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1964-04-22 第46回国会 衆議院 議院運営委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二十二日(水曜日)    午後一時三十五分開議  出席委員    委員長 福永 健司君    理事 小平 久雄君 理事 佐々木秀世君    理事 坪川 信三君 理事 安藤  覺君    理事 天野 公義君 理事 柳田 秀一君    理事 下平 正一君 理事 前田榮之助君    理事 佐々木良作君       小沢 辰男君    進藤 一馬君       田中 六助君    竹内 黎一君       中嶋 英夫君  委員外出席者         議     長 船田  中君         副  議  長 田中伊三次君         議     員 林  百郎君         事 務 総 長 山崎  高君     ————————————— 本日の会議に付した案件  特別委員会設置の件  回付案の取扱いに関する件  次回の本会議等の件      ————◇—————
  2. 福永健司

    福永委員長 これより会議を開きます。  まず、特別委員会設置の件についてでありますが、内閣提出にかかる結社の自由及び団結権の保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案等関連法律案を審査するため、委員三十人よりなる国際労働条約第八十七号等特別委員会を明日の本会議において設置するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福永健司

    福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  この際、佐々木良作君に発言を許します。佐々木良作君。
  4. 佐々木良作

    佐々木(良)委員 理事会で十分申し上げましたので、あらためて時間をさいて申し上げることを節約いたしたいと思います。  前国会、前々国会におきまして、この問題につきましては、わが党は、ILO八十七号条約批准促進という立場をとり、同時に、これに便乗していまの状態改悪するような法律を出すことはまかりならぬ、こういう立場に従いまして、問題の出ておるところの条約案件外四件の法案の問題につきましては、条約案件をわが国で批准する場合に、それに抵触する条文を持っておりますのは公労法地公労法おのおの四条三項、五条三項、これだけでありまして、したがって、正確に言うならば、この公労法四条、地公労法五条、これだけを条約案件と一緒に審議するということの必要は認めるのでありますけれども、それ以外の内容は大体改悪に属する、こう私どもは判断しておるわけです。まあしかし、一つ法律でありますから、そのうちの条文だけを抜くということは、これは事実上不可能でありますので、したがって、条約案件公労法地公労法、この三案件を付託して一括して審議する特別委員会設置されることに対しては賛成し、むしろ推進する、こういう立場に従いまして従来とも主張を貫いてまいりましたので、今回もそのような立場に従って、いま委員長からおはかりのありました特別委員会は、その三案件審議のための特別委員会だ、こう理解をいたしまして、わが党はこれに賛意を表するものであります。
  5. 福永健司

    福永委員長 林百郎君。
  6. 林百郎

    林議員 本特別委員会設置の件は、わが党にとっても非常に重大な問題でありますので、この際特に発言を許していただいた次第であります。  日本共産党としては、ILO特別委員会設置については、次の理由で反対をいたします。  第一は、ILO条約の八十七号問題は、これに抵触する公労法四条三項と地公労法五条三項を削除し、条約批准すればよいのであって、いま議題になっております特別委員会設置は、これに反しまして、条約抵触部分以外の国内労働法改悪目的としたものであることは明らかでありますので、日本共産党としては反対をするのであります。  第二は、いま自民党の皆さんから特に推進の意見のありましたこの特別委員会設置の真の目的は、ILO八十七号条約批准に名をかりて、国家公務員公共企業体労働者団結権団体交渉権の諸権利を、現行法よりさらに制限する内容国内法改悪を行なって、実質的にはその効力を抹殺しようとするものでありますので、わが党としては、このような内容を持った委員会には反対をするのであります。(「委員会でやってくれ」と呼ぶ者あり)委員会でというのですが、委員会共産党委員は入る可能性が保障されておりませんので、この際わが党としては、この委員会で特に発言を許されたわけであります。  なお、第三番目としては、伝えられておるところの倉石修正案審議、通過を目的とするものであるとしても、第一に、われわれはその内容を全然知らされておらないのみか、新聞に報道されているところによりますと、倉石修正案は、政府提案国内法改悪公務員公共企業体労働者団結権団体交渉権に対する現行法による制限を撤廃させ、ILO八十七号条約の効果を保障するというのでなくて、また、人事局設置をも認めている等の内容もありますので、本質的には、政府国内法改悪内容と変わらないものだと思いますので、これを通過させるという内容特別委員会であるとしても、わが党としては賛成いたしかねるのであります。  なお、特別委員会に、ILO条約批准と、公労法地公労法の二法案をとりあえず付託して、一応他党の立場も立て、そして一日後に国家公務員法地方公務員法の二法案を追加付託するということも考えられているとも聞いておりますけれども、このようにして、共産党を除いた他党の全会一致制を形式的にとるというような手段を用いた特別委員会設置の方法についても、私たちは賛成いたしかねるのであります。  なお、最後に私が特にこの際強調したいと思いますのは、本特別委員会設置に至るまでの経過でありますけれども、今日までには、いわゆる倉石修正案とか、あるいは国会審議を前にして、すでに政党間の話し合い文書によって交換されているとか伝え聞いておるのでありますけれども、このようなことが、関係している政党以外の議員国会における十分な審議権を制限する結果になるということが心配されるのであります。したがって、わが党といたしましては、このようないきさつを持った本特別委員会設置につきましても、国会の十分な審議権を守るという意味で賛成いたしかねるのであります。かりに、この委員会設置が議決された場合におきましては、本条約日本労働者階級団結権団体交渉権にとって非常に重要な影響を及ぼす案件でありますので、全会派委員を参加させるよう、当然わが党の委員も参加させるような配慮をすべきことを要求いたしまして、この際、前回にも特に共産党意見が述べられ、議事録にも載っておりますので、発言委員長から許していただきまして、わが党の意見を述べた次第でございます。  以上です。
  7. 福永健司

    福永委員長 ただいま林君から特別委員会設置につき反対の意向が表明されましたが、共産党は本委員会においてはオブザーバーであり、したがって、先刻異議なく設置するということをきめたことに影響はございません。ただいまの御意見は参考のために伺っておくことにいたします。  下平正一君。
  8. 下平正一

    下平委員 特別委員会設置されました際、私たち態度といいますか、気持ちだけを一応表明しておきたいと思います。  その一つは、特別委員会設置について満場一致という慣行が守られて——お互いにかなり苦しみがあったと思いますが、この慣行が守られて、円満裏特別委員会満場一致でつくられたことについて、私はお互いに喜ばしいことだと思います。したがいまして、これからも議会の中でいろいろ問題の紛糾することがあろうとも、こういうよい慣行を守って、十分な話し合いの上にやっていく、こういうことをよき慣行の積み重ねとしてやっていただきたい、こういうふうに思います。それからもう一つは、この特別委員会設置については、議運でありますから中身に深く触れませんけれどもお互い自民党社会党の間にいろいろの取りかわしがあったわけであります。ところが、今回は、民社党さんも自由民主党さんのほうからその中身を提示されて、民社党さんも中に入った形になっていると私は思うのです。そこで、信義を守るという前提で、ここまで円満な話が進んできましたので、今後のILO特別委員会運営等についても、十分この点信義を守って、お互いにいい結論が出るような努力をひとつしていただきたい。  この二点だけ、特にこの委員会で私たち態度を表明しておきたい、こう思います。  以上であります。
  9. 佐々木良作

    佐々木(良)委員 いま共産党社会党から話がありましたから、ちょっと付加しておきたいと思います。  それは格別従来ここまでこの問題がくる経緯について、いわゆる自社両党の話し合いの問題についてでありますが、昨日の自民党とわが党の書記長幹事長会談の席におきまして、わが党からこれまでの経緯並びにいわゆる倉石修正案なるものの内容その他を明らかにされたいということを要望いたしまして、そうしてその結果、本日の会合におきまして、自民党幹事長から内容文書をもって明らかにしていただきました。そのことは、同時に私どもはそのまま報道機関に伝えて、要するに、従来の内容が全部明らかになった上で特別委員会が発足する、こういう状態になることを確認したわけでありますし、同時に、その際に自民党の代表からも経緯が明確にされ、自社両党の考え方の相違点等もある程度明らかにされながら、十分な審議をこの特別委員会ですべて尽くそう、ここを出発点としてやる、こういうふうに話されて、一応その話を了といたしたのでありますから、したがいまして、先ほどの筋の賛成論につけ加えて、いまの問題もあらためて御報告をし、下平君からもお話がありましたように、私どもも、この委員会設置されたならば、力一ぱい審議を尽くしたい、こう思います。御了承をいただきたいと思います。
  10. 福永健司

    福永委員長 なお、委員三十人の各会派割り当て数は、自由民主党十九人、日本社会党九人、民主社会党二人と相なります。  また、国家公務員法の一部を改正する法律案及び地方公務員法の一部を改正する法律案取り扱いについては、さらに御協議願うことといたします。     —————————————
  11. 福永健司

    福永委員長 次に、回付案取り扱いに関する件についてでありますが、内閣提出にかかる郵政省設置法の一部を改正する法律案及び農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案が参議院において修正され、本院に回付されてまいっております。  右両案は、明日の本会議において議題とするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 福永健司

    福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  13. 林百郎

    林議員 ちょっと委員長、念のためにはっきり確かめておきたいのですが、そうすると、いまのいわゆるILO特別委員会には共産党委員はないということですね。
  14. 福永健司

    福永委員長 はい。これは厳正なる数字がそういうことに相なっております。よろしく。
  15. 安藤覺

    安藤委員 ちょっと、先ほど発言を求めましてお許しをいただけなかったので、そのままに流そうかと思いましたが、いままた林さんから念を押されましたので、私も発言を求めますが、先ほどの御発言にあたって、林さんは、ILO特別委員会が開かれてもわれわれは発言の機会を持たないのだ、かるがゆえに、いまここでこの発言をなすのだということを言っておられるのであります。しかりとすれば、もう特別委員会において林さん御自身発言を要求せられることもなかろうし、われわれもそれについて何らの考慮をする必要はない、私はかように考えるのであります。いま重ねての御要求めいたおことばでありましたから、先ほどのおことばとは時間も短い間にあまりにも変わられる姿が見受けられますので、あえてこのことを申し上げておきます。   〔発言する者あり〕
  16. 福永健司

    福永委員長 静粛に願います。     —————————————
  17. 福永健司

    福永委員長 次に、明日の本会議は、午後二時から開会することといたします。  また、次回の委員会は、同日午前十一時理事会理事会散会委員会を開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十分散会