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1964-06-25 第46回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十五日(木曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 中山 榮一君    理事 稻葉  修君 理事 大久保武雄君    理事 田中 正巳君 理事 古川 丈吉君    理事 細田 吉藏君 理事 稻村 隆一君    理事 岡本 隆一君 理事 村山 喜一君       天野 光晴君    池田 清志君       小沢 辰男君    亀岡 高夫君       壽原 正一君    田澤 吉郎君       中馬 辰猪君    井谷 正吉君       井手 以誠君    石田 宥全君       泊谷 裕夫君    中村 重光君       華山 親義君    山口丈太郎君       竹谷源太郎君    玉置 一徳君       林  百郎君  出席政府委員         農林政務次官  丹羽 兵助君         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   宮崎  仁君         大蔵事務官         (国税庁直税部         所得税課長)  大島 隆夫君         農林事務官         (農林経済局金         融課長)    中沢 三郎君     ――――――――――――― 六月二十四日  委員久保田豊君及び田口誠治辞任につき、そ  の補欠として石田宥全君及び松井誠君が議長の  指名委員に選任された。 同月二十五日  委員藤井勝志君、卜部政巳君、西宮弘君及び稲  富稜人君辞任につき、その補欠として中島辰猪  君、華山親義君、井手以誠君及び玉置一徳君が  議長指名委員に選任された。 同日  委員中馬辰猪君、井手以誠君華山親義君及び  玉置一徳辞任につき、その補欠として藤井勝  志君、西宮弘君、卜部政巳君及び稲富稜人君が  議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 六月二十四日  昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等に  ついての天災による被害農林漁業者等に対する  資金融通に関する暫定措置法適用特例に  関する法律案内閣提出第一七三号) 同月十八日  福島県下の晩霜害対策に関する請願亀岡高夫  君紹介)(第四四一五号)  福島県下の凍霜害対策に関する請願亀岡高夫  君紹介)(第四四一六号) 同月二十二日  奄美大島地域干ばつによる農作物被害対策に  関する請願池田清志紹介)(第四九七九  号)  鹿児島県下の天災による農作物被害対策に関す  る請願池田清志紹介)(第四九八〇号)  鹿児島県下の麦、なたね等災害対策に関する  請願池田清志紹介)(第四九八一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 六月二十日  福島県の凍霜害対策に関する陳情書  (第八二七号)  日南市の長雨等による農業被害対策に関する陳  情書(第八二八号)  長崎県の長雨等による農業被害対策に関する陳  情書  (第八二九号)  三重県の干害対策に関する陳情書  (第八三〇号)  災害対策に関する陳情書  (第  八三一号)  大分県の長雨等による被害対策に関する陳情書  (第八三七号) は本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等に  ついての天災による被害農林漁業者等に対する  資金融通に関する暫定措置法適用特例に  関する法律案内閣提出第一七三号)  請 願  一 異常長雨等による農作物災害対策に関する   請願下平正一紹介)(第三七五号)  二 福島市の凍霜害対策に関する請願天野光   晴君紹介)(第四一七七号)  三 鹿児島県下の天災による農作物被害対策に   関する請願池田清志紹介)(第四二〇八   号)  四 福島県下の晩霜害対策に関する請願亀岡   高夫紹介)(第四四一五号)  五 福島県下の凍霜害対策に関する請願亀岡   高夫紹介)(第四四一六号)  六 奄美大島地域干ばつによる農作物被害対   策に関する請願池田清志紹介)(第四九   七九号)  七 鹿児島県下の天災による農作物被害対策に   関する請願池田清志紹介)(第四九八〇   号)  八 鹿児島県下の麦、なたね等災害対策に関   する請願池田清志紹介)(第四九八一   号)      ――――◇―――――
  2. 中山榮一

    中山委員長 これより会議を開きます。  昨二十四日本委員会に付託になりました昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律案議題とし、審議に入ります。
  3. 中山榮一

    中山委員長 まず、政府より趣旨説明を求めます。丹羽農林政務次官
  4. 丹羽兵助

    丹羽(兵)政府委員 ただいま議題となりました昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律案提案理由を御説明申し上げます。  本年四月から五月上旬にかけて四国及び九州を中心とする西日本一帯において長雨及び長期にわたる高温が続き、六月一日現在の調査結果によれば、麦、なたね等農作物被害は百八十一億円に達し、被害規模がきわめて大きく、かつ、被災地域も広範囲に及んでおります。  このように麦、なたね等の主要な裏作物等に著しい被害を生じますと、今後の農業の再生産に及ぼす影響が甚大であるばかりでなく、農家経済への影響も無視しがたい実情でありますので、天災融資法適用について特例を設け、被害農業者低利資金融通する等の措置を講じ、すみやかに農業の再生産の確保と民生の安定をはかろうとするものであります。  今回の特例の第一点は、特別被害農業者の範囲を拡大することであります。天災融資法では、農業粗収入の五割以上の損失額がある場合に限り、特別被害農業者として三分五厘の低利資金を借り受けることができるようにしておりますが、今回の特例措置では、麦等の主要な裏作物収入が八割以上失われた被害農業者並びに昨年四月から六月までの長雨により麦及びなたねの収入が八割以上失われて被害農業者となり、かつ、今回の長雨等により麦等の主要な裏作物収入が五割以上失われた被害農業者特別被害農業者として取り扱い、三分五厘の資金融通することができるようにするものであります。  特例の第二点は、以上の特別被害農業者に貸し付ける三分五厘の経営資金については被災者負担緩和をはかるため、特に六カ月以上一年以内の据え置き期間を設けることとするものであります。  以上がこの法律案提案理由及びその内容であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  5. 中山榮一

    中山委員長 以上で本案に対する趣旨説明は終わりました。      ————◇—————
  6. 中山榮一

    中山委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。大久保武雄君。
  7. 大久保武雄

    大久保委員 私は最初に、当委員会におきまして、長雨災害被害の甚大であること、並びに昨年の激甚なる災害に引き続いて本年と、連年裏作の激甚なる被害を受けておられる農家に対しまして、政府特段措置を講じ、すみやかに特別立法制定して、特別被害農家の拡大あるいは貸し付け条件緩和等措置を講じてもらいたいということを要請しておきましたが、政府が今回特別立法制定に踏み切られましたことは、その労を多とするものであります。しかし、私は、この際さらに政府に一考をわずらわし、この法律の施行とともに政府特段考慮をわずらわすべきであると考える二、三点がありますから、これらの点につきまして政府の意向をただしておきたいと存ずる次第であります。  今回の法律によりますと、ただいま政務次官が御説明のとおり、本年の裏作被害の百分の八十以上、昨年からことしにかけた連年災につきましては、昨年百分の八十以上の被害を受けた農家であって本年百分の五十以上の裏作被害を受けておる農家に対して、特に被害農家としての特典を与えようということでございます。そこで、この法律によりまして、被害を受けました県の指定をいかなる基準政府適用されるのであるか、また、その基準によって適用される県は何県と何県であるか、この点を御説聞いただきたいと思う次第であります。
  8. 中西一郎

    中西政府委員 ただいまのお話でございますが、昨年は裏作につきましての粗収入の二分の一以上の被害があるということで県を指定いたしたわけですが、本年はそれを緩和しまして百分の四十ということで県を指定する予定でおります。その県は高知、、愛媛、長崎熊本宮崎鹿児島にわたるわけでございます。
  9. 大久保武雄

    大久保委員 ただいま官房長説明は一応承りましたが、ただいま指定を予定されました県のほかに、これらの県に隣接した地帯において長雨の非常に激甚なる被害を受けておる地帯があるわけであります。雨というものは役人のつくった行政区画単位に降るわけではありませんで、一般の天然現象によって降る次第でございますから、それを役人のつくった一つ行政区画の場合にはめ込んでしまおうというところに無理が出てくるわけでございます。すなわち、今回の長雨は、長崎県の県境に位しておる佐賀県の三郡、熊本県と福岡県の県境にありますところの福岡県の二郷、あるいは宮崎県と大分県の県境に位置しておりますところの大分県の二部等は、かなり激甚な被害を受けておりますにもかかわりませず、ただいま政府説明によりますと、県として指定が受けられない。いろいろな条件によって災害救済において一つ差別待遇が行なわれるということは、災害を受けた農民にとりまして非常な差別待遇を受けたという感じを残すわけでございまして、これは災害救済するという本院の趣旨から申しまして、また本法の精神から申しましても、まことに残念なことでございます。また、さような感情は払拭しなければならないのでございます。そこで、これは三県にわたって七郡にのぼっておりますが、これらの七郡をもし一緒に固めましたならば、これは当然一つの県に相当するくらいの広範な地域が除外される、かようなことになるわけでございます。そこで政府は、これらの隣接県の漏れた郡に対して、いま申しました百分の四十、あるいはそれをさらに緩和するということを何らか考慮することは考えられないか、また、百分の四十では入りますまいから、それをさらに下った措置について考慮はされないものであるか、この点をひとつ政府に質問したいと思う次第であります。
  10. 中西一郎

    中西政府委員 お話の点、県境の隣接しました地域におきまして、隣同士で、三分五厘の適用を受ける、あるいは受けないという差別が出るのは、お話のとおりであります。ただその場合に、国の政策として考えますと、天災融資法に基づくそれ以外の措置ということも考えられるわけでございます。とりあえず天災融資法につきましての特別措置ということで現在考えておりますのは、先ほど申し上げました百分の四十であります。三県の御指摘がございましたが、県によりましては二割台というようなところも含まれておるわけでございます。そこで、国としての考え方ですが、県の単独事業でそういうことがやれるならば県単でやっていただくということも期待をいたしたいと思うのが一つであります。これはせんだっての大きな被害がありましたノリの際に、千葉県等でおとり願った措置でございます。その場合に、第二の問題としまして、県単でおやりになった場合に特別交付税等によってそれを補てんする措置が講じられるかどうかということであります。これが第二の問題ですが、この点につきましてはなお関係各省と論議を詰めていく必要が残っておりますが、私ども農林省気持ちとしましては、そういう方向で片がつくというのも一つ方法ではないかというふうに考えておる次第です。そういうことを講じまして、結果としてそれぞれアンバランスがないというようなことが期待し得るのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  11. 大久保武雄

    大久保委員 県が指定を受けたときに、指定を受けた県の中の市町村指定する場合は、連年災のところにおきましては、昨年八〇%以上本年五〇%以上の被害を受けた被害農家が、その市町村農家戸数の一〇%以上ある市町村指定されるわけであります。そこで、市町村指定するときには、一〇%ということで被害市町村指定されておって、県の段階になると百分の四十とか以上でなければ指定がされないということは、どうも法の精神からいっても非常に疑問に考えられるのでありますし、また、そこに被害農家が相当数集団した地域があるならば、それを取り上げて指定をしてもいいじゃないか。これは法制上絶対にできないものでありますか、あるいは、この県の指定等農林省のいかなる法的措置によってこの基準適用されるのでありますか。何らかそこに農林省法律によらざる方途でもし指定される方法ありとするならば、市町村段階において百分の十で指定されるのに、県段階においては百分の四十とか百分の五十でなければ指定されないというところに、この被害集約点をつかまえておるかどうかという点に、私は災害救済上の矛盾があるように思うのでありますが、この点についての農林省考え方を伺いたいと思う次第であります。
  12. 中西一郎

    中西政府委員 御指摘の点のような考え方も成り立つわけでございますが、天災融資法ができまして以来もう十年近く相なるわけですけれども都道府県指定しまして、都道府県市町村というようなルートを通じまして、その財政力にある程度の負担を期待するというたてまえで県を指定してやっておるわけです。その損失補償にしましても、利子補給にしても、県を通じてやるわけでございますが、そこで考え方としまして、財政負担というものをどの程度やってもらうかという場合の一つのめどとしまして、県単位での被害のウエートというようなことで処理してまいっておるわけです。そういう形で拾いますと、先ほど来の話のような趣旨での解決にはならないわけですが、従来どおりのことでやりましてその上でアンバランスが出るというならば、別途の方策でそれを救うということで、結果としてのアンバランスはないようにいたしたい。法制上絶対にそういうことはできないということではないわけでございますが、従来の運営の方針等にかんがみまして、府県に重点を置いた施策をしていくということで、従来どおりやりたいと考えておる次第でございます。
  13. 大久保武雄

    大久保委員 私は、この点がやはり、この市町村段階指定県段階指定、並びに、実際被害を受けた地域救済しょうとしておるのであるか、あるいは行政区画単位をしゃくし定木にやっておるのであるかという点につきましては、非常な疑問をいまだに持っておるのであります。しかもその運用段階であるということでありましたならば、これは変えられないこともなかろう、かように思うのでありますが、しかし、救済はきわめて急を要することでもございますし、この点はさらに政府におきまして特に考究をいただいて、さような法律によらざる方法によって救い得る地域というものはあくまで救うのが法の精神である、こういうことに照らして、緊急なる各省との検討を進めてもらいたいとお願いをするわけであります。  次にお尋ねいたしますが、さような地帯におきましても、今回の長雨地帯天災融資法の発動があれば、六分五厘の適用はこれはあるわけでございますね。
  14. 中西一郎

    中西政府委員 当然適用がございます。
  15. 大久保武雄

    大久保委員 次に私は質問いたしたいと思うのでございますが、先ほどもちょっと官房長が触れておりましたが、県の単独措置で今回の特例と同じような三分五厘の利子補給をするということは、これは各県におきまして当然とる措置であろうと思うのであります。そういう場合において、先ほども、政府はこれが利子補給について検討しておるということでありますが、これが確たる約束ができるかどうか、もう一ぺん政府側答弁をいただきたいと思っております。
  16. 中西一郎

    中西政府委員 これはそれぞれの県当局とこれから折衝をし、必要があれば、第二の方法と申しましたが、自治省あるいは財政当局等とも打ち合わせをして取り進めてまいりたいと思っております。
  17. 大久保武雄

    大久保委員 これは交付税の対象として、特交段階においてぜひともその助成をしていくということに政府は踏み切ってもらいたい、かように考える次第であります。  また、指定を受けない県に対しまして、自作農の維持創設資金のうちの災害資金を優先的に融資する考えはないのか。自創資金利子はたしか五分であったと思いますが、これは期間もかなり長いようでもございます。これらの点においても、この指定を受けない県が、指定を受けた県に対しまして非常な不利な立場にあるということは、重ね重ね気の毒な状態でございますから、この点について、農林省はいかなる措置をしようとしておるのか、答弁を明確にしていただきたいと思っております。
  18. 中西一郎

    中西政府委員 お話しの点、六分五厘の県等につきましても天災融資法ワクができるわけですが、その際に白創資金災害分につきましても当然それに見合ったワクを設定いたしまして、金融の道を講ずることを考えております。
  19. 大久保武雄

    大久保委員 そのほか農林省はいかなる考えを持っておられますか。こういったような法律指定から漏れて、しかも県境といっても、つながっておる、農村地帯でございますから、隣の県の麦畑は自分の目で見えるわけでありますから、それが、被害が同じであって、しかも十分な政府からの救済措置が行き渡らない、こういうことに対する不満というものは、ぬぐえといってもなかなかぬぐえるわけではないのであります。そこに必要なのは、政府親心と申しますか、一つ大岡式な踏み切りというものでございます。法はもちろん守るべきである。しかし、法はただそれを墨守するだけでは法に忠実なるゆえんではないのであって、そこに何らかの涙ある措置をとるということが政治であるわけでありますが、農林省は、そういう連年災害に泣いておる農民救済するために、何らか涙の政治をとろうとしておるのであるか、あるいは法律の番人としての役人立場を維持しようとしておるのであるか。涙の政治をするか、法律政治をとるのか、その点について、何らか涙ある方途を講じようとするならば、その二、三をここに例示をしてもらいたい、かように考えるわけであります。これは政務次官からひとつ……。
  20. 丹羽兵助

    丹羽(兵)政府委員 ただいま大久保先生から、政府がとるべき措置、これについて御質問がございましたが、なるほど、特例法を今日御審議いただいて救おうとはしておりますけれども、しかし、実際災害を受けたもの、そうした農家が、国に、また県に願う気持ちと申しますか、すがりつこうとする気持ちというものは、ただいま先生から御指摘のあったような道を講じていかねば、これはほんとうに救われていかないと思います。そうすることが災害を受けたものを救う道だ、こう私は考えますので、特に政令指定にあたっては、災害県のみならず、そういうことにとらわれずに、地域的な被害実情等を十分考慮して、ただいま先生から、災害を受けた農民気持ちになってお訴えになりましたように、被害農家に対する国の施策というものが均衡に行き渡るような方法を講じていかなくちゃならぬ。それについては、農林省がやるか、県がやるか、あるいは自治省特交という形で考えるか、いずれにいたしましても均衡でいかなくちゃならぬ。ただ行政区域がこうなっておるから、現在の法のたてまえがこうなっておるからというので、均衡のとれないような、しかも農民が目の先に見て、この県の県民なるがゆえに、この区域なるがゆえにこれの適用を受けられる。しかし、県が違ったから受けられぬというようなことではいけないと思いますので、今後、農民気持ちをくんで、御指摘のありました点を均衡を欠かないようにやれますように、十分ひとつ検討を加えていくという、あたたかい思いやりのある政治をとってまいりたい、かように考えております。
  21. 大久保武雄

    大久保委員 政務次官被害農民救済心意気につきましては一応了承いたしましたけれども先ほど来秋が質問しましたことのほかに、なお細目を申しますれば、農業共済金の支払いでありますとか、あるいは麦の買い入れの措置、検査の場合の親心とか、いろいろやればやれないこともなかろうと思うのであります。そういう点について、いま政務次官から心意気として発言せられましたと同様の気持ちをもってひとつ今後の措置に当たっていただきたいと思うのでございます。大岡越前守罪人をさばいたわけでありますが、今回の農林省の幹部は、これは罪人ではなくて、被害農民であります。大岡越前守以上の涙ある心をもってひとつ取り扱っていただきたいと私はお願いするわけであります。  なお最後に、天災融資法はいろいろな面におきまして時代の要請に合っていない、また、災害が起こった場合に、現在の被害農家を救うのに十分ではないという気持ちを私どもは持っておるのであります。この天災融資法改正等について政務次官はどう考えておられますか、ひとつ将来のことについて御発言を願いたいと思う次第であります。
  22. 丹羽兵助

    丹羽(兵)政府委員 先日来、天災融資法改正ということは、災害があるたびのみならず、また災害がないときでも、そういう御意見が出ておりました。政府としては、天災融資法内容全部についてひとつ検討を加えようということで、先日来申し上げておったのであります。しかし、今日災害が起きまして直ちに天災融資法を全般的に改正するという時間がなかったので、やむを得ず、御指摘のありましたように、農民を救うという意味から、また再生産ということを考えまして、今度の特例法の御審議をわずらわしておるようなわけであります。しかし、今後におきましては、金額の問題等、ひとつ十分検討を加えてまいりたい、できるだけ早く天災融資法全体の内容について検討を加えまして、御審議をいただくようにしたい、こう考えております。  それから、先生から御注意がございましたように、法の運用にあたりましては、できるだけあたたかい気持ちをもって処理をしていくようにいたしたいと思います。
  23. 中山榮一

    中山委員長 他に御質疑もないようでありますので、これにて、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  24. 中山榮一

    中山委員長 これより討論に入ります。  別段討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  本案賛成の諸君の御起立を求めます。   〔賛成者起立
  25. 中山榮一

    中山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  26. 中山榮一

    中山委員長 次に、自由民主党日本社会党及び民主社会党三派共同提案にかかる、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、まずその趣旨説明を求めます。村山喜一君。
  27. 村山喜一

    村山(喜)委員 私は、自由民主党日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、附帯決議案趣旨説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、今次長雨等災害における特例法制定趣旨にかんがみ、政令指定をうけざる地域についても、被害農民実情を充分考慮して特段措置を図ること。 以上であります。  この趣旨とするところは、ただいまの質疑を通じても明らかになされましたように、天災融資法制定は、農家救済するという目的を持つと同時に、被害農家の再生産を保障しなければならない筋合いのものでございますが、今日の段階におきましては、すでに政府の手によって進められておりますように、制度金融においても低金利政策がとられている段階にございます。このときにあたりまして、天災融資法の一般的な指定を受けましても、六分五厘という金利をもちましてはこれらの目的を達成するということはきわめて困難な情勢に入っているとも考えられるわけであります。さらに、御承知のように、今回九州の長雨地域で、大分あるいは福岡、佐賀等が特例指定を受けないことに相なるのでございますが、これも、ただいま官房長から話がありましたように、集団的に数カ村がかたまりまして、特例措置を受けた府県との間における被害額の比較をいたしてみた場合に、たとえば大分県の佐伯農林事務所管内におきましては、被害率が六七・六%というような地域もあるように、特段の差違を見つけることができないような情勢にあるわけでございます。しかしながら、それらにつきましては、県という行政区域をもとにいたしまして四〇%以上という基準を設定いたしておりまするがゆえに、特別被害市町村といたしまして、一つも郡単位としてまとまった地域特例法指定を受けないというかっこうに相なっておりますので、これらはやはり小さな市町村の単位から、あるいは郡単位というような形のものを救済していくという方式を将来はとっていかなければならないと思うわけでございます。  そういうような点から、この段階におきましては、やはり抜本的に大災融資法を改正する段階に差し迫っていることは、政府当局も認めているところでございますので、それらの問題に対しましては、今後当委員会において、これらの措置を講ずると同時に、今回特に要請を申し上げたい点は、県単等におきましてこの三分五厘の金利で措置をいたしたものに対しまして、金利補給に対するところの特別交付税考えられなければならないわけでございます。この点については、関係省との協議がまだ——実質的に進められてはおりますが、成果として上がっておるわけでもありませんので、本日のこの決議をもちまして、実質上均等するような運用上の措置が十分に講ぜられるように要請を申し上げたいのであります。  さらに、自作農資金ワクの拡大も、同様の考え方として要請がございますので、これらの点を十分に政府が、決議を尊重されまして実施されることを要請申し上げまして、私の提案説明にいたしたいと存じます。御賛同を切にお願いいたします。(拍手)
  28. 中山榮一

    中山委員長 ただいまの村山喜一君の動議のとおり本案附帯決議を付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、本案附帯決議を付することに決しました。  この際、政府より御発言があれば、これを許します。
  30. 丹羽兵助

    丹羽(兵)政府委員 ただいま、昭和三十九年四月から五月上旬までの長雨等についての天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法適用特例に関する法律案を御決定いただきましたが、政府といたしましては、本法律の施行にあたりましては、特に御決議の御趣旨を十分尊重いたしましてその実現に努力し、被災農家の救援と農業生産の確保のため最善の努力をいたしてまいりたい所存ございます。     —————————————
  31. 中山榮一

    中山委員長 ただいま議決いたしました本案に関する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  33. 中山榮一

    中山委員長 次に、請願の審査に入ります。  本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  本会期中付託になりました請願は八件であります。その取り扱い等につきましては、先ほど理事会において協議いたしたのでありますが、この際、紹介議員の説明等を省略し、直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  おはかりいたします。  本日の請願日程中、第一、第五及び第六の請願は、いずれもその趣旨妥当と認められますので、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  37. 中山榮一

    中山委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、雪寒地対策に関する陳情書外二十七件であります。御報告いたしておきます。      ————◇—————
  38. 中山榮一

    中山委員長 この際、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  先ほど理事会の御決定のとおり、災害対策に関する件について閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  40. 中山榮一

    中山委員長 次に、閉会中審査案件が付託されました後の委員派遣及び参考人の出頭要求についておはかりいたします。  閉会中に委員を派遣して調査をする必要が生じました場合には、議長に対し委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣委員の氏名、員数、派遣地、期間その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  43. 中山榮一

    中山委員長 次に、閉会中委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じました場合の日時、人選等その他所要の手続に関しましては、あらかじめ委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 中山榮一

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時六分散会