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赤澤国務大臣 いま茨木市の職員組合と市側との交渉の過程が問題の中心になっておるようでございますが、私は茨木市の実態、実は詳しく知らないわけでございます。しかし阪上先生がおっしゃる場合には、隣の町で長く責任者もしていらっしゃったわけですし、この間も御
質問になりました地方議員のお手盛り報酬の引き上げなどについてあなたの御
意見も伺いたいと言ったわけですが、大体私
考えますのに、やっぱり労働条件の維持改善のための
団体交渉ということになりますと、まだ市町村、しかも小さいところに至るほどふなれであって、いたずらにびくびくおそれてしまって、また組合のほうも少し荒っぽいところが確かにあるんじゃないだろうか、やっぱり地域
住民のためによかれかしと思ってみんな働いておるわけですし、何か妥協点は別な観点から見つけなければならないし、私は見つけられると思う。これは大きな観点から私最近
考えておりますことを、特に阪上
委員にも御相談してみたいのですが、最近ずっとベースアップだとか、国家公務員、
地方公務員等にはいろいろ問題が出てきて、それが今度のストライキにも
関係があるわけですけれ
ども、三十九年度の
提案になって通りました総予算を、私は別の角度から分析してみたわけなんです。ところが御
承知のとおりに、
地方自治関係の総歳出は、国の歳出よりもはるかに多いことは御
承知のとおりでございます。これは府県民税、市町村民税にさらに交付税だとか加えたものが総額が三兆一千三百八十一億円でございます。その中に公務員の給与がどのくらいあるだろうかということを大ざっぱに鑑定してみましたところ、大体一兆一千二百二十三億円、これは先ほど指摘になりました議員の報酬、
委員の報酬などがそのうちで百四十六億円、それから義務教育職員に支払われる給与費が四千百五十三億円、警察が一千億円ばかり、一般職員が五千八百四十八億円というような数字が出ておって、給与費の割合は総歳出の三六%を占めておるという事実、これは阪上
委員は十分御
承知のとおりですが、これにとどまらないわけですね。いろいろな
事業費の中にももぐって——もぐってと言ってはおかしいですが、計算上含まれているものも全部表面に出しました場合には、
相当大きなパーセンテージを占めておるわけなんです。にもかかわらず、やはりこの生産面に従事をしておるいろいろな職場あたりのベースアップの状態を見ますと、利益があれば分配を要求するのは働く人の当然の権利ですから、これは上がっていくのだが、それと
均衡あるベースアップを公務員が求めるというところに非常にむずかしい点があると私は思うのです。これはどの府県だって市町村だって同じ悩みを持っておると私は思う。一体給与水準というものはどこまで上げられるものか、また上げていいのかということについて、私は根本的にいろいろなことを
考えておるわけなんです。私はいつも申し上げるように、実は役人の経験がないものですから、こういった面についてはちょっと違った角度からものを
考えておるわけでございます。にもかかわらず、今日の公務員の給与水準というものは、これでいいとは私は
考えておらないわけなんです。どこに妥当な点を見つけるか。それにはまた
財源措置を当然
考えなければならぬわけですが、私自身もこういった地方
行政に責任を持つ者の一人として、非常な悩みを持っておるわけでございます。これが小さくは、おそらく茨木市の問題になってあらわれてきておるのじゃないか。私はこの茨木市の問題は、つまびらかには
検討いたしておりません。しかしとにかく、いま御
質問からもほぼ察したわけなんですが、その前提として、市当局と職員
団体とはどういう形で
団体交渉に入ったのか存じませんけれ
ども、同じ町に住んでおるわけですから、また地域
住民のしあわせのために、奉仕者としてみな働いておるわけだから、その間の意思の疎通と申しますか、どうして
調整がはかられなかったものかということについて、私もおっしゃるとおり大きな疑問を持つわけです。ですからいま茨木市そのものの赤字がどういう
原因で派生しているかということについて、何かまだ十分な
検討は、私も聞いておりませんから行なわれていないとしたら、もう一ぺん私の
立場から当局に厳命しまして、この赤字の分析をして、そうして事実指導しなければならぬ面があるとしたら、自治省のほうでも指導しなければならぬと
考えるわけでございます。しかし、あなたはあの辺の事情は一番お詳しい方ですから、あなたからも率直な御
意見をまた別の席で拝聴したいと
考えるわけでございます。