運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-04-08 第46回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月八日(水曜日)    午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 小泉 純也君    理事 青木  正君 理事 宇野 宗佑君    理事 岡崎 英城君 理事 辻  寛一君    理事 渡海元三郎君 理事 加賀田 進君    理事 島上善五郎君 理事 畑   和君       上村千一郎君    押谷 富三君       仮谷 忠男君    久保田円次君       小島 徹三君    長谷川 峻君       藤田 義光君    山中日露史君       山下 榮二君  出席国務大臣         自 治 大 臣 赤澤 正道君  出席政府委員         自治事務官         (選挙局長)  長野 士郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  公職選挙法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四三号)      ————◇—————
  2. 小泉純也

    小泉委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法の一部を改正する法律案について前会に引き続き質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。宇野宗佑君。
  3. 宇野宗佑

    宇野委員 今回提案されております公職選挙法の一部改正法案に関しましては、先般も同僚畑委員からいろいろ御質問がありました。私はなるべく重複を避けて、ひとつこの際、簡単に一、二の点に関し大臣の御所見を承りたいと存ずるのであります。  先般も畑さんのほうから、この法案に関係して、いわゆるある政治団体選挙目当て人口移動というものに関して、将来の取り締まりと申しますか、善後策について自治省に要望されておったと思うのですが、それを中心といたしまして、この法案にからんで御質問をいたしたいと思います。  この法案目的は、いわゆる定員増目的としたものでありまして、そこにも書かれておりますがごとくに「当分の間、」という文句が使われております。もちろん、公職選挙法別表によりますれば、五年を区切ってその近くにおいて行なわれた国勢調査に基づき更正するのを例とするというふうなことが書かれておりますが、そのたてまえからいたしましても、なるほど今日までの各選挙区における人口のアンバランスというものが非常に問題とされておったことは当然だと思います。「当分の間、」とある以上は、将来もまたこれは別表附則に書かれておりますがごとくに更正をしなければならないのであります。  そこで、根本的な問題といたしまして、私は選挙区と人口というものの定義をまず大臣に伺っておきたいと思うのであります。わが国公職選挙法選挙区というものは大体中選挙区というものをたてまえとしておるということになりますが、一応、小選挙区、中選挙区並びに大選挙区といわれる三つの分類に関する定員並びに定義というものを、ひとつこの際伺っておきたいと思います。
  4. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 この区制の問題は、御案内のように、一ころ非常に議論をされまして、それぞれ一利一害があることは新聞その他を通じて国民にも周知されております。また、自民党でも社会党でも、それぞれ党内で御研究もあったわけでございます。  ただ、私ども二十年ばかり前からここにおるわけですけれども、ずっと中選挙区できて、これになれ切っておるわけでございます。しかし、選挙制度審議会のほうでは、何と申しますか、区制を小選挙区にするべきである、その方向へ向かっていろいろ検討がなされておるように私は承知をしておりますし、また答申にもその片りんが見えておる。それから、世界先進国の例を見ますと、やはりみな小選挙区になっておるようですが、先ほど申しましたとおり、日本議員は中選挙区になれ切って、それでいろいろ頭でそろばんをはじいているものですから、これをくずすということは、事実最終は国会できめることですから、容易ならぬことであると思います。しかし、やはり私どもの観点といたしましては、選挙制度審議会が考えておりますように、やはり将来は小選挙制実現へ向かって進むべきものであるというふうに考えるわけです。  なお、御質問の中で大、中、小選挙区のそれぞれ得失と申しますか、そういった面について区別を明らかにしてくれということもあるようですが、これは専門家選挙局長が来ておりますので、そのほうのお答えにまちたいと思います。
  5. 長野士郎

    長野政府委員 小選挙区、中選挙区、大選挙区という分類でございますが、いま大臣からお話がございましたが、小選挙区と申しますのは、一人一区、先進国といいますか、西欧諸国においてとっております一人一区が小選挙区と大体いわれております。  したがいまして、その分類からいきますと、わが国選挙区、三人ないし五人という選挙区はすでに大選挙区ということになるのでしょうが、わが国の特殊な選挙制度として三人ないし五人の中選挙区制というものをわが国としては考えられておる、かように考えます。  したがいまして、そういう分類からいきますと、それを中選挙区と考えますと、大選挙区というのはそれ以上と申しますか、六人以上の選挙区、結局かつてやりました府県一つ単位にするというような選挙区を大選挙区ということになるわけであります。  中選挙区をとりましたときには、小選挙区や大選挙区の短を捨てて、それぞれの長所をとるということが掲げられておったのであります。それによりますと、総選挙区になれば競争が激甚になるし、大選挙区であれば範囲が広くて選挙運動その他非常に困難が生ずる。それから、小選挙区であれば死票が多過ぎる。そういうことがあって、中選挙区がわが国の実情に一番合うのだというような考え方があったわけです。これはその後の状況で、経済交通事情等も変わりましたから、またそれに従いまして考え方も変わってまいると思います。それぞれあらためて得失を考えるべきであろうかと思います。
  6. 宇野宗佑

    宇野委員 小選挙区といえば一人一区、中選挙区といえばわが国の慣例として三名ないし五名、大選挙区といえば、広義に解釈すれば二名以上、こういうことが通例の一つ定義であると思います。  この改正法は、わが国の中選挙区というものを中軸としてお出しになったものであろうとは存ずるものの、定員増の中にはただいま局長が説明された三名ないし五名以上の定員があるということは、大選挙区も広義においては加味されているわけですね。
  7. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 御指摘のとおりであると思うのです。しかし、やはり中選挙自体も、日本独得のものではありますが、先ほど申しましたように古い歴史も一応あるわけでございます。また中選挙区そのものに意義があればこそ、やはりわれわれはこの制度のもとに選挙をしておるわけでございます。ですから、筋を通すという意味におきましては、やはり現状どおり三名ないし五名という形にすることが望ましいと私どもは考えておる次第でございます。
  8. 宇野宗佑

    宇野委員 大体今日の法律は、選挙法定主義と申しますか、あるいは行政区画主義と申しますか、そうしたことで選挙区というものが定められるわけですが、その次に、一応その選挙区に議員定数配分する場合において、この法案の中にも、人口を主として考える、なおかつ地域性も十二分に考慮したということがいわれております。私はその点は最もそうでなくちゃならないと思うのです。  特にわが国の今日の国内的な情勢より判断いたしましても、ますます経済は広域化しつつある。あるいはまた、現在政府が推進しておられる所得倍増計画の一本の柱である地域格差の是正という点からいたしましても、都市人口集中というものをなるべく排除しようという幾つかの法案が準備されておるわけであります。したがって、さような意味で言うならば、新産業都市という法律もできましたし、あるいは低開発地域工業促進法といった法律もでき上がったわけであります。当然人口移動というものは、短期間でなく、将来相当長期間にわたるものと考えなくちゃならぬ。  こう考えた場合に、なるほど今日の改正においては、一応ものさしとしては人口を用いなくてはならないけれども地域性を考慮して、大体二十万何千かを中心としてその前後七万をおとりになって、その範囲の中で今日の定員増定数増というものをおきめになった。そのやり方に対しては、私は今日当然のことであろうと思いまするし、また特に大都市中心を排除しなければならぬという考えを持っておりましたわれわれの前に提示された数字からながめますと、一応定員増になったところは二十万人以上に一人というような議員定数配分されております。一番小さな兵庫県では、十三万人に一人ぎりぎりの線で一名も減員することなく現定員を守られた。こうした意味からは、十二分に地域性が考慮されていると私は考えます。  しかしながら、将来当分の間この定数でいくのだということになっておりますが、わが国人口増減もございましょうし、あるいはそういったような地域人口増減もございましょうし、そうした点をとったときに、たとえば英国の選挙法のごとくに、定数というものに一つ標準を設けて、その標準によって年々歳々更新するとか、この選挙法別表にも明らかにされておるがごとくに五年ごとに更正することを例とするというのであるのならば、将来人口以外の何らかの要件というものがこの際にもはっきり明示されておったほうがいいと思うのであります。  そこで私は、今回ここに提案されております法案のいわゆる四百八十六名というものは、今後にもおける標準定数であるというふうなお気持ちで出されておるのか、いや、また将来人口がふえれば今日のごとく何か知らぬけれどもとにかくふやす一方なんだ、日本国会の議席はどんどんふえる一方なんだということなのか、それが正しい方向なのか、その辺に関する現在としての自治大臣の御所見を承っておきたいのであります。
  9. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 「当分の間、」という表現は、おそらく選挙制度審議会のほうでは、先ほど申しましたように、一般にやはりこの区制改正は一人一区といのものを目ざしてさらに検討していくというかまえにあると私は見ておるわけでございます。ですから、その結論が出るまでの当分の間と私は考えておるわけです。当分の間ということは、三年でも三十年でも当分と言って言えぬことはない、その間に人口移動があればまたちょこちょここれを変えるのかという御質問ではないかと思うのですが、私はやはり、いまのようなやり方でやるといってたびたび変えるということではたいへん疑問があると思うのです。ですから、最終的な結論をなるべく早い機会に選挙制度審議会も出すべきであるという考え方を持っているものでございます。  地域性加味ということも、当然お互いにと申しますか、少なくとも衆議院の場合は、憲法をつくりましたときからして、これは地域代表的な色彩を持つものである。それから、参議院の場合は職能的なというようなことばも実はあったわけです。いまそのとおりになっておるとは考えませんけれども、しかしながら、地域性をいう場合には、やはりその地区地区利益代表者がその地区から出るということは、地域の面でももちろん望ましいわけです。大都市に一部議員が集中しますれば、どうしてもこの利益がだんだんそこなわれがちな貧しい地帯の代表はなくなってくる。なかなかむずかしいことがあると思います。しかし、現段階では、おっしゃるように地域性を加味して、また逆に算術でただ案分したということでもなく、まずここらあたりがいいのじゃないかということで審議会結論をお出しになったのではないかと私は考えるわけです。  ですから、当分の間ということをどう考えるかという御質問かと考えるのですけれども、私は、始終変える性質のものではない。しかし、一日も早くこの審議会のほうで、選挙制度について、区制について最終的な結論出してもらいたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  10. 宇野宗佑

    宇野委員 そこで、局長にその問題に関連してお尋ねしておきます。事務を担当していらっしゃる局長としては、先ほど私が大臣質問したと同様の内容ではありますけれども選挙区制というものが将来一人一区制になろうとなるまいと、とにかくその一名というものをきめ、あるいは選挙区をきめる場合に、人口というものの比重が第一だろうと思いますが、やはりあまり算術的に人口何方名に一人だというようなぐあいでなくして、いろんなエレメントというものを加味しなくちゃならないと思います。今日ただいまとしては、ただ数字の上では二十万を中心として、上は二十七万、下においては十三万というところで、地域性を加味されたといいますが、もう少しく具体的に、さらにあるいはこの法案を提出されるに対して人口以外の要素というものを、こういう点を考えたのだというところがあれば、またなくちゃならないと思いますが、ひとつ御説明をしていただきたいと思います。
  11. 長野士郎

    長野政府委員 地域性の問題でございますが、現在の衆議院議員定数の四百六十六人の配分というものは歴史的に長い沿革をもっているわけでございます。それは私ども調べてみますと、府県一つ単位といたしまして、そして府県単位人口比例によりまして一応の定員配当をしてきたのがわが国やり方のようになっております。そして、府県の中でいまの三人ないし五人という原則以上の定員配当がありましたところにつきましては、その中に歴史的な沿革とか行政区画とかというものをしんしゃくいたしまして選挙区の区割りをしておる、こういう形になっておるのがいままでの定数配分やり方でございます。  確かにお話のように、それだけでなくて地域性を加味すべきだという議論は、議論としてはよくわかるわけであります。他の国々のやり方を見てまいりますと、いまのところは人口主義というものが大体の原則になっておりまして、それ以外の方法をとるということが非常に困難な形のようでございます。確かにお話のような国政基礎であるところの国会代表を選ぶ選び方といたしましては、定員配当といたしまして単に人口だけを基礎とすべきかということになれば、歴史的な沿革でありますとか、国政の向かうべき方向でありますとか、地域の問題というものを考慮に入れるべきが至当だろうと思います。しかしながら、それを一定の算定方式としてこしらえるということは、いまのところ非常にむずかしいわけでございまして、正確にそういうところまでの見当がついているということは申し上げにくいわけであります。  兵庫県についてのお話でございますが、兵庫県につきましては、地域性を加味したわけでございますが、同時に、先ほど申し上げました兵庫県全体に対する人口定数の関係でありますが、全体としては兵庫県五区というものを減らさない。兵庫県全体としては平均人口をはるかに上回る人口をいま有しておるわけでありますので、そういうこともあり、また地域性を考えた点もあり、そういうことに結論として考えられたと思うわけであります。
  12. 宇野宗佑

    宇野委員 いま私の質問したことに対しての私見を多少申し述べるとするならば、やはり将来いろんな形において内地の人口構造も変わってまいりますし、あるいはそれに伴うところの選挙自体産業構造と申しますか、社会構造も変わってくると思いますので、私はやはり人口オンリーということだけではなくして、もう少し科学的な面を加味して将来御検討なさったほうがいいと思うものであります。  特にその点においては、極端なことを言いますと、今日この出しておられる法案からいきましても、一応二十万というものを中軸としてその前後を認められておりますが、将来一つ団地において二十万の団地ができるかもしれない。ところが、二十万というものは、人口で判ったところの一つものさしであって、たとえば十三万ではひっかからないのだとおっしゃるかもしれぬ。極端な狭い範囲で二十万の団地ができて、二十万のそこに住んでいる人たちが、大体生活様式も、社会常識も、経済状態もほぼ同じだというところにおいても一人のいわゆる地域的な人を出すべきなのか。あるいは多少人口が少なくても、山あり、川あり、野あり、また雨の降っているところがあり、おてんとうさまが照っているところにおいて初めて日本地域性がそこに十二分に加味すべき要件があるのか。こうしたことを考えますと、非常にむずかしい問題だろうと思うのです。要は、人口のみをいたずらにものさしとしないというふうなたてまえが望ましいと思います。  特に、私は当初自治大臣にお尋ねいたしましたとおり、今回原案といたしましては、いわゆるわが国の中選挙制度範囲を越えた選挙区が定員の振り当てになっておるわけであります。その点に関しまして、いろいろ小選挙区、大選挙区、中選挙区の利害得失はそれぞれあるでございましょう。大選挙区というならば、一つの弊害としては、小党ができやすいということは世界常識になっております。したがって、あまり小党的分裂では政局の安定がないから、順次小選挙区のほうに改めるほうがいいのだというのが大体先進国の例であろうと思います。  そういう意味から申しましても、すでに地方議員選挙であるとか、あるいは将来は国会議員選挙におきましても、いわゆる選挙目当て人口移動というものが現に行なわれているのであります。これに対しましては、今日の法案をもってしてもいかんともしがたいということではございましょう。  そこで私は、現行公職選挙法に閲して大臣の御所見を承っておきたいと思います。一つ一つこまかく簡単に申し上げるので、その点に関しましては答弁のほうもポイントを得た答弁をしていただきたいと思います。  公職選挙法の第四十二条第二項、「選挙人名簿登録された者であっても選挙人名簿登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。」と書いておりますが、この「できない者である」というのは、どういうことですか。
  13. 長野士郎

    長野政府委員 選挙人名簿登録されましても、登録要件を欠いておる。住所要件でありますとか、期間の要件でありますとか、年齢の要件でありますとか、そういうものを欠いておる。実質的に登録されることができない者が登録されておるような場合にはそういうものだと思います。
  14. 宇野宗佑

    宇野委員 いまのお話だと、そういう要件を欠いておっても、ひょっとして市町村の選管で間違えて基本選挙人名簿登録することがあるのですか。そういうことになるのでしょう。
  15. 長野士郎

    長野政府委員 住所が移転したような場合等につきましては、当然初めはそういう要件を満たしておったわけでございますから、そういう場合には、すでに前に登録されておる場合もあるわけでございます。あるいはまた、犯罪によりまして失格をするというような場合も、形式的には登録されておる場合もあるわけであります。さらに、はなはだ残念でございますが、要するにいまの選挙法の中にも詐偽その他不正な方法によって名簿登録をした者についての罰則も用意をしておるわけでございまして、やはりそういう場合もあり得るということも考えられます。さらに、誤って記載するということも中にはあるわけでございます。
  16. 宇野宗佑

    宇野委員 話は前後しますが、いまの第四十二条というのは第六章の「投票」というところに書いてありますね。投票所においてのことなんですよ。投票所において、選挙人名簿にすでに書かれておる。入場券も配られていた。だから投票を受け取ろうというときに、係が四十二条二項のようなことをとっさ判断できますか。そういう意味じゃないでしょう。四十二条の第二項は、いま局長の言われたようなことじゃないと思う。
  17. 長野士郎

    長野政府委員 とっさ判断ができるできないということも確かにありますが、たとえばいま申し上げました間違って記載しておりますものとか、明らかにそういうことがわかりますものというような場合もあるわけでございます。そういう場合には、この規定は当然働くものと考えております。
  18. 宇野宗佑

    宇野委員 だから、一番大切なものは、公職選挙法第四章「選挙人名簿」の第二十条だと思うわけです。  いま局長要件と言われましたが、国会議員選挙に関する要件は、日本国民たることと、並びに二十歳以上の者であるという、この二つが要件ですね。地方議員の場合は、それプラス三カ月以来その地方当該市町村当該府県に居住している者というのが、地方議員選挙のときの要件でございましょう。そして、第二十条の要件というのは、この住所というものが要件とされており、あるいは三カ月以来という期限要件がついておるのは、基本選挙人名簿の調製の要件でございましょう。それを勘違いしてはいかぬと思うのです。  だから、私は、第四十二条においていま申し上げたように投票することができないということは、つまり第二十条の第三項に「第一項の住所に関する要件を具備しない選挙人は、基本選挙人名簿登録されることができない。」これに基づいて第四十二条ができ上がっておるわけなんです。したがって、第三項のいま申した住所に関する要件を具備しない選挙人というのは、すなわち第二十条の第一項に戻って、「三箇月以来その市町村の区域内に住所を有する者」ということがいわゆる登録の際の住所要件と従来は解されたわけです。  したがいまして、この三カ月以来というのは期限条件ですから、何ら定義もくそも要らないと思うが、住所というものの定義をこの際明らかにしておくことが、将来の人口移動のために必要だと思う。もちろん住所というものに関しては民法にもはっきり書いておる。その本人生活本拠たるべきところと書いてあります。あるいは地方自治法をながめてみましても、一応住民とはというところに住所定義も書いております。しかし、いま申したように、住所ということは、いわゆるその人が生活本拠であるということを認定しない限りはこの基本名簿には載せられないわけです。  そこで、基本名簿に載せるに際しては、ここにも調査をしなければならないということがはっきり書かれておるのです。こうした場合において、自治省としては各市町村に対して調査を命ぜられておりますか。どの程度の調査をされますか。第四十二条においては、基本名簿登録されることができない者は投票することができないのだ、それがずっとさかのぼって第二十条において、いわゆる住所要件をかね備えておらなければならないのだ。三カ月ということは抜きにして、住所という要件について調査をするということが明示されておりますが、その場合に自治省は、住所とはこういうものだというふうな通達をされたことがありますか。
  19. 長野士郎

    長野政府委員 選挙資格調査でございますが、特に住所要件につきましては、だいぶ前に学生選挙権問題等もございましたように、非常に慎重に、住所の認定ということにつきまして、たび重ねて通達、指示その他を行なっておりまして、誤りなきを期しておる次第であります。
  20. 宇野宗佑

    宇野委員 それでは、ひとつ住所定義を言ってください。
  21. 長野士郎

    長野政府委員 住所と申しますものは、これは民法上の住所と同じでございまして、いわゆる本人生活本拠であります。本人生活本拠というのは、本人主観的意思だけでなくして、客観的な事実も備わっていなければならぬ。要するに主観的な要素と客観的な要件と申しますか、そういうものが一致していなければならぬ。それをいろいろなことから判断をする、こういうことになってまいると思います。
  22. 宇野宗佑

    宇野委員 それほどはっきり一応住所定義があり、自治省においても見解を持っておられるにもかかわらず、現にはっきり申しますと、創価学会の会員さんは、どんどんどんどんと転入をされて、三カ月以来という期限に抵触せずして、三カ月前から住所を移されて、生活本拠もなくして投票権を得ておる。投票権を得ておられるというのは、つまり基本選挙人名簿であるとか、補充選挙人名簿にその名前が記載されるのだ。これがなぜ防げないのですか。そこまではっきり住所というものが定義もあり、あるいはまた法律に明示されておるにもかかわりませず、現行法をもってしてなぜそれが防止できないのだろうか。  もう一つ移動されるときは、やはり住民登録法に基づいて住民登録をしなければならないわけです。住民登録法というものに示されておるところによりましても、虚偽の申請をした場合には罰則規定があるわけです。しかも、罰則規定はだれが発見しなければならないかというと、当該役場の吏員さんが第三十条に基づいていろいろなことを調査しなければならないと書かれておるのですよ。特に第三十条では住所その他等も調査して、それが偽りであったときは罰則に抵触するわけです。第三十条に事実の調査をしなければならぬということは示されておるでしょう。  しかも、住民登録法の第四条第六号に「住所」と明らかに書かれておる。住所定義が、いまのとおり生活本拠である、起居をしておるとか、そこで税金を納めておるとか、家族がいるとか、あるいは家財道具があるとか、極端に言うならば仏壇、神だながあるということにおいて初めて住所ということが認められるのであるとするならば、第四条においてすでに「住民票には、左の事項を記載する。」として、住所があり、なおかつ第三十条でその記載事項に偽りがあった場合には事実の調査をし、第三十一条において罰則規定があるわけです。見つかってから罰するのじゃなくして、そういう行為をして選挙人名簿に載せてしまって、なおかつ投票しておるというところまでほっておくのか、ほっておかないか、という問題に関して私は質問しておるわけなんです。  だから、現行の幾つかの法律をもってしても、これは十二分にかまえがあるのならば私は防止することができると思う。いま申し上げた住民登録法並びに選挙法、こうした関連性において局長は防止できないとおっしゃいますか。
  23. 長野士郎

    長野政府委員 先ほどからのお話でございますが、基本選挙人名簿の調製につきましては、それほどの誤りがあるというふうには私どもも思っていないわけであります。  ただ問題は、補充選挙人名簿は、現在のところ選挙のたびごとに調製しております。そして、その登録なり申請なりというものが、短期間の間に出てまいるようないまの制度になっておるわけであります。そこで、お話のような場合に、十分な調査が行き届かないという問題がどうもあるように考えられるのでございます。  それから、もう一つは、補充選挙人名簿につきましても申請主義でありまして、登録を申請してくるわけでございます。その申請の扱いというものが、本人の申請のみでなく、ほかの人でも登録を申請できるという扱いにいまなっておるわけであります。そういうところから、選挙管理委員会が当然に住所要件なり選挙権の有無について調査すべきでございますが、そういうところで調査に粗漏がある、登録に粗漏があるということが出てきておるのじゃないかというふうに考えられるのでございます。  今後これをどういうふうに改善していくかということについては、ぜひとも何か結論を見出したいと考えております。
  24. 宇野宗佑

    宇野委員 補充選挙人名簿のことも私は含めて申し上げておったのです。補充選挙人名簿においても、三カ月以上その市町村に住んでいた者が申請をしたというときに補充選挙人名簿に載るわけですね。しからば、申請をしたときに三カ月以上住んでおったかということは、何をもって証明するのですか。それは住民登録でございましょう。しからば、住民登録ということに関しましても、自治省一つの権限を持っていらっしゃる。市町村に対して指揮監督の権限があるのだから、その住民登録に対しましても、先ほど私が読み上げたように、住民登録法の第四条並びに第二十条に基づいて、それだけのことを十二分に調査しなくちゃならぬ。調査させなくちゃならぬ。それをやっておらないからそういうことになる。人員が足らないとか、あるいは手間ひまがかかるからということでそれがおざなりになっておったから、そういう事実が起こっておるのだ。  率直にいま半分は認められて、将来はもうちょっと取り締まろうということは、また新しい観点から検討する必要があるとは思いますが、現行法によってもすでに私はできると思う。その点は局長答弁が少しく——何か基本選挙人名簿だけに私が拘泥しておるようにお考えになっておられるようですが、私も補充選挙人名簿を含めて話をしておったということを申し上げておきます。  また次に、関連が終わってからさらに質問を続けます。
  25. 小泉純也

    小泉委員長 この際関連質疑の申し出があります。これを許します。島上善五郎君。
  26. 島上善五郎

    ○島上委員 ただいまの質問に対する局長答弁がきわめてあいまいなんですが、はっきりしてもらいたい。  いままで、住所要件を満たしておるかどうかということについて、はっきりと調査を指示したことがあるかどうか。指示したとすれば、どういう指示をしたか。
  27. 長野士郎

    長野政府委員 選挙人名簿の調製につきましては、最近いつということではございませんが、従来から、住所要件とか、それについての調査とかいう点については、非常に長い歴史を持っておりますし、随時そういう指示や指導はしてまいっておるわけでございます。最近特にこれについて具体的な問題として指示をしたということはございません。
  28. 島上善五郎

    ○島上委員 自治省でもおそらくは承知しておられると思いますが、いままではそういう事例がごくまれであったと思うのです。  最近二、三回の選挙で、創価学会が集団的に移動をして、それもこの法律にある住所要件を満たしていない、形だけの移動をして、アパートの一部屋に、極端なのは百人も二百人も移動した。こういう事例もあるのです。こういうふうに最近特に、これは極端なことばで言えば一種の選挙の詐偽行為だと思うのです。法律違反です。そういうことがきわめて組織的、計画的に行なわれている事実があるのに調査を指示しないということは、私はこれはきわめて怠慢だと思うのです。  その怠慢の事実を私は責めるだけではなくて、これからこういうようなことに対してはっきりと指示をするという意思、またその違反を摘発するという強い意思をお持ちかどうか。また、やれるかどうか。やれなければ法律改正方法も考えなければならぬと思う。私はいまの宇野さんのお話のように、現行法によっても、ほんとうにやる気があるならば調査もできるし、したがって防止もできるし、違反の摘発もできると思うのです。どうでしょうか。
  29. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 御指摘のようなことは、私は個人では知らなかったわけですが、自治大臣になりましてからひんぱんに聞くわけでございます。これは明らかに違法行為と申しますか、間違ったことには違いないのでありますから、こういうことはあくまで正さなければならぬ。いまいろいろ検討をしておりますが、どうもいままでの扱い、私も非常に疑問を持つ。御指摘のとおりでございまして、いま住民登録ということは、選挙のために登録するわけではないので、これは言うまでもなく本来の目的はあるわけでございますけれども、これはやはり審査をして許可、認可するというところまでいけば、そこに調査考え方も当然起こってくるわけなんですが、どうやら届け出ということで、簡単に考えておるのじゃないか、処理されておるのじゃないかという、私はつまびらかにいたしませんが、そういう気がいたすわけであります。  いずれにしても、選挙目当てで集団的に、ただいま詐偽行為とまで御指摘になったわけですが、こういうことが一つの戦術として行なわれることは、私はよくないと思うわけです。しかも、一番忙しいときに、大挙してそういう書類を持ってこられた際にどう扱うかということも、事実上むずかしいし、現状を聞いてみますと、どうもたくさんのものを一人が一括して持ってくるのだというようなことも耳にするわけでございます。こういうすきをつくっておくこと自体よくないと思いますので、やはり住民登録ともなれば、届け出るにしても本人がみずからこれを持参するとか、また受け付けるほうでも、やはり地区に住んでおる人のことでございますから、これはおかしいとか、これは長らくいる、これは間違いないとか、常識的にも判断をする余地があろうかと考えますので、こういうこととあわせまして、ただいま御指摘のような事態が今後起こらないように戒心いたしたいと思っております。
  30. 島上善五郎

    ○島上委員 いま私は、現行法でも厳格に適用すれば、これは調査も比較的簡単だし、したがってそのような違反行為を防止することも可能だと思っている。何町何番地だれそれ方というところへずっと名前を並べて申し込んできたら、それ自体変だということがわかりそうなものです。変だということがわかったら、当然調査をして、生活本拠がはたしてそこにあるかどうかは、四畳半の部屋に何十人も生活しておられる道理がないのですから、すぐわかる。これは大臣がおっしゃるように、今後厳密に調査をし防止する措置をとってほしいのです。  もう一つ大臣に解釈を伺いたいのです。そういうような違法行為、不法行為が行なわれて選挙が行なわれた。それを事前に調査し、防止することができなかった。いままでは、事前に調査し適切な防止ができなかったのですから、今後はやってもらいたいと思うけれども、もし今後そのような適切な防止ができなくて選挙が行なってしまったということが現実に開票後わかった場合には、その選挙は一体どうなりますか。
  31. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 住民としての要件が何であるかということは、ただいま御指摘のようなことが起こる可能性があればこそ、みんな慎重に調査をし、そして登録はしなければならぬと考えます。また、これをゆるがせにしておきますと、いまおっしゃるような事態が起こるし、これは単に町村役場の係員が個人でどうこうということでなくして、そういう住民としての要件を欠いており、当然選挙権がそこでは行使されないはずである者が投票した事実をかりに選管にでも提訴いたしますならば、やはり大きな問題はあると思うのです。それをいまの段階で、私が、こういう場合は選挙はこうですということは申し上げられませんけれども、少なくとも選挙の無効を提訴する理由にはなるのではないかと判断をするわけでございます。そのくらい大事なものであると考えて、住民登録あるいは補充選挙人名簿に対する記載等については慎重にやらなければならぬと考えます。この問題につきましては末端まで、ただいま御指摘のようなことが起こらないように注意をしなければならぬと考えておる次第でございます。
  32. 島上善五郎

    ○島上委員 関連ですからこの一問だけでやめておきますが、選挙無効提訴をする理由になる、これは当然です。選挙が無効であるかないかの判決は、するところが違うから、私は選挙無効であるというはっきりした答弁をあえて求めようとはしませんけれども、私の法律上の解釈によれば、選挙無効の提訴をする十分の理由があるばかりでなく、結果においても選挙無効の判決が下るべきものだ。法律に反して一種の詐偽的な登録をして、投票をしておる。それも最近行なわれている事実に徴すると一票や二票じゃなくて、当選を左右するに足る票をあらかじめ票読みして、ここは三千人移動すれば大体当選するだろう、五千人なければ足らないといって、候補者を立てない区にいる信者を全部移動するのですから、これは明らかに法律上当然無効の判決が下るべきものだ、こう私は解釈しておる。  したがって、今後調査なり防止なりの厳格な手が打たれなければ、相当多数の選挙区においてそういうような選挙無効の提訴、裁判というような事態が起こりかねないと思うのです。ですから、十分にこれに対しては現行法による調査、防止の手を打ってほしいと思います。なおそれでも法律が不十分であるとするならば、私は法改正をも考えるべきだと思います。関連質問ですから、これだけでやめます。
  33. 宇野宗佑

    宇野委員 自治大臣お急ぎのようでございますから、いまの島上先生のおっしゃたことに関しては、もうちょっと詳細に局長にあとの問題をお尋ねしたいと思います。そのさきに、同じ問題で、いわゆる住居の移転ということに関して、自治大臣の根本的なお考えをいま聞いたのですが、もう少し憲法に関して聞いておきたいと思います。  なるほど、憲法第二十二条に居住、移転、職業選択の自由等々幾つかの自由が認められておりますが、ただし書きではないけれども、「公共の福祉に反しない限り、」ということがはっきり明記されております。では、「公共の福祉」とは何かということをさらに憲法に求めれば、憲法第十二条において、自由、権利、これは乱用すべからず、こういうことが一つ定義のようなことになっておるわけなんです。  しからば、いわゆる投票権というのは国民の権利である。しかしながら、その権利の乱用だから、すでにこれはもう公共の福祉に反しておると私は思う。なぜかならば、簡単に自治省の関係から申しましても、いわゆる地方交付税を配付する場合、基準財政需要領は当然人口というものが一つのエレメントになっている。なるほど三カ月以前から居住はしておったが、本人のからだは来ておらなくて、いわゆる生活本拠ではないにかかわらず、自治省においては、時と場合によって住民登録においてそれが明らかにされておった場合には、人口一つ要件としてそういう交付税なんかも算出されておるのでしょう。そこにもうすでに一つの詐偽性がある。だから、すでに公共の福祉に反しておると私は思うのです。  はっきり言うと、いま現在行なわれている選挙目当て人口移動は憲法違反であるかないか、ということについて自治大臣の御所見だけを伺っておきます。
  34. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 私は、憲法を持ち出されると少しほうちょうが大き過ぎる感じがいたしますが、やはり法律にもきめておりますとおりに、先ほどの島上委員の御質問にも関連するわけですが、こういう潜在無効投票があります場合には、やはり選挙そのものが無効になる原因とはなるわけです。もちろんさっき申されましたとおりに、提訴の理由とは当然なりますけれども、公選法で潜在無効投票がまじっておりますことが明らかな場合は選挙そのものが無効となる原因となるわけでございます。  では、一体住民とは何か。また、登録をやりました場合には当然選挙権も含むわけでございますので、いま宇野委員が御指摘になりました憲法を振りかざさなければいかぬというようなことにまでなるわけでございますが、すでに憲法のもとで法律は無効の原因となると指摘しておるわけでございますので、私は、現に法律違反になる、こういうように考えております。
  35. 宇野宗佑

    宇野委員 いま島上さんが無効のことを言われましたが、なるほど私もそのとおりだと思います。ところが、この点が、最高裁の判例をもってしても非常にむずかしい点がある。むずかしいから、自治省がよほどしっかりしなければならないと私は思うのです。  なぜかならば、つい最近起こった問題におきましても、昭和三十七年七月の東京都参議院選挙無効請求事件というものがある。これはつまり、定員がアンバランスであるから、東京都においてはいなかの約三倍の人口がありながらただ一人の議員しか送れない、したがって、量の問題ではなくして投票の質の問題であるというので提訴されました。これに対しまして最高裁の判決は、なるほどそういうことは言えるかもわからぬけれども住民からいまなお絶対にこれは悪であるという強い要望がないときにはやむを得ないじゃないか、だからもしこれを無効としてやった場合にはせっかくの立法権を住民が失ってしまうことになるから、一応この問題は、少数意見はあったけれども、多数意見は無効でないというふうなことで却下をしてしまったわけなんです。法律がそうなっておるから、結局最高裁としても、まあ変な解釈で却下したと私は思うのです。  いまたとえば、そういう創価学会の選挙目当て人口移動に対しまして無効の訴えがあったといたしましても、あるいは裁判所においてもしその選挙を無効にすれば、では、続いてどういうことが言えるか。やはりまた、三カ月以来おれたちは居住しておるんだ、現に住民登録をしておるじゃないか。ところが、基本名簿に載せるときあるいは補充名簿に載せるときに、少しも住民登録票と対照しておらないから、そうした結果悪循環がいつまでも続くと思うのです。  だから、それをどっかで切らなくてはならない。切らんがためには、やはり選挙人名簿に申請をした場合に、はっきりと、その人が三カ月以来住んでおるのかおらないのか。なおかつ、三カ月以来ということには住所要件もある。登録に際しては住所要件になっておるのだから、その住所というものが、先ほどから局長が申されたような定義に基づいて該当しておるものかということを綿密に調べる必要がある。それをやっておらぬだけの話です。それをやっておらぬから、結局いいかげんなことになってしまった。現に住民登録法二十二条においては、その人が転入した場合においては十四日以内に申請をせよと書いてある。それをゆえなくして申請をしなかったならば、これまた罰則の対象になっておるわけです。自治省は、そういうことをはたして今日はっきりやっておるのですか。やってないから、住民登録の際にもいいかげんなものである。なおかつ、三カ月以来という期限要件はあるけれども住所要件は少しも調査せずして、ただ本人の申請があったら補充選挙人名簿だとか基本選挙人名簿に載せておるというにすぎないのでしょう。この点をやはり島上先生もつかれたと思いますし、私もそのことを言おうと思っておったのです。  だから、今日は、現に住民登録票と対照していらっしゃるのですか。登録票と対照せざる限りその申請を受け付けることはできないという通達自治省はお出しになったのですか。
  36. 長野士郎

    長野政府委員 住民登録につきまして、住民登録選挙人名簿との関係ということに相なるわけでございます。これは住民登録の扱いが、現在非常に正確に行なわれておるかどうかという問題に一つは原因もあるわけでございますけれども選挙権の問題は、住民登録登録をするかしないかの有無にかかわらず、実際に三カ月以来住所を有しておれば選挙人名簿に載せるべきだという考え方で、現在のたてまえは、住民登録選挙人名簿の調製というものは一つになっておりません。したがいまして、自治省といたしましては、数年来それを問題にいたしております。また、恩典と申しますか、付帯的な利益というものがないからでもありますが、住民登録というものは、大都市では、そこにおりますほとんど三分の一くらいは真実を映していない。要するに、住民登録で当然届け出があったり、登録さるべき人が、三分の一くらいは脱落しておると申しますか、登録されていない。それは、住民登録だけの義務を国民に課しておるという形から、住民登録法そのものが問題である。したがって、これが選挙権の要件にきちっと結びつくようになれば、むしろ住民登録そのものが促進されるのじゃないかという議論もあるわけです。住民基本台帳というものを一つにいたしまして行政を合理化すべきだという議論もあるわけです。  しかし、現在は、その結果か原因かということになれば問題がございますが、そういう住民登録だけを相手にいたしまして選挙権、選挙人名簿の調製をするわけにはいかないということから、住民登録選挙人名簿の調製は必ずしも結びついておりません。同時に、住民登録では住所を移転したときに届け出をするわけでございますが、選挙人名簿は三ヵ月以来の住所要件がまた要るわけでございますので、実際間脳としての参考資料としては住民登録というものも一つの参考資料にいたしておるわけでございましょうが、必ず結びつけて考えるということにはなっておりません。  そこが、先生のおっしゃるように、いずれも村役場でやっておる仕事じゃないか、それを十分に指導していないのじゃないかというおしかりは、ごもっともでございます。しかしながら、住民登録につきましては、役所の職掌のことをとやかく申すわけじゃございませんが、これは自治省の所管ではございませんので、住民登録のことについてとやかく言うわけにはまいりませんが、選挙人名薄につきましても、住民登録票におきましても、当該関係者というものが熱意をもちまして、扱いを厳密にいたしますならば、おっしゃられるように、現行法のもとにおきましても、矛盾なり脱漏なり誤載ということは起こり得ない、これはそのとおりでございます。これが現在は、そこまで十分なかっこうになっていないということは、私どもも非常に残念に思っておりますが、今後ともこういうことのないように考えてまいりたいと思っております。
  37. 宇野宗佑

    宇野委員 局長の御答弁は、はっきり申し上げますと、もう一つすっきりしません。やはり選挙人名簿に記載するときには三カ月、それが期限要件であり、住所がこれまた登録要件であるのならば、はっきりさすべきであります。そういうはっきりしたところがないから、そういうような法の盲点をつかれているわけであります。だから、憲法論を振りかざさざるを得なくなってしまう。  そこで、同じようなことがもう一つ言えると思うのです。ひとつ法律を開いて見ていただけばわかりますが、今日の選挙法の第四十四条にはどう書かれておるか。第四十四条には、つまり、地方議員選挙に際して、私なら私がA市に住んでおったのがB市に移った。そうして、B市には住んでおるが、もとのA市で投票をしたいんだというときには、投票所において、当該都道府県の区域内に住所を有することを証するに足る文書を提示しなくちゃならない。ところが、その文書というものは一体だれがつくってくれるのであるかということを考えますと、公職選挙法施行令第三十四条第二項に基づいて、「市町村長は、」「当該都道府県の区域内に住所を有すると認めるときは、直ちに同項の証明書を交付しなければならない。」という、こういう関連性があるのでしょう。しからば、そのときの市町村長が「当該都道府県の区域内に住所を有すると認めるときは、」どういう認め方を指示なさっておるのですか。同じことでしょう。認める場合にはどうやって認めますか。そういう問い合わせが一回や二回ぐらいはあったでしょう。
  38. 長野士郎

    長野政府委員 この住所の認定も、お話のとおり、すべての住所の認定と同じでございます。
  39. 宇野宗佑

    宇野委員 まあ抽象的にはそういうことになるでしょうが、具体的にはどういうことになるのですか。当該都道府県内に住所を有しておると認める、「住所」の定義はわかっておるが、では、具体的にはどういうことなんですか。だれが証明するのですか。申請があれば証明するのですか。
  40. 長野士郎

    長野政府委員 申請があれば、市町村長のその認定をいたしました限りにおいては証明する、こういうことでございます。  証明するための裏づけの資料ということになれば、先ほど来のお話に出ましたように、それは、住民登録でありますとか、ガスとか水道とか、いろいろな生活基礎になるようなものの受け払いその他の関係というものを見ながら証明を出す、こういうことで実際の取り扱いをいたしておると思っております。
  41. 宇野宗佑

    宇野委員 では、そうしたことに関しましては、将来なお一そう法の整備をされることが私は必要だと思います。なおかつ、施行令においてすら、このような抽象的な文言で書かれておるのです。もう少しく具体性を帯び、もう少しく科学性を帯びなくちゃ、やはり無効提訴なんというようなとんでもない問題が起こらないとも限りません。  そうして、無効提訴ということがあるかないかは別といたしまして、一応今日ただいまの法律をもってしても、いまいろいろと御見解をお伺いいたしましたところ、定義もはっきりしておるし、あるいはまた法に違反しておることもはっきりしておる。  しからば、それに対して罰則というものが現にあるのですから、自治省は、その罰則をこれに適用するか。現に行なわれたことに対して適用されるかどうか。今日それを検討されておるかどうか。これはやらなくちゃいかぬ。そこまで定義がはっきりしており、法の体系から法の関連性も大体局長のお考えどおりであるとするならば、一応これは投票の詐偽と申しまするか、そういうようなことに該当すると思う。やられるかどうか。法の整備の以前に、やはり現行法に基づいてそうした断固たることをやってみて初めて、そこにほんとうの意味の正しい選挙ができると私は思うのです。  そうしたところにおいて、やはり私が冒頭から申し述べたとおり、人口オンリーではなくして、地域性を加味しながら、将来、人口の変動にも備えなくちゃならないという一つ公職選挙法の根本原則というものも打ち立てられていくと思うのです。そうしたたてまえで今回の改正法が出されたものだと私は考えておったにもかかわりませず、詳細を伺いまするといろいろな盲点がまだある。  したがいまして、最後に、これは地方議員選挙において現に行なわれておったわけでありまするが、それに対しまして自治省は、この公選法のたてまえより罰則を変えるべきではないかということの御決意のほどを承りまして、私の質問を終わっておきます。
  42. 長野士郎

    長野政府委員 警察当局ではございませんが、私どもといたしましては、そういう詐偽の投票につきましての罰則も現に公職選挙法で規定をしておるわけでございます。当然に罰則の適用があってしかるべきであるし、またそれによって不正の防止ということが当然に行なわれなくちゃいけない。また将来そういうことがないように厳重に警察当局その他とも連絡をいたしまして、あやまちのないようにいたしたいと思います。
  43. 宇野宗佑

    宇野委員 終わります。
  44. 小泉純也

    小泉委員長 山下榮二君。
  45. 山下榮二

    ○山下委員 大臣留守ですけれども、一、二伺っておきまして、いずれ大臣出席のおりにあらためて伺いたいと思うのです。  先ほどの質問応答を拝聴しておりますると、選挙区の、大選挙区、中選挙区、小選挙区というものの定義についていろいろお話があったのですが、その三つの選挙制度定義というものがもう少しはっきりしていないと私は思うのであります。大選挙区というのは一体どう、中選挙区、小選挙区はどう。小選挙区は一人一区、これは明確でしょうけれども、もっとその辺を明確に答弁が願いたいと思うのです。
  46. 長野士郎

    長野政府委員 先ほども申し上げたわけでございますが、小選挙区と申しますのは一人一区、西欧諸国でもそういう考え方をとっておるわけであります。西欧諸国では、もう二人以上になれば大選挙区と申しますか、学者の分類では大体そういうことになっておるようであります。要するに、選挙区には小選挙区か大選挙区しかないという考え方のようでございます。  わが国の学者も大体それを踏襲しておるようでございますけれどもわが国の現実の選挙制度は、三人ないし五人という選挙制度をとりまして、大正十四年の普通選挙以来この制度をとってきたわけでございます。その場合に、これがわが国独自の中選挙区制なんだということを申し、そしてわが国選挙区制は特殊な中選挙制度のもとにあるということになっておるわけでございますから、選挙区制の一般論というよりは、わが国にこれを引き直して考えました場合には、小選挙区は一人一区、中選挙区は三人ないし五人の選挙区をいう。したがいまして、それ以上の選挙区を大選挙区。わが国選挙制度というものを加味して考えました場合にはそういう分類をいたすのが一番至当ではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
  47. 山下榮二

    ○山下委員 そういたしますと、政府としては、大体現在のところ、中選挙区という三人ないし五人という線で貫いていきたいというお考えをお持ちでありますか。
  48. 長野士郎

    長野政府委員 これは政府の政策の問題でございますので、大臣がお答えをいたしますが一番いいと思いますが、現在の公職選挙法は、いわゆる別表におきまして中選挙区制をとっておるわけでございます。そして今度の定数是正におきましても、選挙制度審議会の審議におきましても、中選挙区制というものを前提にしながら考えていくべきだ、しかしながら暫定的な措置として、とりあえずの措置としては六人区以上のものができることも当分の間暫定的にはやむを得ない。ただし、審議会の答申にもございますが、六人以上の区につきましてはやはり中選挙区制原則に合わした分合はすべきである、しかしこの際は触れない。と申しますのは、ちょうど昨年の十月十五日の、解散になりました国会が召集されました日に答申があったわけでございまして、昨年の解散になりました国会定数是正を実現すべきだという強い気持ちを選挙制度審議会としては持ちまして答申をしたわけでございます。したがいまして、その当時の考え方でございますので、ちょっと読んでみますと、「上記の是正措置により二人または六人以上の定員となる選挙区および京都市、北九州市等のように市の区域が分断されている選挙区については、分合を行なうことが適当である。しかし、この際は、とりあえず暫定的措置としてこれらの分合を見合わせる取扱いとすべきであると考える。」こういうものをつけまして答申をいたしたわけでございます。  したがいまして、選挙制度審議会におきましても、また政府の考えとしましても、中選挙制度のもとにおける定数是正ということを大前提にいたしておるわけでございますので、そういうところからいきますと、六人区以上の選挙区をつくるということは、これはやはり例外になるというふうに考えざるを得ないわけでございます。そこで、当分の間特例的な扱いということで今回の定数是正案を提案いたしましたときに、別表そのものを直しませんで、附則に、別表の「規定にかかわらず、当分の間、」こういうふうにするのだという規定を入れさせていただいて提案をいたしたようなことになっております。それはこの定数是正が多少とも中選挙区についての特例的な扱いを含める形になっておるというところから、そういう扱いをさせていただいたということでございます。
  49. 山下榮二

    ○山下委員 今度提案になりました定数是正の問題は、いまよく了承できました。  次に、奄美大島群島の定員一名の選挙区は、従来は御承知のとおり暫定措置ということで選挙法の中に恒久化されていなかったのでありまするが、今回ここにこれを恒久化してきた。いわゆる選挙法の中にこれを入れた。こういうことは、一人一区というものが別表の中にも入ってこなければならぬ、こういうことになってまいると私は思うのです。そうなりますると、先ほど申されました中選挙区三名ないし五名という原則は、すでにこの点でくずれておるのではないか、こう思うのですが、これに対する政府の解釈を伺いたいと思います。
  50. 長野士郎

    長野政府委員 先ほど御説明の中で触れておりませんので、あるいは御説明が足りなかったかと思いますが、三人ないし五人という現在の選挙区制のもとにおきましてただ一つの例外は、いま御指摘になりました奄美群島の特別な選挙区でございます。これは御承知のように、奄美群島の復帰に伴いまして、奄美群島に特別な一人区をお認めになったわけであります。これもそういう意味では暫定措置でございます。恒久的な取り扱いという意味ではございません。  今回これを公職選挙法の附則に取り入れることにいたしましたのは、実を申しますと、もっぱら技術的な問題、あるいはそのほうが適当だという考え方に立ったからであります。と申しますのは、現在の衆議院議員定員は、実をいいますと、現在——現在というのはただいまでございますが、四百六十六人でございませんで、奄美群島の一人がございますので四百六十七人でございます。これはどこに規定してあるかと申しますと、公職選挙法ではございませんで、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律に規定がしてあるわけでございます。そうしますと、その上にさらに今回十九人の定員の増員を考えるということに相なりますと、衆議院議員定員をきめる法律の場所が三カ所にできてしまう。まず公職選挙法の本法によりまして四百六十六人がきまり、奄美群島の復帰に伴う法律の中で四百六十七人となり、さらに今回の改正法の附則で四百八十六人になる。衆議院議員定数のきめ方としては、そのときそのときに応じてきまったような形ではどうも申しわけないという気もいたしまして、奄美群島の復帰に伴う法律の中から奄美群島関係の選挙区の関係の条文をそのままこちらへ移しかえまして、本則を変えるわけではございませんが、今回の定数是正の項目のあとに特例的な措置として加えさせていただきまして、それで本法の中での四百六十六人が本法の附則の中で奄美群島の一人を加えまして四百八十六人になるということに形を整えた、こういうことでございます。
  51. 山下榮二

    ○山下委員 形を整えたということになりますと、選挙法別表には明記されないことになるのですか、どういうことになるのですか。
  52. 長野士郎

    長野政府委員 公職選挙法別表には規定を加えるわけではございません。公職選挙法の附則の中に、附則の八項といたしまして「別表第一の規定にかかわらず、当分の間、鹿児島県名瀬市及び大島郡の区域」「をもって一句選挙区とし、その選挙区において選挙すべき議員の数は、一人とする。」という規定を加えさせていただくわけでございまして、公職選挙法別表第一の中におけるところの鹿児島県第三区という中に加えるわけではございません。鹿児島県第三区は、別表第一に「鹿屋市、肝属郡、囎唹郡、熊毛郡、大島支庁管内」に定員三人という規定が入っておりますが、これはそのままにいたしております。そしてこれの一つの例外として附則の中に、奄美大島に関しては一人ということが入る。これは現在も、実は奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律の中でそういう例外が認められておるわけでございます。それをこちらへ、だいぶ近いところに持ってきたというだけでございまして、実質が変わるわけではございません。
  53. 山下榮二

    ○山下委員 そうしますと、いま提案になっておりまする定員増の八名ないし六名というところと同じように解釈していいのでしょうか。これは別表にちゃんと明記されなければならぬのじゃないか、こう思うのですが、その辺はどうなんですか。
  54. 長野士郎

    長野政府委員 今回の定数是正は、そういう意味で六人区、八人区を含みました是正ということで、特例扱いということで考えておりますので、別表そのものを改正いたしませんで、公職選挙法の附則に特例として規定をする、こういう法律の形式をとらしていただいておるわけでございます。ですから、別表そのものを改正しておるわけではございません。別表の「規定にかかわらず、当分の問、」——たとえば、別表の規定でございますと東京の第一区は四人でございますが、それを別表の規定にかかわらず、当分の間、この附則の改正規定は六人とするということにいたしまして、特例扱いをいたしておるわけでございます。  それは、六人ないし八人という規定で別表改正いたしますと——そういう改正のしかたもあると思いますが——そうなりますと、わが国の中選挙制度のたてまえを形式的にも実質的にもくずしていくということになるわけで、この点はやはりあくまで暫定措置として特例の措置として考える場合には別表改正をすべきでないという考え方に立ちまして、特例措置として附則に規定をさせた、特例の規定をしたということになっております。
  55. 山下榮二

    ○山下委員 大臣がおられぬからまことに残念ですが、それではさらに伺っておきたいと思うのです。  政府は、中選挙区ということをたてまえにとりまして、なぜそれを別表外に暫定措置として行なわれるのか、その辺の真意がわれわれにはわからないのであります。そういうことにすることは、必然いわゆる三名ないし五名という中選挙区の考え方がくずれ去ってしまっておる、こういうことにしか解釈ができないと思うのです。それを、別表外にそういうことを暫定措置として行なわなければならぬというその真意はどこにあるのですか、それを伺いたい。
  56. 長野士郎

    長野政府委員 先ほどから申しますように、定数是正ということは、選挙制度審議会におきましても二日もゆるがせにすることはできないという強い世論を背景にいたしまして答申があったものとわれわれは考えておるわけでございます。しかも、その場合に六人区以上の区ができる。したがって、中選挙区の原則を保とうとすれば、この選挙区を三人ないし五人の選挙区に再編成をすべきだという議論があるわけでございます。それを慎重に検討いたしておったわけでございますが、いろいろな状況からとりあえず答申どおり提案をいたしまして、そうして中選挙区に符節を合わせるためのそういう調整というようなことを政府の手でいたすべきではなかろうということで、答申に基づいた提案をいたしたということでございます。
  57. 山下榮二

    ○山下委員 それを附則にするくらいでありますならば、私は先日の委員会に不幸にして出席していなかったのですが、同僚委員の質問の中に沖繩の議員定数の割り当てをなぜこれに入れなかったかという質問があったということを伺っておるのです。別表に記入せずにいわゆる特例扱いをされるということなら、沖繩に定員数の割り当てをそういう機会に行なって、沖繩住民に将来日本への復帰の希望を持たせるべきだ、こう思うのですが、なぜそういう処置をとられないのですか、その辺のことも伺っておきたいと思います。例外措置をなぜとられないのですか。
  58. 長野士郎

    長野政府委員 沖繩県につきまして、選挙制度審議会におきまして、暫定的な定数配当することが適当だという答申をされたわけでございます。その考え方につきましては、政府といたしまして、その考え方方向で、一日も早く施政権が返ることが最も望ましいということでございますので、その方向そのものにはもちろん賛成だというふうに考えられますが、ただ、暫定的に四名の定数配当いたしましても、これで直ちに選挙を行なうというわけのものではございません。多分に激励をするとか、意味としてはそういうような意味があるかもしれませんが、現実の制度として考えます場合には、当分の間選挙は行なえませんわけであります。ここに、やはりそういうものを制度改正の際に入れるかどうかという考え方になってまいりますと、選挙が行なえるようになった場合には、直ちに——奄美群島の復帰の際のそういう暫定措置等の法律の例もございますように、単に衆議院議員定数の問題だけでございません、行政各部にわたりますところの、それに伴う行財政措置、法律措置、制度措置というものは当然出てくるわけでございます。その場合には、いつでもそういう措置は全般として考えられるわけでございますので、いまのところ直ちにこの問題だけを公職選挙法別表改正に加えるということをいたさなかったわけでございます。
  59. 山下榮二

    ○山下委員 この問題だけを取り上げるということは、なかなかそれはできがたいということだと思うのですが、いまいろいろ暫定措置を行なわれるときであるから、私は行なうべきだと思うのですけれども、これは政治政策に関することでもありますから、いずれ、大臣政府責任者の出席のおりに、いろいろお伺いをいたしたいと思います。  次に伺ってみたいと思うのは、過般行なわれました衆議院議員選挙のときに制定されました臨時特例法の恒久化ということについては、一体政府はどうお考えになっておるのか。今回これらの点が提案されていないのは、はなはだ不可解にたえないのでありますが、その辺のことをひとつ御答弁いただきたいと思います。
  60. 長野士郎

    長野政府委員 昨年十一月の衆議院選挙におきます臨時特例法、その恒久化につきましては、目下鋭意検討中でございまして、事務当局の考え方といたしましては成案がほとんど固まった状態でございます。したがいまして、私どもとしては必要な限りお話のように恒久化の措置といいますか、公職選挙法改正をいたして恒久化するというような段取りで進めてまいりたいと思っております。
  61. 山下榮二

    ○山下委員 それは今期国会に提案なさる方針ですか。どういう方針ですか。
  62. 長野士郎

    長野政府委員 事務的には、参議院方面でも強い御要望もございますので、今国会に提案をさせていただきたいと考えます。
  63. 山下榮二

    ○山下委員 いろいろまだ伺いたいこともございますけれども大臣おいででありませんから、いずれ政府責任者、大臣その他の方の御出席のおりにその他の点についてさらに質問を申し上げたいと存じます。きょうはこれで終わらせていただきます。
  64. 小泉純也

    小泉委員長 次会は公報をもってお知らせすることといたし、本日はこれにて散会いたします。   午前十一時五十四分散会