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1964-04-21 第46回国会 衆議院 決算委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二十一日(火曜日)    午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 白浜 仁吉君    理事 押谷 富三君 理事 鈴木 善幸君    理事 福井  勇君 理事 片島  港君    理事 勝澤 芳雄君 理事 山田 長司君       田川 誠一君    藤尾 正行君       湊  徹郎君    田原 春次君       森本  靖君    吉田 賢一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         建設政務次官  鴨田 宗一君         建設事務官         (大臣官房長) 平井  覺君         建設事務官         (大臣官房会計         課長)     吉兼 三郎君         建 設 技 官         (道路局長) 尾之内由紀夫君  委員外出席者         建設事務官         (河川局次長) 國宗 正義君         建設事務官         (道路局次長) 三橋 信一君         建設技官         (住宅局調査         官)      尚   明君         会計検査院事務         官         (第三局長)  小原  剛君         会計検査院事務         官         (第五局長)  宇ノ沢智雄君         住宅金融公庫         総裁      師岡健四郎君         住宅金融公庫         監事      中川  薫君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     上村健太郎君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     藤森 謙一君         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     挾間  茂君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     稗田  治君         参  考  人         (日本住宅公団         監事)     大庭 金平君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事長)  神崎 丈二君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   桃井 直造君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 四月十九日  委員木村守江君が退職された。 同月二十一日  委員河本敏夫君及び千葉三郎辞任につき、そ  の補欠として藤尾正行君及び湊徹郎君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員藤尾正行君及び湊徹郎辞任につき、その  補欠として河本敏夫君及び千葉三郎君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十六年度政府関係機関決算書  昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十六年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書  昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十七年度政府関係機関決算書  昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書  (建設省建設省関係政府関係機関関係)  国が資本金の二分の一以上を出資している法人  の会計に関する件(日本道路公団日本住宅公  団、首都高速道路公団)      ————◇—————
  2. 白浜仁吉

    白浜委員長 これより会議を開きます。  昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は建設省所管について審査を行ないます。  まず河野建設大臣より概要について説明を求めます。河野建設大臣
  3. 河野一郎

    河野国務大臣 昭和三十六年度決算及び昭和三十七年度決算概要につきましては、お手元に差し上げてありまする印刷物について御承知をいただきたいと思うのでございます。何とぞ御審議のほどをお願いいたします。
  4. 白浜仁吉

    白浜委員長 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十六年度及び三十七年度決算説明書便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
  5. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に、会計検査院当局より検査概要について説明を求めます。小原会計検査院第三局長
  6. 小原剛

    小原会計検査院説明員 建設省所管事項につきまして、検査の結果、三十六、三十七両年度決算検査報告に掲記いたしました事項について、簡単に申し上げます。  三十六年度分は報告書の九十三ページ以下にございますように、直轄工事にかかわるもの二件、補助事業国庫負担金経理に関するもの百二十三件、災害復旧事業費査定額を減額させたもの一件、職員の不正行為により国に損害を与えたもの一件、計百二十七件でございます。また、三十七年度分検査報告に掲記いたしておりますものは、九十六ページ以下にございますように、直轄事業にかかわるもの六件、補助事業にかかわるもの計六十一件、不正行為一件、合計六十八件でございます。書かれております内容は、補助事業にかかるものは例年掲げておりますのと同種の内容のものでございまして、災害復旧事業あるいは改良事業におきますところの施行不良のものでございます。そのほかに災害復旧事業費査定額に対する早期検査の結果、当局査定額を減額させたものでございます。直轄事業にかかわるものは主として両年度とも施行不良が大部分でございまして、工事効果があがっておらないというものが中心になっておりまして、三十七年度に施行不良のほかに、工事費積算に当たりまして、積算が過大なためにふえたようになっておる、こういったものが二件、それから工事の施行に当たりまして、設計において計算いたしました強度計算等を考慮しないで施行いたしました結果、工事手戻りを来たして不経済になっておるもの、こういうものが一件掲げてございます。  なお、検査報告不当事項として掲げましたもののほかに三十六、三十七年度、両年度におきまして、改善意見等の表示をいたしましたものをそれぞれ掲げてあります。三十六年度のものは建設省直轄工事の用地としてお買いになった国有財産の管理に関するものでございまして、三十七年度分は、河川道路特別会計におきますところの経理の問題及び直轄事業に対して公共団体に賦課いたしますところの負担金の取り扱いの問題でございます。  簡単でございますが、以上で説明を終わります。     —————————————
  7. 白浜仁吉

    白浜委員長 なお、政府関係機関当局である住宅金融公庫よりの資金計画事業計画等についての説明は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  8. 白浜仁吉

    白浜委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。勝澤君。
  9. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣は参議院のほうで御都合があるようですから、簡単に二、三点だけ質問をいたします。  一つは、建設省住宅公団道路公団首都高速道路公団に対する予算事業計画、それに資金計画に対する認可、この問題につきましては行政管理庁から指摘をされ、そうしてその中身を見ましても、予算事業計画資金計画認可が三月三十一日に行なわれるべきものが、住宅公団では三十七年度が六月の二十六日、道路公団では九月十八日、それから首都高速道路公団では五月三十日、こういうように認可がおくれているわけであります。そのおくれた実情に伴って予算執行状態を見てみますと、三十五年度繰り越しが、一一・九%、不用額が二六・八%、九三億も不用額が出ているような状態であります。それから三十六年度が一一・一%繰り越しで、不用額が二十五億で、五・四%、三十七年度、三十八年度とも繰り越し不用額というものがふえているわけであります。このことはやはり建設省大蔵省の協議にも問題があろうと存じますけれども、やはり事業の円滑な運営をしていくためには、認可というものについては、法に定められたと同じような形で、いわゆる事業開始前に行なわれるべきだと存じます。これについて、これらの事業運営が円滑に行なわれるような大臣の積極的な施策を要望いたしたいと存じますので、まずこの点についてのお考えをお聞きしたいと存じます。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 御承知のように、最近とみに公団事業量が増加しております。そういうこともございまして、年度末に一応の事業方向はそれぞれ準備いたしておりますけれども、何ぶん大蔵省との関係意見の一致を見ない点もあるものでございますから、そういうものの打ち合わせ等でおくれているものがありますが、御注意のように早くしなければならぬものでございますから、今後なるべく早くいたしまして、事業早期着工を必ずやることに——私は大臣就任以来、公共投資につきましては年度末にならないうちに早目仕事を仕上げる、なるべく早く仕事をやりなさいということに最も注意をして監督いたしておりますので、いま御指摘の点はまことに遺憾なことでございますけれども、仕事の仕上がりは従来のように三月三十一日を待たずして仕事ができ上がるように十分監督いたしておりますことは御承知のとおりでございます。しかし、御指摘の点につきましては、今後なお一そう注意いたしまして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
  11. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私は、公団事業計画資金計画等について相当やりにくい点があろうと思いますので、大臣にひとつこういう機会ですからお気にとめていただいて、御注意を願いたい、こういう意味で御質問いたしたのであります。  次の問題は住宅政策の問題ですけれども、住宅実情を見てみますと、三十三年の統計ですと、収入階層別住宅難率収入階層別住宅難状態を見てみますと、一万二千円以下の所得の人が一一%、それから二万円までの人が三八・四%、二万八千円までの人が二四・六%、三万六千円までの人が九・八%、合計で三万六千円以下の収入階層住宅難の人が全体の八四%を占めている、こういう数字が出ております。この三万六千円以下の人たちの入る住宅というものは、政府関係では公営住宅中心になるわけであります。公団住宅のものはどうしても月収が四万円以上でなければ入れないということでありますから、これは本省では課長補佐あるいは課長以上でなければ、公団住宅というものはなかなか入居がむずかしい、こういうことからいきましても、やはり公営住宅というものを重点的に取り上げなければならぬ、こういうふうに思うのです。特に三十八年度を見ますと、公営住宅が五万六千に対して公団住宅が三万四千、合計で九万戸ですが、所得別に、あるいは住宅を欲しておる人別に考えてみると、公営のほうが七万二千くらいで公団が一万八千くらい、こういう比率になるのじゃないだろうかと思うのです。政府も三十九年度から第五次三カ年公営住宅計画を決定いたしまして、二種住宅一種住宅、これについても重点を置いておられるようでありますけれども、まだまだ不十分だと存じます。特に公団住宅は一方においてデラックスなことを行なっておるわけでありますが、やはり所得階層別住宅難状態から見ますと、どうしても公営住宅にもう少し重点を置いていただきたい。それと同時に標準建設費というものが問題になるわけでありますから、やはりこれについても考慮して、社会政策の一環からいきましても、もう少し低所得といっても、私の言っているのは三万六千円以下の人たちが入る、ここに重点を置いた住宅政策が行なわれるべきではないか、こう思うのであります。その点についてのお考えをお聞きいたしたいと思います。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 私も全く同感でございまして、公団につきましても、従来のようにデラックスなものは、もうやめてもらうということに指示いたしております。御期待どおりにやっていくというつもりでございます。
  13. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから、これは私別に結論はまだ持っていませんけれども、大臣にひとつお考えに入れておいていただきたいことは、東京都内を見てみましても、平屋のうちがたくさんあるわけです。いろいろ聞いてみると、平均東京都内で一・八階だといっています。二階以上あるいは三階以上の空間がたくさんあいているわけです。ですからその空間を利用するといいますか、平屋一階はその人の所有としても、二階以上を何か公のところでその権利を譲り受けてといいますか、そういう形で住宅難というものを解消する、それと同時に、やはり仕事場に住宅があるということはたいへんけっこうなことでありますから、交通政策の上からもそういう点を考える、都心が外へ延びれば延びるほど交通というものにいろいろ問題が出てくるわけであります。ですからやはり都心の中にも住宅をつくる、それは土地の問題については、今日東京都の平均が一・八階といわれておりますから、それを二階にも三階にも利用できるようなものの考え方というものについて、ひとつ法律的にもいろいろ問題があるでしょうし、資金の問題、これはしろうと的に考えると、何か安くいくうまい方法はないだろうか、おまえのうちを建ててやる、下のほうはおまえのうちになるけれども、二階以上はおれのほうに貸してくれ、こういうふうなことで、何かうまい方法がないだろうかというふうに思うのですが、私がこのごろ痛切に感じた点について申し述べておきますので、大臣のほうも何か研究されておりますれば、その御所見なり、あるいはまた研究されるならば、それについてぜひ研究をして考慮していただきたい、こう思いまして御見解を賜わりたいと思います。
  14. 河野一郎

    河野国務大臣 その点につきましても各方面から御注意をいただいておりますので、あらゆる角度から法律も実はある程度整えて、それから公団等におきましても十分勧誘しております。たとえて申しますれば、遊休地と申しますか、空閑地と申しますか、そういうものに税をかけたらどうかというような意見まで今日出てきておるくらいでありますが言、何ぶん遺憾なことには、個々の市街地の住宅におられる方の御協力が得にくい。そういうことを勧誘いたしましても、なかなか意見が一致いたしません。これを強制する力があればよろしいのでございますけれども、そこまではちょっとというようなことで、たとえて言えば、じゃ全然できていないか、現にやっておるところもございます。いわゆるげたばき住宅と申しますか、二階まではその人に使っていただく、それから上を公団でアパートにしておるというようなものも現にやっておりますし、やる道もついておりますが、なかなか進まない。いま具体的に申しますと、半蔵門のところから四谷見附の間は、これは数年来何とかしたらどうだろうか、地元にも熱心にすすめ、その話をやっておりますが、やはりごく一部の人の御協力が得られないためになかなか事業が進まない。神田一帯のところではごらんのとおり、やりかけの仕事がたくさんあるわけであります。こういうところにそういう指摘をいたしまして取りかかってみても進みにくいというようなことで、大体いま築地の魚河岸の隣のところですが、ここにも共同でひとつ大きなものをつくったらどうだろうか、ああいう姿で置いておくのはいかにも不経済であるといいますか、なかなか——これが一番先にできますが、そういうようなことで着手して三年くらいはどうしてもかかるというのが現状なんです。しかしお話しの点はわれわれとしても一番注意しなければならぬ点でございますから、できるだけそういう方向にいくように努力をしていきたい、こう考えております。
  15. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まだ質問がありますけれども、あとは議事録等で見ていただくことにいたしまして、私は質問を終わります。
  16. 白浜仁吉

  17. 田原春次

    田原委員 時間があれでございますから、ここで二つほど大臣見解を承っておきたいと思います。  七月の総裁改選で、引き続き河野さんが建設大臣になるものと私どもは考えまして、おやめになった場合は、置きみやげとして、三つのことを伺いますから見解を明らかにしておいていただきたい。  第一は、会計検査院例年報告があります使い込みであるとか、いろいろな会計法上の問題、これに対する処理の問題。第三は東京人口建設省立場からどういうふうに考えるか。この二つです。  第一から入りますが、いまの報告を聞きますと、百二十三件のものがある。決算委員会でいろいろ質問をしまして、いろいろ答弁しておりますが、結局うやむやになってしまう。したがって、特に経済官庁として、また膨大な事業をやっておられることであるから、不注意あるいは不行き届き等事故の起こることはやむを得ませんが、今後絶対に起こらせぬためには、事故の起こった当時の会計課長なり事務次官等を左遷するとか首にするとか何かしなければならぬと思うのです。いまたとえば昭和三十六年、七年の決算についてわれわれはやっておるけれども、その当時の会計課長はどこかの局長になってしまっておる、十分注意しますというだけのことで、毎年膨大な国費が不正に費消されておるのが、そのままになってしまうわけです。ですから河野さんのおられる間に、せっかく計画を立てて、要求して予算を取るのでありますから、それを完全に消化し、実現する上において、事故のあった者に対する事後処置ですね、その官公吏に対する事後処置等について決意を明らかにしてもらったほうが、とかく金銭上のことですから、問題が非常に国民の間に不愉快が起こると思うのです。この今後のやり方について——過去に省内監察等もあるかと思いますが、なおこうやって会計検査院から報告が出るのですから、国会を尊重する意味におきましても、不正使い込みその他の事故に対する処置を過去にさかのぼってやられるような決意を持っておるかどうか、第一にこれをお伺いしたいと思います。
  18. 河野一郎

    河野国務大臣 御趣旨ごもっともでございます。私も議員としてはそういう点をかねて強く主張したことのある一人でございますので、今日建設大臣をいたしております関係もあり、特にこの点についてはきびしくいたしておるつもりでございます。省内にこの点を監査する監査機構も設けまして、これらによって会計検査院を待たずして監査をする道をとっております。ことに今年度におきましては、その点について十分監査せいということを監査の命令の中にも出しております。しかし、一面におきまして補助のほうに間違いのある場合が多いのでございますが、こういうことにつきましては蛇足か、またお小言を受けるかもしれませんが、早く早くという声が非常にやかましいわけでございます。ことに議員さんあたりからは、何をまごまごしているのだ、早くやったらどうだ、一々おまえらぐずぐずしているから効果がなくなっちゃうじゃないかというようなことで、早く早くというお小言を受ける。その中にありまして、現地を調べなければいけませんと言っても、いや調べなくてもいいから早くしなければだめじゃないかということもある、というようなことで、役人のほうになってみますと、そういう点で手も十分足りません。そこで実は私は地方建設局というものを強化して、地方でやるようにしたいということで、建設省設置法の改正も今回は提案いたしまして、各地方建設局においてそういったものの事務が取り扱えるということにいたしたいということで、あらゆる角度から御期待に沿うようにそのことを努力いたしておるつもりでございます。また、結果がこういうふうに御指摘を受けるようになりましたらば、お話のとおりにそれについての責任につきましては、十分明瞭にして、なおざりにしないということにいたしますことを重ねて申し上げておきます。
  19. 田原春次

    田原委員 やり方としていろいろあると思うのです。そういうやり方もあろうし、また、たとえば国会の中へ公社、公団事業団監察委員会のようなものをつくって、先ほどのお話のように、早く、それから正しく、これはむずかしいけれどもやらなければしょうがないと思います。これは意見ですからつけ加えておきます。  第二点は、御承知のように毎日十人平均殺されておるし、百人平均けがをしておる東京交通状態。それから水が足らぬで断水をする。住宅が足らぬ。病気が非常に多い。かっぱらいが多い。犯罪の都市になっておるということは、やはり過密人口からきておる。これはどこが直すかというと、どこにもいまの役所の上ではない。教育関係は文部省がやっておる。通産省はいろいろな貿易関係だけのことをやっておる。これはやはり多少拡張解釈になるかもしらぬが、どうしても建設省で一定の人口、五百万以上の都市はつくらぬ。五百万以上の都市二つにする。そのために必要な予算の措置であるとか、法制の改廃、それから各省協力体制等をつくっていかなければ、とても東京人口を防ぐことはできぬと思う。その何か具体策を持っておるかどうかですね。たとえばこれは私のほんとうの思いつきでありますが、国費支弁のもろもろの機関であって、東京に置かなければならないものは置くけれども、それ以外のものは別に東京から相当難れたところに、そういうものだけの都市をつくる。たとえば国立大学だけをとりましても、いま十一東京にある。東京工業大学と東大の工学部とは、最初は高等工業というので違っておった。ところがいまは大学になってしまった。あるいは一橋大学東京大学経済学部は似たようなことをやっておる。就職の競争までやっておる。それを平気でやらしておるかっこうになっておる。だからまず国立大学をまとめてどこか地方に移すなら移す。いやと言うなら予算は出さぬということにする。あるいはそれに準じたもので、警察大学であるとか、鉄道中央教習所であるとか、法務研修所であるとか、各省別研修機関はみな東京にあります。こういうものに対してそれは許すからというのではとてもだめだと思う。半分以上国費を使うような機関東京に置かなければならぬものは置くけれども、それ以外はほかにまとめてやるというようなことをやってはどうかと思う。いかに実力者河野さんでもなかなか一人ではできぬかもしれぬけれども、そういうことを掲げて国民に希望なり期待を持たしたらどうかと思う。すなわち、東京人口二分もしくはそれに近いような方法、これを建設省立場からやることはできないかどうか。これはいささか抱負を聞くようで、過去の会計検査決算ではないけれども、間もなく七月の総裁選挙もあり、事と次第では河野さんも総裁に立つのではないか。やはり党内工作だけでなく、こんないい案を持っておるということを示したらどうか。ちょっと忙しいようですが、お考えを聞かしてもらいたい。
  20. 河野一郎

    河野国務大臣 お話は、わが党、わが政府といたしましても、建設省においてこれを担当することにいたしておりまして、目下、建設省におきまして、これに対する調査準備を取り進めておる次第でございます。たとえば、ただいまお話し官公立学校東京から適当な地域に移すということにつきましても調査を進めております。さらに、具体的の問題といたしましては、東京都の周辺に相当の都市を、具体的に言うと、四カ所設置するということにおきまして、これらは明年度予算の一部にもこれを計上して準備を進めております。こういうことによって、いまお話しのようなことに御期待に沿うように、せっかく具体的に、あるいは調査を積極的に進めて、なるべく早い機会一般の方々にも発表して御批判を仰ぐということにいたしたいと考えておる次第でございます。
  21. 田原春次

    田原委員 それでは他の機会に他の問題は残すことにして、これで終わっておきます。
  22. 白浜仁吉

    白浜委員長 押谷君。
  23. 押谷富三

    ○押谷委員 まず道路関係につきまして、基本的な問題を二、三お尋ねをいたしたいと思います。大臣が参議院のほうにお立ちになりましたので、政務次官から御答弁を承りたいと思います。  御承知のように、河野建設大臣御就任後、きわめて前向きに、強い方針をもって道路行政をお進めになりまして、着々と全国に道路の整備の実をおあげになっていることは、ひとり私だけが感激しておるのではなく、国民全体が喜んでいるところであります。ところで、こういう道路の整備行政がどんどん進められるにあたって、最近に至って一つの大きな方針の転換期にきておるのではないかと考えられる節があるのであります。それは相当大きく予算の分野において大都市に偏重しているという批判があることであります。大きな国土計画からいきますと、大都市道路行政の中心を置かれているがごとく考えられている今日の方針には、相当の転換をすべきではないかという批判があるのであります。もちろん大都市の今日の現状は無視することはできません。また、大都市に大きな費用がかけられているのも現実でありますが、そこに問題は、大都市において東京、大阪あるいは名古屋において吸い上げられているガソリンの税金の量でありますが、このガソリン税は申すまでもなく目的税でありまして、これによって道路整備ができるのでありますが、それがどの程度三都府県においてそれぞれ吸い上げられており、そのガソリン税によってさらにそれぞれの東京、大阪あるいは名古屋において道路整備に使われているかというその数字をまず承りたいと思います。
  24. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 ただいま押谷委員の御質問のとおり、特に昭和三十九年の予算編成にあたりましての道路行政につきましては、河野大臣といたしましても従来の方針のとおりそれを踏襲するということでなくて、新しい見地から後進地域、特に人口であるとかあるいは産業であるとかあるいは交通量であるとかあるいは地方の財政事情、あらゆる面を勘案いたしまして後進地区の開発というふうなところに実は強い意欲を燃やしまして、予算の配分もでき得る限りそういう線に従いまして配分するということに基本方針を決定いたしまして、それぞれ具体的に各地区に実は配分中でございます。  また、ただいま御質問のとおり、ガソリン税の三大都市からの吸い上げについてのそれに見合うところの道路公共投資はどのくらいかという数字につきましては、道路局長のほうから答弁させたいと思います。
  25. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 三十七年度におきますガソリン税の東京、大阪、愛知県の収入の推計を申し上げますと、これは小売り販売実績から推計したものでございますが、東京都におきましては四百四十三億円、これは全国比で二三%になっております。大阪府におきましては百九十四億円、全国比で約一〇%になっております。愛知県が百四十四億円、全国比で七・五%になっております。これらはただいま申しましたように小売り販売の実績より推計いたしたものでございます。実際にはガソリン税は、徴税方法はまた別の方法で取られておりますが、この程度のガソリン税を各三都府県におきまして消費しておることは事実でございます。  参考に、これに対します道路の投資規模を申し上げますと、これは公共事業——その中には公団事業も入っておるかと思いますが、東京都におきましては、同じく三十七年度におきまして八百十億円、これは全国比では一九・六%でございます。大阪府におきましては二百二十三億円、五・四%、愛知県が百八十七億円、四・五%、かような数字になっております。
  26. 押谷富三

    ○押谷委員 ただいま道路局長からのお話しの投資の関係でありますが、東京、大阪あるいは愛知県において道路に投資される予定の数字につきまして——これはあながちガソリン税によるものではなくて道路公団その他の道路計画が入っておると承っていいわけでありますか。
  27. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 御承知のようにガソリン税は、国の一般財源にプラスされまして国の予算として組まれるものでございます。ただいま申し上げましたのは、各三都府県におきます道路事業費でございまして、したがいまして国から出ます予算のほかに三都府県の負担の分が加わり、またそのほかに財政投融資等によります借り入れ金あるいは他の出資金等が含まれております。
  28. 押谷富三

    ○押谷委員 こういう大きな金が道路計画として三都府県に使われておるということ、あるいはその他の大都市に使われておるということが、日本の全体の国土計画、国土開発の観点に立って見ますと、都市偏重であるという一部のそしりがあります。そこに政務次官のお話のごとく道路行政についての考え方をある程度変えなければならぬ段階に達していると考えるのでありますが、しかし実際の現実といたしまして、大都市道路の需要度、道路そのものの価値というもの、あるいはそこから上がってくるガソリン税、そこに起こっている交通麻痺等の実情からいきますならば、やはり都市道路行政についてはなかなか大切なものでありますから、その現実をにらみ合わせて今後とも御立案をいただきたいということを希望いたしておきます。  いま問題は、道路がどんどん整備されておりますが、しかし一方に交通の麻痺、交通のラッシュによるいろいろな障害というものはいまだ除却されてはおりません。道路が整備されており、その道路上にどんどん交通事故が起こってくる。またそこに交通麻痺が起こってくるという状況を考えますと、それは道路行政と運輸省の運輸関係の自動車行政との間における一つの連絡協調というものに多少欠けているのではないかと政治的に考えるのでありますが、道路がなんぼりっぱにできても、それとイタチごっこしておる。あるいはそれを追い越しているのが今日の自動車のふえ方でありまして、こういう状況でありまするならば、道路行政をせられる建設省におかれまして、自動車の行政をつかさどっている運輸省との間に一つの連絡協調の機関を持って、すべての陸上の関係、運輸関係を完全にせられる、こういうような方法が必要ではないかと思うのでありますが、この運輸省との関係、自動車行政と道路行政との連絡協調の機関は一体どうなっているのですか。
  29. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 道路交通機関の発達と比較いたしまして非常におくれておるということは、委員の言われるとおりでございます。日本の各種経済が急速な発展を示しておる中で一番おくれておるのが公共事業であるという看板のもとに、政府といたしましてもいろいろきめのこまかい手を打ちつつあるわけでありまして、特に交通機関、自動車の増加と、道路のいわゆる新しいのをつくり上げるというのとは、ほんとうに格差がはなはだしいのであります。こういう意味から交通地獄ということも起きるのは、もう現段階におきましては当然過ぎるほど当然でありまして、やはり私たち建設省側といたしましても、あるいは通産省あるいは運輸省——製造するほうも、あるいはまたこれを実際に監督するほうの運輸省の側からも、また使わせます建設省のほうの側からも、これはいろいろ大臣同士、あるいはまた閣議におきまして、あるいは特に建設省で設けております道路審議会というふうなものにも各界の代表が出ておりまして、そして連絡協調と申しましょうか、実はいろいろ意見をお聞きをいたしまして、でき得る限り平行の線で同じレベルで進むように努力をしておる次第でございます。
  30. 押谷富三

    ○押谷委員 道路の行政と交通関係の自動車行政との間において、いろいろ機会を見て連絡協調を遂げていただいておるようでありますが、さらにことしはオリンピック等を控えまして、東京都においては重大な時期に当たっておるのでありますし、それを目安にしていろいろと道路建設をしていらっしゃるのでありますが、かような際に特に自動車関係道路関係との各省庁においてそれぞれ一つの連絡機関をおつくりいただきまして、万遺憾なきを期していただきたいことを希望いたしておきます。  それから先般大臣の談話の中にあったのでありますが、この有料道路のあり方についてであります。有料道路は自治体にひとつまかそう、そちらのほうで有料道路はやってもらって、公団においては自動車道路重点を置こうというおことばが新聞にあったようであります。地方公共体にまかされる場合において、この有料道路計画については、財政的措置はどうなるか、その点をお伺いをいたしておきたいと思うのであります。
  31. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 有料道路事業につきましては、これから策定を予想いたしております新しい五カ年計画におきまして、五カ年間に一兆一千億という規模を考えております。これは現行の計画に比べますと、非常に大きな伸びを示しております。現在の計画が五カ年間四千五百億でございますから、その二・三三倍にあたる規模でございます。たとえば全体の公共事業でございますと一・七倍くらいでございますので。そういう意味におきまして有料道路事業の伸びに期待いたしておるのが事実でございます。  この有料道路事業やり方でございますが、御承知のように日本道路公団、首都高速自動車道路公団、阪神高速道路公団、その三公団のほかに、各県が道路整備特別措置法によります有料道路をやっております。ただいまお話ございました今後の有料道路やり方についての基本的な方針につきましては、やはり大きなものを、それはただ自動車道路ということではなくて、大規模なものはやはりこのような公団が従来どおり実施するという方針でございますが、非常に規模の小さいもの、現在でも地方の自治体がやっておりますような有料道路事業、こういったものは、もう少し伸ばしてきてもいいんではないか、こういうような考え方は、私ども事務当局は持っております。大臣も大体そういうような御方針をとっておられると思います。これにつきましてはむしろ各地方自治体に対する指導でございますので、できるだけそういう方向に持っていくように私どもといたしましては指導し、またその財源につきましては自治省のほうとよく連絡をいたしまして、適当なる起債が得られるように、これも自治省と協議いたしまして促進したい、かように考えております。
  32. 押谷富三

    ○押谷委員 地方自治体あるいは府県において有料道路をやる場合における公共事業でありますが、この場合における起債あるいはその他財政措置を裏づけとしてそれをやらしめるという、そういう御計画と承って間違いないわけですか。
  33. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 ただいまのところは一般的に各公共団体がある程度の起債の見込みがある場合に計画してまいるのでございますけれども、ただいま申しましたように、さらにいまよりも規模を大きく範囲を拡大していこうということになりますと、建設省といたしましても、自治省にそういう方針である、またそれに対してできるだけめんどうを見てもらうようにむしろお願いすることになるわけであります。こういう点について自治省と一般的にそういう方針を了解し合い、援助を期待しておる、こういうことでございます。
  34. 押谷富三

    ○押谷委員 道路はまたあとで国政調査の段階において道路公団の方々にお聞きすることにして、住宅につきまして政務次官にお尋ねをいたしたいと思います。  御承知のように、現行の住宅五カ年計画は、所得倍増計画に従って、三十六年から四十五年まで十カ年にわたる間の一千万戸の住宅建設、こういうもので一世帯一住宅を実現しようというのが最初の出発でありまして、そのうちの初めの五カ年が四万戸という目標をもって進められつつあるのが現状であります。また昨年の選挙においても、あらためて一世帯一住宅というものをわれわれは国民に公約をしてまいったのでありますが、こういう現行の住宅五カ年計画あるいは十カ年計画というものにつきまして、これはもちろん道路のごとき立法措置もされておりません。法律的な何の拘束もなければ、したがって予算関係においてもきわめてたよりないものであるとも考えられますし、また閣議の了解ということもいまだ聞いてはおりません。いわば建設省における一つの試案を発表いたされたという程度のようにもとれるのでありますが、この大切な住宅五カ年計画につきまして立法措置のないというのは、一体どういうわけであろうかと考えられるのであります。大蔵省予算関係あるいは閣議了解の関係あるいは立法措置がないということにつきましての政府の御意見は、どうなっているかをお伺いいたします。   〔委員長退席、福井委員長代理着席〕
  35. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 押谷委員の御質問の件につきましては、実は三十九年度予算の編成に際しまして、三カ年計画につきましては閣議の決定を見まして、あとの続いての問題につきましては、実は大蔵省との話し合いで閣議の了解は得た、こういうふうに記憶しております。予算の裏づけもそういう意味から大蔵省との話し合いによりまして進めることができる、こういうふうにして予算を実は編成した次第であります。
  36. 押谷富三

    ○押谷委員 政務次官、閣議了解を得られたようでありますが、その際御承知のように住宅五カ年計画は一応三十八年までで打ち切って、三十九年度からは新たに新七カ年計画をやって、これに基づいて住宅計画をやるのであるという政府事務部内においてのそういうお話が発表されたように私は聞いているのですから、間違いないと思うのですが、この新七カ年計画というのは、政府は御了承の上、また閣議了解も受けての御発表でありますかどうかを承りたいと思います。
  37. 尚明

    ○尚説明員 お話のとおり、三十六年から四十五年までの一千万戸の十カ年計画をつくりましたわけでございますが、その後最近の住宅事情の実情に照らしまして、いま少しきめのこまかい住宅建設方式をとりたいと考えまして、三十九年以降四十五年までの七カ年に、一世帯一住宅を実現すべく七百八十万戸の建設計画を立てたわけでございます。そして、その際に、おおむね三百万戸以上の政府施策住宅を建設するという方針を立てた次第でございます。そうして、この計画につきましては、詳しく申し上げますと、閣議の了解というところまではいっておりませんけれども、御承知の三十九年度を初年度としております公営住宅第五期三カ年計画を閣議決定いたします際に、その参考の資料として、七カ年の計画をお示し申し上げて、一応各関係機関は、背景にそういう七カ年計画があるという観点のもとに、公営住宅第五期三カ年計画を決定したという次第になっております。
  38. 押谷富三

    ○押谷委員 おおむね了承いたしました。  いま公営住宅お話があったのですが、この公営住宅につきましては、あるいは五〇%とか、あるいは三分の一とか政府補助があることは御承知のとおりでありますが、そこで、坪の単価の予算見積もりでありますが、これにつきまして、河野建設大臣になりましてから相当上げてもらっているようであります。坪五万四千二百十五円まで上げられているようで、昨年は四万四千六百二十八円という単価であったと思いますが、実際の価格というものは、それではとうていできないわけでありまして、現在各公営住宅の現状を見ますと、いずれも六万あるいは七万というような大きな金をかけなければ、建設ができないのです。そうしてその補助を受ける坪の単価はただいま申し上げましたように、ことしになって上げてもらいましても、五万四千二百十五円程度でありまして、七万円といたしますならば、相当大きな開きがあります。その開きは地方公共団体、自治体、あるいは府県がこれを負担せなければならぬとなりますから、そこで、地方財政には相当窮屈な状況になってくる。住宅の建設はしたいけれども、住宅の建設をすることによって大きな赤字を生まなければならぬ。国家から補助を受けるその基礎の坪の単価がすでに大きく違っている。こういうことを言われているのでありまして、また、これは現実なのです。そこで、政府補助をせられるその予算の坪単価でありますが、これにつきまして、ただいまのところはたしか五万四千二百十五円になっていると思うのでありますが、これは間違いないと思いますが、これでは安過ぎるのではないか。現実の費用が今日七万円、あるいは六万八千円というようなところでは、それに合わして現実に沿うた単価をおきめになるのが、地方財政の窮乏を救うものであり、また現実に即したものでもあると考えますが、それについてはどうお考えになりますか。
  39. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 ただいまの御質問でございまいますけれども、公営住宅の面を取り上げましてお答え申し上げたいと思うのですけれども、確かに仰せのとおりの面もございます。地方公共団体が国からの住宅政策に従いまして公営住宅の建設をするという場合においての坪単価の安いということは、地方財政を圧迫せざるを得ない事実も私たちは承知をしております。ただ、住宅全般から眺めますと、特に公営住宅を眺めますと、いわゆるわれわれ建設省側といたしましては、鋭意時代に沿いまして、あるいは労務費であるとか資材費であるとか、その他の費用の値上がりを勘案いたし、さらにまた、一方におきましては庶民生活の住宅建設の標準費はどのくらいかというようなことも勘案いたさせながら、両方から実は逐一向上しておるわけでありまして、本年も昨年に比較いたしまして、あとで数字はこまかく申し上げまするけれども、昨年よりも高くして実は計上をしておるということをお認め願いまして、御了承を得たいと思います。
  40. 尚明

    ○尚説明員 ただいまの単価の引き上げにつきまして率で申し上げますと、公営住宅につきましては、おおむね各構造とも六%程度引き上げております。  それから、先ほどお話がございました住宅金融公庫のうち、特に在来標準建設費と隔たりがあると思われます個人木造の融資につきましては、三十八年度に比し三十九年度は二〇%と大幅に引き上げて改善を期している次第でございます。
  41. 押谷富三

    ○押谷委員 これはお上げいただいていることは私も了承いたしております。先ほど単価の引き上げのことについて申し上げましたのは、公営住宅でなくて金融公庫の基準でありましたが、大体これに基づいて公営住宅にも同様な引き上げがあったと思います。この引き上げがあることによりまして、家賃の率もおのずから当然変わってまいりまするので、引き上げがあれば家賃を安く大衆にこれを使わすようにもなりましょう。また引き上げをしてもらわなければ地方財政の立場、あるいはこれから出てきますいろいろな住宅経営の立場からも、これは家賃が高くなるということは免れません。そのまま大衆にはね返るのでありますから、そこで、ひとつこれからの公営住宅に対しての補助予算の単価は、ぜひとも五万円とかあるいは六万円未満のものであるならば現実に即したように御修正をいただきたいということを希望いたしておきます。  一応この程度に私の質問を終わります。
  42. 福井勇

    ○福井委員長代理 勝澤芳雄君。
  43. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 道路関係で最初にお尋ねいたしますが、高速道路事業の進捗状態でございます。日本道路公団で施行いたしております東京と富士吉田を結ぶ約九十二キロにわたる中央高速道路の点でありますが、昭和四十一年度に完成目標で、総事業費は五百五十億を見込み、昭和三十七年度から予算化されておりますが、その大部分が翌年度に繰り越されているようであります。三月十四日の日本経済新聞によりますと、地元の便乗補償とか山地部のトンネルその他の理由で当初の五百五十億の見込みが八百二十億に増大するといわれておりますが、当初の計画が早くも二百七十億も膨大な増加になっておるようであります。   〔福井委員長代理退席、委員長着席〕 これは当初の計画、それから最終的なでき上がり予算見積もりはどのくらいでおさまるというようにお考えになっておりますか。
  44. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 中央道の完成の目標は、日本道路公団に対します建設大臣の施行命令によりまして、四十二年度において一応供用開始というようになっております。この施行命令の目標については変更はございません。  それから富士吉田まででございますが、当初の予想の事業が上回るようになりましたことは事実でございます。ただいまそれにつきまして大蔵省財政当局と折衝中でございますが、八百二十億という数字につきましては、まだそういう意味において確定いたしておりませんが、ほぼそれに近い数字になろうと存じます。  工事の進捗状況につきましては公団総裁から御報告願うことにいたしたいと思います。      ————◇—————
  45. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。  本日は本件調査のため関係当局のほか、日本道路公団より総裁上村健太郎君、同理事藤森謙一君、日本住宅公団より総裁挾間茂君、同理事稗田治君、同監事大庭金平君、首都高速道路公団より理事長神崎丈二君、理事桃井直造君、以上七名の方に参考人として御出席を願っております。  参考人各位に申し上げます。発言をされる場合には、委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。  次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は、委員質疑により行ないたいと存じますので、そのように御了承を願います。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを順次許します。勝澤君。
  46. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 引き続いて、いまの問題ですが、当初計画が五百五十億で、いま、まだ未定だそうでありますが、これはいつまでに完成をされて、大体予算的には幾らということになりますか。
  47. 上村健太郎

    ○上村参考人 完成は施行命令をいただいておりますとおりでございまして、四十二年度一ぱいということになっております。予算は先ほど道路局長から御説明がありましたが、当初の計画建設省におかれまして、私どものほうと相談の上でいろいろ概算をいたした数字が五百五十億でございます。実際に設計をいたしてみますると、とうていそれでは足りないことがわかりまして、いま大体増額をお願い申し上げておりますが、その数字が八百二十億になるわけでございます。これも折衝中でございまして、まだ確定はいたしておらない次第でございます。
  48. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 着工はいつから始まっているのですか。
  49. 上村健太郎

    ○上村参考人 着工は三十七年度でございます。
  50. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それではこの関係は、当初計画の五百五十億の計画の費目別の予算と、それからいま計画されておる八百二十億に引き伸ばされた内容、それから予算がふえた理由、こういうものを、あとでけっこうですから、ひとつ資料をお出し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  51. 上村健太郎

    ○上村参考人 後ほど資料でお届け申し上げます。
  52. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、名神高速道路関係でありますけれども、河野大臣就任以来相当急ピッチで進められておりまして、近く全線が開通されるというようでありますが、これの当初計画予算は幾らか、それから最終的に完成されたのは幾らになるか、こういう点についておわかりになりましたら御説明願いたいと思います。
  53. 上村健太郎

    ○上村参考人 名神は御承知のように二段に分かれて工事が行なわれましたので、当初の数字は、全体的数字が必ずしも明確ではないわけでございます。第一期区間の尼崎−栗東間だけを申し上げますと、一番最初が三十六年の春ごろ積算をいたしまして、四百三十七億という数字を出しております。最終的にはこの尼崎−栗東間は四百四十七億ででき上がっているわけでございます。それから、その他全線を含めますと、一番最初世界銀行から金を借ります前に大ざっぱな数字を出しましたのが約八百億でございます。しかしこれは、いろいろな設計あるいは路線の選定その他がまだ未確定の時分でございましたが、現在におきましては千百九十四億で名古屋−神戸間を完成できる予定でございます。
  54. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それも当初計画計画と、それから費目別の内容と、それから最終的にでき上がった予算の対比の関係と、どういう理由でそれが値上がりになったか、こういう点についての資料をまたお願いしたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
  55. 上村健太郎

    ○上村参考人 後刻御提出申し上げます。
  56. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、藤沢新道の陸橋が、工事の手抜かりがあったために設計と工事と少し食い違っておるということが最近指摘されておりますが、会計検査院のほうではもう調査が終わりましたか。もしあれでしたら経過を概況について簡単でいいですから御説明願いたいと思います。
  57. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 ただいま勝澤先生からの藤沢道路の件ですが、これは払いまちょっと手元に資料を持っておりません。三十八年度の施行にかかるものではないかと思いますが、ちょっといま資料が手元にございませんので、後ほどよく調査をいたしまして御報告いたしたいと思います。
  58. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは建設省のほうではおわかりになりませんか。私の手元に出されている資料を見ますと、九メートルの設計が七メートルで十分だということで手を抜いたために少し問題があって、あとの補強工事を行なったというようなことになっている。この計画の変更の経過については、工務課長がおなくなりになったり、所長が病気で交代になったり、原因がわからずになっているということですが、この経過がおわかりになりましたらお知らせ願いたい。
  59. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 藤沢バイパスの御指摘の点につきましては、まだ私ども資料で報告を受けておりませんので事情を承知いたしておりません。こちらでも調べてみたいと思います。
  60. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 先ほど、ちょっと私勘違いして申しわけないのですが、先生の御指摘の件は道路公団の件ではなく建設省工事だそうでありますが、したがいまして、私の所管外でございますので、隣におります第三局長のほうにひとつ……。
  61. 小原剛

    小原会計検査院説明員 恐縮でございますが、質問の御趣旨をもう一回お願いいたします。
  62. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 藤沢新道を関東地建の横浜国道事務所で工事をやったと思うのです。それを急ぎ過ぎたために——河野大臣のハッパがかかり過ぎたために急いだ、急いだために、工事の手抜きをした、こういわれておるわけです。急いだからといって手抜きすることは間違いで、そのために当時の関係者がおなくなりになったり、御病気になったりしてわからないということなんですが、会計検査院でもこれは承知をいたしておるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  63. 小原剛

    小原会計検査院説明員 こちらの検査のほうといたしまして、いまお話しのようなことを承知しておらないそうでございます。
  64. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 こういう事実があるようでございますから、調査をして結果について御報告願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  65. 小原剛

    小原会計検査院説明員 検査の際に十分調査いたしたいと考えております。
  66. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に三十七年度会計検査院から指摘をされております建設省関係の橋梁塗装面積を過大に算定したため、工事費が高価となっておるということで、これは会計検査院検査によって指摘をして、それから工事費は回収されたのですか。
  67. 小原剛

    小原会計検査院説明員 仰せのとおりでございます。
  68. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 建設省にお尋ねしたいのですが、これは面積の計算を誤ったのですか。それとも入札の段階で、こういうことはおわかりにならないのですか。しろうとが見てみますと、指名競争入札されておるようであります。指名競争でやるならば同じようにみな競争しているわけですから、わかっておるのですけれども、その面積が相違をしておるというのがこの入札段階でわからないという点について、私ちょっと不審に思うのですが、その点いかがですか。
  69. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 これは実は塗装工事をやります基礎になります橋梁塗装面積の台帳の誤りでありまして、これは引き継ぎだそうでございます。その引き継ぎの際に引き継いだときの実際の面積を十分はかって見なかったというわけでございまして、原簿と申しますか、台帳の面積そのものに誤りがあったということでございます。自後かようなことのないように気をつけたいと思います。
  70. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは指名競争入札をやるときには、その業者というのは現地を見て自分で面積をやはり計算をしてやるのですか、その面積そのものはあなたのほうで入札いたすときのものでやってしまうのですか。そこが現地を見てやっているのだったら、入札面積についてこれだけ業者が集まって指名入札をやれば、こんなに大きな面積の食い違いですから、片方は四百二十万、片方は七百四十五万ですか、これくらいの大きな金額の面積の相違というものはわかるのじゃないだろうかと思うのですが、それはどうでしょう。
  71. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 これは先ほど申し上げましたように、橋梁の塗装というものは非常に個々の部材を一々よく調べませんと、できないわけでございます。これは引き継いだものでございますが、その際に前にこれを管轄しておりました機関が持っておりました台帳を、そのまま引き継いだわけでございます。したがいまして、当初面積につきまして、それで間違いない、そういうふうに思いまして、入札をいたしたものでございます。その際に各業者が面積を自分で見積もったらどうか、そこまで私どもちょっと詳細に承知いたしておりませんが、橋の型式、トン数などから、おそらく個々に当たらないで見積もりをしただろう、かように想像いたしております。
  72. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その次に同じく三十七年度決算報告の中で道路整備、それから治水特別会計経理の問題で改善の意見が出されております。この中身を見ますと、たとえば三十七年度決算において地方建設局に勤務して、もっぱら地方建設局仕事を行ない、工事事務所に在籍されておる者が、道路整備特別会計やあるいは治山治水特別会計の費目から東北ほか七地方建設局で六千七百五十万円もこちらに支払われておるようであります。これは特別会計とそれから建設省会計とが混乱をしておるような実情なんですが、どうしてこういうことが起きるのですか。建設省自体の金が足りぬものだから特別会計におんぶする、こういうことになるのですか。
  73. 小原剛

    小原会計検査院説明員 われわれ検査の際に説明を受けておりますとこによりますと、やはり工事量の伸びに応じまして人員の増と——建設省でもお考えになっておるのでございますが、一般会計予算が意のままに伸びない関係で、どうしても特別会計のほうにおんぶする、こういった形になるように伺っております。
  74. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは、いままでもこういうことがずっと続いてきたのですか。新しくこの三十七年だけこういうことがあったのですか。
  75. 小原剛

    小原会計検査院説明員 従来から私のほうといたしましても、これは数年来御注意を申しておるところでございます。
  76. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それで検査院の御注意で出てきたのが、正式にはこの報告書の中だけですね。いままで私たちが検査院から報告されたものの中には、実はこういうことは初めて出てきたわけであります。ですからそのことが——私はよく言うのですけれども、検査院が指摘をしておる段階で直る率と、こうして検査報告書へ載った場合の直る率というものを考えてみると、なるべく早い機会にこういうものは報告書に載せていただいたほうが、やはり悪いものは悪いで、早く直ると思うのですよ。検査院で指摘をしておる段階で直る率というのは、ほんとうに少ないのじゃないでしょうか。検査院で指摘をして、決算委員会指摘をして、そうして一年か二年、極端な場合には三、四年たってもう一回指摘をしなければ直らぬというのが、建設省は別として各省の例ですから、やはりこういう問題は、なるべく——これは予算の運用の上からいってまずいということはおわかりになっておるようでありますから、できるだけ早く指摘をしていただきたいと思うのです。そうしないと建設省のほうとしてもこれは何年となくおたくはやってきたと思うのですが、しかしなかなか直らなかった。ここでいま出ましたから、検査院が問題にして、決算委員会で問題になったということになりますと、建設省としても、これはもうおそくとも来年ぐらいには何とかしなければならぬということにならざるを得ないと思うのです。そういうようにやはり促進をしていかないといけないと思うのです。正常な経理やり方じゃないわけですから、今後どうでしょうか、この問題についてどういうふうなやり方で、これは現実に人がおるわけですから、予算運用の面からいって、いろいろむずかしい面があろうと思いますが、しかし実情に沿ったやり方、それから経理の正当な支出をしなければならぬと思うのですが、その点についてどういうふうな取り扱いをして、この問題は、今後こういう指摘を受けないようにされるのでしょうか。
  77. 吉兼三郎

    ○吉兼政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、先ほど検査院から御答弁がございましたように、過去数年間急激に地建の事業量がふえまして、その関係上、特別会計一般会計間の予算経理上のアンバランスがございまして、それがこういった面で一部経理の混淆を来たしたのは、まことに遺憾なことでございまして、私どももさっそくこういう経理上の不適正な点は至急に改善をしてまいりたい。しかしながら、なかなかそう急速にこれは解決ができませんので、極力指摘があった点につきまして、個々に当たりまして、地建のほうに十分その指導方針を徹底させまして、少なくとも一両年の間にこういった不適正な問題は解消するように努力してまいりたいと思っております。
  78. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これはわれわれから考えると、特別会計予算を減らして一般会計のほうをふやせばいいのだということになるのですけれども、そちらのほうでやる場合にはなかなかそうはいかぬと思うのですが、これはわれわれから言うならば、予算の制度というものを活用するというふうに言わざるを得ないわけであります。特別会計そのものをつくるときにいつも問題になるわけです。ですから特別会計一般会計の隠れみのになっては困るわけでありますから、この点は早急にとか至急になんということばでなくて、やはり具体的に、おそくとも来年度予算を編成するときにきっちりこういうことがなくなるように努力していただきたい。もしそれがなくならない場合においては、これについて何か答弁のできることを考えてもらわないと、現実に答弁できませんから、その点を特に御注意申し上げておきます。  その次に、三十六年度にやはり建設省河川工事河川敷の問題で土地管理の改善要求が出されておりました。三十七年度に少しくこれについての取り扱いが出ているようでありますが、私も最近これが出ましてから各所の河川敷の状態を見てみますと、やはり国有財産あるいは各行政財産もそうですけれども、この辺はまだまだ未整理の部分がたくさんある。この一環として現実がこうなっておるということについては理解するわけでありますけれども、これもやはりもう少し積極的な施策によって正しい方向にこの管理を行なわなければならぬというように思うのでありますが、この辺についての御見解をひとつ賜わりたいと存じます。
  79. 國宗正義

    國宗説明員 河川工事用地の管理に関しましては、従来とも極力その適正化について努力いたしておるところでございますが、先般会計検査院からも御指摘されましたように、用地の管理が適正に行なわれていないことのありますことは、まことに遺憾に存ずるところでございます。河川管理につきましては、従来とも不法占用の排除についての法的規正の強化をはかり、あるいは通達、訓令を発し、極力河川管理の適正化につとめてきたところでございますが、特に問題の多い都市周辺の河川を所掌いたします工事事務所には重点を置いて、管理の機構を整備するなどいたしまして、その是正対策をいま進めておるところでございます。御指摘にありますような河川敷地の引き継ぎ処理ということにつきましては、調査の完了次第直ちに引き継ぎを行なうものといたしまして、また河川敷の不法占用の是正についても、これをすみやかに是正する考えでございます。河川敷の引き継ぎと不法占用の是正の措置は、河川管理の適正化の急務でありますことにかんがみまして、昭和三十九年度中に完了することを目途として極力推進いたしておるところでございます。
  80. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは大蔵省も農林省も各省に当てはまることですが、土地管理、財産管理の人手不足あるいは取り扱いの軽視といいますか、こういうことが起きて、各省ごとにいまたいへん問題になっております。それから会計検査院も、特に最近はこの問題については国の土地というところでだいぶ重要視しているわけでありますから、検査院とも打ち合わせをしながら、個々に対する人の問題、予算の問題という点については十分ひとつお考えをして健全な運営というものを私はぜひ要望いたしておきます。  そこで次に首都高速道路公団関係について御質問をいたします。  この首都高速道路建設の発足当時の計画は、首都高速一号線から八号線までで六十九・六二キロ、八百五十二億八千一百万円、七カ年計画とされているようでありますが、当初の計画から今日までの進捗状態、それから事業費がふえているようでありますが、この状態についてまず簡単に御説明願いたいと思います。
  81. 神崎丈二

    ○神崎参考人 いまお話のとおり、当初の計画事業費について八百五十億でございましたが、現在では大体千八百億くらい見込まれております。かなり増高いたしまして、増高率は一・七倍、それから計画路線は現在のところでは六十九・六二キロ、いまお話のとおり、約七十キロでありますが、そのうち三十一キロをオリンピック関連街路として工事を進めております。このオリンピック関連街路だけについて申し上げますと、大体三十八年度末、すなわち本年の三月三十一日現在で九割弱、厳重には八〇何%になりますが、九割弱、そしてその主要部分、一号、四号と私どもいっておりますが、簡単におわかりよく申し上げれば、羽田空港を発して日本橋を経由し、甲州街道で終わる一号、四号約二十八キロは、本年の八月一日に開通の見込みでございます。
  82. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、この高速道路計画八百五十億について、いまの見通しで約七十キロが完成する、予算としては千八百億になるということですね。
  83. 神崎丈二

    ○神崎参考人 さようでございます。
  84. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで次に、オリンピック関連道路の当初の予算計画と、完成されたときの予算はどういう姿になりますか。
  85. 神崎丈二

    ○神崎参考人 オリンピック関連街路の当初の計画は四百十九億、それがただいまのところで完成時の総工費は七百二十億、この七百二十億は三十七年度において改定されまして、幸いにして三十七年度改定の七百二十億はその後増減なしに進んでおります。
  86. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それではオリンピック関連道路の当初計画の概況、四百十九億が工事あるいは用地の補償あるいはその他いろいろ内訳があるでしょうから、その当初の計画、そしてそれに伴って七百二十億に伸びたという各区分別の費目、増減、そしてそのふえた理由をひとつつくっていただくということと、それからもう一つは全体的に八百五十億の計画が千八百億になる、それはどうしてそうなるのか、それも費目別に理由をつけて資料として出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  87. 神崎丈二

    ○神崎参考人 さっそく作成して提出いたします。
  88. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは先ほどから私も御質問いたしておりますように、国鉄の新幹線の予算が相当膨大になったということが大きな政治問題になったわけであります。値上がりするには値上がりする理由があったと思う。道路公団のほうを見てみましても、先ほどの高速道路事業計画におきましても、当初計画からいって相当予算の伸びというものは用地あるいは補償、新しい時代になってきましたから、なかなかむずかしい。当初計画よりふえております。それからいま首都高速でも四百十九億が七百二十億になった。八百五十億の計画が千八百億になった、相当大きな問題なんです。これはやはり新幹線の予算が相当奥深く問題になったと同じように、これはわれわれとしても相当検討しなければならぬことだと思います。そういう意味でいまお願いをいたしておりますので、あなたのほうでもひとつできるだけ、世間が見てなるほどこれは当然なことだとわかるように検討して、出していただきたいと思います。  そこで、特に首都高速公団につきましては、公団汚職というものが騒がれております。新聞でも言われておりますように、特に元副参事の方ですか、オリンピック道路の代行工事を利用して、係長クラスが入札の実権を持っておったということ、そしてまたこの処分につきましては枉法収賄罪の適用、まさに異例のことだということが警察から発表されております。柱法収賄罪の適用をせざるを得ないというほど悪質なものだということが指摘をされております。責任を持っておられるあなたとしての御見解と、それからこれらの業者に対する処理と、それからこういう汚職事件を起こした職員に対する取り扱いはどういうふうにされておるか、この三点についてお伺いします。
  89. 神崎丈二

    ○神崎参考人 ただいま勝澤委員から御指摘の点は、何とも恐縮いたしておるところでありますが、世間の皆さまに対して実は深くおわびしておるのでございます。  それで、汚職事件でございますが、当人は、むろん私どもとして免職の処置をとりました。施工者に対しましてはある期間の入札参加を停止いたしました。それぞれ事情によって多少の差はございますが。それから内部の今後の汚職等の発生については、特に厳重な監督その他の処置をとります。いずれにいたしましても、そういう事件の起こったことについて深くおわびを申し上げます。
  90. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それで業者に対する取り扱い、それから職員に対する取り扱いはどういうふうにされていますか。
  91. 神崎丈二

    ○神崎参考人 ただいま申し上げましたが、多少の差はございますけれども、刑の確定した者は全部免職いたしました。それから業者に対してはある期間たとえば半年であるとか一年であるとか、その事情によりまして入札参加を停止いたしました。つまり俗語で申し上げれば出入り停止をいたしました。
  92. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この工事は元請から大体何段階くらいまで下請にいっているのですか。直接入札して受けた人、それから次にいって、次にいって、三段階くらいいっているのですか。どこらくらいまでいっているのですか。
  93. 神崎丈二

    ○神崎参考人 一つ一つ詳しく存じませんが、まあ二段階——三段階ということはめったにないと思いますけれども、その点は私、あまりはっきりいたしません。
  94. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 御存じでもなかなか言えないことですけれども、最近私、工事現場に行ってみまして、大きな看板が出ています。その看板の人のやっているのはほんとうに少ないわけでありまして、一億で受けたやつが天引きされて、みなばらばらにされれば八千万くらいになるでしょう。それからまた天引きされて、また六、七千万、どこが限度かよくわかりませんけれども、あるいは業者の運営の上から言って、なかなか元請で全部やることも不可能でしょうけれども、ここらはやはり特に大きな工事をたくさん扱っておる皆さんとしては、十分検討されて、やはり限度というものはある程度筋を引いておやりになることが好ましいのじゃないだろうか、私はこう思うのです。これは特に各省とも同じことですけれども、特に大きな工事をやっておるところは、やはりもう少し立ち入って、どういう経過になっているかというところくらいまでは研究をされて——適正な利益をあげるのはいいわけですから。あるいはこのごろ入札制度でも、あれはいや過当競争を防止するためにやるんだと、いろいろ業者は理屈をつけておるようです。理屈は一理あると思います。あると思いますが、その中でも弊害をなくして、公正なものをやる努力はぜひしていただきたいと思います。そのことだけを特に要望して、次に私、住宅公団のほうの質問に入ります。  特に最近、総裁住宅公団の中で、大阪の光明池団地ですか、それから東京の菅団地など、こういう土地の買収をめぐって、住宅公団の中を黒い霧がおおっている、こういうことが、うわさとして実は言われておるのです。事実はよくわかりませんけれども、国民の一人として、私はやはりまた決算委員という立場から言って、こういう疑問についてははっきりさせなければいかぬ、こう思うのであります。ぜひこの問題についてははっきりさせていただきたいということを特にお願いをいたしまして、最初に、大阪の光明池団地を中心とした団地計画はどういうふうにお立てになっているのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
  95. 挾間茂

    ○挾間参考人 大阪近郊におきまして、団地の経営は、交通機関等の状況を配慮いたしまして方々に計画をいたしております。そのうちで最も大きいものは大阪の東北部に千里丘陵というのがあります。これは大阪府が計画をされてつくっておるのでありまして、住宅公団も大阪府と協議の上、その千里丘陵の中の一部分に公団の敷地を求め、公団住宅を建設するという方針で進めております。これは大体四百万坪前後のものでございます。ところが、一面、大阪を中心といたしまして、堺、泉大津市、和泉市、泉佐野市方面の海岸の埋め立てによる大工業地帯が現在進みつつあるわけでございますが、その対象ないし大阪へ通勤する人のために、大阪の南におきまして、泉北丘陵地帯という一つの大住宅市街地をつくるという計画が進められておるのでございます。公団といたしまして現在この泉北丘陵地帯の造成の一環といたしまして、光明池と通常申しておりますが、その土地の全面買収をいたしたわけでございます。  なお、この広い意味における泉北丘陵地帯の中には、信太山と申します国有地がございまして、その国有地の出資あるいは払い下げを受けまして、これを合わせまして、約六十万坪の土地を現在取得をいたしております。光明池の取得につきましては、近傍の地価を詳細に調査をいたしまして、なお不動産研究所の調査を求めまして、それを基準といたしまして、これを購入いたしたのでございます。  地価につきましては、ここに資料がございますが、たとえば、これはやはり場所によって多少の相違がございますが、三十六年七月に、原野で単価六千円で買ったところもございます。それは私のほうでございませんが、時点修正をいたしますと七千七百四十円ということになります。また山林一万五千坪を三十五年の一月に二千円で購入したところがございます。時点修正をいたしますと四千八十円、また三十七年の暮れに山林を買いましたのが四千円でございまして、時点修正をいたしまして四千百二十円、こういうことになっております。不動産研究所の調査の結果は四千二百円でございましたが、折衝の結果四千百円で購入をいたしまして、これらの土地は、泉北丘陵地帯の大住宅市街地の一環として信太山とともに住宅建設用地あるいは分譲宅地用地として使用する計画で進めております。
  96. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 泉北丘陵のこの住宅計画というのは、これは全般的にどういうふうになっておるか。いまの御説明では、ここへこういうふうに住宅をつくる、交通機関がどうなる、そしてここはどことの関係で必要なんだという計画についてはあまりよくわからないわけです。これはいまここで御説明を聞いただけでは、この団地というものがどういう役割をするのかという点が明確にならないと思いますので、これはぜひひとつ、いま全体的にここの団地計画というのはこういうふうに持っている、これは大阪府なりその近傍、あるいは会社でどういうふうな計画があるからここがこう必要なんだ、こういう点について、ひとつぜひ何か書いてもらって、説明がわかるようにひとつ出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  97. 挾間茂

    ○挾間参考人 承知いたしました。なおちょっとつけ加えて申し上げておきたいと思います。この計画につきましては、全体の計画として建設省の承認を求める必要があるわけでございまして、これはおそらく府の企業局を中心としての案としてでき上がると思いますが、大体の構想はできておるわけでございます。まだ確定という段階には、承認を得た上でなければ至らないわけでございますが、その見込みをもって資料として差し上げることにいたしたいと思います。
  98. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その構想はどこの構想ですか。
  99. 挾間茂

    ○挾間参考人 大阪府庁です。大阪府の計画が、先刻申し上げました千里丘陵地帯が大体でき上がりましたので、第二段階として、今度は南の泉北丘陵地帯の大造成計画を進める方針のもとに、調査機関調査を委嘱して大体の案がいまできておるわけでございます。
  100. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、大阪府の泉北丘陵地帯の計画に基づいて、住宅公団としてはその計画の中の一環としてこれをおやりになったんだ、こういうことなんですか。
  101. 挾間茂

    ○挾間参考人 さようでございます。
  102. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 総裁がおわかりにならない点は、理事監事から答弁なさってけっこうですし、あるいはそれでももしわからなければほかの担当者の方でもけっこうですからお答えをいただきたいと思います。  そこで次に、光明池団地の購入状況、いつ、何坪、幾らで買ったかという点について御説明願いたいと思います。
  103. 挾間茂

    ○挾間参考人 購入の日は、昨年の五月でございます。価格は、先ほど申し上げました近傍の類似の地価を調査いたしまして、なお日本不動産研究所の調査報告を基礎にいたしまして、坪四千百円で購入をいたしたのでございます。  なお、御参考までに申し上げておきたいと存じますが、先ほど申し上げました泉北丘陵地帯の一環として、われわれが払い下げを受けました払い下げ価格は、五千九十円でございます。それから出資を受けましたのは、四千百七十円でございます。
  104. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三十八年五月に坪四千円で、何坪、だれからお買いになったのですか。
  105. 挾間茂

    ○挾間参考人 坪数は、三十一万二千五百坪でございます。御存じのとおり昨年度から全面買収という方式をとることになりました。東京地方でも全面買収をいたしておりますが、総面積は三十七万坪近くなると思いますが、そのうち三十一万二千坪、それから引き続いて購入をいたしましたものを合わせまして、現在三十三万六千二百五十四坪購入いたしております。残りの部分についてもこの所有者が、購入いたしました四千百円の価格で団地の買収も終えて、責任を持って公団に引き渡すということになって、着々それは進行しております。
  106. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうするとここには全部で三十七万坪あるわけでありますが、三十七万坪のうち、三十三万六千二百五十四坪をいま現在買った、そうしてあと残りの分については、この業者が責任をもって四千百円という単価で買うようにしてくれる、こういうようになっているのですか。
  107. 挾間茂

    ○挾間参考人 御存じのとおり農地転用の問題等がございまして多少残っております。しかし四千百円で決定をいたしましたので、この団地はその手続を完了いたしまして、当初の価格四千百円で譲渡するということを、契約の当時、別の協定書をつくりましてその価格で購入するということになっております。
  108. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その相手の会社はどういう会社なんですか。
  109. 挾間茂

    ○挾間参考人 興和建設株式会社という会社でございます。
  110. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、興和建設株式会社が所有しておった土地は何坪で、総額幾らでお買いになったのですか、いままで買った分は。
  111. 挾間茂

    ○挾間参考人 ただいま申し上げますように、坪単価四千百円でございまして、当初購入をいたしましたのは三十一万二千坪、十二億七千九百余万円でございますが、しかしこれは実測をいたしますと、あるいは公簿面よりも多いこともございますし、場合によっては少ないこともございますので、代金の支払いは九割支払って、一割はリザーブしております。
  112. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、この所有地は三十一万とか三十三万坪とか言われておりますが、これは興和建設株式会社が現実に登記してある土地なんですか。そこはどうなっていますか。
  113. 挾間茂

    ○挾間参考人 興和建設株式会社から住宅公団が購入いたしたのでございまして、興和建設株式会社の所有地を住宅公団に登記完了と同時に九割を支払っております。
  114. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、ここの三十一万だか二万坪というのは、所有権は興和建設株式会社にある、所有権登記がされておる。その登記に基づいて公団に所有権の移動をした、こういうことですか。もう一度……。
  115. 挾間茂

    ○挾間参考人 そのとおりでございます。
  116. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、この興和建設株式会社の所有地の購入にあたって代理人があったようでありますけれども、これは代理人はどういう人で、どういう形で契約がなされたのですか。
  117. 挾間茂

    ○挾間参考人 代理人は大阪在住の岡林という方でございまして、興和建設株式会社は東京にございますので、手続等についての代理権を岡林という人に与えて折衝をいたしたわけでございます。
  118. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、契約書は興和建設の大橋さんという方と取りかわしておるのですか。それとも代理人の岡林さんという方と取りかわしておるのですか。その点いかがですか。
  119. 挾間茂

    ○挾間参考人 所有権者が興和建設株式会社でございますので、もちろん契約は興和建設株式会社と日本住宅公団との契約になっております。
  120. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 興和建設株式会社という会社は、会社の規模なり内容はどのような会社なんですか。三十一万坪、十三、三億の土地を持っておる会社だ、いまこうお聞きしたのですが、どのような内容になっていますか。
  121. 挾間茂

    ○挾間参考人 会社の規模等については、私もただいま詳細は存じませんが、東京方面におきましてもいろいろ仕事をしておる会社でございまして、大阪における土地の購入もいたしますし、また伊豆の方面におきましてもいろいろ事業をやっておる会社でございます。
  122. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 先ほど、この泉北丘陵地帯の住宅計画といいますか、大阪府の計画、これについての資料をお願いいたしましたが、それではここで私は、この団地の購入の経過、何年何月何日に何坪、坪当たり単価は四千百円、総金額幾らで契約されたか。移転登記もいつされたかということと、それから契約を取りかわした、たとえば九割は払って、あと一割はあとだという契約書がありますね。その契約関係の書類の写しを資料として出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  123. 挾間茂

    ○挾間参考人 さっそく整えて提出いたしたいと思ます。
  124. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、この土地を購入する計画はいつ計画されて、そしてそれはどういう経過を経て買うことにおなりになりましたか。
  125. 挾間茂

    ○挾間参考人 御存じのとおり、住宅公団は各支所を持っておりまして、近畿、中国、四国方面は大阪支所の管轄になっております。大阪支所において地区の選定をいたしまして、本所の役員会におきましてその地区選定の適否について慎重に審査をいたしまして、評価審議会において評価の適否を検討いたしました上で決定をいたしまして、建設省の承認を得た上で購入をいたしております。
  126. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大阪支所で地区選定をされて、それから公団本部に寄せられて、建設省の承認を得ておやりになった。そこで時期的に大阪支所は何年の何月何日にこれが計画されて、そして地区委員会がいつ開かれて、本部のほうがいつで、建設省のほうがいつで、そして買うようになったか、この経過はおわかりになりますか。
  127. 挾間茂

    ○挾間参考人 大阪支所長から公団総裁あての申請は昨年の五月八日にまいりまして、理事会決定を五月十三日にいたしまして、大阪支所長に五月十四日にその旨通知をいたしました。それから売買契約を締結したわけであります。
  128. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それで契約はいつで、所有権移転はいつなされておりますか。
  129. 挾間茂

    ○挾間参考人 売買契約は五月十七日にいたしております。登記の日、したがって、この代金の支払いの日は五月十七日以降となっておると思いますが、その日は調べますとすぐわかりますので、後刻お知らせを申し上げます。
  130. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 五月八日に申請がされて、十三日、十四日、十七日に契約がされた。大体いままで住宅公団としては支所から書面が出ると、大体どこの土地でもこんなに早くきまっていくものですか。
  131. 挾間茂

    ○挾間参考人 各支所においての手続は、区画整理の場合ですと各地主さんが多数ございますから相当の期間を要しますが、全面買収の場合は単一所有者でございますので、手続も早く済むと思います。この本所における地区選定理事会の決定等は早急にいたしますので、多少の時間的な相違はございますが、大体この順序で進んでおります。
  132. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大阪支所の地区決定理事会、それから本所の土地等評価審議会、このメンバーにはどんな人がおなりになっておりますか。
  133. 挾間茂

    ○挾間参考人 支所におきましては、支所長と各部長で構成いたしております。それから本所におきましての理事会は、総裁、副総裁、各理事によって構成をいたしております。それから地区選定の審議会は、副総裁委員長といたしました関係理事及び部課長をもって構成いたしました評価審議会というものでございます。
  134. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、その関係のメンバーと、それからこの関係で審議をした審議の内容、決定をした内容、支所の土地評価、それから地区決定理事会、あるいは本所土地等評価審議会、このメンバー、審議会の内容、決定内容について資料としてお出し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  135. 挾間茂

    ○挾間参考人 承知いたしました。
  136. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこでその土地は、聞くところによりますと、神港建設が三十六年ごろ持っていた、そしてそれが東洋棉花に移って東洋棉花から日本電建に移って、日本電建から東洋棉花に移って、東洋棉花から興和建設に移って、そして今度は興和建設が公団と契約を結ぶときには、最初持っておった神港建設、この人が代理人となって折衝をして、そして公団が買った、こういうふうに言われておりますが、これについてはいかがですか。
  137. 挾間茂

    ○挾間参考人 この所有者の移転の状況等につきましては、私今日存じておりませんが、当初購入した神港建設から転売を受けたものと存じております。
  138. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 こういうことが言われておることは御存じでしょうな、総裁
  139. 挾間茂

    ○挾間参考人 転売されたということは伺っております。しかし公団が当事者として契約する場合は、現在の所有者を対象としていたしますので、興和建設を対象として契約したわけであります。
  140. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 公団がお買いになるときは現実に持っている方と契約されることで、それはけっこうです。しかし、その土地がこういうふうに移ってきた土地だと言われておって、その点で総裁もこういう御質問を各所でお聞きになったと思うのです。お聞きになった結果、なるほどそういういわくの土地かとお調べになったかどうかと思って実はお聞きしたわけであります。いまお調べになっていないようでありますから、監事の大庭さん、こういう経過については御存じですか、聞いたことがありますか。
  141. 大庭金平

    ○大庭参考人 大阪支所の業務監査は、昨年の六月中旬に行ないました。その際経理問題全体の業務の扱い方についての監査をいたしましたが、この監査は、当時武井監事、川合監事——現在任期満了で退任いたしております。それと私と三人で監査いたしております。しかし土地代の支払いとか、そういうことについての経理面を主としてわれわれ監査をいたしておりますけれども、買った土地がいいとか悪いとかというようなことは、これは理事者の責任と考えております。だから、もし公団が全体から見て不当な買い方をしたのならば問題がありますけれども、他の公正な機関の評価、そういうものとも比べてみて、われわれとしてそう不当でないというふうに考えれば、特に深くまでは突っ込んではおりません。ですから、当時の購入したことについては、特別なそういう購入の手続についての監査をいたしておりません。報告も出しておりません。ただ、問題は、非常に開発が困難だ、工事上のいろいろな問題もあるであろう、たとえば水道の問題とか、いろいろのものがありはしないか、泉北丘陵全体の計画とマッチしなかったら公団のみでは開発できない。それからそういう関係機関との連絡を十分にして、また建設省などにもあっせんを願って十分開発をできるだけ早くやることも必要であるが、りっぱな団地をこしらえるようにしてほしいという監査報告は出してございます。
  142. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 監事というのは、大臣の直接任命になっておるんじゃないでしょうか、そうですね。そうしますと、監事というのは、この公団の中におきましては特殊な立場におるわけです。大きな言い方をすれば、国民の代表として選ばれている監事なんです。ですから、総裁以下理事者側の不正な、不当な事項があったら、監事として直接理事長に言わず、総裁に言わずに、大臣意見を申し述べることもできるわけであります。それほど監事の地位というものは高まっているわけであります。ですから、そういう点でいいか悪いかについて監事が言う権限がないようにお考えになるのは、少し考え過ぎだと思いますので、その点は直接問題はありませんから申し上げませんけれども、監事というものはそういうものだ、国民から選ばれたものであるという、やはり自負を持っていただきたいと思う。そのことはどういうことかといいますと、先般監事の任務のあり方について、行政管理序がいろいろ調べました。その結果この国会で各公社、公団、公庫の管理についての法律の修正をいたしました、改正をいたしました。そのときに監事総裁理事長を経由して主務大臣意見を具申をせよというのが政府の原案でございました。これに対しまして、建設委員会に参りまして私が河野大臣といろいろ質問いたしました。その結果監事理事長、総裁を経由して主務大臣意見具申するという、経由するということは削除になったわけであります。そのために今国会にかかっている公社、公団法は、全部直接意見具申権があるというように、実は三党共同で修正されておるのが実情なんです。それほど監事の権限というのは重要視されておりますから、監事総裁と協調しながら仕事をしなければならぬのは当然でありますけれども、やはり国民的な立場で直接任命されておるということだけは、ぜひ御銘記願いたいと思うのです。  そこで次にあなたがお出しになりました監査書の中で、光明池地区についての項があります。ここを読んでみますと、まず第一に「当地区ノ選定ニツイテハ種々問題ガアロウガ、スデニ地区決定ヲシ用地買収費ヲ支払済デアル。現在、公団トシテハ事業ヲ遂行スル義務が課セラレタノデアル。」これを読んでみますと、種々問題があろうがすでに地区決定をしたところだ、金も払っちゃった、だからいまさら文句を言ってもしかたがない、公団事業を遂行する義務が課せられたと述べておる。公団事業を遂行するということじゃなくて、公団事業を遂行する義務を課せられたと、こう言っておるのであります。これはどういう意味でしょうか、御説明願いたいと思います。
  143. 大庭金平

    ○大庭参考人 前段、いろいろ御教示ありがとうございました。われわれも総裁とは全然別個な立場において、監査業務をやっております。われわれの日常の監査については、総裁理事者からは指揮を受けておりません。また受ける筋合いでもありませんので、われわれは監査の結果については、公正な立場において報告建設省にも一部出しております、総裁にも報告書とは言いません、監査書として総裁手元に送るようにいたしております。その点は、今回の法改正において、監事の地位についていろいろ御配慮願ったことを非常に感謝いたしておるわけでございます。  ただいまお尋ねがありました監査報告書の表現の問題でありますけれども、われわれ三人の監事は共同体ではございません。おのおの独立しまして、監事個々が活動をいたすわけでございます。他の監事の書いたことをどうするということもありませんし、また、自分の意見もほかの監事に相談してどうするということもいたしておりません。三人の監事はおのおのの意見によってやっております。ですから、いまこの報告につきましては、私自身の起案ではないことだけは御了承願いたいと思います。もちろん、最終的には監事監査書として記載いたします。実は私も読んではおりますけれども、おそらくこれは、地区決定もしたし、それから土地買収も行なえば、いまさらこれを引っ返すこともできない、どうしても事業公団としてやらなければならないものになってくるのではないかということを、ここで強調しておることだろうと思います。特に義務というような表現がここにございますけれども、これは非常に法律的に意義のあることばではないと私は解釈いたしております。常識的に、そこに公団は土地も買い、場所もきめたんじゃないか、相手方に金も払ったんだ、それを元に戻すわけにいかないんだから、十分今後の開発に注意しなければならぬじゃないか、こういうような意味だと私は解釈いたしております。
  144. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたの話を聞きますと、あと二人の監事にもおいで願って、それぞれの立場から説明を聞かなければこの解明ができないように思うのです。  そこで、この土地は、三十七年にも調査がされて、不適当な土地だと言われたということが明らかにされておりますが、それはいかがですか。
  145. 大庭金平

    ○大庭参考人 この監査書の記載事項につきまして、当初、これは七月の二十日に監査書を一応作成をいたしまして、関係の方面には監査書として出したわけでございます。御承知のように、その後、ちょうど七月二十五日が役員の任期満了時期にかかっておりましたから、その以前に処理をしなければならぬというので、大急ぎで実は監査書を一応仕上げまして、出したわけでございます。その後再検討いたしました結果、いまおっしゃいましたような、この地区は前年度において不適地としたものであるという表現につきましては、われわれ監事監査に誤認があったのではないかということから、なお深く私が調査いたしてみますと、こういう事実は公団内部でなかったということが判明いたしたものですから、この分につきましては、その後八月の上旬におきまして監査書の修正をいたしておるわけでございます。
  146. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 監査書のことではなくて、現実に、この土地は三十七年のときに調査されて不適地だということに大阪支所でなっているということを、あなた御存じですね。
  147. 大庭金平

    ○大庭参考人 その点についてはつまびらかにしておりません。調査をいたしておることは聞いておりました。ですから、大ぜいの担当者が、相当の数がございますから、いろんな方面から検討をいたしておったようには聞いております。もちろん、中にはいろいろな御意見もあったように聞いております。しかし、最終的には、昨年の五月に、大阪支所としても、これは開発すべき地区だということの決定をいたしたというふうに伺っております。
  148. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その決定をした大阪支所の支所長というのはどなたですか。いまどうなっていますか。
  149. 大庭金平

    ○大庭参考人 大森理事でございます。現在も理事でございます。
  150. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いまあなたは、この土地は三十七年にも調査されて、不適地だということが監査報告書に書かれておったけれども、この監査報告書内容は間違いだったので、八月の上旬に取り消された、こういう御説明をされたわけですが、それはそのとおりですか。
  151. 大庭金平

    ○大庭参考人 われわれ監査業務に事実の誤認があったということを発見いたしましたから、取り消したわけでございます。
  152. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは、監査報告書を出した、その監査報告書に誤りがあったということで、一カ月たってから監査報告書が訂正されている、こういうことですね。
  153. 大庭金平

    ○大庭参考人 この修正をいたしましたのは、私の記憶では八月の上旬でございます。当初の報告は七月二十日に作成いたしております。
  154. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その修正をすると決定したときはいつですか。
  155. 大庭金平

    ○大庭参考人 私の記憶では八月の十三日に、私の決裁でもってそういうことをいたしておるということでございます。
  156. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 日をたどってみますと、八月二十三日に総務部長から用地課長に書面が出ているようであります、監査報告書の訂正が。そこで、七月二十日に監査報告書が出た。七月の二十五日に役員の改選があった。そして二人の監事はおやめになった。そうすると、二人の監事承知をされてこの訂正はされたのですか。その点いかがですか。
  157. 大庭金平

    ○大庭参考人 当時すでに退任なさっておりますから、特別の御相談は申し上げておりません。
  158. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、当時おった監事がつくったのを、残ったあなただけで訂正を承認された、こういうことですか。
  159. 大庭金平

    ○大庭参考人 この監査報告書にありました、本地区は前年度において不適地としたものであるという表現が、事実の誤認があるというふうに私は認定いたしましたから、それ以降の表現は取り消していただいたということでございます。
  160. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 おやめになった二人の監事、名前が載っているこの監事承知されているのですか。
  161. 大庭金平

    ○大庭参考人 特に正式には報告はいたしておりません。
  162. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 監査報告書というのは三人でおつくりになるのじゃないのですか。
  163. 大庭金平

    ○大庭参考人 そういうことであります。
  164. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三人でおつくりになったものを訂正する場合においては、三人が合議をして意見が一致したときに初めて訂正されると思うのですが、三人の意見が一致せずして、あなたおひとりだけで訂正された、こういうことですか。
  165. 大庭金平

    ○大庭参考人 当時、もちろん三人の監事が在任しておりますれば、その監事の御意見というものでなくちゃならぬと存じておりますが、すでに監事をおやめになっておるわけであります。おやめになった者まで、在任中の仕事について御迷惑をかけるということは、私は何か納得のいかないものがあります。やはり監事の業務として、表現に事実の誤認があれば、これを取り消すなり訂正することは支障ないと考えまして、私がやったわけでございます。
  166. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 金額にして十二億、十四億にも上るような土地を買うことです。その土地を買ったことがよかったか悪かったか——この土地を買うことについては問題があったという指摘をしました。そうして、この土地は昨年も問題になって、不適地としてやめたんだ、こういう指摘がされておるわけです。そういう指摘をしておきながら、おやめになった監事には御相談されずにその点が削除されたということは、これは重大な問題です。ですから、私は、監事とは何ぞや、総裁が悪かろうが、あるいはどこかで問題があろうが、監事国民の代表として、命をかけて、とにかく国民の利益を守る、それが監事の任務だというのですよ。一回しか生まれてこないじゃありませんか。一度いいことをしたら、この世の中とはおさらばしたって人間としてしあわせですよ。  そこで次にお聞きいたしますが、あなたが一番最初七月二十日に監査書として出したその原簿、監査書と、あとで訂正をされた写し、削除の書類、この二つを資料としてお出し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  167. 大庭金平

    ○大庭参考人 もちろん建設大臣のほうを通じまして、御提出をいたしたいと思います。
  168. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは事務的なことになりますから総裁のほうからお出し願えますか。七月二十日に出した監査報告書と、それから先ほどお話しになりました八月になってほかの監事が相談なしで削除したのを出した通達の書類ですか、これはここの議事録にはっきりありましたので極秘書類でも何でもないが、お出しになりますか。中身については公団のほうと私と意見が違います。しかし書類そのものについてはあった事実行為を出していただきたい、よろしゅうございますか。
  169. 挾間茂

    ○挾間参考人 私が受けました監査報告書は、先ほど来御指摘がございました点についての記載はございませんが、その過程においてそういう文書を作成され、それが事実と反しておったというので削除された、そこに問題があるようであります。取りそろえて提出いたします。
  170. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは総裁にもう一回確かめますけれども、七月二十日に大庭さんを中心に下部の方が出した書類とあとから訂正をされた文書、これは出していただけますね。
  171. 挾間茂

    ○挾間参考人 そのとおりにいたします。
  172. 片島港

    ○片島委員 関連して。先ほど大庭さんのお話を聞いておりますと、監査書は三人で出すけれども、実際に監査する場合には個々の監事が別々にやったものであって、私がやったものではないということだけは御了解願いたい、こういう前置きがございましたが、そういたしますと、ほかの監事がやったものでも、それは個々の監事がやったが三人の連名で監査資料として出す、その監査をした人は二人とも御退任になっておるようで、監査をしなかったあなたが一人残っておってあなたの権限だけで——これは今度来た新任の監事の方は監査していないのですね。七月二十五日に入っておられるならば事実も何もわかっていないわけです。わかっておるのはあなただけです。前やめられた二人の監事の方は内部を知っておるし、そして実際監査をした。あなたはこれに自分は直接関係しておらぬということでした。実際やった二人の方がやめられて、やらなかったあなた——監査書には三人の連名で出しておるけれども、やらなかったあなたが、あなたの考えだけから誤認があったと認定をしてこの公文書を訂正されることは、そういう資格があなたのほうにありますか。
  173. 大庭金平

    ○大庭参考人 当初私の申し上げたことにことば足らずがあったかもしれませんが、その点は御了承願いますが、いまおっしゃったように監査書そのものは公文書でございます。そうすると七月二十四日に退任しました監事がその後もしそれに誤りがあったら——人のやったことでございますから何かあったかもしれませんが、あった場合に、退任してからは公文書に手をつけるわけにはまいらぬと存じます。やはり残った者が——残ったといっては失礼ですけれども、監事としての職務として提出してあったところの監査書に事実誤認があれば、これを修正するのはやはり残っておるところの監事の責任というふうに考えて、私の責任をもってこれを修正いたしたわけであります。
  174. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこでまだ監査報告書の中で続きますけれども、大阪支所だけでは処理できない幾多の問題点があるなかなか問題の多い土地を何か無理をして買っておるように思うのです。もちろん成算があっての上の地区決定だ、これはあなたが監事として採算がとれる土地ではないか、こういうところまで突っ込んで監査ができるわけですが、この辺についての感想をひとつ聞かせておいていただきたい。
  175. 大庭金平

    ○大庭参考人 御承知のように、現状では大阪地区にいたしましても東京地区にいたしましても、土地取得には非常な困難をいたしております。山の中でも何でも適地であればできる限り適正な価格をもって購入する、そうして公団の業務を進展させていくことは非常な努力ではないかと考えております。この地区につきましては、当初総裁からの回答もあったと存じますが、泉北地区全体の開発計画の一端といたしまして公団もこれに参加するという形をとるということで、公団だけがこの三十七万坪有余のところを独立して他とは無関係に開発することは、現在の状況を見て至難ではないかと思う。であるから、せっかく大阪府においてそういう泉北地区全体の開発計画があるならば、そういう開発計画とそごしないように、またこれに投入する公共事業費とか公共施設とかいうようなものも、全体の開発計画と合わせてやるべき必要があるのではないか。公団ひとりでかってにやらせないようにそういう関係方面との連絡調整も密にして開発したらどうかというふうに感じておるものであります。
  176. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ここが開発されて実際に公団として使用されるのは、いつごろになりますか。予算としては、ここにどれくらいお金がかかることになりますか。
  177. 挾間茂

    ○挾間参考人 この泉北丘陵地帯は大阪府の計画としてまず七百万坪前後ということでございますので、これは相当の年月を要すると思います。私のほうの名古屋支所で現在開発に着手いたしております高蔵寺一帯の開発地区が約二百万坪ございますが、この計画も全体が完成いたしますのは七年くらいかかると存じております。通常区画整理方式その他宅地の開発をいたしますのは、まず少なくとも一地区三年ぐらいはかかるわけでございます。したがいまして宅地債券の発売にいたしましても、大体の見通しをつけてやりますものは、三年以後のものを対象といたしております。泉北丘陵地帯につきましては、信太山地区、光明池地区は、すでに国有財産の出資、また全面買収で確保いたしております。その他の地区についてはやがて計画が立てられて進められることと存じますが、この地区の開発はそれと並行して進行することとなりますので、もちろん数年を要することと存じます。  なお、この宅地につきましての水の問題、排水の問題等につきましては、調査をいたしまして、排水の問題は、槙尾川という川がございますので、そこに流入する。上水道につきましては、和泉市からもぜひ開発してほしいという希望が出されておりますが、水量において多少の不足があると思われます。これは大阪の府営水道がこの方面にずっと延長せられる計画が立てられて進行中でございますので、ここを利用する際には水の問題はそれによって解決をすることができるというふうに考えております。大体そういうことであります。
  178. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 何年くらいでここの光明池団地ができ上がるか、そして予算が幾らくらいかかるのか、それについての予算的裏づけとか、そういうものはどうなっているか、こういう点を簡単でいいですから……。
  179. 挾間茂

    ○挾間参考人 むろん、購入した土地の開発につきましては、事業費が五・四・一の比でつきますので、それによって開発をいたしますから、年次計画といたしましては三年間くらいを要することと存じます。これはほかのところと大体同じでございます。
  180. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 もう一つ、この三十一万坪、私は大きな団地だと思うのです、一人に支払うお金が十二億ですから。こんなことが従来もおありになりましたかどうか。
  181. 挾間茂

    ○挾間参考人 当初申し上げましたとおり、全面買収方式は昨年度から認められたものでございます。しかし幸いにして単一所有者であります場合には、相当の坪数をその所有者から買い取ったという例はございます。名古屋の高蔵寺地区におきましても、これは数百人の地主さんでございましたけれども、中に大地主さんがございまして、三十数万坪をその人から購入をいたしております。また東京地区におきましても会社所有地を三十万坪あるいは大阪地区におきましても十七、八万坪の土地を購入いたしました。そのほうが手続が簡単で、早くいくという便益があるわけであります。
  182. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは全面買収方式ということがきまってから買った場所、それから金額、相手、これをまた資料としてお出し願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  183. 挾間茂

    ○挾間参考人 ございますので、資料として差し上げます。
  184. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、八幡地区の話を聞こうと思いましたけれども、時間がありませんから、これは監査報告書が出てくれば経過が出ているでしょうから、ひとつ見せていただくことといたします。  最後に、これば公用のほうで調べて出していただいたほうがいろいろ疑惑をなくするためにもいいと思うのですが、光明池団地の土地の登記簿謄本ですね、三十五年から現在までの、抹消分を含んで、ひとつ取り寄せていただきたいと思います。  もう一つは、東京の菅団地の図面、それから契約関係の書類、評価関係の資料、それから四千百円が妥当であるとかないとかについていろいろ意見があるようでありますが、この四千百円を査定した評価の資料、これをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  185. 挾間茂

    ○挾間参考人 よろしゅうございます。
  186. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あとありますけれども、この辺で一応打ち切っておきまして、あとは資料が出てからまた続けたいと思いますから、次に譲ります。
  187. 白浜仁吉

    白浜委員長 押谷君。
  188. 押谷富三

    ○押谷委員 交通安全と事故防止の関係でありますが、これは建設省並びに道路公団にお尋ねしたいと思います。  御承知のごとく最近は交通地獄といわれるのですが、その交通地獄の責任者はいろいろな省庁において責任があるのでありますが、その責任者の一つである警察庁が、四月七日の朝日新聞に「道路事故激減、照明灯一つで死者ゼロ」という見出しで調査の事例を発表いたしております。この警察庁の発表の中で非常に重要な発言があるのであります。これはおそらくごらんになっていると思いますが、警察庁の高橋幹夫という交通局長が、今日の交通取り締まりだけでは交通事故の防止はできない、そういう時代になったというのです。交通事故防止は取り締まりだけではできなくなって、それは物理的に安全をはかる以外に道はないということばをもってあらわしているのです。これを言いかえますと、警察庁がいかに交通取り締まりに努力をしても、今日の道路の管理、道路の建設状況をもってしては交通地獄は防ぎ得ないということばになっていると思うのであります。そこで物理的な交通事故防止という方法は何かといいますれば、照明灯が足りないとか、あるいは簡易な歩道がないとか、ガードレールが不足しているとか、横断の施設に欠けているところがあるというところに帰着するようであります。こういうことについて、道路の管理、道路の建設の責任者としては、この警察庁の発表についていかなるお考えを持っていらっしゃいますか、まず伺いたい。
  189. 上村健太郎

    ○上村参考人 交通事故防止のために道路の設計、照明などをどうしたらよいかということは、建設省からお答え申し上げるのが適当かと思いますけれども、私どものほうは、特に料金をいただいておる関係で、こういう点につきましては十分注意をいたしておるつもりではございます。たとえて申しますと、設計の上におきましても、ただいま御指摘の交差の問題、あるいは見通しの距離の問題でございますとか、あるいはカーブ、ガードレールの問題等がございます。また交通指導というのは警察になりますが、道路の維持上パトカーなども準備をいたしましたり、その他冬における凍結防止の方法などもいろいろ研究をしておるところでございます。ただ一番肝心の照明の問題でございますが、これはある程度町の中を通りますところとか、あるいは交通量が一定限度を越しておるところにつきましては、建設省側にもいろいろ標準がありますようでして、それに基づいてやっております。ただ、いま御指摘交通局長の談話が出ましたのは京葉道路でございますが、京葉道路につきましては交通事故が非常に多いものですから、特に照明をふやすようにいたしたいと思っておる次第でございます。
  190. 押谷富三

    ○押谷委員 京葉道路ということばが出ましたが、その京葉道路についてはさらに新聞には「死をよぶ暗ヤミ」「むごい事故、急ピッチで」激増というようなことばをもって報道されております。これはたしか警察官が事故の検証に行って、また乗用車にはねられて二日後に死んでしまったという事故を起こしている。東京と千葉を結ぶ京葉高速道路でありますが、この事故について地元警察のことばによりましても、何とかして照明をつけてもらわなければいけないというので、たびたび要求しているが、一向それに対してはかばかしく照明の設備ができておらぬ、こう言っているのです。そして「むごい事故、急ピッチで」こういうようなことばで事故が激発しているのが京葉高速道路の現状であります。いま道路公団の責任者からそういうおことばが出たのですが、一体これは現状はどうなっているのですか。どれくらいその照明の建設が進んでいるか、現在の実情を御説明いただきたい。
  191. 上村健太郎

    ○上村参考人 現状その他これからの計画につきましては、他の参考人から申し上げたいと思います。
  192. 藤森謙一

    ○藤森参考人 それでは私が御説明申し上げますが、三十七年度から急に交通量がふえてまいりまして、三十七年度においては六灯を増設いたしまして、常に地元警察とも連絡をとりながらやっております。三十八年度におきましては、二十灯増設いたしました。それで合計建設当初から八十二灯ございまして、三十九年度計画といたしましては四十灯をつけるという計画にいたしております。
  193. 押谷富三

    ○押谷委員 十灯とか二十灯とか四十灯とかいうような照明で、警察が言っているようなこの「死をよぶ暗ヤミ」の高速道路が明るくなろうと思いません。またこれに対して交差をしている道路もあり、いろいろ事故の激発している場所もあるのですから、さようななまぬるい照明の建設では私は不完全だと思う。警察の言っている「死をよぶ暗ヤミ」というこの道路を明るくするのに、たいへん長いところですから、そこに十灯や二十灯、四十灯というようなものの計画で満足される、こういうような場所で御発表になるというような、それは少々考え方が違うのではないかと思いますから、この点についてはもう少し実際に責任のある道路の照明という考え方で、管理の責任者はお考えを願わなければいけないと思います。ぜひそういうように御計画を進めてもらいたい。  それからついでですが、この高速道路につきまして名神高速道路あたりに付属事業がありますが、あの付属事業事業計画についていろいろ変更をされたとか新聞にも発表がありましたが、今日の状況において高速道路の付属事業の経営はどういう形でなされているかお伺いいたします。
  194. 上村健太郎

    ○上村参考人 名神高速道路の沿線に、付帯事業といたしましてサービスエリアというのを設けております。これは現在は食堂は大津一カ所でございますが、将来その他の適当な個所にふやしてまいりたいと思っております。なおそういうレストラン、売店のほかに、ガソリンの給油施設、それから自動車の事故がありました場合に修理の自動車を出しまして、そしてとりあえずの補修をする拠点というものがございます。これも現在は大津だけでございますけれども、逐次適当な距離間隔を置きましてやってまいりたいと思っております。なおこの経営は、レストランは入札をいたしたわけでございます。それからガソリンの給油施設も入札をいたしました。修理施設のほうは希望の会社が少なかったので、現在二カ所でございますが、希望しておる会社に随契でやらしております。
  195. 押谷富三

    ○押谷委員 この大津にありますレストランですが、ああいうものは入札によって場所をお貸しになっておるのか、その営業自体の監督等についてはどうなっているか伺いたい。
  196. 上村健太郎

    ○上村参考人 施設につきましては予算を組みまして、全部公団で建築をいたします。そうして最低限度の率の納入金と申しますか、それをきめました上で入札に付したわけでございます。もちろんその最低の家賃に相当するものの倍以上の率で落札をしておりますが、したがって貸しておるわけでございます。
  197. 押谷富三

    ○押谷委員 あれはどことどこに貸しておるのですか。
  198. 上村健太郎

    ○上村参考人 大津の上り線と申しまして琵琶湖寄りのほうが、日本ハイウエイサービスという会社であります。それから下り線のほうが、近畿日本鉄道のつくりました近鉄名神ハイウエイ・サービスという会社であります。
  199. 押谷富三

    ○押谷委員 私はあの近くにしょっちゅう行くのですが、いまのレストランもよく行きます。たいへんきたなくて、もうそれは外国人でも見たら恥ずかしいようなものなんです。設備はいいのです。赤いじゅうたんなんか敷いて、国会のじゅうたんよりははるかにりっぱなじゅうたんなんですが、そこにははし紙が捨てられている、いろいろなものが捨てられて、ちょっと掃除婦一人入れたら、世界に誇り得るようなレストランになるのでしょうけれども、きたなくてしょうがないのですが、やはり貸したら貸しただけでほっておかずに、やっぱり道路公団において監督をせられるというような道も講ぜられるべきではないかと私は考えております。  これで道路関係では終わります。  住宅金融公庫は来ておられますか。——これは先ほども建設省関係にお尋ねいたしたのですが、住宅金融公庫住宅に対して金融をされる場合において一つの家屋の評価基準というものがあります。それに基づいて金融をいたされるわけですが、その坪の評価がたいへん安くて、手持ち資金がよほどしっかりしておらなければ間に合わないという関係にあるのですが、今日の住宅金融公庫において坪の単価の出し方は一体どういう基準で、何ぼになっているか、伺いたいと思います。
  200. 師岡健四郎

    ○師岡説明員 公庫の融資をいたします場合には、坪当たりの標準建設費を設定いたしまして、これに基づいて融資するわけでございます。いまお話がありましたように、この標準建設費の設定につきましては、一般物価の状況、それから資材の値上がり状況、そういうものを見まして設定しておるわけでございます。予算の制約等もございまして十二分にとはまいっておりませんが、公庫の利用階層のいわば標準的な庶民住宅と申しますか、庶民住宅の建設に大体必要な費用を融資するというたてまえでおります。ただいま申しましたように予算の制約がございまして十二分にまいらぬ点もございまするが、最近におきましてせっかく努力いたしまして、三十九年度におきましては、先ほど御説明がありましたように、木造につきましては二〇%、鉄筋におきまして七・七%アップいたしたわけでございます。
  201. 押谷富三

    ○押谷委員 いま総裁から十二分にはできておらぬと言われますが、なかなか十二分も十分も八分もいっておらないのではないかと考えております。アップせられたことはよくわかります。たいへん御苦労でありましたが、この程度の単価をもっていたしますと、やはり住宅の建設という大問題に庶民が協力していく上において手持ち資金が不足いたしますので、この上ともこの単価が——私は正確でないと思うのです。総裁は十二分でないと言われる。私の考えをもってすれば、まだまだ十分までには距離があるのではないか、十二分にはとても距離があると考えまするので、ひとつ努力をせられましてこの単価の改定をせられますよう、政務次官にも特にお願いを申し上げて、終わりたいと思います。
  202. 白浜仁吉

    白浜委員長 山田君。
  203. 山田長司

    ○山田(長)委員 時間がだいぶおそくなりましたので、一、二点ずつ、道路局、それから道路公団住宅公団、それから住宅金融公庫と、順次お伺いしたいと思います。  ただいま押谷委員からの御質問の中にありましたが、最近の自動車の激増による状態というのは全く目まぐるしいものがあり、道路整備に当たっております当局の苦労も察することができるのでありますが、たくさん金をかけて道路の整備をし、道路局では道路の整備さえしていけばいいということではなくて、これに関係のありまする積載量の問題については陸運当局、あるいはこれらについての取り締まりは警察当局がやっておりますが、やはりせっかくつくった道路なんですから、これについても道路局がもっと積極的に——警察当局がこの積載量等について要所で網を張って取り調べなどをやっておるときなどもあるようですけれども、これがすぐに取り締まりをやっておることがわかって、夜になるのを待つとか、あるいは別な道を通っていってしまうとかいうことで、なかなか積載量の取り締まりもできないで、どんどん道のこわれる速度というものが激しくなっていくというこの実情を見ておりまして、忍びないものがあるわけです。これは建設当局としても何か方法を講じないわけにはいかないと思うのです。道をつくる役割りだから、つくればよいのだということばかりではなくて、何かこれについてもっと積極的な案をお持ちになりませんですか。
  204. 三橋信一

    ○三橋説明員 ただいま先生のおっしゃいましたことは、まことにごもっともでございます。私どもといたしましても道路をつくる端からこわされていくというようなことは、まことに忍びないことでございます。しかしながら、事柄が、道路運送車両法におきまして、御存じのとおり積載量なりあるいは軸重なり、そういうようなことがきめられておりまして、また、それを取り締まるのは警察ということになっております。ただし橋等につきましては、道路法にもこの荷重制限の規定がございまして、そういう制限をすることもできますが、現実にはオーバーロードの車がかなり走っております。そこで私どもといたしましては、過去数年間、いわゆるロードメーターと申しますか、トラックがどの程度の荷物を積んでおるか、それを調べますポータブルのロードメーター等を私どものほうで用意いたしまして、警察当局とタイアップして、通行車両の荷物の積み方を検査するというようなこともございますがそれだけでは非常になまぬるうございますので、今後御趣旨を体しまして、警察あるいは運輸省に十分タイアップしてこれを取り締まってもらうような方向に持っていきたいというふうに考えております。
  205. 山田長司

    ○山田(長)委員 見るに見かねているような道路地方に何カ所もあります。こういう道路の整備というものは、建設省もかなり力を入れておることはわかるが、こういう特殊な道路のいため方をされるものに対して、ただ取り締まるだけではなくて、特殊な方法考えたことはないですか。たとえば道路を特にいためるものについては特別な料金を課するとか、こういうことが考えられなければ、とてもいまの状態では、なまやさしいことでは、これは処置ができないと私は思うのですよ。
  206. 三橋信一

    ○三橋説明員 ただいまのおことばでございますけれども、特にいためるものは特別の料金を取るというようなことができないかということでございますけれども、道路運送車両法にきめられております積載量を保ちまして、それで走っております限りにおいては、軸重等がきめられております道路はいたまないというたてまえになっております。したがいまして、道路をいためるというものは、それ以上の、きめられた以上のオーバーロードをしておるという場合になってくるわけでございます。きめられたとおりの積み方をしておるにもかかわらず、道路が変則的にこわれていくのは、これは道路のほうが悪いということにならざるを得ないのであります。したがいまして、道路のほうが悪い場合には、私どものほうでこれを整備しなければならぬと思います。しかしながら道路運送車両法にきめられております積載量を無視して積んでおりますもの、それから料金を取るというのは、ちょっとこれは無理じゃなかろうかというふうにも考えられますので、そういうものはやはり警察等とタイアップして取り締まってもらうという以外に方法はないんじゃなかろうかというふうに考えております。
  207. 山田長司

    ○山田(長)委員 ただいまの問題につきましては、見るに見かねるような事態がありますので、これらの個所は道路当局に私のほうで申し上げますから、いずれ調査をしていただきたいと思います。  次に、日本道路公団のほうにかかりたいと思います。  道路公団の各路線の採算状況についてであります。現在公団が建設している路線というものは、五十数線あるように伺っておりますが、そのうちで利用度が予定計画を上回っているもの、それから大体予定どおりのもの、あるいは予定計画よりも下回っているもの、それぞれいろいろ路線があると思うのですが、その路線の区分、代表的な採算のとれているところ、とれないところ、これを御説明願いたいと思います。
  208. 上村健太郎

    ○上村参考人 道路別の採算の問題でございますが、名神高速通路は大体予定計画どおりの収入を、この半カ年余りの間の実績でございますが、あげております。またその他の道路につきましては、現在五十七路線営業をしておりますが、そのうち成績が計画を上回っている路線が二十六、それから成績が普通の路線が六本、それから成績が計画より悪くて下回っておる路線が十五ございます。
  209. 山田長司

    ○山田(長)委員 現在までのところで、観光路線といまのような経済的な路線と、この比重はどちらが多いのか、その路線における損益の状態というものはどんなふうになっているかですね。
  210. 上村健太郎

    ○上村参考人 五十七本の路線のうち、たとえて申しますと蔵王でありますとか霧島でありますとか阿蘇でありますとか、純粋の観光道路が十本ございます。これらのうちでは悪い道路はあまりございませんが、一、二——たとえばこれは道路公団が始まる前にできておりまして県から引き継いだ道路でありますが立山の道路、あるいは鹿児島の霧島の道路は、これは道路公団ができてからつくった道路でございますけれども、これも成績はあまり芳しくございません。産業通路におきましては、観光道路以外の道路におきましては、特別に成績の悪い道路というのは、特殊の橋を除きましてございません。
  211. 山田長司

    ○山田(長)委員 観光道路については地方自治体に移管してくれてはどうかというような声もあるようでありま。す。これらの問題については、産業道路の部分は公団がやり、それから観光道路の部分については自治体にまかせるというようなことは不可能なのかどうか。私は産業道路の場合は公団がやっても、観光道路の場合、やはり自治体の収入をはかるために自治体にまかすべきだというような印象を持ちますけれども、この点についてはどうですか。
  212. 上村健太郎

    ○上村参考人 私どものほうでつくっております観光道路は、大体国際観光に適した道路だけを取り上げるという法律上のたてまえになっておりまして、ローカルの地方的な観光道路は私どものほうはやらないわけでございます。ただ、国立公園の大きなところの長い観光道路になりますと相当建設費がかかりますので、地方単独あるいは二府県にわたるというような道路については、現在のところ道路公団でお引き受けしてまいる方針でおるわけでございます。
  213. 山田長司

    ○山田(長)委員 次に、住宅公団総裁に伺います。政府の高速度成長の余波を受けて、諸物価の高騰からおそらくあなた方のおつくりになられております固定資産に対してもいろいろ問題があるに相違ないと思うのです。聞くところによると、次官通牒で自治体に向けてめんどうを見るようにという通知がいっておるようですが、たびたびのことであるやに伺っております。中へはさまって、おそらく住宅公団としてもこれはずいぶん苦労されることだと思うのですけれども、これらについて、住っている者とすると常に不安にかられているに相違ないと私は思うのです。これは住宅公団としても何とか地方自治体の立場考え、あるいは住まっている人たちのことも考え——固定資産が上げられるような状態になりますと、いまでも大体庶民階級の人たちがずっと住まっている場所としましては、値上がりになるということは、これはたいへん不安な事態になると思いますが、公団としてはこれに対する処置をどんなふうにお考えになっておられますか。
  214. 挾間茂

    ○挾間参考人 御存じのとおり公団住宅に対する固定資産税につきましては、公団の設立の当時におきましては一般住宅と同じように次官通達によりまして、課税が始まりまして三年間は半額の軽減をするように、その後の問題につきましては実は私公団総裁にまいりまして、自治庁当時でございますが、極力当局と折衝を重ねまして、公団住宅の公共性にかんがみて、三年後におきましても四割の軽減をするようにという通達を各自治体に出していただいたわけでございます。ところが御存じのとおり現在の地方自治体は国と独立した自治体でございますので、最近に至りましてその通達があるにもかかわらず全額課税をするという地方自治体がちょいちょい出てまいっております。引き続きまして私その点について自治省当局また建設省当局とも絶えずこの解決策について話し合いをし、努力をしておったわけでございます。今回地方税法の改正によりまして、五階建てまでは、建設後五年間半額、それから五階以上の建築物につきましては十年間五割軽減ということになりました。家賃の計算につきましては、大体耐用年限七十年、償却七十年ということになっておりますので、その七十年間の家賃計算を固定資産税をも含めまして計算をすることに相なるわけでございます。問題は既設の公団住宅でございます。それにつきましては先ほど話がございましたように、次官の通達によりまして建設後最長十年、短いのは八年、したがいまして昭和四十六年までは軽減措置をとるようにという通牒が出たわけでございます。ただこの場合考慮しなければならぬことは、地方の財政の問題でございます。ことに最近における住宅団地の設置せられる地方公共団体は、財政力の豊富でないところが相当ございますので、特に自治省におきましてもこの点を考慮していただきまして、次官から、特別交付税の支給によってその財政にウエートがかかることを軽減する措置を講ずるという方針がきまりまして、その内達が出ておるわけであります。現在の状況におきましては、かような方向で固定資産税の軽減をするということになっております。
  215. 山田長司

    ○山田(長)委員 政務次官にちょっと伺いますが、ただいまお聞きのように地方自治体の財政的にゆとりのないところでは、せっかくおつくりになられた公団住宅に対して、それが隣合っている場合に、その隣は公団関係と同じようなつくりでもそういうことばできないというふうな事態になっておる。やはりここにいろいろ次官通牒を出される上において勘案しなければならぬ問題が起こってくるのじゃないかと思うのです。その点めんどうを見るように地方自治体に通牒は出しておられるようですけれども、同じような建物で同じような勤め人で、片方は上がって片方は下がるというような事態でありますと、これはちょっと理解されぬものがあるのです。次官通牒を出されるような場合に、その周囲の状態を勘案した形におけるめんどうを見る措置はできぬものですか。
  216. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 ただいまの御質問のとおり、現在の地方自治体におきましての固定資産税の問題について、一方においては減額をする、一方においてはそうでないというのは、結局家賃にはね返るわけでありまして、確かに不均衡きわまるものがあるということは、私たちも考えられるのであります。ことに地方自治体におきまして公共事業費が非常にふえてまいりまして、せっかく団地が参られましても、かえってそのために財政難に陥ることもある。財源措置としては自治省とよく相談をし、また調整もはかりまして、先ほど総裁の答弁のとおり特別交付税であるとかあるいは交付税であるとか、財政基準収入の減額ということを見込みまして実は手を打っておるわけでございます。一方また、ただいまの近郊の条件の違いまする他の住宅につきましては、やはりお説のとおり今後よく勘案いたしまして次官通牒を出すのが当然じゃないか、こう思考しております。
  217. 山田長司

    ○山田(長)委員 次に住宅金融公庫のほうに伺いたいと思うのです。貸し付けの回収状態ですが、それはどんなふうになっておりますか。
  218. 師岡健四郎

    ○師岡説明員 三十六年度と三十七年度について資料がございますので、それについて申し上げます。  三十六年度は回収予定高が二百八十億八千余万円、これに対しまして二百七十八億四千万円ほど回収しております。したがいまして、回収割合は九九・二%、それから三十七年度につきましては、回収予定高が三百十八億四千八百万円、これに対しまして回収いたしましたのが三百十六億一千百万、回収割合は九九・三となっております。
  219. 山田長司

    ○山田(長)委員 検査当局に伺います。  昭和三十七年度住宅金融公庫の批難事項の中に、「住宅融資保険業務では、金融機関との間に保険関係が成立する保険金額は四十五億六千万円を予定したが、保険関係が成立した保険金額は七億九千五百七十六万余円である。」だいぶ保険金額の見込み、予定というものと違っているという点です。  もう一つは、「三十七年度においては、貸付金利息百四十五億九千八百四十九万余円等の利益百五十二億七千百四十二万余円、借入金利息百十七億六千百十六万余円、業務委託費が三十二億五千六百四十五万余円、事務費九億八千六百五十六万余円、」こういう金のかけ方をしておりまして、それで「利益損失同額」こういう決算報告書が出ておりますが、こういう使い方をしているから、利益金が生じなかったのであって、この点検査当局がふに落ちなかったはずだと思うのですけれども、こういう委託費にしましても事務費にいたしましても、金の使い方は詳細に調べて無理がなかった金額であるかどうか、この点を伺いたいと思います。
  220. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 前段の住宅融資保険ですが、この分につきましては、当初やはり住宅金融公庫予算積算いたしました場合と情勢が変わりまして、思ったよりはやはり保険を利用する、つまり金融機関にそういう住宅を建てるための金を借りにくる人が少なかったということ、したがってたまたま住宅金融公庫に対しても、そういう保証をしてもらう関係が生じなかったということで、これは金額が思ったよりは伸びなかったということじゃないかと思うのであります。それからお尋ねの事務費と業務委託費、業務委託費のほうは、これは私はこまかい数字はわかりませんけれども、業務を委託しておる金融機関なり何なりに対しまして、ある取り扱い金額に対して一定の率で手数料というものを払っておるような経費だと思います。それから事務費のほうは、これは住宅金融公庫の中の一般官庁でいいますと、いろんな事務経費ですね、そういったようなものに相当するものだと思います。で、検査いたしました結果、別にそういうものが不当に使われておるというようなことは報告は受けておりません。
  221. 山田長司

    ○山田(長)委員 ただいまの会計検査院当局のお答えだけでは理解できないので、業務委託費の二十二億五千六百四十五万円という内訳を、ひとつ参考に次の機会にお出し願いたいと思います。
  222. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 それじゃよく調査をいたしまして、次の機会に資料を提出したいと思います。
  223. 白浜仁吉

    白浜委員長 福井勇君。
  224. 福井勇

    ○福井委員 私はほんの三、四分道路公団のみにお尋ねすることがありますから、だいぶ時間もおそく、他の方々をお待たせして相済まぬと思いますので、道路公団のほうだけにお願い申して、委員長においてしかるべくお取り計らいを願いたいと思います。  簡単でございますが、東名道路のことについてお尋ねいたしますが、東名道路の完成予定は、現在のところ、どんな状態になっておりましょうか。
  225. 上村健太郎

    ○上村参考人 東名道路につきましては、政府からの施行命令が、四十三年中に完成せよという命令でございます。しかし、部分的に完成をいたしました点がありますれば、逐次その前でも開業いたしてまいりたいと存じます。
  226. 福井勇

    ○福井委員 道路の、特に最近の道路工事状況は、非常に公団総裁の指導よろしきを得て速度が上がっておるようでございまするから、引き続いて国民の輿望に沿ってスピードアップされるように特に望んでおきたいと思います。  東名道路のうち現在一番おくれるという見通しがあるのは、愛知県の豊橋・豊川地域の方面であろうと推測しております。これは、おそらく総裁も御存じのことであろうと思いますし、担当の齋藤君あたりが非常に心配してやっておりまするから、おそらくおそくなるということはないと思いますが、私の一番心配して一番おくれるであろうと予想しているのは、いま申しました豊川地区、この点でございます。豊橋の北方二キロばかりの地域でございますが、その地域のうちで、いま公団の決定線ではありませんが、案として内々示されておるところは、あの付近は、豊川は、市内はもちろん市街地になっておりますが、非常に地味が肥えた肥沃なところでございまして、特に農業に重点を置いたところを横断いたします。そこで農業に差しつかえのないところに持っていこうというのが地元の当然の輿望でございますが、しかし、この道路の建設企画となると、そうばかりは言っておられないというのは、当局のこれも当然な処置であるし、私たちもそういちずにそのことばかりを参酌しては道が曲がってしまうばかりでありますから、これはなかなかむずかしいことであるということは承知しつつ私はお尋ねするのでありますが、現在の公団の内定案というのは、地元の要望を特に考慮して青写真をつくっておるかどうかということをまずお尋ねいたします。
  227. 上村健太郎

    ○上村参考人 具体的の線につきまして私も一回通っただけでございましてよくわかりませんけれども、方針といたしましては、もちろん地元の方の御要望に沿うように、かつ御指導のような地味の肥沃なところをなるべく避けまして、そうして丘陵地帯を切ったり盛ったりするようにいたしますと用地費もまた工事費も安くなりますので、一応の方針といたしましてはそういう方針をとっております。ただ、どうしても高速道路になりますると、あまり大きなカーブがつけられない、一定の線形というものを保たなければならぬということがありまする関係で、地元の方々の御要望と沿わない場所が出てくるところもございます。ただ具体的の問題につきましては、なおよく地元の皆さま方と御相談申し上げてやってまいりたいと思います。
  228. 福井勇

    ○福井委員 総裁のお立場では、一々どこの場所がどうなっておるということについては、受け持ちがあることでありまするから、いまのお答えは当然のことだと私も了承いたします。特に豊川の地域がおくれるという、ただいま冒頭に言われました四十三年度完成目標ということがはずれるやに案ぜられる素因を包蔵しておりますから、これは私たち国会側においても四十三年度中に完成、あるいはそれ以前にも完成するよう道路公団協力いたす決心でございます。そういうつもりでございまするので、そういう素因は、もしあるとすれば、できるだけ早く原因をなくするように、私たち公団とともに協力いたしたいと思います。ややもすると、現在地元の要望を無視しておるのではないかという一説も流れております。公団の通るところは地味きわめて肥沃で、東三河の農業の最も重点だと思われるようなところを通っておって、地元の案というのはやせた土地を選ぶというふうに提案しておるのが現状のようであります。地元の案でいくと、家は一軒もかからない、中部電力の鉄塔の横断が一カ所だけで済む、公団の案でいくと、家が六十五軒かかり、鉄塔は四カ所も横断しなければならないというのが現状であります。私も現地を見たのでございますが、これは担当の齋藤君あたりがおりますると非常に答弁に便宜だと思うのでございますが、その用意ができませんでしたので、総裁はこの場所ですぐ答弁していただかなくても、御意向だけを承っておけばよろしゅうございます。私が現在見ますと、何にいたしましても、この高速道路はまっすぐであるということが理想であります。豊川のある地区では一カ所トンネルをつくれば、これが非常に理想的なストレートラインになるというところがあります。ところが経費の点もありましょうし、それから、そこが非常に地盤が弱いので、トンネルの掘さくが技術的にむずかしいということを聞いております。私は技術屋の端くれのものでありまして、現在の土木技術、こういうものからいくと、決してそういうことはないと思っております。わずかな距離でございます。ところが、次に心配になるのは経費でございまするから、経費の点を無視して話は成り立たぬということがあるかもしれませんが、答えは技術的な問題でできないということが一応言われております。しかし、私たちは、先ほど申しましたように、今日の技術でわずかなトンネルを掘さくするのはできぬことはないと思っております。私は機械屋で、土木技術者ではございませんが、そういうことはあり得ないと思っております。トンネルをつくれば非常に理想的なラインになるということであれば、緊褌一番、ひとつ公団のほうでは何億かけてもトンネルでいこう、あるいは低い山ですから、関カ原や米原のところを通ると掘り割ったところがたくさん見られますが、ああいうふうに割っていったっていいじゃないかという気がいたします。それぞれ日本最高の技術者を配置せられておる道路公団でありまするから、ゆめゆめ手落ちはないと思いますが、おそらく経費の問題であろうと思いますが、技術的にできないということはあり得ないであろうと私は推測しておりまするから、あれこれ御検討を特にお願いしておきたいと思います。くどく申し上げますが、特にこの地域が東名道路の一番おくれた地点になるということを、私たちは地元の人間でありまするから、そういう恥ずかしい思いをしたくございません。あくまで公団協力して、そうして早く仕上げる、しかも理想に近いもので仕上げたい、こう思っております。公団におかれましても、地元の要望を積極的に総裁みずから聞いてやっていただくように、ややともいたしますと、公団にしても役所にいたしましても、末端にいきますといまだに明治時代のように圧力をかけるような横柄な態度でいくということが——このことについてはまだありませんが、あっては困りますから、総裁理事者の方において親切に、しかも国の理想に近いように特に御留意をお願いいたしまして、私の質問を終わります。御意見がありましたら、一言おっしゃってください。以上です。
  229. 上村健太郎

    ○上村参考人 お話の御趣旨の内容十分承りましたので、検討さしていただきたいと思います。ありがとうございました。
  230. 白浜仁吉

    白浜委員長 参考人各位には長時間委員会の調査に御協力をいただきましてまことにありがとうございました。      ————◇—————
  231. 白浜仁吉

    白浜委員長 この際参考人出頭要求の件についておはかりいたします。すなわち、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件中、労働省関係調査のため本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なしと呼ぶ者あり」〕
  232. 白浜仁吉

    白浜委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  233. 白浜仁吉

    白浜委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時八分散会      ————◇—————