○金光説明員 現在の
日本と
琉球との通信は、短波回線によってなされております。現在は、東京と那覇との間に電話が二本、二回線、それから東京と那覇との間に電信が一回線と福岡と那覇との間に一回線あるわけでございます。この短波回線につきましては、国際的な分収の
方針、原則と申しますか、これは全部両無線局間に通信がなされますので、折半というのが原則でございます。現に
日琉間の電話につきましては、それぞれの収入を折半する。電報につきましては、これを開きましたときからのいきさつがございまして、現在発信取りというものをやっております。
日本から
沖繩に打ちます電報は、
日本側の収入、
沖繩側から
日本にまいります電報につきましては
沖繩側の収入、こういうふうに、電報のほうは発信取りしております。電話につきましては、いままで五〇、五〇というもので分収しておったわけでございます。ところがこのマイクロの設備ということになりますと、中継所というものをおおむね五十キロ間隔にずっと置いてまいります。そこで距離の遠いところになりますと、その中継所の数というものが数十に及ぶわけでございます。そこでそれではそういうふうな国際間におけるマイクロウエーブの設備のあった場合、その料金及びその分収をどうしているかということになりますと、ヨーロッパ諸国を結んでおりますマイクロ設備があるわけでございます。これにつきましては、それぞれの国の間にありますマイクロ・ルートの距離の比率によって料金を分収するということが、国際電気通信連合の下部にありますCCITT、国際電信電話諮問
委員会によって勧告がなされております。それに基づきまして現在ヨーロッパ諸国を結んでおりますマイクロルートにつきましての料金の分収は、現実に行なわれております。そこでこの
日琉間の通信につきましては、先ほどから先生の
お話がありましたように、
沖繩の特殊地域ということをわれわれも十分念頭に置いているわけでございますが、現在のところ、これを純然たる国内通信というふうに見るわけにもまいりません。現在、公衆電気通信法の上からも
日琉間の通信は国際通信ということで扱っております。そういうことから、今度の新しいマイクロルートによります料金の分収につきまして、私ら電電公社といたしましては、一応そういう国際間のルールというものがある。それをまず原則とする。しかしながら、それだけによって
日琉間の料金の分収をきめるということになりますと、現在の短波回線によります料金の分収によって得ております
琉球電電公社の収入をかなり下回るものになるということで、いろいろと
琉球電電側の収入を増すようなことを理屈のつく範囲内において配慮を加えまして、そうして
日本電電公社としましては、昨年の秋以来、その分収の比率というものを、数次の
折衝に際しまして漸次
沖繩側のほうに有利なような提案をいたしてまいったわけであります。ことしの二月から、私約一カ月以上現地に参りまして
折衝してまいったわけでありますが、その際にも従来の、昨年の秋に提案いたしました比率をさらに
琉球電電側に有利なような提案をしたわけでございますが、
琉球側の提案は依然として五〇対五〇ということでございまして、遺憾ながら、その間に両方で歩み寄って妥結するまでに至りませんでした。そこで私帰りまして、両電電公社間の
覚え書きの上では両電電公社間で
協議して定めるということになっておりますが、これは両公社間の
話し合いだけではなかなかまとまらない、政府のほうでこれについてどういうふうにお考えになっていただくかということで、政府のほうの
関係方面に御相談を申し上げまして、これは政府のほうでぜひひとつ促進していただくようにお願いをしておるわけでございます。その具体的な比率等につきましては、目下まだ継続中の問題でございますので、この席上では比率の点を明らかにすることは差し控えさしていただきたいと思います。