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1964-06-18 第46回国会 衆議院 災害対策特別委員会凍霜及び長雨等による災害対策小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和三十九年六月十七日(水曜日) 委員会において設置することに決した。 六月十七日本小委員委員会において次の通り選 任された。       天野 光晴君    池田 清志君       大久保武雄君    亀岡 高夫君       西岡 武夫君    細田 吉藏君       泊谷 裕夫君    中村 重光君       西宮  弘君    村山 喜一君       稲富 稜人君 六月十七日  細田吉藏君が委員会において小委員長に選任さ  れた。     ————————————— 昭和三十九年六月十八日(木曜日)    午前十時五十一分開議  出席小委員    小委員長 細田 吉藏君       天野 光晴君    池田 清志君       大久保武雄君    亀岡 高夫君       泊谷 裕夫君    中村 重光君       村山 喜一君  出席政府委員         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君         農林事務官         (園芸局長)  酒折 武弘君  小委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   宮崎  仁君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      森田  進君     ————————————— 本日の会議に付した案件  凍霜及び長雨等による災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 細田吉藏

    細田委員長 これより会議を開きます。  東北地方等における凍霜及び九州地方等における長雨による災害等対策に関し調査を進めます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。天野君。
  3. 天野光晴

    天野(光)小委員 きょうの閣議で政令を決定して、最悪の場合、来週の初めには施行できる、実施できるというこの前の答弁であったのですが、どうなっておるのか。東北地方激甚災指定関係
  4. 中西一郎

    中西政府委員 凍霜害関係天災融資法の発動につきまして、かねて御心配かけておったのですが、激甚法適用を含めまして、明日の閣議で決定いたしまして、来週早く公布いたしたいと思っております。
  5. 天野光晴

    天野(光)小委員 それでは明日間違いなくやれるわけですか。
  6. 中西一郎

    中西政府委員 中央防災会議、大蔵省、法制局、全部手続を済ませましたので、間違いございません。
  7. 細田吉藏

  8. 大久保武雄

    大久保委員 農林省官房長に伺いますが、私は先般の本委員会におきまして、九州四国中国地方を襲いました長雨に関しまして、この災害は、昨年も大体において同一地域に対しまして、農業史始まって以来の全国未曾有の大災害が起こりまして、その際、天災融資法特例法を改正いたしまして、裏作だけの被害でも百分の八十以上を三分五厘の利子適用するという特例法を制定願ったわけでございますが、その災害地域が再び長雨災害に見舞われまして、ことしも激甚なる被害農家が泣いておるという実情にかんがみまして、今回さらに天災融資法特例法を制定いたしまして、昨年被害を受けた農家であって、ことし連年災害に泣いておる農家に対しましては、二百分の百三十、この率をもって三分五厘の利子適用せられたいという質問をいたした次第であります。政府におきましては、当時は、いまだ災害統計が十分完備しておらないから、災害統計の完備を待って善処したい、かような答弁がなされておった次第でございますが、いまや国会も会期余すところ旬日に迫っておりまして、この災害農家の救済の必要なること、きわめて緊急であります。そこで委員会といたしましては、すみやかに特例法を制定するという段取りを進めなければならない次第でございますが、これに対して、その後、農林省におきまして、天災融資法特例法の制定についていかなる措置を講ぜられたか、また、ことしの激甚なる被害者、並びに昨年の被害に打ち続いて本年さらに激甚なる災害を受けられた農家に対していかようなる特例法を制定せられようとしておるか、また制定される意思があるかないか。制定せられないならば、これは大ごとでありますから、われわれとしては政府を追及しなければなりませんが、政府としてはいかなる措置をとられんとするのであるか、この点を詳細にこの際承りたいと存ずる次第であります。
  9. 中西一郎

    中西政府委員 御質問にございましたように、その後調査を続けまして、六月一日現在の被害額の確定を一昨日夜行ないました。百八十一億円という総額被害に相なったわけです。府県別その他の数字も固まってまいり、その段階法案の準備を取り進めることにいたしておるわけです。お話のように会期も残りわずかでございまするので、できるだけ急ぎたいと思っておりますが、おそくとも来週の火曜日の閣議という段取りにはこぎつけたい、でき得ればその間においても、本日の段階法制局あたりでも相済むということになりますれば、持ち回り閣議等考えておるわけでございます。  内容でございますが、数度にわたりまして私自身から、特例法を出す場合の考え方につきまして、昨年の特例法と同様、裏作被害の百分の八十以上ということ一本で臨みたいというふうにかねて申し上げておったわけでございますが、この点につきまして、御質疑にもありました連年災害ということも勘案いたしまして、本年の災害で立ち直りをしていただくことのできますように、百分の八十という要件を何らかの形で緩和することを考えております。九州地方からの要望の中に、二百分の百三十というふうな御提案も聞かれておりますので、そういう点を取り入れまして、行政技術的にこなし得ることを目途としまして、二百分の百三十という原則を打ち立ててみたい、かように考えております。それから適用されます府県等につきましても、昨年のとおりやりますと、ごく少数の県しか該当がないと思いますが、そういう点についても、三分五厘適用地域または農業者に対すると同様の配慮をしまして、昨年度だけの基準でなしに、新しい基準をあわせ考えたいと考えております。そういう方向で目下大至急事務的な最終的な詰めをはかっております。  概要、以上のとおりでございます。
  10. 大久保武雄

    大久保委員 ただいま官房長から、その後かなり進展しつつあるという報告を受けました次第でございまするし、また、どんなにおそくとも来週の火曜日の閣議には政府特例法を制定して国会提案をしたい、かような発言がありましたことは、一応了とするわけであります。しかし、なお若干しさいに承りたいと存じておるのでありますが、この被害県指定におきまして、二分の一以上の被害ということになりますと、今回の被害地域におきましても、きわめて少数県になるようでございます。ただいま官房長から、その少数県であることを、範囲を広げて原則の修正をはかりたい、かような発言でございますから、これはきわめて適切であると考えております。ただいま激甚なる被害を受けておる県、さらにそれとほとんど変わらない県、たとえば熊本県、愛媛県その他の県があるわけでございますから、これらの県に対しましても、十分今回の措置適用されるように遺憾なきを期していただきたいと存ずる次第であります。  また、ただいま発言に、二百分の百三十を連年災被害率として考慮に入れ、それを原則とすることをこの際打ち立てたいといったような発言があったように聞きましたが、それに間違いがございませんか、もう一ぺん念を押しておきたいと思います。
  11. 中西一郎

    中西政府委員 三分五厘適用県の範囲につきましては、いまお話のように、昨年どおりでやりますと非常に少数の県に相なります。愛媛あるいは熊本という御指摘がございましたが、本年の被害だけでなしに、昨年の被害等を見合わせますと、やはり救うべきではないかという感触を持っております。そういう線で財政当局詰めをいたしたいと思っております。  それから二百分の百三十の点でございますが、これは技術的にややむずかしい点があるのですけれども、百分の八十という被害があった人については、ことしは少なくとも百分の五十以上くらいまでには下げなければなるまいということを最低の線にいたしまして、それは確保いたしたい、かように考えております。
  12. 大久保武雄

    大久保委員 ただいまの官房長発言は了承いたしました。ぜひ二百分の百三十を原則として、その線でひとつおまとめを願いたい。また、被害府県指定の場合におきましても、いま答弁がありましたとおり、この際、連年災害でございますから、災害を受けました県も極力これを拡充する、かような考え方でお取り計らいを願いたいと考えております。  なおまた、被害総額について、六月一日現在百八十一億、かような発表がございましたが、今回九州四国方面にわたりましてシイタケがほとんど全滅をいたしておるような次第であります。熊本県だけでも一億の被害をこえておるように聞いております。これは各県を総合いたしますと十数億になっておると私は想像するのでありますが、百八十一億というのは、この被害をのけた被害額ではなかろうか、さような被害を加えましたならば、私は二百億を突破する総額になりはせぬかと思いますが、これは二百億か百八十億かでは、たいぶ印象が違いますから、この点はさらに官房長統計を一ぺん精査されて、その被害総額の額において呼び方を間違いないように、もう一ぺん御発言を願いたいと思っております。
  13. 中西一郎

    中西政府委員 先ほどの百八十一億円と申しましたのは、作物関係でございます。シイタケ関係は、お話のように十三億八千二百万円という被害に相なっております。合わせますると約二百億近くということになっております。
  14. 細田吉藏

  15. 中村重光

    中村(重)小委員 今度の凍霜害、特に九州各地を襲うた長雨災害に対して、連年災災害として特別の法案提案する、そうしたことについて農林当局が非常に努力されたことを多としたいと思います。しかしながら、せっかく議会の意思を尊重するという形において、また被害を受けた農民実情十分考慮を払ってそうした特例を出すにいたしましても、その運用という点が非常に問題となると思うのであります。ただいま大久保委員から言われた、被害額が若干低かった地域についてどう扱うかということと同様に、特例法適用される地域におきましても、個々の農家にその収穫に対して非常にきびしい取り扱いをするということになってまいりますれば、仏つくって魂入れず、こういう形において、この適用から漏れる農家もなきにしもあらずということも起こってくるのではないかと思います。そうした取り扱いについてどのように考えておられるのか、その点についてお考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  16. 中西一郎

    中西政府委員 天災融資法あるいは自創資金等融資につきまして、従来非常に手続がめんどうである、あるいは貸し付けの行なわれる時期が非常にずれるというふうな御批判を受けておるわけです。それらの点につきまして改善をすべく努力をいたしております。何しろ被害が大きいということでございますし、連年でもあるということで特に困窮の度の高い地域もございます。関係金融機関あるいは関係行政機関にそれぞれ通達をいたしまして、それらの障害を乗り越えて農民要望にこたえられるように、いわばサービス精神を徹底させるという処置をとってまいりたいと思っております。
  17. 中村重光

    中村(重)小委員 現地に行きましていろいろ農家皆さん方の声を聞きますと、融資にあたって、零細農に対しては、被害があっても貸し付けが行なわれない、こういうことがいわれております。二万円以下のいわゆる兼業農家、そうした農家の方々は、兼業収入といいましても、日雇いである、たいした収入もない。農業も、耕作反別が非常に少ないために、収入が非常に少ないわけです。そういう人にこそ、天災融資法その他の融資というものが必要になってくるかと思うのでありますけれども零細農に対しましては非常に冷淡な取り扱いをしておるという事実があるのであります。そういう点をどう把握しておられるか、また、どういう態度でお取り組みになるのか、その点について考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  18. 中西一郎

    中西政府委員 これは府県によりましていろいろ差があるようでございます。お話のように、たとえば第一種兼業ならば貸す、あるいは面積でどこかに線を引くというようなことも間々聞きます。それぞれの融資を担当しておる機関の実質的な判断ということでそういうことが行なわれておるのでございますが、われわれとしましては、償還の見通しのつく範囲内の経営資金融資でございますから、担保その他についてあまり極端な制限をして貸し付け対象をしぼるということについては、賛成をいたしておりません。ただ、そういう一般的な問題としてでなしに、経営資金を貸しましても、それによって次の作をどうするかというようなことについてあいまいな対象農家もあるようでございます。そういう点では、やはり事経営資金でございますから、はっきりと、次の作物は何を幾らつくる、その償還計画はどうなるということを明確にしてもらうということは、これは最小限度要求いたしたい。そういう具体的な詰めと無関係に、抽象的な基準等によりまして貸し付けを行なわないということがありますれば、是正をしてまいりたい、かように思っております。
  19. 中村重光

    中村(重)小委員 支払い能力のないものに対しては貸し付けをしない、経営資金であるからというようないまのお答えだったのでありますけれども、その点は、第一種兼業、第二種兼業という形において、考え方というのか、取り扱いも変わってくると思うのでありますけれども、第一種兼業であって、しかもその農業収入が非常に少ないという農家があるわけであります。そうした農家支払い能力が必ずしも確実であると言えない面もなきにしもあらずと思います。しかし、そういう農家は特に天災融資法貸し付け等を非常に強く望んでおるということが言えるわけであります。ところが、災害基準に達した、当然貸し付けを受け得る資格はあるのだけれども、いまあなたがお答えになった、いわゆる償還能力という面から非常にシビアーに扱われている、そのために貸し付けが事実上できないでおるところがあるのであります。それはあなたは御存じないかもしれませんけれども、私どもは各地方に参りまして、どう取り扱っておるのかという実情調査してみますと、全くこれはもう基準に達しているが、気の毒だけれども零細農であるために貸し付けができないでおるのだということを、取り扱いをする人自体が言う。ほんとに気の毒だと私たちは思っておりますけれども、それが上の方針でございますので、いかんともいたしかたがございません、こう言うのであります。それは適当な行き方ではないのではないか、小さいものは小さいものなりに、やはり愛情を持ってどこまでもそれを伸ばしていくという態度こそ望ましいのではないか、私はこう考えるのであります。そういう点に対しての心がまえというか、その点に対しての考え方をいま一度お聞かせを願いたいと思います。
  20. 中西一郎

    中西政府委員 やはり当該対象農家の、大きくいいますと収入全体あるいは経営全体といいますか、農業のほかに他の収入源もあるかもわかりませんが、そういうことをあわせ考えなければならないと思いますけれども経営資金に関する限りはやはり相当な収益性があるわけでございますから、償還についてそう大きな心配をするケースは少なかろうと思うわけです。特に半年に一ぺん、あるいは一年に一回の作は当然予想できるわけであります。そういう意味で、末端のほうで、何といいますか、いま、上のほうからというお話がございましたが、そう一律的な解釈ができるような指示は別段いたしておりません。むしろ、市町村段階で弾力的にお考え願える場合が多いわけですから、そういう範囲で実際の経営資金という要望に応じ得るように資金ワクは用意いたすわけでございます。そういう関係で、市町村によりましては非常にそれを上手に使っておるところもございます。非常にそれが使いづらくなって、お話のような声の出てくるような市町村もやはり聞いておりますが、その辺は前者のような運用ができるように、できるだけ措置をしてまいりたい、かように考えております。
  21. 中村重光

    中村(重)小委員 等外麦の問題に対して昨年と同じような取り扱いをするという方針をきめられたようでありますが、昨年、事実上どういうことが行なわれたかということに対しましては、委員会において再三私は申し上げましたので、繰り返して申し上げませんが、私どもは、現実に行なわれたことを、これは改めなければいかぬ、こういうことを問題点として取り上げて指摘をいたしました。特に官房長として、今度はそうした間違った取り扱いが行なわれないように、十分農家の利益を守る、災害農家を救済していくという考え方に立って取り組んでもらいたいということを強く申し上げたのでありますが、その点に対しては具体的にどのような指示を行ない、また取り組みをしていこうと考えておられるのか、その点についてお考え方を明らかにしていただきたいと思います。
  22. 中西一郎

    中西政府委員 本日、米価審議会で麦価問題の審議が始まっておりますが、おそらくその審議会でも同様な問題が出るだろうと考えております。現在のところは、昨年同様、等外麦のうち、等外上につきましては、これは数年前に常設等級が設定されて、検査基準が明確になっております。それによります適正な検査を行なうようにすでに指示ができておるわけでございますが、その検査に合格したものは政府食糧麦として買い入れるわけでございます。それから等外下麦あるいは規格外の麦につきましては、需要者がそれを見まして、自分の判断で、食糧になる、あるいはえさになるということで、現地でそれぞれ買い付けの交渉をいたしております。その場合に、農協側ではこれはえさになるのだといいます場合に、相手方のほうで、これはえさにならないというような、いわば若干の摩擦も起こっておるわけです。あるいは食糧になるじゃないかという場合に、これは食糧にならないというような、そういう摩擦があるわけでございますが、そういう場合に検査官が中へ入りまして、第三者として、これは食糧に向くあるいは向かないというようなことの指導、あっせんをすることにいたしております。そういうことによりまして、できるだけ等外下麦なり規格外の麦の流通が促進されるようにいたしたい。相当大量なものでございますれば、取引先の相手をあっせんするということも考えております。
  23. 中村重光

    中村(重)小委員 昨年の取り扱いがことしは問題になった、またこの次ことしの取り扱いが問題にならないように、十分実情に適するように配慮していただきたいということを強く求めておきたいと思います。  さらに、長雨災害地区におきましては、主として麦、なたね、こういうことになっておるわけでありますけれども果樹被害というものが、その後明らかになったところでは相当な額に達しておるようであります。私の手元にありますところの資料を見ましても、五六%、これは長崎県の例であるようでありますが、その他の地区におきましても大体同じような被害額に達しておるのではないか、こう思うのでありますが、そういった調査がどのように行なわれておるのか、またこれをどのように取り扱っていこうとお考えになっておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
  24. 中西一郎

    中西政府委員 長雨に関連しました直接の被害につきましては、先ほど申し上げました百八十一億円の内訳に入っておるわけですが、特に果樹の中でクリのキクイムシが発生しておる模様です。それが相当広域にわたって他の樹種にも害を与えておるというふうに聞いております。それにつきましては、別途それの防除対策植物防疫法の体系の中で措置いたしたい、かように考えております。
  25. 中村重光

    中村(重)小委員 クリのことについては、私ども調査に参りましてつぶさに承知をいたしておるのであります。ところが、その調査の際は大して私ども被害はないじゃないかと思っておった温州ミカンというのに相当な被害が出てきておる。いま私の手元に参っております電報によりますと、「長雨などによる被害温州ミカン被害がさらに増加、減収量二万三千四百トン、被害率五六%、被害金額十一億八百万円」こういう電報が実は入っておるのであります。その後またずっとこの数字は高くなってきておる、こういうことであるようであります。だから、これは長崎県だけではなくて、その他の県も同じような被害が生じておるのではないか、こう思います。これに対して調査をしておられるのか、あなたのほうへこれはおそらく資料が出てきておると思いますし、また委員会でもたしか資料が配られたのではないかと思います。ですから、その点に対しての取り扱いを明らかにしていただきたいと思います。
  26. 中西一郎

    中西政府委員 果樹関係では、被害の大きなものは、ミカン約二億、日本ナシ二億七千万円強、桃もほぼ同額、その他十品目ばかりについて被害が出ておりますが、果樹の合計で八億八千万円というふうになっております。これは先ほど来申し上げました百八十一億三千二百万円の長雨被害内訳として調査があがっておるわけであります。それで、これの県別等につきまして御必要があれば申し上げますが、県別等についても調査が現段階で明らかになっております。
  27. 中村重光

    中村(重)小委員 実は私がこういうように執拗にお尋ねするのは、長野県の問題について、四月と五月の凍霜害、これは切り離すんだと、ずいぶんむずかしく言われるのです。これは麦とか、なたね被害額も大きいんだし、特別の取り扱いをするのだけれども、その他の農作物はだめだとかいうようなことになってくると、これはまためんどうなことになってまいりますから、この際そういう取り扱いについてはっきりしておく必要があるのではないかと思っておりますので、お尋ねをしておるわけです。
  28. 中西一郎

    中西政府委員 お話しの点はかように相なります。当然天災融資法対象にはなるわけです。特別被害地域あるいは特別被害農民というものの適用も得られます。先ほど来裏作についての特例法お話を申し上げておりましたが、あれは果樹については適用はございません。麦となたねだけでございます。
  29. 中村重光

    中村(重)小委員 その点については、凍霜害地区関係もありましょうから、さらにまたあらためて詰めていきたいと思います。  それから、問題の災害都市といわれておる諫早市で、干拓堤防が決壊をして、水田六十ヘクタールに海水が浸入しておる、こういうことが新聞紙上にも大きく報道され、テレビ、ラジオを通じても報道されたのでありますが、この点を調査しておられるかどうか、また、その被害はどの程度に達しておるか、また、これに対する取り扱い長雨と切り離してお考えになっておられるのか、そこらあたりについての考え方もひとつお聞かせ願いたいと思います。
  30. 中西一郎

    中西政府委員 諫早で、先週の土曜日でしたか日曜日でしたか忘れましたが、干拓堤防が沈下して、海水水田約数十町歩に入って冠水しておるという情報を得ております。その沈下した部分の堤防は、三十八年に着工した運輸省事業のようでございます。冠水しました水田につきましては、塩抜きその他の措置が今後必要になりますか、こういうことについて運輸省と折衝しておりますけれども、費用の負担関係は、工事に原因があったようでございますので、原因者負担ということで、運輸省関係公共事業費のほうで措置してもらうということで進めております。
  31. 中村重光

    中村(重)小委員 いままでの麦、なたね等災害取り扱いについて、連年災ということを私どもは強く主張してまいったのであります。御承知のとおり、諫早は、むしろ災害都市というほうが適切なことばと思うのであります。農家人たちの痛手、不安というものは実にたいへんなものがありますから、そういう点については十分好意的な態度をもって取り組んでもらうように強く要望いたしておきます。  これをもって終わります。
  32. 細田吉藏

  33. 天野光晴

    天野(光)小委員 先日来委員会懇談会でいろいろ議論しておりました点について、最終的な段階にまいりましたから、再確認をしておきたいと思います。  まず第一点は、ようやく特例法もでき、激甚災指定も明日の閣議で決定するという段階までまいったわけでありますが、それはいずれも災害を受けた農民を救済するというたてまえから融資をするというだけの問題でありまして、好意的に解釈すれば、救済の役割を相当果たすことになるだろうと思いますが、借りた金を利息をつけて返すということでありますから、言うなれば、直接救済の処置としては手ぬるい感が非常に強いわけであります。そういう点で、二、三議論になっておった点を再確認しておきたいと思います。  第一点は、樹勢回復の肥料と農薬の問題でありますが、この点は、大蔵省、自治省との連絡の上、特交で扱いをするのだという政府方針であったのが、われわれの主張をある程度いれて、そうして地方自治団体の長等がこれを要望するなれば、助成の措置のできるようなかっこうで、善処するというか、ひとつ前向きの姿勢で考えてみょうというこの前からの話でございますが、そういう点で、その後の動きがどのように農林省としてはやっておられるのか、その点をまずお聞きしておきます。
  34. 中西一郎

    中西政府委員 この樹勢回復についての肥料あるいは病虫害関係の農薬等についてのお話につきましては、やはり基本的には特別交付税の中での取り扱い考えておるわけです。ただその場合に、補助金制度のよさというものも補助金の体系の中にあるわけでございます。と申しますのは、的確に、このために幾らの援助があったということが明確になるという意味合いでの長所があるというふうに考えます。そういうことを特交の制度の中に織り込むことは非常に困難だと思いますけれども、特交の中でそれほど明確な判断ができないにしても、災害地の市町村長が、この程度の被害ならばこの程度の農薬、肥料は使う、それを使った場合には、自治省であとでめんどうが見てもらえるのだというつながりがつくような、行政指導といいますか、そういうことができれば、補助金の場合と同じような効果をあげ得ますし、その中に補助金につきまとっておる欠点は逃げられるというふうに思いまして、その辺はなはだ抽象的な言い方で恐縮なんですけれども、そういう方向で検討を進めております。それは若干時日をいただいて、ゆっくり詰めて、自治省等の納得も得た上で実行をいたしたい、かように考えております。
  35. 天野光晴

    天野(光)小委員 その話は、この前からの連続的な話ですから了承できるわけですが、私の主張しておるのは、災害地の県並びに市町村が、緊急を要するたてまえで、災害が発生した直後において、一両日中に樹勢回復をしなければいけないので、樹勢回復の肥料並びに農薬等をすでに予算化しているのは事実なんですから、それに対する助成を特交でやるとするならば、いま言ったとおり、市町村長が了解できるようなかっこうでいいですから、明確にできるならば、了承できると思います。そうでなければ、あくまでもこれは切り離して助成の措置に踏み切ってもらいたいという考え方で議論をしてきたわけでありますが、そういう点で、末端の県並びに市町村長が了解できるという形の上ならば、われわれあえて何をか言わんやでありますから、その作業をひとつ至急やっていただいて、特交は来年の二月だから、これもそれに準ずるくらいでいいんじゃないかという考え方でなしに、いろいろな災害が起きてきますと、なかなかスピードがなくなってしまいますから、そういう点でこれは急いで作業をやってもらうように希望しておきます。  それからもう一点は、これも懇談会で問題になったことですが、いわゆる蚕業技術員に対する手当ての問題です。これは夏秋蚕の収繭量その他の成績を見て、一カ年間を通算した上で不足分を助成するというお話は了解できる。それでけっこうだと思うのですが、ただ、この間の懇談会官房長から説明のあった、いわゆる負担金といいますか、手数料の少ないところはそれを上げさせるのだというような話がございましたが、その点については非常に時期的にまずいわけです。災害の起きていないときであるならば、その行政指導をやってしかるべきだと思うのですが、災害が起きてにっちもさっちもいかなくなったときに、いままでの手数料が安過ぎるから高くしろという考え方はよくないと思うのです。その点についてまだそういう考え方をしておるのかどうか、一応確認しておきたいと思います。
  36. 中西一郎

    中西政府委員 手数料の問題につきましてはいろいろな考え方があろうかと思いますが、とりあえずここで強権的に上げろというようなことを申しましても、これは無理な場合もあろうかと思います。ただ、将来の問題を考えながら、また本年度単年度をとりましても、夏秋蚕での回復が目ざましいということになれば、手数料の適正化もさほど困難なことではないと思います。その辺の実情を見ながら、これは無理がないようにはいたすつもりでおります。
  37. 天野光晴

    天野(光)小委員 次に、救農土木という問題が、本会議あるいは委員会懇談会等で非常に議論されたのですが、これに対して政府側の大体の措置ができているのかどうか、現在の段階でどの程度までいっておるのか、その点をお伺いします。
  38. 中西一郎

    中西政府委員 救農土木の点は、現在、三十九年度の予算の範囲内で、いわば省側としては待ち受けておるわけでございます。それぞれの地元のほうで計画をしていただいて、申請がございましたならばそれに応じていきたいということで、待っておるわけでございます。
  39. 天野光晴

    天野(光)小委員 これはこの間の懇談会でも問題になったのですが、本年産米の予約概算金の増額支払いというかっこうで長雨のプリントにはいつも出てくるのですが、凍霜害関係にもやられているのですか。凍霜害関係のプリントには載ってこない文字なんです。この点は長雨と同じような考え方で扱ってもらえると了承して差しつかえございませんか。
  40. 中西一郎

    中西政府委員 予約の時期を早めたいというふうに農林省全体として考えております。その際には、長雨被害地域あるいは凍霜害被害地域について別段の区別をいたしません。
  41. 天野光晴

    天野(光)小委員 最後に、恒久対策というので、これも懇談会で相当議論したわけですが、果樹地帯に対するいわゆる凍霜害の予防対策としての重油燃焼器の助成の問題です。どうもすっきりしない状態で現在きておるようですが、この点どの程度の運びになっているのか、将来どれくらいのものがやれるという見通しなのか、その点ひとつお伺いしておきます。
  42. 酒折武弘

    ○酒折政府委員 凍霜害の将来の予防対策といたしましての重油燃焼器につきましては、これを助成する方向で、現在具体的に、どういう範囲に、またどういう対象に対して補助すべきか、またどういう程度の補助率にすべきかといった点につきまして、財務当局と折衝中でございます。結論的にどのくらいの金額になるであろうかということは、きょうの段階ではちょっと申し上げられないのであります。
  43. 天野光晴

    天野(光)小委員 それでは、園芸局長がお見えですから、いいあんばいですからお伺いします。三十二、三年ごろ助成をやったわけですが、その当時の助成の形はどういうかっこうでやりましたか。
  44. 酒折武弘

    ○酒折政府委員 その辺は、至急調べましてまたあとから……。
  45. 天野光晴

    天野(光)小委員 というのは、助成するのに、しやすいからやる、むずかしいからやらないという事務的の形それ自体に私は不満を持つのです。たとえば今度の場合、恒久対策として、稚蚕飼育共同桑園には重油燃焼器等を購入するものに助成をするということなんで、これも懇談会で議論したのですが、稚蚕飼育の共同桑園だけを確保してみたところで、全部の予算を仕上げるのには、とてもそれは問題になるべき筋合いのものでもないと思うのです。ただ、やり方が非常にたやすいからこれをやるんだというふうにこの間から聞いているのです。果樹関係のほうは、すでに、重油燃焼器で予防措置を講ずれば、それはイコール直接それだけでもう効果があるわけですが、稚蚕飼育のほうにやる助成のほうは、稚蚕飼育の共同桑園だけわずかなものを確保してみたところでどうにもならないのじゃないかという感じがするわけです。そういう点で、果樹関係も、地方自治体に責任を持たせるとか、どれかの形で、りっぱにできている協同組合等があるわけですから、そういうものを単位にしてやるという前向きの姿勢で大蔵省と折衝してやっていただきたい。残された唯一無二の助成措置というものがこれだけになるような感じが非常に強いわけですから、そういう点で、これほどの凍霜害、あるいは長雨とこれは両方一緒ですが、農民自身は、もう自殺をしたというものまであるほど容易でないところに追い込まれているものに対して、それも、金を貸すだけがいわゆる政府措置であるというような考え方では、一般被害農民は了承しかねるものがあるのじゃないかと思うのです。それも金を無利息で貸すなら話はわかるが、利息を取って貸すというかっこうなんですから、その辺は政治として、少しでも国から助成して、これは国から助成されたんだという感じを持つものをやはり二、三点取り上げていくべき筋合いのものだということで議論をしておるのですから、そういう点で、重油燃焼器を恒久的な措置として稚蚕飼育関係に助成をするならば、果樹関係にも相当な量が回るような措置を講ずるように努力することを要望いたしまして、質問を打ち切ります。
  46. 細田吉藏

  47. 大久保武雄

    大久保委員 私はちょっと追加して質問をしたいのでありますが、先般農林省から発表されました長雨等災害対策、六月十六日付、それによりまして、クリキクイムシの対策で「緊急防除用農薬に対する補助」という項目に、いかなる措置をしたかという段になりまして、「調査の結果キクイムシの衰弱木に対するまん延防止の必要を認めたのでその対策を検討したい。」かようなことがございます。また、クリ苗購入の助成につきましては、「果樹経営計画の樹立又は変更の手続きにより果樹経営改善資金の融通を行なうことにつき検討中。また経営計画の樹立又は変更が困難な場合は農林漁業金融公庫の災害復旧資金の融通を行なうことにつき併せ検討している。」また、(3)として「キクイムシ、胴枯病を植物防疫法指定有害動植物に加える。」という項目に「現在実施中の果樹等病害虫発生予察実験事業を本事業化する際栗の病害虫を包括することを検討したい。」かような措置が発表されたわけであります。このうちの(1)の「緊急防除用農薬に対する補助」について「調査の結果キクイムシの衰弱木に対するまん延防止の必要を認めたのでその対策を検討したい。」かようなことでございますが、これはいかなる対策であって、いかなる検討をされようとするのであるか、答弁を願いたいと思います。
  48. 中西一郎

    中西政府委員 応急対策についていろいろ考え、かつあわせて並行して恒久対策考えなければならぬ、こういうふうに思っておりますが、やや専門的な点にもわたるのですけれども、回復の見込みのないものにつきましては、枝を取るとか、あるいは改植するということを指導するわけです。そして被害の部分を切除するというようなこともあわせて考えまして、その場合には新しい芽を出させる、あるいは高つぎさせるというようなことを指導いたしております。それから胴枯れ病の侵入というような場合には枯れてしまうおそれが多うございますので、そこで高つぎについてはあまり奨励はできないのではないかというふうに現段階では考えておるところでございます。それから回復の見込みのあるものにつきましては薬剤処理を行なうということで、すでにキクイムシに対する防除の体系はできておりますので、それをさらに周知させまして徹底させるという段取りをいたしております。薬としましてはBHC剤の塗布というようなことが行なわれるわけでございます。また、衰弱しておる木等につきましては先ほどの胴枯れ病におかされるようなことが多うございます。それを防止しますために、敷き草をしまして乾燥を防止するというようなことを行なうわけでございます。さらに胴枯れ病の侵入防止のための薬剤処理も考慮いたしております。恒久的な指導としましては、一つは、クリの木が性質上排水の良好な土地を好む、さらに他面、多量の水分も要するというむずかしい作物であるわけです。そのほか、太陽の光も相当に必要とするというようなことで、環境の変化の影響を受けやすい果樹であるようであります。それらの点を前提にしまして各種のことを考えるわけですが、凍霜害とか、あるいは日やけ等の発生しやすい南面あるいは西面にいろいろな害が発生するおそれが多いようでございます。そういう点については、薬剤を塗布する、特に栽植後五、六年間は非常に周到な管理を要し、それに適当した薬剤もすでにあるようでございます。それから排水不良の地につきましては、滞水が起こらないように排水に注意をするということも一つの重要項目となっております。苗の選定といたしましては、凍霜害を受けやすい低いところでついだ苗よりも、高つぎ苗のほうがいいのではないかということを含めてやっております。植物防疫法の体制としましては、発生予察実験事業等の関連でいよいよ本事業を始めていくわけであります。これは先ほどお話しになりましたことを予算措置として取り進めていくわけでございます。
  49. 大久保武雄

    大久保委員 先ほど凍霜害天野委員から質問がありました、農薬の補助等について政府は特段の措置を講じてもらいたい、また市町村等に対する特交について、災害に対する給付が明確になるように措置してもらいたいという段の質問は、このクリキクイムシ等に対しましても同じような次第であろうと思いますが、この点に対する農林省の御意見を承りたいと思います。
  50. 中西一郎

    中西政府委員 クリキクイムシについてどうするか目下検討中でございますが、大きな機械器具、非常に大規模な共同防除というようなことになってきますと、たとえば薬剤費の補助というものも制度的に取り上げやすくなる、そういう意味で、肥料、農薬だから、あるいは零細補助だから一がいにだめだというふうには考えておりません。セット的な考えで補助体系に取り組み得るものは取り入れてまいりたいという方針でおります。なお検討いたします。
  51. 大久保武雄

    大久保委員 農林省の善処を期待する次第であります。  なお、先日農林省から発表されました長雨対策によりますと、シイタケに対する対策がそれには載っていないわけであります。シイタケに対する被害は、きわめて最近判明した被害でありまして、その被害額も、先ほど説明がありましたように十四億になんなんとしておるわけでありますが、これに対してとっておられる農林省対策という点をひとつ発表願いたいと思います。
  52. 森田進

    ○森田説明員 シイタケ被害につきましては、先生おっしゃいますように、かなり重大なものであることが逐次判明してまいったわけでございますけれども、被災者の私どもに対します要請といたしましては、天災融資対象にぜひ取り上げてほしいということでございましたので、その線に沿いましてただいま関係方面と折衝中でございます。
  53. 細田吉藏

    細田委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会