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宇野委員 いま島上さんが無効のことを言われましたが、なるほど私もそのとおりだと思います。ところが、この点が、最高裁の判例をもってしても非常にむずかしい点がある。むずかしいから、
自治省がよほどしっかりしなければならないと私は思うのです。
なぜかならば、つい最近起こった問題におきましても、昭和三十七年七月の東京都参議院
選挙無効請求事件というものがある。これはつまり、
定員がアンバランスであるから、東京都においてはいなかの約三倍の
人口がありながらただ一人の
議員しか送れない、したがって、量の問題ではなくして
投票の質の問題であるというので提訴されました。これに対しまして最高裁の判決は、なるほどそういうことは言えるかもわからぬけれ
ども、
住民からいまなお絶対にこれは悪であるという強い要望がないときにはやむを得ないじゃないか、だからもしこれを無効としてやった場合にはせっかくの立法権を
住民が失ってしまうことになるから、一応この問題は、少数意見はあったけれ
ども、多数意見は無効でないというふうなことで却下をしてしまったわけなんです。
法律がそうなっておるから、結局最高裁としても、まあ変な解釈で却下したと私は思うのです。
いまたとえば、そういう創価学会の
選挙目当ての
人口の
移動に対しまして無効の訴えがあったといたしましても、あるいは裁判所においてもしその
選挙を無効にすれば、では、続いてどういうことが言えるか。やはりまた、三カ月以来おれたちは居住しておるんだ、現に
住民登録をしておるじゃないか。ところが、
基本名簿に載せるときあるいは補充
名簿に載せるときに、少しも
住民登録票と対照しておらないから、そうした結果悪循環がいつまでも続くと思うのです。
だから、それをどっかで切らなくてはならない。切らんがためには、やはり
選挙人名簿に申請をした場合に、はっきりと、その人が三カ月以来住んでおるのかおらないのか。なおかつ、三カ月以来ということには
住所の
要件もある。
登録に際しては
住所が
要件になっておるのだから、その
住所というものが、先ほどから
局長が申されたような
定義に基づいて該当しておるものかということを綿密に調べる必要がある。それをやっておらぬだけの話です。それをやっておらぬから、結局いいかげんなことになってしまった。現に
住民登録法二十二条においては、その人が転入した場合においては十四日以内に申請をせよと書いてある。それをゆえなくして申請をしなかったならば、これまた罰則の対象になっておるわけです。
自治省は、そういうことをはたして今日はっきりやっておるのですか。やってないから、
住民登録の際にもいいかげんなものである。なおかつ、三カ月以来という
期限の
要件はあるけれ
ども、
住所の
要件は少しも
調査せずして、ただ
本人の申請があったら
補充選挙人名簿だとか
基本選挙人名簿に載せておるというにすぎないのでしょう。この点をやはり島上先生もつかれたと思いますし、私もそのことを言おうと思っておったのです。
だから、今日は、現に
住民登録票と対照していらっしゃるのですか。
登録票と対照せざる限りその申請を受け付けることはできないという
通達を
自治省はお
出しになったのですか。