらいでできるけれどもというようなことでありますけれども、もしそういうものをオーバーしても、いろいろ注文が、たとえば組合なら組合でやった場合に、帝国ホテルへ許すと同じように、責任さえ持つならば、そういった集団住宅電話というものは何らふしぎはないだろうと思うのでありますが、先ほど栗原さんの質問に答えて、アパートではだめだ、帝国ホテルならよろしい、つまり個々の会社なら責任が持てるからよろしいけれども、集団住宅電話組合なら悪い、そうきめつける根拠というものはどこにあるのでありますか。
  82. 千代健

    千代説明員 ホテルの場合には、ある部屋に不特定多数の人々がかわるがわる宿泊する。ときには長期の逗留もございましょうけれども原則としてそういうものだろうと思います。アパートというものは、なるほど一つのビルディングの中に入っておりますが、この居住区というものは一般の住宅が個々に一つずつある、こういう場合と私ども考えております。そういった点から、先ほどきめつけるということですが、そういうぐあいに私どもは割り切って考えております。
  83. 大柴滋夫

    ○大柴委員 そうすると、建物が議員宿舎みたいに一つの場合にはよろしい、これが三つも四つもある場合は悪いのだ、こういうことでありますか。
  84. 千代健

    千代説明員 建物が数が多いとかどうとかいう意味ではございませんで、やはりアパートといいますものは、各世帯が別個に居住しておる一軒一軒の家がそこに積み重なって建設されておるものである、こういうように私どもは理解しております。それからホテルの場合には、一つの建物の中に一つの経営者のもとに宿泊を営業としてやっておるわけでございますから、そこへ利用者が入ってきてやられる。こういうかっこうで、そこに相違点があるだろう、かように考えております。
  85. 大柴滋夫

    ○大柴委員 相違点はたくさんあるだろうと思いますが、たとえば集団住宅電話はだめなんだ、帝国ホテルのようなところはよろしいのだ。われわれから考えれば、責任さえはっきりしているならばどっちだって同じであろうと思うのでありますが、どこが違うのでありますか。   〔「帝国ホテルはPBXだよ」と呼ぶ者あり〕
  86. 千代健

    千代説明員 PBXの場合には、帝国ホテルなら帝国ホテルという一企業と申しますか事業体のやっておる仕事でございます。集団住宅電話と申しますのは、現在行なわれておりますのは、中へ入っておられる方が組合をつくってやっておる、こういうかっこうでございます。それと、ホテルでございますと、各部屋の電話というものはホテルの仕事のためにあるのでございます。それから団地のようなところの場合には、これは組合のためにあるのでございますけれども、相互間の問題はホテルのような場合と少し違いまして、不特定多数の人員が長期間と申しますか、ホテルのように二日いて出るとか一日泊まって出るというような形態とは違いまして、そこに定住しておる、こういう関係があると思います。
  87. 大柴滋夫

    ○大柴委員 私の質問はこういうことなんですよ。ホテルの場合と組合の場合と、組合だってやっぱり責任さえ持てるのなら同じではないか。それは建物は違います。何か不特定多数がどうだとかこうだとか、そういうこともありましょうけれども、ホテルに許したものを集団住宅の電話について組合になぜ許せないのか、こういうことなんですよ。
  88. 金光昭

    ○金光説明員 お答えいたします。  ただいま例としておあげになりましたような実例になりますと、これは個個の現象でございまして、非常に類似したようなものが出てまいります。しかし、われわれといたしましては、電話加入の問題につきましては、やはり一つの方針に基づいてやっているわけでございます。電話加入者というものは一人に限る。それが自然人または法人でありましても二人に限るということをたてまえとしておるわけであります。そこでPBXにおきましても、これはあくまでも法人、先ほど例におあげになりました帝国ホテルでも一法人としてそれを認めておるわけであります。一方、集団住宅になりますと、これは現象面ではホテルの一室とアパートの一部屋というものと同じような面がございますけれども、あくまで個々の生活世帯としてとらえますれば、アパートの一居住区が一つの人ということになりますので、電話加入としては、あくまでもこれはやはりそのアパートの居住者を一人としてとらえるということが、電話のいままでの基本方針でございまして、ただそれが現実面としては、いまおっしゃるように、やや類似した面が出てまいりますけれども、これをあいまいにいたしますと、これは非常に大きな混淆になります。その点を厳然と区別してやってまいっておるわけであります。
  89. 大柴滋夫

    ○大柴委員 そうすると、電話を引くものは法人もしくは個人でなければいけない、それがあなたの主張でありますか。
  90. 金光昭

    ○金光説明員 普通の電話については、さようでございます。それの例外といたしまして、地域団体加入電話という農村方面におきます電話につきましては、これは組合形態を便宜的に認めたわけでございます。これは公衆法中にも明らかにしてございます。一方、現在まで試行サービスとしてやっておりますところの団地電話につきましては、これは一応試行サービスということで組合そのものを認めておりますけれども、先ほど営業局長が申しましたようないろいろな弊害等がございますので、やはり公社がその電話を架設し得るならば、本来の原則に戻りまして、公社自身がそれぞれのアパートの居住者に本来の電話、個々の電話をつけていくということが正しいと思いまして、いま局長が言いましたような方針に変えたいというふうに考えております。
  91. 大柴滋夫

    ○大柴委員 それは逆なんですよ。本来架設し得ないから、きわめて近々の間に架設し得ないから、一つはこういう問題が出ておる。もう一つは、私の言っておることは、だんだん世の中の進歩とともに電話の必要者の質が違ってくるだろうから、こういうものを考えていいのではないか。しかも、試行としても考えてもいいのではないかというので、どうも問題がいろいろばらばらになっていますから、初めから言っておるのですよ。はしごをしょったような、かたいことばかり言ってなぜ許さぬのだ、こういう質問になってきたら、またもとへ戻っちゃったわけです。これは政務次官、ひとつわれわれ国民の側に立って、なるべく安く、早く電話を入れようというものと、一つの基準を守ろうという、技術家というか、公社と違うのでありますけれども、われわれもここでその理屈を聞いただけで引っ込むわけにはいかぬのですよ、だから、先ほど栗原さんがおっしゃったように、研究課題として郵政省でもよく研究していただきたいと思いますから、どうぞよろしくひとつ……。
  92. 畑和

    ○畑委員 関連。私もこれには非常に関心を持たざるを得ないのであります。先ほどの大柴君の質問に対する答弁がどうもはっきりしない。たとえば、それに関連すると、在来のビルにどこかの会社加入してくる。ところがそれが値上がりをしているというようなところもあるかもしれません。そういうところを便宜内線でやる。そういうのと今度は区別ができなくなるというような感じがしますが、どうですか。これは名前は確かに何とか株式会社ですよ。ところが、それに間借りをしているのがあります。貸しビルを兼ねているようなところがあります。区別ができなくなるのじゃないですか。その点どうするのですか。
  93. 千代健

    千代説明員 いま畑先生の御指摘でございますが、今日、貸しビルは非常に多くなってきておりますけれども、現在の私どものPBXの解釈でできるかできぬかという問題で、まずこの法律の解釈を適用いたしまして、それができなければ新しく考えようという段階でございます。現在のところは、法律にもございますように、例の構内交換電話の内線の電話機を共同使用する、こういうぐあいに実は法律できめられておりまして、そういった人が共同使用契約というものを公社との間に結びまして、それで対処しております。けれども指摘のように、今日の貸しビルは本体がだんだん小さくなって——本体と申しますか、ほとんど全部が貸しておる部屋だというような形態のものが出てきつつありますので、それにはいまの条文の解釈では、適用しようと思っても不十分じゃなかろうかというので、現在いろいろ研究しております。現在は内線の共同使用契約、これの解釈で応じておりますけれども、これは次第に適当でなくなるという情勢にございますので、そういった方向で私ども研究しておるわけでございます。
  94. 畑和

    ○畑委員 そうするとますますおかしいんだ。貸しビルの問題で、実はいまの法律でちょっとまかない切れぬということで、そこを何とかしなければならないというお話なんですね。そうなると、団地電話がいけないという根拠がいまのところはないような気がする。まあしかしこれは答弁せぬでもいいです。  その次に私質問したいことがあります。この前の質問を実は聞いておらぬから重複するかもしれぬのですが、当局のほうでは、本来の電気通信の一元化ということから、団地電話の試行サービスは、そういう点から将来禍根を残すようなことになるから、前よりもだいぶ電話事情が改善されてきたから、この際試行サービスをやめて、そして自動局をつくってそれでやろう、こういうことのようですけれども、しかしいまの状況ではとてもまかない切れぬのじゃないか。いまの団地電話の試行サービスを打ち切って、それで当局の考えておられるような小さい自動局を設けるということは、いまここでそういうことにしてもらいたいといった場合、一体どのくらいたったらできるのですか。結局やはりまかない切れぬのじゃないですか。それで話し中、話し中ということになるわけですね。本来の話し中というのは、その相手の電話が確かにどこかと話し中なんですね。ところが、これの場合はおそらくそうじゃなくて、内線というか、そこまでくる、小さい自動局のところにくる線が少ないから、したがってそれで話し中ということになっているのじゃなかろうか。これは加入者が、やはり普通の電話の場合と違って非常な不利益を受けているのじゃなかろうかと思うんですが、どうですか。どのくらいでできるのですか。
  95. 安宅常彦

    ○安宅委員 それは重大だから、ちょっと関連がある。いま畑君の質問の中では、自動式のやつがやられるものだというふうに仮定しての質問なんですが、電気通信監理官、これは許可する方針ですか。それから、この前も私は試行の問題で言ったのですが、試行のやつを、電電公社の一方的な見解でみずからたいへんけっこうな制度でございますと言って試行をやっておいて、今度いやになったから、かあちゃんしわ寄ったから要らなくなったからみたいな話でこれを拒否する権限は一体どどにあるのですか。郵政省はそういう自動式のやつはまだ許可してないんでしょう。やるんだ、やるんだと言ったって、国会でまだきまりもしないのにそういうことを言うのはなまいきじゃないか。どっちなんです。
  96. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 現在公衆電気通信法第十二条の二に基づいて、試行的に行なっております手動式の電話の制度を切りかえ自動直営の制度にしたいということで公社と打ち合わしております。まだ新しい試行サービスについての認可はいたしておりません。
  97. 畑和

    ○畑委員 そうなるとますます現状に合わなくなりますね。本来のやつでやるんだということでしょう。そうかといって電話事情がいま急速に解決する余裕がないわけです。予算も足りないし、そういうことになったら、あれだけの需要があるのに一体その需要をどうするのかということになる。実際、私たちも選挙で出てきていますが、その選挙区の地域に最近ずいぶん公団のアパートがふえておるのです。たとえば浦和の団地どもすでに非常な要望が強くて、この間も日曜に大会をやりましたが、そこであそこの半分以上が加入したいということで出していますよ。草加の団地などは六千戸ありますが、六千戸のうち三千戸以上が団地電話を至急つくってくれというので十九日に大会をやります。そういう状況なんです。しかもいま通信監理官のほうから言わせれば、まだその程度だ、いますぐ始められるというのじゃないということです。いますぐ始めるというなら在来のことでやるしかない。そうすると本数が足りないということになったら、いま言った三千戸だ、五百戸だというところをどうしてまかなえるか。だから、そんな本来の筋だけを通さずに、現状が足りないということを認識して、せっかく試行サービスをやっておられるのだから、それで続けてやったらどうだ。それを押えておいて、しかも電気通信監理官の話によると、それだってまだ研究中だという段階だ。押えるだけ押えて、それで一体済むかという問題です。しかも、これから組合をつくってやろうというところも、最後まで団地電話でやろうという考えじゃないらしい。もうある程度の期間がくれば、七年か八年か十年ぐらいすれば償却しなければならぬしするから、最後は大政奉還してもいいのだという考えですよ。何も当局の電気通信の一元化というものを終局的にまで阻害しようという考え一つもない。そういうことだから、第四次五カ年計画が終わるころになれば、申し込んだらいつでもつくようになるから、そのときはそんな使命なんか要らなくなってしまう。そうなれば公債を買わなくてもいいのです。いまは公債を買わなければならぬ。そういう状況です。しかも公社考えておられるやり方でやった場合、やはり買う公債は同じ金額だという話も聞いておる。しかも話し中、話し中というので非常な差別待遇になるのじゃないか、こう思うのですが、その辺はどうですか。
  98. 金丸信

    金丸政府委員 ただいま畠山監理官からも御質問に答えたわけでありますが、私もこの自動交換方式お話電電公社から承りまして、まことに画期的な方式である、またこの需要も満たされるのじゃないかということで、まだ許可をしておりませんが、これを可及的すみやかに許可して、可及的すみやかにひとつこれを実施してもらいたい、こう考えておる次第であります。
  99. 畑和

    ○畑委員 これは重大だよ。あなたはそういった電話事情も何もわからずに、これは画期的ないい方法だから許可しようと言ったって、試行サービスはやっているったって、その問題がまだ解決していないですよ。このとおりたくさん要望があるんですよ。私たちも責められるのです、選挙区におって。しかもおまえ逓信委員をしているんじゃないか、団地電話という制度があるじゃないか、しかも末端の局がそれを歓迎しておるんだ。とてもお手上げですと言っておる。末端の局は埼玉県の電気通信部も浦和の電話局も草加の電話局もぜひそうしてください、とても本数が足りません、どうしようもないから、こういう制度があるならやってくださいと言うんだけれども、関東電気通信局あたりもそれに賛成らしいが、どうも公社の本社が電気通信の一元化というできもしないことに——いまでは少なくともできませんよ。大きなことを言ったって、とにかく第四次五カ年計画が終わってはどうかしらぬけれども、終わればそのときにはいつでもすみやかに電話がつくそうだ、そうなれば別だけれども、それだってわかりませんよ。そういう状態にあってこの電気通信の一元化ということばかりにこだわって、こういう団地電話がはびこっちゃ困るといったようなことばかり考えて、それで電気通信の任務が終わったと言えるかどうか。われわれも実は困ると簡単に次官はおっしゃるが、非常に画期的な制度だから許可しよう、実施をさせようと思っていますなんて言ったって、困るのです。
  100. 安宅常彦

    ○安宅委員 次官、いま試行サービスの制度があるでしょう。だから、さっき申し上げたとおり、一方的な見解でそれを拒否することができるかどうか。前にそういう試行サービスで恩恵をこうむっているところがたくさんあるでしょう。それを見て安宅常彦がやったから、それじゃ畑和がやろうとすると、おまえはだめだなんてことができるかどうか、次官答えてください。あとはだめですよ。
  101. 金丸信

    金丸政府委員 先生お話しのように、私も国会議員として、山梨県に団地もありますから非常な要求もせられておる。先生方のおっしゃることはよくわかるのですが、私も電電公社からこの自動交換方式の話を承りまして、私は技術者じゃないですから、政治的な感覚で、これはいけるな、こういう感じがいたしておるわけでありますが、試行サービスの安宅先生の御質問につきましては、その詳細の問題につきましてはひとつ電電公社のほうからお聞き取り願いたいと思います。
  102. 安宅常彦

    ○安宅委員 あんたが知ったかぶりしてよけいなことを畑さんに言ったから聞いたのです。できるかできないかはっきりしてください。大臣がいないからあんた責任者だ。一番偉いのだから、できるかできないかはっきりしてくださいよ。拒否できるかできないか答弁してください。そうすると畑さんの質問がずっと生きてくるのです。そこのところが歯車が合わない。どうです。できるかできないかどっちです。
  103. 金丸信

    金丸政府委員 お答えいたします。  安宅先生お話しのように拒否することはできないと考えるわけでありますが、しかし、拒否されるには何かそこに電電公社との間の事情があるんじゃないかと私は思いますが……。
  104. 安宅常彦

    ○安宅委員 事情があっても、そういう試行サービスを片一方にやっておって、たとえば、あなたにかりに子供が三人おる。そうすると、長男にだけは一ぱいお菓子をくれて、あとのやつはだめだと言えるか、政治的感覚でいっても。そういうお菓子をくれるのと違って、法律で試行制度というものをつくって、このたびは法の背景があるのです。それで片一方に許可して片一方に許可しないということは、どんな事情があっても、法理論上できないんじゃないかと聞いておるのです。どうですか。
  105. 金丸信

    金丸政府委員 これは有線放送で試行があったわけでありますが、いわゆるモデルケースとして一応やってみるということですから、その結論は、電電公社が見まして、この拒否している問題については、事情があったんじゃないか、試行ですから、私は永久に続けなくちゃならぬということでもなかろうと思います。
  106. 安宅常彦

    ○安宅委員 あんた、わからないんだから、わからないならわからないと言ったらいいじゃないか。それじゃ監理官、法理論上できますかできないですか、あんた答弁してください。
  107. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 試行的役務について申し込みがあった場合に拒否できるかという御質問と思いますが、いろいろ具体的な事情によって違うと思いますけれども、やはり全般的に公平に取り扱うべきことが法律の第一条にございまして、それに反することではまずいかと思います。
  108. 安宅常彦

    ○安宅委員 具体的に言うけれども、いろいろな団地があるとして、そこの同じ組合で申し込んで、片方はオーケー、片方はできない。これは組合も同じ組合です。そういう場合も今度拒否していますね。それはどうですか。事情も何もないでしょう。資格要件も違っていないでしょう。同じでしょう。それを拒否できますか、どうですか。
  109. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 具体的な事情はよくわかりませんが、あるいは局設備の状況かとも考えられます。
  110. 安宅常彦

    ○安宅委員 局の設備なんかは別にして、法理論上拒否できるか、こういうことを聞いておるのです。法理論上できるかできないか、それだけ答弁してください。
  111. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 従来の集団住宅電話は試行的役務でございますので、これはやめることはできるかと思います。
  112. 安宅常彦

    ○安宅委員 現在はやめておりますんから、そのときにどうするかと聞いておるのです。拒否できないですよ。だから、それはのらりくらり言ってごまかす。やめた場合には、すでに許可した試行制度をどういうふうに組み入れるかでこの間私は質問した。あなた方のほうでは答弁しておるのです。そういう議事録を全部出しますよ。そうしておいて、いまになってそんな答弁でごまかそうとしても、逃げられるかどうかわかっておるじゃありませんか。監理官たるものはそういうばかなことを言わないでください。はっきりした統一見解をつくってみたらどうだ。
  113. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 この際、午後一時半に再開することとし、暫時休憩いたします。   午後零時二十八分休憩      ————◇—————   午後一時五十八分開議
  114. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を続行いたします。栗原俊夫君。
  115. 栗原俊夫

    栗原委員 大臣がお見えになりましたので大臣にお尋ねします。休憩前に公社法の中で、いろいろと公社が国内通信を独占しておるということの中で、農村には有線放送電話というものが発生してきた。それから団地集団住宅地では、試行サービスとして住宅団地電話というようなものが試行に行なわれておる。また一方、海上では船舶通信株式会社というようなものが存在しておる。こういうような中で、特に問題が紛糾してきたのは集団団地電話の試行サービスの問題です。そこで、この試行サービスの問題は、本来ならば、電話需要というものは、文化の進展に伴ってどんどんふえてくる、これを消化する任務を公社が負うておるわけであるけれども、技術的には解決できておっても財政的になかなか需要に応じ切れない、こういう状態の中で、回線が少なくて、しかも多数の電話需要者に応ずる一つ方法として、住宅団地電話というものができておる、こういうことなんですが、これがなかなか昨今は問題を起こして、すでに五十七、八の施設の試行が行なわれておるけれども、最近要求している団地電話要求は、公社によって拒否されておるという実態があらわれてきておる。これはどういうわけかということの中で、どうもいままでの組合組織の試行団地電話ではうまくないし、一方、技術的にも自動化による団地電話というようなものが開発されて、こういうことの中で、それでは当面住宅団地電話をどうするのか、こういうことが問題になっておるわけであります。もちろん技術的にはいまも申し上げましたとおり、公社の技術は非常に優秀であるから、技術には何ら問題はないけれども、問題はやはりそういう方向を目ざしても、財政的に制約というものがある。そこででき得る限りりっぱな技術で、財政の許す限り団地電話というものの供給を続けるけれども、それがなおかつ予算的な制約で縛られる。この場合に、一方において組合的な、現に行なわれておる試行的なサービスがほしい、こういう要求があった場合にはどうするのか、こういうことが論議になっておるわけです。どうも公社のほうの考え方は、この際やってみたけれども、あまり組合的なやり方では思わしくない、こうおっしゃっているんだけれども、その思わしくないということの柱をなしておるものが組合だというと、設備というものはやがては老朽化する、老朽化したときに、取りかえるのには、やはりその組合の、また組合加入する個人の負担がさらにかかるんだ、これではうまくないだろう。公社が自営でやれば、これは機械をかえるときが来ても、公社自体がかえるんで、加入者には一文も迷惑はかけないんだ、このほうがよりベターである、こういう立論のようであります。しかし、どうもわれわれが考えるのに、財政的に限界がある。そういうものでやってやり切れない部分に今日試行で行なっておるような要求があったら、これを拒否するというのは少しおかしいではないか、問題としては、いろんな技術的基準の問題、あるいは将来一元化の原則を実行するための接収の問題等に問題が懸念される、こういうようなことがありますが、これらの問題のないような条件を厳格に付し、技術基準をいつでも付して、そのまま公社の技術として使えるような技術基準を要求し、また接収する場合には、公社要求があればいつでも接収できるような厳重な要件のもとに、さらに予算でまかない切れない部分に要求があるならば、これを今日許しておる組合組織の試行方式を続けてやってもいいのではないか、こういう主張なんですが、なかなかこれがわれわれの主張というか、願いというか、要求というか、これと公社並びにあなたの部下である監理官考え方が一致したところに出てまいりません。大臣は、この点どのようにお考えになるか、あらためてお伺いしてみたいと思います。
  116. 古池信三

    ○古池国務大臣 お答えいたします。  社会経済情勢が発展をするに伴いまして、当然電話需要が激増するということは考えられることでございます。理想を申しますならば、一般加入者の場合に架設を希望する人に対して、直ちにその需要に全部応ずることができれば、これが一番理想的な状態であろうと思いますが、今日の段階においては、はなはだ残念ながら、主として資金面の関係だと考えますけれども、相当な積滞数があることは御承知のとおりであります。そこで、一面におきましては、住宅が各所に集団的に建設されまして、アパート式のいわゆる団地が盛んになってまいりました。さような集団的な住宅地において電話加入を要望される方に対しまして、今日までいわゆる試行的な役務として手動式による団地電話があったわけでございますが、しかし、いまもおことばの中にございましたように、何としても施設が今日の技術からいえばやや旧式に属するものであり、またこれを維持運営していくについても相当の人件費等も要るわけでございます。したがって、今日まで設置しておりますものはやむを得ないといたしまして、この際非常にすぐれた自動的な——集団住宅に適した電話の機構が考えられておるとすれば、やはり新しい方式を取り入れて、これを用いていくということが、時代の進運に即したやり方ではなかろうかと私は考えております。したがって、これもおそらく当分試行ということでやることになると思いまするけれども、そういうすぐれたいい機構が考えられたとすれば、やはりこれを取り入れて、したがって旧式なものは今後は試行を取りやめて新しいものに取りかえていく、こういうことはやはり時代の要請からいっても当然のことであり、そうすることがいいのではないかと私は考えております。
  117. 栗原俊夫

    栗原委員 時間がありませんから、とつきっぱりきっぱりかなめをきめていきたいと思いますが、大臣の希望は一応わかるのです。希望は一応わかりますけれども、この集団住宅団地電話、そうして組合組織の問題と自営の自動化の問題は、ちょうど有線放送地域集団加入電話とよく似ておるのですよ。そこでお聞きをするのですが、これは当局よりも公社のほうへお聞きするのですが、ことしの一月一日から実施された有線放送電話公社電話接続のあの法律によって、これは自動化の方式でなければつながないのですか。手動式は一切つながぬというのですか。そんなことは法律には一切きまっておりませんけれど、公社のお立場でどうなんですか、その点を明らかにしてもらいたい。
  118. 千代健

    千代説明員 手動局でも自動局でもつなぐように法律でもそのとおりになっております。
  119. 栗原俊夫

    栗原委員 有線放送電話接続自動でも手動でもいいというときに、一方で、自動でなければ、手動はだめなんだというような根拠は出てこぬように思うのです。そこでこの試行は公衆電気通信法の第十二条の二で行なわれておるのだろうと思いますけれども、すでに五十七、八の試行が許されておる。ところが、同法第三条を見ると、第三条の「日本電信電話公社、第七条又は第八条の規定により公衆電気通信業務を委託された者及び第四十一条第二項の契約を公社と締結した者並びに国際電信電話株式会社及び第九条の規定により国際電気通信業務を委託された者は、公衆電気通信役務の提供について、差別的取扱をしてはならない。」こういう規定がありますね。これはどういうことなんですか。
  120. 千代健

    千代説明員 いま御指摘になりました第三条の「差別的取扱をしてはならない。」これは文字どおりそのとおりでありまして、男女の性別による差別とか、あるいは人種による差別とか、こういうものはしてはならない、こういうことであります。
  121. 栗原俊夫

    栗原委員 最近、聞くところによれば、先ほどの質疑応答の中にもありましたとおり、あちらこちらの団地で単独電話がほしいけれども、単独電話加入はとてもだめだ。そこで試行的なサービスとして住宅団地電話というものが行なわれている。それは組合組織で、交換台まで局線を入れてもらってあと組合でやっておる、こういうことが五十七、八も許されておる。われわれもそういうことをしてもらいたいんだ、こういう要望が出たときに差別的取り扱いをしないということは、具体的にはどういうことなんですか。
  122. 千代健

    千代説明員 団地電話の契約約款の内容に従って、その条件に適合する場合にはこれは差別をつけない、こういう意味でございます。
  123. 栗原俊夫

    栗原委員 そうしますと、いままで許した団地電話とまず大体同等、少なくとも公社要求しておる条件が満たされれば拒否はできない。拒否をすれば差別待遇だ、差別取り扱いだ、こう理解してよろしいですか。
  124. 千代健

    千代説明員 契約約款にのっとりまして、先生のおっしゃる趣旨のように解しております。
  125. 栗原俊夫

    栗原委員 そうすると、もちろん公社のほうとしては、公社立場からいって、自分のほうで技術的に自動のものを開発できればそういうものでやっていきたいけれども、それも進めてみるが、いままでどおりの試行のものと並立して、需要家のほうで時間の問題、経費の問題、いろいろな問題で取捨勘案をして、あるいは公社のお説のとおり、電話が引いてもらえれば自動でいいというところもあるでしょう、あるいは自動があるということを承知した上で、なおかつ手動でもいいから組合組織でやりたいというところもあるでしょう。そういう場合に——十分自動公社自営のものがあるということを承知の上で、なおかつ組合組織、手動のものでもいい、これをやりたいんだ、こういう要求があった場合には、公社要求する要求条件が満たされる限り拒否する理由は何もありませんね。
  126. 千代健

    千代説明員 条件に適合した場合には拒否することはない、そのとおりでございますが、現状のお申し込みあるいは希望というものの出ております実態は、過去の五十七、八のものがそうであったように、内部といいますか、内容となる条件というのが、地域は何万坪とかいろいろございます。それから現在私の手もとにまいっておるのはごく少数でございますが、出ております実態は十数万坪のところへ一つでやれとか、いろいろな条件に適合しないものがありますのと、同時に、私どもがかくかくのことで目下いろいろ研究開発して、もう目の前にぶら下がっているように考えている新しい制度がそのうちできるんだ。そういう場合にどちらをおとりになるか、どっちがいいか、私どもは、この自動の新しい方法のほうが、少しお待ちになっても得じゃないか、こういったネゴシエーションをやっているというのが多くの場合の実態でございます。
  127. 栗原俊夫

    栗原委員 有線放送電話と、いわゆる団地電話ですか、地方へできた例の電話ですね。これが競合した場合に、おそらく公社とすれば、それは自分のほうの自営のものをつくりたいというのはわれわれもよくわかる。わかるんだけれども有線放送のほうをその地域の人たちがとった、それじゃおまえのところは公社とはつながぬよとは言えない。それは法律ができたからですね。法律でもってやむを得なくやる。片一方では、そういう法律はまだ法律化はされていない。十二条の二で「することができる。」こういう形でやっておるから、することができるのは、裏を返せばやらないこともできる。こういうことになりましょう。しかし、それが三条ではね返って、差別的な取り扱いをしてはならない。こういうところからやはり地域の人たちが希望して、そうしてこれでいくんだ、こう出てきた場合には、もちろんお宅のほうも条件にかなえばこれは拒否できない、こういうことがわかりました。私はそういうことで、これは抽象的に議論しておるので、いま出ているどこがどうだ、こういうことではありません。法理論からいって当然そうなるものだ、もちろん具体的に出ているところには、それはいろいろ問題点のあるところもありましょう。しかしそういうことを明確にしておきたいと思います。  総裁、最後に、ただいま聞いてもらったと思いますが、お宅のほうの部下である局長は、ただいまのような御答弁をしました。ひとつ総裁から確認をいただきたいと思います。
  128. 大橋八郎

    大橋説明員 ちょっといまお話しの点、何ですが、局長の言ったことなら多分間違いないと思います。
  129. 栗原俊夫

    栗原委員 以上で私の質問を終わります。
  130. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 安宅君。
  131. 安宅常彦

    ○安宅委員 総務長官がおいでになったようでありますから、沖繩のマイクロ回線、テレビの電波の問題等についてお伺いをしたいと思いますが、その前に、この間あるいはこの法律ができたときに、森本委員から、将来必ず設備ができたら、即時電波が発射できるように努力をしなさいと言ったら、必ずそうしますと言った。その他万般にわたって心配をした問題等が議事録に明確に残っておるのでありますが、さらにこの間の論議の中で、あるいは私忘れましたが、予算委員会の分科会ではなかったかと思いますが、この問題を取り上げた際にも、万全を期してやりたい、こういうことを言っておったのです。しかもその答弁の主たる内容は、沖繩の琉球電電と、それから日本電信電話公社との分収率の問題で、いまいろいろと交渉が続けられておって、それがまとまらないために、沖繩ではテレビを見ることができないんだという主張であったようであります。ところが、それさえ解決すれば、しからば直ちに見られるのか、それも見通しがあるのかという質問に対して、総務長官はキャラウエイとも会ったし、けっこうな話だという話でしたから、そういう見通しがあるのでありますという答弁をした。ところが、今日沖繩の琉球電電との交測がいわゆる中断をした状態になっておるようでありますが、この中断という問題について、中断というのはどういうものか、その内容について直接交渉に当たった人からまずその点をお伺いしたい。
  132. 金光昭

    ○金光説明員 お答えいたします。  私、二月の下句から約一月あまり現地沖繩にまいりまして、料金及びその料金の分収につきまして琉球電電公社と折衝してまいったわけであります。微力のいたすところ、遺憾ながら折衝妥結を見るに至りませんで、相当長期にわたりましたので、今回一時帰国したわけでございます。  交渉はまだ中断でございまして、今後も引き続いて行なわれるものだというふうに考えております。
  133. 安宅常彦

    ○安宅委員 金光さんは沖繩で新聞記者会見をやって、今後滞在して交渉してもどうにもならない、琉電と日本電電との間の交渉ではどうにもならぬから帰るんだ、こういう趣旨の意思表示をし、さらになるべく早く日本側は沖繩の住民の要望にこたえられるようなそういう状態にしたい、それから日本電電の主張というのは国際慣習に基づいた筋の通った理論なのに、琉球電電の主張というものは間違っているのだという意味の記者会見をされておるようでありますが、私がおってもどうにもならぬというのはどういう意味でございますか。そういう新聞記者会見をしたでしょう。
  134. 金光昭

    ○金光説明員 お答え申し上げます。  ただいま安宅先生のおっゃいましたように、日本電電公社としては料金の分収については国際的に認められた慣習というものをもとにした主張をいたしたわけでございますが、遺憾ながら先方との間の話は妥結するに至りませんでしたので帰ってまいりまして、その結果はそれぞれ政府関係の各方面に御報告をいたしたわけでございます。そのあとの問題につきましては、政府の御指示を待って、さらにどう措置するかということにいたしたいと存じております。
  135. 安宅常彦

    ○安宅委員 総務長官にお伺いいたしますが、この問題については、その分収率その他こまかい問題は覚え書きで日本電電公社と琉球電々との間で交渉するというやり方は、向こうには一等弁務官がおるのですから、向こうの通信に関する沖繩民政府布告の問題もあり、さらにこれがきつく改正になっているわけですから、いわば改悪ですね。そういうふうになっておりますし、日本の政府は、そういう分収率でいろいろけんかをし——けんかといっては語弊があるかもしれませんが、いさかいがあった場合に、日本電電と琉球電電との交渉でそれがまとまるのかどうか、それが心配だということを、こちら側で盛んに森本委員を中心にして主張したときに、あなたのほうでは、そういうようなことはないようにしますという答弁が当時の大臣からあったと思うのでありますが、これは総称長官としてどういう責任を感じておるのか、あなたのほうでは、しからばこういう事態に立ってどういう具体的な措置をしなければならないと思っておるのか、その所信をちょっと伺っておきたいと思います。
  136. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 マイクロ料金問題は、いま電電公社当局が申しましたとおり、長い間交渉いたしましたけれども、妥結を見ないで中断の形で一応帰国されました事態につきましては、私といたしましてはきわめて遺憾に思っております。しかしこれは、この前も再三お尋ねに対してお答えしておりますが、総理府といたしましては、このマイクロ回線はすでに援助いたしましてそれが完成して、これを譲与いたしたものでございます。したがって、この分収率の問題は、これは日本政府とあるいは沖繩政府とか、またはアメリカ当局と直接折衝するものではなくて、これは日本並びに琉球電電がいわゆるコマーシャルベースでもって具体的に分収率は決定する、こういう経過においてこの問題の解決をはかるというのが原則でございまして、したがって日本電電公社と琉球電電公社の間で何べんか——しかも今回は長い間交渉をやっておりました。当然私はこの両電電公社の相談がまとまるものだと非常に希望もいたしておりました。期待もいたしておりましたが、現実はいまお話しのとおり中断いたしたのでございます。  これに対してどうするかということは、これは政府といたしましても、この上またさらに両電電公社が折衝を開始してやるか、またその他の方法によってやるかということにつきましては、これは特に電電公社郵政大臣の監督下にあることでございますし、郵政大臣ととくとお話しをして、検討した上で何らかの妥結策を講じたいという心組みを持っておりますが、この一カ月以上にわたる交渉内容というものは一応聞きましたけれども、また私どもとしてはこの問題の解決につきましては、その交渉の経過をもう少し細密にひとつ検討する必要があるのじゃないか。ただ両者が何%持っていって向こうは応じなかったというだけのことで長い間日を費やしておりますが、その間にいろいろまた、何と申しますか、琉球電電公社考え方その他につきましても、私どもとして調べる必要がある、こういうことでございますから、郵政大臣とも特に御相談いたしましてこの問題の解決に当たりたいというので、いま郵政当局と私どもといろいろと検討いたしておる段階でございます。
  137. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたはきのうでしたかの閣議のあと新聞記者会見をやって、そういう状態だから古池郵政大臣とも相談をして政治的な解決をはかりたい、こういう意思の表明をしておりますか。
  138. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 それは解決の一つ方法としてはそういう場合もあり得る。しかし、要するに問題は何電電公社にこの解決を——この分収率の相談は一任する、現実にそうすべき問題でございますから、したがってもう少し細密な検討をして、その場合にいろいろな問題が想起されるから、あるいは一つ方法としては政治的解決に踏み切らざるを得ない場合があり得る、こういうことでございます。
  139. 安宅常彦

    ○安宅委員 それではお伺いいたしますが、あなたはキャラウエイと——いつでしたか、予算委員会あたりでいろいろ問題になったことがありますから、そのときにあなたが会って、キャラウエイは、コマーシャルベースで何とかやろう、これは非常にけっこうな話だ、私も一生懸命やりたいというようなことを言ったから、あなたは何とか解決するでしょうと、こういう答弁をしておるわけですね。ところが、日本電電と琉球電電と交渉をして、日本側が五七%、向こうは四三%というようなことに対して、向こうが五〇対五〇という線を譲らなかった。ところが、一たんは琉球電電はそれをわかったと言っておるのに、キャラウエイからまた示唆があって、いかぬ、こういうふうにひっくり返った、そういう報告は受けておるわけですね。
  140. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 この経過は非常に複雑でありまして、たとえば最初の段階では、これは何回目の交渉か知りませんが、琉球電電公社から提示したのも必ずしも五〇対五〇でなくて、何か違った数字でもって交渉を日本電電公社にした場合もあった。それから今度は、だんだん日本電電公社としては、いろいろ使用料については数字的基礎に基づいて計算した結果、今回の提案となった。ところが、その間に琉球電電公社もいろいろ数字的な基礎でやってみたが、結局フィフティー、フィフティーでなければ琉球は困る、こういうことになりましたので、それは日本電電公社としては、その数字、つまり五〇、五〇ではむずかしいということが、いわゆる両者の折衝の基本になっておりますから、私どもとしましては、その交渉の五〇対五〇とか、五十幾つと四十幾つという数字の基礎ももう少し調べたいと実は思っております。  そこで、その基礎数字が、これはおのおのそろばんをはじいてやることですから、政府の仕事じゃございませんから、当然これはそういう数字的基礎をもって経営者としてやるのはあたりまえのことでございます。これは両者の主張がただ、ぶつかったということじゃなくて、その根底はどこにあるのか。大体先ほどお話のありましたとおり、キャラウエイ高等弁務官が来日しましたときに、私は第一にこの問題を取り上げておる。昨年末完成していたが今日なおこれが実施できないというのは非常に遺憾であるから、できるだけすみやかにこの問題の解決に配慮してもらいたい——もちろん高等弁務官としては、もっともである、しかしこれはあくまでもコマーシャルベースでやるべきことだと思うから、自分としてもその両者の折衝を見ているのだ——これは原則論としてはコマーシャルベースでやるのがほんとうなんですから、それじゃひとつそれが成り立つように配慮してくれ、この折衝がそうだということでなくて、ひとつ高答弁務官のほうでもなるべく早く話がまとまるように心配してくれぬか、こういう話をしたのです。わかりました、こう言って帰りましたから、君としては、その当時は、何とかこれは曲折かあってもまとまるということを非常に期待をしておったのです。ところが、いまの結果でございますから、先ほどから申しますとおり、いろいろの経過において、やはり私どもとしては、もうひとつ深入りしてどうするか、結論は、この問題は早く解決しなくちゃならぬということはもとよりでございますから、その前提として、政府の態度をきめる前に、もう少し経過の内容、また両者の主張の内容、これらを調べまして、そして郵政大臣と、どういう方法が最上であるか、どういう手をもってやったならば早くこの問題が成立するかということを御相談いたしたいというふうに思っておりましたので、いまどの方法でやるということまでまだ至っておりません。
  141. 安宅常彦

    ○安宅委員 そんなことを聞いているんじゃありません。琉球電電が了解したのに、キャラウエイがぶちこわしたという報告を受けているか受けていないかと聞いているのです。
  142. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 私はその点は、キャラウエイが、ぶちこわしたとか、だれが、ぶちこわしたとか、いろいろ想像説、憶測説はありますけれども、まだ真相は確かめてもおりませんから、そういうところを調べてみたいと思っております。
  143. 安宅常彦

    ○安宅委員 琉球電電がオーケーを出しているのにだめだと言ったのは、高等弁務官がだめだと言ったからだめになったのはあたりまえじゃありませんか。それは沖繩の政治形態を見ればあたりまえのことであって、それが心配たからわれわれは何回も念を押しているのです。そういうことは憶測程度でわからない、真相を調べなければなりませんと言ったけれども、ほんとうにそうならば、私は質問を留保して徹底的に暴露しなければならぬと思っている。そういう答弁を今後もずっと続けるつもりですか。
  144. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 それは真相は、この間電電公社の総務理事がお帰りになったときの御報告でも、高等弁務官が絶対こうだというようなことでなく、いろいろ向こうで話を聞いてみると、いろいろの憶説が出ている、したがって向こうの電電公社も、高等弁務官がいけないからこうだと言わないで、やはりあくまでも数字は五〇対五〇ということを主張している。その裏にはおそらくいろいろなことがあるであろうという話は受けておりますが、いやしくも高等弁務官が琉球電電公社の主張を曲げて、ことさらにこの問題について町電電公社の意思をじゅうりんしてやっているという——実際これは大事なことでございますから、さらに念を入れて調べて、われわれの見解もそれに基づいてきめたい、こう思っております。
  145. 安宅常彦

    ○安宅委員 いろいろな憶測がある、いろいろなうわさがあるという話ですが、あなたは日本におるのですから、そのうわさ、憶測はどこから聞いたのですか。
  146. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 それはつまり、私は日本におりますけれども、しょっちゅう沖繩側との交渉をいたしておりまして、沖繩から来る人もあるし、それからいろいろな情報も入ってきていますから、私が日本におったって、その程度の憶測は私に伝わってまいります。
  147. 安宅常彦

    ○安宅委員 そうしますと、金光さんから電電公社を通じて報告を受けていない、こういうことですか。
  148. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 金光さんの報告内容に、そういうようなうわさといいますか、憶測もあるようだということであって、これはやはり憶測の域を脱していません。したがって、金光さんもキャラウエイから直接いろいろ聞かれることもありましょうが、考え方はやはり高等弁務官は琉球電電公社の主張が正しいと思うというようなことは言っておるようでございますが、琉球電電公社の意思をことさら高等弁務官がこうすべしということでやったかどうかということまでは、金光さんはわからない。したがって、そういう点を私どもはこれから調べて、そうしてこれに対するいろいろなわれわれの考え方をきめなければいかぬ、こういうことを考えております。
  149. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたがキャラウエイと会ってから旬日を出でずしてキャラウエイはアメリカの国会へ報告のためにアメリカに行ったという事実を知っていますね。そうしてキャラウエイが帰ってくるまで金光さんは沖繩で待っておった。それから交渉が決裂したという事態もあなたは知っているはずでありますが、そのとおりでありますか。
  150. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 それはつまり時間的に申しますとそのとおりであります。
  151. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたはある人に対して、名前は名誉のために言いませんが、キャラウエイという男は不届きな男だ、コマーシャルベースでやるとあれほど言っておきながら、これではコマーシャルベースも何もないじゃないかというぐちをこぼして、非常に不満を漏らしたことはありませんか。
  152. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 私はそういうことばはあまり使っておりませんが、まあ人間ですから、困ったことだ、キャラウエイはあれだけ世話すると言ったから世話してくれそうなものだというぐちをこぼしたかもしれませんが、けしからぬとか不届きだということまで——まだ真相がわからぬものですから、あれだけ言ってくれたから何とかできるものと思っておったが、できないことは困ったことだ、こう言ったかもしれませんが、それはけしからぬとかけしかるとかいうのは、士真相を確かめ、なければ批判できませんから……。
  153. 安宅常彦

    ○安宅委員 自民党の逓信に深い関係を持っておる有力な方々には、ちゃんとそういうキャラウエイがぶちこわしたのだ、琉球電電は一たんオーケーを出したのだ、はなはだ残念だということが報告されておって、わが社会党には報告になっていないのはどういうわけですか。
  154. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 私はまだだれにも報告しておりません。わが党の委員のほうにもその点は報告しておりません。というのはなぜかというと、私の腹がきまらぬし、まだ調査も済まないことであるから、それは私としては何人にも報告いたしておりません。
  155. 安宅常彦

    ○安宅委員 金光さんにお伺いしますが、そういう事実はありましたかどうか。一たんオーケーを出したということがありましたかどうか。
  156. 金光昭

    ○金光説明員 お答えいたします。  私の交渉相手は琉球電電公社でありまして、琉球電電公社がいかなる考え方によってそういうことを言っているかというようなことはわかりません。
  157. 安宅常彦

    ○安宅委員 そういうことを聞いているのじゃない。私が聞いているのは、琉球電電が一たんよろしいと言った。それが何らかの理由でひっくり返ってしまったという報告をあなたはしているのです。そういう事実があったのでしょうね。それを聞いているのです。
  158. 金光昭

    ○金光説明員 今回私が交渉にまいりまして聞きました琉球電電の提案は、先ほど安宅先生のおっしゃったような半々という提案をしてきたわけでございます。
  159. 安宅常彦

    ○安宅委員 提案はそのとおりですよ。あなたのほうの案に一たん賛成をした、そういう事実があったということをあなたは帰国後報告しておる。それを慰められるかどうかを聞いているのです。
  160. 金光昭

    ○金光説明員 私は今回の交渉の経過概要につきましては、政府の関係方面に報告いたしましたが、そのことは今回の交渉の問題ではございませんので報告いたしておりません。
  161. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは、今回の交渉の問題でないとすれば、現在までどういういきさつで、どういう結果になって、どういうことがあったか、ずっとあなたから言ってください。
  162. 金光昭

    ○金光説明員 従来からの交渉経緯につきましては、主な今回の交渉も一時中断でございまして、今後の交渉の場合におきますいろんな問題等がございますので、こまかな数字等については答弁を控えさせていただきたいと思います。
  163. 安宅常彦

    ○安宅委員 これは責任は総務長官でありますが、大体この交渉というのは何年何カ月やったか言ってください。
  164. 金光昭

    ○金光説明員 お答えいたします。日琉マイクロ同線につきましての交渉の一番最初の所は、昨年の七月からでございます。
  165. 安宅常彦

    ○安宅委員 そういう長い交渉をやっておって、いま中断した、重大な段階だと私らが言っておるのに、あなたのほうは、政府にいろいろ報告しておる中で、ただいま私が指摘したようなことを報告しておきながら、ここではこまかい数字は答えることができませんなどという不逞なことばで、直ちに開設しなければならないものをいままで延ばしておいて、その責任というものは感じないのですか、どうなんです。
  166. 金光昭

    ○金光説明員 私、今回まいりましたが、できるだけ話し合いをまとめたいという決意でまいったわけでございますが、遺憾ながら今回交渉が妥結しなかったわけであります。
  167. 安宅常彦

    ○安宅委員 琉球電電公社日本電電公社の提案に賛成したことは一回もありませんか。
  168. 金光昭

    ○金光説明員 一回もございません。
  169. 安宅常彦

    ○安宅委員 了解したということがあって、そうして先ほど私の質問に対して総務長官は、キャラウエイが指図したかどうかは別だが、いかなる理由かはっきりしないが、一たんそういうことになったのにという、非常に遠回しな、私の質問に対して——これは誘導尋問じゃないのですが、あなたはちゃんと答えているのです。いかなる理由でそういうようにこわれたか知らぬけれども、それはキャラウエイが指図したとは思わないということは、こわれるべくしてこわれたのではなくして、まとまりそうだったのがこわれた、その理由は、キャラウエイが指図したかどうか私はいま言えない、こういう答弁をすでにしておるのであります。あなたがそういうようにお隠しになってもだめなんですよ。
  170. 金光昭

    ○金光説明員 お答えいたします。日本電電の提案に対しまして、琉球電電が同意をいたしたということは一回もないわけでございます。
  171. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは、あなたは政府関係筋に対する報告の中で、事務当局側は大体了解し、琉球電電は日本電電の言う理論には、理屈はのみ込んでいるのだという意味の報告をしておるようでありますが、その程度の報告はしておりますか。
  172. 金光昭

    ○金光説明員 私としては、向こうで感じましたいろんなことは、一応政府関係方面には御報告申し上げました。
  173. 安宅常彦

    ○安宅委員 ただいま私が尋ねたそういう点についても報告をした、こういう答弁に理解してよろしゅうございますね。
  174. 金光昭

    ○金光説明員 交渉の経過につきましては、私は政府関係方面には、あらゆる面において御報告申し上げたわけでございます。
  175. 安宅常彦

    ○安宅委員 だから私が言ったようなことを含めて報告したというように理解してよろしいかと聞いておるのです。
  176. 金光昭

    ○金光説明員 先生お話のようなことも含めて、すべてのことにつきまして政府のほうに報告しております。
  177. 安宅常彦

    ○安宅委員 どうもあなたは逃げよう逃げようと思って、またすとんと落ちてしまった。落語みたいなことですが、そういうことがあった。ただ、そういうことは、アメリカ軍かキャラウエイかはわからないという総務長官の御答弁なんです。だから私は、中断という意味を一番先に尋ねたのでございますが、中断というのは、このたびは交渉がまとまらないから次期の交渉はいついつからやりましょう、そういうことが全然ないのが中断だと思いますが、そういう意味ですか。
  178. 金光昭

    ○金光説明員 先生も御承知のように、この料金の分収については、覚え書きで両公社間で協議するということになっておりまして、協議がまとまりませんので一時中断ということになっております。
  179. 安宅常彦

    ○安宅委員 答弁をそらさないで答えてください。次期交渉をいつやるかというような相談までできない、これを交渉の中断と理解してよろしいか、こういうことを聞くんですよ。たとえば、まとまらなかったからいつからもう一回練り直そうとか、そういうことでなくて全然取りつく島もなかったのか、それが中断だというように御報告になっておるのかということを聞いておるのです。
  180. 金光昭

    ○金光説明員 私帰ります前には、琉球電電公社となるべくすみやかに交渉を再開したいということで別れてきました。
  181. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは、結論的になりますから、総務長官に伺いたいのでありますが、向こうが五〇対五〇というものを主張して絶対譲らないということになった場合に、これは並行線でございますから、日本側が譲歩するか向こう側が譲歩するか二つの中の一つであります。政治的な解決ということも一つ方法だという場合に、日本側が譲歩することもあり得る、そういうことも頭に入れてあなたは発言されておるのかどうか、それをお伺いいたしたい。
  182. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 率直に申し上げますが、これは安宅さん非常に御心配をいただいての御質問だと思いますが、私がなぜいろいろな数字的な基礎その他いろいろな意味において情報をとり、調査をし、また郵政大臣とも御相談をして態度をきめたいかと申しますと、最初からこちらが譲歩するつもりなら何もそんな心配はございません。したがって、どちらが譲歩するとか譲歩しないとかいうようなことでなくて、両者間で円満に、納得ずくで、また数字的基礎の上においても無理がないというような案が出てくるかどうか、それからどう考えても、いま琉球電電公社の主張しておる五〇対五〇というのが、これ以外に方法はないのだという結論になるのか、これらについて、いまお話しのとおり中断いたしておりますから、いつ再開をするということでなくて、すみやかに話し合いをしようと言って帰ってはおりますが、そういう事態でありますから、この際周密にひとつ調査をし、対案その他について検討したいというのでありまして、いま日本が向こうの主張どおりに応ずるとかどうとかいうような考え方でなくて、いま申しましたとおり、この問題の解決をわれわれは希望するのでありますから、解決するに一番妥当な案はどういうものであるかということをいま検討いたしておるのであります。
  183. 安宅常彦

    ○安宅委員 総務長官、いまそういう答弁をするのではあなたの頭の程度が疑われる。いままでコマーシャルベースで電電公社はやっておるのですから、あなたのほうはコマーシャルベースでやらせるのだということを言っておられるでしょう。商売人ですから、いままでそういう数字で一生懸命やってきておるんですよ。いまから調査させるなんて、そんなばかな話はない。それは始めるときに言うことばですよ。いまの御答弁は、責任のがれの一番下等な一番へたな言い方ですよ。そんなことでここの委員会の答弁を逃げようと思うのは、はなはだもって不届きといわなければならない。とんでもない話ではありませんか。いまから調査をしていく、そんな交渉が世の中にありますか。大体沖繩あたりの新聞の社説をいろいろ見てみますと、西表の調査団がちょうど立法院の選挙あたりに入っていって、あれも援助する、こういうこともしましょうということで、沖繩の与党をバックアップする政策をやって、模範農場なんかもそのときに話が出て、いみじくもその模範農場の問題とマイクロウエーブと二つ込みになって法律になって出てきている。そういうことをやっておきながら、具体的なことになると、それだけ選挙のときにぱあっとアドバルーンを上げておいて、そうして何年たっても解決がつかない、おかしいじゃないかという意味の世論が沖繩に大きく起こっていることは、あなた知っているはずです。こういう政治的な思いつきでこんなことをやるから、アメリカのほうでも、日本の施政権の問題、潜在主権の問題、みずからが軍事基地を沖繩に持っておる、そういう立場から見た場合、高等弁務官はことしに入って通信に関する布告の改悪をして、日本の力というもの、つまり日本のまるかぶりのこういう援助、こういうプレゼントというものに対して何とかして阻止しようとする、そういうための報告をアメリカの国会でやっていることも事実であります。こういう力が動いて、この問題は分収率というそういう事務的な問題であるかのごとくに見せておるけれども、重要なそういう政治問題に発展しておるんだということで何回もわれわれは指摘したのですが、こういう状態の中で、いまから数字はどうだろうか、どういうところにその根源があるのだろうか調査をいたしますということなんですが、これはいまからしたっておそいですよ。沖繩は年末に歌合戦を見たい、相撲を見たい、今度春になればナイターを見たい——そのつどそのつど延期をされてきて、そうして沖繩住民は大きくいまそういう問題について不満を持っておるわけです。このときに日本の総務長官が、いまから調査をしてなんということを国会で答弁したということが沖繩の新聞に載ってみなさい、あなたはひどい目にあう。うまいことばかり言って、何もやらないじゃないか、こういうように言われるでしょう。大体、総務長官の扱っておるところの沖繩援助というものは、三十八年度の分なんかは、日本政府限りでやれる四億くらいを除いて、アメリカ側と協議しなければならないものが十四億に達しているのでありますが、そのうちに実際支出を始めておるのは大体五億程度しかないということで、いま沖繩の人たちはみんな不平不満を持っておる。これはマイクロウエーブだけではないのです。こういう状態の中で、そういう政治的な背景を一番よく知っておられるあなたが、いまこれから調査をいたしますなどというような、そういうでたらめな考え方で通りますか。これはあなたの責任は重大だといわなければならない。電電公社が幾ら交渉したって、せっかくまとまろうとしたら民政府からばっさりやられる。そういうときに出ていくのがあなたではありませんか。マイクロウェーブを譲与するということを原案として出したのはあなたのほうでしょう。そうしておいて、とれたからいいんだ、ただそれだけで——そうして電電公社の交渉がしくじったから、それじゃいまから何とか調査してみましょう。こんな答弁がありますか。まことに不届きだといわなければならない。だから、そういう状態を——いままで数字の上に立って交渉してきた、折衝がずっと続いて、それがいま中断になっておるんですからいいのでしょうが、そうした場合に、向こうが五〇%、五〇%、それ以上は譲れないと前から主張してきておる。日本側に説得されて一時傾いたけれども、高等弁務官から気合いをかけられて、そうしてもとに戻っておるのです。だからそういう場合に、もしあなたが五〇%対五〇%で妥結をしなければ、沖繩の住民がいつまでもテレビを見ることができないという判断をされて、たとえば電電公社が損をした分は政府が助成をするとか、あるいは補てんをするとか、こういうふうなものを含めてやるのが政治的解決だと思うのでありますが、そうでない限りは、また何カ月、何年延ばされるかわからないでしょう。そういうことをやるのがあなたの責任じゃないですか。どうなんですか、そこのところを承っておきたい。
  184. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 たいへんおしかりをこうむりますけれども、私はあなたがおっしゃる不届きとかなんとかいうことではなくて、それは私どもがこの問題をなおざりにしておれば別ですが、この問題は両方の覚え書きでもって両電電公社がやるという原則によってやって、政府はこれに容喙することができない——容喙といってはおかしいのですが、政府は折衝の立場じゃないのです。したがって今日まで両電電公社が当然その覚え書きに基づいて、つまり両者の内容はコマーシャルベースでありますが、コマーシャルベースであろうがあるまいが、要するに、いずれにしても両者において話し合いをして解決をする、きめる、こういうことです。だから両者がやるのがあたりまえでございまして、政府がその中に入って三者が相談するということはございません。したがって両者がすべてこの問題について全責任を持って今日まで話を続けております。しかし、これがどうもデッドロックに乗り上げていけないとなる場合には、政府としては、ただそれを看過するわけにはいかない。そこで、いま申しましたとおり、なぜ調査するか、私は絶対調査の必要があると思う。何となれば、つまり両者の交渉は両者のコマーシャルベースでやっておった、しかしわれわれから見れば、その主張がはたして適当であるかどうか、電電公社の主張する数字はどうか、わが日本電電公社のほうはどうかということは、第三者が公平に一ぺん見る必要があると思います。ただ両者がぶつかったら、いや両者待ってくれ、おれがやるということで、結局これはやはり乗り出す以上は、私は政府としてもこの解決に何らかの手を打たなくちゃならないのだから、細密な調査もいたします。調査というのは、いまあなたのおっしゃっておるように何年もかかる調査ではありません。したがって、この問題の解決には、やはりわれわれはこの政派的解決に至る道程におきましても、相当の資料と根拠とを持っておらなければ折衝はできません。ただお願いしますとか、あるいはどういたしますというようなことでは、それはいわゆる政治折衝でなくて、まあ何といいましょうか、ただ両者がやっているからよろしくという程度です。それでいまあなたがおっしゃった、政府がこの問題の解決に当たる、当たるにつきましては、あなたのお示しになっているようないろいろなことも政府としても考慮に入れなくちゃなりません。入れる場合には、まず郵政大臣とも打ち合わせ、また、あなたのおっしゃった、もし万一これに日本政府が財政的に云々となるならば、やはり大蔵省当局とも打ち合わせをしなければなりません。ただかってに、おれはこれでやるのだといったようなことは、それは政府の行政機関としてなかなかできませんよ。やはり各般のことを調査し、また各般のことを検討していくべきだと私は真剣に考えています。いいかげんにあなたにこの委員会で、私はことばでもって逃げようとは思っておりません。おりませんから、先ほど冒頭に申し上げましたとおり、この問題の解決というものは、これをどうするか、あるいは場合によっては政府が出ていかなくちゃならねかもしれぬということは、さっき私が明言をしている。両者間で話をやっているから、われわれはこれを見ておりますが、中断している——中断ですから、もう一ぺん今後やれるから、その上で見ますということで、私はあなたの言うことはわかる、真剣に考えている。したがってこの問題を、いわゆる政府の立場をここでもってわれわれがきめる場合に、相当な用意となにがなければ、ただいいかげんにいって、ぶつかるということではいけません。私は決してあなたに怒られるような不届き千万な、いいかげんにほったらかしておるとは思っておりません。真剣に考えております。
  185. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたがそう言うだろうと思って期待しておった——それならもっと言いますよ、総務長官、あなたがそういう態度だったら言いますよ。だから電電公社と琉球の電電公社との交渉では、民政府が向こうにあって、自主性がないのだから、そういう覚え書きじゃだめじゃないかということ、それをあなたは新米の総務長官だからわからないのだ。だからそういうことをわれわれはちゃんと注意しておいたと、こういった前提に立って私は言っているのですから。いいですか、前のことはおれは知らないと言ったら、キャラウエイと同じみたいなものである——私が大きな声を立てたからといって、今度はあなたがまたがんばって顔色を変えて言うということは大体間違っている。そこから私はまず追及しなければならない。そんな前任者のことは知らなかったとは言わせない。そういうことがあって国会で問題になって、電電公社電電公社の交渉ではだめでしょう。——だから困るじゃないかとわれわれは注意をした。それをコマーシャルベースでやるのですからかまいません、それは政府としては譲与するだけであって、あとは電電公社にまかせるのが本筋だ、こう言う。それで自信があるのかと言うと自信がありますということで、今日こうなっている。その後あなたは総務長官になっている。あなたはいいかげんな資料なんかで私は動けますかと大きなことを言いますが、ということの発言は、いままで資料も何にもなしにやってきたということで、電電公社に責任を押しつけることになりますよ。そんなことを言ったって、電電公社はいままででたらめの交渉をやってきたんじゃない。あらゆる資料と国際間の資料、前例、そういうものを全部調べ上げて、そうしてこの辺が妥当だというので主張してきたのです。いまさらいいかげんな交渉を私ができますかなんて開き直る資格がどだいあなたにはない。そこを考えてもらわなければ困ります。あなたはそういうことでおれに開き直って言うけれども、全部支離滅裂、とんでもない話です。だから、あなたがまじめにやるのだというなら、それは了としますが、それなら直ちにやってもらわなければ困ります。  したがって、あなたに最後に要望してやめますが、こういうことなんです。私が心配する点を以下申し上げます。それでそれらの問題点もやっぱり一つの意見だと思って聞いて、そして含んで交渉に当たってもらいたい。いままで分収率の問題については電電公社が万遺憾のないような最善の努力をされたと思う。でもまとまらなかったのですから、あなたが言ったように政治的解決をはからなければならないというときには、ただいま私が申し上げましたような政府の援助というものも考えなければならないのじゃないか、こういうことを言いました。  もう一つの重要な問題は、あなたのほうでは分収率だけではこの問題はデットロックに乗り上げているのだ、こういう答弁をいままでずっとされてきたが、われわれのほうはそうは考えていない。上にあるキャラウエイが、口には言わないけれども、まず一つは、先ほど言ったように、日本本土への復帰の世論がだんだん強くなるような、日本のくちばしを沖繩に入れることをきらう、そういう基本的な流れがある。こういう大きな一つのデッドロックになる要素、壁がある。もう一つは、いままで民放あたりからビデオあるいはフィルムを買って、そして放送時間等の関係もあるから、放送の内容においていろいろと取捨選択をする自由があった。ところが、今度はこちらからマイクロでストレートに流す、こういうことになれば、日本の政情と沖繩の政情は違いますから、沖繩としてはアメリカの帝国主義的な侵略、沖繩を占領しているという立場から、日本の比較的自由な、あなた方からいえば相当自由なニュースがどんどん流れるということについて、ものすごい大きな危惧を持っているということなんです。まさかキャラウエイは口に出してそんなことは言わない。分収率だと言うでしょう。私がキャラウエイだったら、そう言うかもしれない。口が腐ってもそういう理由があるということは言わないかもしれないけれども、そういう大きな壁があるということです。これはひとつ頭に入れてもらわなければ困る。そういう軍事的な配慮、それから日本側の潜在主権と施政権との関係、こういう問題についてキャラウエイは深く思いをいたすことがあって、通信に関する布告まで改正しているのです。こういう状態の中で、いままでのような取り組みでは解決しないのではないかと私は思っている。これが杞憂になればいいけれども、私は分収率だけでこの問題がつっかかっているのだという表面的な答弁で——あるいは本心はそうでないかもしれませんが、そういうことを頭に入れた交渉をしなければ成功しない、こういふうに見ている。私の心配がほんとに真実のものにならないように、あなたのほうではぜひそういう点を頭に入れてやってもらいたい。アメリカというのは自由な国だから、自由諸国家の親分だから、そんなこはありませんなどという答弁をさせるような意地の悪い質問を私はいたしません。そのかわりにそういうことは頭に入れて交渉してもらいたいということだけは最後に要望しておきます。いままで分収率だけでデッドロックに乗り上げておった、分収率は大体オーケーになる、それでも別な理由があるような事態がもし起きたときには、私はもっと声を大きくしてあなた方の責任を追及しますから、それは覚悟しておいていただきたいと思います。  以上をもって私の要望を含めた質問を終わります。
  186. 森本靖

    ○森本委員 いま総務長官のほうから回答がありましたけれども、この問題は私は予算委員会においてもあなたに質問をいたしましたし、さらにその後郵政審議会において郵政大臣にも質問いたしました。もともとこの法律国会にかかりましたときに、私は内閣委員会にも出てまいりまして、そこで郵政大臣と総務長官に対して相当詳しくかなり突っ込んだ質問をしたわけであります。私は当時この法律を審議する場合に、こういうことが起こるであろうということを予想しておったわけであります。そういう点を考慮して、こういうふうにせっかく政府が法律を提案をして、そして国民の税金においてこれを沖繩に援助する、こういうことでありますから、将来この電波の問題についても、あるいは民間放送の問題についても、あるいは分収率の問題等についても相当の問題が起こるであろう、そういう問題についていかなる見解を持っているかということを、当時の郵政大臣と総務長官にこの法案の審議のときに聞いたわけであります。そのときに、そういう点については、この法律が通過をいたしますと同時にさっそく相手方と交渉いたしまして、これが解決をいたしました暁においては万遺憾のないように取り計らいたいと思います。こういう答弁をしておるわけであります。私はそのことを見越してそういう質問をいたしまして、郵政大臣、総務長官がそういう答弁をいたしましたから、この法案については社会党も賛成をして、満場一致で通っておるわけであります。  それからいたしますと、去年の七月から交渉を始めたと言われておりますけれども、実際にこのマイクロが開通いたしましたのは十一月であります。十一月から約半年を経過をいたしております。これは私は何といたしましても、やはり電電公社だけはなくして、この法律を提案をいたしましたところの政府全体の責任があろうと思うわけであります。相手があるということは間違いございません。間違いございませんけれども、すでにこういうことを予想してわれわれのほうから質問をしたときに、政府としてはそういう点については十分承知をしておるから万遺憾のないようにやりたい、これが完成すると同時に使えるようにしたい、こういうことを当時の各閣僚の諸君も答弁をしておるわけであります。そういう観点からいきますと、実際問題として開通をしてから半年もたっていまだに分収率の問題でひっかかっておるという表面的な理由はともかくとして、いずれにいたしましても、このマイクロが全然機能を発揮できないということについては、私はこれは郵政大臣、総務長官あるいは外務大臣すべてを含めました日本政府全体の責任であろうというふうに考えるわけでありまして、ひとつこれの解決には郵政大臣、総務長官、外務大臣、こういう諸君が十分に連絡を取り合いながら、早急に解決を願いたい、こう思うわけであります。いまのような状態でいきますならば、国会の会期が五月十七日でありますけれども、それまでにおいてすら解決がつかないのではないかという心配が非常に多いわけであります。そういう点についてひとつこれは政府がお互いに協力し合って、相手方があることでありますので、早急に交渉をし、さらにその交渉が解決つけ得るような方向にやっていただきたい、こう思うわけであります。最後に総務長官と郵政大臣のこれに対する決意を明らかにしておいていただきたい、こう思うわけであります。
  187. 古池信三

    ○古池国務大臣 お答えいたします。  先ほど総務長官からるる御説明がありましたが、この問題がかように長引いていまだに解決を見ないことは、私といたしましてまことに遺憾に存じております。この上は総務長官とも十分に協議をいたしましてでき得る限り早い機会に妥当な解決を見出すように努力をいたしたいと考えております。
  188. 野田武夫

    ○野田(武)政府委員 全く私どもお話趣旨については同感でありますが、これはいいかげんにほっておくものではありません。したがって、さっき安宅さんの言われました政治的解決の方法その他の御示唆もありましたし、それは私どもは十分いろいろなことを配慮に入れたいと思っております。たとえば私のほうは沖繩関係を処理しておりますが、これがどういう根拠か、それでさっき安宅さんがおこりましたけれども、やはり一応調べてみませんとぶつかれないものだから、それで私は調べてみようということで、決してこれはいいかげんにしておくということではございません。これは安宅さんの御趣旨もよくわかっております。そこでそういういろいろないまの御注意もいれまして、そうしていま郵政大臣から申しましたとおり、これはただ電電公社でやればいいのだというようなことは考えておりません。なおかつ沖繩住民が非常にこの話し合いが早く成立することを期待しておりますし、これにもこたえなければならぬ、いろいろなことを考えまして、いま郵政大臣がお答えいたしましたとおり、ひとつ早急に結論を得まして善処したい、こう決意いたしております。
  189. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 大村邦夫君。
  190. 大村邦夫

    大村委員 私はいまお見えになっておる総裁電電公社に三十一年間つとめまして、いわば電電事業に寄与し、あるいはその間におきまして、あるときには、中央の幹部が来るというので、その幹部を迎えるために朝から掃除までさせられたことがあるのであります。その三十一年間の貴重な体験を通じまして、私はどうしてもこの際大臣並びに総裁に職場を代表して聞いておきたいと思う問題がありますから、素朴にお聞きしますので御回答を願いたいと思います。  御承知のように昭和二十七年の八月一日に日本電信電話公社法ができました。そしてその第一条に目的が明記してあります。しかし私どもはこの公社に移行した際に幹部から、前だれがけの気持ちでひとつやってほしい、そうして皆さんの処遇もよくなるであろう、こういうことが再三言われたわけであります。ところが、振り返ってみますと、たとえば電話の職場におきましては、課長がひんぱんにパトロールをやる。ちょっと手を休めて息をつこうと思うと、早く応答しろ、こういうことで、ひっきりなしに点滅するランプと戦いながら、しかも背後から監視をされる。こういうふうに板ばみさになって、精神的にも肉体的にも非常に酷使をされておるのが実態であります。あるいはまた電信事業にいたしましても、近代化、機械化に伴いまして一連続作業時間がだんだん長くなる。あるいは通信速度が従来は一分間に二百二十字であったのが一分間に三百五十字に引き上げられる。こういうことで、単一な作業をやるのですから、ノイローゼになったり、あるいは焦燥感がそこに起きてくる。さらには電報配達にとりましても、自転車からバイクに切りかえられて、配達通数がだんだんふえて高能率が要請をされる。さらに施設部門にいたしましても、私は三十一年つとめておりましたから昔のことを若干知っておりますが、線路屋さんは、昔は大八車を引っぱってのんびりと——と言っては恐縮ですが、雨の日には休み、天気の日にはその大八車を引っぱってのんびり仕事をしておったわけでありますが、今日ではそういう実態ではない。雨が降ろうが風が吹こうが作業に行かなければならない。しかもこれも電配と同じように高能率を要請されておる。こういうぐあいに、すべて職場の実態を見ておりますと、公社に移行してからむしろ労働面においては強化をされておる。しかも以下あと申し上げますが、そのためにいろいろな職業病だとおぼしい業務によるところの病気がたくさん出ております。また一方給与の面におきましても、今次十七日に公労協のストライキをやる。ストライキを皆さんは郵政大臣がおっしゃるように違法だとおっしゃる。あるいは首を切るかもしれない。しかしそれを承知でもやらなければならないというような実態、つまり生活が苦しい。これらを一々拾ってみますと、公社になって一体何がよくなったのか、公社に移行する目的は何であったか、こういう点が、私は三十一年間の体験を通じ、特に公社に移行してからふしぎでなりません。このうしろにも職場の代表が若干来ておると思いますが、ひとつ責任者である郵政大臣、引き続いて総裁の所見を承りたいと思います。
  191. 古池信三

    ○古池国務大臣 電信電話事業につきまして、多年の御経験から割り出されましてただいま御質問がございましたが、従来国が直営でこの事業を行なっておりましたが二十七年から公社制度になった。これは国鉄にしましても、その他の公社にしましても同様でありますが、やはり時勢の進運に応じてきわめて有機的に、かつまた活発なる事業活動ができるように、さらに電信電話事業は今日膨大な資金を要するのでありますが、さような膨大な資金を用意するにしましても、国の直轄事業よりは公社事業のほうが便利である、かような見地も考えに入れられまして今日かようになったものと考えております。したがって私は、公社になったということが事業全般の上から見て決して悪くなったというふうには考えておりません。個々の職場におきましていろいろな問題があることは、それはそのつどそれを改善をしていく努力をお互いに尽くしていくべきでありまして、それが公社を設立した趣旨からいって相反するものであるというふうには私は受け取っておらないのでございます。  なお、おことばの中にあるように、今回十七日に半日ストをやろうという計画が組合のほうであるやに存じておりますが、これははっきり公労法によって違法行為として禁止されていることでありますから、かような不法なことはやってもらっては困る、そういう点はぜひ注意してほしいということを私は申したのでございます。そのこと自体別に不当なことではない、当然なことであると考えております。
  192. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの御質疑の点についてお答えいたします。  公社法ができてからどういう利益があったか、こういうお尋ねのようであります。公社法は御承知のとおり昭和二十七年の七月から実施されたわけでありますが、その後第一次五カ年計画を完成し、また第二次五カ年計画も完成いたしまして、目下第三次五カ年計画の第二年目の仕事に従事しているわけでございます。今日までの実績を見ますと、必ずしも私ども非常に心に足るというほどのことはもちろん申せませんけれども、従前の実績に比較しまして、公社になってから事業の整備拡充というものが相当よく行なわれたと私どもは認めております。また待遇改善等についても、これも私は現在の状態をもって満足するものではございませんけれども、しかしながら、私どもとしては、でき得る限りの範囲において待遇改善に努力いたしてまいっておるつもりでございます。したがいまして、先ほど仰せになりました公社法第一条の目的といいますか、趣旨はある程度までは実行されておる、かように感じておる次第であります。
  193. 大村邦夫

    大村委員 御答弁が抽象的でよくわかりませんが、お二人の御答弁をつづめて言えば、事業全般から見てかなり改善をされたということですが、私は事業が中心になっておると思います。しかし、少なくとも事業を運営するのは人でありまして、このことは大臣総裁もよく御承知と思います。事業はどんどん進展した。しかし電話一つをとってみても、利用者から先取りをして、あるいは従業員が一生懸命かせいでも、その金は建設勘定に回されて待遇改善が何がなされたか。なるほどなされたでしょう。しかしそれはいままで国家公務員として政府機関におったときと何ら変らぬじゃないですか。郵政大臣がおられますが、私は格差を設けろということを言うのではありませんけれども、全逓の諸君あるいはそれに準ずる政府機関の職員と公社を比べて、一体何がよくなったのか。そうすると、公社に移行したというのは、つまり従業員のしりをひっぱたいて仕事を一生懸命にさせる、そうして事業が進展をする、そのことがねらいであったのかどうかということをお聞きしておるわけなのです。  なお、申し上げますが、賃金の問題、処遇の問題について言いますと、御承知と思いますが、昭和三十二年七月に六%、平均にしまして千二百円、三十三年一%、百九十円、三十四年二百五十円、これは二・五−六%に匹敵いたします。あるいは三十五年にしましても一四形の八百円から八百五十円、三十六年一〇%、二千二百円、三十七年六%の千三百九十円、三十八年六%、千五百八十九円、こういう数字でありまして、この数字が他の機関と比べて、私はいいとも考えませんし、公社に移行したということは、処遇の面には何らそのことが生かされていないと思います。生かされておるのなら、具体的に例をあげてひとつ御説明を願いたいと思います。
  194. 稲本孝

    ○稲本説明員 職員局次長の稲本でございますが、お答え申し上げます。  ただいま大村先生から、公社になりまして以降のベースアップの額と申しますか率につきましてお話がございまして、公社の賃金ベースはどのようによくなっているかという御質問があったわけでございます。  私どもといたしましては、公社になりまして以来、公社のベースがどのようによくなったかと比べるものさしと申しますか、これが必要だと思うわけでございます。そういう点につきまして、まず国家公務員との比較ということが問題になるのじゃないかと思うわけでございますが、現状におきまして、公務員との比較といっても、なかなかむずかしい点がございますが、私たち公務員とのベースを比較しました限りでは、公社の場合と大体見合っておるのではないか、均衡がとれておるのではないか、こういうように考えておるわけでございます。  さらに一人当たりの労働生産性というものを比較してみるわけでございますが、これにつきましても、過去数年間の生産性の伸びというものを見てみますと、公社の賃金水準の上昇率というものは大体これに見合っている、そういうように考えておるわけでございます。したがいまして、公社の給与といたしましては、公社法第三十条には公社の賃金の原則がきめてあるわけでございますが、こういう点を考えまして、改善されつつある、こういうように判断しておるような次第でございます。
  195. 大村邦夫

    大村委員 ただいま御答弁の中に、公社法第三十条の問題が出ました。この三十条は御承知のように、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」さらに、「前項の給与は、国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」こういうことをきめております。そこでお尋ねをしたいのですが、公社になって生産性といいますか、先ほどの大臣の御答弁をかりれば、事業全般がかなり伸びた、つまり、実績が上がったということでありますが、その実績が上がったことがどう給与の面に考慮されたか、公社法第三十条との関連においてお尋ねをします。大臣ひとつ御答弁を願います。
  196. 古池信三

    ○古池国務大臣 公社の給与の問題につきましては、直接郵政省が管理するわけではございませんので、公社総裁において、その責任によって決定をされるべきものである、かように考えております。
  197. 大村邦夫

    大村委員 大臣、間違いないですね。それでは総裁にお尋ねしますが、この十七日に公労協がストライキをやる、全電通もやります。その前に組合は昨年の十月ごろから今日にかけて、誠意のありったけを示して団体交渉を進めてきたと思います。総裁は、いま大臣が言われたように、給与は総裁がきめるものであるということですが、私の力ではできませんということが再三団体交渉の中で申し述べられておると思います。つまり情勢待ち、公社の指示がなければ、あるいは国会の承認がなければ、こういうことだったと思うのです。いま大臣は、給与は総裁がきめるものだ、それなら給与の引き上げを含めて——当然含まれると思いますが、あなたにはそういう権限と自主性があるのでしょうか、ないのでしょうか。
  198. 大橋八郎

    大橋説明員 公社総裁といたしましては、給与に関することはむろん私の責任に属するわけであります。ただし、これを施行するにあたりましては、公社法の規定、また会計法規その他いろいろな法規の制約のもとに行なわれる点もこれは事実でございます。この両者の間において、許されたる範囲内において私は自分の責任において決定する次第でございます。
  199. 大村邦夫

    大村委員 だから、私は念を押したのですけれども、制約のもとで責任がまかされておる、それは確かにそうでしょう。大臣がおっしゃることだけをそのまま受け取れば、全面的に総裁に権限があるようにとれましたから私お尋ねしたのですが、ないのですね。そうしますと、公社に移行をして給与は他の国家公務員並み、そして公社自体には経理上の自主性がない、予算総則で縛られておるということをつづめてみますと、つまり業績をあげるために、ただ業務の飛躍的な増進をはかるために、公社におきまして、私がかつて局におるときに上部機関の幹部から聞いた、あるいは通信局長がポスターまで出して、前だれがけでやれ、そうしたら職員はきっとよくなるという趣旨のことをパンフレットでまいたり、あるいはそういう訓辞を申し述べられましたが、そのことはうそですね。
  200. 稲本孝

    ○稲本説明員 公社の場合の賃金決定の原則につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、電電公社といたしまして、生産性向上について特殊なものがあるか、こういうような御質問ではなかったかと了承いたしまして御答弁させていただきます。  電電公社の職員に対しましては、仲裁四十四号、私たちは生産性手当と申しておりますが、こういうような手当が支給されておるわけでございます。これはほかの公務員はもとより公社にもない特殊なものでございまして、電電公社が非常に生産性が上がっておる、こういう点に着目いたしまして、仲裁委員会のほうで御決定いただいたものだと思っておるわけでございます。
  201. 大村邦夫

    大村委員 しかし、国家公務員にも勤勉手当というものがあるでしょう。私の記憶では、常に国家公務員が上がっても、今度電電公社総裁に向けて組合が交渉する、ところがなかなかそれが上がらない。そういう実態があるのはどうでしょう。
  202. 稲本孝

    ○稲本説明員 ただいま先生のお述べになりましたのは、おそらく国家公務員に対して支給されます業績手当のことをおさしになったのではないかと思うわけでございます。これにつきましては、電信電話公社職員の場合におきましても、公社の収入の上におきまして増収がありました場合、または節約がありました場合、節約増収入を環元するという制度がございまして、これを年度末におきまして支給しておるわけでございます。私が先ほどお答え申し上げましたのは、これと違いまして別の手当でございます。
  203. 大村邦夫

    大村委員 私のいま言ったことは、勤勉手当等についても、国家公務員で直接生産に従事をしておる人と、行政面に従事をしてそれの換算が不可能な人といろいろあると思いますが、そういう者の勤勉手当が先に上がって、公社はあとから追いかけるような形が幾つかあったわけですが、結果的には同じになりました。そのことを申し上げたのです。  それはそれといたしましても、公社に移行して一体公社の自主性というものは、業務面についてはなるほど先ほど言いましたように、交換の方やあるいは電信施設の方々のしりをひっぱたくだけの権限は持っているが、給与の面については何ら自主性を持っていない。この点について総裁考え方を聞くのはきわめて酷でありますけれども総裁として業務面の責任を持たされるが、経理の執行についてはかなりの制約を受けて、自分のかわいい部下が一生懸命働いても、あるいは物価が上がっても、一円も十円も上げましょうという回答ができないような今日の公社のあり方について、あなたははがゆく考えられませんか。私はその見解を聞きたいのです。
  204. 大橋八郎

    大橋説明員 現在の公社法のもとにおける給与の扱いにつきましては、いろいろ議論がございます。私どもの私見としては、こういう点に改正を加えたほうが望ましいという点はございますけれども公社と申しましても幾つも公社がありますし、また一般公務員との権衡、他の公社との権衡、そういうものも全部調整するというたくさんの問題もございまして、ともかくこの点は、必ずしもすべての公社にかってにやらせるというわけにもいかぬ点がおそらくあるだろうということを想像いたします。したがいまして、私どもといたしましては、いま少しく自主性が与えられることはまことに望ましいことだと考えておりますが、現在の制度のもとにおいては、これ以上のことはやむを得ない、かように考えております。
  205. 大村邦夫

    大村委員 私は、お説教するわけではありませんが、総裁がそういうへっぴり腰じゃ困るのです。石田総裁が言われることは、いいことか悪いことか知りませんが、もう少し総裁総裁として腰を据えて、政府に突きあげてもらいたい。あなたは少なくとも部下を使うだけの権限は持っているのですから、当然処遇上の問題についても、かなりの自主性を持ってそれを処遇してやるべきだと私は思います。  さらにお尋ねをいたしますが、昨年の年末に、組合公社を相手にいろいろ団体交渉を続けておりました。そのある種の団体交渉の中で、また公社として独自で上げるわけにはいかない、機の熟するのを待ちたい、こういう御答弁をなさっています。機の熟するとは一体何ですか。十七日に公労協はストライキをやる、かわいい部下が首までかけて闘争をやる、これが機が熟したとお考えになりませんか。
  206. 大橋八郎

    大橋説明員 私は団体交渉に出ることになっておりませんので、部下が何と言ったか、私は実は聞いておりません。おそらく職員局長がその点をお答えになると思いますから……。
  207. 稲本孝

    ○稲本説明員 総裁はいまお話しのように出ておりませんので、私からかわってお答え申し上げますが、機の熟するというような意味のことばが団体交渉で使われたことはございます。この意味するところは、当時全電通労働組合のほうから賃金要求がございまして、公社に早く回答を出すように団体交渉を繰り返しておったわけでございます。その際、公社といたしまして、できるだけ早く回答したい、こういう考えでございましたわけですが、組合との間の交渉の中身の団体交渉といいますか、この点につきまして、いろいろ十分でない点もあったわけでございます。さらにわれわれといたしまして、公社の賃金の改定は非常に社会的にも大きな影響を及ぼす、こういう点もございますので、各公社、現業官庁等とも相談いたしたい、こういうようなことを考えておった関係がございまして、そのような相談というのが十分出て、結論をつけるめどになるまで待っていただきたい、こういうようなことを交渉の席で申し上げたわけでございますが、その表現の一つといたしまして、機の熟するというようなことばだったわけでございますが、決して柿が熟して落ちるように傍観的というような態度のつもりで言ったわけではないわけでございます。
  208. 大村邦夫

    大村委員 柿が熟してひとりで落ちるような、その機の熟し方ではない、こういうことですが、しからば今度の賃上げについて、物価はどんどん上がる、生活は苦しい、職員はあるいは組合員は、賃金を上げてくれ、こういう交渉が幾度かされましたが、じゃ、そのことについて、どのように具体的に働きかけられ、いつ何日、どこで何をしたか、こういうことじゃありませんが、一体どれくらい引き上げろという公社としての要望なり意見というものを上局に反映されたか、それを聞きたい。
  209. 稲本孝

    ○稲本説明員 上局といいますか、そういう点われわれといたしましては、別にどうだということを私からちょっと申し上げかねるわけでございますが、私、団体交渉に当たっておるわけでございますが、われわれといたしましても、組合との間で、いま機の熟するということばが出ました交渉以降、団体交渉を重ねてまいりまして、論点もかなりしぼり、明確にしてきたわけでございます。ただいま先生からお話のございました物価の問題でありますとか、公務員給与との関係公社の労働生産性の問題、そのほかおも立った点につきまして、団体交渉が煮詰まり、また他公社におきましても、交渉が煮詰まってまいりまして、そこでわれわれといたしまして、公社とも相談をしておったわけでございますが、いま政府のほうから数字につきましての御勧告があったわけでございます。御勧告がございまして、われわれとしても資料によってよく考えまして、初任給を調整する、六百円引き上げまして、調整期間を九年間置きまして調整するというような回答が妥当であろうということで、労働組合のほうに回答をしたような次第でございます。
  210. 大村邦夫

    大村委員 いまの物価の上昇率から見て、初任給の六百円の手直しなんておよそナンセンスであります。  続いて総裁にお尋ねいたしますが、本日の新聞を読みますと、昨日十四日の参議院逓信委員会におきまして、さらには公労委の調停委員会において、国鉄の石田総裁が、国鉄の職員は他の企業に比べて作業の性質上から見て賃金が安い、つまり格差賃金を設けるべきだ、こういうことに対するあなたの御意見として、電電公社の職員は国鉄の職員に比べて、作業の性格等から見ても決して格差賃金をつけられるような状態でない、むしろ上回るべきであるという回答をなさったように出ておりました。これはそのとおりでありましょうか。
  211. 大橋八郎

    大橋説明員 調停の委員会における話し合いのことは、この際申し上げることは遠慮いたしますが、参議院の逓信委員会においては、大体御趣旨のようなことは申し上げました。
  212. 大村邦夫

    大村委員 先ほど、給与については総裁云々という大臣のおことばがありましたが、その責任者が、格差賃金は設けるべきでない、こういうことを言明をされました。大臣のこれに対する所見をお伺いしたいと思います。
  213. 古池信三

    ○古池国務大臣 私は、電信電話事業に従事しておられる方々の労働負担というものは決して軽いものではない、こう考えておりまして、総裁の言われましたことは十分首肯できるところであると考えております。
  214. 大村邦夫

    大村委員 確認をします。  次に、これも公社移行に伴っていろいろ関係のあるところですが、私は、どこの職場がよくて、どこの職場がきついということは端的には申し上げませんが、少なくとも電電公社考えなければならないのは、直接作業をする現場の諸君を大事にするということじゃないかと思います。私は、現場第一線主義ということを、再三、過去において聞かされてまいりました。そのことが、今日、人事面等についても尊重されておるかどうかについてお伺いをしたいと思います。
  215. 稲本孝

    ○稲本説明員 公社といたしましては、ただいま先生お話しになりましたように、現場第一主義というのをとっておるわけでございます。人事面につきまして、公社といたしましては、ただいま申し上げましたように、現場第一主義の精神にのっとりましてやっておるつもりでございます。
  216. 大村邦夫

    大村委員 これはある通信局管内の統計であります。一月から二月、三月にかけて、毎年のごとく異動がありました。私は、いつも異動のたびに、歯ぎしりをしたり、あるいは同僚等と、上部機関からくる人の手腕、経歴、そういうものを対照して、非常に情けなく思ったので、たまたまことしの一月から三月までの統計を出してみました。いままで無役で今度役職になった人を、非現と現場とに分けて、さらに非現の中で、通信局、付属機関、通信部、こういう形に分けて数字を出してみました。ところが、通信局から課長になったものが三十一名、これは、通信局は、全体の人数から——比率からは必ずしも申せませんが、私がとった統計の通信局は、大体七百人程度。付属機関から二名、通信部から十四名。通信部はこの通信局の管内には五つあります。従業員はわずかなものであります。三十一名に二名、十四名、つまり四十七名、これが上部機関から役職についた人です。職場数にしても人数にしてもまことに微々たるものです。現場、これはこの管内には従業員が一万三千、現場の数は百二十カ所くらい局所があると思います。ここから役職についた人は四十九名であります。これは私が正確に調べた数字でありますから、間違いないと思います。こういうふうに四十七対四十九、ほとんど現場のほうが、しかも、役職についたそのポスト、同し課長でも、大局、中局、小局とありますが、ほとんど上部機関で占めておる。こういう実態では、一体現場第一線主義といえるかどうか。生産意欲は低下するとお考えになりませんか。もう現場のほうでは、ばかくさい、少々無理をしても通信局か通信部に行くか、こういう機運がいま漂っていますが、これはこの通信局だけのことではないと私は思います。その点についてどうお考えなんですか。
  217. 米沢滋

    ○米沢説明員 ただいま現場の問題につきまして御質問がございましたが、会社といたしまして、現場に対しまして非常に力を入れておるということは事実でありますし、また、今後も十分力を入れていきたいと思います。なお、ただいま数字の御指摘がありましたけれども公社といたしまして、人事のやり方について、たとえば総裁が御自身で発令するもの、あるいは通信局長が発令するもの、いろいろ段階がございますが、いまの現場第一線を重視するという方針は、各通信局長にも強く指示しております。それからまた、任用にあたりましては、たとえば一人の人があまりひんぱんにかわってはいかぬ、十分その仕事を責任を持ってやった上で人事をやるというふうに考えております。
  218. 大村邦夫

    大村委員 最後に言われた点は、どうも私の質問と少し食い違うと思うのです。通信局から行こうが現場から行こうが、むしろ、通信局の諸君のほうが再三、あるいは、非現の諸君のほうが再三かわっておるのです。私は、ここでさらに追及はいたしませんが、いま並べたような数字がどこの管内にも多かれ少なかれ傾向としてあると思います。現場で一生懸命働く諸君、これから職業病について若干触れますが、いろいろそれこそ暗雲が漂うところの現場、これにもう少し明るい職場としての気分を持たせていただきたい。このことはひとつ総裁は——いまの御答弁では、直接本社が発令をしないから知らない、あるいは現場をもう少し大切にしろということは、通達あるいは行政指導等で再三やってあるということでありますが、実態はそうではない。このことはよく上部機関の皆さんは胸にたたみ込んで、これからも現場第一線がほんとうに尊重されるように——といって、私は、非現部門を不景気にしろと言うのではないが、あまりにも言うことと行なうことの食い違いがはなはだしいので、数字を申し上げて実は要望したわけであります。  次に、職業病についてお尋ねをしたいと思います。職業病といいますと、一体どういうものがあるか、その範囲というものについてなかなか明確に答弁ができかねると思います。これは御承知のように、労働基準法では、「職業病」という名称ではなくて「業務上の疾病」という規定になっておりますが、発生の予防措置と発生後の予後措置、つまり労働災害補償とに分けられているのは御承知のとおりであります。さらにその中身として、「第五章、安全及び衛生」において危害防止、同四十二条、あるいは環境衛生同四十三条、こういう規定が種々設けられておりまして、なお基準法の施行規則第三十五条におきまして三十七、三十八に、特に私ども電電公社に直接関係のあるものとしては三十八の「その他業務に起因することの明かな疾病」つまり業務に起因する、こういうことで規定が設けられておりますが、いま電電公社組合等からいろいろ要求があり、調査委員会等を設けて検討中であるようでありますが、今日電電公社の中で職員病とおぼしきもの、あるいはおぼしいかどうかわからぬが、特殊な傾向としてこれこれの病気が出ておる、そういうものがあると思います。それを電信電話あるいは施設、こういう部門にわたって大まかでよろしゅうございますから、わかっておる点だけひとつ御答弁願いたいと思います。
  219. 飯森実

    ○飯森説明員 お答えいたします。  いま組合その他から問題になっておるおもな点を申し上げますと、キーパンチャーの腱鞘炎、それからある一部の電話局、電報局における斜角筋症候群というのがいま問題はなっておる病気のおもなものでございます。
  220. 大村邦夫

    大村委員 おもなということで一応理解はいたしますが、しかしその程度ではないでしょう。また、おたくのほうでは電話交換等についても咽喉炎、喉頭炎、これについては調査を進められた。それほどこういう種々の疾病といいますか、病気といいますか、発生をしておる、そういう傾向もあると思います。あるいは精神分裂症、ノイローゼあるいは電報配達の胃腸障害あるいは施設の鉛中毒、いろいろあると思うのですが、いま言われた程度ですか。
  221. 飯森実

    ○飯森説明員 先ほどは失礼いたしました。いま先生のおっしゃったようなものも問題になっております。
  222. 大村邦夫

    大村委員 公社は各部門にわたるところの、職業病かどうかはわからないが、いろいろ職場に発生をし、職員あるいは組合を通じてこれを職業病にしろということで折衝を受け、そうして了解事項やあるいは団体交渉記録事項あるいは覚え書き等を締結されておりますが、昭和三十三年十一月二十四日「職業病についての了解事項」、この中で「公社側は、今後けんしょう炎が発生しないよう、種々の努力を行なう。」こういうことがいわれております。さらに「作業環境の整備、要員措置、休憩時間およびその付与方法等について再検討し善処する。」ということが了解事項の中に載っていますが、いま申し上げました種々の努力あるいは作業環境の整備、要員措置、休憩時間あるいはその付与方法についてどのように再検討され善処をされたかをお伺いしたいと思います。  それから、あわせてお聞きしますが、電話運用部門について咽喉頭炎については昨年の十二月末までに調査を完了して、対策を含め一月に組合説明するということになっておるようでありますが、その調査の結果どういうものであったか、大まかでよろしゅうございますからお尋ねをしたいと思います。
  223. 飯森実

    ○飯森説明員 最初のほうの腱鞘炎のことにつきましては、いま私詳しくはちっと記憶がないのでございますが、その後組合とあれを結びまして大体解決したものと考えております。  次の咽喉頭炎、のどに関する病気についての環境調査につきましては、調べましてこれもこの三月にその調査結果を組合説明いたしてございます。大体その後施設を直しまして、このくらいなら十分程度のところまで直っているはずでございます。
  224. 大村邦夫

    大村委員 おるはずだということですが、私は直っていないと思うのです。というのは、以下申し上げますが、先ほど御答弁にもありました斜角筋症候群についてであります。これは腱鞘炎に大いに影響のあるところでありますが、その病状については公社のほうではよく御承知と思いますが、もう二、三年前から福岡中央電報局、広島市外電話局、広島電報局においてかなりの斜角筋症候群の患者がふえております。たとえば福岡中電においては七、八名、広島市外電話局においては約二十名、それから広島電報局においては五名、それがだんだんさらにふえていきつつあるような状態であります。  そこで、先ほど質問いたしました作業環境の整備、あるいは要員措置、休憩時間等についても別に特別な措置が講じてない。なるほど腱鞘炎罹病者の特別措置に関する了解事項の中では、罹病者についてはこれは措置が講じてあります。給与面においても、あるいは医療機関の利用のしかたについても、病気休暇についても、それぞれ対策を講じてありますが、予防するという面について別に措置が講じてないと思いますが、どうでしょう。
  225. 飯森実

    ○飯森説明員 ただいまの御質問の中の、福岡中央電報局につきましては実はその後ふえておりません。広島中央電報局、広島市外局においては、先生のおっしゃるとおり広島中央電報局で三十五名、広島市外電話局で二十数名の斜角筋症候群がありますが、やはり作業環境等につきまして昨年調べたところによりますと、それの影響ではないというような調査もございます。なおまた、同じような職場は全国にあるわけでございますが、そこではまだ実はそういうものが出ておらないところであります。これはわれわれも実はどうしたものだろうかと、今後も詳しい調査をしたいと考えております。
  226. 大村邦夫

    大村委員 この斜角筋症候群について公社のほうで把握をした、つまりいつごろこういうものが発生したか、その把握の時期、それについてお尋ねしたい。
  227. 飯森実

    ○飯森説明員 広島では大体三十一年の夏から秋ごろからでございます。八月ごろが広島市外電話局、電報局においては十月……。
  228. 大村邦夫

    大村委員 斜角筋症候群ということばを使って御無礼ですが、委員のお方でおわかりにならない方もあるかと思いますので、ちょっと説明します。  この斜角筋症候群とはどういう病気かと申しますと、頸椎、首の骨と第一肋骨を結ぶ筋肉に前斜角筋と中斜角筋と後斜角筋という三つの筋肉があるわけですが、この筋肉は腕や手先を局部的に激しく使うことによりましてだんだん固くなり、肥大をします。そうして繊維化する。そのために前斜角筋と中斜角筋の間を走っている神経と血管を圧迫するようになりまして、腕がしびれる、痛む、握る力がだんだんなくなる。たとえばはしでものをつまもうと思ってもつまめない。交換でジャックを握ってさそうと思っても自分の思うところにさせない。あるいはダイヤルをゼロのところを回そうと思って手をやっても一のところにどうしても手がいく。もちろん腕の痛みも激しくなるのでありますが、そういう病状であります。それが広島、福岡を中心に電電公社の職場に特徴的にあらわれておるのです。  それで、いま公社のほうでは、それが職業によるものかどうかということについては、必ずしも職業によるようにもとれないし、検討中だということでありますが、かなり期間が経過をしておる。さらに慎重に検討するといっても、医学的にこれは絶対こうだという結論がいつ出るかという保証はないと思います。しかし日赤の整形外科部長あたりでは、ちゃんとこれが結論が出ておるようであります。斜角筋症候群で、電電公社の交換作業あるいはKPさん孔のような特殊の通信に従事するとそういう病状が出ますから、そういう作業はお避けになったほうがいいでしょう、こういうことが指摘をされております。ですから、当然公社としては、もう慎重に検討するとか、あるいは検討の上善処するというのではなしに、労働基準法に保障されたいわゆる業務に起因する病気として当然考えるべきではないかと私は思いますが、その点はいかがでありましょうか。
  229. 飯森実

    ○飯森説明員 広島の日赤の先生がそういうことをおっしゃっておられるのも承知しておりますが、広島だけでそういう病気があるというのも、私たちしろうとでございますが、それがどういうわけかいまよくわからないという点もあります。で、もう少し詳しく、やはり私たちが調べるわけにはまいりませんけれども、お医者さんに広く調べていただいて、ほんとうにそれが業務に起因するものであるならば、労働省のほうにも働きかける必要があるということで、今度広島大学の医学部のほうにも実は調査をお願いしょうということで、この三月には組合と了解点に達しまして、これから広島でその方方に広島大学の医学部に行っていただいてもう一ぺん精密に調べていただき、その結論を待って考えるというように措置しておるわけでございます。
  230. 大村邦夫

    大村委員 この種の問題はお互いにしろうとではなかなかむずかしいわけでありまして、医学的な立場から実証がなければならないということは、私も百も承知しております。しかしここで考えなければならないのは、医者によってはみなそれぞれ——それぞれというよりは、多少は見解の違うものもあるかもしれませんが、公社のほうでは、どうも私の考えるのに、だれもが同じ作業をやってそのためにかかるような病気、同一の作業をやってそうして比較的かかりやすい病気、こういうものを職業病だとお考えになっておられるようでありますが、私は、その範疇を広島あるいは福岡という地域的な場に区切ってみても、その地域の中で交換作業や電信作業をやる場合にはこういう病状が起こり得る、全国的にはなくてもその地域には比較的そういう作業をすればかかりやすい、こういうものについては、やはり職業に起因する一ほかの職業では出ないのですから、起因するものとして職業病だとすべきだと思うのですが、その点はどうでしょう。
  231. 飯森実

    ○飯森説明員 先ほども説明いたしましたように、広島市外電話局並びに広島電報局の作業環境あるいはまた冷房設備その他の原因があるのかということで、広島大学の衛生学教室に調べていただいたのでありますが、そういうのが腱鞘炎の起きる原因ではないというような調査も実はあるわけでございます。そういうわけでございますから、もう一ぺん正確な調査をしてから結論を出したいというふうに考えております。
  232. 大村邦夫

    大村委員 くどいようですけれども、医者の見解にすべてをまかせるといっても、やはりそれを運用し採用する側の姿勢というものが重要になってくると私は思うのです。たとえ局部的であろうと局地的であろうと、他の職業にはそういうものが発生していない、ほとんどが公社の事業に、特に電信や電話に従事しておる者からそういう病気が発生しているとすれば、それはひとつ積極的に取り上げるようにしていただきたい。ここであなたの確約をもらおうとしてもなかなかむずかしいようでありますが、一つには急いでもらいたい、一つにはそれを取り上げるように努力をしてもらいたい、このことを要請をしておきます。
  233. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  234. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 速記を始めて。
  235. 大村邦夫

    大村委員 次に、先ほど御答弁になりました同じく職業病として今日問題になりつつあるキーパンチャーの問題ですが、この問題につきましても、公社はかなり積極的にお考えになっているように思います。さらに三十八年十一月三十日、三八中記第一〇八号において勤務時間等を明らかにしておられるようでありますが、今日電電公社のキーパンチャーの勤務時間あるいは休憩時間、そういうものを大まかでよろしゅうございますから、お聞かせを願いたいと思います。
  236. 千代健

    千代説明員 キーパンチャーの勤務時間についてでございますが、現在の勤務時間は拘束八時間三十分、昼食時の休憩一時間、午前、午後の休息時間合わせて一時間、実働時間は六時間三十分でございます。それから正味のパンチング時間は五時間二十分でございます。なお土曜日は拘束四時間、休憩十五分、実働三時間四十五分でございます。
  237. 大村邦夫

    大村委員 そうすると純作業時間は三百二十分ということですか。
  238. 千代健

    千代説明員 正味のパンチング時間はそういうことでございます。
  239. 大村邦夫

    大村委員 これは以前よりはかなり改善されたということですか。
  240. 千代健

    千代説明員 現在の勤務時間は以前よりも改善されたと思います。
  241. 大村邦夫

    大村委員 そうしてそのキーパンチャーの腱鞘炎とかいろいろ病気の発生ですね、これはこの作業時分を短くしたことによってかなり激減をしましたか。
  242. 千代健

    千代説明員 傾向としては非常によくなっております。
  243. 大村邦夫

    大村委員 御承知と思いますが、労働省とそれからユニバック研究会、全国IBMユーザ協議会、この三者がいろいろ実態調査をしきめた労働省労働基準局労働衛生課において現在行政指導でつくったものがありますが、これによりますとパンチ作業時間は一日平均三百三十分、そうしますとこの基準より公社のほうが十分短い。こういう点については私はいま公社の行なわれておることについて賛意を表するわけですが、しかしまだこれでも他の企業、銀行あるいは東京海上保険、安田御上保険その他いろいろあるわけですか、このデータを見ましても三百二十分というのは必ずしもいいほうじゃございません。いま御答弁になった減っておると思いますがということは、おそらく数字も把握をされていないし、作業時分が短くなったからそうだろう、こういう見解で言われたと思います。まあ追い打ちはかけませんが、いずれにいたしましても三百二十分で他の企業と比べていいということは言えないと思いますから、こういう点についても十分対処をしてもらいたいと思います。それから、委員長との約束ですからあと二、三分でやめます。今日現場に参りますと、人より機械が大切にされておるということがよく言われます。つまり温湿調整、冷房暖房装置、機械のために悪いから、ある一定の温度まで上がっては悪いから温湿調整をやる。そのためにそこにおる従業員は、少し冷たいなと思ってもしんぼうしなければならない。さらに夏分におきましては、一歩外に出ると、休憩室等は温湿調整も冷房装置もないですから、温度が激変をしてからだのために悪いということが言えます。この点は私どもも職場におって再三要求をしたところでありますが、公社のそれこそ業務上の都合によってなかなかやってもらえない。こういうことでだんだんからだをこわしていっておる職員がかなりおります。特に女子の場合には母体構造からいろいろな障害を起こしておりますが、こういう点についても、私がここで申し上げなくとも、いやというほど職場のほうから公社のほうに突き上げがあり、あるいは本部からもいろいろと交渉、要求がされておると思いますが、こういう点についても機械だけを大事にするのでなしに、ひとつ人間も大事にしてもらうように、むしろ機械より人間を第一に考えてもらうように、これからも善処し、またそういう方向に向かってやっていただきたいと思います。  最後に、公社に移行して、先ほど結局そこで働く従業員についてはなるほど業務は比較的に増進したけれども、処遇等の面においてはたいして見るべきものがないじゃないか、加えて職業病はひんぱんに発生しておるじゃないか、こういうことを申し上げましたが、十七日を控え、いよいよ好むところではありませんが、組合はストライキに突入するという段階であります。大臣も、総裁もおられますが、最後の最後まで、ただ違法行為であるということだけでなしに、そういうアピールをするだけでなしに、ひとつこの問題を具体的に金額等も提示し、みんなが安んじて仕事ができるように、ストライキをやらぬで済むように善処方をこれまた要望しまして私の質問、意見を終わります。
  244. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 森本君。
  245. 森本靖

    ○森本委員 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案もいよいよ大詰めに来ておるわけでありますので、私はこの改正案に関連をする事項をずっと追って質問をしていきたいというふうに考えております。  そこで、まず最初にお伺いしたいと思いますことは、公共企業体審議会及び臨時公共企業体合理化審議会あるいはまた行政管理庁の勧告が出ておるわけでありまして、そういう観点からいきますと、日本電信電話公社法については、ただいま提案になっておりますところの第三条の三を単に入れるということでなくて、日本電信電話公社法全般を政府は検討し、改革をしなければならぬという段階に来ておるわけでありまするが、そういうふうな日本電信電話公社法の全般の検討はどの辺まで今日進んでおるのか、その辺を大臣からひとつ御回答願いたい、こう思うわけであります。
  246. 古池信三

    ○古池国務大臣 お答えいたします。  いろいろ事務当局の間におきまして法律の内容につきましては検討をいたしておるわけでありまするけれども、まだ今日私のところまでには出てきておりません。
  247. 森本靖

    ○森本委員 大臣の手元に来ておらぬということでありまするけれども、そういたしますと、事務当局では検討しておるということですか。
  248. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 御指摘のとおり、各種の審議会の答申なり、あるいは行政管理庁の勧告もございましたが、公社制度全般に関連いたしますものにつきましては、いろいろ事務的に検討中でございますが、ただいまのところ結論についてまだ申し上げるまでに至っておりません。
  249. 森本靖

    ○森本委員 公社当局としては、この公社法改正について、ただいま私が申し上げました二つの答申と一つの勧告、この三つのものがなされておるわけでありますが、これに応じまして公社公社自体として検討したことがあるかどうか、ひとつ御回答願いたいと思います。
  250. 大橋八郎

    大橋説明員 個々のこまかいことになりますと、ちょっとここに記録がありませんけれども、行政管理庁の勧告に基づいて郵政省のほうへ私どもの意見を具申したものはあります。また御承知の最近行政制度調査会ですか、大がかりの調査会ができておりますので、その辺から意見を求められたことについての私どもの意見を回答したものもございます。
  251. 森本靖

    ○森本委員 そういう点について、公社からどういう点を改正したらよろしいというような答申が出ておるわけですか。
  252. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 電電公社から出ておりますのは、副総裁の任命方式とか技師長の制度の法定化等であります。
  253. 森本靖

    ○森本委員 そういうふうな副総裁の任命方式、さらには技師長のいわゆる役員として公社法に明示をするというふうな点が公社から出ておるといたしますならば、そういう点はきわめて重要な公社の根本問題に触れることでありますが、そういう問題が公社から出ておりますし、さらにまた、行政管理庁からいろいろな問題が出ておるわけでありますけれども、そういう問題については、大臣、将来公社法全般の改正についてはどういうふうに考えておられますか。
  254. 古池信三

    ○古池国務大臣 かような制度というものは、設立されました当時あるいは法律の制定されました当時においては、最も適当であったと存じますけれども、やはり時代が進むにつれて十分に再検討すべきことは、単にこの公社のみではないと思います。したがって、公社に関しましても、いろいろの有益なる意見を総合いたしまして、そして現在並びに将来に向かって最も適当であると考えられるような方向に向かって改正考えていくべきである。したがって、その場合には、公社法について申せば、公社法の規定のうちのあらゆる部分についてやはり検討はすべきである、こう考えております。
  255. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、現在公社法全般について郵政省としても検討しておる、こういうことですか。
  256. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 そのとおりでございます。
  257. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、公社法全般についてそういうふうな重要な点を検討しておるさなかにおいて、この第三条の三のみを提案したということは、一体どこにそういう緊急的な理由があるかどうか。
  258. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 この投資条項につきましては、公社制度の根本にかかるというほどのものではないと考えますし、第二といたしまして、公社では三十八年度から三カ年計画で海上との電話のサービスの拡充計画を立てておりまして、すでに実行に移しております。それに対応する船舶の業務の拡充のためにぜひ必要でございますので、切り離して御審議をお願いいたしておる次第でございます。
  259. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、日本船舶通信株式会社に対して投資をすることがきわめて緊急であるから、この法律案件だけ切り離して提案をした、こういうことですか。
  260. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 そのとおりでございます。
  261. 森本靖

    ○森本委員 この第三条の三が今回の骨子でありますが、その前に、第三条の二によりしまて国際電信電話株式会社の株を電電公社が保有をいたしておりますが、現在国際電電の株式は総額で幾らであって、そのうち幾らを公社が保有しておりますか。
  262. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 国際電電は総額六十六億円の資本でございまして、そのうち電電公社は六億六千万円の株式を保有いたしております。
  263. 森本靖

    ○森本委員 国際電電はさらに近くこれを三十五億円程度増資をするということも聞いておりますが、そういう動きはありますか。
  264. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 三十五億円程度の増資という話は聞いておりません。
  265. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、来たるべき東南アジアケーブルその他についての場合に、やはりこの国際電電のいわゆる借り入れ金は、株式によって左右せられてくるわけでありますが、そういう点で、将来東南アジアケーブルを布設するということを考えた場合には、国際電電の株が現在の六十六億円でいいものかどうかという点については、郵政省としてはどういうふうにお考えですか。
  266. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 あまり精密に計算いたしたわけではございませんので、概略のところでございますが、東南アジア海底ケーブルを布設する段階に至りますれば、若干の増資は必要かと考えております。
  267. 森本靖

    ○森本委員 これはやはり若干の増資は必要であろうと思いまするが、その増資は大体いつごろのめどを大臣考えておりますか。
  268. 古池信三

    ○古池国務大臣 まだ具体的に私考えておりません。
  269. 森本靖

    ○森本委員 これは、具体的に考えておりませんというふうに言われておりますけれども、前大臣が、いわゆる太平洋海底ケーブルのときに、この倍額増資の問題について私が質問をいたしましたときに、さらに本年の一月ないし四月ごろにはもう一回増資をしなければならぬことに立ち至るであろうということを答弁しておるわけであります。それからいたしますと、東南アジアケーブルの問題についても、畠山電気通信監理官を中心としての各国との問題の話し合いもなされておるわけであります。そういう観点からいきますと、一応どの程度まで増資をし、さらにまたこれをいつごろ行なわなければならぬかというふうな点についても、私は検討すべき必要があろうというふうに考えますが、さらにそういう場合に、この第三条の二において、五分の一までは電電公社が保有することができる。すなわち、この六十六億円というものは、ほんのこの間倍額増資をして六十六億円になったわけでありまして、いままではたしか三十三億かそこらであったと思うわけであります。その三十三億円の五分の一ということになりますと、大体いままでの金額でそういうことになってくるわけでありますけれども、これが今日六十六億円になり、さらに九十億円をこすというかっこうになった場合、この第三条の二の国際電電の株の五分の一までは電電公社が保有することができるということを、大臣としてはどう解釈をせられているのか。この第三条の二については、これはこのままにしておいて、実際問題として日本電信電話公社が保有するところの株は現在の六億円のままでよろしいかどうか。電電公社がさらにこれを上回った保有をしていくように考えておるのかどうか。その点をひとつ大臣にお聞きをしたい、こう思うわけであります。  なお、申し上げておきますけれども、第三条の二については、これは当委員会委員会立法として提案をした事項であります。そういたしまして、われわれはこれは三分の一を保有することができるということで、委員長提案によりまして委員会を通過をしたわけであります。しかしながら、参議院に参りまして、これが参議院において五分の一に修正をせられたわけであります。そういう経緯をもってこの第三条の二ができておるわけでありますけれども、たまたま今回第三条の三によって、公社が投資することができるという条項が、国際電電以外に出てまいったわけであります。そうなってまいりますと、もとの第三条の二のいわゆる投資条項というものについて、現在三十三億円のものが六十六億円に増資をせられておる。その中における比率は六億円になっておる。それで、日本船舶通信株式会社に投資をするということもあるいは必要かもしれませんけれども、かりにいわゆる電気通信という観点からいった場合には、国際電電の役割りというものは将来非常に大きな重さのある問題をなしてくるわけであります。そこで、当委員会としては、そういうことを考えて第三条の二をわれわれはここにつけ加えたわけであります。そういう観点からいくとするならば、この日本船舶通信株式会社に投資をするということよりか、三条の二によるところの国際電電に対するところの投資というものがもっと重要になってきはしないか、こういう点について大臣はどうお考えであるかということを、われわれもこの法律をつくった一員といたしまして御質問を申し上げておきたい、こう思うわけであります。
  270. 古池信三

    ○古池国務大臣 まず最初のほうの御質問からお答えをいたしますが、東南アジアの海底ケーブルの建設につきましては、実は去る三月に関係各国の関係者にお集まりを願いまして、東京で一応の会議をいたしたのであります。したがって、この建設について所要の資金をどういうふうに各国が分担をしていくか、またその暁、日本としてはどのくらいの資金を分担せねばならないかという具体的な点について、目下検討を進めておる状態でありまするから、まずこれがきまるということが前提になると思います。さように日本側として負担すべき金額がきまりました暁において、その所要資金はどこから出すか。おそらくその一部は国際電信電話株式会社も負担してもらうことに入るだろうと存じますが、さような際に、しからばこの会社はどの程度の資金を負担してもらうことになるかということがきまりますと同時に、それらと見合って増資の問題が表面にあらわれてくるであろうと考えます。したがって、ただいまは、その見地から言いますると、まだ検討の段階にありまして、はっきりここで申し上げるまでには至っておりません。  それから、さらにそうなれば、今後国際電気通信仕事はますます拡張されていくに違いないから、この資本金も増資を当然せねばならぬではなかろうか、さような場合に、現在のこの法律の規定で十分であるかどうかということについては、これはただいまの御指摘のような国会における当時の御審議のいろいろな状況もあり、慎重に私ども考え、当然皆さまの御意見も伺ってきめてまいらねばならぬ、こう考えております。
  271. 森本靖

    ○森本委員 だから、私が具体的に聞いておりますのは、第三条の二によるところの条文からいくとするならば、今日六十六億円で六億円になっておる。ところが、もう少しこれは持てるというのがこの条項である。そういう点からするとするならば、日本船舶通信株式会社に投資するよりかは国際電電の株を持つほうが先口じゃないか、国内通信、国際通信というものの関連性からいくとするならば、日本船舶通信株式会社に投資するということよりかは、もっと緊密な間柄ではないか、そういうことであるとするならば、第三条の三をつけ加えるということは別として、第三条の二についても、いま少し考えてみる必要があるのではないか、それに思いをいたさずして、第三条の三ということを、それだけつけ加えるということはおかしいではないかという質問であります。
  272. 古池信三

    ○古池国務大臣 今回の改正案につきましては、先ほど監理官のほうから御説明申し上げましたように、緊急の必要がありまするので、切り離してこれだけの改正をお願いしたい、こういうわけでございます。さらに膨大なる国際通信関係資金を要するという段になりますれば、またあらためてその際に御相談を申し上げたい、かように考えております。
  273. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、第三条の二については、この筒一ぱいを電電公社が持つのが至当であると考えておられるのか、それとも、いわゆる現状のように六十六億円の中において六億円、この六億円は倍額増資しておりまするから六億円になったわけでありますが、そういう形のまま置いておくのが正しいと考えるのか、将来第三条の二によって筒一ぱいに電電公社が国際電電さらに国内通信という関連性からいって持つのがいいと思われるか、その点についてひとつ大臣の御見解を聞いておきたい、こう思うわけであります。
  274. 古池信三

    ○古池国務大臣 現在の法律によりましても五分の一までは持ち得るわけでございます。したがって、必要とあれば、諸般の事情を考慮しながら五分の一までは持つということが実現をするという可能性はあり得ると思います。しかし、これにつきましては、直接の責任者は公社でありまするから、公社側とも十分協議をして、意思の統一をはかってまいりたい、こう思っております。
  275. 森本靖

    ○森本委員 いや、私が聞いておりますのは、それは直接の責任者は公社でありますけれども、国際電電を監督し、さらに日本電信電話公社を監督する権限は郵政大臣が持っておられる。そこで、国際電電の重役についても、郵政大臣の承認がなければ、株主総会においてきめただけではだめである。さらに日本電信電話公社の予算その他についても、郵政大臣の手を経てこれが提案をせられる、こういう形になっておる。それで、そういう点を考える場合には、第三条の二については、今日六十六億円で六億円という比率になっておる。そういう場合に、要するに発行株式総数の五分の一を持てるということについての解釈でありまするけれども、将来国内通信、国外通信という観点からいったとするならば、この三条の二を筒一ぱいに利用したほうがよろしいのか、今日のような情勢に置いておいたほうがよろしいのか、そういう点については国務大臣としてどうお考えでありますか、こういうことであります。
  276. 古池信三

    ○古池国務大臣 私は、今後国際的な通信の業務はますます発展するわけでありまするから、それに要する資金はいろいろな手段を講じて確保できるようにつとめるべきであると考えておりますが、しかしながら、具体的に公社がその増資の場合にどれだけこれを引き受けるかという問題になれば、また公社としての資金繰りの都合もありましょうから、その辺は十分公社総裁と相談をしてまいりたい、こういうことを申したのであります。したがって、五分の一までは法律によって持てるのでありますから、公社のほうの資金繰りその他の関係から、公社として議論がなければ、私は五分の一まで持って差しつかえないと考えております。
  277. 森本靖

    ○森本委員 五分の一まで持って差しつかえない。それはそんなこと言わなくても、法律には五分の一持ってよろしいと書いてありますから、それは問題ないわけであります。ただ私が言うのは、五分の一まで持ってよろしいと書いてありますけれども、現実には倍額増資によって六十六億円になって、国際電電の株式を持っておるのが六億円になっておる。そういう比率になってきておる。だから、それをこの法律に基づくように五分の一を持たせるようにするほうがいいのか、あるいは国際電電の増資をする場合に、そうでなくして他の一般の民間資本に求めるほうがいいのか、そういう点の政治的な考慮というものは郵政大臣としてどうお考えであるか。先ほど来私が申し上げておりまするように、第三条の二については、われわれ衆議院側としては三分の一ということでこれを提案をした。参議院が五分の一にこれを修正をしてきた。まああえてさからう必要はなかろうということで、その再修正をそのままのんで五分の一になった、こういう経緯になっておるわけです。そういう点からして、この三条の二についての解釈を大臣としてはどうお考えであるか、こういうことを聞いておるわけであります。だから、五分の一は持てることは、これは法律できまっておるわけであります。きまっておるけれども一、それを持ったほうがいいのか、こういうふうな形に置いておいたほうがいいのか、その点を聞いておるわけです。
  278. 古池信三

    ○古池国務大臣 要するに、これは公社資金繰りからいいまして、国際電電の株式を持つ資金の余裕があるか、あるいはそれだけの資金があれば国内の電信電話施設の拡充に使うべきであるか、こういうことのにらみ合わせによって私はきまると思います。したがって今後は、やはり法律的な問題と申すよりも、むしろ金融的な実際的な面から判断していくべきではあるまいか、かように考えましたので、公社ともその辺は十分に打ち合わせをいたしたい、こう考えたわけでございます。
  279. 森本靖

    ○森本委員 それから、本年度予算において、電電公社の第三条の三によるところの投資計画はどうなっておるわけですか。
  280. 秋草篤二

    ○秋草説明員 昨年度の三十八年度の予算に七千万円計上いたしまして、法律が通りませんでしたので、そのまま繰り越しになって今日にきております。
  281. 森本靖

    ○森本委員 それは会計法上、そのまま繰り越しになってきておるのを、この法律が参議院も通って、かりに今月の末ごろに施行せられることになった場合に、その繰り越しをされたものをそのまま投資をするということでいいわけですか。
  282. 秋草篤二

    ○秋草説明員 現在のところ支障はないように大蔵省と打ち合わせば済んでおります。
  283. 森本靖

    ○森本委員 それは監理官のほうでもはっきり確認をしておるわけですか。
  284. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 私ども打ち合わせに入っておりまして、確認いたしております。
  285. 森本靖

    ○森本委員 それは予算のどの条項によってそれができますか。
  286. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 公社法五十四条の第一項、予算の繰り越しの規定によって、繰り越しができるということになっております。
  287. 森本靖

    ○森本委員 その場合には大蔵大臣郵政大臣の協議ということになりはしないのですか。
  288. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 特に予算で指定されましたものはそういうことになりますが、この場合には必要ないと思います。公社法第五十四条第三項に上りまして、通知をしなければならないというのがございますが、その規定によって通知をするだけでございます。
  289. 森本靖

    ○森本委員 第一項の場合には、郵政大臣の承認ということだけでいいわけですか。
  290. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 公社法五十四条の第一項本文については、承認は必要ございません。ただし書きで、特に予算で指定されたものについて承認が必要ということになっております。
  291. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、この投資条項の場合には、三十八年度の予算でどの項に入っておるわけですか。
  292. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 資本勘定の投資のところに入っております。
  293. 森本靖

    ○森本委員 これはやはり郵政大臣の承認は要らないということになるわけですか。
  294. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 そのとおでございます。
  295. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、三十九年度における投資予算というものは全然ないわけですね。
  296. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 三十九年度予算については全然ございません。
  297. 森本靖

    ○森本委員 それから、この法律についてちょっと確認をしておきたいと思いますが、「郵政大臣の認可を受けて、予算で定めるところにより、公社委託を受けて公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業および公社の公衆電気通信業務の運営に」という、これを具体的にひとつ例をあげていただきたい。
  298. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 「公社委託を受けて公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業」といたしましては、具体的には日本船舶通信株式会社でございます。後段の「公社の公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする事業」ということにつきましては、現在具体的には計画がございませんが、考えられるものといたしましては、たとえば番号簿会社などがございます。
  299. 森本靖

    ○森本委員 番号簿会社というのはどんな会社ですか。
  300. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 電話番号簿をつくる会社でございます。
  301. 森本靖

    ○森本委員 それはどこにありますか。
  302. 千代健

    千代説明員 現在、公社の番号簿を専属的につくっております番号簿印刷会社は、大阪、広島、東北、北海道、たしか四つございます。
  303. 森本靖

    ○森本委員 東京はどうですか。
  304. 千代健

    千代説明員 東京にはございません。
  305. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、大阪、広島、東北、北海道なんですか。東京なんかはどうなっておりますか。
  306. 千代健

    千代説明員 番号簿の作業は、常時番号を正確にしたもとがなければならない。これをプルーフと言っておりますが、これを常時原稿化して毎日毎日活字に組んでおります。それができますと、今年の七月一日なら七月一日でぴちっと切りまして、そのときすぐ印刷をいたしまして、東京でありますと、三大印刷会社ですか、そして印刷製本をやりまして、そこででき上がるというしかけになっております。ただいま申しました中で、大阪は番号簿の組み立てからプルーフと申しますか、その作業を同時に行なっております。それから地方の印刷会社ではそれを行なっておるところと行なっておらないところと両方ありますが、地方において膨大な量の番号簿を一時に刷る印刷能力というものが非常に欠けておりますので、したがって私どものほうであっせんをしてその会社でやっておる、こういうことでございます。
  307. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、東京の場合は、その番号簿の原簿はどこがつくるのですか。
  308. 千代健

    千代説明員 番号簿をどこがつくるかということでありますが、でき上がりは印刷会社であります。ただ原稿は、共済会の所属の機関でありますが、番号簿局というのがございますが、そこにおいて常時原版の原稿維持をやっておる、そういう作業を毎日やっております。
  309. 森本靖

    ○森本委員 それから大阪、広島、東北というのは、それぞれ株式会社ですか。
  310. 千代健

    千代説明員 株式会社であります。
  311. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、これは番号簿を向こうにつくらせるということだけであって、そういうところから若干の収納を吸い上げておるということはないのですか。
  312. 千代健

    千代説明員 吸い上げておるという意味でございますが、向こうは普通の会社としてやっておるわけでありまして、別に吸い上げるというようなことはないと思いますが……。
  313. 森本靖

    ○森本委員 印刷会社というものも、もうからなかったらやらないと思います。もうかるためには原簿がなければできないわけです。その原簿を提供するのは公社が提供するわけでしょう。
  314. 千代健

    千代説明員 原本と申しますのは、原稿維持をする作業がございます。この原本を維持する作業の一連のつながりを申しますと、電話がどこに移ったとか、新しく私が電話加入することになったとか、こういうことで電話局から一つの伝票がまいりまして、それによってそこの中にずっとはめ込んでいく。これを毎日何千とか何万とか入れて、現在は活字でございますが、鉛の活字で一ページ一ページ保管して毎日訂正をやっておる、それがある時点において、今日現在で電話番号簿を締め切って印刷にかかるという場合には、清刷りといいましてそれを刷りまして、写真印刷をやって、それをいわゆる印刷——あるいは随契の場合もございますけれども、それを担当いたします印刷会社、凸版とか大日本印刷とかいうところへこれを渡しまして、そのほうで印刷をやる、こういうしかけになっております。
  315. 森本靖

    ○森本委員 印刷して、印刷したものは印刷会社がかってに売るわけですか。もう少し詳しく番号簿の問題を説明してください。
  316. 千代健

    千代説明員 簡単に説明しようと思ってはしょりましたのですが、できたものは公社が検査をしまして——現物を持ってきたら、百万冊もあって、出っぱったりして、たいへんなものでございます。検査をいたしまして、それで、そこから特別な請負の日本通運とかそういったところを使って各家庭へ届けるとか、あるいは新しく電話をつけられる場合の人には、私どものほうの工事をやる人が持っていくとか、そういった方法によって加入者のところに届けられる、こういう仕組みになっております。
  317. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、公社がそれを買い上げるわけですか、番号簿は。
  318. 千代健

    千代説明員 公社が紙を提供しまして印刷させる、こういうふうになっております。
  319. 森本靖

    ○森本委員 それでは、紙を出して印刷をさせるわけでしょう。一体それでその金は払わぬですか。
  320. 千代健

    千代説明員 もちろん金を払いましてやっておるわけでございます。
  321. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、それは印刷費を支払うということですか。
  322. 千代健

    千代説明員 印刷並びに製本の料金でございます。
  323. 森本靖

    ○森本委員 公社としては、この番号簿に関する予算は年間どの程度とっておりますか。——それでは、番号簿関係についての大阪、広島、東北の各会社のいわゆる資本金、いままでの公社とやった業績、それから共済会がやっております業績、そういうものと、それからいま言いました予算、そういう番号簿に関する問題を、ひとつ一括資料としてあとからお出しを願いたい。それについて私どももさらに検討してみたい点がありますので、お願い申し上げておきたい、こう思うわけであります。
  324. 千代健

    千代説明員 御趣意に沿うように提出いたします。
  325. 森本靖

    ○森本委員 そこで、日本船舶通信株式会社、それからいまの番号簿の会計と、二つが明確になりましたが、それ以外にはないんですか、第三条の三に該当するようなものは。法律ができるときだから、はっきりしておかぬといけない。
  326. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 具体的に計画いたしておりますのは日本船舶通信株式会社だけでございまして、あとは例として申し上げたわけでございます。
  327. 森本靖

    ○森本委員 これは法律ができ上がるときでありますから——私が言っておりますのは、第三条の三について、ただいま直ちに投資するのは船舶通信株式会社だけである、しかし、この条項において投資できるものは一体どういうものがあるか、こう言えば、いまの番号簿をつくる会社があります——それ以外に、この法律において投資ができるというものはどういう例があるのか、例を全部あげてもらいたい。そうしないと、この立法府においてこれを解明しておかないと、将来あなた方がかってにぼこぼことやられたらかなわぬから、どういうふうなものがあるか、その例をあげてもらいたい、こういうことです。
  328. 米沢滋

    ○米沢説明員 これは先だってこの席でお答えしたのでございますが、これは可能性といたしまして、今後——やるときめたわけではございませんが、こういうものがあり得るということでお答えいたしましたのが、自動車無線、それからあとはベルボーイ、この二つがございます。
  329. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、ベルボーイ・サービス、それから自動電話サービスというようなものも、将来できた場合にはこれに当てはまるということでありますけれども、この法律は、解釈する人によってはどうにでも解釈できる条項であります。だから、特にこれは速記録に残しておきたいと思っておるわけでありますが、たとえばいまの通信建設会社にしても、これが、公社委託を受けて云々ということははっきり言えるわけであります。あるいは「主たる目的とする事業及び公社の公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する業務」ということになってまいりますと、たとえば通信建設会社にしてもそういうことが言えると思います。あるいはまた、機械類をつくっておりますところのメーカーについても言えると思います。だから、この第三条の三における項目による投資先というものは一体どういうものであるかということを、さっきから念を押しておるわけでありますが、たまたまいままではっきりしてきたことは、日本船舶通信会社、それから番号簿の会社、それから将来のベルボーイ・サービス、自動電話サービス、これが当てはまる。それ以外に、いま私が言いましたような通信建設とかあるいはメーカーというようなものは入りませんか。入らなければ入らない、入るならば入るというふうに、はっきりしておいてもらいたい。これは今後、この解釈によってはどうにでも解釈ができる条文でありますから……。
  330. 千代健

    千代説明員 ただいま御質問のメーカーあるいは工事会社、これらはこの法律案の第三条の三の中の後段の「公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする事業」これに該当いたします。しかし、この運用をする場合におきましては、郵政大臣の認可を受け、かつ予算のあれを設けますので、そういったことは、私どもとしては現在のところは考えておりませんし、おそらく政府御当局もお考えになっておらないと思います。
  331. 森本靖

    ○森本委員 いまやるとか、やらぬとかいうことを言っておるわけじゃないのです。この法律の実際に運用する場合の解釈を聞いておるのであって、そういたしますと、通信建設会社、メーカーというものも入る。そういうことになりますと、大きなPBXなんかも入ってくる、こういうことになるわけですね。それはなぜかと言いますと、「及び」というところで「公社の公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する業務を行うことを主たる目的とする事業」、こうなってまいりますと、たとえば相当大きなPBXというようなものもこれに入ってくるということになりはしないですか。これは大事なところですから、私は特に念を押して聞いておるわけです。
  332. 千代健

    千代説明員 PBXの場合には、たとえばある商事会社がそれをお持ちになっても、その会社が、この「公社の公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする事業」とは相ならないんじゃないか、私はこう思っております。
  333. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、PBXはこういうものには該当しないということですね、監理官
  334. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 ただいま営業局長からお答え申し上げたとおりでございます。
  335. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、メーカーではどういうメーカーが該当することになりますか。
  336. 千代健

    千代説明員 メーカーにもいろいろございますけれども、その営業品目と申しますか、製品と申しますか、電電公社からおそらくほとんど全部を発注されているというような場合には、この文言の解釈からは、「特に密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする」という場合にかかるのではなかろうかと思っております。
  337. 森本靖

    ○森本委員 なぜ私が念を押して聞いておるかというと、この範囲は、あなた方が政令できめることになっている。だから、政令でかってにぼこぼこきめられたんではかなわぬ。だから、その政令の内容というものを、質疑応答において速記録に明らかにしておきたいという点から、立法府として聞いておるわけでありますから、ひとつ明確にしていただきたいと思いますが、監理官、それではこの二項の政令というものは、どういう政令を考えておりますか。
  338. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 私の段階でさしあたり考えておりますのは、公社法の施行令に一条追加いたしまして、たとえば「日本電信電話公社が投資することができる事業は船舶に設置する電気通信設備を用いる公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業とする」、さしあたりそういう規定を設けようと考えております。
  339. 森本靖

    ○森本委員 日本船舶通信株式会社だけを条項に入れる、こういうことですか。
  340. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 日本船舶通信株式会社と具体的な社名をあげませんで、事業の範囲という形で……。
  341. 森本靖

    ○森本委員 もう一ぺん読んでみてください。
  342. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 私の段階なんでありますが、「日本電信電話公社が投資することができる事業は船舶に設置する電気通信設備を用いる公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業とする」、いまのところそういう案でございます。
  343. 森本靖

    ○森本委員 それは現在の政令であって、その政令はいついかなる場合においても大臣が変えることができるわけですね。だから、私が聞いておるのは、当面はその船舶通信会社だけだということであってもよろしいけれども、将来この範囲というものを一体どこまで考えておるかということをやはり明確にしてもらわぬと、これは審議を尽くしたことにならぬと思う。だから、この三条の三によるところの投資のできるところを、具体的に総裁あたりから、あるいは電気通信監理官からずらずらっとあげてもらいたい。これこれこれである、これ以外はいけませんというふうにはっきりしてもらいたい。そうでないと、これはそのときの大臣によって政令がどうでも変えられるわけであります。いま監理官が読んだような政令は、いま当面の対策であります。しかし、法律がこうなっておりまするから、その政令はいつでも変えることができるわけであります。投資先というものを、この条項において現在の段階でやれるというものを、具体的な例をずっとあげてもらいたい。
  344. 上林山榮吉

    ○上林山委員 関連して。  私もこの問題について質問をしておった関係もあり、また、ただいま問題になりましたので、関連して一言だけお伺いしておきたいと思います。  先ほど千代営業局長の答弁の中に、電電公社用の器具機械、そうした製品を大部分取り扱う会社はこの法律で投資することができる、こういう法解釈を答弁されたようでございますが、私に答弁したときにはそういう答弁ではなくて、たとえば、もしやるとするならばこういうものもなり得るかもしれないという程度で、わずかばかり例示をされたのであります。そのときの答弁ときょうの答弁とは食い違っているし、非常に拡大して解釈をしておる。拡大して解釈をすることができるということになれは、——そう非常識なことは実際問題としてはやらぬけれども、やはりここにはしっかりしためどというか、解釈というものをしておいてもらわないと困る。そういう意味合いにおいて、食い違っておるというか、拡大解釈というか知りませんが、きょうの千代営業局長の答弁は、あまりにも現実を離れた、拡大された答弁のように思うんだが、この点どう考えるか。  それから、第二点の政令で、船舶電話会社だけであるということを一応きめて、当分はこれでやれる。これは森本委員の言うとおりなんです。しかし、将来は、大臣がかわれば、政令というものは改正し得る、こう私も思うのです。そこで、この方針は、立法当時の精神というものをここ当分の間とか、あるいは五年ぐらいはとか、十年ぐらいはこれを動かさない方針である、こういうようなことを速記録に残しておくということが、立法者としても、あるいは提案者としても親切なんですよ。その当時の立法理由というものが相当の期間これを支配することは、これは法律を学んだ人はもちろんだれでもわかっているのでありますから、必ずしも条文に書かなくても、立法理由を確実に書いておくことによって制約を受けるのですから、やはりそれは一つ法律なんですから、そういうような法律、と言うとちょっとおかしいが、法律の解釈の非常なる有力な根拠になるわけでありますから、この点はいまの答弁ではいつまでたったって終着駅には着かぬ論戦のように見受けましたので、僣越でありますが、質問をいたしました。
  345. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの御質問、いずれもごもっともと存ずるのであります。私先ほどから問答を拝聴いたしておりまして、先ほどの森本先生お話は、そんないま考えていることよりも法律の解釈はどうなんだという意見でありましたから、営業局長は、後段の、「密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする事業に投資する」という解釈からいけば、法律上の解釈だけからいけばメーカーも入るだろう、その他いろいろなものが入るだろう、こういうことを申し上げたわけだと思います。しかしながら、その入るもの全部をやるのではむろんないのでありまして、その範囲はまず第一に政令できめます。その政令できめるのは、現在考えているのは、先ほど監理官の言われたような船舶会社だけである。ところが、その上にさらに、毎年必要のある場合には予算で第一にきめる。予算に計上しなければならぬわけであります。この予算は御承知のとおり必ず国会へ出るわけでありますから、国会の目をのがれてかりに大臣がやろうと思ってもやれない。その点で十分皆さんのお目に触れるわけであります。まずはその上にさらに大臣の認可によってきめる。いろいろの制約があるわけでありますから、そうむやみにやれるものとは私は考えておりません。
  346. 上林山榮吉

    ○上林山委員 現実に即した総裁の答弁は私も一応は了といたしますけれども、立法者としては将来混淆のないような解釈をしておくことが必要なんです。そういう立場から、千代君の答弁は、拡大した解釈に基づくか、あるいは何かの誤謬があるのではないか、こう私は思うのです。そこで法文を見てみますと、「公衆電気通信業務の一部を行なう」というものでなければならぬ。はたしてメーカーが入るかということは疑問です。第二は「公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する」というものであって、はたしてメーカーが運営に関係しているか。あなた方は単なる後段のほうのいわゆる「主たる目的とする事業に投資することができる。」ここに力を入れ過ぎていやしませんか。私は、この法の解釈はあくまでも業務に関係していなければならぬと言うのです。運営に関係が特に密接でなければならぬと言うのです。この法文は続いておりますよ。だから私は、法律常識としてだけ申し上げているので、深く研究はしておりませんが、私が直観した法律常識ではそういうように受け取れる。だから、メーカーがこれに入るという解釈は少し早計じゃないかという気がするのですが、もし明快な御研究があれば、その点を聞かしてもらいたいと思います。
  347. 大橋八郎

    大橋説明員 あまり明快とは言えないかもしれませんが、御了承願いますが、先ほどの一部云々ということですけれども、「公衆電気通信業務の一部を行なうことを主たる目的とする事業」、これは一部が切れておるわけですね。「一部を行なうことを主たる目的とする事業」、それから後段のほうは「及び公社の公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する業務」、この後段のほうにはメーカーが入るかどうかということです。前段はメーカーが全然入っておりません。そこで、この法律面だけから解釈すれば、メーカーも入り得るという解釈を申し上げたわけであります。
  348. 上林山榮吉

    ○上林山委員 運営という解釈のしかたによってこれが違うのですか。運営というものは品物までつくることもさすのか。つくったものをただ買うということは別ですね。だからそれは運営という意味に入るかということが私としては疑問なんです。私は入らないと思う。これは厳格に運営と業務というものを区別してもらわなければならぬ、こういうふうに考えるのですが、これは押し問答になるようならば、お互いにもう少し検討して結論を得たいと思います。ここで私は疑問符を打ちたいと思います。これはもう少し考えなければならぬ点でありますが、いずれにいたしましても、この問題は形式論的に言えば、入ると言えば入るかもしれぬ。しかし実質的に言えば、これは入るべきものではない。この法文の解釈のしかたですが、このままで十分なんですよ。このままで十分であって、メーカーは入らない。だから運営ということと業務ということに重点を置いて解釈をされると、後段のごときいわゆる「行なうことを主たる目的とする事業に投資する」というところに力を入れてしまうのですよ。これは少なくとも続いておりますから、ここに力を入れたらだめなんです。そういう意味合いにおいて、私は私の解釈が正しいと思っておるのですが、これは押し問答をしないほうがいいんじゃないですか。私は入らないと思います。
  349. 古池信三

    ○古池国務大臣 ただいま御質問になっております事項について、私から御答弁を申し上げます。  この第三条の三は、まず最初に「その業務の運営上必要がある場合」というので、一つのワクがこれでかかっております。さらに、ただいま後段が問題になっておりますが、これも「業務の運営に特に密接に」というので、これも非常にワクが入っております。さらにまたこの「業務を行なうことを主たる目的とする」というわけでありまして、「主たる」ということは、ほとんどこれのみにかかるというくらいの強いものでなければならぬと考えております。したがって、この後段は機械のメーカーは含まない、こう私はここで申し上げたいと思います。  なお、政令の解釈につきましては、あくまで厳格に狭く解釈をして適用してまいりたい、こう私は思っております。
  350. 森本靖

    ○森本委員 それから、もう一つ聞いておきますが、電電公社の予備費を法令上この投資に充てることができますか。
  351. 秋草篤二

    ○秋草説明員 初めてのケース考えてみたこともないのでございますが、予備費の性格からいいまして、従来の長い経験からしまして、予算の解釈上あるいは許されるかもしれませんけれども、実際上まず非常に不穏当なやり方だと思います。あり得ない、こういうふうに思います。
  352. 森本靖

    ○森本委員 これは「郵政大臣の認可を受けて、予算で定めるところにより、」とあるわけです。だから、本来ならば、予備費はあくまで予備費であるわけでありますから、投資予算ということではっきりしなければならぬわけでありますけれども、解釈のしようによったら、その予備費の中から緊急の度合いということで投資ができ得るという解釈もできるわけであります。だから、その辺の法律解釈をどのようにせられるかということを、いまのあなたのような答弁でなくして、政府なり総裁のほうからはっきりとした答弁を聞いておきたい。先ほど総裁から、予算を全部審議をせられるから、政令で云々と言われたところで、あなた方に権限がありますよということを言われたから、聞いておるわけであります。七千万円や五千万円くらいの投資でしたら予備費から出すことはできる。だから、予備費はこの第三条の三に当てはまらないということになれば、それはけっこうでありますけれども法律の解釈のしようによっては、法律上の解釈でありますから、法律だけの解釈でしたら、予備費からも出し得るという解釈もあるいはできるかもしれないというように考えるわけでありますが、その辺のことをひとつ郵政省からはっきりとしておいてもらいたい。
  353. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 公社の予備費に関しましては、公社法の第四十五条に「災害の復旧その他避けることができない事由による支出予算の不足を補うため、」と書いてございます。したがいまして、年度途中で投資するというような場合は、これに該当しないと思います。やはり必要が起こりますれば、補正予算によって御審議をお願いすることになるかと思います。
  354. 森本靖

    ○森本委員 それでは、この第三条の三の投資というものについては、予備費で充てるということはあり得ない、こう解釈してよろしゅうございますか、大臣
  355. 古池信三

    ○古池国務大臣 そのとおりと存じます。
  356. 森本靖

    ○森本委員 それから、メーカーは入らないということは、はっきりいたしたわけであります。そういたしますと、先ほど私が質問しておりますところの番号簿の問題、それから将来これはできるかどうかわかりませんけれども、ベルボーイ・サービス、これはこの項に当てはまる。そこで問題になりましたのは、公社仕事を全部請負ってやっておるところの通信建設工事、こういう会社が当てはまるかどうか。今日一級から四級までありますけれども、その会社はほとんどが電電公社仕事をやっておる。こういう会社が当てはまるか当てはまらぬか、これはひとつはっきりしておいてもらいたいと思います。
  357. 大橋八郎

    大橋説明員 先ほどちょうど問題になりましたが、後段の場合、特に密接に関係する業務ということで、建設会社のほうはこの条項に該当するものというふうに解釈しております。
  358. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、建設というふうな工事会社というものはこれに当てはまる、こう解釈するわけですか、大臣
  359. 古池信三

    ○古池国務大臣 ただいま総裁が答弁されたとおりに存じます。
  360. 森本靖

    ○森本委員 それからビルの掃除会社はこれに該当しますか。(笑声)これは冗談でなしに、電電公社の本社くらいの大きなものになりましたら、たとえば国際電電なんかの場合は、国際電電と別個に掃除会社がちゃんとできて、全部請け負っておるわけです。おそらく現在は共済会か何かがやっておると思いますが、かりにこれが将来会社組織になった場合に、当然これは公社がやらなければならぬものを請け負って掃除をするということになるわけでありますが、そういうものは一体どうなるかです。
  361. 古池信三

    ○古池国務大臣 先ほど申し上げましたように、私は、この法律の規定はできる限り厳格に解釈して適用すべきものだと思います。したがって「公社の公衆電気通信業務の運営に特に密接に関連する」とございまするから、そういう建物の掃除ということは、業務の運営には特に密接には関係しない。その建物の管理には密接に関係するでありましょうけれども、建物の管理と業務の運営とはやはり別個の観念であろうと私は考えております。
  362. 椎熊三郎

    椎熊委員 ちょっと。それは違うと思うのです。それは掃除会社電電公社専属のもので、電電公社の清掃を主たる業務としてやっておるものであるならば、私は対象になり得ると思う。しかし、今日東京にある掃除会社というものは、一軒や二軒請け負ったのじゃ間に合わぬから、営利会社もやっておればホテルもやっておる。そういうものは電電公社の事業とは密接なる関係ではないのですから、いま一般にあるようなものは対象にならぬけれども電電公社のみを対象にして掃除の会社ができたとするならば、それは対象になり得るはずだと思う。掃除をしなくてきたないところで仕事なんかできっこないですから、非常に業務に影響するのです。これはそう私は思うのです。けれども、これは要するに政令できめていくのですから、その際、大臣のおっしゃるような、なるべく狭義の解釈で厳格に取り締まっていくということであって、政令をつくる時分に御注意を願われれば、いまの御心配がなくなるのじゃないか。政令をつくれば、大臣がかわれば政令というものは幾らでも一変えられる。法的には変えられても、政治はそんな無責任なことはできないのです。一たんきめた政令を変えるのには、相当な理由がなければ変えられない。政令できめるということはそんなに軽いことではないと私は思う。
  363. 古池信三

    ○古池国務大臣 この辺はちょうど境目になっておるところがあるだろうと思うのであります。非常にむずかしいところでありますが、たとえば機械室であるとか、そういうところの清掃は、業務の運営に非常に重大な影響があるだろうと思います。しかし、そうでなく、業務と多少関係の薄いような場所を掃除するというような場合だったら、それほど運営には密接な関係はない、こういうことになるわけで、これは具体的の問題としてやはり処理せねばならぬかと思います。  そこで、ただいま委員会における御意見もございましたので、そういう点も十分に考慮に入れて、今後さような場合が起きましたときには、政令の規定なり、あるいはまた具体的には予算に計上せねばなりませんから、さような場合に予算に計上して皆さまの御審議をわずらわすことにいたしたい、かように存じます。
  364. 椎熊三郎

    椎熊委員 私はいかにも小さいことを言うようだが、今日の民主国会の本質的なあり方というものは、なるべく政令等に委任しないというのが根本の方針なんです。それですから、旧憲法時代には通常国会には三十数件より法律案が出なかったが、こまかいことはもうことごとく省令とかそういうものでやったのです。それが、新憲法のもとではなるべく許しちゃならぬというのが原則なんですから、政令で、役人の考え方でかってになるような法律のつくり方というものは、国会としては排撃しなければならぬ。これが原則なんですよ。そういう原則に立って議論はこまかくいきましたけれども、重大なことですから、これは郵政大臣としては特に御注意をくださいまして、われわれの杞憂するような点のないようにひとつ御配慮を願いたい。そういうことです。
  365. 森本靖

    ○森本委員 まあこのくらい質疑応答をやっておけば、第三条の三の解釈については大体輪郭というものが明らかになったと思いますが、いま椎熊委員も言われましたように、こういうふうになるべくならば政令にゆだねるというかっこうは行ないたくないというのがわれわれの考え方でありますが、これが政令で定めるということになっておりますけれども、かりにこの法律が成立をいたしまして、これを解釈する場合におきましても、この政令で定め得ることがきわめて幅が狭い解釈をしていただきたい。どんどん拡大をするような解釈をして、かって気ままな方向に持っていくということは重重ないように、ひとつこれは郵政大臣並びに電電公社総裁としても心がけておいてもらいたい、こう思うわけでありまして、その点に関する御意見をもう一回大臣総裁から聞いておきたい、こう思うわけです。
  366. 古池信三

    ○古池国務大臣 先ほどの椎熊委員の御意見、またただいまの森本委員の御意見、いずれもごもっともな点でありまして、私も全くそのとおりに考えております。したがって、今後この法律の運用につきましては、かような政令にまかす点についてはでき得る限り厳格に狭く解釈をいたしまして、これがいたずらに法の趣旨に反するようなことに流れないように、厳重注意をしてやりたいと考えます。
  367. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま大臣から仰せのとおりでございまして、私も、その運営につきましては、どこまでも厳正な狭い解釈で進みたいと思います。
  368. 森本靖

    ○森本委員 それから、今年度七千万投資いたしますところの日本船舶通信株式会社でありますが、これの仕事は、簡単に申しますとどういうことをやっておりますか。
  369. 千代健

    千代説明員 現在の船舶電話株式会社としてやっております仕事は、東京湾、駿河湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内、関門海峡、洞海湾、こういった主として港湾等の一部の海域に限られておるところで、船に無線機を取りつけ、それによって陸上の公社の基地を通じて陸地の一般電話と通話するように、そういった仕事をやっておるわけであります。それで、やっております仕事はその船に機械を取りつけ、あるいは取りはずす、この申し込みを受ける、あるいはその料金を集金する、こういった仕事をやっております。それから無線機の保守もやっておるわけであります。それからこの船舶電話のほかに、この会社は、横浜と神戸で、岸壁に着きました船舶公社電話を取りつける作業あるいは取りはずす作業——岸壁電話と申しておりますが、その仕事をやっております。
  370. 森本靖

    ○森本委員 そうしますと、海岸局と船舶間のいわゆる無線電話を行なっておる、こういうことですか。
  371. 千代健

    千代説明員 大体そういうことであります。
  372. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、その沿岸通信の沿岸側の無線局というのは、ずっといま言った範囲内に置いてあるわけですね。その沿岸無線局というのは電電公社の局ですか。
  373. 千代健

    千代説明員 陸上にあります無線局は公社の無線局でございます。
  374. 森本靖

    ○森本委員 将来船舶通信会社のいわゆる沿岸通信のための専用無線局というものを海岸に置くという計画はないのですか。
  375. 千代健

    千代説明員 無線局を会社が置くということはありません。
  376. 森本靖

    ○森本委員 そういう計画は全然会社としてはないのですか。
  377. 千代健

    千代説明員 会社としても持っておりませんし、私どものほうがやることに計画しております。
  378. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、この船舶会社というのは船上のみに行なわれる、こういうことですね。
  379. 千代健

    千代説明員 船舶無線に関します限りは船上のものだけでございます。その無線局も公社が免許をちょうだいして、それで船の中に設置する、こういうものでございます。
  380. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、このサービスを拡充する場合に、沿岸局は現在の公社の局だけで完全に足り得るわけですか。
  381. 千代健

    千代説明員 先ほど監理官の御説明にあったと思いますが、三十八年度から四十年度までの予定をもって現在考えておりますが、全部で三十九局をつくりますと、日本海域の全部をこれでおおう……。
  382. 森本靖

    ○森本委員 いま何局……。
  383. 千代健

    千代説明員 三十八年度では十五局、この間通りました三十九年度の予算では十五局、四十年度で九局、こういうことになっております。
  384. 森本靖

    ○森本委員 この周波数はどの周波数を使っていますか。
  385. 千代健

    千代説明員 百五十メガ帯を使っております。
  386. 森本靖

    ○森本委員 将来これをずっとふやした場合に、それでいいわけですか。
  387. 千代健

    千代説明員 いま割り当てられている周波数、あるいは不足の場合には若干の増加があるかもしれませんが、それで将来の需要を大体全部まかない得るであろう、こう考えております。
  388. 森本靖

    ○森本委員 電波監理局のほうはどうですか。
  389. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 電波監理局といたしましては、公衆通信の重要性にもかんがみまして、公社の計画に即した十分な波を用意するつもりでおります。現在はとりあえず三十二波を用意しております。
  390. 森本靖

    ○森本委員 そういたしますと、最終的な三十五局については、それに完全に波を与え得る、こういうことですか。
  391. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 そのとおりでございます。
  392. 森本靖

    ○森本委員 さらに私は、この会社の経営その他について聞いておきたい、こう思っておりましたけれども、時間があまりありませんから、審議に協力いたしまして、この程度で私の質問は終わりたいと思いますが、先ほどのこの解釈の問題が一番重要でありますから、重ねて申し上げておきますけれども大臣が答弁をせられたとおり、慎重な解釈によってこの運営を行なってもらいたいという希望を申し上げまして、私の質問を終わります。
  393. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 受田新吉君。
  394. 受田新吉

    受田委員 短時間に能率をあげますが、最初に十七日の公労協のストに関連して大事な問題を一つ、二つお尋ねします。  大体公労協の争議に関しては、三公社五現業、こうした対象になる当事者というものが力がない、能力的に限界がある、予算措置においても限界がある、こういうことになって、実際問題としてはこれは容易でない事態を招く危険があるわけなんです。たとえば調停案が出る。そうした調停に際会して、調停段階で労使が合意に達したということがあっても、しかしそれを法律的に制約する、政府与党がこれを実行しなければならぬという制約規定がない。こういう問題で、公労委のあり方、公労法の問題を基本的に研究する段階にきておるのではないか。これは公社と現業の両方で、たいへんな重役を背負わせられておる国務大臣郵政大臣の御答弁を願います。
  395. 古池信三

    ○古池国務大臣 公労委の仕事、またその性格についてどうかというお話でありますが、これはきわめて重大なる問題と考えます。現行法のもとにおきましても、調停については、私どもとしては、いろいろの制約はありますが、これはできるだけ尊重してまいりたいという考え方でおります。また、調停の結果なお不十分であるというような際は、仲裁裁定の道も開かれておるわけでございますから、やはりこの第三者機関である、紛争解決の重大なる使命を持っておられます公労委の十分なる活動ということをこの際期待いたしておるのでありまして、いま直ちにこの委員会をどうするこうするということについては、私はまだ十分なる検討をいたしておりません。
  396. 受田新吉

    受田委員 これは非常に大事な問題で、再検討段階にきていると思う。大きな壁がある。政府、国会両方とも、調停段階で双方の合意に達したものの拘束力がない、予算の裏づけもないという、こんな大きな欠陥を根本的に是正する段階にきておると思う。国務大臣としてあなたは二つの重大な対象を握っておるのでございますから、真剣に取っ組んでもらいたい。  もう一つ、特に最近民間では労使双方の代表者による協議会制度なるものが各所に出ております。これは民間企業で多く採用されている。諸外国では経営参加の形式をもって協議会方式は非常に重視されておる。しかるに、民間がそういう方向へ進んでおるのに、この公労法の適用に当たる人々との間においては、そういう制度が設けられておらない。産業民主化を目標にする現段階日本の政治目標を達成する意味からも、ひとつ労使双方の協議形式、経営参加、ある部分においては労働者の代表にも企業の実態に触れさせて、その一部の苦難をともにさせるという、こういう方式を採用すべきじゃないかと思うのですが、これも国務大臣としてあなたの御答弁を聞く以外にはないことですから、あなたはいまいい地位にあられるのでございますから、この労使双方の協議制度というものを採用されて、企業参加の一翼をになわせる方式を御採用される決意はないかどうか。
  397. 古池信三

    ○古池国務大臣 この問題についてはやはり慎重に考慮すべきであって、いまこの段階においてどうこうというような問題ではないと私は考えます。現在におきましては、現行法である公労法というものを尊重しまして、その規定に従っていくのが最善であると考えております。
  398. 受田新吉

    受田委員 少し進歩した政治家の頭脳をもってこの事態に処してもらいたい。私強力な要望を申し上げて、あなたひとつ閣僚の一員として内閣を動揺させるほどの発案をしていただきたいと思います。  では、本論に入って、この改正案に直接関係する今度の投資対象になる舶舶通信株式会社に対する御質問を申し上げます。  この法律によって出資を受ける会社に対する政府の監督権はいかなる形で行使されようとしておりますか、御答弁願います。
  399. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 政府としましては直接に監督権というものを行使することはございません。ただ公衆電気通信業務の一部を公社から委託しておりますので、すでに委託については郵政大臣の認可が出ておりますが、それを通して間接に監督するということになるかと思います。
  400. 受田新吉

    受田委員 これは将来年次計画的にまた投資額がふえていくということも考えられると思うのです。そういう際に現在増資部分の七千万円を投資するわけでございますから、二億円としても三分の一以上を投資しておる。その投資しておる電電公社そのものが、その監督官庁である郵政省において間接的なある部分の監督しかできないということになると、これはまた問題になると思うのです。もう少し業務のあり方について、少なくとも郵政省として相当額の投資部分を持つ会社に対する監督権の行使ということを考える必要はないかと思うのです。
  401. 畠山一郎

    畠山(一)政府委員 投資に際しまして郵政大臣の認可ということがございますので、その際に会社の内容などいろいろ検討することによって監督をいたしたいと思います。
  402. 受田新吉

    受田委員 この船舶通信株式会社は、三カ年計画で百五十メガを中心とした周波数の割り当てによって船舶通信業務の遂行に貸そうという御計画のようでございますけれども、従来の二メガ帯を持っておる、中短波の利用をやっておるところの内航船舶というものを今度百五十メガに切りかえる場合に、事実問題としてどういう支障が起こるか。当局としては十分検討されておると思いますが、御答弁願います。
  403. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 沿岸を航行いたしております船につきまして、今度電電公社のほうで公衆通信によって船と一般公衆との間の通信をすることに相なったわけでございますが、それができます前に、御指摘の内航船につきましては、二メガ帯の電波をもちまして必要なる通信をいたすように取り計らった次第でございます。百五十メガに変わります場合と現在の二メガ帯の場合におきましては、もちろん波の性質が違いますので、その点の違いが出てまいります。また船と船との間の通信の問題であるとか、それから保安上の問題であるとかいう問題がいろいろ出てまいることになってくるのでございます。それらを含めまして、百五十メガのほうに波が非常にございまして、二メガ帯の波は切迫して増波することがほとんど不可能でございますので、電電公社による百五十メガ帯によって通信をまかなっていくということに踏み切らざるを得なかったような次第でございます。
  404. 受田新吉

    受田委員 そうすると、百五十メガ帯によってすべての船舶に何年か計画で完全に装置させるということになるのですか。
  405. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 二メガによります波がもうございませんので、百五十メガによらざるを得ないという事情がございますので、今後の船の通信につきましては、公社の沿岸電話を使ってもらうということにならざるを得ないのであります。
  406. 受田新吉

    受田委員 それに関連してですが、設備資金において二メガと百五十メガではどの程度の相違点がありますか。
  407. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 二メガ帯のほうにつきます無線機は、建設費などを含めまして、大体四十万円程度のものであろうかと思います。今度電電公社のほうで御計画になっておるものにつきましては、電電公社のほうから御答弁があると思います。
  408. 千代健

    千代説明員 御利用の関係と建設費の関係は違いますけれども、私どものほうのものは五十万円ないし六十万円のものであります。
  409. 受田新吉

    受田委員 設備資金は大した相違がないということですね。これは間違いありませんね。  それと、もう一つ、現在百トン以上の漁船を含んだ内航船舶でどのくらい中短波の二メガを備えつけておるのか、めくらの船がどれだけあるか、現時点における数字をあげていただきたい。
  410. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 二メガ帯を使いまして通信をしております、いわゆる内航船舶の数といたしまして、二百四、五十に相なるかと思います。
  411. 受田新吉

    受田委員 残余の盲目船に対して、これを完全に解消する時期をいつにねらっておられますか。
  412. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 私のほうといたしましては、船から申請がございます場合に、これに対して波があれば免許してまいりますので、そのほかにどのくらいのめくらの船があるか、相当現在申請がきておるところを見れば、なお相当そういう要求があるということはわかっておりますが、全体の船の船種その他につきましては、海運局のほうから…。
  413. 隅健三

    ○隅説明員 ただいま五百トン以下の鋼船でありますと、貨物船で千八十八隻、油送船で八百六十二隻、計千九百五十隻が五百総トン以下でございます。
  414. 受田新吉

    受田委員 運輸省としては、いまの二メガと百五十メガ、両方を共用させて、共存共栄させるという方針かどうか。
  415. 隅健三

    ○隅説明員 運輸省といたしましては、ことに内航船主は非常に企業が零細でございまして、資産、信用力も非常に薄い業者でございますので、現在使っております二メガの内航無線を今後も一続けて、百五十メガと並存してやっていただきたいという希望を持っております。
  416. 受田新吉

    受田委員 窮迫している内航船舶の経営状況を見たときに、また海難等がしばしば起こって、昭和三十七年度においては千五百隻という海難をやっておる。三十八年度の前半期においても千三百隻の海難をやっておる。こういう驚くべき悲劇を繰り返さないためにも、無線設備を現在の中短波、二メガでこれをひとつ大いに増設して、めくらの船をなくすといういまの運輸省の方針は非常にいいと思うのです。郵政省もこれに協力して、内航船舶の経営上の不振を何とかして救うとともに、めくらの船をなくして海難をなくすという運輸省と同じ方針になりませんか。
  417. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 私たちといたしましては、電波のある限り船に無線をつける、そういうことによって海難が少しでも少なくなれば、これに越したことはない、こういうふうに考えております。
  418. 受田新吉

    受田委員 今度の法律改正で、船舶通信株式会社がこの仕事を進めていくのには百五十メガが中心になるということになる。そこに中短波の二メガもこれで経費的にも節約できるし、それからもう一つ海岸局の問題がある。海岸局においてもこれは長距離通信ができるという便益もあるわけです。その百五十メガの通信距離というものは非常に短い、そういう形も十分考慮して、中短波を簡便に取りつけて、海岸局の存置をはかっていくという形は、一応郵政省もお考えになられていいと思うのです。いかがでしょうか。
  419. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 二メガ帯の波によりますと、非常に夜間等におきましては遠距離に届くということがございます。百五十メガサイクルが非常に短距離である、こういうようなことは確かに御指摘のとおりでございます。しかしながら、二メガ帯の波は漁船その他にも非常にたくさん使っておりまして、これ以上波の出しようがございませんので、どうしても今後の波の申請に対しましては百五十メガ帯をもってやっていただくよりほかないと思います。したがいまして、私たちといたしましては、電電公社の沿岸通信、沿岸電話が、なるべくみなの使いやすいように、安い料金でやっていただければいいというふうなことは、大いに期待しておるわけでございます。それから、保安通信上の問題につきましても、その御配慮があればいいということも考えておる次第でございます。そういうような形になって公社の沿岸通信が非常に普及した場合におきましては、もちろん公衆通信でございますから、今度は日本全国にもかけられるようにもなりますし、それはそれとしてまたいいところが出てくるわけでございます。そういうところの、実際上これが開設されまして実用に供されました場合におきまして、どのようにこれの利用がはかられてくるか、そういうような実態をよく見ながら、現在の二メガ帯を、あるいは公社の公衆通信のほうがいいということで、みんなが喜んでそちらをお使いになってくれるようになるかもしれませんし、そこら辺は実情を見ながら現在の二メガ帯の今後の免許を考えていきたい、こういうふうに考えております。
  420. 受田新吉

    受田委員 それでは質問を終わりますが、運輸省の要望もあるし、それから郵政省もそういう二メガ帯に対する配慮もあるということで、少なくとも現時点においてはこの両方を共存共栄させていくという方針を郵政大臣もひとつ十分含んでいただきたい。よろしゅうございますね。
  421. 古池信三

    ○古池国務大臣 ただいま電波監理局長が申し上げたとおりであります。
  422. 受田新吉

    受田委員 じゃ終わります。
  423. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 ほかに質疑もないようでありますから、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。
  424. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより討論に入ります。  討論の通告がありますので、これを許します。安宅常彦君。
  425. 安宅常彦

    ○安宅委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になっております日本電信電話公社法の一部を改正する法律案に対しまして、反対の討論をいたします。  私が反対する理由の第一点は、その必要性が全然ないということであります。本改正案の審議を通じて明らかになりましたごとく、この投資条項の新設は、日本船舶通信株式会社という既設の、しかも公社みずから示唆してつくらせたという、そういう会社に対する投資を対象としているのでありますが、なぜ投資が必要なのか明確でありません。  この船舶通信株式会社は、御承知のとおり昭和二十七年に創立された会社でございますが、今日まで赤字を続けております。ここ一、二年どうやら五分配当にこぎつけている現状でありますが、現状の経営実態ではその前途に不安がないとは言えません。資本金一億円を倍額増資するに際して、そのうち七千万円を電電公社が引き受けるというのは、まさにまるがかえと同様であります。かりに船舶電話サービスが公衆電気通信立場から絶対に必要だというなら、公社みずからがその経営をやるのが至当であります。このことは赤字、黒字ということを云々する性格のものではないでしょう。しかし、私にはその必要性が理解できませんでしたし、本委員会における審議を通じてみましても、積極的な解明も政府からは何らなされておりませんでした。電信電話公社の膨大な予算から見れば、七千万円の投資額はそれほど問題とはならないかもしれません。けれども、私に言わせれば、この金は電話を利用する全国民大衆の料金収入が充てられるのであります。その金が、積極的な理由も明示されることなく、一企業に投資されるということは、絶対に納得できないのであります。  次に、私が反対いたしたい第二点は、電信電話公社が意図する投資条項の新設が、船舶通信株式会社に対する投資だけにとどまらず、対象が拡大悪用されるおそれがあるということであります。おそらく、投資条項の新設は、サービス向上という名分を悪用し、新会社の組織を通じて、電通事業の請負の拡大、公社役務の民間会社への肩がわり、そういう肩がわりなど、電信電話公社法の第一条で言う公衆電気通信による国民の利便の確保、公共の福祉増進の目的はもちろん、公社当局が常に都合のいいときには口にしている電気通信事業の一元的運営の原則にも反すると思うのであります。  また、この投資対象事業は政令によって定めることになり、国会での新たなる議決を必要としないことから、きわめて無責任な投資が行なわれる危険性があるのであります。この点国鉄、専売公社における同様の条項は、本改正案よりももう少し具体性を持った規定となっているのでありますが、本改正案はそれが抽象的であるだけに、公社の独善的意図の働く範囲が非常に大きいことをおそれるものであります。いや、これまでのあり方を見ても、またこの改正条文そのものの抽象的な文章から見てもわかりますように、必ずそうなると断言してもはばかりません。  公社が扱う業務のうち、委託できる根拠は、公衆電気通信法第七条、第八条によるものであり、その思想はかなり限定されていて、国際電電及び郵政省における電信電話業務がその大半であります。しかしながら、この改正案は、単に投資条項の新設のみでなく、委託の範囲を拡大するねらいがあると思われるのであります。委託に対する乱用をさせない歯どめがどこにもないことに、公共の立場から大きな不安を感ずるものであります。  私が反対したい第三点は、その緊急性がないということであります。  電信電話公社は、昭和二十七年八月、電信電話事業の合理的かつ能率的な経営体制を確立するとともに、設備の拡充強化を促進し、サービスの改善をはかるために、公共企業体として発足したのであります。しかしながら、公共企業体の性格に対する理解が不十分であるため、十年以上を経過した現在、なお官営時代の制約が払拭されず、経営の自主性及び民主性の確保及び職員に対する待遇改善については、種々の問題を残しているのであります。現にこの問題がやかましくいま社会の問題として大きく取り上げられておるのであります。  私どもは、かかる観点に立って、この国会日本電信電話公社法改正案を提案し、経営委員会の機能を拡充して経営の自主性と民主性を確保するとともに、公社の収支予算、事業計画及び資金計画については、郵政大臣の意見を付して国会の承認を得るようにすること、電信の損失赤字を生じたときには、予算の範囲内で相当額を政府が交付することなどの改正を行なうよう主張しているところであります。緊急性を云々するならば、むしろこのわが党の改正案をすみやかに成立させるべきであって、公社の目的からは離反するおそれのある投資条項の新設をここに強行しようとすることは、本末転倒もはなはだしいといわなければなりません。  私はそのほかに言いたいことはたくさんあります。このような国民一般を犠牲にして、一つの資本というものを擁護するための実例は、数えれば枚挙にいとまがございませんが、この重大な一つの例というものが今日強行されんとするにあたって、私は煮え返るような憤りを覚えながら、本法案の反対理由の主たる内容だけを申し上げまして、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)
  426. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  427. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 起立多数。よって、本案は可決すべきものと決しました。  本案に関する委員会の報告書の作成等につきましては、先例により、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  428. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕
  429. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 この際、古池郵政大臣及び大橋電電公社総裁から発言を求められておりますので、これを許します。古池郵政大臣
  430. 古池信三

    ○古池国務大臣 公社法改正案につきましてはただいま御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。  なお、御審議中にお述べになりました御意見については、今後これを参考といたし、投資条項の運用にあたりましてはあくまで厳格に運用しまして、乱用にわたらないように十分注意をいたしたいと存じます。
  431. 加藤常太郎

  432. 大橋八郎

    大橋説明員 日本電信電話公社法の一部改正に関する法律案を連日の御審議によって御可決いただきまして、まことにありがとうございました。  審議中に、質疑応答の際にいろいろ述べられました御意見につきましては、十分御趣旨の存するところを体しまして、この適用については厳格を期したいと考えております。
  433. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 次会は明十六日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時五分散会