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長谷川(保)
委員 そう考えておるのは
厚生省と
医療金融公庫だけでありまして、実際はそうではない。実際は、支払基金から支払われますものから、優先的にまず
公庫のを支払うという形をやっております。これは
銀行としては、そういう手を打つのは当然だと思います。そういう手を打って、
銀行が
公庫に
責任を負っておりますその
銀行を通しての
貸し付け金の元利の回収をしていく。それは
銀行当局としては当然なことだと思います。
〔
委員長退席、澁谷
委員長代理着席〕
といたしますれば、私は、いまの
貸し付け金の二割の
責任を
銀行に持たしておく必要はないではないか。その
責任を
銀行に持たせますから、
銀行といたしましては、御承知のように金融機関の当然のあり方といたしまして、念には念を押す、石橋をたたいて渡るという形になります。二割の
責任を負わせられておる。したがって、一番先に申しました
医療機関の
一つの矛盾、
営利事業であってはならない、同時にまた
採算がとれなくてはならない、そういう
一つの大きな矛盾を持っておるのでありまして、したがって、
医療機関というものかめちゃくちゃにもうける
医療機関ならば
銀行は少しも心配いたしませんけれ
ども、そういう矛盾の中で、もうけるでもない、もうけぬでもないというような形をしていかなければならぬ、
医療機関といたしましては、
銀行はつい、あんまりもうからない
医療機関に対しましては貸さないという形が出てくる。
〔澁谷
委員長代理退席、小沢(辰)
委員長代理着席〕
先ほど来申しましたような、
都市に集中してわりあいにもうかるような仕事には
銀行は貸しますけれ
ども、
医療機関のなくてならない農村地帯、
山村地帯、その他
先ほど大臣がおっしゃいました、どうしてもどうにもならぬところは公的に
医療機関の
配置をしなければならぬ、そのための起債その他をやっていくということを言われておるわけでありますが、それもぜひやってもらいたいと思いますが、それと、
都市のもうかる
地域との中間地帯、そういうような
医療機関がどうしてもなくちゃならないところ、しかも不十分なところ、
銀行は、この仕事を広げてももうかるかもうからぬかわからないというようなところには、二割の
医療金融公庫に対する返済の
責任を持たせられるということになりますと、貸さないということになってくる。
医療事業全体の
運営と全体の矛盾がそこに出てくるという形になると思います。でありますから、
銀行は当然診療報酬支払基金事務所から支払われますものを優先的に必ず取りますから、二割の返済の
責任を
銀行に負わせるということはせぬでもいいのじゃないか。そういうような二重の負担を
銀行にさせていくような形になりますから、
銀行としてはいよいよ慎重になって、
医療機関のなくてはならぬところにも金を貸さない。そういう利益の十分に上がらないと思われるところには貸さないという形になって、国の金を
医療金融公庫を通して出すという制度をつくりながら、なくてはならぬ
医療機関、しかし十分な
営利的な
採算はとれないというものへは
銀行は貸さない、二割の返済の
責任があるとなれば、
銀行としては、
営利事業でありますからそうなるのが当然でありまして、そこに
先ほど来同僚
委員が伺っておりまする
一つの矛府が出てくるのではないか。そこに、せっかく
医療金融公庫という非常にいい制度をつくりながら、なくてはならぬところに金が回らぬということがあって一方に不満が出てくるのではないか、こういうように思うのです。だから、その
銀行に返済の二割の
責任を負わせるということをやめるべきだと私は思います。そうして、そのかわり支払基金事務所から
銀行を通してその
医療機関には出すのだという形をとらせると、その点がよほど変わってくるのではないか、よほど緩和されてくるのではないかというように思うのでありますが、その
銀行に必ず二割の返済の
責任を持たせなければならぬという理由が、どうも私には十分のみ込めないのだが、それを変える意思はないか、どうか伺いたい。