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1964-03-19 第46回国会 衆議院 建設委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十九日(木曜日)    午後十時三十九分開議  出席委員    委員長 丹羽喬四郎君    理事 木村 守江君 理事 瀬戸山三男君    理事 廣瀬 正雄君 理事 福永 一臣君    理事 岡本 隆一君 理事 山中日露史君       逢澤  寛君    天野 光晴君      稻村左近四郎君    木村 武雄君       正示啓次郎君    服部 安司君       堀内 一雄君    松澤 雄藏君       山本 幸雄君    渡辺 栄一君       井谷 正吉君    金丸 徳重君       西宮  弘君    山崎 始男君       原   茂君    吉田 賢一君       玉置 一徳君  出席国務大臣         建 設 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         建設事務官         (計画局長)  町田  充君         建設技官         (河川局長)  畑谷 正実君         建設技官         (道路局長) 尾之内由紀夫君  委員外出席者         参  考  人         (日本道路公団         副総裁)    富樫 凱一君         参  考  人         (日本道路公団         企画調査部技術         課長)     高井 潤三君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出第二二号)      ————◇—————
  2. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 これより会議を附きます。  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本案審査のため、本日、日本道路公団の副総裁富樫凱一君技術課長高井潤三君が参考人として御出席になっております。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
  3. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 私は道路整備ということに関連しまして、道路整備素材についてお伺いをいたしたいと思いますが、しばらく前のことでありました。相模川の砂利採取があまりに激しくなったために、あそこの橋脚が危うくなったとか、あるいは堤防心配であるというようなことで、砂利採取をとめなければならないなどというような記事が出ておりました。そういうことに関連しまして、いま、道路建設にいたしましても、あるいはさらには家屋などにおきましても、非常に需要が高まっておるところのコンクリート工事素材である砂利、砂などの需給状況はどうなっておるのでありましょうか。また、いまの相模川の問題に関連いたしまして心配になりますのは、そうしたことからいきまして、砂利、砂などの値段が上がってくる。そうしたことからして、予算面においても非常な窮屈さが将来感ぜられるのではないかと思われますので、これについての対策などについて、道路局長がいいのか、それとももっと広い立場の人がいいのではないかとも思ったのでありますが、まず道路局長から、これについての見通し対策などをお伺いしたいと思います。
  4. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 ただいまの点でございますが、特に最近におきましては、都市大都市におきます骨材価格並びに補給ということが問題になっております。これにつきましては、道路ももちろんその一つ消費者でございます。道路のほうで一番問題になりますのは、どちらかといいますと、舗装用骨材すなわち砕石でございます。道路のほうで一番心配されておりますのは、むしろ都市付近におきます砕石補給ということになります。砕石になりますと、川砂利というよりも、一般的に石山を見つけまして、そこで石を割りまして、砕石をつくるということになりますが、どうしても東京付近あるいは阪神付近には、そういう山が少のうございますから、最近ではかなり遠方から運ぶ、こういう状況になっております。そのために、砕石補給につきましては、特に舗装業者が非常に苦労しておるようでございます。東京におきましては、伊豆の山あるいは房総の山あたりを開発いたしまして、そこから船で東京湾に持ってくる、こういうような構想も進められておるようでございますが、一般的には、道路側といたしましては、ただいま申しました砕石補給に一番苦労しておるというのが実情でございます。  価格は、いろいろございますが、おおむね二千円くらいの見当で取引がされておる、かように聞いております。  なお、河川における川砂利の問題につきましては、これは私ども所管でございませんが、いろいろやはりそういう面の対策を立てられておると聞いておりますが、それはまた別の機会に、担当局長のほうからお答え申し上げるのが適当かと思います。
  5. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 いま価格の高騰が予想されるのでありますが、その傾向としては、最近数年以来どのようなことになっておりますか。
  6. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 価格の問題につきましては、ちょっとこまかい資料を手元に持っておりませんが、たとえば、かなり上がりつつあるということは事実でございますが、大きな工事をやります場合には、いま申しましたように、そういう石山の開発を同時にやるということにいたしまして、多量にそういう石山を見つけまして、そこで現場に補給される価格をきめる、こういう方式をとっております。一般の工事用でありますと、どうしても都市内においては、そういう輸送事情等から高くなっておりますが、それらにつきましては、最近のデータをちょっと申し上げますと、砕石について申し上げますと、三十五年が一立方メートル当たり千六百五十円でございます。これが三十六年に一立方メートル当たり千七百五十円——千六百五十円が千七百五十円、三十七年には二千二百円、こんなような数字が統計上残っております。
  7. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 かなり、昨年、一昨年あたりから急に高騰しておるように思われるのでありますが、これの予算については、どういうふうな考慮を払っておりますか。
  8. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 こういった材料の価格につきましては、建設省といたしましては、一般的にいろいろな資材の物価版によりまして、それによって購入するということになっておりますが、予算面におきまして、この砂利だけの価格上昇ということは特に考えておりません。砂利だけの、骨材だけの価格というものを特別に考慮しておりません。と申しますのは、予算面におきましては、大体工事に必要な規模に応じまして、コンクリート一立方メートル当たり、あるいは舗装でございますと、平方メートル当たり幾らということで積算いたしまして、それにそのほかのいろいろな労務関係用地費等を組み合わせて単価をきめまして、それに基づいて予算を見る、こういう仕組みになっております。それらを総合いたしますと、予算面におきましては、この三十七年から八年、あるいは八年から九年に対する見通しは、総合いたしますと、大体三%から四%くらいの上昇になると思います。したがいまして、一般的にそういう総合価格として予算を組んでおりますので、砂利について幾らにする、こういう指示はいたしておりません。それは東京の場合、あるいは神奈川県の場合、あるいは長野県の場合、それぞれ事情がみな違っておりますので、それぞれの地域あるいは工事に応じて必要な建設費を出すという仕組みになっておりますので、特に砂利について何割よけいに見る、こういう指示をいたしておりません。最初に申し上げましたように、その地方の物価版を基礎にして積算するという仕組みになっておりますので、ただいま申しましたように、総合的な建設費として、予算面では考慮しております。
  9. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 その辺について、私ちょっと納得できないのですが、地方的に言いますと、砂利需給の窮屈さがそれほど感ぜられないところもある。確かに私はそうだと思う。ただ東京付近、特にオリンピック道路その他において非常に工事が大きく、また急いで進められなければならないような地区におきましては、非常に窮屈さを生じてきて、そのために値段が上がっておるのじゃないかと思うのです。コンクリート工事におきましては、セメントについてはほとんど上がらないということを聞いておるのでありますが、大部分の、量の多い砂利値段が千六百五十円から二千二百円に上がって、さらにもっと高くなっておるのだろうと思うが、これらについて相当考慮してやりませんと、工事業者としましては、そこに非常に無理を生ずることになる。その結果が——その結果と言えるかどうかわかりませんけれども、一部の責任を負わなければならぬのは、砂利トラなんかの事故について、ずいぶんあれなんかも無理の結果、ああした事故を起こすというようなことがたびたび伝えられておる。それらについては、需要者としての建設省といたしましては、こまかい配慮をしておく必要があるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
  10. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 私どももそういう必要性を感じております。これは建築関係土木関係すべてに通ずる問題でございますが、建設省といたしまして、そういう方面の業者指導をいたしていかなければならぬかと思いますが、ただいまのところ、一応そういう具体的な方法については、統制という手段はございませんので、現在は、ただいま申しましたように、どうしても上がるという傾向を持っております。いつまでそういう状態を許していいか、問題になる点であろうと思いますが、私どもは、道路という面だけで考えますと、一瀞それを痛切に感じておりますのは、先ほど申しましたように砕石の点でございまして、なるべくそういう砕石生産が開発されるように、いろいろ相談がありますと、その問題につきまして、道路研究所あたり砕石の質とかそういうことを指導いたしまして、そういう生産業者に対する事実上の指導はいたしております。ただ、業界の全般的なそういう指導ということになりますと、別な問題になりますので、そこまで私どもでは遺憾ながら手が及んでおりません。
  11. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 道路局としてだけ、特別にここで問題にしてもいけないことかもわかりません。ただし、セメント骨材需給が非常に窮屈になってくる。先ほどお話しになったように、砕石だけを考えてみましても、だいぶ遠方から運ばなければならないというような実情に陥っているとしますれば、いまの相模川の問題ともあわせ考えまして、建設省としては、総体的な見地に立ってこれが対策を講じなければならないと思うのでありますが、そういうことにつきましてはどうなっておりますか。これは道路局長にお伺いするのは、あるいはいけないかもしれませんけれども、もし、進んでおることについてお知りの点がありますれば、この際承っておきたいと思います。
  12. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 私の所管外のことでございますので、ちょっと責任あるお答えはできません。またそのほうの担当局長のほうから、お答え申し上げるのが適当かと思います。
  13. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 道路局長、これについて省内で何か会議をなさったとか、対策などを講じられた形跡はないのですか。
  14. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 私の記憶に残っておりません。
  15. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 それでは、道路公団参考人がおられますので、ちょっと道路公団のほうに簡単にお伺いいたすのでありますが、いまの工事を進める上におきまして、骨材、特に砂利、砂などの入手難ということからして、非常に予算面その他で御苦労なさっておるのじゃないかと思うのでありますが、実情をひとつお聞かせいただければありがたいと思います。
  16. 富樫凱一

    富樫参考人 お話のとおり、われわれのほうでも、舖装用の砂利並びにコンクリート工事骨材に非常に苦労しております。だんだん川砂利が少なくなってきておりますので、川砂利のかわりに砕石を使う方法考えております。特に東名高速道路をやります場合に、骨材が一番問題になります。それはあらかじめ各業者に対しまして、どういう点に苦労があるのか、また公団としてできるところがあるのかというような相談をいたしております。東名についてはおおよそ見当がついていますが、将来の砕石並びに砂利等骨材入手には、相当真剣に取り組まなければならぬと考えております。
  17. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 真剣に取り組むというお話でございますけれども、真剣に取り組む対象と言いますか、何か具体的にお持ちになっておられるのでありますか。
  18. 富樫凱一

    富樫参考人 これは道路建設いたします付近で、石山などを公団でさがしまして、その石山から直営で砕石をとることにしたらどうかというような点を考えております。
  19. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 大臣がお見えになりましたから、大臣にお伺いいたしたいのでありますが、実は川砂利の逼迫と言いますか、これは遠くには幾らでもあるのでありましょうけれども、一計近くの多摩川、相模川から川砂利が多くとられてまいりまして、最近ではあまりに取り過ぎたために、川の保全上も心配になるなどということが世間にうわさされておりまして、新聞にも載りましたし、ラジオその他によっても伝えられておるようであります。これに関連しまして、大臣にお伺いいたしたいのでありますが、そうしたことが道路工事上、あるいは河川工事上、その他住宅あるいはビル建設などにつきましても、予算面でもずいぶん窮屈になりましょうし、将来に向かっていろいろと問題を起こすと思いますが、これについて、建設省のほうで何か具体的な対策を講ぜられておるかどうか。いま道路局長にお伺いしますと、道路局としては、そういうことがまだ考えられておらないということであります。省全体としての大きな問題のようにも思われるのですが、いかがでありましょうか、お伺いをいたしたいと思います。
  20. 河野一郎

    河野国務大臣 お話のとおり、大都市近郊河川が、非常に砂利を過度に採取いたしました結果、河川行政上遺憾の点が起こっておるということは私も聞いておりますが、これが対策等につきましては、私にお聞きになるよりも、やはりそれぞれのもち屋にお聞きになるほうがいいと思いますので、私はそこまでは考えておりません。
  21. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 もち屋に聞けということでありますが、そのもち屋の総本山としての建設大臣が、何か特別にさいはいを振っていただくほうが早道ではないかと思うのであります。といいますのは、いまの川の砂利が、全国的に見てということは少し大げさでありますが、東京近郊を見ましても、広く見ますれば、決してないわけではない。問題は近いところにない。とりいいところにはない。少し道が遠くなるけれども、むしろ川によってはとってほしいような状況になっておるところがたくさんあります。こうしたことから顧みまして、建設省では、その需要立場からいきましても、また主として川砂利でありますから、川の保全上からいきましても、改修上からいきましても、少し遠くのほうへ目をやって、運賃なり何なりについて特別の考慮を払うことによって、いま逼迫しておるところの川砂利需給状況を緩和することができるのではないかと思うのでありますが、いかがでございますか。
  22. 河野一郎

    河野国務大臣 だんだんお話しでございますが、建設大臣と申しましても、そう万能工じゃございませんので、砂利がどうなっておる、何がどうなっておるとおっしゃっても、一々書いたものでも読まなければ、私はわかりません。したがって、聞けば道路局長からお答えしたそうでありますから、私はもち屋のほうがいいだろうとお答えしたのです。何も全部責任を回避いたすわけではない。事務当局の答弁ではいかぬから、もう一ぺん言い直せと言われますならば、これはどなたが建設大臣におなりになっても、そういう質問をされても、そう答えられるものじゃないと思うのです。やはり答えるときには、わきから聞いて答えるだけであって、それは、自分で砂利について特別に配慮して、こうやっておりますというものがあれば、お答えしますけれどもお話のとおり、相模川の砂利が非常に悪くなっている、それから馬入川も悪い、多摩川はどうだということを聞いておりますから、これらは河川法を通していただいて、そして河川法によってきちっとやろうというのも、いま河川法を急いでおるゆえんです。しかしそういうものもありませんで、御承知のとおり、いまは県知事にまかせております。そのことを県知事に言うと、県知事うしろには県会議員がおりまして、なかなか言うことを聞きません。そういうことがありますから、せっかく苦慮いたしておるのであります。しかしいまお話しのように、大都市砂利は、いま東京ではどのぐらい使っておるか知りませんが、ビル建設に使っておるものが相当多いのじゃないかと思います。こういうことになりますと、われわれのほうで運賃のコストを考慮するとかしないとか言いましても、そこまでいくのは行き過ぎじゃないか。むしろ昨年来考えておりますことは、各府県砕石場建設をする、その補助金でも出したらどうだ、各府県ごと砕石場を持たしたらどうだろう、ということを大蔵省のほうでも考えたことがありますし、私のほうでも、そういうことをしたらどうだと考えたことがありますが、その程度だろうと思います。いまお話しになりましたような点までは、積極的にまだ触れておりません、というのが実情でございます。
  23. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 大臣にたいへんこまかいことをお伺いするようなことになって、恐縮でありますが、そのようなことを——実は私は山梨県でありますが、山梨県では川砂利があり過ぎて、たまり過ぎて困っておる。そのために、河川当局なり県なりに向かって、そういうことについてすみやかに何らかの対策を講じてほしい、特別にいまの時期においてならば、とりよさそうなときであるからということで、いろいろ御相談を申し上げたわけであります。ところが河川当局といたしましては、河川保全上これ以上砂をとっては困るというようなことを言っておるのです。山梨県などにおきましてさえも、もうこれ以上砂利業者を入れることはできないのだというようなことをいわれております。しかし御承知のように、天井川とまでいわれておりまして、あまりに砂がたまり過ぎたために、非常な洪水の心配を起こしておるような状態であります。それを早くとってもらいたいことはやまやまなんですけれども、それが使い道がない、あるいは捨て所がないということからいたしまして、現に起きておりますのは、私のほうで釜無川というのがありますが、これが数年前の台風によって、何千万立米といわれるくらいたくさんたまってしまいまして、河床が一メートル、多いところでは三メートル近くも上がってしまった。その砂を捨てるために、付近の高い耕地を買って、そこへ砂を捨てておるような状況でありまして、これは非常に残念なことであります。何も高い耕地へ砂を捨ててくださらなくても、いま困っておる東京へ持ってきてくれることができないものであろうか、こんなことを考えまして、御相談いたしたのでありますが、当面予算関係であるとか、あるいはさしむき堤防保全上おもしろくないというようなことから、こういうことになっております。それからもう一つは、業者もまた、運賃のために採算がとれないということになるのでありますが、これにも何とか運賃補給するということによりまして、片やいま逼迫しておる砂利需給状況を救い、片や川の根本的な改修によって天井川をなくすこともできるのではないか、そういういい時期だと思うものですから、これは一番、建設大臣の大英断を仰ぐときだと思いまして、お願いいたしたわけであります。決してこまかいことまでお答えいただくことはないのでありますけれども、大方針を承れば、それによってまた河川当局においても考えを新たにしてくるのではないか、こう私は思ったからであります。
  24. 河野一郎

    河野国務大臣 山梨県の川が砂利をとり過ぎているというお話はいま初めて承りました。少なくとも建設本省においては、そういう感覚は持っていない、ちょっと聞きましたら、いないそうでございます。ただし中央道でもできることになりますれば、たくさん砂利が要りますから、それまで置いていただく。(笑声)また、笑って申すわけではありませんが、富士川上流ですが、富士川上流は、これはもう私もたいへん共鳴しておる点でございます。あそこを十分調査して、もう少し河床を下げたらどうか、そうしてあそこの甲府盆地の水のたまるところをもう少し下げるようにすることはどうだろうか、という案につきましては、なるべく早く調査を終わって、実施に入る必要があると考えておるくらいでございまして、いまの河床を下げることにつきましては、私も全然異論はないところでございます。
  25. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 大臣お忙しいようでありますし、あと先生方の御都合もありますから、あと一点だけ念を押すようでありますが、また大臣の御決意をぜひお願いしなければならぬときであると思うものでありますから、伺います。現地のほうの、河川の皆さんも、その点については非常に了解してくれておるのでありますが、問題は、やはり河川改修上当面困るのだということのために、天井川を根本的になくすというようなところまで考えを進めていただいてくれませんと、そのために、いままで何十年来富士川上流改修につきましては、建設省の一番大きな問題であるとまでいわれており、あの改修につきましては、建設省から博士が何人とか何十人とか出たとかいわれるくらいむずかしい工事がやられておった。しかし何といっても、上からどんどん出てくる砂利始末に困るということで、天井川がますます高くなってしまい、しまいには雲の上の川になりはせぬかとまでいわれておる。この機会に、ちょうど砂利がなくなっておるといういい機会なんですから、思い切って、この際ひとつ根本論に取り組んでいただければありがたいということでございます。これは大臣にお願いいたすことでありますが、いずれまた河川法のときにでも、河川局長にお伺いいたすといたしまして、大臣のさような決意を承って、これからの現地における問題処理の方向をきめてまいりたいと思います。
  26. 河野一郎

    河野国務大臣 失礼なことを申しておしかりを受けるかもしれませんが、私は、天井川の解決は砂防中心でございまして、砂利幾らとっても、とる以上のものが上から流れてくる、したがって、山梨県はもう少し砂防に熱心になられることが必要だろうと思います。とかく山梨県は、河川法を提案すれば、知事さん初め反対しているし、それで川の問題がうまくいっておるのかと思えば、うまくいっておらない。ここらについて、もう少し県民全体の御認識を新たになさるように、せっかく御協力をいただきたいと思っております。私も最近山梨県には再三まいりまして、いろいろな点も見ております。お話のとおり、川が非常に荒れておりまして、そのあと始末等について、もう少し積極的にやらなければいかぬということもよくわかっておりますが、砂防中心に、また静岡県の県境の掘り下げ等をいたしまして、県全体の川のムードを直すというような、根本的なことを考えなければいけないというふうに思っております。できるだけ御協力申し上げるということを、ここではっきりいたしておきます。
  27. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 具体的のことにつきましては、また後日いたします。終わります。
  28. 丹羽喬四郎

  29. 井谷正吉

    井谷委員 大臣にお伺いしたいのでありますが、私、前の質問は時間が非常になかったので、その際にお問いすることができなかったが、きょうもまた大臣は非常にお忙しいので、三点ほどにしぼって、簡潔に申し上げたいと思います。  先般大臣から四国と中国の架橋の問題について、経済価値の一番大きな明石鳴門線お話がございました。これは私も同感であります。ぜひ早急にこれが実現するように願うものであります。ところが愛媛県と広島県が今治尾道線に非常にこだわっておる。だから、私これを調べてみましたところ、綾部運輸大臣尾道へまいられまして、大臣の名をさされておりましたが、その意味は、河野建設相明石鳴門線についていろいろ言っているけれども、これは当然尾道今治線になるだろうというようなことがはっきり活字になっておる。これに力を得たか、愛媛県、広島県の当路の人が広島に集まりまして、先般も会議を開いたというようなことが口火になっておるようでございます。そこで、やはり一つの内閣の内部でこういうふうに意見が分かれる、綾部さんが鉄道の橋をつけられるなら別だけれども、こういうお考え方の相違というようなことがあるのかどうか、承りたいと思うのであります。
  30. 河野一郎

    河野国務大臣 四国と本土の間における架橋の問題につきましては、たびたび申し上げますとおり、私も明石−鳴門、宇野−高松、尾道今治、この三線は、いずれも立地条件も非常にいいし、また工事を進める上においても適切な場所であると考えております。しかしこれを国家が架橋いたします場合に、三線同時に始めるといたしますれば、あまりに経費が膨大でございまして、それこそ何十年かかるかわからないようなことに相なると思います。そういうことは、投資を有効にするために適切な処置ではないというように考えまして、いずれも適当でございますけれども、どれから先にやるかということに相なると思うのでございます。そういう意味におきまして、まず京阪神に近い明石からやることが一番四国全土の開発の上に適切であろうという意味において、明石−鳴門から調査を進める、そしてこの調査の結果可能であるならば、これから架橋を始めていく、そして引き続き第二、第三にかかっていくということの方針を、私は建設大臣としてきめております。これにつきましては、私が建設大臣一存できめておるばかりでなしに、総理大臣の御了解も得ております。したがいまして、現内閣におきまして、この方針が変わるということは私はあり得ないと思います。ただし、この橋が済んだ次には、その二つのうちのどっちをやるかということになりますれば、順次上のほうから下へ下がっていくのがいいのではないかという意見もありましょうし、一番束のほうの橋をやったから、今度は西のほうをかけたらいいだろうという場合も起こってきましょうし、それはそのときの両地域の経済効果、効率等を十分に勘案してやるべきものと思いますから、いまにわかに、第二はどこだということについては、ここに私の意見を決定いたしかねますけれども、いずれにしても、これら三地点の架橋は、国家としてぜひ必要である、引き続きやるべきものであると考えております。
  31. 井谷正吉

    井谷委員 大臣の御答弁は私どももそのとおりにやっていただきたい、反対しておるわけではありません。ただそういうことがあったということを申し上げただけであります。  次に、この道路整備緊急措置法の中の第一条でありますが、「この法律は、道路を緊急に整備することにより、自動車交通の安全の保持とその能率の増進とを図り、もって経済基盤の強化に寄与することを目的とする。」とあります。これだけを見ますと、自動車交通の安全の保持と能率の増進ということが一番重点になっておるように思います。私はこの中に、道路本来の大きな目的でありますその地域の産業開発ということが、これは経済基盤の強化という中に入るかもしれませんけれども、もっとこういうことばのあらわし方が考慮されていいのではないかと思いますが、大臣のお考えはいかがでありますか。
  32. 河野一郎

    河野国務大臣 道路の目的は、当然いまお話しのように相なるべきだと私は考えます。したがって、近日提案御審議をいただくように考えております道路法の改正案につきましては、お話のようなことを当然その目的に書くべきものと考えます。ただ、ここに緊急五カ年計画は、御承知のように、ガソリン税を非常に主たる財源にいたしております。そういうふうなことから、このガソリン税をたくさん使って、道路を大幅に緊急にやろうといたしております関係から、そのほうに多少義理立てしたのではないかと私は思うのでありまして、道路の目的については、お話のとおり、ここに書いてある自動車さえ通ればいいというようなものであるべきはずのものではないのでありまして、当然目下の道路の目的といたしましては、産業の開発、産業の振興、ここに主たる大目的がなければならぬということは、当然だと考えております。
  33. 井谷正吉

    井谷委員 第三は、近畿圏整備本部の大阪事務所の件がこれに出ておりますが、私、それと関連して考えることは、やはり近畿圏の経済発展ということで、特に大阪、神戸でございますが、従来四国が非常に大きなウエートを持っていた。今度瀬戸内海の工業開発、産業開発が行なわれるときにあたりましては、やはり瀬戸内海をはさみました四国、九州、さらに大分、宮崎、こういうところ、内海に関連する広域なこうした地域の、近畿圏の整備地域のような構想をやはり立てて、国で指導協力をしてやるという体制が、当然起きてくると考えますが、大臣のこれに対する構想はいかがでございますか。
  34. 河野一郎

    河野国務大臣 私の持論といたしまして、広域行政、広域経済というような観点から、現に中国とか四国とか近畿とか呼ばれておりますものは、はたしてこういうことで妥当であるかどうかということに非常に多くの疑問を持っております。近畿圏の議員さんが、近畿圏整備の法律をお出しになるときに、四国の代議士諸先生がこの問題に深い関心をお持ちになって、少なくとも徳島県程度はこれにお入りになることが必要ではなかったか、現に北陸の福井県がこの地域内に入っております。三重県の一部も、東海でございますが、入っております。というような関係からすれば、当然入っていいのではないかと思いますが、地元の御要請等もあまり御熱意がございませんでしたので、そういう運びになっておりませんが、むしろこの橋をかける、これがかかればむろんそういうことになりましょうけれども、かかる前から、この経済の一体化という意味において、そういうふうにあることが適当じゃないか、こう考えます。
  35. 井谷正吉

    井谷委員 次は、前に大臣お話しになりました地方道の現道舖装の問題でございます。地方道は、従来これを開通いたしましたころは、馬車が単位であったために道幅が非常に狭い。また勾配あるいはカーブ、そうしたものも、今日の自動車が運行いたします場合に非常に危険であり、不便である点が非常に多いと思うのでありますが、現道舗装の場合に、前に大臣仰せられたように、そういうものを直していたのではとても費用が高くつくから、現道のままでやろうというお話は当然のことと思いますが、とうていたえられないようなところがあります。そういうような個所、あるいは退避線、退避場所の設置というようなことは、これとやはり切り離してやるべきだと思いますが、その点をひとつ伺いたいと思います。
  36. 河野一郎

    河野国務大臣 地方道の場合には、主要県道と一応総ワクはきめております。ただし、主要県道と申しましても、四メートル以下の道路につきましては、現状のままでは舗装することは適当でないという意味から、一応、四メートル以上の道路であって主要県道というものについては、全面的に舗装しようと考えております。これは原則であります。ただし、そうは申しましても、主要県道でなければ舗装しない、もしくはそれはなおざりにする、ということは考えておりません。必要な度合いにおきましては、一般県道でも、むろん舗装することに努力することは当然であります。
  37. 井谷正吉

    井谷委員 私が大臣にお問いするのは、これでよろしゅうございますから、あと道路局長にお願いしたいと思います。  道路局長にお尋ねしたいのですが、この主要地方道で、現在全国で何キロくらい指定の申し込みがありますか。
  38. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 今日の時点におきまして、大体一万五千キロくらい御要望が出ております。
  39. 井谷正吉

    井谷委員 その一万五千キロくらいを査定になるでしょうが、およそ何割くらいがきまりますか。
  40. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 実は、まだ何割ということはきめてございません。これは先ほども大臣が申されましたけれども、新しい五カ年計画をこれから組み立てていくわけでございます。それも当然予算の対象にもなりますので、そういうものによって、どのくらい主要地方道が整備し得るかということもございますので、大蔵当局とも打ち合わせなければなりませんが、私どもといたしましては、その主要地方道に指定した以上は、やはり指定した並みのことはいたしたいと思っております。御要望はたくさんございますが、いまの数字から申しますと、大体その半分くらいならば、これからつくります五カ年計画で、ある程度それらしいものがやれるのではないか、かように事務的には考えております。いずれにいたしましても、関係当局といろいろ打ち合わせなければなりません。ただいまのところは、まだ数字的にはっきり申し上げられません。
  41. 井谷正吉

    井谷委員 本年度の四国地建におきます一級、二級国道の整備の御構想を承りたいのです。というのは、四国の幹線自動車道路網の整備、これについて四国地建から照会があって、回答を県のほうから出しておりますが、それによりますと、四国縦貫自動車道を、松山市から三崎町まで延長する。大洲市から宇和島市までの高速自動車道を建設する。宇和島市、高知県窪川間の国道の昇格という、この三つを答申しておるようでありますが、それらについてのお考えを承りたい。
  42. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 四国の幹線自動車道路網につきましては、先般建設省で、将来の国土建設のビジョンの案を出したことがございますが、それによりますと、本州と四国をつなぎ、また、四国の中に予定されております四国自動車道というものを整備する。それから九州との間をフェリーで結ぶというようなことが根幹になっておると思います。しかし、これらは将来の一つの構想でありまして、たとえば、四国自動車道につきましても、まだ調査が始まりました段階でありまして、まだ具体的に建設に着手するという前の段階でございます。したがいまして、新しい三十九年度におきましても、前年に引き続きまして調査をするという考え方でございます。  それから、本州との連絡につきましては、先ほど建設大臣からもお話がございましたし、前回のお話にもございましたように、これも大体明石−鳴門地区を中心にいたしまして調査をしておる段階でございます。これの具体的建設については、やはり同様に今後の問題でございます。それから、九州−四国のフェリーにつきましては、これは何らかの方法でフェリーを実現したいへこういうふうに考えておりますが、その方法については、やはり今後の問題になっておるわけであります。なるべく早くその方針をきめたいと思っておりますが、まだ未定でございます。おおむねそういうふうな段階でございまして、幹線自動車道としましては、全体的にまだ調査をしておる、こういう段階と御認識いただきたいと思います。
  43. 井谷正吉

    井谷委員 私、最後に私の考えをひとつ申し述べまして、希望を申し上げて、終わりたいと思いますが、この明石−鳴門の連絡橋ができる。そうして今度高松から松山、大洲、三崎、そうして九州の佐賀関の連絡、これを私は自動車縦貫道路としてぜひ御実現願いたいと思うことは、この線ができますと、山陽線に並行した複線になる。九州と、京阪神との連絡が非常に早くなりますとともに、経済価値が非常に上がってくるということであります。これは山陽線に並んだ一つの線として重点を置いていただきたい、こういう希望を申し上げておきたいと思います。私の質問はこれで終わります。
  44. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 河川局長がお見えになったそうでありますから、河川局長にお伺いいたしたいのであります。  私は、相模川や多摩川その他川砂利を非常に取り過ぎたために問題を起こしているというようなことからいたしまして、建設事業全般にたいへんに悪い影響を来たしておるのではないか、こう思っておるのでありまして、そこで、先ほど実は道路局長にもお伺いをいたし、また道路公団の方からもお答えをちょうだいしたのでありますが、それによりますと、砕石にかえておるということでございます。道路局長のほうは、むしろ砕石のほうがいいんだということでありましたが、私は砕石にかえて間に合うものとも思いません。ことに非常に高くなっておるようでありますし、道路公団のお答えによりますと、そのことについて非常に将来を心配しておるということでありました。そこで、これは河川局長のほうとしましては、むしろ砂利の供給側としまして、これに協力なさる何らかの対策をお持ちになっておるかどうか。川の保全上も差しつかえない、むしろ川の保全上にもよろしいというような考え方に立って、少し遠くはなるけれども、近県各地の砂利がたまっておる川を探して、この方面からいまの需給関係に協力なさるお考えがあるかどうか、ということをお伺いいたしたいのであります。
  45. 畑谷正実

    ○畑谷政府委員 いまのお話でございますが、私のほうは、もちろん供給という面もございますが、河川管理上の問題として砂利の採取がいろいろな影響を与えておる、たとえば河床の低下であるとか、いろいろな問題がございまして、河川の管理上からこれは放置できないということでありまして、ひいては砂利の供給の問題でございますが、特に砂利の採取が最近においては非常に窮屈になってきておる。もうこれ以上取ってはいけないんじゃないかというような、またはそれに近いような河川をまず対象にいたしまして、砂利の賦存量調査というのをやっておるわけでございます。ちょっと名前を申し上げますと、現在対象として考えておりますのは、多摩川、相模川、神流川、鬼怒川、渡良瀬川、利根川上流、荒川、阿賀野川、木曾川、矢作川、揖斐川、狩野川、木津川、淀川、紀ノ川、吉井川、太田川、朝日川、吉野川、球磨川、筑後川、大淀川——これはどちらかというと、この川については砂利の供給というものが相当早い期間に窮屈になるのじゃないか。そうしますと、砂利の供給がとまりますと、それに対応するような動作を当然しなければ問題が起こる。そして、それらの川の現状におきまして、川の改修と比べましてどれくらいの砂利が採取できるか、今後それが何カ年くらいでとまるか、それを早く見きわめまして、それを見当をつけた上で、そういうふうになった場合にそれをどうするか。たとえばほかの近い川でそういう採取の条件のいいところに移すとか、あるいは砕石のほうに考えてもらう、当然早くその見通しをつけないといけないというので、一生懸命やっておりまして、大体の見当はついておるのですが、まだ結論には達しておりません。特に問題になっております相模川とか酒勾川というものにつきましてはもう供給限がきたというので、御承知のように一部禁止という状態になっております。その他のこれらの川につきましても早く結論を出しまして、結論の出次第、この川についてはもう今後何年くらいより賦存量がない。それに対応する動作を当然早く見つけまして、それの対策を講ずる。どちらかと申しますと、河川管理上の問題から十分その調査をしておるような現状でございます。
  46. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 いま、河川保全上これ以上はもう取れそうもないというような川の名前を承ったのでありますが、まだまだ十分あるのです。むしろ相当持ち出さなければならないような状況にある河川も、東京近郊だけでも相当あるように思うのでございますが、たとえば、私、山梨県であります。山梨県においては、富士川上流の釜無川、釜無川の各支流、それから笛吹川というようなところにおいては、まだまだ相当期間相当量の砂利砂を取らなければ、本来の川の理想の姿にならぬのではないかというようなところもあるのであります。こういう面についてはどういう方策をおとりになるお考えであるか。
  47. 畑谷正実

    ○畑谷政府委員 いまお話ししましたとおりに、どちらかというと、現在この川でこれくらいの量より取れませんよということを申し上げないと、なかなかそれに対するいろいろな対応策ができないという現況にございまして、とりあえず、この川もこれくらいよりないからそのつもりでやりなさい、ということをまず指定しまして、それからそれが出ましたら、それと並行して、そのほかの川にどういうような砂利の量があり、どういうような開拓の方法があるかという次の段階に実は移るつもりでおるのですが、現在、川の状態について、これ以上取れないという調査がまだ済んでないものですから、そこまでいっておりませんが、至急そういう面に向かって結論を出し、あるいは強力にそういうようなことに対処していきたい、こう思っております。
  48. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 私のほうの例だけとってはいけませんけれども、釜無川、富士川上流というのは、おそらく砂利砂がたまって河川保全上御苦労をかけている川の一番ひどいものだと私は思うのです。この富士川上流改修につきましては、私の記憶する限りにおきましては、初めこの砂をたいへんな予算をかけて外へ持ち出しておった。捨てておったんですね。そのために当時の金で年々何百万、何千万、いまといたしますれば相当の金をかけていたと思うのでありますが、砂を持ち出して捨てなければならない状況であった。ところが、この川の砂を捨てるということについては、あまりに金がかかり過ぎて成績がはかばかしくないということからいたしまして、金はかけるけれどもさいの川原以上にますますたまってまいったのです。ことに三十四年のあの台風以来というものは、非常な河床の上がり方でありまして、これをこのまま従来の方針をとっていきますれば、年々予算をかけて持ち出すということでありますが、いま私が大臣に御決意をお伺いいたしました要点は、幸いというか、不幸というか知りませんけれども、いま東京周辺におきましては、各種の建設工事が進んでおるにかかわらず、いまお話しのように、川砂利は相当逼迫を来たしておって、そうしてそのために場所によると取り過ぎるということまで来たしておるような状況でありますから、このときこの際、いままでのような改修方針を変えて、付近に捨てるということではなしに、積極的に、いまの予算東京へ持ち出すほうの予算に使ってくださることによって、より効果が上がってくるのではないか。一面におきましては、非常に逼迫している砂利について供給量を増すことになりましょうし、一面におきましては、予算の使い方を時宜に適する形において使うということにおきましてもいいのではないかと思う。したがって、河川保全の方途としましては、従来の考え方を一歩飛躍した、あるいは根本的に変えた考え方でやってくださる時期ではないか、こう思うのですが、それについていかがなお考えをお持ちになっておられるか、お伺いいたしたい。
  49. 畑谷正実

    ○畑谷政府委員 当然のお話でございます。それの第一歩といいますか、御承知のとおりに、昨年、相模川につきまして、いわゆる砂利規制の政令を制定いたしました。それからことしの四月から一応全面禁止——もちろん区間的でございます。結局そういうことによって、そこにおられた人が、当然砕石とか何とかということもあると思いますが、相当の人たちが、砂利の、ほかの現場に行きまして、採取のできるところに行ってそういう動作をするという、要すれば、いま砂利を取っておる人たちは、そういうような供給源が非常に多くあるにかかわらず、単価とかいろいろな施設等から考えてなかなか踏み切れないのじゃないか、そしてずるずると、非常に河川管理上困るような状態に追い込まれておる。これはお互いに困るわけでありますから、私個人としましては、昨年のそういう規制の政令を十分に活用しまして、ここではこういう量より取れない、したがって早くそういう対策を講ずる、その対策を講ずるにつきましては、お話のとおりに、そういうような川で十分取れるところから取るように御指導を申し上げる、こういうことでその解決を進めていくような段取りがすでに政令その他でできております。さらに強力にそういう指導をしていきたい、こう思っております。
  50. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 政令その他で、形の上からあるいは指導方針として、そういう方向をとられることからもう一歩進めて、河川予算の中で、河川改修の方向を、堤防をしっかりするとか、砂防堰堤を上につくるとかということも大いに進めてもらわなければなりません。現に進めていただいておるわけでありますが、現にたまっておるものを一刻も早く持ち出すという方向に方針を変えるわけにはまいらないかどうかということです。そのためには、業者に単に指導精神、方針として言うのではなしに、それに対しては、助成金を出すとか、あるいは運賃補給するとか——それはいまたんぼを買って、そこへ捨てております。あの金も相当なものだろうと思う。相当高い土地を買って、そこへわざわざ捨てておる、それだけの予算運賃補給するというような方向へ使いますと、かなり業者のほうでも持ち出すのに協力することになりはしないか、こう思うのであります。なぜ私がこんなことを言うかといいますと、いま釜無川では二十何社か入って非常に乱掘の害さえも起きております。たくさん持ち出してくれるのはいいのでありますが、それがかってほうだいに持ち出すということになると、これまた非常に河川保全心配であります。それが何とか解決できないか、いろいろ言ってみましても、むしろ砂利を持ち出す金を取っているのだ、逆なんでありまして、私のお願いしたいことは、むしろ業者から金を取るということでなくて、業者に助成して、そのかわりには、こういうところを、こういう方向で、これだけ持ち出してくれというような、強力な指導ができるような予算的裏づけまですることができないかどうか、そういう方向をとることによって、天井川の根本的な解決ができはしないか、こう思うものですから、それらについて、従来の方針を変えるわけにはまいらないか、こういうことをお伺いしておるわけです。
  51. 畑谷正実

    ○畑谷政府委員 お話の趣、よくわかりました。従来からもそういうお話があるのですが、河川改修上どうしてもそこを掘さくしなければならぬとか、あるいはしゅんせつしなければならぬというところにおきましては、これは当然採取というよりも、こちらの費用みずからでもってやるわけでありますが、お話のようにある程度たまっておるところについて、そういうところを助成金を出してやる、これは補助金の制度から、簡単にそういうことができるとはとても申し上げかねるわけでございますが、そういう点も将来は起こるかもしれませんが、要すれば、やはり改修工事の促進との並行等もあると思います。改修工事を大いに促進するということで、必要な掘さくなりしゅんせつをするところができれば、これはいいのでありますが、ただそれ以外に、たまったら、たまっておる、改修上はこのままでもいいというところに、さらに助成金を出すというのは、なかなか実際問題としてはむずかしいんじゃないか、十分検討はいたしますが、そこまではちょっと踏み切れない、こういうように考えます。
  52. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 実は、河川局長承知のように、私のほうには天井川というやつがありまして、これが非常に高くなりまして、いまは交通上困るものですから、トンネルを掘って、下をくぐって歩いているというようなことなんであります。私どもの子供のころは、そういうことではなかったのでありますが、だんだんだんだん河床が上がってしまって、ついに道は川の下をくぐらざるを得ないというようなことにまでなってしまったのであります。私は、これは河川改修上は非常に好ましからぬ状況だと思う。こうなって下をくぐるようなことになりますと、ますます今度は堤防を上げなければならないというようなことになってきまして、残念なことだ。こういうことは好ましからぬことではあったけれども、やむを得ざる措置として、そうなってきたんだ、こう了解するのでありますが、いまやそのやむを得ざる条件というものはなくなってくる、いままではじゃまになって困った砂利砂が、幾らでも使ってくれ手がある、むしろ足りないというときを迎えたわけであります。このときにおいて、そうしたやむを得ず堤防を高くしなければならなかった時代から、根本的に砂利砂をとってしまうという方向に変えるわけにはまいらないか、ということをお伺いしておるわけであります。なぜ私がこんなことをしつこくお伺いするかといいますと、現地のほうにおきましては、もうそういう方法よりほかにないのだというふうに思い込んでおるように私にはとれるのであります。つまり私のほうの川としますれば、だんだん砂利はたまるんだ、したがって堤防を上げるんだ、堤防を上げるから、また河床が上がるんだ、河床が上がるから、また堤防を盛り立てるんだというようなことで、イタチごっこみたいなことをやる以外にないということになり、いまは、砂利を持ち出すということで、つくった堤防の補強上困るから、たまった砂利はそのままそっとしておいてもらいたいというようなことにまでなってきて、その向くなった堤防の上に橋をかけるものですから、橋脚はたまった砂利の上にできておる。その砂利を取ってしまうと、堤防の橋脚があぶないから、そっとしておいてくれろといわんばかりの態度なんです。今日まではそうであってやむを得なかったかもしれませんけれども、今度はそうじゃないから、根本的に川はなるべぐ低いところを流してもらうのだということになって、一面においては、砂防工事が進んでおりますから、これからはおそらく——私はそう念願するのでありますが、これ以上はそう橋もくずれまい、砂利もたまるまいと思うものですから、この際、下のほうを思い切ってさらってくれますと、あの天井川も根本的に改修することができるのじゃないか。何も橋脚を持たせなければならないから、あのおそろしい天井川をそのまま置くということではなくて、思い切ってさらってしまって、橋脚をさらに下のほうからつくり直すというくらいの考え方に思い切ってなってくださらぬかどうか、堤防も、近いところから順に積んだということではなくて、思い切って下を掘り下げたところにかたい堤防をつくるという方針に変えてくださるわけにはいかないかどうか、こういうことでございます。これは実は大きな問題だろうと思いますから、先ほどは建設大臣にもお伺いしたのでございます。建設大臣は、そういうことも考えて十分やるということでございます。建設大臣を補佐なさる河川局長として、技術的に見てそれがいいんだ、こう言ってくださると、建設大臣もあの実行力を縦横無尽にひとつふるってもらって、私どもの要望をかなえてくださるのじゃないか、こう思うものですから、お伺いいたしておるのであります。私のお願いしたいところはそこであります。
  53. 畑谷正実

    ○畑谷政府委員 お話の趣、よくわかりました。やはり河川改修の方針として、そういう天井川を、どこまでも天井を上げるように、つり上げていくか、そうでなくて、根本的に、そういうような河床というものを別な見方から考えてやるべきではないかということですが、確かにごもっともです。現地において十分な調査をいたしまして——そういう基本方針というものが、天井川をただずるずると上げることのみが必ずしもいいとは思いません。十分調査いたしまして、そういう方針が立つならば、そういう基本的な改修計画の再検討ということで、その改修の基本的な河床の計画変更をいたしまして、そういうふうに実行したいと思います。
  54. 金丸徳重

    金丸(徳)委員 河川法のときに、もう少し具体的に——私も資料を持ってまいりますから、河川局長のほうでもひとつ資料を整えておいていただくようにお願いいたします。  きょうは、これで私は終わります。
  55. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 西宮弘君。
  56. 西宮弘

    ○西宮委員 私は実は道路行政の今度の五カ年計画に関しまして、大臣考え方を伺いたいと思っておったのでありますが、大臣があいにくおりませんので、大臣あと伺いますための、いわゆる準備資料のような形で、局長に二、三お尋ねをいたしたいと思います。  第一は、現在輸送機関は、自動車あり、鉄道あり、あるいは船あり、そういうようなことでありますが、これがおのおのどの程度の分野を受け持っておるか、パーセンテージにして、どの程度輸送の任務を果たしておるか。さらに今後見通される将来において、特に今度の計画が五年計画であり、あるいはまたさらにもう一つ、政府のほうで、昭和五十五年までの計画をいろいろ練っておられるようでありますが、それに関連いたしまして、たとえば昭和五十五年まで、あるいは五十五年における自動車の担当する割合がどの程度になるか、それをまず伺いたいと思います。
  57. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 陸上輸送の割合でございますが——海上はちょっと私どもも分担の資料が手元にございませんが、陸上交通の分だけについて、数字を申し上げてみます。これは貨物と人員と分けてみますと、貨物の輸送トンキロ数で申しますと、全体の鉄道の占めます輸送トンキロ数が私どもの手元の統計にございますものが三十五年度で五百五十四億トンキロでございます。自動車のこれに対します輸送トンキロ数が二百八億トンキロ、両方合わせますと七百六十二億トンキロでございます。鉄道と自動車の割合は七三対二七、こういう数字になります。これに対しまして、旅客輸送の割合でございますが、これは人キロ、こういう数字であらわしておりますが、同じく三十五年度におきまして、鉄道によります輸送人キロの総計が千八百四十億人キロでございます。これに対しまして自動車が五百五十五億人キロでございまして、合わせまして二千三百九十五億人キロでございます。この割合が鉄道七七に対しまして、自動車が二三、おおむねこういう比率になっております。これに対しまして将来の、五十五年でありますが、これは経済企画庁のほうで所得倍増計画のときに、この現在の資料、このシェアというものをもとにいたしまして、将来の輸送需要の比率を変えまして、一つ見通しを立てております。その数字がたしか五十五年まで出ておったと思いますが、私手元にその数字を持っておりません。それらをもとにいたしまして、私ども道路計画の一応現在ございます基礎数字にいたしております。この資料につきましては、必要ならば後ほどまた別に資料として差し上げたいと思います。
  58. 西宮弘

    ○西宮委員 それでは、この次できるそうでありますから、お知らせを願いたいと思います。  経済企画庁で作業をしております日本経済の長期展望ですか、たしかそういう名前だったと思いますが、あれの中には、海上輸送もある程度おのおのそのシェアを見ております。たとえばそれによりますと、自動車が非常な勢いでそのシェアを拡大しておる、こういう数字が出ておりますが、ただ残念ながら、その資料は昭和三十三年までしかありませんので、もう少し先まで伸ばして展望してもらいたい、こういうふうに思うわけですから、ぜひこの次までにお願いしたいと思います。  それと同じような意味で、次にお尋ねをしたいのは、自動車一台あたりのいわゆる道路資産でありますが、それが最近非常に低下をしておる、極端に低下をしておるということがいわれておるのですが、これを数字的にお知らせを願いたいと思います。
  59. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 御承知のように、所得倍増計画で、自動車一台当たりの資産を考える際に基準になりましたのは、一台当たり七十七万円であったと思います。ところがこの七十七万円を中心にいたしまして一〇%の上限、下限をとりました。したがいまして、約七十万円を切る数字と、それから八十四万円になります数字を両方とりまして、いろいろ計算いたしたのであります。その結果、所得倍増計画では、十カ年でございますから、四十五年までに全体で四兆九千億、こういう数字を出しております。道路計画ではそれを頭に置きまして、現在の五カ年計画、すなわち三十六年から四十年までの五カ年計画では、その下限のほうの数字の投資をとったのであります。これがいわゆる二兆一千億のただいまやっております道路計画の基礎数字であります。したがいまして、当初基準にとりました七十七万円に対しまして、下限に近いもの、七十万円若干切れるものが基礎数字になっております。その後最近自動車台数がふえまして、結果的に見ますと、資産の数字は一台当たり六十四万七千円になっておるようであります。われわれが当初考えましたよりかなり下回っておるということでございまして、今回計画を改定する一つの根拠にその点を私ども置いておるわけでございます。
  60. 西宮弘

    ○西宮委員 統計で見ますると、終戦雨後の昭和二十年か二十一年、あの辺がピークでありまして、それから非常な勢いで減っておるわけですが、これを今度の五カ年計画ないしは五十五年までの十七カ年計画、そういう計画の中でどの程度に回復できるという見込みでありますか。
  61. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 過去の非常に高い数字は、日本の非常に少ない自動車の台数にむしろ基因していると思いますので、過去のピークというものは、将来の計画の基礎にとっては少し過大過ぎると私ども考えております。したがいまして、先ほど申しました所得倍増計画、あるいはその前の新長期経済計画の基礎になりました投資の数字、それが先ほど言いました七十七万円でありますが、それをもとにいたしまして、私どもといたしましては、さらに上限数字くらいまでほしいのでございますが、何ぶん自動車の台数もたいへんな伸びをいたしておりますし、せめてこの基本数字の投資をするということを一応の目標に定めておるのでございます。現在六十四万円でございまして、その基礎数字との間には十三万円の開きがあります。これの回復が最小限度当面の目標である、かように考えております。先般私どものほうで出しました長期展望におきます十七カ年二十三兆八千億計画におきましても、そういうところに基礎を置きまして、十七年の間にそれらを高めていくという考えで出しておるのであります。
  62. 西宮弘

    ○西宮委員 要するにいま局長が言われたように、終戦直後、非常に自動車の台数が少なかった当時、分母が少なかったわけですから、答えが高く出たのは当然でありますが、最近の自動車の激増ぶりに関連いたしまして、今後どういうふうにそれを見通すかということが非常に大きな問題だと思いますが、これもこの次でけっこうでありますから、私自身もよくわかりませんので、道路資産の算定のしかたその他等資料を出していただきたいと思います。  それから、もう一つ同じような数字でお尋ねをしたいのは、道路投資の金額をどこにめどを置いてやっていくかという点であります。たとえば国の総予算の中で道路投資が何割を占めるべきか、あるいは過去においてどういう実績をたどってきたかということが一つの目安になると思いますが、そういう点で何か数字を考えておられることがありますか。
  63. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 道路投資の総額につきましては、戦後毎年非常にふえてまいりまして、これが国の経済の面において非常に大きなウエートを占めておるということもございますので、国の経済計画の中で道路投資を幾らにするかという考え方がとられるようになったわけであります。所得倍増計画、その前の新長期経済計画において、そういう観点から、経済計画の一環として道路計画が取り上げられるいきさつになった事情は、そういうところにあるのでありますが、公共投資の中で、道路投資というものは、御承知のとおりに、過去の経済計画の中におきましておおむね三分の一を占めておる。でありますから、道路投資の規模を幾らにしたらいいかということは、やはり道路だけの立場ではなくして、国の経済計画、なかんずく公共投資の中でどのくらい投資すべきか、こういう議論になるかか思います。今回の改定は、実はそういう経済計画の改定等が間に合いませんので、とりあえず、私どもといたしましては、五十五年までございます基礎資料というものをもとにいたしまして、二十三兆八千億円の長期展望を立て、その最初の五カ年分として四兆一千億の投資規模を出したわけでございます。これは大体、従来の所得倍増の規模というものをそう極端に変えるものではないとわれわれは考えております。所得倍増の計画がやや二年ぐらい早目に到達される、こういう見通しのもとに、投資規模としては、国の財政計画の中でそう無理なものではない、かように考えております。したがいまして、基本的には、やはりただいまの御質問に対しましては、経済計画と関連させて考慮すべきであると考えておるわけでございます。
  64. 西宮弘

    ○西宮委員 さっき申し上げた経済企画庁の長期展望の中に過去の数字があがっておるのでありますが、それは国の総予算に対しての数字で、それで見ると、これはもちろん着々ふえてきておるのでありますが、さっきも言ったように残念ながら三十三年度までしかそれには載っておらないわけであります。それで昭和二十九年度は載っておるけれども、これに比べると、三十三年あたりでもかなり大幅にふえたことにはなっておるのでありますが、これの現在の状況、さらにさっき申し上げた昭和四十三年から五十五年までの、その時点における見通し等を聞かせてもらいたい。それから、局長の言われたような公共投資の中に占める道路投資の比率でもけっこうであります。いずれにしても、その辺がやはり道路投資を考えていく場合の一つの目安になると思いますから、ぜひそれを資料として出していただきたい。
  65. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 これは統計のとり方はいろいろございますので、詳しくはやはり資料として差し上げたほうがよろしいかと思いますが、手元にあるものをちょっと参考に申しますと、国の一般会計予算総額に対する道路予算の割合でございますが、これが三十三年まではただいまの資料によっておわかりかと思います。三十四年は、道路予算額はパーセンテージにいたしまして六・五%くらいでございます。三十五年は若干下がっております。三十六年が七・五%でございます。三十七年が七・八%くらいと表の上で読めますが、詳しくは資料で御提出したほうが間違いないと思います。
  66. 西宮弘

    ○西宮委員 わかりました。お尋ねしたいのは、特に今度の五年計画を論議をするわけですが、五年後あるいはさらにもしできるならば五五年の時点についての見通しをひとつお知らせいただきたい。それからもう一つ、これを取り上げる基礎として、国民総所得との比率ということも当然問題にしなければならぬと思うのですが、その点についての現在の状況あるいは将来の見通しはどうなんですか。
  67. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 国民所得と道路投資との関係につきましては、道路投資の国民所得に占める割合で申し上げますと、三十三年が丁九五%、それから三十四年が二・〇七、三十五年が二・〇六、三十六年が二・五〇、かような数字が手元にございます。これから先の数字につきましては、将来の数字はちょっと手元にございません。もし必要がございましたら、これもまた同じ資料で提出したいと思います。
  68. 西宮弘

    ○西宮委員 それでは、いまいろいろなそういう数字をお尋ねしましたので、この次までにさらに詳しく調べて報告するという局長お話でございますから、私はそのとき資料をもらうことにいたしまして、大臣にお尋ねするつもりでなかった別な問題で一言だけお尋ねをしたいのであります。  例の車両制限令によって制限されております制限も、猶予期間がことしの七月三十一日で満了するわけでありますが、それに関連して、そうすると、この制限令がそのまま適用されるということになって、非常に困るわけであります。ただ、制限令が適用されて車両が通れないということだけでは問題の解決にはならないので、同時にそういう道路の拡幅なり、道路改修なり、そういう点について助成をするとか、そういうことは考えられないのですか。
  69. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 車両制限令は猶予期間がただいま御指摘のとおりことしの七月一ぱいで切れるわけであります。政府といたしましては、これらの措置といたしまして、補助事業といたしまして、この対策として待避の措置とか、その他道路改良をやっておりますが、何ぶんにも全国的にかなりのそういう支障個所がございますので、政府の補助事業だけでもまいりません。したがいまして、県当局にも指示いたしまして、単独でやれるものはやるようにということで、かなりやっておりますが、本年度三十八年度は、これらを合わせまして五十二億円でございますので、三十九年度できるだけこの猶予期日までにやるように、百二十二億ほどこれらについて予定いたしております。しかし、これとても実際問題としてそのときまでに工事がうまく完了するかどうか、必ずしも保証できません。したがいまして、そのほかにわれわれといたしましては、各都道府県ごと道路の管理者と陸運局と、それから警察機関、この三者で協議会を持ちまして、この協議会でそういう場合にどうするかという措置を相談さしております。しかし、何ぶんこの問題も必ずしも協議会で解決するものでもございませんので、私どもといたしましては、実態をただいま各都道府県ごとに詳細に調べております。どうしてもこの猶予期日までに間に合わないという場合には、つまりいかなる措置もとり得ないという場合には、そのときにまた適切な行政措置をとらなければならぬ、かように考えておりますが、まだ本日の時点におきまして、どうするかということを具体的に申し上げる段階に至っておりません。
  70. 西宮弘

    ○西宮委員 ただいまの問題は、まだこれから検討する問題だということでありますから、なおその際にまたいろいろお尋ねすることにして、ひとつぜひ善処してもらうようにお願いいたしておきたいと思います。  それでは、さっき冒頭に申し上げたように、私、大臣にお尋ねしたい点の前提事項をお尋ねしたわけでありますから、きょうはこれで終わることにいたしまして、この次、大臣にお伺いいたします。
  71. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 次会は、来たる二十四日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十六分散会