運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-02-04 第46回国会 衆議院 社会労働委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月四日(火曜日)    午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 田口長治郎君    理事 井村 重雄君 理事 小沢 辰男君    理事 亀山 孝一君 理事 澁谷 直藏君    理事 田中 正巳君 理事 大原  亨君    理事 小林  進君       浦野 幸男君    大坪 保雄君       熊谷 義雄君   小宮山重四郎君       坂村 吉正君    中野 四郎君       西岡 武夫君    西村 英一君       橋本龍太郎君    松山千惠子君       粟山  秀君    伊藤よし子君       滝井 義高君    長谷川 保君       八木 一男君    八木  昇君       山口シヅエ君    山田 耻目君       吉村 吉雄君    本島百合子君       吉川 兼光君    谷口善太郎君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         厚生政務次官  砂原  格君         厚生事務官         (大臣官房長) 梅本 純正君         厚 生 技 官         (医務局長)  尾崎 嘉駕君         厚生事務官         (薬務局長)  熊崎 正夫君         厚生事務官         (社会局長)  牛丸 義留君         厚生事務官         (保険局長)  小山進次郎君         厚生事務官         (年金局長)  山本 正淑君  委員外出席者         専  門  員 安中 忠雄君     ————————————— 二月三日  麻薬取締法の一部を改正する法律案内閣提  出第四三号)  労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を  改正する法律案内閣提出第五四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  厚生関係基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 田口長治郎

    田口委員長 これより会議を開きます。  厚生関係基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し入れがありますので、これを許します。小林進君。
  3. 小林進

    小林委員 きょうは、私どもの党を代表いたしまして吉村委員厚生行政一般について御質問申し上げることになっておりますので、私はまだ一般行政についてお尋ねをする順序が回ってまいりません。一般質問あとに回していただきまして、ただこの問題一点だけであります。  昨週木曜日の社労委員会でありましたが、厚生省医務局行政でありますインターン問題について私は御質問いたしました。それについて医務局長から御回答がございまして、当面問題になっておりますインターン学生出願拒否の問題、この問題は三十一日に解決いたしまして、いま大半出願が終了いたしておるようであります。それにいたしましても、彼らが要求をいたしておりまする問題の解決の一つポイントになっておりまする協議会インターン問題をどう処置するかという協議会発足せしめる問題について、いつ、しかもいかなるメンバーでそれができ上がるのかという問題であります。早急につくっていただくことをお願いいたしまして、その回答をきようであります、きょう火曜日までにお聞かせ願いたいということをお願いして、問題を留保いたしておきました。その先週の続きの回答を明確にひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  4. 尾崎嘉駕

    尾崎政府委員 あの日の午後からすぐ文部省折衝を始めておりますが、事が医学教育等に関しましてはなはだ重大であるというので、ただいまなお折衝中でございまして、人名等決定をいたしておりません。ただいままだ折衝中でございますので、はなはだ申しわけございませんが、お許しをいただきたいと思います。
  5. 小林進

    小林委員 医学教育は非常に重大であるからということをいまさらのごとくおっしゃったのは、厚生省側でございますか文部省側でございますか。  なお、いま一度お聞きしたいのですが、いままでは重大ではなかった、そういう協議会を設けることの問題を中心にして話し合ったときに、初めてこの問題は重大であるということにお気づきになったのか、こういう御趣旨でございますか、その点をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  6. 尾崎嘉駕

    尾崎政府委員 この医学教育養成も両方に関しまして重大であるということは、われわれといたしましては初めて気がついたわけではなく、前から気がついております。それで文部省との話につきましても、まだ話し合いが両者で終わっていない、こういうわけでございます。いろいろ論議をやっておる、こういう状態でございます。
  7. 小林進

    小林委員 ほんの回答をいただけばいい問題でございますから、急いで私もお尋ねしますので、局長さんもひとつ簡潔明快にお答えをいただきたいと思います。  文部省のほうでは、この医学教育の問題の重要性を、厚生省協議会申し入れで初めて気がつかれた、いままでは気がつかなかったけれども、今度初めて気がついた、こう文部省がおっしゃったのかどうか、これが第一点であります。  二点といたしまして、重大な問題だから、なおさら人選やその出発は慎重を期するためにさらに協議を重ねていく、だからそう急いでやらない、こういう御趣旨なのか、重大なる問題に気がついたから、早急にメンバーだとかその協議会発足を急いでやるとおっしゃるのか、這般の事情もあわせてお聞かせを願いたい。
  8. 尾崎嘉駕

    尾崎政府委員 いま初めて気がついたというわけではございません。この問題は先生のお話の後段のほうでございまして、重大である、それで人選その他についてはよく考えよう、ただ、それだからゆっくりするという意味ではなくて急いでやる、こういうようなことで、両省でいま盛んに折衝中だというわけであります。
  9. 小林進

    小林委員 問題がいささか明らかになってまいりましたのでけっこうでございますが、この前も大臣が大みえを切られて、いま始まったのじゃない、十八年も前からやっておる問題だとおっしゃった。それに答えて私は、十八年前からやっておる問題なら、なおさらいままでじんぜんここまできたのはけしからぬじゃないか、こういう問題を繰り返してきたのと同じでありまして、いまここへきて事が重大だからなどという御答弁をお聞きするのは、あげ足をとるわけではありませんが、私は実に心外なんです。問題は、これを早急につくり上げるかどうかということが問題のポイントになることでありまするから、そういう花ことばは言いませんけれども、早急に処置していただきたい。私どもは、ああやって木曜日に同じことを繰り返して一時間半もあなたにお願いした。問題を収拾してくれ。それであなたにかたくお約束をお願いして、いまここでお聞きした話の中でたった一つ進歩していることは、文部省話し合いをしようと思うというあなたの木曜日の答弁が、いまはいたしましたと言う。これだけの前進なんですよ。それだけ前進した。それを私はお認めするのでありますけれども、それから先の話では、ちっとも実のなった答弁にはなっておりません。私は来週、あらためて、その文部省との構成とメンバー、その発足の期日を、来週の委員会同僚諸君質問の時間を若干おかりして、また同じことを御質問いたします。それまでにもう少し具体的な御答弁をお願いいたしたいと思うのであります。これを御要望いたします。
  10. 滝井義高

    滝井委員 ちょっと関連。いまのインターンの問題ですが、私も少し質問をしたいと思いますけれども、いま小林さんの質問関連をして、実はことしの厚生省予算要求を見ると、五億一千四百万円程度予算要求をされたわけですね。その中で、三億六千万円程度貸与というのがあるわけです。これは、予算編成の過程でこういうものは全部削減されてしまっておりますけれども、一体このインターンに金を貸すというのはどこを通じて貸すことになるのか、直接厚生省インターン生の全部に貸すのか、それとも借りたいと希望する一部の人に貸すことになるのか。何か聞くところによると、日本育英会等奨学資金を貸すとかいうような話があるのですが、ちょっとそのものの考え方を御説明を願いたい。
  11. 尾崎嘉駕

    尾崎政府委員 当時、予算要求をしておりましたときの考え方では、できれば日本育英会の手を通じて希望者にお貸しする、こういうふうな方式でいこうと考えておったわけでございます。
  12. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、それは返すのはどういう条件で返すようにお考えになったのですか。たとえばいま育英資金を借りますね、そうすると十年とか二十年の長い年賦払いみたいなことで返しておりますがね、そういう形をやっぱりとることになるのですか。どういう形で構想されておったのですか。
  13. 尾崎嘉駕

    尾崎政府委員 これは予算が成立いたさなかったために最終的な話し合いはできておりませんが、できるだけインターン生に対しまして負担がかからないような、卒業後のある程度技術が上がって収入もあげられるというようになってから返させるようなことを考えるべきではないか、こういうふうに思っておりました。
  14. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、それは他のものとちょっと違う形が多いのですね。これはインターンで通っても、今度は三年とか五年のまた無給時代が、御存じのとおり医局で続くわけですね。インターンが終わり、国家試験が終わっても、なお今度は無給時代が続くわけです。他のものとちょっと違うところがあるわけですね。そこでおそらくこういうものは通らなかった。そうすると、二億六千万円程度の金を貸すということが通らなかったのですから、したがって生活保障というものができていないわけです。これに対しては、あなた方は具体的にどういうぐあいにするつもりなのか。現在、御存じのとおり、医学生諸君国立病院については依然として願書を出さないと言っているのですね。これは今後の国立病院の運営の上からいっても、あるいは二千六百万円の予算をお取りになっているわけです。百人分の宿舎をおつくりになるために、二千六百万円の予算がことしは通ったわけです。通ったけれども医学生諸君がもう国立には行かない、こういう形にもなってきているわけです。そうしますと、国立には行かずに、他の公的医療機関なり民間医療機関に行くことになるわけです。指定をされているところに行くことになるわけですが、その場合に、それらの民間病院インターン身分生活保障お金は出せることになるのですか。二億六千万円がなくなったのですから、何らかの形でこれは生活保障をしてやらなければいけませんが、それは国立には行かないというから、国立の問題はしばらくおいて、二百五、六十くらい指定を受けているのですが、その指定を受けた病院が、みずからの医療費の中からインターン生活保障の金を出すことになるのですか。
  15. 尾崎嘉駕

    尾崎政府委員 インターン生貸与金予算が通りませんでしたことは、はなはだ遺憾でありますが、現在でも日本育英会貸与金が出ておるわけでございまして、大体三分の一ぐらいのインターン生が現在でも借りておると思いますが、それをできますれば拡大し、金額を上げていくようにいまからお願いをしてみよう、これが一つ。それからもう一つは、いまお話しの各施設で、施設によって金額は違いますが、現在におきましてもインターン生手当を出していただいておりますので、医療機関経費の苦しいときではございますが、これをなるべく続けてもらい、できればふやしてもらうことをお願いしてはと思っております。しかし、これはぜひ出せということは言えない筋の仕事でございます。
  16. 滝井義高

    滝井委員 いま育英会から三分の一ぐらいは出しておるということでございますが、金額は大体どのくらい出ておりますか。それから施設によって手当の出し方がまちまちですね。こういうことは国家が、国家試験を受ける前提として、義務としておやりになる制度が、各医療機関で、しかもあなた方の指定した医療機関で出す手当もまたまちまちであるということも問題なんです。問題は、このいまのような段階にまで発展をしてきたからには、こういうものについても厚生省は、きちっと一律に一万円なら一万円は必ず出すというような指導をするということが必要だと思うのです。同時に、その育英会についても、これは三分の一だそうですか、これは金を借りるのですから、借りる希望の人と借りぬ人がおるでしょうし、あるいは医学生のときからずっと連続的に借りている人もおるだろうし、それはまちまちだと思うのです。これは個人の自由意思にまかしたっていいと思うのですが、問題は、施設が出す金については、やはりこれは同じ修練の場、指定をされた修練の場に行くわけですから、この金は、あるところは三千円、あるところは五千円、あるところは二万円ということではいかぬと思うのです。そこらは、あなたのほうで行政指導をして、月に最低一万円なら一万円は出してくださいというようなことはできないものなのですか。そういう問題が一つ。  それからいま一つは、今度は逆に、そういう金を医療機関に出させるならば、いまあなたが言われるように、あるいはこの前からあなたが御説明になったように、日本医療機関窮状にある。窮状にある医療機関に、医療費の改定もやらずにインターン生活保障まで出させるというわけにはいかぬことになるわけです。先般来、日本看護婦が不足している。看護婦養成費医療費でまかなうとは何事だという問題が、過去に出てきているわけです。これはできるだけやめなければならない、こう言っているわけです。現実に看護婦養成経費病院が出しておる、日赤が出しているのをやめよう、こういうときに、今度はその上にインターン経費まで出させるというわけにはいかない。こういう問題があるので、したがって私は、ここは一律にお出しになるというように指導するが、同時に、その金については国が見ていく、こういう形を、いわゆる特別交付税のような形でその分のしりぬぐいは国があと指定病院にはしてやるという形をとらぬと、これは大きな問題になってくる、こういう根本的なところを、もう少し具体的な方針を出してもらいたいと思うのですが、それはどう考えておられますか。
  17. 小林武治

    小林国務大臣 ただいま滝井委員お話は、そういうようなことをこれから検討をして、さしむき行政的指導、こういうふうな問題がありまするが、根本的には行政的指導では片づきません。したがって、私も前回も申し上げたのでありますが、これの身分待遇等については抜本的にこの際検討をしたい、こういうことを申し上げておるのであります。お話のような指導等につきましてはわれわれも努力をいたしたいと思いますが、指導ではこれは片づきません。したがって、いまの貸与制度がだめだとすれば、あるいは手当とかいろいろな問題もこれから起きてきますから、そういうことを次の機会に間に合うようにわれわれは検討したい、こういうことを申し上げておるのであります。
  18. 滝井義高

    滝井委員 私がお願いしたいのは、先のことは医学部長会議なり医師試験審議会答申等も出ております。あるいは最近は、特に熊谷さんから緊急なものとして三つくらい出ております。それは恒久的なものとして、たとえば昭和四十年から入るインターンについておやりになってけっこうだと思うのです。問題は、三十九年の、いま問題を高らかに打ち上げておる三十九年四月一日からインターン制度に入ろうとする諸君応急措置恒久措置を、これは両方やらなければならない。恒久措置は、われわれ時間があるから、これから論議をしたい。応急措置として、いま育ったように二億六千万円というものを出して貸費をしたいのだと言うのだけれども、それが認められなかったわけです。認められなかったので、その対案として何かを出さなければいかぬのじゃないか、こういうことです。対案として出すものは何だ。それならばその対案として、私は、各指定した病院があるわけですから、厚生省指定をしたからには、その病院お金を出すというならばまずお金を統一するように努力をしてください。それから同時に、その出したお金というものは、日本のいまの医療機関医療費が赤字で困っておりわけだから、そのしりぬぐいだけに何らかの形でしてやってください。これは三百億も予備費があるわけで、新しい事態ですから……。医務局長大臣との連絡も十分いっていなかったし、われわれも、これはこれほど大きな問題になるとも思っていなかったので、お互いに政治責任なんです。与野党責任なんです。だから与野党責任がありますから、何らかの応急措置をやっていただきたい、こういうことです。これだけ問題になっているのですから、これはあなた方でできないなら、大蔵大臣なり主計局長なりを呼んで、もう一ぺん詰めなければならぬと思っておる。だからこれは当然やらなければいかぬ。それから具体的な指導体制をどうするかということはその次の段階で、とりあえず財政上この補償をしてやるという制度を確立しなければならぬ。これは世論も一致しております。民主政治ですから、世論が一致しておればそれでやる、こういうことなんですね。だからそれをひとつ……。
  19. 田口長治郎

    田口委員長 暫時休憩いたします。    午前十一時三十九分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕