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1964-04-01 第46回国会 衆議院 決算委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月一日(水曜日)    午前十時十四分開議  出席委員    委員長 白浜 仁吉君    理事 押谷 富三君 理事 鈴木 善幸君    理事 竹山祐太郎君 理事 福井  勇君    理事 片島  港君 理事 勝澤 芳雄君    理事 山田 長司君       鍛冶 良作君    菊池 義郎君       福田 赳夫君    森本  靖君       吉田 賢一君  出席政府委員         大蔵政務次官  纐纈 彌三君         農林政務次官  丹羽 兵助君         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君         農林事務官         (農林経済局長)松岡  亮君         農林事務官         (畜産局長)  檜垣徳太郎君         林野庁長官   田中 重五君         水産庁長官   庄野五一郎君  委員外出席者         農林事務官         (農政局参事官)玉置 康雄君         農林事務官         (農地局管理部         長)      小林 誠一君         農林事務官         (畜産局参事         官)      吉岡  茂君         農林事務官         (園芸局総務課         長)      小暮 光美君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)      筒井 敬一君         農林事務官         (食糧庁経理部         長)      亀田喜美治君         会計検査院事務         官         (第四局長)  小沢 定司君         会計検査院事務         官         (第五局長)  宇ノ沢智雄君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 三月二十七日  委員田中織之進君及び森本靖辞任につき、そ  の補欠として島口重次郎君及び中澤茂一君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員島口重次郎君及び中澤茂一辞任につき、  その補欠として田中織之進君及び森本靖君が議  長の指名委員に選任された。 同月三十一日  委員田中織之進君辞任につき、その補欠として  山本幸一君が議長指名委員に選任された。 四月一日  委員山本幸一辞任につき、その補欠として田  中織之進君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十八年度一般会計予備費使用総調  書(その1)             (承  昭和三十八年度特別会計予備費使用総調 諾を  書(その1)             求め  昭和三十八年度特別会計予算総則第十四 るの  条に基づく使用調書(その1)    件)  昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十六年度政府関係機関決算書  昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十六年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書  昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十七年度政府関係機関決算書  昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書  (農林省所管)      ————◇—————
  2. 白浜仁吉

    白浜委員長 これより会議を開きます。  去る二月十四日、承認案件として本委員会に付託になりました昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十八年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書(その1)、以上三件を一括して議題といたします。  各件について大蔵政務次官より説明を求めます。纐纈大蔵政務次官
  3. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいま議題となりました昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和三十八年度一般会計予備費予算額は二百億円であり、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十八年五月十七日から同年十二月二十七日までの間において使用決定いたしました金額は百五十九億八千万円余であります。  そのおもな事項は、災害対策関係としましては、公共土木施設及び農業施設等災害復旧事業費等に必要な経費並びに文教施設災害復旧費に必要な経費等の二十六件であります。一般経費関係としては、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の二十九件であります。  次に、昭和三十八年度特別会計予備費予算総額は千九百五十二億七千万円余であり、このうち、昭和三十八年七月八日から同年十二月二十日までの間において使用決定いたしました金額は五百三十一億八百万円余であります。  そのおもな事項は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米買い入れに必要な経費国内麦管理勘定における返還金等調整勘定へ繰り入れに必要な経費輸入食糧管理勘定における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費農業共済保険特別会計農業勘定における再保険金支払いに必要な経費道路整備特別会計における道路事業及び街路事業調整に必要な経費等であり、特別会計における予備費使用は十一特別会計においての十九件であります。  次に、昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしましたものは、造幣局特別会計においての補助貨幣製造数量増加に必要な経費一億六千五百万円余であります。  以上が昭和三十八年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上御承諾くださいますようお願い申し上げます。
  4. 白浜仁吉

    白浜委員長 ただいまの予備費各件に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  5. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に、昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は前会に引き続き農林省所管について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。勝澤君。
  6. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、最初に、この競馬収益はどういうふうに中央競馬会地方競馬全国協会に配分されているのか、こういう点について御説明願いたいと思います。概略でいいです。
  7. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 お答えします。競馬収益という意味は必ずしもはっきりいたさないのでございますけれども、普通競馬の大きな収入源になりますのは、御承知勝馬投票券売り上げに対する控除金であります。その控除金のうち、中央競馬におきましては売り上げの一〇%をまず国庫納付金に充当をいたしまして、残ります勝馬投票券のうち勝馬をあてた投票の数に相当する売り上げ高を差し引いたものの一八%以内をさらに控除金として中央競馬会収入に取る。そうしてそのうちから競馬関係諸費、これは開催費その他の運営費、それから勝馬に対する賞金その他に充当していくわけでありますが、その競馬関係諸費支出をいたしまして残が出ましたもののうち半額国庫にさらに第二納付金として納付する。そういう第二納付金を納付するような事情が生じました場合には、あと半額中央競馬会剰余金として積み立てる。その積み立てるということは、現金で必ず積み立てるという意味ではございませんで、その積み立て金によって諸設備の整備その他の支出等に充てることができるわけでありますが、収支のバランスという意味では積み立て金として残っているということになるわけであります。
  8. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると次に、地方競馬全国協会の、いま言いました競馬の馬券の売り上げはどんなふうになりますか。
  9. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 地方競馬全国協会は、みずから勝馬投票券の発売をいたしておるのではございませんで、いわゆる中央競馬以外の競馬つまり都道府県あるいは市町村組合等が施行いたしております競馬について、その勝馬投票券売り上げ高のうち約一%程度に当たるものを競馬法規定によりまして地方競馬会納付金に充てるわけであります。その納付金のうち、これも大ざっぱな数字でございますが、約〇・三%が地方競馬全国協会固有のといいますか、みずから行ないます事業費運営費等に充てられてまいります。固有の仕事というのは騎手の養成、免許、登録、あるいは調教師の同じく登録というような、中央地方競馬に関します振興事業をやる。それからあとの約〇・七%というものを畜産振興のための助成として支出をする。それを全国的な団体地方団体とに分けて、毎年度定款の定める方針に従いまして理事会の決議に基づいて助成を行なっておるということになっております。
  10. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 畜産局と、それから中央競馬会なりあるいは地方競馬全国協会、こういう関係監督行政というのは、どういうところまで監督されているのですか。
  11. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 中央競馬会関係では競馬開催そのものに関しまして、これは法律規定による監督でございますが、会の特殊法人としての全体的な監督関係と申しますと、毎年度中央競馬会予算の編成と予算決定ということについて農林大臣認可を要するということが一番代表的なものであると思います。  それから地方競馬全国協会につきましては、全国協会定款決定変更等について農林大臣認可を要するという関係になっております。
  12. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、地方競馬全国協会年度計画なりあるいは収支予算なり事業計画なり、こういうものについては、畜産局はどういう立場におられるのですか。
  13. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 毎年度監督関係としましては、地方競馬全国協会予算、それから事業計画及び決算について農林大臣認可を要することになっております。
  14. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院にお尋ねいたしますが、三十七年度中央競馬会につきまして、中山京都競馬場厩舎の問題を指摘されておりますが、この内容について、もうちょっと詳しく御説明願いたいと思います。
  15. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 まず久御山分厩場のほうから申し上げまするが、久御山分厩場につきましては、用地買収の契約が三十六年の十月に行なわれまして、十二月に登記が済みまして、支払い金額は二千五百九十六万円となっております。それが久御山分厩場用地買収であります。それから、その上に建てました厩舎でございまするが、これは工種件名が三件に分かれておりまして、総工事支払い金額は四千四百二十二万四千円で、これは一番早くできましたものが三十六年十一月、それから一番おそいのが三十七年二月二十八日、こういうことになっております。  それから白井分厩場のほうは、用地関係は、買収借り上げと両方ございまして、買収のほうは三十四年から三十七年の間に行なわれまして、支払い金額は五千四百四十三万一千余円となっております。それから借り上げのほうは、これは権利金支払いでございまして、三十五年二月から三十六年十月までの間に六百七十三万五千余円が支払われております。それから工事のほうは九件に分かれておりまして、総支払い金額は一億二千六百五十七万九千円、これも三十五年十二月から三十七年十一月までかかって完成しております。  それで私たちがここで指摘いたしましたのは、この両競馬場における厩舎が非常に狭いというか、二歳馬等をここへ収容する目的で実はこの厩舎をつくったわけでございますけれども、中山のほうについて申し上げますと、その厩舎のあります白井から中山競馬場まで相当な距離があるわけでございます。せっかくそこへ厩舎をつくりましたけれども、道路が悪いために自動車に乗せて馬をそこへ持ってくると、馬が相当疲れるということで、やはり道路相当うまく整備しないことには、せっかく厩舎をつくっても、そこに馬を収容することができないという事情で、せっかく建物ができながら使っていなかったということでございますけれども、これはその後、県道でございますので、県のほうへ負担金を納入して、目下工事を促進中でございますので、これは遠からずでき上がることと思います。その道路工事が完成いたしますれば、一〇〇%利用可能かと存じます。  それから京都のほうの分につきましては、これはどうも位置の選定その他について、調査が十分でなかったということで、十棟建てましたが、そのうち八棟は京都競馬場のほうに移築いたしました。それから二棟は、阪神競馬場へやはり建物を解体して移築したということで、この移築はどちらも完了しております。要するにそういう厩舎を建てるのに、前もって調査を十分しなかったために、そういう手戻りというか、せっかくできたものが十分使えないような結果になっていたという事態でございます。
  16. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 畜産局にお尋ねいたしたいのですが、いまの話を聞いておりますと、京都の場合も三十六年ごろから、それから中山の場合は三十四年ごろからの計画だ、こう言われておるのですが、その結果はいま指摘されたとおりでありますが、そういうようなことについて畜産局という監督立場からは、やはり相当審査が行なわれて、これについての諾否がなされてこういうことが行なわれたと思うのですが、こういう点についての経過はいかがですか。
  17. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 先ほども申されましたように、中央競馬会予算事業計画決算等につきましては、農林大臣監督が行なわれるわけでございますが、したがって大ワク事業計画あるいは支出予算等については、農林省としてこれに関与し、監督を加えることにいたしております。細部につきましては、これも勝澤先生承知と思いますが、中央競馬運営審議会というものが法律競馬会の中に付置されておりまして、その運営審議会の議を経て中央競馬会運営が行なわれることになっておるわけでございます。端的に申しますと、この白井の分厩場とそれから久御山の分厩場については、個別の土地の取得もしくは施設整備という問題については、当時農林省は直接の監督をしていなかったようであります。ただいま検査院のほうから御指摘があり、かつそれについての御説明がありました経緯については、検査院お話のとおりでございます。
  18. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、畜産局の今日の監督行政から、こういうものについて相談をされ、これについていいとか悪いとかいう権限はない、こういうことでございますか。
  19. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 権限ということでございますれば、こういう施設をどういうふうにしたいがということの連絡があれば、それに対して監督官庁としての監督は私はでき得るし、また相当に重要な問題は監督を加えてしかるべしと思うのでございます。しかし非常に細部にわたりまして監督をいたすということになりますと、競馬のような特殊な条件と特殊な業務にわたる問題でございますから、行政庁があまりに細部に干渉と言いますか、関与いたしますことも、また差し控えるべきではないかというような気持ちは持っておりますが、この点については、おのずからその問題の事の軽重によって判断をすべき事柄であろうというふうに思っております。
  20. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 畜産局であまりおわかりにならなければ、中央競馬会から来ていただいて御説明願うことにして、次に、地方競馬全国協会畜産振興事業費補助金という形で毎年相当な金が出されているようでありますが、これについては畜産局としては御相談をされておるのですか、どうなんですか。
  21. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 御質問の地方競馬協会助成金支出につきましては、事前に農林省相談を受けております。
  22. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この補助金の配分の方法はどういう形で申請が行なわれ、どういう形で支出が行なわれるのですか。
  23. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 地方競馬全国協会のいわゆる畜産振興事業補助金というのは、先ほども申し上げましたように、中央団体地方団体に分けて基準を設け、かつ補助事業選定をいたしておるわけでありますが、補助事業対象になる事業選定基準というものは、協会業務方法書で定めるということにいたしておりまして、その業務方法書農林大臣認可を必要とするということにいたしております。三十七年度補助事業につきましては、中央関係団体選定基準対象としては、全国区域とする団体である場合、それから都道府県区域を越える団体である場合、それから、都道府県段階のものであっても、全国的な統一基準補助をする必要がある団体、そういう団体中央団体扱いといたしまして、選定基準につきましては、補助事業については、現に国庫補助金交付対象になっていないものがございます。それから、土地購入費原則として補助対象としない。それから、団体が本来負担すべき事務費とその他の経常的経費補助対象としない。それから、団体の赤字補てんは補助対象としない。事業主体原則として法人格を有するものである。——そういうことを基準といたしまして、あとはいろいろな申請中央団体から協会に出てまいるわけでありますが、個別の事業重要度緊要性によって選定をするということ以外には、それ以上こまかくは基準としては置いてないわけであります。地方関係団体というのは、都道府県区域以下を区域とします農業協同組合またはその連合会というものをさしておるのでありまして、補助事業対象は、いわゆるメニュー方式一覧表をあらかじめ作成をいたしまして、これを都道府県に示しまして、そして都道府県別助成予定金額というものを同時に示すということにいたしまして、各事業団体から都道府県知事のところへ申請希望の出てきたものの中から、都道府県知事が一次的に選定をいたしまして中央全国協会推薦をする。その推薦のあった事業につきまして、協会補助事業選定いたしまして補助金を交付する。その基準につきましては、先ほど申し上げました一般的な原則中央団体の場合と同様でありますが、地方に対する基準には、そのほかに、職員の給与は補助対象としないとか、都道府県市町村のような地方公共団体が主催である場合には補助対象としないというようにいたしておりますことが、違う点であります。それから、都道府県別補助予定金額をはじきます一つの基準としては、地方に対する総補助事業予算の二分の一を県別に均等割りする。それから、あとの二分の一を、家畜の飼養頭数農家戸数、総人口の比率で案分をするという形で各県別助成予定金額をはじくということにいたしたのであります。  結論から申しますと、三十七年度は、中央関係は六千八百万円、地方関係が一億七千百万円、合計二億三千九百万円を助成金として支出をしておるということになっております。
  24. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 たとえば社団法人中央畜産会というのに、私の手元の表を見ますと、地方競馬会から二百九十三万円出ている。中央競馬会から一千万円出ている。これ以外に、農林省からはどの程度出ておるんですか。
  25. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 中央畜産会に対する農林省からの助成は、ないはずでございます。
  26. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから、中央が六千八百万円で地方が一億七千万円という話でありますが、これについての基準はおありなんですか。
  27. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 特別に、中央地方についてのワクを定めるための基準というものは、三十七年度はございませんでした。
  28. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 中央段階で、中央競馬会から馬事振興助成金が出ておる。それから、地方全国協会のほうからも畜産振興補助事業として出ている。こういう二つの形で出て、それ以外に、畜産局からもこの補助団体にはお出しになっているのですか。出しているところもあるし、出してないところもあるのですか、どういうことになっていますか。
  29. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 補助団体とおっしゃいました意味がはっきりいたさないのでございますが、私のほうはかように受け取らしていただくことにいたしまして、勝澤先生の御要求になりました、表でお配りいたしました各団体に対しては、農林省から直接補助金は出ておりません。
  30. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これはあとで調べればわかりますけれども、中央競馬会なりあるいは地方全国協会から補助金が出ている団体には、農林省からは直接補助金あるいは委託費なり交付金なり、こういうものは出ていないということですか。
  31. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 中央関係の諸団体につきましては、同一の事業について農林省から補助をしておるということはないはずであります。ただ——ただと申しますか、ここに、中央競馬会から出しました馬事振興費助成金交付金の内訳として出ております団体については、これは補助金その他の委託費も、私の知る限りでは出してないと考えております。
  32. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それではひとつ、この中央競馬会から助成金が出ている団体、それから全国協会から畜産振興補助として出ている団体、この団体に対する農林省関係交付金委託費補助金等支出があるかないかというのを一応お調べいただいて、資料としてお出しいただきたいと思います。
  33. 白浜仁吉

    白浜委員長 いいですか。
  34. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 承知いたしました。
  35. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、今度は地域的畜産振興補助事業関係ですが、これは各都道府県別にこまかく出ているわけであります。これは、先ほどお話を聞いておりますと、基準があるようなお話ですが、どういう選定で行なわれるのですか。たとえば私のところの静岡県の例を見てみますと、磐田の大藤農協、南伊豆の農協、平田の農協、それから焼津の農協、こう四つ団体があるのですが、こういう選定というものはどういう形で行なわれるのですか。ここまでしぼってくるのにはなかなかたいへんなことだろうと思うのですが、ちょっと御説明願いたい。
  36. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 選定自身先ほど説明申し上げましたように、全国協会からの助成を希望する農業団体についての事業を、まず一時的に都道府県知事審査をいたしまして、都道府県知事推薦を基礎にして選定をするわけでありますが、全体を通じまして考え方としては畜産一般に影響を及ぼすような事業もしくは畜産共同化を推進する意味を持つ事業を優先的に取り上げていくという考え方を持っております。
  37. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 補助金交付先について、会計検査院調査することができますかどうですか。
  38. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 検査する権限はございません。
  39. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、地方競馬全国協会に対する審査はできますか。
  40. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 それもできないと思います。
  41. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院検査ができないといいますけれども、実際には地方競馬というものの開催なりやり方なりその他一切がっさいは法律によって規制をされて、その法律に基づいて畜産局監督しており、そしてきめられた額が畜産振興事業費補助金として出されておると思うのですが、中央競馬会の場合はそれができる、地方競馬会の場合はできない、個々の判定はどういうふうにお考えになりますか。
  42. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 御承知のように、中央競馬会につきましては政府が全額出資しておりますから、会計検査法規定によってこれは当然やらなければいかぬ義務があります。それから地方競馬のほうにつきましてははっきり記憶しておらないのですが、法律が変わっておるかあるいは私の記憶違いかもしれませんが、何かできるらしいような規定があるようにも私承知しておるのですが、ただそういったような助成先までやれるかどうかということについてはできないと思います。
  43. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは宿題で十分検討していただきたいと思います。
  44. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 いまの点、私の発言内容が間違っておるかもしれませんから、あとでよく調べて、もし間違っていましたら速記のほうは訂正をいたします。
  45. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで畜産局長、県の割り当てなり県の中の案分ですが、これは先ほど説明を聞いておりましたけれども実はよくわからないのですが、どういう形で行なわれるのでしょうか。中に、金額によりますと二十万円だとか十三万円だとかいうものもあるわけです。そして卵の補助金だとか、あるいは牛乳になったり草地管理になったり豚になったりしているわけですが、こういう中身の問題についてはどういうふうになりますか。
  46. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 先ほど申し上げましたように、各府県の助成ワクをあらかじめ予定をいたしております。もちろんそれも固定的なものではございませんが、助成総額はおのずから限られておりますので、都道府県知事のところでおおむね二分の一補助という考え方で、当該施設あるいは当該事業の所要経費というものを審査いたしまして、出してまいりましたものを、全国協会において、事務的にその推薦金額というものが妥当であるかどうかということをさらに査定いたしまして、総助成金額の範囲内でこの個々の金額もきめていく、そうして決定いたしましたものを農林省に承認を求めてくるという手続で定めておるわけでございます。
  47. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これと同じ取り扱いにモーターボートや競輪の金があるわけでありまして、補助事業といいますか、関連事業支出をいたしております。その中を見ますと、相当社会福祉的な面の支出が行なわれておるわけであります。そういう面の支出は行なわれていないのですか。そういう点はいかがですか。
  48. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 この地方競馬開催による収得金の中からの全国協会への交付金というのは、競馬法によりまして、馬の改良増殖その他畜産振興に資するための事業につきその経費補助するということで、他の公営競技におきまして、公営競技の事業主体自身が助成をする場合に社会福祉事業的なものに助成をする場合と考え方を異にしておる。地方競馬の主催者自身が、地方競馬の本来の目的に沿って、同じく社会的諸施設にその財源を充てておるということは、他の公営競技の場合と同様でございます。
  49. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それではその場合に、他の公営企業と同じだというのは、どれくらいのものが年間出されておるんですか。
  50. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 地方競馬の実施というのは、非常に数多くの地方公共団体によって施行されておりまして、その収益をどのように使っておるかということは、地方財政の収入源に入っていくというようなことからその明細をつかむことは、なかなかむずかしいわけでございまして、ただいま私どもの手元でどのくらいのものが社会福祉施設に使われておるかということは明瞭ではございません。
  51. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 中央段階においては、いまあなたが言われましたような法律でそうなっております。しかし社会福祉の関係支出するようになったのは、最近のことであります。他の公営企業も最近のことでありまして、これは法律改正によってそういうことが行なわれたわけであります。なぜこの競馬だけがいままでと同じような形になっておるのか、他のモーターボートなりあるいは競輪との関連がないのか、こういう点についてはどういうふうに御解釈されておりますか。
  52. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 競馬法第二十三条の三の改正をいたしましたときに、「都道府県は、その行なう競馬収益をもって、畜産振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行なうのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする。」ということで、これは先ほども申し上げましたように、地方公共団体地方競馬開催の主催者となってやる場合に、その収益はいま申し上げましたようなものに充てるように努力すべきであるということを言っておるのでありまして、全国協会への交付金というのは、全国競馬主催団体である地方公共団体からその売得金の一定額を中央協会交付金として納めるということによって、その交付金は、先ほど申し上げましたように、法律によって馬の改良増殖及び畜産振興に充てるための事業について補助をすることができるという一項目がありますために、その法律に従った助成をしておるということでございまして、実は冒頭で申し上げましたように、地方競馬全国協会は、この助成事業以外にも固有のそれぞれの仕事をしておるわけでありまして、交付金はそういう固有事業をするための財源の拠出金という性格と馬事及び畜産振興助成金に充てる、そういう二つの性格を持ったものであるということであります。
  53. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いや局長、そういうことでなくて、中央競馬会とそれからモーターボートなり競輪がありますね、その段階で社会福祉のほうに出すようにほかのほうは法律改正を行なわれてやられておるように思うけれども、なぜ中央競馬会だけがいままでどおりになっておるのか、こういうことなんです。法律がそうなっているのはよくわかるのです。
  54. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 これも先生は御承知のことでございますから簡単に申し上げますが、地方で行なわれております各種の公営競技につきましては、これは競馬も含めてでありますが、いわゆる国庫納付金というような形のものがないわけであります。したがって、売得金のうちから払い戻し金を含めました諸費用を差し引きました収益は、まるまる主催者の収益になるわけでございます。したがって、その収益の使途について社会福祉事業等にも充てろという規定があるわけでございますが、中央競馬会は、先ほども御説明申し上げましたように、まず第一義的に総売り上げ金額の中の一〇%を第一納付金として国庫に納める。残りの収益の中から競馬主催のための諸費用を差し引いた残額については、さらにその半分を国庫に第二納付金として納めるということになっておりまして、この国庫納付金の使い方について中央競馬会法三十六条で馬事関係経費のほかに「畜産業の振興のために必要な経費及び民間の社会福祉事業振興のために必要な経費に充てなければならない。」ということで、中央競馬会自身の助成対象ではなくて、国の経費の充当の規定があるために、そこで他の公営競技との法律上の取り扱いが違うわけであります。
  55. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私は、法律の中身を聞いておるのではないのです。ほかの法律となぜ違うのかということを聞いておるのでありますけれども、時間があれですから、また次の機会にして、それでは、地方競馬全国協会畜産振興事業への補助金についての地方に対する補助の仕方、補助対象補助基準といいますか、こういうことについての資料をぜひお出し願いたいと思うのです。そうしないと、一体どういう基準に基づいて、どういう団体に、どういう事業に出しているのかという点が私は実は理解に苦しむわけです。金額がほんのわずかでありますから、わずかなところにその県で五つか六つ、こうなっておりまして、一般の会社まであるわけですから、そういうものは一体どういう基準に基づいてやっているのかということをぜひ知りたいわけなのです。それと同時に、いまのお話ですと、これ以外に、地方競馬においては福祉関係にも出している、こう言っているわけでありますから、そういう観点から、一体地方競馬についての補助金はどういう形で出しているのかという点について、ひとつぜひ資料をお出し願って、次の機会に中央競馬会なり、あるいは地方競馬関係者に来ていただいて、もう少し競馬の問題について——私はまるきりしろうとでありますから、まだ競馬を一回も見たことがありませんので何も知りませんから、よく掘り下げて教えていただきたい、こう思っておりますので、資料をお願いして質問を終わっておきます。
  56. 押谷富三

    ○押谷委員 勝澤君の質問に関連をいたしまして、一点だけお尋ねをいたしたいと思います。  これは競走馬の登録協会の制度についてであります。中央競馬地方競馬も、競走馬はすべて登録協会登録をしなければ出走することができない制度になっているやに聞いております。その登録協会は、これは登録協会独自ですべてを行動できるのか、あるいは登録協会のすべての事務その他については農林省においてこれを監督あるいは指導をしていらっしゃるのか、それをまず伺いたいと思います。
  57. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 軽種馬の登録につきましては、軽種馬登録協会というのが社団法人として、軽種馬の登録を主任務とする事業を行なっておるわけでありまして、農林省は一般の公益法人に対する監督と同様の監督はいたしておりますが、その事業内容に立ち入って農林省がどうというような関与をすることは、他の法律との関係でやる必要がある場合はやりますが、一般的にそういうことをすることはございません。
  58. 押谷富三

    ○押谷委員 その軽種馬登録協会の仕事におきまして著しい不当であるとか、あるいは著しい不正があった場合におきましては、農林省はいかなる処置をなさるのですか。
  59. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 著しく不当なことがあるというような場合、こういう場合におきましては、一般に農林大臣は農林関係の公益法人の監督の義務を負っておるわけでありますから、民法上の農林大臣の主務官庁としての監督権限に基づきまして、不当の是正ということについて指導を加えることはできる、またすべきであると思います。不正ということが明瞭でございますれば、これはまたさらに強い監督権限を発動することが可能であると思っております。
  60. 押谷富三

    ○押谷委員 実は、その関係で私が取り扱ってきた事件があるのです。たいへんな不当な処置、考え方によると非常に不正な処置がありまして、牧場主、馬主等において、いかにも今日の登録協会のやり方が横暴であり、専横であるから、そこで、この軽種馬登録協会についていくことはできないから、同様のものをいま一つつくったらどうであろうか、独占でありますから、独占のための横暴をチェックするためにもう一つ社団法人の軽種馬協会をつくろうというような動きも一部あったのですが、そういうことは許されるお考えでありますか。あるいは今日の制度上二つの軽種馬登録協会は許されないというお見通しでありますか。お伺いいたします。
  61. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 軽種馬の登録について、法制的なたてまえからいいまして、単独でなければならないということではないと私は患います。しかしながら、軽種馬の登録につきましては、中央地方を通じる軽種馬としての資格といいますか、軽種馬としての確認登録をいたすものでございますし、さらに、また、そのことは国際的な軽種馬の登録関係とも結んでおるものでございますから、私どもは、監督行政立場から申せば、全国統一の登録機関があって、それによって関係者がお互いに理解し、円滑な、公正な運営のもとに行なわれることを強く希望せざるを得ないというふうに考えております。
  62. 押谷富三

    ○押谷委員 軽種馬登録協会には三百六十万円ばかりの補助も出ているようであります。こういうように政府の財政援助がある軽種馬登録協会でありますから、これは政府の息のかかった大切なもので、いまのおことばによると、全国統一で一本でやっていこう、それがまた国際的にもそういうことになるのがよかろうというお話で、私もそれは同感なんです。そうあるべきだと思うのです。しかし、今日の軽種馬協会理事者が頑迷で、もう話にならぬ独裁的な考えを持ってやっているということは、私自身が経験をしてきているのです。これは私の経験に基づいて申し上げているのですから絶対偽りはありません。しかも、最後の段階において、この頑迷な軽種馬協会理事者が頭を下げて、そしてわれわれの言うことに屈服をしたのですが、その屈服をした間において、りっぱな馬がもう七年も八年も競走馬として使うことができないという非常な苦しい面に出合っているのですから、こういう事実は監督立場にいらっしゃる農林省としては御承知だと思う。これは非常に名高い事件なんです。私はこれは世界的な。事件だと思っていたのです。そして、この前後の事情を考えると、何としても軽種馬協会理事者の頑迷が馬主に対して重大な損害を与えたということが考えられるのですが、この具体的な問題はいずれまたお耳に達することがあると思いますけれども、それは一応の処置がつけられたからよいのですが、今後もあり得ることなんです。独占の立場におって、そして競争の協会は一つもないのですから、そこへ登録をせなければ走らすことができない、登録さすかささぬかは、そこの理事者によってきめるのだ、こういうことになってしまうと、全く首根っこを押えられているという形にあるのが今日の軽種馬登録協会なんです。それに対して政府は三百六十万円も補助をしておるのです。補助をしておるような形においては発言権は当然あります。監督権も当然あります。具体的な一実があらわれておるのですから、私は畜産局のほうにもこの問題はもう六、七年前から申し上げたと思っているのです。協力もお願いをしたのです。ついにうまくいかなんで、昨年の哀れに至って解決ができたのです。しかも、ようやく登録ができた馬は現に優勝しておるのです。中央競馬場で優勝しておるような馬なんです。それがずっと長い間登録さしてもらえなかったという、そういう不正、不当な事実がありますので、これはまた追って具体的な事実をお耳に達しまして、そうして登録協会のこの問題についてお願いするのではなくて、登録協会としてのあり方について、監督者の立場からひとつ注意を喚起いたしたいと思います。こういう事実について不正、不当をさしてはならぬというお考え方に踏み切ってもらうよう北お願いをいたします。
  63. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 ただいま先生からのお話しにつきましては、具体的なケースについても私も思い当たるところがございます。軽種馬協会は日本唯一の軽種馬の登録についての権威的な存在であるべきであります。また、したがって、それだけ公正な法人であるべきと思いますから、私どもも、不正あるいは不当あるいは独断というような問題がありますれば、強くその公正な円滑な運営をするように指導を加えたいというふうに思います。
  64. 白浜仁吉

    白浜委員長 吉田君。
  65. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 畜産局長にえさの問題を少しお尋ねしたいのです。政府が輸入しておりますえさの総量は、これは三十七年、三十八年でよろしゅうございますけれども、概数はどのくらいになりますか。また三十九年度はどのくらいの計画でありますか。
  66. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 外国からの輸入に仰いでおります飼料の量は、三十七年は飼料の形として約三百七十三万トン、三十八年度は、これはまだ集計が完全でございませんから、当初の計画で申しますと、四百九十五万トンということでございますが、おそらく五百万トンをこえることと思います。三十九年度は全体の輸入量が五百三十九万トンというふうに見込んでおります。
  67. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 三十九年度におきまして、農林省予算説明書によりますると、飼料の買い入れ、売り渡しの損失が三十六億円見込まれておるようでありますが、三十七年、八年の損益計算はどうなっておりますか。
  68. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 ちょっと実は私の手元に資料がございませんが、三十八年の損益計算収支は約三十億程度になるであろう、予算としては三十五億ばかりの予算を予定しておりました。これは食管特別会計の中の農産物安定勘定の中に入っておりますために、飼料の損益の計算予算上必ずしも明確でなかったのでございますけれども、予定としては三十四億ばかりの損失を予定しておりましたが、実行は約三十億円程度になるものと思います。明年度予算はただいま先生の御指摘のとおりでございます。
  69. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 需給価格の安定のためにあるいは必要な操作上の損失かもわかりませんが、損失に至りました経緯を概要だけひとつ伺っておきたいと思います。
  70. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 政府の操作いたします輸入飼料というものは、飼料需給安定法に基づきまして政府買い入れ、保管、売り渡しをやって国内の流通市場の需給及び価格の安定をはかるということになっておるわけでございます。そこで政府の操作する必要な量というものを毎年度飼料需給安定審議会にはかりまして決定をいたしてまいるわけでありますが、その場合の買い入れの価格というものは、現実の輸入のコスト、保管料並びに政府の取り扱い経費というものがかかってコストというものが出てくる。ところが、この制度の本来の趣旨が国内飼料の需給及び価格の安定を目的とするものでございますから、法律規定によりまして、売り渡しの価格というのは原価にかかわらず飼料の需給事情その他の経済事情を参しゃくし畜産経営の安定を旨として売り渡すものとするということになっておりますから、そこで原価にかかわらずそういう必要のある場合には赤字が出るということを法律上認めておるわけでございます。欠損が出ますゆえんは、政府が管理いたします輸入ふすま及び輸入小麦からふすまを生産をさせて流通をさせるということのやり方をやりますもの、それから大麦の輸入ということにいたしておりますが、これらのものは実はトウモロコシでありますとか、あるいは大豆かすでありますとかいうような民間の輸入なりあるいは国内の生産によって大量に出回り、それが飼料の大宗をなしており、価格の市場支配をしておるというもにの比べますと割高な飼料なのであります。そこでそういうような割高な飼料というようなものを需給価格安定のために予定価格を設ける。そうしてその予定価格というものは、これは一般の場合は原則論としては一般公開入札、それから場合により必要がある場合には指名競争入札、場合により随意契約ということになっておりますけれども、いずれも原価をもって販売するということでは、飼料需給安定法の趣旨が貫けないということでございまして、その予測されます売り渡し価格とコストとの差が損失という形で出てくるわけでございます。
  71. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ふすまの例をとってみますと、三十七年度買い入れ価格が二万六千五百六十四円、売り渡しが二万七百五十七円、三十八年度が、見込みといたしまして、買い入れ価格が二万六千四百二十九円、売り渡しが二万一千三百四円、こういうことになっておるのですが、結局この差額というものは、最終の消費者が利益することに帰着するのですか、そうでなしに、途中でマージンになるのですか、そうではなしに、あるいは管理費が大部分を占めるのか、この辺の計算はどういうふうになっておりますか。
  72. 檜垣徳太郎

    檜垣政府委員 これは飼料需給安定制度というものが最終的な目標を畜産経営の安定を旨としてあるのだということになっておりますから、したがいまして、この政府の売り渡し価格を原価よりも安くするという効果は当然農家の利益に結びつくものであります。ただこれは公定価格制度等があるわけでもございませんしいたしますので、これらの趣旨を極力貫くという意味で、生産者団体等を通じて、生産者団体の適正なマージンを重ねることによって農家まで届くというようなことも一面考えておるわけであります。中には配合用のえさになるというようなことで、その点は必ずしも明確でないという一面があることはいなめないと思います。いなめないと思いますが、要は国内における飼料の価格というのは需給の均衡を破らないような状態をつくれば飼料の価格というものは高騰をいたさない、あるいは不当な価格形成というものが起こらないということでございますから、本来機能いたしますのは、政府の操作する必要な量というものが適正な市場価格形成に役立つというところが、私は本旨であろうというふうに考えておるわけであります。政府経費等もこの中に入っておることにつきまして、これはいずれにいたしましても制度のたてまえ上、年間を通じて必要な数量の調整をやるということでございますから、やむを得ざる経費であるというふうに思います。
  73. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういたしますると、政府から売り渡しを受ける買い主側は、払い下げ団体として団体名になっておるようでありますが、これは直接消費者にいくのでないのでありますから、どうせ三十億円の損失を見越していきますならば、最終的には消費者の利益に帰するということが終局のねらいでなければなるまいと思うのです。需給安定、価格安定と申しましても、途中のマージンなり管理費なりに消えていくということでありましては、この趣旨がほんとうは貫かれないのではないか、このうらみが多分にあるのではないかと思うのです。そこで、最終の消費者といたしましての買い受け価格は、この政府の損失の大部分の利益を受ける、こういうふうになっておらぬのではないか、この点を明らかにしておきたい。
  74. 吉岡茂

    ○吉岡説明員 お答えいたします。先ほどから説明いたしておりますように、飼料需給安定法によりまして政府買い入れ、管理、売り渡しをいたしております飼料の勘定につきましては、先ほど局長説明をいたしましたように三十八年度で約三十億、三十九年度では一応三十六億を予定しておるわけでございます。これは一応団体を通じて行っておるわけでございまして、その末端の消費者に至るまでの価格の規制というものは、これは法律の上でこれを規制するようにはなっておりません。その点につきましては、確かにおっしゃるように一つの問題があろうかと思うわけでございます。そこで農林省といたしましては、団体を指導いたしまして途中のマージンを極力縮小させまして、飼料需給安定法の本来の趣旨でありますように、飼料の価格と需給の安定、そういうような方向に指導をいたしておるわけでございます。
  75. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 行政指導をもって効果をあげることは、積極的に政府が最終消費者の利益のためにということを目標にしておやりになるなら私は可能だと見ておるのです。ことに相手が払い下げ団体というのは、団体が相手になっておりますから、それは話し合いで十分できると思うのです。やはり食管会計なんかの赤字もとかく問題になるときでありますが、飼料の価格を通じて最終の消費者が利益を得ずして、中間の団体法律の規制により得ないから幾ら利益を上げてもやむを得い、赤字は幾らでも国が補てんすればいいじゃないかという考え方に堕していけば、これはたいへんなんです。でありますから、行政指導ではないけれども、しかしやはり行政上の折衝の段階におきまして相当規制し得るものであると考えるのです。この点はひとつ明らかに三十九年度予算執行の面におきましては、よしんば三十六億円の損失を見込んだ予算にはなっておっても、前年よりも、さらにその前年よりもずっと低い赤字をもってとどまらしめるというような対策、指導が積極的になければなるまいと思うのです。そういうふうにいたしますことはあたりまえですというようななにでは、この説明はつかぬと私は見ております。どうしてもつかなければ、これは法律によって規制するということになるかもしれませんけれども、その範囲外のことであることは明らかなんです。だからあなたのほうが広い意味における行政指導をもってこの問題を解決して、損失を少なくし、あるいはまた最終の消費者が利益を均てんする、こういうふうに指導することがほんとうであろうと思うのです。いずれにか私は方針をきめてもらわなければならぬ段階にいまは到達しておるのじゃないか、こう思っておりますがどうですか。
  76. 吉岡茂

    ○吉岡説明員 末端価格の指導につきましては、先ほどから申し上げておりますように、私たちといたしましても、従来から途中の中間マージンというものを極力節減いたしまして、末端に低廉な飼料が供給されるというように指導をいたしてまいっておりましたが、三十九年度予算につきましても、先ほどからおっしゃいますように三十六億という赤字を計上いたしまして、飼料の需給と価格の安定をはかっておりますようなわけでございますので、この趣旨に沿いまして三十九年度の飼料の売り渡しにつきましても、積極的に強力な行政指導をいたしまして、飼料の需給と価格の安定、こういう方向に沿ってまいりたい、そういうように考えておるわけでございます。
  77. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 農業近代化資金の問題につきまして少し伺ってみたいのですが、近代化資金が大きな農業近代化の役割りを果たそうとしておりますことは、これはわかるのですが、その場合にはただいまのところは農協系統資金をもっぱらお使いになるとかいうふうに承っております。ところで、農協系統資金が一般の金融機関と比較いたしまして、かなり高い資金コストになっておるように思います。この点は同じ一分五厘の補助を出し、また地方の県段階においても一分五厘の補助を出すということになりましても、もっと資金コストの安い金を使うということにすることは、これはできぬものであろうか。公庫のほうへは財投の金がいっておりまして、三分五厘の金を使っていくようでありますが、近代化資金は事実こういうふうな八分ないし九分五厘の資金コストの要るような金を使わなければならぬ、これはどうしたものであろう。もっとも、これは根本的に農協なるものが高いコストがつくという点を改めるという、そこにさかのぼらぬとどうにもならぬのかもわかりませんが、これらの点について敏府は相当補助をなす以上は、近代化資金に高いコストのものを使わないで他の安い金利のものを使うほうがよほど効果があるんじゃないか、言いかえるならば近代化資金は農協系統資金一本というんじゃなしに、財投の金をこちらに繰り入れるというようにあるべきではないか。もっともこれはあなたのほうでなしに大蔵省の問題かもわかりませんけれども、しかしあなたのほう自身の態勢を固めていくということが根本問題であろうと思いますので、実は質問するのです。いかがでしょう。
  78. 松岡亮

    ○松岡(亮)政府委員 ただいま御質問のありました点は、農業金融の基本的な問題にも触れる重要な問題でございます。私どもといたしましても、農業基本法ができましてから近代化資金制度を設けまして、農協の系統の資金に対しまして利子補給をして、いわゆる近代化資金制度を設けたのでございますが、ただこの資金コストは御指摘のようにかなり高いわけです。一般金利に比べましてそれほど高いというわけではございませんが、政府相当の利子補給をしなければ六分五厘程度に、望ましい金利まで引き下げられないという状況でございますので、農林省といたしましては、まず農協の組織なり事業運営につきまして、コストが高くなる要因を分析しております。その結果といたしまして、まず単協の段階におきましてはいろいろ原因はございますけれども、たとえば大きな原因としましては、信用事業のほかにいろいろな経済事業をやって、総合的に運営されておるわけでございますが、その経済事業のほうがほとんど黒字を出さない、あるいは赤字になっておるというような状態が見受けられるのでございます。そのために、信用事業から経済事業に貸し出します金が無利子になっておる、あるいはその他の、経済事業のほうの人件費や事務費を信用事業のほうで負担するというような無理があるのでございます。もちろんこれは信用事業だけの改善ではどうにもならないわけでございまして、全体として農協の制度あるいは運営の改善に待たなければなりませんが、そのためには、先般来農協の合併の促進をやっております。これは相当効果をあげて、現在相当大型の農協ができつつあります。大型にすることは、いまのような問題に限らず、全体のコストを引き下げる効果を持っておるわけでございます。そういう対策も取りつつあるのでございますが、他方、農林公庫のほうから相当な財政資金を出しておるのでございます。これは、昨年度は八百七十億円のワクでございましたが、さらに本年度は千七十億——二百億大幅に増額いたしまして、その金利もさらに下げるようにいたしたわけでございます。いま御指摘になりました点は、こういう高い系統資金によらず、むしろ政府資金に利子補給をしてはどうか、こういう御提案でございますけれども、これはいろいろなやり方があるかと思います。御指摘のようなことも考えられないわけではございませんが、同じ政府支出をやって農家に対して低利の金を供給するという場合に、系統資金のように、償還の期限あるいは運用の年数が平均七、八年という、長期といえば長期でございますが、そういうものと、政府資金のように——現在農林公庫の運用は十二、三年、あるいは今回の改正によりまして十四、五年になるかと思います。平均そのくらいの長期に運用している場合と比較いたしますと、あとのほうの長期の場合におきましては、利子補給でいくよりも、政府が無利子の資金を出資して、それと資金運用部資金とを合わせまして、低利の資金にして貸し出すという方式をとったほうが、同じ政府の負担によりまして同じ効果をあげるのにより効率的である、こういう考えからいたしまして、現在におきましては政府出資をできるだけふやすということで、低利にするということをつとめておるのでございます。しかしながら、御指摘の点は、それだけに限らず、根本的な問題でございますので、農林省といたしましては、本年度におきましては、農業金融につきまして基本的な角度から再検討をいたしたいと考えております。
  79. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 たとえばパイロット地区への融資にいたしましても、やはりこの系統資金を使っていこうといたしますると、つい短期になりましょうし、乳牛などで五年償還というようなことでは、実際に皆償還が停滞していくのが通常ではないだろうか、こういうことも実は心配いたしております。ことにまた、農協資金がコストが高くつくという根本的な問題については、何としても各方面から御検討いただいて、いま相当構造を強化するというか、あるいはまた指導するかをしなければなるまい段階になっておるんじゃないか。たとえば市中銀行などでしたら、府県の金庫などで府県の資金を短期に預託するようなときには、大体無利息です。だから、市中銀行は無利息の金数億円を使えるという利便があるわけです。農協は百姓くさいという一面もあるけれども、建物はりっぱになって、内容も変わりつつありますけれども、やはり資金源といたしましては、農協は何といっても社会的信頼感は弱体ですから、その辺は、道は講ずれば幾らでもあるのじゃないかと思うのです。だから、内容的に考えてみましても、根本的には、コストを安くするということについての農協自体の構造改善の問題になってくるかと思いますけれども、いずれにしても当面しております近代化資金を、高い金、短期に返さなくちゃなるまい金を使っているというのは、どうも体をなさぬ。日本の農業政策としましても、ほんとうに考えてみなければならぬ点ではないか。ことに中金の金も、高いコストの金を扱っておるかもしれませんけれど角、直接農業の生産に役立たないような面にも流れておるのじゃないだろうか、二千数百億の金が融資されておるのでありますが、そういう辺も問題ではないだろうか、こう思うのであります。   〔委員長退席、押谷委員長代理着   席〕  いずれにしましても、近代化資金の長期低利の金を使えるというふうにしなければ、近代化の成果はその面からはなかなか上がりにくいということだけははっきりとしなければなるまい、こう思いますので御指摘申したような次第なのです。ですから、いまのような、ある一つの方法で抜本的な対策はないといたしましても、幾つかの方法をそれぞれとって問題の解決に進んでいってほしい、こう思うのですが、いかがでしょう。
  80. 松岡亮

    ○松岡(亮)政府委員 御指摘の点につきましては、今後研究する際にお考えの点を取り入れまして——私どもとしての今年度の基本的な検討をいたす予定でございますので、再検討して善処したいと思います。
  81. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 いまの、相当長期の資金に切りかえるということは、これはやはり即刻再検討せられませんと、刻々、問題は新たな問題を生んでいって、近代化が近代化にならぬというような問題を生みつつあるようにも考えられますので、この点は強く御希望申し上げておきたいと思います。  それから、もう一つ資金問題でありますが、中央金庫の金がかなり融資に向けられておる面につきまして、これは主として短期に運転資金が使われることになるんでしょうか、開銀との関係はどういうふうになっておりますか。開銀もかなり農業の生産に役立つような方面にも出しておるようでありますけれども、特に乳業会社などの関係は中金はどういうふうになっておりましょうか。これはあなたのほうの手が届いておるかどうかはっきりしませんけれども、どうでしょうか。
  82. 松岡亮

    ○松岡(亮)政府委員 開発銀行の制度と農林中央金庫の制度に直接の関連はないのでございますが、いま御指摘になりました乳業とか、新増設のための資金あるいは合理化のための設備資金が融資されており、その他肥料とか農林水産業に関連ある産業への設備資金が開発銀行から貸し出されておるのでございますが、農林中金も系統外融資といたしまして、これらの産業に対しまして余裕金がある場合に融資をいたしております。その場合に、いまあげられました乳業等におきましては設備資金を開発銀行から貸し出し、運転資金を農林中央金庫から貸すというような事例がございます。両方から設備資金が出る場合もございますけれども、設備資金と運転資金に分けまして農林中金が運転資金を貸し出しておる。もちろん一般の市中銀行も貸し出しておりますが、そういった例はございます。
  83. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 要するに近代化資金につきましては、できるだけ安い資金が豊富に使われるということに特段の御指導を願いたいことと、それから百姓自体が有利な仕事でないのでありますから、このほうに低利の金が流れてくるということはなかなか困難であるということもよくわかっておるわけでありますけれども、せっかく近代化を打ち出して進んでいきつつあるときでありますから、その点は特段と今後も御指導よろしきをお願いをしておきたいと思います。
  84. 押谷富三

    ○押谷委員長代理 勝澤君。
  85. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは続いて林野庁に対して御質問いたします。  林野庁の質問の中で最初に会計検査院にお尋ねいたしますが、三十七年度決算報告の中で、是正改善の処置要求の中の「国有林野事業特別会計に所属する国有財産の管理について改善の意見を表示したもの」、この中で三十八年度旭川外十二営林局につきまして行政財産、一般財産について調査をした結果が五百十三件の八百四十六万一千坪、それから普通財産で四百七十件の二百二十万坪という点が一応指摘をされておるわけであります。そこで、これを全国的に推定をしたら、国有林野の中の財産管理で改善しなければならぬ事項というのは一体何件、何坪ぐらいあるだろうかという点について、検査院としての推計がありましたらお知らせ願いたいと思います。
  86. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 私どものほうで調べましたのは、三十七年度林野庁で貸し付けております四万八千六百四十一件、四万八千百九十七ヘクタールのうちでいま申し上げた指摘をしておるわけでございますが、ただいま勝澤先生の御質問のように、これだけの指摘をして、四万八千件の中でさらにこれ以上どれだけこういう性質のものがあるかということでございますけれども、これは十三営林局全部につきまして私どものほうで調査をいたしまして、調書を出させました上で、改善の意見を表示しておりますような性質のものを選んで検査をいたしまして出てきました結果でございますので、いま申し上げました全体の貸し付け件数と私どものほうで指摘いたしました件数との比率でそれだけの不当事項が出てくるという性質のものではございません。
  87. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 林野庁全体で財産の貸し付けを行なっておるのは、全部でどのくらい件数があるんですか。
  88. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 ただいま申しましたように、要存置林野の貸し付けが四万八千六百四十一件、不要存置林野の貸し付けが千七百二十九件というように私どものほうでは承知いたしております。
  89. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ここに指摘されておる五百十三件なり四百七十件というのは、この四万八千六百四十一件の中のどの程度を検査した結果ですか。
  90. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 ただいま申し上げましたように、この貸し付け件数の中で一ヘクタール以上の貸し付け状況表というものを林野庁から提出していただきまして、その中で特に永久保存物ができておるということで当分これは営林財産として使用する見込みがないというようなものを私どものほうで一応チェックいたしまして、それを実地に検査した結果、これはやはりここに書いてあるような結論に到達したものをあげておるのであります。
  91. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 対象検査の件数はどれくらいですか。検査をした対象のところにこれだけあったということですか。どれだけの検査をして、その結果これだけの結果が出た、こういう点なんです。
  92. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 ただいま申し上げましたように、四万八千件あるいは不要存置でいいますと千七百件ありますが、これらのものにつきまして林野庁から一応調書を提出していただきまして、その中から目ぼしいと申しますか、いま申し上げたようなものを選びまして実地に営林局で調査をした結果でございます。したがいまして、いまお尋ねの何件、その四万八千件のうちやって何件というような数字はちょっと出てまいらない性質のものであります。
  93. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 林野庁のほうにお尋ねいたしますが、この指摘を見てみますと、大正十年ころから鉄道の線路敷になっていたとか、あるいはまた大正三年に鉱業所に貸し付けておったとか、相当古いものが行政財産の中であるわけであります。あるいはまた普通財産の中でも、たとえば登別温泉の第一滝本ですか、昭和八年からのものがある。それから日立の工場には十三年からのものがある。こういう古いものが行政財産、普通財産ともあるわけでありますが、指摘をされた内容によりますと、相当以前にこういうものについては解消し処理しなければならなかったというように言われておるのでありますが、これがこういう段階で放任をされていた原因はどういうことなんでしょうか。
  94. 田中重五

    ○田中(重)政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、たとえば旭川営林局管内におきます鉄道線路敷、それからいまも例にあげられたわけでございますが工場用地、これは青森営林局管内等にあるわけでございます。それでこの鉄道線路敷につきましては、公益事業であるということもございまして、相手方の希望もございましたので、貸付のままで処理をしてまいったということになっているわけでございますが、この点先般旭川の鉄道管理局と協議を遂げまして、三十九年度中に処分するということに了解を済ませておる次第でございます。  それから青森営林局管内におきます鉱業用地の点につきましては、相手方のほうが、その事業運営の面から見まして閉山するというような見通しもあったということで、そのまま貸付の形をとってきたわけでございますが、会社の将来に対する見通し等を相手方と十分に話し合いをいたしまして、適切な処理をもって解決をしたい、現在こう考えている次第でございます。
  95. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 長官、そういうことでなくて、大正十年のものやら大正三年のものやらあるいは極端にいうと明治三十八年なんというのがありますね。こういうものがなぜ今日まで行政財産なり普通財産として貸し付けが行なわれてきて放任をされておったか、こういうことなんです。いまのお話ですと、大正十年から貸し付けておったけれども、これが指摘をされて旭川鉄道管理局と話し合いをしたら、三十九年度に処理をすることになった。これはたいへんけっこうなことですが、なぜ何十年となく放任をされておったのか。極端な例が二番目の松尾鉱業株式会社の例ですが、これは大正三年からの話です。それが今日になって話をしたら、鉱山の閉山でこういう話があるのですが、放任されてきた理由というのは実はよくわからないわけです。
  96. 田中重五

    ○田中(重)政府委員 この売り払いの措置につきましては、この鉱山のごときは相手方の資力の関係もあって、その売り払いを受けるということについて話し合いがつかないままに推移したというような経緯であると考えられますけれども、そのような貸付のしかたが決して適切、妥当なものと考えられませんので、この際十分に是正をし、貸付の適正化、処分の適正化をはかるということで解決をいたしたい、こう考えている次第でございます。
  97. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 長官、そういう答弁ですと、どうしてももう少し突っついて聞きたくなるわけです。それはなぜかといいますと、いままで話をしてきたけれども、話がつかなくて今日にきた、こういう前提があるわけです。大正三年から話をしてきていままで話がつかなんだということは、私は国民の一人として理解するわけにいかないわけです。林野庁としてこういうことを行なってきました、そして過去においていろいろ指摘をされましたけれども、実はやりませんでした、検査院から指摘をされて、ようやくこれはやらにゃならぬということで、過去は申しわけありません、こういうことなら何も私は申し上げない。  ですから極端な言い方をしますと、林野庁というのは貸しっぱなしで、貸し付け料もこれはいろいろ詳細に調べれば問題があるわけです。要らないやつを、売り払えばいいやつを売り払わないでやってきたわけです。個人の財産でもそうですよ。あなたが自分の財産を明治三十八年から貸してきた、安い貸し付け料だ、これじゃとにかく売って向こうへやったほうが得だ、税金を納めるだけ損だというのが個人の財産でも常識です。国の財産に対する林野庁としての基本的な考え方があいまいだから、何回も指摘をされてもそれが今日まで放任をされてきたということを言わざるを得ないわけです。それは土地の貸し付け料の問題でも、三十六年にも土地の貸し付け料が安過ぎるじゃないかといわれております。三十七年にも貸し付け料が安いじゃないかといわれておる。貸し付け料が安いのだと三十六年にいわれたら、せめて半年か一年くらいの間に全部の営林署に対しましてその是正を行なわせるのが当然なことだと思うのです。指摘をされたところだけはやって、指摘をされないところは放任しておるというのが私は実態じゃないだろうかと思うのです。それでなければ、この調書の中で、明治三十八年からです、大正三年からです、十年からです、こういうものはないはずなんです。それがある原因が実はよくわからない。ですから、それを過去にさかのぼって言いわけをされるならば、私は一つ一つの問題についてどうしてもお聞きしなければいかぬ。私はこれを見まして、登別温泉に行ったときに第一滝本に泊まった。あれは林野庁で貸している普通財産だったことも実は初めて知ったわけであります。ここに二千五百二十六坪、過去は幾らで貸しているか、最近の貸し付け額だけ出ておりますけれども、これは何だ、林野庁で貸しておったのか、まさか林野庁の衆がただで第一滝本へ泊まったりするために貸しておるんじゃないと思いますけれども、そういう疑いまで持たざるを得なくなるわけです。そしてこう指摘をされたら早急に処理します、こういう話になっているわけです。会計検査院から指摘をされてもほったらかしておいて、決算委員会でやってようやく少しはその気になった、これでは困ると思う。その点を長官からお聞きしたい。あなたが明治三十八年から林野庁長官をやっているわけじゃないですから、別にあなたの責任とはいいませんけれども、農林省全体のものの考え方というものは、各局の中でみなあるわけですから、その中の一こまとして林野庁も同じような考え方を過去から現在までまだ続けておるんじゃないかという点で私は懸念しておる。いかがでしょう。
  98. 田中重五

    ○田中(重)政府委員 その点につきましては、確かに国有林野の適正な管理の面において十分でなかったということを認めざるを得ませんし、その点はまことに申しわけなく存じております。それで国有林野の貸付等の考え方につきまして、先般管内の各営林局にも会計検査院の指摘に基づきまして十分に指示をいたしました。その適正をはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  99. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ゴルフ場に貸したり民間の会社に貸しているようですが、観光会社に貸しているやつは早急に売り払いをしたらいかがですか。
  100. 田中重五

    ○田中(重)政府委員 普通財産になっておりますものにつきましては早急にこれが売り払い処分を進めてまいりたい、こう考えております。
  101. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 行政財産の中でも、そういう民間会社におやりになっているようだったら、どんどん払い下げをしたらどうですか。
  102. 田中重五

    ○田中(重)政府委員 行政財産の分につきましては早急に用途廃止をして普通財産にいたしまして、お説のとおりに売り払いを促進してまいりたい、こう考えております。
  103. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは資料をお願いしたいのですが、三十七年、三十八年あるいは三十九年、この中で、会計検査院から指摘をされて、そしてここに是正の問題として出されておりますから、これに基づいて貸し付け料の値上げをやった、あるいは払い下げをした、こういう総括の実績の表をできましたら出していただきたい。その実績表によれば、私はどこの収入になるかわかりませんけれども、営林署の収入というものは貸し付け料でいままでの最低二倍、多ければ三倍なり四倍なりに上がると思うのです。その貸し付け料を上げちゃいかぬという意見も片方にあることも承知をしております。しかし、やはり適正な貸し付けをしなければこれは国民として納得できないわけであります。ましてや事業を行なっている観光会社に貸しているあるいはゴルフ会社に貸しているというようなことにつては、これはやはり適正なことをやってもらわなければ、一体どういう立場でこれが貸し付けを行なわれたのか、そしてその貸し付け金額は一体どう査定をされたのかという点について、どうしてもまた次の疑問が起きるわけであります。特に最近国有財産の処理の問題につきましては、いろいろと問題が各所に起きておるわけでありますから、ひとつ厳重な処理を私はお願いしたいと思うのです。特にその資料を要求してこの問題は終わります。
  104. 田中重五

    ○田中(重)政府委員 ただいま御要求の資料につきましては急速に整えまして提出をいたしたいと思います。  それから貸付あるいは売り払いの価格の査定につきましては、お説の御趣旨まことにごもっともでございますし、私どももそういうような趣旨を体しまして、その評価の適正を期してまいりたい、こういうふうに考えております。
  105. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、林野庁を終わりまして、今度は食糧庁のほうに移ります。  食糧庁は会計検査院から麦の処理の関係で三十六年度、三十七年度指摘をされているようでありますが、三十六年度に指摘をした問題と三十七年度に指摘をした問題、この関連の中で会計検査院にお尋ねしたいのですが、重複した部分といいますか、三十六年度に指摘をされたと同じような事案が三十七年度も指摘をされた、この原因とそれから農林省の処理の状況について検査院のほうの御意見を賜わりたいと思います。
  106. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 三十六年度につきましては、精麦工場のうち八十九工場を検査をいたしまして、そのうち二十五工場について指摘をいたしております。三十七年度の分につきましては、ただいま申し上げました三十六年度検査をいたさなかったもの、そういうものについて検査をいたしました結果三十七年度の指摘ということに相なっておるわけでございます。  なお、この事後処理につきましては、食糧庁のほうでそれぞれ違約金を徴収するものは徴収するということで処理をいたされております。
  107. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三十六年度検査の結果指摘をされた事項について、会計検査院のほうにお尋ねしますが、三十七年度に今度は別の食糧事務所で検査をしたら、三十六年度に指摘をしたような事項が出てきたということはどういう原因なのでしょう、どこに問題があるのですか。
  108. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 先ほど申し上げましたように、三十六年度この問題について私どものほうで検査をいたしましたその結果、ただいま申し上げましたように八十九工場を検査をいたしまして、二十五工場について違反を指摘したという結果になっておりまするが、その後、また三十七年度に、先ほど申し上げましたように三十六年度にいたさなかった分について検査をいたしました結果、三十七年度の結果が出てきたということでございまして、多少われわれのほうの検査で指摘いたしました結果について、食糧庁のほうで直ちに全部について内部監査と申しますが、それが行なわれますればあるいはこういうことにならなかったかと存じますけれども、実際問題としてあるいはそういう点に困難な面があったのかと思います。
  109. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 検査院に聞いているのは言いにくいことを言いなさいということを言っているのじゃないのです、事実を報告してください、こう言っていいるわけです。  そこで食糧庁にお尋ねいたしますが、三十六年度に指摘をされながら、三十七年度検査をやったらまた同じような事案が出てきたということは、いかに食糧庁が、会計検査院から指摘をされた事項について、あるいは極端に言いますと、行政監察について何もやっていないというふうに私は思うのですが、三十六年度に指摘をされて、三十七年度にまた同じようなことが指摘をされたこのことについて、三十六年度に指摘をされたときに一体どんな処理をしてきたのですか。
  110. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 特別麦の問題について三十六年度会計検査院から指摘をされ、三十七年度に重ねて指摘をされるような事態が生じたこと、まことに申しわけないと思っております。食糧庁といたしましては、三十六年度に指摘を受けたこれは、前から契約の履行の確保については努力してまいったのでありますが、三十六年度会計検査院に指摘をされたので、さらに通牒等をもって、関係者にこのような事態の再度起きないように、食糧事務所に対しましては契約の履行について厳重なる監督をするようにということで、注意を喚起しておった次第でございます。  なお、具体的には、麦の生産量の確認ということは一つの違反防止のポイントだと考えまして、製品に検定証紙を張らせることにいたしまして、この検定証紙の受け払い関係を明確にするようにいたしましたこと、それから包装に容量別のものがあるものですから、同じ検定証紙を張るにしても容量別の包装容器には別の色の証紙を張って、教量の確認、計算がはっきりいたすように、そういうようなことをさせ、あるいは作業日報と台帳と——いろいろな台帳がございますが、それらの台帳等をとらせて間違いのないようにというような、いろいろな指導を強化していったわけであります。もちろん全麦連等の関係団体に対しても、下部の組合員に自主的な監査をなお一そう強化するように指示するなどの処置をしておったわけでありますが、にもかかわらず、三十七年度再度御指摘を受けるような結果になったこと、先ほど申し上げましたけれども、たいへん申しわけないことと思っております。
  111. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私はたいへん残念に思うのですが、一度指摘をされていながら、またそれと同じようなケースが次の年に出てきている。それで、その処理の仕方というものがおざなりのような処理の仕方をしている、つかまったところが悪くて、つかまらないところが得をした、やはりこういうやり方じゃございませんか。農地の問題につきましても補助金の問題につきましても、補助金等適正化法に違反をしているということがはっきりしていていながら、一件も農林省としていままで法律違反でやったことがないというのです。これでは私は規律が守れないと思うのですよ。やはり指摘をされたことについては、徹底的に行なって二度とそういうものが起きないようにして、起きた現象についてはしっかりした処分をすべきだと思うんですよ。処置をすべきだと思うんですよ。そういう業者についてはまた特に取り締まりをすべきだと思うんですよ。三十六年度に行なった処理のしかたと三十七年度に行なった処理のしかたとは、当然違うべきだと思うんですが、その点いかがですか。
  112. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 違反を起こしました工場に対しましては、一般的に違反防止策としては先ほど申し上げたとおりでございますが、具体的に違反を起こした当工場に対しては特に注意を喚起するほか、余剰麦の売り渡しを一定期間停止しております。  お尋ねの三十六年度と七年度の処置のしかたの相違といいますか、いまの売りどめ、そういう問題については特段の差は設けておりません。
  113. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 違約金をとるとか、そのほかの処理をするとかは、契約書にちゃんときまっていることですから、あなたのほうで監督をすれば当然出てきた現象として処理できるわけです。ですから私はそこで言うんですけれども、あなたのほうの監査というのはどういう監査をしているのですか。会計検査院から指摘をされたら、その指摘事項に基づいて、当然今度は監査が残った地域について二度と起こらないように——二度と起らないのではないのです。三十六年度に指摘されたようなことというものは、全国的に行なわれておったわけです。行なわれていながら、あなたのほうは実は黙認をしておった。検査院から指摘をされたところだけはしようがないから契約によって違約金を出せといって違約金を出した。調べられなかったところは得をした。あとはもうほおかぶりをしておったということが実情なんじゃありませんか。ですからこの制度そのものに無理があるなら無理があるということを明確にすべきだと私は思うんです。そういう無理があるとかないとかということは言わずに、起きた現象だけについてあなたのほうは答弁をしてつじつまを合わしておるから問題になる。一体全国的になぜこういうことが起きたかということについてもっとはっきりした御答弁を願いたいと思うんです。なぜこういう現象が起きたのですか。
  114. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 会計検査院の指摘を受けましたあと、食糧事務所をしまして検査院に指摘された以外の工場についていろいろな業務監査をさせたのでありますが、何せ食糧事務所の職員の監査能力と監査権限といいますが、おのずから限界があるので、深く突き詰め得なかったことを遺憾に思います。これは一例でございますが、監査してみますと、一応の書類では数字が合っていて違反の事態が発見できないんですが、なお裏帳簿といいますか、そういうものまで追及しないと発見できないという事案もあったようでございます。そういうことで、私のほうで業務監査してみておるのですが、食糧事務所という性格上から深く立ち入るのには限界があるので、実態が十分突き詰め得なかったことを遺憾に思います。
  115. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 業務監査でわからなかったことが会計検査院検査でわかるというのは、そこに権能の違いがあるのですか。何の違いでそういう結果が出ているのですか。
  116. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 私たちのほうの業務監査としましては、一応売り渡し契約でそういう監査をするようにしてあるのですが、そういう売り主として、契約上相手の業務内容といいますか、そういうものを調べるには、おのずから限界があるというふうに考えております。一応備えつけられた原料の受け払い台帳、それから製品の受け払い台帳、あるいは加工台帳、その程度のものと実際とを照合していくというのが限界だろうと思います。ものによっては裏帳簿みたいなものまで見ますと、よくわかるというものもあったようでございますけれども、私たちのほうで調べるには一応、台帳と照合するという程度でとどまったわけでございます。
  117. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 食糧事務所でやったことですから、食糧事務所の人が行って調べるのが一番わかりがいいと思うのですが、それが行ってわからなかったが、会計検査院でわかった。権限は何も相違がないのですよ。だから私はその相違点がわからないというのです。だから、そこで、食糧事務所の監査員は、一体ほんとうに監査したのかどうかということが問題になると思うのです。人がかわって行ったらわかったが、人が同じ人だからわからないというのは、一体どういうことでしょうか。これではいつまでたっても同じことが続くじゃありませんか。いかがですか。
  118. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 同じことを繰り返すようで申しわけないのですが、私のほうで調べるにしても一応は整えられた書類以上に突っ込んで、いろいろな財務諸表とか、あるいは裏帳簿みたいなものがもしあったとしたら、そういうものまで掘り出して追及していくということには、私たちそれだけの権限はないんじゃないかと心得ております。
  119. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院はその権限があるのですか。
  120. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 いや、検査院には権限があるかどうか存じませんけれども、私のほうとしてはそういう権限はないと思いますので、一応業務監査してみたものの、なかなか発見ができなかったという実態になっております。
  121. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは権限の問題ではないのでしょう。それから全国的にこういうことがあったというのは、食糧事務所としてあるいは食糧庁としてはこういうことがあるだろうというのは予測されるでしょう。予測される事項ですよ。予測されている事項について検査に行くには、やはりそれをどういうふうに調べたら、一体そういうことが起こらないか、あるいはそういう事実が明確になるかというのは、専門屋じゃございませんか。専門屋がわからなくて、しろうとの検査院が行ってわかったというのは恥ずかしいことですよ。ですからそこに食糧庁とあるいは食糧事務所と、あるいはこういう業者団体との関係というものを、どうしても疑わざるを得ないじゃありませんか。しかもその処理のしかたは何ですか。契約に基づいて違約金をとっておるだけじゃありませんか。これでは問題は解決しません。  このごろ、青少年の非行、犯罪とかなんとか盛んに言っておりますけれども、ここへ警視庁の刑事局長が来たときにこう言いました。おとなの世界が子供に映っておる。子供は露骨ですから百円なり二百円なりかっぱらいます。しかし、おとなはりこうですからそれを合法的に、つかまらないようにやっておるだけで、つっつかれたらこれは損をした、こういうことじゃありませんか。これが実態ですよ。そういう取り締まりをしっかりしなければいつまでたったって、国民から見たら一緒になってうまいことをやっておるな、会計検査院がつっついたら、つっつかれたところだけが損して違約金を出せばいいんだ、また来年度やったら、おれのほうへ来たからおれはつかまったんだ、おれはばかを見たんだ、これでは幾らたったって取り締まりはできませんよ。この点は農林省という役所の各局で起きている現象です。とにかく勧告されたこと、注意されたこと、それから書かれたことまでそのままになって、同じようなことが繰り返されておるのです。きょうは食糧庁長官が見えないようですけれども、政務次官のほうから厳重にこれはもう三十八年九月で廃止になったようですから、こんなことはないでしょうけれども、やはりものの考え方の基本がここにあるのですから、ひとつその点御注意願いたいと思いますが、いかがでしょう。
  122. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)政府委員 ただいま御指摘やら御注意やらいただきましたが、そのとおりでございまして、権限はどうありましょうとも、世話をしております食糧庁のほうでもっとしっかりして調査をすべきだと考えております。お話がありましたように、甲が行って指摘できなかったことを乙が行ってそれを指摘されたということは、どんな理由も立ちません次第であります。ただ食糧庁のみならず、お話しがありましたように、農林省各局にわたって御注意を受けるような面が多うございますので、今後十分注意し、十分監督して、こうした轍を踏まないようにやってまいりたいと思っております。
  123. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 政務次官、こんなことで食糧長官が選挙に当選するようじゃ困るのですよ。こういうことで結びついておるようだったら、国民としてはまことにこれは腹が立つわけですから、言いにくいことをひとつ言っておきますけれども……。  次に、消費者米価の問題について前回指摘いたしました。そこで、消費者米価の値上げは、終戦後いつ、何回、値上げを行なってまいりましたか。
  124. 筒井敬一

    ○筒井説明員 消費者米価の値上げは、大体こういう問題が起こることを考えまして、二十六年以降いわゆる公団制が廃止されまして民営に移管したということでございます。それから上がりましたのは、正確にはあれでございますが、二十六年の八月に一回上げまして、それから当時相当インフレの時期でございましたから、おおむね毎年上げておりました。それから三十二年に上げました以降三十七年の十二月までは据え置きになっております。最近といたしましては三十七年の十二月一日の値上げというのが、いままでの最終の値上げの時期でございます。
  125. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 不明確でありますので、二十六年からの消費者米価の値上げの期日、それから値上げの額、このことについてお調べになって資料としてお出し願いたいと思いますが、いかがですか。
  126. 筒井敬一

    ○筒井説明員 早急に調べまして提出いたします。
  127. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、卸業者なり、小売り業者というのは、どういう法律に基づいて、どういう形で選定が行なわれるのですか。
  128. 筒井敬一

    ○筒井説明員 まず小売りにつきましては、消費者からの登録を受けまして、それでもって小売り業の登録を受けるということになります。それから卸につきましては、これまたそういうようにして登録されました小売りから登録を受けたといいますか、結びつきによりますところの関係において卸業者が登録される。これはいずれも食管法に基づく政省令によってきめておる次第であります。
  129. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで小売り業者なり卸業者というものは、最近は異動があるのですか。あるいはいつからこれが固定化されておるのですか。
  130. 筒井敬一

    ○筒井説明員 固定という意味がちょっと正確にわからないのでございますが、卸、小売りにつきましても、やめていく小売りもございます。また卸でもあるいは統合いたしたりするようなものがありまして、数といいますか、軒数が必ずしもずっと固定いたしておるということでなしに、若干でございますけれども出入りがあるわけでございます。
  131. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 前回の三十七年十一月現在のときの卸業者三百九十六、小売り五万七千五十九業者、こうなっておりますが、これは卸あるいは小売り別々にして、業者の数は相当大きな異動があったのですか。
  132. 筒井敬一

    ○筒井説明員 その後でございますか。
  133. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その後です。
  134. 筒井敬一

    ○筒井説明員 その後は若干あるかと思いますけれども、それを大きく動いておるというようには考えておりません。
  135. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 前回指摘をいたしました二十九年の十二月二十五日に会計検査院から食糧庁長官あての注意書きで、二十八年度決算検査の結果に関する件ということで、価格差益の処理について注意書きが出されております。この注意書きに対する処理はどういうふうな御処理をされましたか。
  136. 筒井敬一

    ○筒井説明員 当時「マージンを圧縮するなど貴庁の行政措置により調整した例もある次第であって」云々ということでございまして、当時はそういうような御注意をいただいたのでございますけれども、当時研究いたしましても、なかなか適切な方法がなかったのではないかと思われるのでありますが、実はそのままといいますか、それ以後価格差益につきまして、特に吸収するというような方法はとっておりません。
  137. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、この注意書きが出たけれども——そのあとがよくわからないのですが、どういうことですか。
  138. 筒井敬一

    ○筒井説明員 注意書きが出ましたけれども、その後いろいろ研究いたしたことであろうと思うのでございますけれども、なかなかその当時適切な方法が考えられなかったのではないかと思いますが、差益を吸収するという方法は講じておりません。
  139. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 適切な方法が考えられなかったので、そのままになっておる、こういうことですか。
  140. 筒井敬一

    ○筒井説明員 当時のことでございますので、私若干推測を入れて申し上げたのでございますが、そういうような事情ではなかったかと、こういうように考えておるわけでございます。
  141. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 当時の模様を詳細に取り調べをして、当時の取り扱いの結果について、書面で御報告を願いたいのですが、よろしゅうございますか。
  142. 筒井敬一

    ○筒井説明員 当時のことでございますので、十年ぐらい前のことでございますから、できるだけ調べまして、わかる範囲において御報告をいたさせていただきたいと思います。
  143. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ひとついまの問題は、関係者をしっかり集めていただいて、そうして十分な審査をして、食糧庁の長官という名前あてで出ておる書類でありますから、それについての処理をどういうふうにしたかという点を明確にしていただきたいと思うのです。あやふやなものであっては困ると私は思うのです。不明確なら不明確ということを明確にしていただきたいと思います。どうしても不明確なら、いかなる理由で不明確であるかという点も明確にしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。本委員会に正式な文書として明確にしていただきたいと思います。
  144. 筒井敬一

    ○筒井説明員 調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
  145. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、この書類の中で指摘をされております、物価統制令が廃止されたあとでも業者のマージンを圧縮したなど食糧庁の行政措置によって調整した例もある。具体的にどういう措置をしたのかという点についても取り調べの上、書類で報告していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  146. 筒井敬一

    ○筒井説明員 実はこれにつきましては、相当前のことでございますので、現在も調査はいたしておるわけでありますけれども、方向として考えられましたことは、マージンの改定の時期をある程度ずらすというような方法調整されたのではないか、かように考えておりまして、ここに書いてある貴庁の行政措置云々というのもそういう趣旨ではなかったかというように考えております。明確に幾ら徴収したというようなことは過去、二十六年以降においてもなかったようでございます。
  147. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いまのお話は、なかったということで正式な回答でよろしゅうございますか。
  148. 筒井敬一

    ○筒井説明員 非常に古い話でございまして、現在、関係者ももういなくなったりなんかしているような者もあるわけでございますが、現在の段階で調べましたところによりますと、明確にマージンで調整をいたしてその差益を吸収しておるというのはなかったのではないか、こういうふうに考えております。
  149. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院から正式な文書で書かれている内容でございますから、現在の時点でとかよくわからないとかという御答弁ではたいへん遺憾でありますから、この点につきましても、ひとつ詳細にお取り調べの上御報告願いたいと思うのです。そしてその取り調べた内容について不明確ならば、どういう取り調べをしたという取り調べの内容までについても明確にしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  150. 筒井敬一

    ○筒井説明員 現在の段階でできる範囲において当時のことを調査いたしてみたい、かように思います。
  151. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院が消費者米価の値上げによる価格差益についての改善意見の中で指摘をしておりますその数量は十五万四千八百十三精米トン、あるいはまた卸売り業者三百九十六業者で十一億八千三百三十一万余円、それから小売り業者で五万七千五十九業者、四億八千七百九十五万余円、合計価格差益十六億七千百二十六万余円。この数量、金額につきまして、検査院はどういう形でこの計算をされたのですか。
  152. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 各食糧事務所を検査いたしました際に、食糧事務所のほうで調査していただきまして出した結果でございます。
  153. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、この数量、金額につきましては食糧庁のほうも承認をされておるというふうに会計検査院承知をしている、こういうことですか。
  154. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 先生のお説のとおりでございます。
  155. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、この数量、金額については、食糧庁については承認をされておる、こういうことでよろしゅうございますね。
  156. 筒井敬一

    ○筒井説明員 これは、数量につきましては私のほうで調査いたしました数量でございます。金額は、この前も御答弁申しましたとおり、一応推定でございます。実際はそう大きく変わるとは考えられませんけれども、一応推定によっております。   〔押谷委員長代理退席、委員長着   席〕
  157. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 推計だと言われておるが、会計検査院は確認をしておると言われておる。まあ違いがないといえば違いがないけれども、違いがあるといえば違いがあるのです。もし、いまあなたが言われたように推計だというならば、金額として何ほど程度の違いが出てくるのですか。
  158. 筒井敬一

    ○筒井説明員 これがどれほど実際と違っておるかということにつきましては、この前もお話がございまして、現在末端の事務所から調査をいたしております。したがいまして、実際問題としてそう大きく変わるとは考えておりませんけれども、これは一応こちらのほうで推計いたした結果であります。
  159. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 推計だ推計だというと、私はどうしても質問したくなるのです。あなたのほうから出した資料でこの私のところの金額が出ているのじゃありませんか。ですから、少しぐらいの金額の違いということを言うために推計だ推計だという言い方をするならば、私は遺憾ですよ。あなたのほうから出ている資料によってこの金額というものは確認されておる。しかし詳細にやってみたらこれだけの異同がありました、こういう結果論ならば私はそれはやむを得ない、それはそうだろうと言いますよ。しかし今日の段階において検査院に指摘されて、金額を書かれて、あなたのほうからこの資料を出しなさいと言ったら、同じ資料が出されておって、それでなお推計だ推計だというならば、一体この金額を異同させようとする邪推を私はあなたに感ずるのですけれども、いかがでしょう。
  160. 筒井敬一

    ○筒井説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
  161. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこでこの中身の問題は別として、今後の問題としてどういう形で御処理をされようと思いますか。今後消費者米価が上がった場合の価格差益はどういう形で処理をするほうが妥当だとお考えになっておりますか。
  162. 筒井敬一

    ○筒井説明員 これはこの前農林大臣からも御答弁申しましたとおり、今後の問題といたしまして、現実問題としては物価統制令の当時にありました差益の規定も現在ない状態でございますから、法的にどうこうするということはなかなかむずかしいことであろうと思います。しかし相当金額が販売業者の手元に残るということも、これまた問題があろうかと思いますから、これをどういうように吸収していくかということにつきましては、さらにいろいろ検討いたしてまいりたいと思っておりまして、まだ結論としてこういう方法が最も適切であるというようにきめておるわけではございませんが、いろいろの方法において考えていきたい、かように思っております。
  163. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今後の問題として、消費者米価が値上げになったときに価格差益をどう処理したら妥当か、こういう点についてひとつなるべく早い機会に成案をして、本委員会に御説明を願いたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
  164. 筒井敬一

    ○筒井説明員 この問題は、実は性格上から見ますと非常にいろいろむずかしい問題があるのじゃないかとわれわれ考えておりまして、契約の方法あるいはマージンによって吸収する方法、いろいろあります。またこの卸、小売りの価格というものは物価統制令によってやっておるというような性格もあります。過去において物価統制令で差益の吸収規定がありました当時でも、三分の一はその業者に帰属するというような規定などもあったわけでありまして、差益の性格というものは実は非常にむずかしいのではないかと思いますけれども、できるだけ早くいかなる方法で取るのが妥当であるかということを検討してまいりたい、さように思います。
  165. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今後消費者米価が上がったときにはどういう形で価格差益を徴収したものか、あるいは法律を直さなければならなければ法律ででもいいし、あるいは行政上の問題なら行政上でいいですから、あるいは行政措置の問題でできるならできる、こういう点をひとつあなたのほうの素案を出していただきたい。書面でその結論をひとつ提出していただきたいと思う。この問題につきましては一週間後にもう一度聞きたいと思いますから、一週間以内にその点を明確にしていただきたいと思います。  それからこれは官房長にお願いしておきます。あなたの所管ではないと思いますけれども、砂糖の価格差益について一回処理したことがありますから、砂糖の価格差益はどのようなことが起きてどういうような形で処理をしたか、ひとつこの関係の報告といいますか、書類を、あなたのほうから主管局に命じまして、ひとつ早い機会に出していただきたい。よろしゅうございますか。
  166. 中西一郎

    ○中西政府委員 よろしゅうございます。
  167. 白浜仁吉

    白浜委員長 吉田君。
  168. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、元来農林省所管の各予算執行上の問題点等につきましても、農業なりあるいは沿岸漁業なりは、他の産業に比較しまして非常に後進性の要素が多いものでありますから、このような観点からいたしまして、できるだけ時勢の進運に即応するような体制に内容を強化し、あるいは所得等を引き上げるような、そういう希望を持っていろいろ質問を続けていきたいと思うのであります。そこで伺いたいことは、沿岸漁業対策の問題であります。しょせんこの沿岸漁業に従事するものは零細漁業者でございますので、これらの零細漁業者が、国が関与する範囲におきまして、特に予算その他の施策の関係におきましては、多分に大きな保護の態度をもって臨まなければならぬ問題が多いのでございます。そこで、根本的に、主として私は瀬戸内海に住んでおりますので、瀬戸内の具体的事情しか多くはわからぬのでありますけれども、やはりこれらに従業する多数の零細漁業者の立場というものは、瀬戸内の漁業におきましてもいろいろな面で心を痛める問題にぶつかるのでありますが、沿岸漁業の振興ないしは沿岸漁業に対して予算を執行する面等から見まして、何が一番重要な問題点とお考えになっておるのであろうか、あなたのほうの予算説明政府予算説明を通じて沿岸漁業の対策を推進していきますといろいろとうかがわれるのでありますけれども、何か、こういったものだけでは十分に行き渡らない。きめのこまかい沿岸漁業対策というものがなければなるまいと思うのですが、最重点は何に置いておられるのでありましょうか、ひとつお聞かせを願っておきたい。
  169. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 御指摘のように、漁業におきましては農業と同様に原始的な産業でございます。なお水産業におきましては、特に沿岸漁業は、ただいま先生からも御指摘ございましたように、非常に規模が零細でございます。また全国の津々浦々にこれが分布して漁業をやっておる、こういうような関係でございまして、これに対する水産業の振興、ひいては沿岸漁家の所得の増大、生活の向上、こういうことはわれわれ水産庁も非常に大きな施策のウエートを置いてやっておるわけでございます。その点は昨年成立いたしました沿岸漁業等振興法というものを基本といたこまして、これに示されました国の基本的政策の方向に従って、今後沿岸漁業の振興をやっていく、こういうことが基本方針になっております。  それでこの基本方針に沿いまして、沿岸漁業の振興をやっておるわけでございますが、その施策の重点はどこに置くか、こう御指摘でございますが、われわれといたしましては、やはり沿岸漁業につきましてその動向をどういうふうに把握するかということで、本年漁業動向を出しましたわけでございますが、その中で沿岸漁業の最近におきます水産の生産におけるウエートというものが、やはりだんだん下がりつつございます。  なお沿岸漁業の中でも漁船漁業と養殖漁業、こういうふうに分けられるわけでございますが、養殖漁業は非常に所得が、最近のノリ、カキその他真珠あるいは魚類の養殖、こういうことで伸びつつございますが、漁船漁業はなお停滞的な傾向がある、こういうことがいわれております。全体的にも中小漁業あるいは遠洋漁業というようなものの生産量の伸びに比べまして、沿岸漁業の生産量の伸びは非常に低い。伸びてはおりますが、その伸び率が非常に低い。こういうことが指摘されておるわけでございます。  そういうことがございますので、沿岸漁業の振興対策といたしましては、ただいま水産庁として一番力を入れておりますのは、沿岸漁業の構造改善対策事業でございまして、これは全国を四十二地域に分けまして、そこで二年間調査いたしまして、そして沿岸漁家の基礎を十分把握して計画的にその振興策を調査、確立いたしまして、それに基づいて事業をやっていく、こういうことで三十七年からすでに事業化しております。  そういうことでその中で取り上げておりますものは、結局沿岸漁業といたしましては、資源の問題が非常に重要な問題でございますので、資源の維持培養ということで、漁場改良といったものを重点的に取り上げるとともに、操業いたします沿岸漁家の資本装備が非常に低いということで、それに対します補助なりあるいは公庫からの低利、長期の融資というものを確保いたしまして、この近代化をはかって生産性を向上していく、こういった資源の培養とそれから沿岸漁業におきます近代化、こういうものを二本立てにしてやっております。こういうことで沿岸漁家の振興をはかってまいる、これが基本的な対策でございます。
  170. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 全国の沿岸はずいぶんと長い延長になっておりますのと、各地方事情はかなり異なっております。そこで私は、たとえば例をあげまして、最近の地域開発との関連におきまして、あるいは新産都市といわれ、あるいは工業整備特別地域ともいわれまして、新たに設定されようといたしますが、これは申すまでもなく、これに近づきます。漁業というものは、むしろ犠牲産業になるべき立場ではないだろうか。そういたしますと、たとえば鉱工業を中心として経済開発、地域開発を行なっていく地域、その地域における沿岸の漁業というものはどうなるんであろうか。結局、沿岸漁業振興対策、構造改善などと申しましても、あるいは漁源の確保とか申しましても、押し寄せるような経済、技術、鉱工業の発展という前に、地域開発の国策的な推進という前に、沿岸漁業は、結局これは風前のともしびで、いつか運命は没落してしまうべきものではないだろうか。この突きとめた、底をついたような一つの判断と認識を持って沿岸漁業対策を考える。振興だけが沿岸漁業対策じゃなしに、どうせだめなら、日本のたとえば綿栽培と同じように——綿栽培に幾ら力を入れましても世界的な趨勢には耐えられないのですから、そういった場合には百八十度の転換を考えることも、沿岸漁業の一つの考え方じゃないだろうか、こういうふうにも思うんですが、そういう考え方は一体政府の中にはあるのだろうかどうだろうか。ここからまた議論を展開していくのですが、どうなんです。
  171. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 御指摘のとおりでございます。陸地におきまして、高度経済に順応いたしまして、新産都市の建設なり鉱工業整備地域の指定による鉱工業の地帯の設定、こういうことは御指摘のとおりでございます。われわれといたしましても、そういう問題とこの沿岸漁業の振興をはかっております構造改善対策事業との調和、調整というものをどうするかということは、基本的な問題として検討いたしております。それで、この構造改善対策事業は大体県一地区になっております。北海道のようなところは四地区、あるいは長崎県のようなところは二地区、こういうことになっておりますが、大体県一地区の構造改善対策地区ということで指定して、その中で、ただいま申しましたような沿岸漁業の実態を把握してそういう振興計画を立てる、こういうことでございまして、御指摘のような一律な振興対策ということじゃなしに、地区の特性をよく調査して組み入れていくという段階におきまして、そういった新産都市の設定によりましてその地帯の沿岸が埋め立てられる、あるいは公害が生ずる可能性がある、こういった点の調整は、いわゆる新産都市の基本整備計画を立てる際に、優良な漁場といったものの保持にはできるだけつとめる。また資源上重要な産卵場、繁殖場、そういうものはできるだけ保持につとめる。新産都市の計画上、そういう点が避けられるところは避けてもらいたいということで、県でそういう点の調整を十分はかるようにということが基本計画にも入っておるわけでございますが、具体的な問題として埋め立てがどんどんできる。ノリの養殖場その他の養殖場が減っていく、こういうような点も具体的には起こっておるわけであります。そういう点につきましては、やはり養殖事業というものも今後の漁場の転換ということを考えなくてはならぬ、こういうふうに考えております。また漁船漁業等につきましても、さらに外洋に出ていくように漁船を大型化し、また指導もする。漁業内における転換方策をまず考える。そしてまた、そういうことがなかなか転換できないという面も御指摘のように出てこようかと思いますが、そういう点についての方策としては、やはり新しい産業に吸収されるといったような方法も十分県の段階におきまして考えなくてはならぬ。いわゆる転退職といいますか、そういう点も考えなくてはならない。これは漁業動向に指摘いたしましたように、三十二年から三十七年までの漁業の従事者の動向も、大体五年間に十二万程度減っておりますし、また経営体も二万五千減少しているというような状況でございますが、それが自然に転退していくということじゃなしに、それについても十分手を尽くして、安定した転業先に行くような形で、県単位には、そういった転退者の就業についてのあっせんのできるように、漁業関係を中心にした協議会といったものもつくって、それに職業紹介所の所長も入ってもらう。そういう点の指導も今後やっていきたい、こういうふうに考えます。
  172. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 たとえば新産都市、あるいはこの国会に成案となって出るだろう工業整備特別地域——これは類似のものでありますが、いずれも、沿岸漁業の関係がそれぞれとつながっておるものであります。そこで考え方として織り込まれておるようにも見えますけれども、私は、やはり日本の水産業は、遠洋漁業なんかにはずいぶん力を入れておりますが、沿岸漁業の問題はほとんどあとから追っかけていく状態だろうと実は思うのです。これは率直にそう思うのです。たとえば、本年漁業共済の制度が、新たに本格的なものになってきます。これでも、漁業者がやいやい言わなければできておらぬ。農業のごときは、もうとっくの昔にりっぱな制度ができておるし、労働組合にしましても、労働組合のいまの実情というものはそれに伴っておりません。これでは全く時代離れした無力な存在ですから、こういう点から見まして、やはりいまの時勢の変化があまりに激しいものでありますから、技術革新、経済開発等のほうがあまり激しいものですから、とかく沿岸漁業のほうは非常におくれていくんじゃないかという危惧の念も、若干私にはあるわけです。そこで、新産都市なりあるいは工業整備特別地域なんかが、やがてどんどん進んでいくはずでありますが、沿岸漁業はどうあるべきかということを、一歩先んじて対策を立て、あるいは予算化し、あるいは折衝も重ねていくということが、たとえば政府が出した予算説明の沿岸漁業の振興対策というものを通覧いたしましても、どうも出てこないのですね。それならば、言いますけれども、たとえば公害の問題でも、ずいぶんと水質が悪化しまして、魚も住まなくなってしまうような問題につきまして、あるいは新たに漁場を設定するとか魚族資源を確保する問題といたしましても、一体新産都市なんかとにらみ合わせまして、どこまで施策が具体化しつつあるのか、現に具体化しておるのか、その辺は一体どうなっておるのでしょう。これからそれに対処するというのが、正直なところ、いまの段階の実情ではないのでしょうか。調査をして、その上で県単位でやってもらうということが、今日の実態ではないんでしょうか、それはいかがでございましょうか。
  173. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 沿岸漁業の問題、地域によりましても、また自然状況も違いますし、業態も違いますし、非常にむずかしい問題でございますが、たとえば愛知県等におきまして、御承知のように東海製鉄ができる。上野町あたりは相当埋め立てられております。これは新産都市じゃございませんが、名古屋周辺に非常に大きな工業化地帯の推進ということによりまして、埋め立てなりあるいは公害的に水質の汚濁ということが起こってくるわけでございますが、そういう問題に対しまして愛知県の構造改善対策としては、やはりそういうノリ場がなくなるということでノリ場の転換をいたしております。それは漁場を外に持っていくとか、あるいは近回りでこれからも防波さくをつくって沖合いにノリの漁場を出す、こういった具体的な策をも講じております。われわれといたしましても、そういう新しい養殖漁業が起こし得るような自然的条件のそろったところは——養殖漁業というのは非常に採算性もよろしゅうございますので、そういう方向に転換させる、具体的に地元の計画に従って指導しながら転換させる。それから漁船漁業につきましても、無動力船が大部分動力化いたしておりますが、現在の沿岸漁家の動向といたしましては三トンから五トンのディーゼル化を——大部分進んでおりますがさらに促進して、そういったものに近代的な装備をして指導船をつけて沖合いに出ていくということで周年操業をやらせる、こういった三トンないし五トンの周年操業という方向にこれを持っていくということで稼働時間あるいは就業労働時間をふやしていく、それに漁場を組み合わせていく、これは地域地域で異なりますが、沿岸漁業の方向としてはそういったことを構造改善の中で考えていく、こういうことでございます。
  174. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこが問題でありまして、たとえば新産都市にいたしましても工業整備地域にいたしましても、愛知県のみならず、全国的に重工業を中心にいたしましてどんどんと開発し、進出してまいります。そういったときに、やがて漁場がなくなるということがもう必然の運命と見られる場所が相当あるわけでございます。そういったところには、漁船漁業をどうするかということによって、きょうのなりわいを少しでもよくするということもありましょうけれども、もう一歩突き進んで、たとえばどうせだめならどうするかということもあるでしょうし、それならたくさんの人間をどうするかという問題もあるでしょう、職業転換の問題もあるでしょう、あるいは資金を投下いたしまして、そこらに類似の工場を設置するというような問題もある。そこまで間口を広げてやらぬと、依然として古いものを守っていくというやり方ではないでしょうけれども、魚々で追っかけていく、あるいはノリ、ノリで追っかけていくというだけでは追っつかないほど激変しつつあるので、それに対処する対策を先手を打たなければならぬのじゃないかと私は言っておるのです。ですから、たとえば漁閑期におきましても、最近の漁閑期の労力をどうしておるかといいますと、これはほんとうに戦慄します。やはりこれらは生活を守るためにもつと積極的に指導をしてやらなくてはいかぬ。それも広い意味における沿岸漁業対策です。漁業者の生活ですから、食う道ですから。これはあれやこれやさまようような状態にまで追い込まれている地域すら出ております。ですから多角的に漁業者と漁村と、そして産業との均斉発展といったような広い角度で立体的につかんで、沿岸漁業対策を立ててもらわなければならない。そうしてたとえば新産都市にしろ工業地域開発にしろ、沿岸漁業の立場は違うのですぞということが可能かどうか、とてもだめだ、どうせみな廃船していかなければならないということになるか、それともそうではなくて、新たにいろいろな養殖でもやれるのか、こういうところを突き詰めた対策を先手を打ってとっていくことが水産庁の任務であろうと思っておるんです。県にまかすのもいいけれども、大車輪でこの問題と取り組んでもらいたい。そうでなければ細々とした沿岸漁業者の不平不満、陣情の声があとを断たぬと思う。これは非常に重大な問題であり、漁業問題でもあるし、社会問題でもあるし、また政治問題でもあるんです。だからそういう意味におきまして、この場ではあまり精細に各般にわたって論議はいたしませんけれども、沿岸漁業の根本のあり方といたしまして、激変する地域のいまの開発の実態に即した先手を打ち、広くあらゆる角度から検討した沿岸漁業者の生活全体というものをひっくるめた沿岸漁業対策を立てるように持っていってもらいたい。これが私の所見でもあるし、そういうような政策のあり方をできるだけひとつ示すようにしてもらいたい。これが水産庁に対する強い要請なんです。そういう角度からお尋ねをいたしておったわけです。そうしないと、沿岸漁業者の立場は、いま言ったごとく風前のともしびのような立場に置かれていく運命ではなかろうかと思いましてお尋ねしたわけです。
  175. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 御指摘のとおりでございます。われわれも構造改善を県にまかせておるというふうに誤解されておるようでありますが、構造改善対策事業は県と国の共同事業でございまして、県が実態を把握して計画を立てるところを農林大臣審査して承認し、それに対して国が補助助成をしていくということになります。先生の御指摘のように、激変する工業化地帯の沿岸漁業の将来の方向を、この構造改善対策の中に十分反映するようにわれわれとしても指導し、また今後の対策の立て方についても努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
  176. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 水産庁はよろしゅうございます。終わりました。  それから前回に引き続きまして、地方市場について伺いますが、簡単に要約していきますからもうちょっとおつき合いを願いたいと思います。  それでは園芸局に伺いますが、この地方市場の重要性は、政府においても、また各方面においてもだんだんと認識されてきております。大臣からも基本的な問題の考え方も一応伺ったのでありますが、具体的に考えていきますと、私はやはり保護指導についてどうするかが非常に大事だと思っております。特に最近の価格変動による生産者の損失が大きいので、これらの地方市場を通じてこの辺の大きな損害をなくすのにはどうすればいいだろうか、この問題は、一つは、生産者を守り、地方市場を守ると同時に、ひいては消費者を守ることになって、流通機関としての地方市場を強化するという点で非常に重要な課題があると思うのでありますが、この価格が激変する際に価格変動による損害を補てんするということは、中央市場法による市場二十二カ所は全部受けておるんです。ところが法外市場はこの利益に全然均てんしないというのはどういうわけかと思いますが、その点どうですか。
  177. 小暮光美

    ○小暮説明員 ただいま中央卸売り市場にかかわる野菜価格の変動に対しては手が打たれておるが地方市場にはないというお話でありますが、これはあるいはタマネギ等の価格安定事業との関連を御指摘かと存じます。園芸局で現在のところ全国的な流通の蔬菜といたしましてはタマネギ、それから地域的な野菜の流通の問題としましては、京浜地区を対象としたキャベツと、この二品目を野菜の生産安定制度と称しまして、一つの実験事業として価格変動の防止、それから自主的な調整をいたしましても力及ばず、価格が低落をいたしました場合の見舞い金、こういったような仕組みをやっておりますけれども、中央卸売市場に計画的に出しましたものだけに限っております趣旨は、御承知のように価格そのものは市場側が積極的につくるものでございません。市場は公正な鏡として需給が発動した姿で価格が出るものをできるだけ公平無私に映していただきたいというふうなぐあいになっておると私ども理解いたしております。産地側を強力に指導いたしまして、供給過剰の場合に出荷の調整をする、こういったような形で価格の安定をはかりたいということでやっておるわけでございますが、そうした共同行為をいたしましても、本年のような各野菜全部供給過剰というような異常な状況のもとでは、いま申しましたキャベツの例でも価格の維持ができない。そこで大暴落いたしたわけでございますが、これに安定協会のほうから若干の補てんをいたすにつきまして、どの生産者が計画に基づいていつ出したかといったようなことの出荷調整が基本でございますので、そうした計画に基づいて出されたものであるということの確認という事務があるわけでございます。この確認の事務を中央卸売市場法に基づいて監督されております中央卸売市場の荷受けからの報告という形に整理いたしておりますので、ただいまの実験事業におきましては、制度の対象となるものは指定された中央卸売市場に出荷したものというふうになっておるわけでございます。
  178. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 指定された中央卸売市場のみに限定されて、価格下落等による価格の損害の補償のための国の補助地方各府県の補助が、中央卸売市場に出荷されたものに限るというところにやはり問題があるのです。中央卸売市場の全体の扱い量は四割、地方のこれらの法外市場は六割、こういうことであるとしまするならば、何らかの手を打たなければいかぬと思うのですが、この価格の差損の補てんをするのは、中央卸売市場に限らなければならぬという理屈はどうも出てこないのであります。たとえばいまのタマネギにしましても、キュウリにしましても、トマトにしましても、産地指定までやっておるような重要なものでありますが、こういうものをこれらの地方市場にも同様に補てんするということを積極的に施策する必要があるのじゃないかと思うのです。この点は次官どうでしょう。私自身は別に市場屋でも何でもないのですが、この問題はやはり保護を受けておる実態の把握がむずかしい。これは事実です。実態把握はむずかしいようですが、扱い量が全体の六割で、しかも中央卸売市場法による中央市場が全体の四割、その四割へ出したものは、それぞれ国なり県なりが価格補償をしておる。価格補償をするところへみんな集まってきておる。補償してくれぬところへ集まってこない。集まってこない地方の市場なるものはだんだんと一種の混乱を起こす。その混乱をした結果は、生産者も困れば消費者も困る、市場の機能を果たし得ない、こういう結果を来たすのですから、やはりせっかく補助をするのならば、特定な受け入れ体制を用意させて、そしてそれに向かって補助するという政策を出さなければいかぬと思うのですが、ひとつこの点は省議できめて、そして国の施策として補助対象を広げるということは、決してこれは無意味じゃないと思うのです。たいしたことじゃありません。ことにいまやっておるのは、国が三分の一、県が三分の一、生産者が三分の一積み立てておるようでありますから、念のために兵庫県へきのう電話をかけて聞いてみましたら、四千五百万円ほど持っているらしい。四千五百万円のはした金で調整なさるというのはえらいですなと笑い話になったのですが、いずれにいたしましても、そのような中央卸売市場に限るということは、これは全く行き届かぬ政治だと思いますので、省議で方針をきめて、やはりできるだけすみやかにこれを実現するほうへ努力をしたらどうかと思うのですが……。
  179. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)政府委員 ただいま当面の問題として野菜の農作と申しますか、暖冬異変によって、生産者は全くその苦労が報いられない状態になっておる、何とかこれを考えなくちゃならぬという御意見と同時に、一面またその流通機構の役割りを果たしております市場関係、わけても中央卸売市場、特にまたそのうちでも指定された中央卸売市場に出荷したものだけ、一部が価格の補てんをされておるということは、農業政策からいっても、また国民の生活必需品流通機構の立場から考えても不当であるから、何とか全般に及ぶような道を考えたらどうか、ごもっともな御意見と考えております。そこでまず、いま直ちに全般の地方市場にまでその価格補てんの制度を及ぼすかということは、十分これは検討し、考えていかなくちゃならぬことでありますが、その前に御指摘のありましたように、全消費量の四割のみが中央卸売市場で取り扱われて、五割から六割程度が地方市場で取り扱われておる。このお話のございましたように価格補てん問題も問題でございますが、地方市場をどうしていくかということは、大臣も答弁をしておりますように、もっと前向きの姿勢でこれを考えていくところに生産者と消費者との流通機構が完全なものにいく、こう思っております。現在のように四割の中央市場取り扱いのみに中心を置いて考えるということは、俗っぽいことばで申しますと、片手落ちな不完全なものでありますので、御指摘のありましたように、価格補てんの問題は問題といたしまして、直ちにこれを全地域は適用することは困難でございますが、その根本問題である地方市場というものを今後ひとつ前向きな姿勢で検討を加えていきたい、これによって全生産と消費のバランス、需給調整の道が開けるような努力をしていきたい、私も吉田先生の御指摘のように、非常にこの問題については熱意を持って考えておりますので、今後省内におきましても十分検討をするように命じていきたいと考えております。
  180. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、やはりただいまの地方の卸売り市場というものが完全な保護指導を受けておりませんために、実態の把握も困難だということも聞いております。また事実どうもそうらしいのであります。しかしながら最近の情勢は、そういうことの弊害なり必要なりをだんだんと自覚いたしまして、かなり広範に十数県にわたって横の連絡をとりながら、これが対策に乗り出しているということも聞き及んでおります。  そこで一つの問題は、中央市場偏重にならないために、補助金を出すのならこの地方市場にも補助を出してもらいたい。そこで出す場合に、いまのような実態ではちょっと困る面もあると思う。というのは受け入れがはっきりいたしませんので。たとえば卸売り業者甲、卸売り業乙、丙、三つあるやら五つあるやらはっきりしないという面もどうもあるらしい。こういうわけでございますので、たとえば五つなら五つの卸売り業者が一つの株式会社をつくるとか、あるいは特殊な法人ということになると法律が要りましょうけれども、何かそこに、受け入れる体制として法制的にも補助を受け得られるようなものをつくることが一つと、同時に公の資金が流れていくということになれば、これはやはり監督も必要でありましょうから、地方自治体がある程度関与していく。たとえば、村にはないでしょうから、さしあたって十五万を若干切りましても市長などが関与していく、あるいは府県が関与していく、こういうような関係におきましたならば、これは国なり県なりが三分の一の補助を出しまして価格暴落による損害を補てんし得る体制が整い得るのじゃないだろうか、こういうふうに思うております。その点どうだろうかと思って業者の人々などに聞いてみましても、そういうことは受け入れとしても可能であるし、また地方の市長のような人に聞いてみましても、事務的にもいけるようでありますから、ひとつこういう意見もあるとして御参考にしてもらって、そして今後のその方面の強化あるいは拡充の対策を立てる資料にぜひせられんことを希望しておきたい、こう思うのでございます。いかがでございましょうか。
  181. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)政府委員 御意見まことに、生産者の立場から考えましても、また消費者の立場から考えましても、けっこうな御意見のように私は思います。そこで、ただいま地方市場に対する措置としての御意見ございましたが、そうした御意見を十分尊重いたしまして検討を加えていくようにしたい。これはただ口で検討でなくして、これが実現できるようにまじめに私は申し上げておるつもりでありますが、誠意をもって善処するように検討したいと思います。
  182. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それに関連いたしまして、地方市場の対策をお立てになります上においては、やはり水産物の水産庁関係と肉類の畜産局関係、青果物の園芸——どうも地方の市場対策を考えようとする場合に、扱う品種によりまして幾つかにこれを分掌されておるようでありますので、これらのものは性質が若干違いますので青果物市場と違ったような面が伴いますけれども、やはり共通したものも持っておりますし、ことに消費者なんかの立場からいたしましたら大事な点でありますので、全体を貫いて総合して立てられる施策こそ望ましい、こう思いますので、これを申し上げておきます。  これで終わります。
  183. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)政府委員 そうした先生の御意見ごもっともと思いますが、これについてはいろいろの意見も出ておるし、私も関係業者からまたかわったような意見も聞いておりますので、大いにこれは検討してみたいと思います。ここでどうするということは明らかにできませんことを残念に思いますが、検討いたします。
  184. 白浜仁吉

    白浜委員長 山田長司君。
  185. 山田長司

    ○山田(長)委員 たいへん時間がおそくなっているのに関連して伺って恐縮ですが、ただいまの吉田委員の御質問は主として国内のことに関連があったのですが、私はちょっと外のことについて伺ってみたいと思います。  最近、政府の方針に従う農業近代化の施策の一途として、ナシやクリやカキ、ブドウ、リンゴ、ミカン、こういうものが補助金等で盛んに国内で麦畑などをつぶして生産されつつあると思うのです。まだここ三、四年ですから、ナシ畑も完全に果実を収穫する時期に至っていないだろうし、あるいはまたブドウ等もその収穫時期に至っていない部門もあると思うのですが、これが政府の方針に従ってどんどんつくられつつあるわけですから、これは必ず生産過剰になることは明らかだと思うのです。これに対する対策はどんなふうに立てているのですか。これはむしろ大臣等に伺うべき筋合いのものかもしれませんけれども、実際に携わっている人に伺っておくほうがよいのではないかと思って、この際お伺いします。
  186. 小暮光美

    ○小暮説明員 果樹の植栽についての長期見通しというものを農林省が一昨年公表いたしてございます。その当時に見通しました姿では、見通しの目標年でございます昭和四十六年において、かんきつ類はなお若干生産が需要を下回るのではないか、リンゴ等につきましては、逆に若干生産が需要を上回るのではなかろうか、しかし果樹全体といたしましては、なお若干不足するのではないかといったような見通しを実は出したわけでございます。これはいわゆる見通し作業でございますので、その後の年々の現実の植栽あるいはいま御指摘のような一つのブーム的な現象も一部ございます。そういった点を織り込みまして、園芸局におきまして、見通し発表後のごく最近までの植栽等につきましても、種類別、さらにそれぞれの種類、たとえばリンゴの中をさらに紅玉、国光、祝とか品種別にも分けまして、いろいろ検討いたすように目下取り運んでおります。  何と申しましても、経済全体の流れの中でくだものの価格がきまるような面もございまして、昨年の秋は、後ほど申し上げますが特殊の形が出てまいりましたけれども、それまでは、どちらかと申しますと、三年間連続して価格が水準として上がるというような状況でございまして、国内のくだものの価格があまりにも高いために、これまでかなりの海外市場を開拓しておりました輸出果実関係が次第に鈍る、それからなまのミカンあるいはリンゴ等も国内の需要があまり強過ぎるために、せっかく確保しておりました市場を次第に後退するといったような面がむしろ問題になっておったわけでございます。しかしながら最近植栽技術が変わってまいりまして、昔のように、かなりの間隔を置いて植栽して相当長期間の育成をするという形にかえまして、密植することによって比較的早く収穫期に入る、木が育つにつれて徐々に間引いて大きな木にしていくというような植栽の技術がかなり発達してきましたために、九州地区に見られますように、かんきつ類の新植の効果がかなり出てまいっております。そこで園芸局といたしましては、今後の植栽指導上、すでに発表してございます長期見通しとの関連を十分考慮しながら、指導の間違いのないようにしてまいりたいということで検討いたしております。価格そのものの問題につきましては、野菜類と比較いたしますと、くだもののほうは出荷調整等についてなおかなり努力の幅がある。そういった面の体制の強化という問題をいまのうちから十分に取り上げて、流通上の問題点の解明をしていきたいというように考えております。
  187. 山田長司

    ○山田(長)委員 ただいまの御答弁の中にもありましたが、輸出が鈍るという点について、実は去年もおととしも香港の青果市場を私見てきました。その市場にたまたま高知県から大きなスイカが出ておった。高知の吉原の農協の技術員が香港に行っておりまして、日本の内地で見られないような大きなスイカなので、これはどうしたスイカなのだと聞いたところが、栃木県のカンピョウの芽と結びつけた特殊な栽培によるものであるから大きなスイカなんだという説明だった。それが珍しいもので一応輸出がきいているようだったのですが、リンゴの場合においても輸出がなされておったけれども、輸出をする場合における検査の隘路があって、もっと出荷させたくても出荷させることができない状態にあるという話を伺ったのです。私は、出荷させたくても出荷ができないような選別に隘路があるとするならば、その隘路の状態を早く打開してやらないと、長期見通しで農家の人たちが大きく変化をしたなれない仕事をやっているのに、見通しに希望が持てなくなるのじゃないかという気がするのです。出荷の隘路という形は選別する機関が一部組合ボスに握られておるという情報を得たのですけれども、こういう点は出荷組合の人たちにまかせておくのじゃなくて、もっと政府の機関で、これらの問題についての指導育成をすべきではないかと思うのですが、出荷の方法というのはどんな形で選別がなされ、それで希望が持てざるような事態になるのか、農林省としてはおそらくこの内容がわかっておるのじゃないかと思うのですが、一応御説明願いたいと思います。
  188. 小暮光美

    ○小暮説明員 なまくだものの輸出につきましては、かなり長い伝統を持っておったわけでございます。どちらかと申しますと、香港貿易等をおもにやっております貿易業者としては、中小企業に類する人たちが長年の経験を持っておった。あまり大きな総合商社といったようなものは、こういうなま物をあまり扱いたがらないわけでございます。そういうことである程度専門化いたしておりますけれども、しかし、なおかつこれが非常に多数の需細な業者であるといった点から、せっかくの日本のなまくだものあるいは蔬菜類も一部ございますけれども、生鮮蔬菜なり果実の輸出がいわゆる過当競争のためにいろいろの問題を起こした経験があるわけでございます。そういった面から、ただいまのところ農産物の輸出につきまして、輸出入取引法に基づいて農産物輸出組合というものを結成いたしております。この農産物輸出組合でそれぞれ組合員の順守すべき事項という形で、毎年の生果の輸出につきまして、あの法律の範囲内でのある程度の調整をやっておるわけであります。その調整のあり方について、いま申しましたように、過当競争の弊害を除去したいということが本旨でございますけれども、調整という面からまた別の意味でのいろいろな問題が年々起こるのでございます。こういった点につきましては、当然輸出組合は農林省と通産省において指導監督すべき法律に基づく組織でございますので、御指摘のような点を十分念頭に置きまして、問題を生じないように指導したいと考えております。
  189. 山田長司

    ○山田(長)委員 私はその指導がややもしますると足りないのじゃないかという印象を持つのです。どうしてそういう印象を現地で調査してみて持ったかというと、現地で売られている青果物はかなり千差万別で、別に選別などされておる筋合のものではないようです。ところが日本から行っておるリンゴはまことにきちょうめんな同じような形をしたものだけがていさいよく並べられて、しかも係の人がふいたりなどしておるようですけれども、一体そんなものを選別してきちょうめんに形をそろえなくてもよいのではないかという印象を持って話したところが、やはりそういう形で出荷の衝に当たる、たとえば青森なら青森から出荷をして出してやって、分けるときに、分けるまでの過程には産地の人たちがずいぶん分けて出しておる。ところがさらにそれが選別されてしまう。選別されたものは二束三文に売られてしまう。要するに残ったものは一応の形で多少値段を高く買われるけれども、これは品物として絶対悪い品物でも何でもない、それを悪い品物だと称されて、分けられて売り出される、これでは希望を失ってしまうではないかということを言われておったのを聞いたのですけれども、私はそれを聞いて初めて出荷の状態の内容を知ったけれども、そんな声が下部で出るようでは、農林省監督が足りないのではないかという印象を持ったわけです。いまのお話を伺ってみても、何か全部を組合依存にしているような印象を私は持ちます。こういう点についてもう少し農業近代化として政府が奨励して、ナシだのクリだのカキあるいはリンゴ、ブドウ、ミカン等に力を入れておるのですから、その面に力をもっと入れなくちゃいかぬと思います。あなた方からこの点が欠けておるということは、なかなか言いにくいだろうと思いますけれども、園芸局をこしらえ、これから日本の農業の大転換をさせようというときですから、いままでの出荷の方法に対する検査制度を、もっと国民が納得のいくような線に持っていかなければならない筋合いのものだと思いますが、この点どうですか。
  190. 小暮光美

    ○小暮説明員 輸出品検査所の組織が実は農林経済局の所管になっておりますが、私どもといたしましては、先ほど来御指摘のございましたように、くだものの需給の安定を期しますためには、国内における生食の消費の拡大だけでなしに、加工需要と輸出需要の拡大ということが並行して行なわれなければならないと確信いたしております。農林経済局とも十分相談いたしまして、輸出検査等の面でできるだけ円滑にまいりますように検討いたしたいと考えております。
  191. 山田長司

    ○山田(長)委員 もう一点だけ伺っておきますが、これは園芸局の範疇に属するかどうかわかりませんけれども、園芸局の支配に属するような印象を持ったので一応伺うのですが、実はビルマに行きましたところが、ビルマに岡山県の農協から出荷した花ござがありました。この花ござは非常に売れ行きがよくて、二週間ほどの販売でその花ござが全部売り尽くされておるところへたまたま私は出会ったのです。そこで花ござが非常に喜ばれているというのを聞きまして、強く受けたのですけれども、これは製品としてはりっぱなものです。別にこの製品についてとやかく言うわけではないのですけれども、実はこの決算委員会で通産省の製品について、顕微鏡やあるいは写真機や双眼鏡などの検査は機械課で検査をするが、大がかりの自動車とかオートバイなどの検査はしないことがわかったのです。そしてそれは各社にまかせておくといったようなことで、こういうような場合の——将来も花ござというものはたくさん出るだろうと思って、私は見てきたのですけれども、この製品は実は園芸製品だと私は見てきたのです。こういう製品の監督、奨励、それからこれは南方の暑い地域、しかも湿地帯の場所のやぐらの上の生活者の敷きものとしては、まことに好評なもののようです。別に現在出ている製品は悪いとは思いませんけれども、やはり検査制度が明確になっていないと、将来粗悪品でも出るようなことになりますと、現在売れ行きのよい花ござがあるいは売れなくなる事態が起きやせぬのかという危惧を持ってきたわけです。この点について、南方の貿易の外貨獲得に大きな役割をするだろうと思われるこの花ござは、どこが指導し、どこがその輸出検査等をする筋合いのものなんですか。
  192. 小暮光美

    ○小暮説明員 園芸局の中に特産課というのがございまして、こうした畳表あるいは花むしろ等につきまして生産の指導をいたすことになっております。したがいまして、園芸局物資ということにお考えいただいてけっこうでございます。  それから輸出検査の問題につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、機構としては、農林経済局の所管で輸出品検査所というのがございまして、いま岡山に検査所の支所が現在もございますかどうか、私ちょっといまそこまで調べておりませんけれども、以前仕事をしておりましたころには岡山に花むしろをことに専門にやる検査施設がございました。いまでも続いておるはずだと思います。これも歴史的には非常に古いものでございまして、むしろ最近に至って労働力事情等から生産がやや減退しつつある傾向にある一過去の労力の安かった時代に南方に非常にたくさん広く市場を持っておりまして、検査規格もでき上がっておるはずだと思います。なお調べまして、御指摘の点を経済局に伝えたいと存じます。
  193. 山田長司

    ○山田(長)委員 ただいまの御答弁でわかりましたが、この品物に限らず、検査規格というものが国民に納得できるようなものであれば、外貨獲得のために農林省が力を入れている近代化に即応した青果物等の輸出についても、やはり安心して製品が積み出せると思いますので、どうかこの検査規格をできるだけ早い期間に国民に知らせるような方法を講じていただきたいと思います。これはひとつ政務次官も心得ておいていだいて処置してやっていただきたいと思います。
  194. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)政府委員 山田委員からの御指摘、御意見もっともと思いますので、できるだけ早急に輸出検査の規格をもう少し国民にわかるように徹底させるように努力をいたします。
  195. 山田長司

    ○山田(長)委員 了承いたしました。
  196. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 検査院指摘の農業共済金の批難事項につきまして伺いたいと思ったのだけれども、もう関係当局が帰りましたので、これも関連しますので申しまするが、たとえば奈良県の北葛城郡の上牧村、四百三十戸の貧村、この寒村で二百六十七万余円の共済金が、水稲並びに麦でありますが、全く支払いをしないままに掛け金に回ったり、あるいは部落の賦課金に回るというようなことになっております。そこに、私は、やはり日本の農業の宿命的な、非常に卑下した前近代的な村の弊風がまだ残っておると思うのです。反面におきまして、こういう問題につきましても規律が厳正であってほしいが、同時に根本的に、よって来たる社会的なこういう弱体面に対する十分な洞察が必要ではないかと思うのです。  そこで私の質問したいことは、このような事態が生ずるほどに村の事情は生活に行き悩んだ面がやはりあるのではないだろうか、こう思いますので、この機会に、ごく簡単でよろしゅうございますので、同和関係の方にお聞きしてみたいと思うのであります。  私は、日本の農村の問題を中心といたしまして、同和事業が、いま指摘したような弊害をなくすべき一環の役割を果たすものだというふうに考えておりますので、このような判断のもとに少し伺ってみたいと思うのでありますが、つまり農村の同和対策事業というものは非常に重要な農村対策であろうと私は考えております。これは大都会にもございますけれども、なお農村のほうが多いのであります。そこで伺いたいのですが、農林省の生活改善課ですかが農政局におありなんだが、一体、同和部落に対する生活改善の基本方針、こういうものを何かお立てになっておるのであろうか。たとえば経済の面あり、教育の面あり、過去の風習の面あり、職業の面あり、いろいろありますが、広い意味における百姓、農村の生活の暗い一面の問題として、同和対策をどのようにお立てになっておるのか、これをひとつ聞きたいのですが、何かお持ち合わせになっておりましょうか、いかがでしょう。
  197. 玉置康雄

    ○玉置説明員 同和問題につきましては、三十四年の五月に同和関係の閣僚懇談会の決定がございまして、関係各省、つまり建設省、厚生省、総理府共通で同和対策を講じておるわけでございます。その根本の考え方といたしましては、やはり生活の向上が第一だという考えでありまして、各省共通で共通の部落を指定いたしまして、そこで各省が総合的に事業をいたしまして、生産力を上げましてその経済的な地位を上げていこう、それがまず第一だと考えておるわけでございます。  ただいまお話の生活改善の点につきましては生活改善課のほうで、実は同和問題をやっておりますのは構造改善事業課と申しまして、生活改善のほうは生活改善課で、全国の農村生活改善一般の問題をやっておりますので、その一環としてむろん同和部落にも生活改善の普及をやっております。しかし、特に同和部落として対策を講じておりますのは、対策事業でありまして、土地基盤整備、共同施設、そういうものの補助事業を行なっておる次第でございます。
  198. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この農村問題の解決に同和対策が非常に重要な役割を持っておりますことは、これはもう私から申し上げるまでもないことでございます。そこで、やはり、生活を向上する経済的な面に施策をするというには、実は農林省がむしろ主唱いたしまして、そして同和対策の関係各省はもっと何か強い機関でも設置せねばいくまいではないだろうか。実は、私、ひまがありましてこれを調べてみましたところ、総理府にも審議会があり、文部省なり、法務省なり、厚生省なり、通産省、労働省、建設省、自治省等にわたりまして、どうも同和問題のひっかかりが全部あるらしいのですが、これらをもっと総合しまして強力なものにするというほうへ、農林省が推進する役割をお持ちになったらどうだろう、こういうほどに農村は多いと私は見ております。そしてまた、まことに問題が百姓との関係において、農業との関係におきましても切実でございます。こういう意味で私は提言したいのですけれども、やはりあちらこちらに分散するというのじゃなしに、もっと集中的にこの問題は機関を設置するというところまで農林省が一つの推進役にでもなってはどうか、こう思うのですが、それはどうでしょう。
  199. 玉置康雄

    ○玉置説明員 ただいまの点、私どもの事務的なお答えになりますが、せっかく総理府のほうでこの同和問題を各省共通の問題として取り上げまして、そちらに同和対策の審議会もございまして、農林省もそれに参画して各省と共同で対策事業を行なうようにしておりますので、その一環として行ないたいと思っております。ただ、いまお話もありましたように、農村に特に多い問題でございますから、その農村にございます同和部落につきましては、実質的には農林省が一番中心になりまして力を入れてまいりたいとは思いますけれども、形式的にはやはり総理府の中の一環としてやったほうが適当かと思っております。
  200. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 特に農村には労力が次第に欠乏する、年寄りと婦人の百姓に転落しつつあると思う。ところが、一方同和部落には労力がある。そこで百姓の現金収入を他の労働収入等によって補てんする、同和部落においてはかっこうの労働力がある、この労働力を経済化するにはどうしたらいいのか、ここに一つのねらいがなければなるまい、こう思うのです。でありますから、遠方に日雇いに行くというのじゃなしに、やはりその地域、地域の特殊事情に適応したような産業を興して、これに必要な設備をする、これは厚生省所管で少し進めておられることも存じておりますけれども、ああいうことをやってもまた足りませんので、主として私は農林省の所管といたしまして、たとえば農産物の加工をするとかあるいはその他の軽易な関係工業でも興すとかいうようなそういう作業場でも設置いたしまして、これを全国的にやるということが大事なことでないであろうか。何も少しばかり厚生省がやっているからといって、それにまかしておく必要はないと私は見ております。やはり農林省は、私がいま申しましたように、農業が盛んになって日本の農業政策がほんとうにりっぱにその成果をあげるための一環としてのこの同和部落の労力の経済化、現金所得にはかっこうの問題がころがっておるのですから、こういう辺に相当力を入れていくべきじゃないかと思うのですがね。だからそれには必要な、たとえばいま申したような作業場でも農林省自体が進んで設置するような役割をしてはどうかと思うのですが、いかがです。
  201. 玉置康雄

    ○玉置説明員 お話しの作業場等につきましても補助金を出しておりまして、同和対策事業補助金農林省で持っております補助金のうちおそらく八割程度がそういう共同施設補助金でございます。それ以外に構造改善事業で行なっております構造改善の補助金におきましても、同和部落に参りまして、共同作業場等になっておるものもございます。そういう点につきましても、なお力を入れていきたいと思っております。
  202. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 小さな作業場では、私はやはりこれまたしょせんは家内工業に転落するものと、こう思っております。ですから、そこは社会保障的な観点もありますけれども、同時にまたこういうような技術大革新の時代ですから、やがてまた家内工業に転落するのじゃないような、相当有力な作業場が設定されていくというふうにしたならば、永続すると思うのです。そうしないとなかなかいきません。ですから、それはむずかしいことでありますけれども、ひとつモデル地区でも設定になりまして、そして八割はそれにお使いになっておるなら一応けっこうと思いますけれども、やはりこれは率先して、もっと有力な作業場、そして工場を、近代化の線に沿うていくような気がまえをもって計画されることが望ましいので、そうしなかったならば、やがてもう少し不利益なことがありましたらそれは凋落します。ちょっと一時的に咲いた花になって、凋落すると見るのです。あちらこちらにそういうきざしも見受けますので、私はこういうことを申し上げるのです。
  203. 玉置康雄

    ○玉置説明員 ただいまお話しの非常に大きい工場的なものになりますと、私どものほうで行なっております補助金対象よりは、むしろ会社組織で行ないますような事業になりまして、融資の対象ということになるかとも思うのでございますけれども、そういう融資の対象ということになりますと、地元に相当の受け入れ体制がないと行ない得ないと思うのでございますが、なおお話のような点につきまして今後地元も指導いたしまして、融資のほうも進めていきたいと思っております。
  204. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私、一番最初に総合してもっと有力にしなさいと言ったのはそこなんです。たとえば地域におきまはしてもいろいろな特殊産業があります。その特殊産業は斜陽もあれば、またこれからの産業もありますし、それから自治体もあります、また業界の団体もありますというふうになりますと、各省のそれらの関係とともに、民間の団体と、それからまた地方公共団体と、こういったものがそれぞれある目標に向かって、集中的に、総合的に計画達成に努力する、こういうふうになりましたならば、私は相当できるものであると、こう思うのです。たとえばあちらこちらでパイロット地区が選定されたごとくに、やはりこの際はもう少し規模の大きいものでやるためには、農林省だけで小さく細く、ただ単に同和部落の余った労力を社会保障的に経済化するというのじゃなしに、もっと広げていくというような角度から私は見てもらいたい。そうしたならば必ず案ができてくるので、それがほんとうの同和事業になり、同和対策の成果をあげていくので、その生活はほんとうに明るくなっていく。そうしなかったならば、それはもう十年一日のごとし、こんな問題を言われて、もうずいぶんと日がたつのですけれども、一向改善せられないゆえんは、かなり消極的であったからだろうと私は見ております。これを申し上げまして、後日の参考にしておいてもらいたいと思います。非常に重要なことでございまして、農村全体を貫く問題という角度から私はこの問題を判断いたしておりますので、そういうふうにひとつ御理解を願っておきたい、こう思います。
  205. 玉置康雄

    ○玉置説明員 従来この同和対策事業を総理府で所管いたしておりますこと自体が、ただいま先生お話がありましたように、各省総合していこうという精神から出ておるわけでございますから、なお一そうその精神に沿いまして、先生の御意見に沿うように行なっていきたいと思っております。
  206. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 次に農地局の方に伺いたいのですが、これは検査院の指摘事項でありまして、五十二ページの一番下に書いてある山形県の尾花沢市開拓用地の十四町九反六畝二十九歩ですか、この問題ですが、結局これは検査院の指摘したところによりますと、十二町七反九畝何がし所在不明ということになるのでありますが、私はこの問題自身を最後までどうこうという意味でお尋ねするのじゃないのでありまして、やはりなぜこんなことになるのかということを聞こうというのが私のねらいであります。開拓用地が十町以上所在が不明になっておるというようなことは、事務的な欠陥であるのであろうか、計画が粗漏であったのであろうか、あるいは土地台帳というものが備えつけてありますが、そういったもの自体が現実にそぐわない、適合しないものがあることに基因するのであろうか、どこに原因があるのであろうか、そういうことを知ることが私は大事であろうと思うて質問するのでありますが、端的にいって事実所在が十二町七反何がし不明なのか、また何が原因でありましたのか、その点をひとつ御説明願いたいと思います。
  207. 小林誠一

    ○小林説明員 お答え申し上げます。  山形県の尾花沢市の開拓用地が一部所在不明であるという指摘を受けたわけでございます。この土地は農地開発営団から引き継ぎを受けました土地と、それから一部買収をいたしました土地のトータルで百四十六町の土地の一部分でございます。この農地開発営団なりあるいはこの当時に買収いたしました土地につきましては、ほとんど台帳面積でやっておりまして、著しくなわ延び等があると認めます場合は実測をやりますが、台帳面積でやって買収なりあるいは引き継ぎを受けておるわけでございます。したがいまして、そういう点でまず引き継ぎの面積が正しかったかどうかという点が一点あるわけでございます。実はそういう点もございますので、二十九年度からは買収いたしますときに実測をやるということで、二十九年度からの買収につきましては実測費をつけておりますので、そういうことはないと思いますが、この当時の買収につきましては、そのような問題が一つあったんじゃないか。  それからもう一つの問題といたしましては、やはり売り渡します場合は、実測面積に基づきまして売り渡します。したがいまして、当然測量等が行なわれておるわけでございます。その測量等が行なわれました面積が売り渡し面積と合致してないというような点も考えられるわけでございます。そういうようないろいろな問題があるのでございますが、一部につきましては地すべり等で境界が確定しない、この面積はわかっておるわけでございますけれども、その食い違いにつきましては台帳と原地との乖離ということがございますので、早急に原地につきましてその面積を当たりまして、その間に乖離があります点の原因を追及するということで、山形県に指示をいたしております。そういうようなことでございまして、いままでこの問題につきましてまだ措置が完了しておりませんのはまことに残念でございますけれども、雪が解けました暁には早々やるように県のほうに指示をいたしておるわけでございます。
  208. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 日本の土地の実態把握の問題ですが、これは現物と言うと語弊がありますが、台帳に載っておるものが現に実在するのかいなか、もしくは面積は正確であるかどうかということは、究極何によればいいのでしょうか。そこらは御答弁願えたらしてもらいたいんだが、なお検査院お気づきの点があればおっしゃってもらいたい。また、これは一つは、日本の国有財産を確認する上においても必要であろうし、また、一般の経済生活の上においても必要であろうし、このような開墾とか、あるいは開拓とか、あるいは土地の各種の目的のための造成とか、地域の開発とか、ともかく広くもない日本の土地に、あらゆる意味におきまして土地対象とする行政策を今後推進していくのですから、実態、実際どういうふうに把握するのが終局的に一番正確であるのか、こういう点をはっきりさせてみたいのですが、その点いかがでございましょう。
  209. 小林誠一

    ○小林説明員 その問題につきましては、実測面積を基準にしてやるべきものだというふうに考えておりまして、そういう意味におきまして、先ほど申し上げましたように、最近は実測費をつけまして原地把握につとめております。
  210. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 現に実測で把握するということ、それはけっこうでありますが、実測をしないまま取り引をしたり、計画をしたりなさることがずいぶんあります。また、国有財産が何ほどあるかということもおそらく実測がないだろうと思います。その辺につきまして何がいまの段階におきまして最も正確に実在物を掌握できるか、その根拠はどうでしょう。
  211. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 ただいま、私どものほうで先生御指摘になりました所在または境界が不明となっているものといって指摘しておりますのは、昭和二十二年あるいは二十三年ごろの、終戦後そうそうのころによく原地を確認しないで買収したというような事例のものを指摘しておるわけでございまして、ただいま農林省からお答えがありましたように、今後これは実測をしてはっきりとさせていくという態勢をとっておられますので、これは早急に是正されていくものと考えております。  国有財産につきましては、もちろん国有財産台帳というものがございまして、正確に——多少こういうものもございますけれども正確に把握されておる、かように考えております。
  212. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと私の伺ったねらいとは答えは違うのですよ。いま農林省のほうにおきましては、今後は実測をして実態把握をするとおっしゃっておる。それはそれでよろしいのです。また、登録してあるという事実も存じております。けれども、登録はしてあるけれども、実在しないということがあり得るのではないか。さすればどうすることによって日本の土地を一番正確に大きさ、広さ等の実際を把握し得るのか、その方法いかん、もしくは制度いかんという点について何か御用意があれば聞きたい、こういうのが私の質問の趣旨なんです。
  213. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 いま私申し上げましたように、ここに指摘しておりますのは、特殊な時代に、特殊な事情に基づきまして起きました事態でございますので、一般的には、国有財産といたしましては正確に国有財産台帳に把握されておるわけであります。
  214. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ですから、国有財産台帳に載っておるから実在しておるんだということでありますが、台帳にあっても実在しない幽霊土地があることがあり得るので、今回のような事件が起こるのではないかと思われますので、この際聞いたのでございます。台帳に載っておるからそれはそれでいいじゃないかというなら、別に質問も何も要らぬのです。台帳がはたして正確かどうか、いつ台帳がつくられたか、その台帳がどういう方法によってつくられたか、そうさかのぼって追及していくと、私どもの狭い経験によりましても必ずしも終局的な正確性を持っておらぬのであります。そういうことで、せっかくこの機会だから伺ってみたのです。これはまた別の機会に聞いてもいいのですけれども、そういう意味で私は聞きおったのです。だから、日本に何億町歩の何があるといったところが、台帳にそう書いてあるからそうだというのじゃ、それは議論にならぬ。そういうことでありまするから、一番正確なのはいかなる方法によってこれを掌握し得るのか。やはり現地調査、実測をせなければならぬのかどうか。実測をしない範囲において何の方法があるのか。これを聞きおったのだけれども、これは一言でお答えはいまのところできませんか。なければいいのです。別にあなたの所管事項でもないのだから、なければいいのです。
  215. 小沢定司

    ○小沢会計検査院説明員 お答えになっていない、お答えしているつもりなんでございますが、国有財産につきましては御承知のように国有財産台帳もございまするし、その地価につきましては施行令によりまして五年ごとに評価するというような規定もございまするので、全般的にはこれは正確に把握されているものと考えております。
  216. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 食管の関係で一点だけ伺っておきたいのですが、おいでになっておりますね。三十七年の検査院の指摘事項の五二四号です。ページは七十六。三十六年のなたね交付金、この経理不当の案件でありますが、要するにこれは三十六年度産のなたねの交付金の交付要綱に適合するような措置がとられなかったということに原因があるのですね。そうなんですね。
  217. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 そうであります。その交付要綱で、なたねの生産者が販売調整機関である全国販売農業協同組合連合会に販売を委託したもの、それから全販連がそれを販売調整したもの、この二つのものについて交付金を交付するようになっております。ところが、販売の委託ではなくて、買い取り販売ないし油交換というようなものについても交付金を交付した、そういうような事例、それから全販連の下に県の農業団体、その下に単協、それから単協から生産者、こういう関係になっておるのですが、交付金が末端まで流れないで途中でとまっておったという二つの問題が含まれております。
  218. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは、三十七年度に、食糧庁で、全販連に対して三十六年度のなたねの生産者団体交付金として三億二千九百六十二万余円を交付しました、このうち案件でありますが、そこでこれを考えてみまするときに、末端の農業者自身が金の処理をするようなときには、これは経理がふなれ等の事情もありましょうけれども、そうでなしに団体の機関がやるのでありまするから、かなりそこは問題の扱い方は簡単でないかと思うのです。その簡単な交付金の交付要綱に適合しないというようなところは、何が一体これは欠けておるのであろうか。事務的には相当練達といっては悪いかしらぬが、なれた人がやっておるのだろうし、何が欠けておるのであろうか。やはりこれは各種の問題にあるがごとくに、国からもらう金だから少々のことはというような道義的なものが欠けておるところにでもあるのであろうか、事務のふなれなところにあるのであろうか、交付要綱が非常にわかりにくいことに原因するのであろうか、その辺は、結論的に言うならば、何がこれをなさしめたのですか。
  219. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 この制度は大豆の自由化に伴いまして国内産の大豆価格が下がるという情勢のもとに三十六年度に初めて発足した制度でございます。したがって、この制度をつくること自体が、時間的に大豆の生産時期との関係においてかなりおくれておったことと、したがって、その制度の趣旨を末端の関係者まで十分理解していただくことに若干欠けるところがあったのではないかというふうに考えております。その他、先生いまおっしゃいましたようないろいろ事情もあろうかと思いますけれども、中心的な事由としましては、初年度関係者が要綱の内容を十分熟知されなかったというようなことに原因があったと私たちは考えております。
  220. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は農林省所管の各種の問題につきまして、かなりこの種の後進性を持った地帯におけるできごとでありまするので、ほんとうはどんなにだまされても腹が立たぬというほど同情的に、ものは見ておりますのですが、ただお考え願いたいことは、今日の、たとえば単協にいたしましても、あるいは県段階農業協同組合におきましても、信用事業相当発達いたしておりまするとき、一方、信用事業として、たとえば市中銀行などは三円、五円の金の間違いがありましても、夜十二時まで行員を帰らしません。その間違いをきちっと正した上、みな帰っております。私も、ある懇意な銀行に八時半ごろ参りましたところが、まだあかあかとして仕事のまっ最中、どうしたのですかと言ったら、少し勘定が違いました。少し勘定が違いましたというので全員禁足で原因を追及するというところに——功罪いろいろあるけれども、日本の銀行制度というものが今日の信用をかち得ておると私は思うのです。日本の農業の近代化といい、世界的な競争に耐えるといい、所得格差といい、あれやこれや山積した問題のうち、今日は農協相当進歩した存在ですよ。農協が進歩した存在だけれども、この事態を見ると、一体何が原因かということを政府は真剣にひとつ取り上げてみて、全国的に今後起こらないように指示するくらいな、ほんとうに行き届いた農政をやらなければいかぬと思っておるのです。煩にたえぬほど農林省検査院に指摘されるのです。ですから、そういうことよりも、私はそれをおそれるのですね。ですから、この場合におきましても、五百数十万円生産者へ交付金が渡っておらぬ。これは一人で受けるのじゃなしに、おそらくたくさんの人が受ける。これが渡っておらぬというところをやはり重視して、そこでその重要な機関が、どこであやまちがあったのかということを全国的に電気のごとくにこれを流して、そして事情を調べて、翌年はこれをなくするというところまでやらなければ、ほんとうに日本の農政はできないんじゃないかとまで思っております。ですから、いま御答弁になりましたそういう原因を、失礼ですけれども、軽くごらんになりましたら、私は農村のためにはたいへん不幸なことだと思いますので、やはりこういうことがありましたら個人ではなしに団体——団体も信用機関でありますから、そこが幾つかやったのだから、それはもう全体に流しまして検討してもらって、そうして翌年から全国にこういうことのないようにするというくらいに——ほんとうにありがたかった、よく指摘してくれた、こういうふうになってもらいたい。これがほんとうの農林行政のあり方じゃないかと思いますので、実は老婆心でこんな要らぬことを言うのですけれども、私はほんとうはそうであるべきだと思うのですが、いかがですか。
  221. 丹羽兵助

    ○丹羽(兵)政府委員 非常に大切な御意見をお聞かせいただきまして、ごもっともと思います。その精神でなければわが国の農政の発展はないし、また農民の福祉もないし、また農民に対する深い理解と同情を失うということに相なりますので、そうした考え方で、ひとつ今後農林省は善処いたし、大いに心がけてまいりたいと思います。
  222. 白浜仁吉

    白浜委員長 次会は明二日午前十時より理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十二分散会