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1964-02-04 第46回国会 衆議院 地方行政委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月四日(火曜日)    午前十時二十一分開議  出席委員    委員長 森田重次郎君    理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君    理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君    理事 藤田 義光君 理事 安井 吉典君       伊東 隆治君    大石 八治君       大西 正男君    亀岡 高夫君       亀山 孝一君    久保田円次君       武市 恭信君    登坂重次郎君       村山 達雄君    森下 元晴君       山崎  巖君    秋山 徳雄君       千葉 七郎君    華山 親義君       細谷 治嘉君    栗山 礼行君  出席政府委員         自治政務次官  金子 岩三君         自治事務官         (大臣官房長) 松島 五郎君         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君         自治事務官         (税務局長)  細郷 道一君  委員外出席者         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 二月四日  委員篠田弘作辞任につき、その補欠として伊  東隆治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員伊東隆治辞任につき、その補欠として篠  田弘作君が議長指名委員に選任された。 二月三日  昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税  の総額特例に関する法律案内閣提出第四七  号)  奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第四八号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案(  内閣提出第二七号)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第  二三号)  昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税  の総額特例に関する法律案内閣提出第四七  号)  奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第四八号)      ————◇—————
  2. 森田重次郎

    森田委員長 これより会議を開きます。  昨三日付託になりました、内閣提出にかかる、昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案及び奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を順次議題とし、政府から提案理由説明を聴取いたします。金子自治政務次官
  3. 金子岩三

    金子政府委員 ただいま議題となりました昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  前特別国会において可決成立を見た第二次補正予算により、国家公務員給与改定に準じて地方公務員についても給与改定を行なう場合の所要経費財源措置を含め、本年度における地方交付税法第十条第二項の規定による各地方団体財源不足額合算額に相当する額の普通交付税を完全に確保できる見通しであり、この結果、普通交付税総額は、五千四百四十九億円、特別交付税総額は、臨時地方特別交付金を含め、三百六十三億円の見込みであり、昨年度に比べ、それぞれ、八百九十億円、四十七億円程度の増加と相なっております。  したがって現在御審議を願っております第三次補正予算によって増額される地方交付税の額は、百三十七億円でありますが、現行制度によりますれば、その全額地方交付税法第六条の三第一項の規定により、本年度特別交付税総額に加算されることとなるわけであります。  もとより、地方財政の現況は、いまだ立ちおくれている行政水準引き上げ等のため、さらに多くの財源を必要としているのでありますが、特別交付税総額も昨年度に比べかなり増額されていることでもあり、また、本年度もすでに余すところ幾ばくもない時期となっております上、予定されている地方税制改正等明年度における地方財政の変動に対処する必要等を考慮すれば、この際、今回の補正予算によって増額計上される地方交付税の額につきましては、災害等新たに緊急の財政需要を生じない限り、その全額を翌年度に繰り越し、明年度地方交付税総額に加算して配分することといたしたいと考えるのであります。  以上が昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに、御可決あらんことをお願い申し上げます。  引き続き、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由並びにその内容概要説明申し上げます。  奄美群島復興につきましては、奄美群島復興特別措置法に基づき、昭和二十九年度初年度とする復興計画が策定され、これに基づいて各般の事業を実施してまいったことは、御承知のとおりであります。  復興計画は、昭和三十八年度をもって終了することになるのでありますが、復興事業の実施により基礎的な公共施設は一応の整備を見、民生も安定して、群島の面目は一新されつつあるのでありまして、群島住民生活水準を戦前の本土生活水準に達せしめようという復興計画の目標はほぼ達成し得るものと考えておるのであります。  しかしながら、この間におけるわが国経済の伸張は著しいものがあるため群島住民生活水準は現在の本土に比較すれば、なお、その半ばにも達しないのでありまして、復興計画の成果を維持し、さらに群島住民生活水準の向上をはかるためには、引き続き特別の措置を講ずる必要があるのであります。  このことにつきましては、昨年の第四十三回国会における奄美群島復興特別措置法の一部改正に際し、衆参両院地方行政委員会におきましても、附帯決議がなされたところであります。  政府といたしましては、このような理由から引き続き振興五カ年計画を策定し、復興計画を補完するとともに、主要産業振興中心とする事業の推進をはかるべきであると考え、ここに本法律案提案いたした次第であります。  次に、この法律案内容概要について、御説明申し上げます。  第一に、題名を奄美群島振興特別措置法に改め、目的に主要産業育成等措置を講ずることを加えるとともに、法律有効期間昭和四十四年三月三十一日まで延長することとしたのであります。  第二に、新たに昭和三十九年度初年度とし、五カ年度にわたる振興計画を策定することとし、これに基づく事業を円滑に実施するため、所要規定整備をはかったのであります。  第三に、奄美群島復興審議会及び奄美群島復興信用基金の名称を、それぞれ奄美群島振興審議会及び奄美群島振興信用基金に改めることにしたのであります。  第四に、奄美群島振興信用基金融資業務に要する資金に充てるため、国は予算で定める金額の範囲内で出資することができる旨の規定を設けたのであります。  第五に、復興計画に基づく事業により取得された国有財産のうち、特定のものについて、それぞれの関係地方公共団体に対し、譲与する旨の規定を設けたのであります。  以上、この法律案提案理由並びにその内容概要について御説明したのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 森田重次郎

    森田委員長 以上で、両案についての提案理由説明は終りました。  なお、両案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。      ————◇—————
  5. 森田重次郎

    森田委員長 次に、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案議題とし、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。大石八治君。
  6. 大石八治

    大石(八)委員 公営企業金融公庫法改正があるわけでありますが、その対象になる地方公営企業のことについて少しお伺いしたいわけであります。  例の公共料金ストップという一つの大方針がありますけれども、御承知のとおり、六大都市等公営企業が長い間料金改定を申し出ているにもかかわらず、これがストップをされている事態の上にまた今度の事態が起きているように思いますが、たとえばバス事業について一体料金認可をする所管の省、あるいはその段階はどこでするのか、たとえば地方都市のような場合でこの問題を取り上げている場合は、一体だれがこれをやっているのか、運輸大臣の、一切大臣権限なのでしょうか、地方出先機関にそれが対象になっているのか、なお、その間に関して自治省というものは一体どういうことでこれに関与するのか、地方財政立場からいえば自治省も非常に関係が深いと思うのでありますが、その点について私は承知をいたしませんので質問いたすわけでありますが、自治省というものはその間どういう関与ができるのか、その点をお伺いをいたします。
  7. 柴田護

    柴田政府委員 交通事業料金認可権限運輸大臣でございます。ただ、非常に小さなものにつきましては、運輸省の中の権限内部分配で、陸運局長所管にされているものがあるようでございますが、大部分は運輸大臣権限でございます。ただ十二、三年前だったと思いますが、閣議了解でもって運輸大臣権限を行使いたします場合に、経済企画庁に合議する、こういう閣議了解がなされております。私ども料金そのものにつきましては、特段の権限はないわけでございますが、ただ私どもといたしましては、地方公営企業財政指導運営指導というものにつきまして指導をする責務がございます。したがいまして、その関係から交通事業経営内容等をしょっちゅう見ておるわけでありまして、交通料金引き上げといったような事態が起こります場合におきましては、私どものほうにも交通事業担当者から話があるのでございます。その上で運輸省に対しましても側面的にいろいろ口添えをする、こういう立場であります。今日までそのような方向で動いてまいりました。
  8. 大石八治

    大石(八)委員 そうしますと、いままでの経過の中では、たとえば過去二年間なら二年間というふうに区切ってもいいのでありますが、六大都市以外の都市あるいは府県等公営企業については、値上げ等の問題について出先運輸局認可をされたものがあるのでしょうか、ないでしょうか。
  9. 柴田護

    柴田政府委員 公営企業に関します限りは、ほとんどございません。
  10. 大石八治

    大石(八)委員 そうしますと、今後もそうゆうことはないということでございますか。
  11. 柴田護

    柴田政府委員 公営事業につきましては、今後も運輸大臣で処理される、かように考えております。
  12. 大石八治

    大石(八)委員 そうしますと、現在の六大都市その他中小都市等から、実情について、いわゆる値上げといいますか、それの申請の出ているもの、これから出るものもあろうと思いますが、国の物価政策という立場からかなり強い態度で、いわゆる値上げを認めないという方針でいかれると思うのであります。そういう場合に、今度は地方財政立場からいえば、このことは、そのまま済まされない事態も実はあり得るというふうに私は想像ができるわけであります。したがって、何らかの財政援助をするのでなければ、自治体自体としても、かなり困窮した立場に入っていく問題が実は想定をされるわけであります。これらに対して何らかの準備の措置といいますか、考え方が一体なされる段階に入っているのかどうか、それらの点についてお伺いをいたします。
  13. 柴田護

    柴田政府委員 現在問題になっております交通関係料金問題は、バス料金がおもでございます。六大都市バス料金につきましては、昭和三十六年の七月から三十七年の三月までの約半年の間にわたりまして京都市を除く五つの都市から料金改定申請が行なわれたのでありますが、その間いろいろ運輸省で御討議になった結果、三十七年の暮れになりまして、運輸省から経済企画庁に対しまして協議されたわけでございます。経済企画庁から、公営交通事業採算が悪くなった原因というのは、民間企業に比べまして非常に給与水準が高い、したがって、料金改定を行う前にまず経営面合理化をやるべきでないか、こういう意見が出されました。そこで私どもも入りまして、運輸省経済企画庁自治省、三者の間で協議いたしまして、その結果、五大都市から交通特別会計合理化計画を出さす、それから公営交通全般に通じまして基本的に合理化対策をどうするかということについて調査会をつくって、これを検討する、こういうことで一応話がついて、五大都市からは改定計画と申しますか、経営合理化に関する計画を立てて、私どものところを通して運輸省に提出されました。また調査会につきましては、三十八年の四月に、公営交通事業協会というのがございますが、公営交通事業協会の中に公営交通事業財政調査会というものをつくりまして、学識経験者あるいは関係官庁主管係官をその中に含めまして検討したのであります。それが去年の十二月の末に意見書が出されたのでありますが、その意見書が出ます前後に、物価問題懇談会から公共料金の一年間据え置きという答申が出されました。その後十二月の二十日、それからことしの一月十七日の経済閣僚懇談会でこの据え置きという方針が確認され、一月二十四日の閣議で六大都市公営バス料金につきましてはこの際は改定を見合わす、こういうことになったわけであります。私どもといたしましては、バス料金改定経緯から考えまして、経営合理化を推進するかたわら、バス料金改定必要性があるということを運輸省にも申し、経済企画庁にもたびたび話をしたのでありますが、そういう経緯を経て今日まで至っておるわけであります。大方針として一年間据え置きということがきまりました以上は、今後の措置をどうするかという問題で、運輸省経済企画庁とも現在いろいろ検討いたしておるわけであります。しかしながら、当面の措置といたしましては、たとえば資金繰り等の問題を措置するということが一点でありますが、公営交通財政調査会答申には、政府措置によってこういった合理的な料金引き上げ措置というものがなされなかった場合においては、それに対しては必要な損失補てん措置等がとられなければならぬといったようなこともありまして、運輸当局に対しましては、それによるところの企業経営に生ずる損失等について適切な措置をとってもらいたいという要請をいたしております。一方また公営交通の本来の公営交通事業自体の問題といたしましては、こういった当面の料金改定問題等もさることながら、公営交通自身を取り巻きますいろんな環境が変わってまいっておりますので、どうしても、公営交通も含めまして公営企業全体について、あるべき姿と申しますか、今後どのような方針運営していくかという基本問題につきまして、この辺ではっきりした方針を見定めて、公営企業改善合理化と申しますか、そういった方向に進むべきであろうという考えを持っておりますので、明年度から地方公営企業調査会というものをつくりまして、そこで公営企業あり方等につきまして基本的な方針を御検討を願って、その結果を尊重しながら、公営企業の基本的なあり方を見出して運営指導するかたがた、当面の経済問題につきましても対処していく、こういう方針で現在おるわけでございます。
  14. 大石八治

    大石(八)委員 合理化計画内容のこまかいものはよくわかりませんけれども、聞いているところによれば、従業員年齢構成というのが非常に、年寄りといいますか、民間企業に比べて高くなっている。したがって、いわゆる給与額というものがかなり高くなっている。そういう点が指摘されているように聞いております。また、たとえば都心中心の網ができておって、いわゆる郊外からの関係が少ないという点でまた非常に運行上の不利があって、経営上の不利な点をつくっているというような点が指摘されて、そういうことの合理化が求められているようでありますけれども、たとえばその二点だけ考えても、方針はわかっていても、その従業員を改めるということは、ことばで言ってもそんなに簡単なものではないと思います。それから運行の全体の計画を変えるといっても、これも実はそれほど簡単ではないようです。指摘された事項の解決というのは、やはりある程度の年月を要する問題のようにも思います。それから調査会が基本的な問題の調査をするということになりますけれども、その調査会審議というものは一体どれだけかけて、いつまでに完了するのか、その辺のことも不明確でありますけれども、短時日にできるものではないというふうに思います。したがってその間に累積される赤字というのも、かなり巨大にふくれ上がるという感がいたすわけであります。したがいまして、当面どうしていくかという問題について、もう一度お考え伺いたいし、また先ほどのことばの中には、それに対する何らかの財政措置もしなければならぬだろうというお話もありましたが、それはどこの省の責任においてやるのか、その辺についてもう一度お伺いをしたいと思います。
  15. 柴田護

    柴田政府委員 公営交通事業全体の問題といたしましては、このように経営全体が悪くなってまいりました原因として、いま申されましたような給与面中心とする経営面の問題、あるいは料金引き上げが長いこと抑制されてきたような問題、さらにはまた公営企業を取り巻きます環境、つまり路面電車効率が非常に悪くなった、また都心中心運行しておりますバス効率も悪くなった、一方地下鉄というものは、それ自体におきましてはペイをしませんけれどもこれは進めていかなければならぬ、こういった要因がいろいろ重なってきておる。そういうような原因が今日相錯綜して、交通事業収支の悪化というものを来たしておる、こういうことを財政調査会答申では指摘しておるわけでございます。私どももそのとおりだと思うのでありますが、これを立て直すには一朝一夕にはもちろんまいりませんけれども公営交通事業というものをどのように考えていったらよいか、つまり個々の事業路面電車バス事業地下鉄あり方というものをどう考えるか、またそれの経営形態をどう考えるか、公営というもののあるべき姿、公営の限界と申しますか範囲と申しますか、そういうものをどう考えるか、かりに公営で三者一体でやるべきだということを考えました場合にも、その場合の経営形態は今日のあり方ではたしていいか、といった問題があるわけでございます。私どもはお説のように調査会をつくりまして、こういった公営企業を取り巻く基本問題の調査をお願いいたしましても一朝一夕にはいかぬと思っております。大体私どもは二年くらいかかるだろう、こういう考え方設置法改正法案の御審議を願う手はずをいたしております。しかしながら同時に、お話しのような問題も当面あるわけであります。基本的にこういった事業をどうするかという問題とあわせて、当面せっついておりますところの経営収支改善ということをどうするか、この二つの問題で調査会の御審議をわずらわしたい。経営収支の問題につきましては、もっと早く御審議をお願いしたい。基本問題については、やはり二年くらいかかるだろう、こういう感じでございます。  それから現在問題になっておりますのは、バス料金引き上げに関する措置をどうするかという問題であります。バス料金引き上げに対する直接の措置としては、一応運輸省主管でございまして、運輸省が押えられる以上は、これに対する財政措置というものを運輸省案として考えるべきである、こういう考え方に立って運輸当局にはお願いしておるわけであります。私どもも決して無関心ではございませんで、私どもは私どもなりにどうすべきかということで問題を検討いたしております。当面の問題といたしましては、企業の経理は御承知のように企業会計をとっておりますので、当面の問題としては、資金繰りをどうするかという問題が主だと考えております。
  16. 大石八治

    大石(八)委員 終わります。
  17. 森田重次郎

  18. 華山親義

    華山委員 公営企業全般あり方についてお聞きいたしたいと思いますが、あまりにこの方面の仕事を離れてから長くなっておりますので、あるいは初歩的な質問も出るかと思いますが、お許しを願いたいと思います。  ただいまもお話のありましたように、現在の公営企業は、経済的に非常な危機に入っていると私は思います。現在におきましては非常に危険な様子を含んでおります。たとえば電気事業につきましてはプラスの面がありますけれども工業用水その他の面につきまして、貧弱な地方、後進地区的な地方におきましては、先行投資をやっておりますので、毎年非常な赤字を出しております。その他水道事業等につきましても非常に高い料金を取らなければいけない、こういうふうな状態になっておりまして、これの赤字の面は各府県あるいは市町村等におきまして、繰り出し等措置によって一時を糊塗している、こういう状態でございまして、こういうふうな状態が長く続いていいものであろうか、その点の根本的なものの考え方をまず第一にお聞かせ願いたいと思います。
  19. 柴田護

    柴田政府委員 私どもといたしましては、公営企業の健全な発展というものをこいねがっておるわけでございます。したがいまして、公営企業につきまして、お話しのように現在非常に困った状態にもあるわけでございますが、何とかこれを改善して、そのあるべき分野において公営企業のあるべき機能を発揮してもらう、こういうことを念願しておるものでございますが、お話しのように現在水道事業でも工業用水道でも、非常に経営が危ぶまれるという状態が出始めております。これは原因を見てまいりますれば、たとえば水道事業とか工業用水事業につきましては、最近の需要増大に伴いまして拡張工事が行なわれている、工業用水の場合は先行投資もございますが、資材等の値上がりによりまして建設費が非常に高い。  また金利負担も高い。こういったものがこういう水道関係では採算をくずしておるところの大きな原因だと思うのであります。こういったものにつきましては、財政面だけから考えますれば、そういった金利の引き下げ、つまり現在の金利負担をもっと安くするといったような問題、あるいは償還期限を延ばすといったような問題、こういった問題があるわけでございまして、そういった問題につきましては、私ども在来からも努力してまいりましたけれども、今後ももっと努力していかなければならぬ、こういうように考えておるわけでございます。しかし基本的には、一体公営企業というものはこういう経済面においてどのような地位を占めるべきであるか、あるいはまた公営企業であります以上は、独立採算制をたてまえにするわけでございますが、その場合でも、日本の今日の公営企業は大体借金で全部やっておる。つまり企業から考えますれば、普通の民間の場合に比べていいますと、全部借り入れ資本である。どこの会社でも自己資本というものがあるわけでございます。そこで自己資本蓄積ということになってまいりますれば、公営企業でもやはり必要だと思うのでありますが、そういう場合に自己資本蓄積をどのような方法でやるか、もっとはっきり申し上げますならば、一般会計との関係をどうするか、こういった問題もあるわけでございます。そういった問題は、企業ごとに違うわけでございまして、そういった企業の本質にわたる問題をこの辺でやはり考え直す必要があるだろう。そこでそのほうの学識経験者中心とする調査会をつくりまして、そこで御検討願い、その御検討を得て、一つ基本方針を打ち立てまして、基本的な公営企業あり方に基づく健全な経営というものをやっていきたい。いままではどちらかと申しますと、公営企業けっこうじゃないかということで、大いに進めてきたわけでありますけれども、この辺で、やはり企業を取り巻きます環境も変わってきてまいりますので、はっきりと行くえを見定めて、そしてその方針に従って健全な経営指導していきたい、かように考えておるわけでございます。
  20. 華山親義

    華山委員 抽象的にはそのとおりだと思いますが、ひとつ具体的な方向として、その方向に進んでいただきたいと思います。  それから、企業会計におきまして赤字だという場合に、一般会計から繰り出しをしてやっておりますが、このことにつきまして、いいと思いますか、悪いと思いますか。
  21. 柴田護

    柴田政府委員 経営収支赤字というものを、漫然と一般会計から補てんするということは、公営企業のたてまえからいいますならば、適当とは考えておりません。と申しますのは、現在は、公営企業であります以上は独立採算制であるというたてまえがあるわけでございます。したがいまし、そういう意味からいきますならば、好ましくない。しかしながら、問題は、そもそも自己資本というものがないわけでございます。したがって、企業経営基盤は本来弱い。そこで公営企業におきます自己資本というものの充足をどう考えていくかという基本問題、そのことにつきましては、企業ごとに違いますし、いまここで私どもがこう考えるという結論を出すのも早い。そこでそういったものにつきましても、基本問題の一つとして、調査会審議をわずらわしたい、かように考えております。
  22. 華山親義

    華山委員 私は非常に心配をいたしておるものでございますが、公営企業赤字一般会計で埋めているのが現状でございます。また独立会計、公営企業会計になっております面につきましては、一般会計から公営企業に貸し出しをいたしまして、そしてプラスマイナス赤字が出ないというふうなかっこうに一般会計がなっているのが実情でございます。しかし現在の状態におきまして、一般会計から繰り出したところの貸し金というふうな形のものが、はたして埋められるかどうか、私は非常に疑問に思っておるのでございますが、そういうことにつきまして根本的に検討を願いたい。  もう一つは、財政計画におきまして、現在一般会計がそういうような繰り出し金というものを出しまして、プラスマイナス・ゼロというかっこうになっておりますが、一体財政計画をお立てになる場合に、そういう点を御考慮になってお立てになるのですか。
  23. 柴田護

    柴田政府委員 公営企業自身は、独立採算制をたてまえにいたしております関係上、地方財政計画上は、公営企業に対しまする繰り出し金は考えておりません。ただし、準公営企業等につきましては、現在の財政計画の中ではある程度入っております。それは、過去におきます実績を基礎にいたしております関係で入っておるというように思うのであります。  それから、先ほどお尋ねの、公営企業の現実の運営として、一般会計から繰り出しているものをどう処理するかという問題でありますが、これも先ほどちょっとお答え申し上げましたように、一般会計公営企業関係で、たとえば地下鉄の場合を考えますならば、地下鉄の場合は、ある程度公営企業である地下鉄に対して、一般会計から出していいものもあるじゃないか。つまり公営企業とはいいながら、一般会計負担とすべきものがあるのではないかというような意見もあるわけでございます。またその他の企業につきましても、一般会計負担とする、つまり営業経費という形でもって負担をするものと、また出資という形をとってしかるべきものというような問題があろうかと思います。そういう問題をやはり企業ごと一つの基準をきめていく、そして指導してまいらなければ、お話のように一般会計公営企業との関係が非常に乱れてしまったり、また公営企業経営が不健全になってしまう、こういうようなことがあろうかと思うのでありまして、そういう問題もあわせて基本問題の一環として考えていきたい、かように考えております。
  24. 華山親義

    華山委員 私のお尋ねしようとする点に、ぴしっと当てはまるような御答弁がないようでございますが、御無理のないことかと思いますけれども、このままで参りますと、非常に財政規模の大きいところの府県あるいは市町村、そういうところはどうかわかりませんが、非常に平生財政が小さくて困っている、そういうところの府県及び市町村は、私は企業会計赤字のために金繰りが圧迫され、非常な困難な問題に逢着することがあるのではないか、こういうことを心配いたしております。企業会計独立採算制なんだから別なんだ、一般会計はほうっておいてもいいんだという原則があるならば、私はよろしいのでございます。現在そうなっておりません。その点につきまして、財政の計画等につきましても、企業会計に対して一般会計がどんなような負担を負っているのか、そういう点を考慮されまして、いろいろなそういう点につきましてのこまかい御検討及び財政措置をお願いいたしたい、こういうふうに考えます。これはお願いでございます。  次に伺いますけれども水道事業等につきまして、この公庫から出るかどうか、問題は別にいたしまして、新しく水道事業をやる市町村、これは大体貧乏でございます。その住民の貧乏人が多い。そういうところは非常に水道料が高くなる。昔から発展をしておってやっていたところの市、そういう面は非常に安い単価でできております。したがって、はなはだしい例を考えますと、私のくにの近所では、新しくできたところの水道の料金は昔からあったとここの七倍に達しておるということでございます。したがって現在の結果におきましては、貧乏人は高い水を飲め、こういうことなんであります。こういうふうなことは一体許されていいのかどうか。採算制の公営企業、そういうことから出てくるところの欠陥じゃないか。できれば日本国じゆうの人は、水くらいは同じ値段で飲んでもいいのじゃないか、そういうことにつきまして、自治省等の指導的な方針をお伺いいたします。
  25. 柴田護

    柴田政府委員 私ども水道事業をやはり公営企業として従来把握をしてまいっております。したがって、企業として水道を考えます場合には、おっしゃるような矛盾が出ているわけであります。しかしながら、おっしゃるように、やはりこの問題は事人命に関する問題であります。したがって料金面のあまりはなはだしい矛盾を、ほうっておいていいのかということになりますと、これはやはり考慮を要することになろうかと思うのでありますが、そういうことになってまいりますと、どういう形でその合理化をはかっていくか、水道会計の収支を長期的に見てどういうぐあいにやるか。その場合でもあるいは資金問題も出てまいるわけであります。これはつまりならして考える、あるいはまた一般会計との関連も出てまいるかもしれません。それはまさに水道企業というものを今後どう考えていくかというところの基本問題につながるわけであります。残念ながら私どもは、現在の段階でこうするのだという考え方を持ち合わせておりません。と申しますのは、あまりに問題が大きい。いままでの指導は、それはある程度やむを得ないものとして指導してまいったわけであります。しかし、そうも言っておれない面が出てまいっておるのではないか。そこでそういう問題も含めて、これも逃げ口上とおっしゃるかもしれませんけれども、的に考え直す必要があるのじゃないかということを、現在は考えておるわけであります。不合理は、御指摘のように私どもにはわからぬことはないのでありますが、いままでのたてまえから、その不合理を直すという百八十度の転換をするといたしますれば、そこにはいろいろ複雑な問題が出てまいり、そう簡単に片づく問題ではないのではないか。そうすれば、公営企業あり方という基本問題にさかのぼってしまうのではないか、かように考えております。
  26. 華山親義

    華山委員 私は、そういうふうな生命に関するような、どうしても困るような問題を、自治体のみに——これは自治体の仕事だという自治法の関係もありますけれども水道事業は市町村、そういう自治体のものだというふうな根本的なものの考え方から直していかなければ、この問題は解決しないと思う。ここでむずかしいことは言いませんが、飲む水というふうなものは国がやるべきことじゃないか。自治体の範囲といたしまして、飲む水を自治体のものだというふうにただ割り切っているところに間違いがあるのじゃないか、そういう点につきまして、ひとつ御研究を願いたいと思うのでございます。  それからいまひとつ伺いますが、公営企業法に基づくところの公営企業におきまして、たとえばここで電気事業工業用水事業を行なっているといたします。工業用水につきましては、先行投資でございますから、ほとんど収入がございません。そういうふうなことで、もう一般会計でしょっていかなければならない。そういうふうな状態でございますが、片方で電気事業がもうかっている——もうけるということばは使いませんが、剰余金ができておる。その際に特別会計として、工業用水事業のマイナスを電気事業の利益金では埋められないという制度になっている。これは片方は通産省がその使い道を厳重に監督している。そういうふうなことになっておりますが、これはいい点もありますけれども、しかし、そういうことでいいものでございましょうか。一応独立採算制としまして、公営企業というものを始めた以上、ある程度二つの事業の間に、比彼融通があっていいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
  27. 柴田護

    柴田政府委員 私は、いまの御質問に対しましては、先行投資をしておるわけでございますから、当面は建設費が非常にかさんでおりますから、工業用水事業赤字になるということはあり得るわけであります。しかし、それは将来ある年限がたちますと、その間の損益は平準化してくる。したがって問題は、当面の金繰りの問題であります。片一方で電気事業会計で利益をあげますれば、そこから安い利子で貸し付けてもいいわけでありますから、そういうかっこうで問題は片づくのじゃなかろうか、いまの御質問に対してはさように考えるわけでございます。しかしながら、いまの公営企業あり方として、事業ごとに一つ独立採算制を要求している。したがって、そういう場合の此彼融通のしかたが、もう少し簡便に考えられる方法があるのじゃないかというふうな意味にも御質問はとれるのでございますが、それはやはり一つ考え方の問題で、そういうことを考えて悪いといういうに私は考えておりません。しかしながら、それにはやはり一つの仕組みが要るだろうと思います。そうしますと、どういうような仕組みをつくっていくか、この問題もやはり将来の問題としてあるのではないか。とにかく事業ごとに独立採算制をとるのは、企業としてあたりまえでありますが、その原則の上に立っての間に若干の調整作用を企業間に設けるということが必要じゃないかとおっしゃれば、私は全然必要はないとは申し上げません。そういう必要もあるかもしれません。その場合にどういう仕組みを考えていくか、問題は将来の研究問題だというように実は考えます。それから先ほどお話のありました水の問題につきましては、御意見もごもっともだと思いますし、将来、問題として私どもも慎重に検討してまいりたいと考える次第でございます。
  28. 華山親義

    華山委員 このたび提案された問題についてお伺いいたします。これは間違っていれば訂正いたしますが、政府出資金が、他の公庫に比較いたしますと、圧倒的にこの公庫に対して少ないのはどういうわけでございますか。
  29. 柴田護

    柴田政府委員 私どもといたしましては公庫の出資金がこれで満足だとは決して考えておるわけではございませんけれども、ただこの公庫はほかの公庫と違いまして、政府の政策金融というものをやらないわけでございます。そういう意味でほかの公庫に比べますならばむしろ安全性が高いと申しますか、そういう意味合いから政府の出資金がほかの公庫と比べて非常に少ない、こういう現状になっておるかと考えます。
  30. 華山親義

    華山委員 私はいまのお話は了解いたしかねます。最も住民の生活に密着したところのものをやっておるわけでございまして、それに対して、こんなにも顕著に政府出資金が少ないということは、了解いたしかねる。これは大蔵省にも委員会で聞かなければいけないかもしれませんけれども、いまの御答弁につきましては、失礼でございますが、私は何かわかりません。  それからもう一つ伺いいたします。元利保証ということがございますが、どういう場合に元利保証の実態を生じますか。
  31. 柴田護

    柴田政府委員 公庫の出資金の問題につきましては、私どももこの出資金が多いとは思っておりません。実は常々大蔵省当局にはもっとふやすべきではないかという意見を申し上げておるのでございまして、先生の御意見と私ども意見とは、そんなに違っているとは思いません。ただこのようなかっこうで抑さえられているのは、公庫の持つ性格が、政策金融を行なっていないのだから、つまりよその公庫に比べますならば経営基盤というものが安定をしておる、したがってそうふやす必要はないのだということが常々私どもが公庫当局から聞かされることばでありまして、そういう意味合いでお答え申し上げたわけでございます。私ども自治省といたしましては、この出資金の額で十分だとは決して思っておりません。それから政府保証債を置いておりますのは、やはり公庫債券というものの価値を高めるという意味合いで保証債にしておるわけでございまして、要するに債券の消化をよくするという意味でございます。実際にその債券について政府保証の実行されたことは一度もございません。
  32. 華山親義

    華山委員 少し攻撃的になりますから御了承願いたいのでございますが、それは各府県や市町村の一般会計が、先ほど言ったとおり、どういたしましても結局は一般会計がそういうことをカバーしているから、政府において元利保証がなくなるということじゃございません。現実の問題、これが採算制の企業としてやっている。そういうことが現在におきまして、どれだけマイナスが出ているか。これだけのマイナスができるならば元利保証というものは当然出てこなければいけない。これが企業経済の根本だと私は思うのです。それがなぜあなたのおっしゃるとおり出ないかということは、結局において一般会計がカバーしていくからだ。そういうようなことになりますと、私は元利保証ということは、それは一般会計がカバーするからないんだ。こういうことになりませんか。お聞きいたします。
  33. 柴田護

    柴田政府委員 公庫が、公庫の債券を発行いたしまして、それが公庫が実行しないということになりますれば、おっしゃるようにそれは元利保証するのでございますから、公営企業債券について、政府一般会計からいろいろ措置をするということになります。なりますけれども、実際問題といたしましては保証債というものの持つ意味は、結局うしろに政府があるのだということで、公庫債券の地位を高める、こういう意味を持つのでございます。
  34. 華山親義

    華山委員 ただ名目的にこういう名前をつけておけば高まる。それで金利も安いんだ。こういうことになると思いますが、それもいいと思いますが、この中に私、間違っておったならば教えていただきたいのでありますが、一部を保証債にして一部を保証債にしてないなどということはどういうわけでありますか。
  35. 柴田護

    柴田政府委員 縁故分で、地方職員共済組合の引き受けにかかるものを、政府保証債にしていないのでございます。あと政府保証にしておりますのは、要するに公庫債券として一般にシンジケート引き受けにかかるもの、その分を政府保証債にしておる。おことばのように、地方職員共済組合にかかる分につきましても、政府保証をつけるべきじゃないか、こういう意見もかねがねあります。今日までの段階政府の監督しておるところの公営企業であり、それを引き受けますものは、また地方職員共済組合の金もまた政府が厳重に監督しておる。監督しておるのだから、そこに保証というような問題をつけなくてもいいんじゃないか。こういうごくあっさりした考え方に立っておるわけでございますけれども、理屈を追っていきますと、債券の趣旨としては、政府保証債をシンジケート引き受けの公庫債だけに限る必要はないんで、縁故分についてもつけたらという意見も成り立つわけであります。なお慎重に検討いたしたいと思います。
  36. 華山親義

    華山委員 監事の制度が変わるわけであります。監事の権限が増すようでありますが、いままで監事がかつてこの公庫の運営あるいは合理化等につきまして、意見を提出されたというような事例がございますか。
  37. 柴田護

    柴田政府委員 さような事例はございません。この規定を設けましたのは、ごく率直に申し上げますと、政府の中で行政管理庁が主になってあちこちの公庫を実際に調べまして、その結果、やはりもっと監事の権限を強めて公庫、公団の業務の運営を能率化すべきではないか。こういう考え方意見が出まして、その意見に基づきまして公営企業金融公庫につきましてもつけることにしたのでございます。したがいまして、これは公庫、公団一般を通ずる行政管理庁の監察の結果に基づく措置でございます。
  38. 華山親義

    華山委員 私はいままでそういうことは一ぺんも出てないということをお聞きいたしまして、がっかりしたのでありますが、どういうわけでそういうことが——非常にじょうずにりっぱに運営ができている結果だということであれば、私はそれでけっこうなんでございますけれども、そういうような意見も出ないということ、意見がある場合には大臣まで出すというようなことをしてもしかたがないのであって、もっと監事というものが活発に、熱心に仕事ができるような方向につきまして、ひとつ自治大臣はその方向に、形式の問題よりも実質の問題に努力すべきである、こういうふうにお願いをいたします。  なお、もう一つ伺いますが、私が先ほど申し上げましたとおり、非常に、比較的少ないという問題ではございません。政府出資が他の公庫よりも圧倒的に、比較にならないほど少ないということであります。私はそれはどういうわけでこの公庫が、そういうふうな虐待ということばはおかしいのでございますけれども、特別な扱いを受けているのか了解をいたしかねるのでございますが、今後ひとつこういう方面につきまして、もっと政府出資の多くなるような方向に、他の公庫よりも、一見しただけでなぜこれがこんなに少ないのだろうかと、ふしぎな観念の起きるほど少ないというようなことにつきましては、私はもう少し根本的な政治的あるいは経済的な理由があれば別でございますけれども、先ほどお伺いしたところではそれほどのことも私にはわかりません。今後努力していただきたいと思うのでございます。  なお、ひとつお伺いいたしますが、これは地方行政委員会の問題でないかもしれませんが、言うことがおかしいというならばとめてください。最近の日本銀行勘定を見ますと、貸し付け金というものがほとんど増加しておらない。国債の保有高というものもほとんど増加しておらない。どんどん増加していくのが、この日本銀行勘定におきまして雑といってあげておる分であります。雑というのは一体何か、おそらく買いオペレーション、売りオペレーションの残高が入っておると思うのでございますが、このようにして政府で出資する、あるいは出すべきものを銀行に出させて、それが日本銀行の買い上げ、こういうふうな結果になっているのではないか、私はいまここで断定はできませんけれども、それが一つの日本銀行を通ずるところの銀行券の増発になっているのではないか、私はここで最後に資料としてお願いいたしますが、日本銀行勘定の非常な多額を占めるところの雑という部分の中に、政府保証債というふうなものが幾ら入っているのか、またその内訳というものをひとつ私に資料として見せていただきたい。こういうことをこの委員会に述べていいかどうかわかりませんが、お願いいたします。  これで大体の質問を終わります。
  39. 柴田護

    柴田政府委員 ただいまのお話は残念ながら私ども主管でございませんので、私ども実は内容ををつまびらかにいたしませんが、お話しでございますので、大蔵当局にお話しして資料を提出いたしたいと思います。
  40. 森田重次郎

    森田委員長 細谷治嘉君。
  41. 細谷治嘉

    ○細谷委員 若干重複する点があるかもしれませんけれども、二、三の点について御質問したいと思います。  けさの新聞を見ますと、先ほどいただきました物価安定に対する具体策に関連いたしまして、こういうことが載っておるのですが、運輸省関係自治省は知らぬとおっしゃるかもしれませんけれども閣議了解二十四日に基づく措置で、ハイヤー・タクシー、三十キロ未満の定期路線バス、貸し切りバス、定期トラックなど、地方陸、海運局長がきめていた運賃も、本省の承諾がない限り値上げできないことになった。かなり中央に権限を、いわゆる本省の指示というものが決定的になってきたわけでありますが、こういう問題について、この運輸省通達に対して自治省としてはどういうふうにお考えになっておりますか、伺いたい。
  42. 柴田護

    柴田政府委員 事は運輸省の内部の権限問題でございまして、もちろん私ども所管ではございませんが、まあ公共料金ストップというものの効果を強めるという意味合いで、そういうものをすべて運輸大臣の手に引き揚げて、そこでコントロールしよう、こういうことじゃないかと推察するわけでございます。私どもは、その話は聞き始めでございまして、運輸省からはまだ伺っておりません。
  43. 細谷治嘉

    ○細谷委員 このことは、物価安定対策ということについて政府として強い方針で臨むということを示したことでありまして、一運輸省の問題ではないのじゃないか、こう思うのです。そういたしますと、今後地方公営企業というものの収支に関連した問題が、当然なこととして起こってくるわけでありますが、このけさいただいた資料によりますと、ますます悪化しつつある地方公営企業経営収支改善の方策について別途検討中である、こういうふうに書いてございます。別途検討中ということでありますが、具体的にどういうお考えを持っているのか、お聞かせいただきたい。
  44. 柴田護

    柴田政府委員 私どもの気持ちは、先ほど来申し上げました中に大体尽きているわけでございますが、地方公営企業経営収支の悪化というものの原因をいろいろ当たってまいりますと、企業によりましていろいろ違います。それで当面非常に経営が悪くなって困っておりますのは、御承知のように水道だとか、あるいは一番ひどいのは交通でありますが、交通、水道、病院、こういったものが赤字が非常にひどくなっております。しかもそれらの原因は、いろいろあるわけでございまして、一がいにこうだというきめ手はないのでございます。これを大ざっぱに申し上げますならば、料金の問題ももちろんその一環であります。それからまた金利負担という問題もその一環であります。また経営合理化を欠いておるということも、その一つであります。それらが企業ごとにいろいろ織りなしておるわけでございます。ただそれを、当面の措置と基本的な措置という二つの問題に分けていかなければならぬのではなかろうか、私どもは、さように考えておるわけです。当面の問題というのは、やはり料金ストップというものに関連があるわけでございますが、要するに資金繰りに困る、その資金繰りをどうするかということが当面の問題であろうと思います。基本的には先ほど来申し上げましたように、公営企業あり方というものの関連において、たとえば一般会計との関係、病院でいいますならば、病院というものの経営を準公営企業として運営する場合にも、一般会計とどうつながりを持つべきものか、水道につきましても、先ほど華山先生からいろいろ御質問がございましたが、やはり料金との関連で、一般会計との関係が出てくるんじゃないか、交通問題で申し上げますならば、地下鉄経営収支の問題と一般会計との関係といったような問題、料金のきめ方につきましても、やはりいろいろの問題があるわけでございます。さような問題を総合的に勘案をして、公営企業の果たすべき分野と、これに対する財政的な手段としてのいろいろなもののあり方、こういうようなものを考えていくべきであろうと思うのであります。したがって、基本的に私どもが物価安定対策に関連して出しました通牒に響いております別途検討中という問題につきましては、そういった基本問題については調査会を四月以降つくりまして、そこで基本対策とあわせ考えるというのと、当面、財政再建をいたしますところにつきましては、資金のあっせんをいたしておりますが、そういう措置も進めていく。経営合理化とあわせて、当面の収支改善のための資金的措置考えていく。両方をさしておるわけでございます。
  45. 細谷治嘉

    ○細谷委員 大体、地方公営企業収支については、地方公共団体が責任を持つべきものでありまして、これは常例であります。それを政府物価政策という形で抑制するわけであります。これはやはり資金のあっせんというようなもので片づく筋合いのものではないと思うのです。昨年の十二月に、「公営交通事業財政の改善に関する意見書」というのが公営交通事業財政調査会——いまの財政局長さんの名前はここに見えておりませんけれども、この委員の中には、自治省の前財政局長奥野さん、当時は次官であったのでしょう、それから大村さん、参事官である松島さん、こういう委員の方が、こういう意見書を出しているのです。その意見書の中には、「もし国が低物価政策等の観点から改訂を抑制する場合においては、所要措置を講ずることが必要である」なるほど地方公営企業の財政再建の要領によりますと、資金のあっせんという程度で逃げておるわけです。この意見書にも書いてありますように、「所要措置を講ずる」ということは、政府物価政策の重要なてことしてこういうものをやるとすれば、いまおっしゃったような抽象的なことではなくて、もっと具体的な裏づけをやらなければ、年々悪くなっておる、もう、どん底にきておる、危機にきておる地方公営企業というものはたいへんなことになると思うのです。無責任だと思うのです。もう少し具体的にどうするかお聞きしたい。
  46. 柴田護

    柴田政府委員 私どもも何も資金のあっせんだけで、はいさようならという気持ちは毛頭ございません。もとより経営収支改善のためには、経営合理化も必要でございましょうし、それに伴う各種の財政措置も必要でありましょう。また同時に、料金引き上げを抑制したということについての損失を、どういう形で収拾していくか、こういう問題について、政府はどうするかという問題は別にあるわけでありますが、これにつきましては運輸当局ともいろいろ話し合っております。当面交通問題でありますが、交通問題につきましては、運輸当局と話し合いを進めて、どういうふうに損失をカバーするか話し合っております。また水道等につきましては、経営収支の悪化の原因の大きなものは、やはり建設資金の膨大化にあるわけでございまして、これらのものにつきましては、そういった金利負担等についての軽減措置をどうするか、こういう問題がやはりあるわけであります。そういう観点から、金利負担合理化といった問題につきまして、これをどう措置するかということで現在検討しております。
  47. 細谷治嘉

    ○細谷委員 抽象的で何ですけれども、全国市長会の公営交通事業関係をやっておる協議会というのがございます。その協議会が一これは交通事業に関して主として要望いたしておるわけですが、その要望書を見ますと、かなり具体的に書いてありますが、こういう危機に瀕しておる地方公営企業収支改善しようとすることに対するいわゆる物価政策から、抑制ということが強力に伴うなら、最低限この程度のことをやはりしなければならぬのじゃないかという気持ちが私もするのですが、その第一は公共料金の抑制措置に伴う収支上の損失については、抑制期間中その損失を補償してほしいという要望が出ております。それから第二は、すでに融資された交通事業債等の償還期限の延伸あるいは借りかえ、そういうものと、利子の引き下げということをすみやかに実施してほしい、こういうことがいわれております。とにかく金を返すなんということはできないわけですから抑制された部分、赤字部分、損失については当然補償すべきで、これは当然のことなんですね。そういう事業債についても、たとえばその期間中借りかえあるいは利子の引き下げ、できなければ利子補給、こういうものをやってほしいという強い要望が出ております。私も同感ですが、これについてどういうふうにお考えですか。
  48. 柴田護

    柴田政府委員 その要望は私ども承知いたしております。大体において、若干問題がないでもございませんけれども方向においては私どもは賛成でございます。そういう方向で現在いろいろ関係各省と相談もし、交渉もしておるわけでございます。
  49. 細谷治嘉

    ○細谷委員 その方向において賛成だというおことばでありますが、具体的に予算措置等はお考えでありますか、あればひとつお漏らしいただきたいと思います。
  50. 柴田護

    柴田政府委員 損失補てんの問題ということになってまいいりますと、具体的にどういうことになるかという計数の問題等も伴うのであります。また損失補てんということになってまいりますと、経営合理化との関連も出てまいるでありましょう。そういう問題は、若干私が問題があると申し上げましたのは、交渉していく上においていろいろの議論が出てまいるだろうと思います。しかし、金利引き下げ等の問題につきましては、これはできればいいことに違いないのであります。その問題につきましては、もうそういう理論的な問題ではなくて、別の問題、一般の金利との関係があるかもしれませんけれども、われわれとしては、少なくともその方向で今後努力すべきものだ、現にそういう方向で話を始めておるわけでありますけれども、その方向につきましては、私どもはやっていくべきものだと考えておるわけでございます。ただ、最初の損失補てんの問題につきましては、繰り返すことになりますけれども経営合理化との関連でいろいろ議論が出るだろう、かように考えております。
  51. 細谷治嘉

    ○細谷委員 その方向につきましては賛成だというおことばで安心しておったのですが、どうも局長さんのおことばの中に、すぐ経営合理化という取引的な要素、あるいはむしろ取引でなく前提、経営合理化しなければだめだ、−問題は地方公営企業合理化、これはいろいろこの意見書にも指摘されておるように、やらなければならぬ問題がございます。これは当然これをやっておる地方公共団体の責任であります。それに対して政府指導する自治省指導する、これは当然なことでありまして、それをたな上げするということは許されませんけれども、問題は、そういうことから起こったのじゃなくて、いま問題になっておるのは、物価抑制政策を強力に推進する、こういうことから起こったのであって、経営合理化というものを前提とするとか、あるいはそういうものを条件としていまのような方向考えるということは、ちょっと理屈に合わない、筋が通らぬと思うのです。問題は、そういう政策からくる問題を、政府としてどうすべきか、こういうことであって、経営合理化の問題は当然なものであるし、やはりパラレルにこれは行なっていく、推進していくということであって、これを引っかけるということはおかしいと思うのです。もう一度御見解を伺いたい。
  52. 柴田護

    柴田政府委員 先ほど申し上げましたように、特に六大都市バス料金問題につきましては、料金引き上げ問題の過程でそういう議論があったのであります。現にその議論は、政府の内部でもくすぶっておるわけでございますが、依然として問題点としてあるわけでございます。私が申し上げましたのは、私どもは別にそういうことを条件にしてどうこうということを考えているわけではございません。ただ交渉を進めてまいる上におきましては、そういう問題が出てまいるであろうということを申し上げたのでございます。
  53. 細谷治嘉

    ○細谷委員 そういう考えで、すぐ何かというと責めに帰すべきものでない、当然、企業としてやらなければいかぬ問題と引きかえに指導されては、地方公共団体としてはたいへん迷惑である。政府が行なった物価政策、経済政策から起こったものが、地方公共団体にしわ寄せされておる、こういう問題は、やはり政府が具体的にこれを解決してやるということでお願いしたいと思うのです。  全国市長会から出ておる要望はすでに御承知でありまして、このほかに再建債の確保を期する、利子補給の道を講じてほしいというものがございますが、もう一つ、この要望の中の一項目としてお尋ねしたいことがございます。これは運輸省の問題でありますけれどもバス路線の認可等にあたって、公営優先というものが事実はとられておらない。一番ひっかかるのは、端的に、ある一つバス路線を設定しようという際に、たとえばある地方公共団体がそれを申請いたしますと、同月同日付で必ず私企業から同じ路線について願書が出てくるという例が、しばしばあるということを聞いております。昨日の新聞によりますと、通産省の地方通産局の汚職問題が出ておりますけれども、どうもそういうことを即にするにつけて、やはり出先の官庁と私企業とのなれ合いといいますか、そういうことで地方公営企業として守るべき一つ計画というものがくずされておる、こういうことが経営を困難にしている一つ原因だと思うのです。こういう問題について、これは運輸省の問題だということになるかもしれませんが、自治省としてどういうふうにお考えになっておるか、地方公営企業を守る責任者である自治省としての御意見を聞かしていただきたい。
  54. 柴田護

    柴田政府委員 御指導の問題は、実に前からあるわけで、私ども運輸省のとってまいりましたいままでのやり方につきましては、必ずしも賛成ではございません。したがいまして、公営交通関係の路線認可ということにつきまして、公営立場から当然と考えられるものにつきましては、その辺は少なくとも公平——公営線であればなおけっこうでありますが、少なくとも何か私企業優先のような考え方はやめてほしいということはたびたび申し上げておるわけでございます。したがいまして、基本的にお説に大体私どもは反対ではございません。大体その方向でございますが、ただ実際問題として考えてまいります場合には、この問題を深く考えてまいりますと、やはり公営企業というものの限界をどう考えるかという問題に多少問題がありはせぬだろうか、こういう感じを持っております。したがいまして、公営だから何でもかんでも優先だというわけにはまいらぬかもしれませんけれども公営立場から考えて粛然と考えられることにつきましては、路線の認可にあたりましても、十分配慮してほしいということを、今後も要請していくつもりであります。
  55. 細谷治嘉

    ○細谷委員 現実の問題としては、いろいろむずかしい問題があるでしょう。これは要望ですけれども地方公共団体などというのは、公営企業が非常に危機に瀕しても、寝わざで官僚と解決するなどということはできないのですね、私企業は幾らでも寝わざでやれるでしょうけれども地方公共団体というのはできないわけです。どうも寝わざでやられて困る。そういうものがひいては地方公営企業収支経営に非常に響いてくる点がしばしばあるようでありますので、特に自治省においてもそういう点について十分な指導をしていただくように、これは要望としてお願いをしておきます。  次に御質問いたしたいことは、提案されておりますこの法律案でございますけれども、従来と違って今度は「予算で定める金額の範囲内において、公庫に追加して出資することができる」もう予算できめると自動的になっていく。端的に言いますと、たとえば地方公営企業のそういう問題については、そういう問題が出た際に、地方公営企業の現状はどうなのか、将来どうあるべきかということは、やはり国会審議を通じてはっきりしていくということが、私は誤りをおかさない原因であろうと思うのでございます。ところが今度は、きょういただいた奄美大島の問題でもそういうようでありますけれども、自動的に予算の定める範囲内において出資金をふやしていく、こういう形になっておるわけですが、どうしていままでやってまいった方式を改められるのか、これをひとつお聞きしたい。
  56. 柴田護

    柴田政府委員 いままでは出資金の額を克明に法律に書いておいたわけでありますが、お話のように、この法律案を通じていろいろ公営企業の現状、あり方等について御審議をわずらわすということも、それによって可能であったというお話でありますが、それもごもっともでありますけれども公営企業の現状なり、あり方というものにつきましては、地方財政状況報告あるいは地方財政計画その他を通じまして御審議をわずらわす機会もあるわけでございます。ただ出資金を増額するということだけのために、ものものしい法案の改正という形をとらなくてもいいじゃないか、こういったような意見政府部内にございまして、追加出資の場合におきましては、予算範囲内においてできる、こういう取り扱いにしたわけでございます。
  57. 細谷治嘉

    ○細谷委員 第五条の第一項に二十四億円とする、あとは予算がきまれば、その範囲内で東海林 稔十五億円、これはおそらく二%程度にしか当たらないだろうと思う。よそで二%なんというのはないのじゃないか。それはもう華山委員から非常に強く指摘されたことでございますけれども、私は端的に申し上げますと、たとえば道路五カ年計画四兆一千億、こういうようなものが改定された。それは、長期計画というのが、国、地方を問わず相当大きな財政負担というものを伴う。そういう長期計画というのは、外国の例を見てもはっきりするように、やはり国会審議にかけていくというのが民主政治の根本ではないかと思うのです。そういう点でいささか自動的にいくというのは、むしろ長期計画等も国会審議にかけるべきだという私の主張から言いますならば、逆行しておると判断するのですが、もう一度伺いたい。
  58. 柴田護

    柴田政府委員 実は考え方はいろいろあろうかと思うのでございますが、公庫の出資金の増額ということにつきまして、それを通じていろいろ公庫の現状なりあるいは運営なりについてまた御批判を仰ぐ機会は、何も公営企業金融公庫法だけには限らぬわけであります。そういう御批判は、現在いろいろ地方財政の状況を御報告申し上げております過程におきましてあると思うわけであります。  出資金そのものにつきましての問題は、先ほど来お話があったとおりでございますが、出資金の増額そのものにつきまして、毎回毎回法案の形を通じて御審議をわずらわすのも、いたずらに繁雑に過ぎはせぬかといったような意見もありまして、こういう扱いに変えたような次第でございます。
  59. 細谷治嘉

    ○細谷委員 華山委員と同様に、出資金を昨年は一文もやらなかった。五億、五億、五億と三年続いて、それから三億、三億、三億ですか、去年はゼロ、ことしは一億円ということでありまして、いままでの経過からいっても非常におかしいし、そうしてわずかの一億円で、ぽっと法律改正に持ってきたということについても解せない点があるわけですけれども、特に地方公営企業の現実の姿、しかも現実の姿は危機に瀕しておるけれども地方公営企業が住民福祉に非常に大きな貢献をしておる、それが地方公営企業の任務だと思う。こういうことを十分お考えになって、この公庫の問題についてもひとつ真剣に取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。  私の質問を終わります。      ————◇—————
  60. 森田重次郎

    森田委員長 次に、地方税法の一部を改正する法律案議題とし、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。大石八治君。
  61. 大石八治

    大石(八)委員 固定資産税の評価がえがあって、それに伴う負担の調整をしなければならぬようになっておりますし、また一般的にすでに知られている点等につきましては、農地等は評価がえによって三十八年度以上に増税をしないというようなことがいわれておるわけでありますけれども、それはどういうふうにしてやるのか。またその他の固定資産税の評価がえに伴うことについて、いわゆる調整をするということがいわれておりますけれども、それをどういうふうにしていたすのかという点を、まず最初伺いたいわけであります。  それから同時に、これは当然法律になって出てくるものだと思いますけれども、それより早く、それをやるための手続上の問題によるような、縦覧期日等の改正法律案がすでに出たわけであります。これらのものと一緒に出されてもいいと思うのでありますが、このほうだけ早く出てまいっておる点もよくわかりません。同時にその調整の地方税法改正に関連する法律はいつ出てくるのか、その点等を伺いたい。
  62. 細郷道一

    細郷政府委員 地方税法のうち、固定資産税の負担調整内容につきましての法律は、中旬ごろには御審議いただくように提出をいたしたいと考えております。その負担調整の内容に先立ちまして、今回縦覧期間並びに第一回の納期の一月延伸につきまして特に臨時立法をいたし、これを御審議いただいておりますのは、提案理由説明にもございますように、何ぶんにも今回評価の改定を全国的に実施いたしました際でもございますので、その事務の円滑化と慎重を期する意味におきまして、全国一律的に一月の延伸をとることが、個々の市町村の判断によることなく一律的にやることのほうが、今回の措置を円滑にいかせるもの、こう考えて特にお願いを申し上げた次第でございます。
  63. 大石八治

    大石(八)委員 その固定資産税評価がえによる調整の改正法律案が出てくるのを待ってこれをやるのでは、時間適に間に合わない、非常に困るという事態が出てくるのです。
  64. 細郷道一

    細郷政府委員 期間調整の内容とともに審議をするということも一つ考え方であろうと思います。ただ現在の手続におきましては、現行法におきまして縦覧の期間が三月一日から二十日まで、これに伴いまして第一回の納期が四月、こういうことになっておるのでございます。その時期と御審議をいただきます通例予想されます時期との関連を見てまいりますと、この際、縦覧期間を一月延伸しておくことが実際の事務並びに納税者に対する親切という意味におきましても円滑化をはかる上に必要ではなかろうか、かように考えて先にお願いをいたしておる次第でございます。
  65. 大石八治

    大石(八)委員 なお、先ほど質問をいたしました中に、調整措置内容といいますか、それについていま考えておる点をお知らせ願いたい。
  66. 細郷道一

    細郷政府委員 調整措置内容につきましては、なお法律案の形でただいま検討を加えておりますが、大体の考え方といたしましては土地のうち、農地につきましては前年度の税額をこえるものについては前年度の額に据え置く、農地以外のいわゆる宅地、山林、その他の土地につきましては、新評価によって従来より下がるものがあれば、それはそのものによりますが、こえるものになりましても二割をこえる程度にこれをとどめるというような方向でただいま検討いたしておる次第であります。
  67. 大石八治

    大石(八)委員 なお、この際関連してお伺いしたいわけですが、前回の委員会のときに、藤田委員から質問をいたしました電気ガス税の問題でありますけれども、この前大臣のお答えは電気ガス税は消さないという返事でございました。これは電気ガス税がいままでいろいろの論議が実はあるようでございます。通産等では電気ガス税という税の内容というものが好ましくない。したがって、将来電ガスはやめていくことが正しいという論議が、実は一部にあるように聞いているわけであります。ところが地方自治体とすれば、電ガスの消費はかなり大きな財源、今日五百億くらいかと思いますが、そういう額を持っている財源でございます。一%の減額でも実はかなりの数字になるわけです。しかも今日までの経過でいえば十から八ですか、それから七というふうに実は漸減されてきております。そのこと自体は、別に減税ということが悪いとは思いませんが、自治体の立場からいえばかなりの問題、しかもそれを今日たばこ消費税との関連においてそういう措置をしてまいった経過が実はあるわけでありますが、一方そういう議論があると同時に、そうかといってそれを最終的にたばこの関係で埋め合わせるということには実はならないと思うのであります。一面そういう論議も行なわれておりますので、消さないという返事では非常に不明確のような感じがいたします。一にまで下がっても消えてはいないわけであります。六でも五でも、三でも二でも一でも、下がっていっても消えてはいないわけであります。消さないということであればそれでも同じわけでありますけれども、この点について論議が出ている問題でありますから、現在の考え方で、電気ガス税をどうするかという自治省考え方をお伺いをしたいと思うのであります。
  68. 細郷道一

    細郷政府委員 電気ガス税については、御指摘のとおりいろいろ議論のあるところでございますが、一方からはこの税を漸減あるいは廃止をせよ、こういった意見もございます。反面におきましては、市町村の自主税といたしまして、非常に大きなウエートを持っておる税であります。特にこの税は、消費者の所得にマッチした消費量を示す税であるという意味におきましては、一つの所得の補完的な税として有力な税ではないだろうかというように私は考えておるわけであります。ただ毎年こうしてわずかではありますが、漸減の方向をたどっておりますことにつきましては、なお全般的な議論が絶えていないという現状によるものと考えておるわけであります。私どもといたしましても、やはり地方税制を安定させてまいりたい、しかも税制上の一つの重要な税目としてのこの税を毎年こういう形でいじることは、市町村自体計画的な財政にも大きな影響を与えると考えております。来年度におきましては十分抜本的な検討を加えて、安定した税制をつくってまいりたい、かように考えておる次第であります。
  69. 大石八治

    大石(八)委員 議論がある点はわかりますけれども、いま局長の言うとおりに、将来としてどうなる税金かわからないということは、かなり問題であります。しかも市町村によれば、産業構造が何といいますか非常に片寄っている場合には、この措置というものが思わざる変化を与えますし、また同時にそのこととたばこ消費税とは、実は何もパラレルに埋められるわけではないのであります。お話のとおりにかなり不安定な税金と言わざるを得ない。今日までの経過からいっても、不安感を伴っている税源でありますから、これを一日も早くといいますか、これに関する政府側の考え方というものを私は確立する必要があると思う。何といいますか、このくらい不安定な税目はいまほかにはないくらいだと思いますので、これについて急速に方針を確立することをお願いしたいと思います。
  70. 細郷道一

    細郷政府委員 政府の税制調査会におきましても、ほかの地方税あるいは国税全般審議がなお続いておるわけであります。この問題も十分そこで御議論をいただいた上で政府の態度をきめたい、かように思います。
  71. 森田重次郎

    森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会